創棋会例会報告(2017年4月16日)

■第266回創棋会例会報告
日時:4月16日(日)13:00~17:30
場所:関西将棋会館4F和室(水無瀬)
参加者:柴田昭彦、則内誠一郎、谷本治男、鳥本敦史、中村雅哉、中村宜幹、野曽原直之、
古川剛士、元水信広、吉松智明(以上10名)

 今回は遠方より鳥本さんと元水さんが参加され、久方ぶりの和室で陽気も手伝って、熱気あふれる会合となりました。
 6月号作品展の課題には、例会前夜(というか当日早朝?)にも投稿があり、ボリュームのある作品群となりました。参加者一同解図に取り組み、16時頃から則内さんによる解説の後、出題作の選題を行いました。
 その後は一人一言。鳥本さんからは大道棋教室の応援要請、元水さんからは全国大会のPRがありました。今回の全国大会は前夜祭もあるということなので、今から楽しみです。
 事務担当と作品展担当から、いくつか連絡がありました。
① 今後の課題作
・6月例会:9月号掲載作品展「使用駒 飛角金銀桂香歩 各二枚
・8月例会:ネット作品展「すらすら解ける20手台」(予定)
②. 今後の開催日程について
・6月18日(日)、福島区民センター
・8月20日(日)、将棋会館4F多目的ルーム、終了後「45周年記念懇親会」開催
・10月15日(日)と12月17日(日)も場所は将棋会館
③「45周年記念懇親会」について
・8月20日の例会終了後開催。開始時刻や場所などの詳細はあらためて紹介します。
・奮ってご参加いただきたいと思いますが、出席できない方からもメッセージ歓迎!
・企画は検討中。良いアイデアがあればご提案ください。
・記念作品。発表場所は未定ですが、あぶり出しや初形曲詰だけでなく「45」にちなんだ作品を募集。

【例会風景】
20170416③
お題を紹介する則内さん

20170416②
左から、野曽原、古川、柴田、元水、谷本の各氏

20170416①
左から、鳥本、中村(宜)、中村(雅)、野曽原、古川、柴田の各氏

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★次回例会
[日時] 2017年6月18日(日)、4月16(日)13時~
[場所]  福島区民センター
大阪市福島区吉野3‐17‐23
千日前線野田阪神駅、阪神野田駅、JR東西線海老江駅から徒歩5分。
JR環状線野田駅から徒歩8分
https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[課題] 「使用駒 飛角金銀桂香歩 各二枚」
※双玉は不可。
・ 詰パラ9月号掲載予定。
・ 投稿先 → sokipara@yahoo.co.jp
・ 6月例会(6/18)で選題を行う予定。
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【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<4回目>

■【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<4回目>
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台」には、10名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
    有吉弘敏、上谷直希、奥鳥羽生、河童生、金少桂、小池正浩、
    則内誠一郎、占魚亭、名無し名人、野曽原直之

 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 楽しんでいただける作品が揃っていたのではないかと思います。
 それでは今日も結果発表を行います。今回は⑦と⑧の2作です。

奥鳥羽生作 中級者向  タイトル「遠打・限定打の原理説明図」
07_限定打と中合

【作意】78角、㋑56香合、24龍、45玉、44龍、36玉、69角、58歩合、同角、同香、
   47龍、35玉、36歩、34玉、43龍まで15手

【評点】百点満点の96点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:2.88、良:7、可:1、否:0
     良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

作者のことば
 変化㋑35玉に対する退路封鎖のための67以遠、その後の転回時に取られないための78、という2種類の意味の初手です。遠打の意味付けには他にも色々ありますが、単一の目的の方が詰将棋としての味が良いようです。本題は単なる原理説明図ですが、転回時に取られないための遠打の名作の一例として、添川公司氏21手(1980年看寿賞中編)があります。全詰連HP~看寿賞のページ~作品一覧で参照できますので、ぜひ鑑賞してみてください。

