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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<15回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<15回目>

■パラ9月号創棋会作品展パスワードクイズは受付中です!
 詰パラ9月号(21P)の創棋会作品展
 今回は合作による「あぶり出し」が課題、組曲で詰上りが想像しやすい作品展だったと思いますが、ご解答いただけたでしょうか。
 連動企画の「パスワードクイズ」は引き続き受付中です。
 詰上り4文字(手順解答は不要)を下記に送ってください。こちらの賞品にはレア品を用意しています。よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

■「すらすら解ける20手台」part結果発表<15回目>
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、13名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、奥鳥羽生、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、野々村禎彦、himasume、
   福原徹彦、三輪勝昭、RINTARO、安田恒雄、柳原裕司、山下誠
 昨年より「すらすら度」は上がったと思いますが、23問と言う大量出題!
 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 PartⅠ・Ⅱ以上に、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
  ※出題 →  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-202.html

 それでは今日は妻木さんの作品です。

⑳妻木貴雄作
20.png

【作意】
 31銀、12玉、23銀、同玉、32銀、同玉、42角成、23玉、32銀、13玉
 22銀生、12玉、21銀左生、22玉、34桂、21玉、43角成、12玉、22桂成、13玉
 23成桂、同玉、33馬寄、12玉、13歩、同玉、31馬、12玉、22馬まで29手詰

【正解】
 15手目→34桂
 手数→29手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.33、A:5、B:6、C:1、誤解:0、無解:1、無評価:0

【作者のことば】
 比較的簡素で自然な形から、持駒の銀四枚がすべて消え、途中で拾った桂と歩も消えて、2枚の角が馬になって詰む…という構成です。
 特に狙いもなく、流れるように手順が進むだけの図で、ボツでも構いません。
 狙いの一手、これは困りました。
 そもそも「特に狙いもなく、流れるように手順が進む」ので、狙いの一手などはありません。「なし」としたいところですが、どうしてもというなら15手目の3四桂でしょうか。
 紛れは書きたいけど、ほとんどなし。作意以外ではすぐに手が切れてしまうと思います。

★20作目は妻木さんの登場。
 妻木さんは「すらすら解ける20手台」には初参加。
 妻木さんと言えば、簡素な形から切れ味の良い捨駒が飛び出す短編がお得意という印象が強いのですが、20手台の本作ではどんな手順を見せていただけるのでしょうか。
 まず初形は右上隅の5×3に収まった実戦型。盤上には成駒もなく金気もなくスッキリしています。持駒銀一色も好感の持てるところ。
 5筋の二枚角を働かさないといけないので、31銀と拠点を作ります。
 13玉には22銀打、12玉、13銀打、同桂、21銀打、23玉、32銀、12玉(同玉は42角成以下)、34角成、同歩、21銀直、11玉、44角まで。
 12玉とかわしますが、23銀、32銀と二枚の銀を捨てて42角成と強力な馬を作ります。
 途中23銀に13玉は22銀直があります。また32銀に12玉は22銀成から31角成の筋があり、13玉なら22銀打、12玉、21銀左生、23玉、35桂があります。
 42角成、23玉、32銀と進めます。持駒がなくなったので手が続くか心配になってくる局面ですね。
 32銀に12玉は22銀成、同玉、31馬、12玉、21銀、23玉に35桂まで。52角が良く利いています。
 そこで32銀には13玉と逃げますが、22銀生と捨てます。
 取ると31馬があるので、12玉と耐えますが、21銀左生と32の銀で桂を取ります。
 こうすれば22玉と銀を払うしかありません。
 ここで34桂と捨てるのが巧い一手です。

<15手目:34桂>
20_34桂

 34同歩なら、32馬、13玉、12銀成、同玉、34角成と出来ます。
 34桂は取れないので21玉と銀を取って凌ぎますが、43角成、12玉と追って、22桂成と捨てるのが決め手。
 13玉と逃げても23成桂とすてれば、同玉に33馬寄と一歩補充して、12玉に13歩と叩いて、同玉に31馬から二枚馬の清涼詰となりました。


野々村禎彦:一種持駒のすっきり実戦型からの軽い捌きで清涼詰。ザ・すらすら。

★妻木さんの作品はやや難解というイメージがあったのですが、本局にはそういう短評がありませんでした。

安田恒雄:銀四枚の持駒趣向ですが、キーとなる手の34桂と19手目の22桂成捨てからの清涼詰は気持ちが良かったです。

★銀を使い切ってからの桂の活用が印象に残ります。

三輪勝昭:キメの細かい捌きで手順は好き。だけど大駒が2枚共残るので冗長作品に思える。

★きめの細かい手順というのはピッタリの表現ですね。馬二枚の清涼詰でしたが…。

中出慶一: きれいな実戦型、4銀捨て、清涼詰、の特長を有する軽快中編の完成品。大駒捨てがないのが残念。(この作品が、短大またはデパートで採用されるか、には疑問が残るが・・・)

★せめて一枚消せればというところですが望蜀?

鷲見慎吾:銀を賄賂ににじり寄る馬という印象。銀を使い果たしてからの桂打は意外でした。

★遠くの角を活用するため銀を散財。

himatsume:13手目で少し悩んだ。

★桂をどちらの銀で取るか。直と行きたくなるところです。

福原徹彦 :持駒銀4趣向。銀を捌いているうちにどんどん馬が迫ってくる。

★銀の捌きにも味があります。

山下誠:4枚の銀を巧みに使って網を絞り、3四桂で一気に手順を引き締める。

★34桂はまさに決め手。

奥鳥羽生:粘りのある手順で、それを継続する34桂。

★34桂をもう一度22に成捨てるのが気持ちのいいところです。

有吉弘敏:34桂は好手だがもう一手欲しい。

★がらっと構成を変えないと難しそうですが…。

RINTARO:4銀至妙の局。収束まで完璧です。

★4銀が単純な捨駒だけではなく、最後に全部消えるところなどお見事です。

則内誠一郎:好形好手順の完成品。

★「完成品」と言える出来映え。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年10月21日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「よくわかる作家の個性」  
   投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年12月16日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「未定」決定しましたら案内させていただきます。
*************************************************************** 
以上

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<14回目>

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 それでは本日は中出さんの作品を紹介します。

⑲中出慶一作
19.png

【作意】
 23桂成、43玉、33成桂、同玉、36飛、35歩、同飛、43玉、33飛成、同玉、
 34歩、43玉、35桂、同銀、33歩成、同玉、15角、同香、34歩、43玉、
 55桂、同銀、33歩成、同玉、55角、同香、34銀打まで27手詰

【正解】
 6手目→35歩
 手数→27手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.58、A:7、B:5、C:0、誤解:0、無解:1、無評価:0

【作者のことば】
 玉を33から43へ振り回して詰めに必要な銀を入手するまでのミニ趣向的手順になっています。
 「狙いの一手」6手目35歩合 (この作品は全体が流れるような手順が続きますので受けの手を指定)

★19作目は中出さんの作品。
 中出さんは入選500回に迫る大ベテランですが、どのような課題にも取り組まれるところに敬意を表します。
 飛車角のダイナミックな動きを表現するのがお得意ですが、思い描いた構想を大胆に創作されるのが持ち味で、作品からいつも若さが感じられます。
 本作は48と28の二枚の角をどうやって働かせるかがポイントです。
 55角、同銀、23龍とする筋が見えますが、42玉、43龍、51玉、53龍に61玉と逃げられると続きません。
角の前に26飛を使いたいところなので、23桂成から33成桂と軽く捌きます。
 33同玉に36飛と回ります。43玉は34銀から56桂までですから、35に合駒です。
 金気は同飛から34に打って詰むので、桂香歩のいずれかとなります。
 香は同飛、同銀(43玉では44香!)、34歩、43玉、55桂、同銀、33歩成、同玉、55角で詰み。
 桂は同飛、同銀(43玉は55桂、同銀、33飛成以下)、34歩、43玉、55桂、同銀、33歩成、同玉(同銀は35桂!)、55角で詰み。
 35歩が最善です。

<6手目:35歩>
19_35歩

 35歩、同飛に同銀は34歩から55桂~55角があるので、43玉とかわします。
 ここで55桂から33飛成とするのは同銀と取られて詰みません。
 そこで33飛成と捨て、同玉に34歩、43玉から35桂と捨て、同銀と取らせて24銀を移動させます。
 33歩成と捨て同玉とさせてから、15角と待望の桂馬の入手。
 これは同香と取って、34歩、43玉のとき、今度は55桂と捨てます。
 同銀に、33歩成、同玉のとき、55角と質駒の銀を取り、34銀打までの詰み。