★自作解説ありがとうございました。
 初手の78角。盤上この一点しか正解がないという限定打を遠打で表現。
 解説を補足すると、初手56角では35玉、33龍、46玉、37龍、56玉と角を取られてしまいます。しかし67以遠に打てば37龍までで詰むというわけです。
 そこで作意は78角と打ちます。67以遠なら脱出は出来ないのになぜ78なのでしょうか?その理由はもう少し進むとわかります。
 78角に対する56香の中合が妙防。これは同角と取らせれば35玉から逃げ出そうという意味ですが、それだけではありません。
 56同角とは取れないので24龍から玉を追います。
 24龍、45玉、44龍、36玉となったとき、47龍としては35玉、44龍・・・と千日手模様になるので、69角と引きます。
 そうです初手67角と打ってしまうと、56香が利いているので58角と引けないのです。
 最遠地点の89角の場合はそもそも角が引けません。それで78に打ったわけです。
 78に打てば69角と引けます。
 ここで58歩合と出来るのが56に香を中合した理由です。56中合が歩だと69角で詰んでしまいます。
 マニアになると「それなら67香合とすれば69角が消せる、67同角にはそこで56香と連続中合で逃れるのでは?」と高級なことを考えるのですが、香が手に入れば36玉と追ったときに37香があるのです。もっともこういう高級手段を盛り込んだ作品はあります。作者が解説で触れている添川氏の作品です。最後に紹介します。
 以下は58同角と歩を奪い、アッサリと収束します。
 「遠打・限定打の原理説明図」というタイトル通り、明快で教材に相応しい好作、評点も最高の96点を獲得しました。

 それでは自作解説中にある添川氏の看寿賞受賞作を紹介しておきます。

添川公司作(近将1980年3月、看寿賞)
添川公司198003

【作意】17角、62飛、83桂不成、81玉、91桂成、同玉、82角、81玉、71角成、同玉、
  62角成、同玉、63飛、71玉、82龍、同玉、74桂、71玉、61飛成、同玉、62金まで21手詰

★2手目62香合だと83桂から91桂成に同玉となったとき28角と引く手があります。
 64歩合と応じれば82角、81玉、64角成として2枚の角が連結するので詰みます。
 しかし初手26角では35香合とする妙防があり、91同玉に37角と引けません。35同角としても44香とされ、これも同角なら53香合と、香の連続合で角を引くことが出来ません。
 ところが17角とすれば、香の連続合は26~35~44~53としたところで品切れ。
 実に上手い構想です。

則内誠一郎
 少ない駒でさり気なく高級手筋が入っています。

★限定打と遠打は詰将棋の魅力の一つ。

占魚亭
 限定打の理由が7手目に判明。竜の動きもいい感じ。

★変化に潜り込ませず作意に意味が現れるのが明快です。

河童生
 初手の限定遠打も勉強になるが、2手目の合駒選びも勉強になります。

★中合も高級手筋ですがサラリと表現されました。

名無し名人
 転回して合駒を稼ぐための78角限定打は面白い。収束にもう一手あれば…。
 作者予想=奥鳥羽生氏。

★作者予想的中お見事。奥鳥羽生氏は遠角の名手です。

上谷直希
 シンプルイズベスト。お手本にすべき完成度ですね。
 【作者予想】中村雅哉さん

金少桂
 考えるポイントが角の打ち場所だけのため、なぜ角の打ち場所が限定されるのか一点に絞って考えられる良問。

★78角・56香の2手に凝縮された内容は結構ありますが、簡潔に表現されたことが高評価につながったものと思います。

野曽原直之
 凝った意味づけの限定打。

有吉弘敏
 限定遠打は詰将棋の醍醐味です。駒数も少なく綺麗な小品。

★この形にまとまったことが一つの収穫だと思います。

奥鳥羽生
 構想的遠打
 山本民雄2号養成用

★山本民雄氏と言えば「99飛の遠打」があまりにも有名ですが、同氏の作品をパラ誌上で初めて見たのが次図。内容の濃さに圧倒されました。

山本民雄作(詰パラ1970年12月、『古今短編詰将棋名作選』第172番)
山本民雄_パラ197012

【作意】15金、同玉、26角、16玉、49角、同龍、59角、46龍、同飛、25玉、35飛、
   同玉、26角、46玉、37金まで15手詰

★取れる龍を取らずに49角の限定遠打から59角の最遠移動、対する46龍の移動合から35飛の豪快な捨駒まで息もつかせぬ展開です。


芹田修作 中級~上級者向け 「限定打とスイッチバック」
08-限定打とスイッチバック

【作意】14角、35玉、25飛、36玉、48桂、47玉、28飛、14龍、36角、同と、57金まで11手詰

【評点】百点満点の83点(平均点×100÷3で算出)
   *平均点:2.50、良:4、可:4、否:0
      良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

★タイトルは「限定打とスイッチバック」。
 「スイッチバック」というのは“ある駒が初期位置から動いた後、同じ経路を通って元に戻ること”です。駒の軌跡を表現したものです。
 44龍がいなければ46金の一手詰ということがわかれば初手の発見は容易でしょう。
 14角と遠くから打ちます。これは限定打です。25角と近くから打ったのでは35玉で詰みません。
 14角に同龍は46金まで。
 25合の変化がちょっと難しいのですが、48桂と打つのが好手で、47玉なら36角から57金、また35玉なら25飛から23飛成があります。
 そこで35玉とかわします。
 それには平凡ですが25飛とします。
 34玉は23飛成があるので36玉と上部脱出を目指します。
 ここで48桂が収束まで読み切らないと指しにくい一手。
 47玉と潜り込まれて切れそうですが、スッと28飛と引いて開き王手すれば、14龍と角を取る一手。56金には48桂の紐がついています。
 そこで36角と近打ちするのが決め手です。同とに57金までの詰み。
 少ない駒数でキレイにまとまった好作。

河童生
 2度の角打は光るが限定打の教材としては不適当。
 これは、「スイッチバック」の教材としておきましょう。

★2度の角打は限定打だったのですが、やや地味だったでしょうか?

野曽原直之
 飛車がスイッチバック。

★25飛から28飛と戻るのがいい味です。

有吉弘敏
 良い作品なのですが、収束形に既視感があります。勘違いかもしれませんが。

則内誠一郎
 手数の割に手強く、教材にするのは勿体ない。

★棋力の高い人が創ると難しくなる?中級~上級者向けにした次第です。

占魚亭
 スイッチバックの前の桂打ちがポイント。

★48桂は捨駒ではないのですが打ちにくい手ですね。

上谷直希
 洗練された配置で好感が持てます。
 【作者予想】野曽原直之さん

★機能的で配置に無駄がないですね。

名無し名人
 宙ぶらりん感が好き。スイッチバックを売りにするには弱いが普通の詰将棋として良く出来ている
 作者予想=野曽原直之氏。

★今回お二人の作者予想はよく一致しますね。

金少桂
 配置・手順ともに今回出題された問題の中で一番普通の詰将棋という感じ。
 スイッチバックはかなり詰将棋マニア向きの概念なので、本作を解かせれば詰キスト候補生を発掘できる!?

★「スイッチバック」という手筋に面白さを感じられるようになれば、ちょっとしたマニアですね。

奥鳥羽生
 緻密な中空の舞
 小林敏樹2号養成用

★小林さんは短編の名手。飛び道具の機能を最大限発揮した次図が印象に残ります。

小林敏樹作(詰パラ1988年4月)
小林敏樹詰パラ198804

【作意】16香、25玉、61角、35玉、39角、44玉、35龍、同玉、17角まで9手詰

★香の短打、61から角の遠打、39角の最遠移動、龍を捨てて17角までの華麗な収束。
 この初形から75角が17に移動する詰上りを誰が予想できるだろう!

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★次回例会
[日時] 2017年4月16(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[課題] 次回(6月号)企画展のため作品の一般募集は行いません。
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★偶数月の第三日曜日に例会を開催します。
 6月は18日です。場所は大阪市福島区民センターになります。
 8月は20日です。場所は関西将棋会館。例会終了後に45周年記念懇親会を開催します。

 毎回、何か課題作を持ち寄って楽しく過ごせるようにしたいと考えています。
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【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<3回目>