福原徹彦:34歩~33歩成を繰り返す知恵の輪風の手順で楽しく解ける。

★局面を動かす鍵が明快で楽しく解きほぐしていくことが出来ます。

則内誠一郎:散々(33)利かされて。

★33地点に何度も繰り返される捨駒にリズム感があります。

himatsume:玉が43と33の地点を行ったり来たりで面白い。

★玉の往復運動もお楽しみいただけました。

山下誠:玉は3三と4三を往復するだけだが、攻め方に変化があって楽しめる。

★攻め方は桂捨てを挟んで二枚角を捌きます。

RINTARO:手は限られてますが、合駒の綾があり、スラスラとまではいかなかったです。

★6手目の変化でちょっと立ち止まりますが、決して難解ではありません。

安田恒雄:駒取りなので残念ですが、期待通り角2枚が消えてくれたのでスッキリしました。

★初形の駒数は多いのですが、手順に躍動感があって、不動駒も少なく、スッキリした印象が残ります。

野々村禎彦:狙いの35歩合でぴったり収まる構成は良いが、大模様すぎるのでは。

★大模様を気にしないのが中出さんらしい。

鷲見慎吾:初形には圧倒されました。捨てる順番を確定させるための巧妙な駒配置ですね。

★計算された駒配置。

奥鳥羽生:趣向手順にはまり込みうっかり手なりに進めると一歩不足。

★6手目をうっかりすると一歩不足になります。

三輪勝昭:35歩合は妙手ではなく43玉が妙手?

★35同飛にいったん43玉とかわすのが延命の受け。

中出慶一:最後に玉方の右銀を質駒として入手して大団円となります。その構想を実現する過程の趣向的手順を楽しむ作品です。「すらすら解ける20手台」にぴったり?と思います。

有吉弘敏:主旨にぴったり。テーマも明快。

★33⇔43の往復運動に、桂の打ち捨て、歩打ち・成り捨ての趣向的手順が好評で、C評価無し、2.58の高い評価を獲得しました。


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 本日の結果発表の前に、これまでの発表原稿に不備がありましたので修正の連絡です。

◇結果発表12回目(10/6  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-219.html
 RINTAROさんの逆算図について、ご本人から頂戴していた作品を誤って紹介していました。正しくは次の図です。
 失礼のありました点、謹んでお詫び申し上げます。

RINTARO作
16_参考図(正)

 31歩成、同玉、32銀引成、同銀、41歩成、同銀、23桂、同歩、
 32香、同角、同桂成、同銀、22角、21玉、32銀成、同玉、
 33銀、21玉、11角成、同玉、13香、12桂、同香成、同玉、
 14香、13桂、同香成、同玉、15香、14桂、25桂、12玉、
 14香、21玉、22銀成、同玉、34桂、31玉、43桂、21玉、
 33桂打、32玉、31桂成、同玉、41銀成、32玉、42成銀まで47手詰

 これも見事な逆算です。序奏は手順前後のアヤもあって良く出来ていますね。

◇結果発表11回目⑭(10/5  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-218.html
・RINTAROさんの短評を書き漏らしました。
 上記ブログに追記させていただきました。

◇評価集計の誤記
 無解と無評価の記載ミスがありましたので下記で修正しました。平均点に修正変更はありません。
  結果発表7回目⑨ 9/29  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-213.html
  結果発表8回目⑪ 9/30  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-214.html
  結果発表9回目⑫ 10/2  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-215.html

◇作品番号の誤記がありましたので下記で修正しました。
  結果発表6回目④→⑦ 9/28  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-212.html
  結果発表7回目⑧→⑨ 9/29  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-214.html

 それから結果発表へのコメントもいくつかいただいています。
 ご覧いただいていない方はどうぞ。

  結果発表4回目⑤ 9/25  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-210.html
  結果発表7回目⑧ 9/29  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-213.html
  結果発表7回目⑨ 9/29  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-213.html
  結果発表9回目⑫ 10/2  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-215.html
  結果発表11回目⑭ 10/5  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-218.html

 それでは結果発表です。今回は二作同時発表。
 まず則内さんの作品から紹介していきます。

⑰則内誠一郎作
17.png

【作意】
 38飛、19玉、39飛、28玉、29香、19玉、22香成、28玉、29香、19玉、
 23香成、28玉、38馬、17玉、26角、同玉、29飛、35玉、34と、同玉、
 33成香、35玉、34成香、同玉、23飛成、35玉、27桂まで27手詰

【正解】
 7手目→22香成
 手数→27手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.55、A:7、B:3、C:1、誤解:0、無解:1、無評価:1

【作者のことば】
 狙い 7手目2二香成(遠開きの原理図)
 初手27馬は、19玉、39飛、29銀合で逃れ。
 参考図では味気ないので2手延ばしました。
  (★参考図は本作の頭2手を削ったもの。図面省略ご了承ください。)

★則内さんは創棋会の作品展担当をされています。
 毎回ユニークな課題を案出され会員一同楽しく(?)創作に励んでいます。
 色々王手のある局面ですが29香は19玉でまったくダメ。
 39(38)馬から29馬と捨てて39飛と引くのは、28玉、29香、19玉、23香成、29銀(角)合くらいで駒不足です。
 そうなると38飛と引くしかなさそうです。
 27玉は28香、17玉(16玉は36飛の両王手)、26角、16玉、36飛、25玉、35飛から詰みます。
 17玉なら39馬と寄り、16玉、36飛、25玉、26飛から香の田楽刺しがあります。
 ということで38飛には19玉と逃げます。
 そこで軽く39飛と引くと、29の合駒は飛金銀しかないので、同飛、同玉、39馬で簡単に詰み。28玉とするしかありません。
 そこで29香と打ちます。17玉は26角までですから19玉と潜りますが、22香成の開き王手が狙いの一手。

<7手目:22香成>
17_22香成
 
 28玉にはもう一度29香と打ち、19玉には23香成とします。
 二度の遠開きで22と23に成香が発生。
 これで舞台装置が整いましたので、28玉には38馬とし、17玉に26角と捨てます。
 同玉と取らせて29飛と回ります。
 35玉に34と と捨て、同玉に33成香と桂を奪います。23に成香を作った効果です。
 35玉と逃げますが、34成香と捨て、同玉に23飛成と成れるのが22に成香を作った効果です。
 35玉に27桂まで、アッサリとまとめました。


則内誠一郎:姑息な1筋の香歩配置。

★配置にコメントされた方はいませんでした。

山下誠:これは成香製造の楽しい趣向。かつ、すらすら度も相当のレベル。

★成香をどこにつくるかというパズルです。難しいところはほとんどなく、すらすら解けたと思います。

RINTARO:入玉形で考えにくかったですが、39飛に合駒が効かないことが分かると2枚の香成が収束の伏線になることに気付きます。

★導入部で少し考えますが、39飛に対して九段目の特性で価値の高い合駒しかできないので簡単に詰むことに気づけば解決。

福原徹彦:2枚の香の開き先はどこか、きちんと限定されているし考えやすい。

★香の限定移動が本作のポイント。

鷲見慎吾:香打香成の流れまではスラスラ行けました。

★盛り上がるところを楽しんでいただければ何よりです。

中出慶一: 2枚の香成位置が限定されていて、後に活躍する(活用される)のが大きな長所になっています。

★二枚とも役に立つのが納得。

奥鳥羽生 :香を金として使う限定移動2回に妙味あり。

★移動場所は粋ですが、活用方法はやや俗でしたか。

三輪勝昭 :香をどこに移動するかだが、一番有効なところに移動するのなら、33桂を取るのではつまらない。

★駒取りが味消し。残念でした。

野々村禎彦:限定開き王手連発は夢があるが、上辺の配置で見え見えなのが惜しい。

★21香成なんかが入ると最遠移動で妙味が増したのですが。

有吉弘敏:狙いは面白いので、馬が残る事だけ惜しい。

★もう一枚大駒を消したいというのは同感。

安田恒雄:39飛~29香からの空き王手で22香成の位置限定の拠点を作り、角を捨てての収束、手慣れたものですね。

★それでも趣向的展開が受けたのか多くの方から好評をいただき2.55と高い評価を獲得しました。


 それでは続いて野曽原さんの作品です。

⑱野曽原直之作
18.png

【作意】
 17銀、25玉、26銀引、36玉、37銀、25玉、16銀、同玉、17歩、25玉、
 36銀、同玉、37歩、25玉、26歩、同玉、44馬、同角、16飛、25玉、
 26歩、同角、同飛、同玉、53角、25玉、35角成まで27手詰

【正解】
 7手目→16銀
 手数→27手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.45、A:7、B:2、C:2、誤解:1、無解:1、無評価:0

【作者のことば】
 6手目と 14 手目の局面を比べると 17 銀、 37 銀→ 17 歩、 37 歩になっており打歩詰が開できる と いう狙いです。
 玉の軌跡に注目すると 16 →36 →16 →36 と移動 しています。

★野曽原さんは創棋会の作品展で毎回構想作を披露してくれます。
 本作も初形が打歩詰状態。どのような打開の構想を見せてくれるのでしょうか。
 17銀が邪魔といきなり25銀と捨てるのは同歩でダメ。
 17銀と引いて25玉に16銀と捨てるのはどうでしょうか。同玉と取ってくれれば、17歩と打って、25玉に26銀と捨てる筋があります。
 しかし16銀は取らずに36玉とかわされて打歩詰。
 どうやら35の銀も消さないと打歩詰は解消できないようです。
 そこで17銀、25玉、26銀引、36玉、37銀、25玉と進めます。
 16銀や36銀と捨てれば攻め方の勢力を減らして打歩詰を打開できそうです。
 まず36銀と捨ててみましょう。同玉と取らせてから37歩と打ち、25玉に16銀と捨てて17歩と打とうという狙いですが、16銀のときに 26玉とかわされると44馬と飛車は手に入るのですが続きません。26玉に15銀とするのは、25玉、26歩、16玉で打歩詰。そもそも36同銀でも、16銀、26玉で詰みません。
 16銀と17の銀から消すのが正解でした。