詰パラ4月号が到着
 気がつけばパラが届いてから10日近く経ちました。
 ちょっとした感想を。
・表紙:服部さんの詰棋病罹患歴。拝見してなるほどと思うことが多いです。よく見かけ
・詰棋校(12P~)。今月も選題の言葉が面白い。
―小学:無駄合概念。基準は時代とともに変わるもの。
―中学:選題の並び順。ヒントにもなりそうな言葉。
―高校:PCの不調。やらなければと思いつつ出来ていないのがバックアップ。経験あり。
―短大:曲詰と普通作の対決、いずれに軍配が?
―大学:新人特集。しかし他の媒体では活躍中の方も?
―大学院:メール投稿の功罪。いずれにしても担当の苦労を知る。4名合作は新記録?
・内藤九段の必至コーナー(12P~)
 必至もこのレベルなら解いてみようという気になる。でも問題よりエッセーが楽しみ?
・半期賞(22P~):受賞者の皆さんおめでとうございます。鈴川さんと武島さんはダブル受賞で素晴らしい活躍。
・ちえのわ雑文集(38P~)。アマレン杯握り詰雑記。使用駒の考察が面白い。
・会合案合(45P~)。創棋会は4月の例会案内と45周年記念行事の予告。日程が決まれば告知しますので、奮ってご参加ください。
・結果稿(46P~)。デパートはソフトの作品。発見と創作の融合?
 ソフト創作については種々意見のあるところと思いますが、おもちゃ箱に創作過程が記されているとのことなので熟読して議論されるのが良いと思います。

【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<3回目>
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台」には、10名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
    有吉弘敏、上谷直希、奥鳥羽生、河童生、金少桂、小池正浩、
    則内誠一郎、占魚亭、名無し名人、野曽原直之

 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 楽しんでいただける作品が揃っていたのではないかと思います。

 結果発表に入る前に前回の補足です。
 ④野曽原直之作「局面の対比」について、短評で1筋右に寄せるとどうなのかというコメントがありました。作者に確認したところ、2手目飛合の変化(変同とその他の詰み筋がある)を割り切るための苦心の配置とのことでした。

 それでは結果発表の3回目です。⑤と⑥の2作です。

吉松智明作 初級~中級者向 「初めての10手台~3手5手の詰手筋を重ねる~」
05_はじめての10手台

【作意】33銀、12玉、24桂、同香、13桂成、同玉、11飛成、12金合、22銀不成、
  23玉、12龍、32玉、33銀成、同玉、45桂、同飛、34金まで17手詰

【評点】百点満点の83点(平均点×100÷3で算出)
   *平均点:2.50、良:5、可:2、否:1
        良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

作者のことば
 初形は右上隅5×5に収まり、盤面7枚は好形の部類と思います。
 3手、5手の詰手筋を知っていれば直感で指した手が正解になる、易しい好作を目指しました。
 持駒に桂馬が2枚もありますから34桂と打ちたくなりますが、32玉と寄られると続きません。
 初手は俗ですが33銀と打ち込みます。玉方は12玉と逃げる一手です。
 筋良く13桂成から11飛成と迫ると、12金合とされ、23香が良く利いて25桂が打てません。23香はやや不自然ですが余詰を防いでいます。12金合に22銀不成も24玉から脱出されてしまいます。
 ここは逃げ道を塞ぐ24桂捨が好手。同飛は42飛成がありますから同香の一手です。
 これで13桂成から11飛成と攻めれば22龍を防いで12金合と受けるしかありません。
 上部脱出が出来ないので安心して22銀不成とします。
 23玉とかわせば12龍と切って金を入手します。
 同玉は13金までですから32玉と逃げます。
 そこで33銀成と捨て45桂と打てば同飛と取るしかなく34金までの詰みとなります。


金少桂
 基本手筋の連続で詰棋的センスを磨くのに良い作品だと思う。
 ちなみに 初手34桂を考え始めたらビョーキ。

★詰将棋は手筋の積み重ね。本作は易しい手筋で手を紡ぎました。

野曽原直之
 捨駒が程よく入った好作。

★派手な手はありませんが、素直な捨駒ばかりで解きやすいと思います。

占魚亭
 手筋の積み重ねが無理なく表現されている好編。

★逆算創作のようですが、駒を増やさずうまく手が延びました。

河童生
 好形、好作。将棋世界誌でも入選。でもね、教材としては如何かな。

★手筋物を教えるなら一桁モノ。10手台は手筋物の教材としてはちょっと長いですかね。

有吉弘敏
 テーマがよくわからない・・・です。

★高級な手筋や構想を表現したものではないので、テーマ性は乏しいですね。

名無し名人
 綺麗に出来た手筋物で今回の作品展で一番好み。作者予想=芹田修氏。

★まとまりの良さは買ってもらえるかと思います。

上谷直希
 この収束につながるんですね。24桂を先にするのがポイントでしょうか。
 【作者予想】悩んだが芹田修さん。ヒントは主催の方が考えたものと予想。

★余詰防ぎの飛車を動かすことが出来て着地成功でしょうか。
 お二人の作者予想、またもや一致。作者としては同人作家に擬せられ喜んでいるのでは?