<7手目:16銀>
18_16銀

 16同玉に17歩と打って25玉のときに急いで26銀と捨てるのは、同玉、44馬、同角、16飛、25玉、26歩、36玉で打歩詰。
 銀は36に捨てないといけません。
 今度36同銀なら、36が塞がるので前記の手順で打歩詰になることはありません。一歩余って早詰みです。
 36銀には同玉と応じ、37歩と打って25玉。
 これで2枚銀が消えたので26歩と打つことが出来ます。
 同玉に44馬と飛車を入手し、同角に16飛と打てば、25玉には26歩から清算して角を入手。
 26同玉に53角と打って収束です。


奥鳥羽生:一見して銀の繰り替えパズルかと思ったら、前半で銀を2枚とも捨て歩に置き換える打歩詰回避とは意表。

★銀知恵の輪風の雰囲気が漂う初形ですが打歩詰打開のパズルでした。

福原徹彦:打歩打開のため17銀37銀を歩に置き換える。2枚の不利打ち換えは高級。

★攻め方の勢力を弱めるのは打歩詰打開の基本手段ですが、銀を二枚とも歩に打ち換えるのは巧妙な構想でした。

有吉弘敏:かなり悩んだが、打歩を避ける主題に気づき、大変面白い手順でした。ただ双玉である必要は無いと思います。

★双玉の理由は作者に教えていただきましょうか。

則内誠一郎:あしたはどっちだ銀。

★本作がパズルとして面白いのは、どちらの銀を先に捨てるのかというところ。

RINTARO:王手が限られてるので、考えやすかったです。打歩を巡る攻防。16銀と36銀の手順前後は効きません。

★この手順前後のあやが見所です。

中出慶一: 銀組み換えと、銀から歩への2度の打ち替え(?)が冴えたミニ趣向的雰囲気を醸している。角を取らずに収束できた方がもっと良かったが・・

★左右で同じことをするのが趣向的。

鷲見慎吾:ややこしそうに見えて、序盤は銀の組み換えしか王手がないのですね。銀捨歩打のリズムが楽しい作品でした。

★左右の銀歩打換えがリズミカル。

野々村禎彦:銀を両方歩に打ち替えて打歩回避は良いが、安易すぎる収束で台無し。

★構想部分と収束のアンバランス?

三輪勝昭:収束を工夫したい。

★どこに手を加えるか?

山下誠:2六歩を打つために左右の銀を消去する。そのまどろっこしさが楽しい。

★ぬるぬるした銀の動きがまどろっこしさに拍車をかける?

安田恒雄:A:玉の5段目と6段目の繰り返し運動、楽しさ満載のすらすら手順でした。

★玉の動きに焦点を当てれば、また別の面白さを感じ取ることが出来ます。

☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
  blogsokikaitusin@gmail.com


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年10月21日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
  https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「よくわかる作家の個性
  投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年12月16日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「未定」決定しましたら案内させていただきます。
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以上

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<12回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<12回目>

■パラ9月号創棋会作品展パスワードクイズは受付中です!
  詰パラ9月号(21P)の創棋会作品展
 今回は合作による「あぶり出し」が課題、組曲で詰上りが想像しやすい作品展だったと思いますが、ご解答いただけたでしょうか。
 連動企画の「パスワードクイズ」は引き続き受付中です。
 詰上り4文字(手順解答は不要)を下記に送ってください。こちらの賞品にはレア品を用意しています。よろしくお願いします。
    blogsokikaitusin@gmail.com

■「すらすら解ける20手台」part結果発表<12回目>
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、13名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、奥鳥羽生、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、野々村禎彦、himasume、
   福原徹彦、三輪勝昭、RINTARO、安田恒雄、柳原裕司、山下誠
 昨年より「すらすら度」は上がったと思いますが、23問と言う大量出題!
 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 PartⅠ・Ⅱ以上に、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
  ※出題 →  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-202.html

 今回は二作同時発表。
 まず西村さんの作品から紹介していきます。

⑮西村 章作
15.png

【作意】
 11角、同龍、34桂、32玉、42桂成、22玉、23歩、12玉、11飛成、同玉、
 31飛、21角、同飛成、同玉、32角、12玉、22歩成、同玉、23銀成、11玉、
 21角成、同玉、32成桂、11玉、22成桂まで25手詰

【正解】
 11手目→31飛
 手数→25手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.17、A:3、B:8、C:1、誤解:0、無解:1、無評価:0