則内誠一郎
 読み切れなくても、指が自然に動いて詰みます。

★難しい手はありません。玉方の応手も限られていて、変化は深くありません。

奥鳥羽生
 退路封鎖・金合奪取・呼び戻し・飛頭桂と手筋満載
 小西逸生2号養成用

★小西氏と言えば好形・好手順の軽快作「小西流」短編は一世を風靡しました。

小西逸生作(詰パラ1963年1月、『青玉』第74番、『古今短編詰将棋名作選』第107番)
小西逸生196301

【作意】12飛、33玉、44銀、24玉、13銀、14玉、24銀成、同玉、16桂、同歩、
    34馬、同玉、14飛成、同馬、35金まで15手詰

 44銀と捨て14香を消去した後、16桂・34馬・14飛成の三連捨は爽快!

 小西氏は1936年(昭和11年)生まれで2007年に逝去されました。将棋世界1952年8月に初入選以降、詰パラ2003年6月の最終発表まで約670局を発表。作品集に『紅玉』『青玉』『紫雲英図式』があります。

まつ&べし作 中級者向 「遠打と趣向手順の教材」
06_遠打と趣向の教材

【作意】21飛、16玉、17歩、15玉、27桂、同と、16歩、14玉、26桂、同と、
   15歩、13玉、25桂、同と、14歩、12玉、11飛成、同玉、21角成まで19手詰

【評点】百点満点の96点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:2.88、良:7、可:1、否:0
     良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

指導要領
 初手17飛打は38玉と潜られ、49角や26飛打は37玉で詰まないので、16玉と飛車を取られる手は防げない。
 そこで玉を1筋に閉じ込めるため、初手は2筋に飛車を離して打つ。
 2手目37玉には28飛成と攻めたいので後手陣に打つが、21~23のどこでも良い場合は非限定打となる。
 しかし本作では最遠打の21飛に限定される(理由は後述)。
 17歩に同玉は28飛成、16玉、26龍まで。
 仕方なく15玉と下がるが、27桂の捨駒で“と”を誘き寄せる。
 そこで16歩と進めると先程と一段ずれた形となり、同玉は27飛成以下詰む。
 このパターンを3回繰り返す趣向手順により、玉を12まで追い込む。
 もしも初手が23飛か22飛ならば、趣向手順の途中で飛車を取られて失敗する。
 ようやく最遠限定打の理由が分かった所で、11飛成と潔く主役が死んでドラマが終わる。


★指導要領ありがとうございました。
 最遠打と軽趣向がうまくミックスされた好作で、評点はトップでした。
 遠打の意味は玉に取られないためというシンプルなものですが、最も遠いところに打つのが妙味を感じさせます。
 また趣向も新しいものではありませんが、桂捨てと突歩のリズムが楽しめます。
 一作で二つの楽しさを味わっていただけますので、愛好者を増やすのに打ってつけではないでしょうか。

河童生
 初手の遠飛打に始まる軽趣向、最後にその飛も消えました。
 詰棋の面白さを満喫、教材として最適。

★いきなり主眼の遠打が飛び出します。すぐに軽趣向が始まり、最後は飛車が消えます。
 飽きることのない演出です。

野曽原直之
 最遠打から始まるおもしろい趣向。

★この趣向、もう少し繰り返したいところですね。

有吉弘敏
 趣向物は是非教材として見せたいですね。

★趣向を見たことのない人に楽しんでいただきたい作品。

金少桂
 最遠打スタートも面白いが、打った歩が紐無しでスルスル上がっていく手順は子供受けが良さそう。

★自力で解けなくても、盤に並べるだけで不思議さと楽しさを感じ取っていただけることでしょう。

占魚亭
 歩の突き出しが好感触。初手限定打の飛が邪魔駒になる構成も良い。

★初手に打った飛が最後に消えて好感度がアップ。

名無し名人
 最遠打から楽しい軽趣向。最後に飛を捨てるのがうまい。作者予想=中村雅哉氏。

★収束は飛車を捨て67角も動きました。

上谷直希
 19手もOKだったのか!てっきり高校手数までかと(関係ない話ですみません)。
 【作者予想】高縄山ろくさんと最初予想したが、中村宜幹さんに変更。むむむ

★お二人の作者予想、「中村」だけ一緒でした。残念ながらはずれですが(笑)

則内誠一郎
 手数の長さを気にせずにスラスラ解けます。

★手数はかろうじて10手台に収まりました。でも長さを感じさせない内容です。

奥鳥羽生
 構想的趣向手順
 山田修司2号養成用

★山田修司さんと言えば作品集『夢の華』が復刻されるとのこと。
 構想と趣向的手順を融合させた作品を紹介させていただきます。

山田修司作(詰パラ1956年3月、『夢の華』34番
山田修司34番

【作意】83歩、71玉、72歩、61玉、52桂成、同金、71歩成、同玉、82歩成、同玉、
 46角、同銀、83歩、71玉、72歩、61玉、51と、同金、71歩成、同玉、
 35角、同銀、82歩成、同玉、86飛、71玉、72歩、61玉、81飛成、同飛、
 73桂まで31手詰

 46と35に角の限定遠打二連発、それを歩の連打と成捨てによる玉の往復運動という趣向手手順でつないだ、楽しめる作品です。

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★次回例会
[日時] 2017年4月16(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[課題] 次回(6月号)企画展のため作品の一般募集は行いません。
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★偶数月の第三日曜日に例会を開催します。
 6月は18日です。場所は大阪市福島区民センターになります。
 毎回、何か課題作を持ち寄って楽しく過ごせるようにしたいと考えています。
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※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
     blogsokikaitusin@gmail.com
                                  以上

【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<2回目>

■【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<2回目>
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台」、10名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
     有吉弘敏、上谷直希、奥鳥羽生、河童生、金少桂、小池正浩、
     則内誠一郎、占魚亭、名無し名人、野曽原直之

それでは今日は結果発表の2回目。③と④です。

③ 中村宜幹作 初級者向 「不成」
03_初級向け不成

【作意】21金、同玉、31飛、22玉、12金、同玉、11飛、22玉、32飛不成、11玉、
    12歩、21玉、31とまで13手詰

【評点】百点満点の76点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:2.29、良:2、可:5、否:0
        良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

作者のことば】~自作解説
 まず、13や33から上部への脱走を許しては捕まりそうにありません。
 初手31飛として33の穴を塞ぐことはできますが、21合駒と受けられると13の穴を塞ぐ手段がなく失敗します。
 そこで、初手は21金と捨てて、同玉に31飛と打ってまず33への脱出路を封鎖します。
 玉方は22玉と逃げて13からの脱出を試みますが、12金と捨ててさらに11飛打と打てば13への脱出も防ぐことに成功。
22玉となって玉の逃げ場はなくなりましたが、攻方の残りの手駒は歩1枚。
 一見攻めが切れたようですが、ここで31の飛車を32に捨てるのが好手。同玉には31飛成迄の詰みを見ています。
 しかし、32飛成には11玉とこちらの飛を取られると打歩詰。
 龍の利きが強すぎるのです。しかしもし32の龍が生飛車だったら・・・?
 そう、成った方が絶対に強い飛車を敢えて「32飛不成」と行くのが好手で、21玉と逃げる余地をわざと与えることで打歩詰を回避し、12歩を打つことができます。
 以下、21玉に31と迄、13手詰です。


★自作解説ありがとうございます。
 持駒はふんだんにありますが、惜しみなく金を捨てて、31飛、11飛と巨砲を据えます。
 最後の決め手が32飛不成と捨てる手です。
 成れば11玉で打歩詰。
 試行錯誤して不成に気がついたとき、思わず「やった」となるのではないでしょうか。