★続いて登場は西村さん。
 西村さんは2017年8月の表紙が詰パラ初入選ですが、高校時代に熱中していて再燃したとのこと。アラ還世代ですから40数年ぶりの復活。その後は短編中心の活躍で、すっかり創棋会の常連作家です。
 本作も右上隅5×4に収まった好形。持駒も3枚と手ごろ。
 実戦なら13角から31龍を奪ってゲームセットですが、13角では12玉で続きません。
 23歩は32玉で詰みませんし、手筋風の34桂も同龍で後続手段がありません。
 詰将棋らしい好手がありました。11角です。
 32玉なら33角成、41玉、53桂がピッタリ。
 11同玉も31飛成で簡単。21玉には33桂が打てるので、以下32玉、31飛成、同玉、41飛、32玉、22角成、同玉、21飛成とキレイに詰みます。
 11同龍が最善ですが、これで34桂が打てます。
 12玉なら11飛成から12歩と叩いて早いので32玉と寄りますが、42桂成、22玉、23歩と利かせてから11飛成と龍を取ります。
 11同玉に13飛と打つのも有力ですが、角合で逃れ。(桂香合では22歩成から23銀成。また金銀合は同飛成から取った金銀を13に打って詰み。)
 ここで31飛が狙いの一手。

<11手目:31飛>
15_31飛

 21合の一手ですが、22歩成から32成桂とする手があるので、斜めに利く駒でないとだめです。
 しかし金や銀は取って22に打つ手があり簡単。
 正解は角合です。
 同飛成と切って32角と据え、22歩成から23銀成と活用。
 11玉には21角成と捨てて32成桂から22成桂と寄れば詰み。
 後半の11手は収束ユニットなんですが、大駒を捨てて小駒だけの清涼詰になるのは気持の良いところです。


奥鳥羽生:他に手がないとはいえ初手角捨てに躊躇。

★確かに初手は唯一の強力な駒を手放してしまうので抵抗があります。

himatsume:初手さえ見えればあとはスラスラ。

★初手を越えればそれほど難しい手はありません。

安田恒雄:角合が分かれば後はすらすら。

★角合で少し立ち止まりますが、悩むほどのこともなかったと思います。

RINTARO:初手もこれしかなく、あとはスラスラ。予定調和の収束が心地いいです。

★大駒を消して小駒だけの清涼詰がいいですね。

有吉弘敏:後半は既成に流れたか。

★飛車を切って32角と打てば清涼詰の収束ユニット。

野々村禎彦:31飛限定打に21角限定合以降は常套収束だが、序の紛れで評価アップ。

★収束は既成ですが前半の応酬が作者の腕の見せ所でした。

三輪勝昭:これはスラスラ読める。読んでいて苦痛に感じる手がないのが良い。

★素直な手順?

山下誠:1一角から飛車交換で再度角を入手し、例の収束に持ち込む。

福原徹彦:角合もあるし、捌ける手順で清涼詰。少々時間がかかったが、解後感は良かった

★例の収束に持ち込むのに角合を発生させるのがミソ。

中出慶一: 11手目の飛打ち場所限定と、12手目角合限定が本作を支えている。
 長い既成収束が味消しになっています。

★長いと取る人もいれば、余韻を楽しんでいただける方もいるということで。

則内誠一郎:そして角は二度死ぬ。

★初手に捨てた角を合駒で取り返し、もう一度捨てる。ストーリーを感じる。

鷲見慎吾:敵の大駒を2枚奪って、両方捨てる。豪快な手順ですね。

★すらすら度の高い大駒捨と捌きの良さは好感度アップに大切です。


 続いてRINTAROさんの作品です。

⑯RINTARO作
16.png

【作意】
 13香、12桂合、同香成、同玉、14香、13桂合、同香成、同玉、15香、14桂合
 25桂、12玉、14香、21玉、22銀成、同玉、34桂、31玉、43桂、21玉
 33桂打、32玉、31桂成、同玉、41銀成、32玉、42成銀まで27手詰

【正解】
 23手目→31桂成
 手数→27手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.25、A:5、B:5、C:2、誤解:0、無解:2、無評価:0

【作者のことば】
 狙いの1手は、15手目くらいしか捨て駒がないので、
 15手目にしたいのですが、成不成非限定ですので、
 最終手にしようと思ったのですが、最終手余詰があるようですので、
 もう一つの捨て駒である「23手目31桂成」にします。

 尚、「すらすら解ける20手台」という課題に合致する作が、
 少なく見積もっても10作はあるため、選題に悩みましたが、
 盤面4枚で桂合3回の本作を選びました。
 52銀1枚で収束が付けれたので、これはこれで完成品だと思います。

 もう1作投稿したい作品があったのですが、またの機会とします。

★RINTAROさんも「すらすら解ける20手台」には初登場。
 本作、盤面配置駒は4枚。左上隅5×3に収まり素晴らしい好形。当たり駒がないのもスッキリ感があります。
 初手は13香しかありません。
 直感は桂合ですが、歩合の変化を確認しておきましょう。
 12歩合は同香成、同玉のとき13歩と打てます。11玉と引けば12香から並べ詰みなので13同玉と応じますがそこで15香とすれば何合をしても25桂から14香と追って21玉に22香と打って詰みます。
 手順中、13歩と打たずに14香から攻めても、最後21玉に22歩と打てます。
 要は頭に利く駒は早く詰むということです。
 そこで第一感のとおり12の合は桂と決まりました。
 12同香成、同玉で14香と打ちます。
 これも同じ理屈で13桂合が最善。
 13同香成、同玉で15香と打ちます。
 これも14桂合が最善。
 なんとなく持駒変換趣向っぽい手順ですね。
 25桂、12玉、14香、21玉となったところで、ちょっと手が止まります。
 持駒の桂3枚をどう使って攻めるのか?
 22銀成と捨てるのが軽い好手。
 作者は成・不成の非限定を気にされて狙いの一手は23手目にされたのですが、この手が本作で一番気持ちの良い一手だと思います。

<15手目:22銀成>
16_22銀成

 同玉と取らせて34桂と打ち換えると桂の活用が見込める局面です。
 21玉には33桂打ちがあり、32玉なら44桂がありますので、31玉と粘ります。
 それでも43桂と打ち、21玉にも33桂打としますが、32玉と抵抗します。
 ここで31桂成と軽く捨てるのが好手。
 同玉に、41銀成から42成銀と引いて詰み。

 作者は本作を逆算した図も送っていただきましたので紹介させていただきます。

<参考図>
16_参考図

 23桂、同歩、32香、同角、同銀引、同銀、22角、21玉、32銀成、同玉、
 33銀、21玉、11角成、同玉、13香、12桂、同香成、同玉、14香、13桂、
 同香成、同玉、15香、14桂、25桂、12玉、14香、21玉、22銀成、同玉、
 34桂、31玉、43桂、21玉、33桂打、32玉、31桂成、同玉、41銀成、32玉、
 42成銀まで41手詰

 うまく逆算されたものですね。
 「すらすら解ける40手台」というコーナーがあれば採用されそうな…。


RINTARO:他の作品を解いて思ったんですけど、拙作もスラスラに該当していませんでしたら、申し訳ございません。

★自作を客観的に評価するのは難しいものですが、ご心配には及びませんでした。
 もっとも会合などでよく耳にする「簡単ですから解いてみてください」というフレーズには要注意ですが(笑)。

himatsume:合駒が全て分かりやすくスラスラ解けた。

★簡素図式の合駒物は読みの必要なものが少なくないのですが、本作はその点明快です。

鷲見慎吾:歩が手に入るとすぐに詰んでしまうので、3連続桂合まではすらすら読めました。

★桂合が直感で歩合は変化調べというところですが、簡単に詰むので悩まず三連続桂合を発見できたと思います。

野々村禎彦:3連桂合は全部同じ理由なので驚きはなく、並べ詰め収束にモヤモヤ。

★詰将棋には「驚き」という要素も重要ですね。
 収束は桂吊るしで仕上げられるとよかったのですが…。

福原徹彦:桂合以外出来ないので序は指しやすい。収束手順もわかりやすくすらすら。

★収束はこれしかないのが分かりやすさにつながったのなら幸い。

則内誠一郎:小駒の中で桂が映える。

★初形も手順も小駒図式。

安田恒雄:盤面4枚の簡素図式で、香を桂に変えてのすらすら手順は好感が持てます。収束の緩さと繰り返しの香打ちの非限定が気になりました。

★香打ち非限定ですか…。打ったまま残るものはないので、そう気にはなりませんでしたが。

中出慶一:序盤の3連続桂合が優秀。このような簡潔図にこの手順の中編が残っていたのが不思議ですね。

★この形から三連続桂合というのはちょっとした収穫だと思います。

三輪勝昭 :歩合が簡単に詰むので桂合と分かり易いのが良い。18手目どこに逃げても同じように見えるが、31玉だけ桂捨てが必要になるのか。

★収束は最長手順探し的な感じもしますが、捨駒があると無しでは印象も変わってきますね。

山下誠:連続合駒で稼いだ桂馬3枚を使って玉を狭めていく。

★連続合もこれくらい明快だと余裕をもって鑑賞できます。

奥鳥羽生:桂づくし。

★三桂を奪って三桂の威力で詰上げます。

有吉弘敏:課題にぴったり。

★形も手順も「すらすら」に相応しい作品でした。


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   有吉弘敏、奥鳥羽生、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、野々村禎彦、himasume、
   福原徹彦、三輪勝昭、RINTARO、安田恒雄、柳原裕司、山下誠
 昨年より「すらすら度」は上がったと思いますが、23問と言う大量出題!
 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 PartⅠ・Ⅱ以上に、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
   ※出題 →  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-202.html

 それでは今回は鷲見慎吾さんの作品です。

⑭鷲見慎吾作
14.png

【作意】
 13歩、21玉、22歩、同玉、33銀、13玉、14歩、12玉、24桂、同歩、
 13歩成、同玉、24銀成、12玉、13歩、21玉、22歩、同玉、33飛成、21玉、
 12歩成、同玉、13成銀、21玉、22成銀まで25手詰

【正解】
 9手目→24桂
 手数→25手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.09、A:3、B:6、C:2、誤解:0、無解:1、無評価:1

【作者のことば】
 比較的簡素な初形と詰上り清涼が取り柄の中編詰将棋です。
 手順中に合駒が発生しないうえ、これといった変化や紛れがないため、今回の作品展テーマである『すらすら解ける20 手台』に当てはまるのではないかと思い応募させて頂きました。

★14作目は鷲見慎吾さんの作品。
 「すらすら解ける20手台」には初参加の作者。スマホ詰パラではペンネームでは活躍中。これからもよろしくお願いします。
 コンパクトな初形。持駒は多いのですが、歩は打ち捨てに消費することが予想されるので面倒な感じはしません。
 また一見して、13歩から14歩と押さえる手や、21玉に22歩から33銀とする筋などが目に入りますので、手をつけやすいと言えるでしょう。
 とにかく13歩と打ってみましょう。
 同玉なら14歩と打ちます。12玉は32飛成があるので22玉と引きます。
 33銀と打って21玉に22歩とこれしかないという手が続きます。12玉となったところで24桂と捨てるのがうまい手です。

<9手目:24桂>
14_24桂

 同歩と取らせてから13歩成とすれば24銀成で手が続きます。
 24桂捨は質駒を作る手筋の一着でした。
 24銀成には12玉と引き、13歩を打たせてから22玉としますが、33飛成と成り込めば21玉に12歩成から13成銀と入って詰みます。
 しかし一歩余ってしまいました。
 となると13歩には21玉と引いて22歩と打たせるのが最善のようです。
 22同玉に33銀と打ち、13玉にいったん14歩と打って12玉と引かせてから24桂が学習済みの手筋ですね。
 同歩に13歩成、同玉、24銀成と一歩補充して、12玉には13歩、21玉には22歩から33飛成と成り込みます。
 21玉に12歩成と成捨て、同玉に13成銀から22成銀までの清涼詰。


鷲見慎吾:自作です。他の作品を見て、ちょっと簡単すぎたんじゃないかと思っています。

★この作品展は「簡単でも楽しければ良い」という考え方もありということで開催しています。

山下誠:簡素な初形から歩を使ったリズミカルな攻めが最後まで続いて爽快。

★形が良い、手順も爽快、ということで作品展にはピッタリです。

RINTARO:好形からスラスラ解けました。課題にぴったりです(10/7追記)

三輪勝昭:手数順でなければこれを①番に置きたい。

★今回の出題順は手数順でしたが、難易度順やすらすら順というのもありましたね。

中出慶一:13番と同様。簡素形で流れる手順で清涼詰に終わるが、手順に中身がない、印象です。歩の捌き捨てはあるものの、はっきりした捨ては9手目のみは寂しい。

★流れを楽しんでいただければ作者も満足?もちろん捨駒がもう少しあれば言うことないのですが。

奥鳥羽生:歩が活躍する不規則趣向。

★13歩や22歩が繰り返されるのは趣向の香り。

福原徹彦:歩の細かい使い方が良いし、銀の活用の仕方が良い感触。

★銀が引いて成るのはいい感触ですね。

則内誠一郎:2手目同玉を先に読む。

★何度か試行錯誤して正解にたどり着いた方もいらっしゃったと思いますが、そこに煩雑さはありません。

野々村禎彦:23への効きが強くこの手順しかないが、コンパクトに巧く割り切れている。

★なるほど23地点は守りが強力ですね。
 11桂と31桂の二枚が必要な理由は作者からご説明いただけると有難いです。

安田恒雄:3×5のコンパクトな初形で悩む所なし。

★スッキリ、アッサリ、解いて気持ちよく。

有吉弘敏:狭い玉ですが、想定した手順が出てくる。

★予定調和もある意味心地よく。

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