則内誠一郎
 打歩詰と大駒不成は教材として欠かせません。

★指し将棋では大駒は成るのが当たり前ですから、大駒の不成に出会ったとき、その不思議さに感動した方が多かったことと思います。

占魚亭
 易しい手順だが、初級者が手を出すには勇気がいるかも。
 初級者に解かせるとしたら、32飛生以下5手の図を示してからかな。

★ご指摘はごもっとも。ただ、3~7手クラスを解けるようになった方に「10手台」にチャレンジしていただくのが本企画の目的ですのでご了承ください。

河童生
 収束間近に不成。教材としては、もっと早くに出て欲しい。

★そういう演出が効果的なのか、いつ出るかというのが良いのか、難しいところですね。
 本作は後半に主眼を出して盛上げたという受け止めました。

有吉弘敏
 この構図での32飛生はなかったかもしれません。

★初形は玉と歩だけで、非常に美しい図です。そこから32飛生が飛び出すのがいいですね。

名無し名人
 ヒモなしで不成するのが良い。
 作者予想=まつ&べし氏。

★ヒモなしの捨駒が好印象でした。

上谷直希
 手の流れとしては10手目同玉のほうでまとめたい。作者もそのつもりだったはず。
 【作者予想】全くわからないけどまつ&べしさん予想

★お二人の本作の作者予想、またもや一致。でも残念ながらはずれました。
 予想のつかないときは、作風不明の初登場作家というのは使える手筋?

野曽原直之
 初形からは予想外の不成が生じる。

★この形、持駒からは大駒不成は想定外だったかもしれません。

奥鳥羽生
 例の不成を捨駒でキレイに表現。
 柏川悦夫2号養成用。

★簡潔な構図から意表を突く妙手、軽妙な好手が繰り出される柏川さんの作品群から打歩詰打開の小品を紹介させていただきます。

柏川悦夫作(将棋世界1953年11月号、『駒と人生』第45番)
柏川悦夫45番

【作意】24歩、22玉、23歩不成、同玉、24飛、32玉、21飛成、33玉、45桂、同と
   24龍、32玉、14角、同歩、21龍、33玉、34歩、同玉、24龍まで19手詰

 22銀の邪魔駒消去に22歩不成の軽手を織り込んでスタートし、龍の往復運動の間に45桂から14角と捨て34歩の打歩詰を打開するに至る手順の美しさ。
 この洗練された作品が昭和20年代に生まれたことに驚きます。


野曽原直之作 初級者~中級者向 「局面の対比」
04_局面の対比

【作意】51角、㋑42香合、同角成、同飛、35香、㋺34角合、同香、23玉、33香成、同玉、24角まで11手詰
<変化>
  ㋑ 42桂合は同角成、同飛、25桂まで
  ㋑ 42飛合は同角成、同飛、23飛まで
  ㋺ 34桂合は同香、23玉、35桂まで

【評点】百点満点の92点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:2.75、良:6、可:2、否:0
     良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

作者のことば】~自作解説~
 初形と10手目の局面を対比すると玉方 44飛 → 42飛になっているだけ (持駒も同じ)という狙いです。手数をかけたにもわらず、少しか局面が変化していないことに面白さや不思議を感じてくれればと思います。
 合駒調べが2回ありますが、作意以外の合駒は取った後1手で詰むので初級者にもそれほど難しくないと思います。
 「初級者向け捨合の教材」にも使えそうです。


★自作解説ありがとうございます。
 詰将棋というのは非効率、不経済な手が好手になる指し将棋とは真逆の世界。
 10手進めた局面と初形を対比させて、詰将棋の不思議さを味わっていただきたいと思います。
 また2度の合駒も明快で好印象です。
 そういったことが評価され、本作は解答者の評価も高く、ベスト3にもう一歩の評点を獲得しました。

小池正浩
 角を香に、香を角に換えて飛車移動による、24角にて詰みの出来上がりですね。

★初手は51角、合駒の香を取って35から打つ、と順序立てて考えれば自然に正解にたどり着きます。
 初級者にも安心して取り組んでもらえる教材です。

占魚亭
 10手かけて受方飛を42地点に移動させた局面を作る。巧みな持駒変換も良い。

★使っても減らない角。

金少桂
 初形と10手目で飛の位置だけが違うという面白い狙い。
 教材としては、玉方が残りの駒全部を「合駒」として使えるという概念の理解に役立ちます。
 そういう点では、通常合→変則合(捨合)の順に出てくるところもポイントが高い。

★「合駒」の教材としても使えそうですね。

有吉弘敏
 論理性のある合駒は詰将棋の良さを伝えられます。

★良質な作品というのは同感です。

則内誠一郎
 理に適った作りに初級者は「美」を感じて下さい。
 1筋右へ移動は味消し?

★右に寄せて、1筋と2筋の配置を玉方12歩一枚にするというアイデアですね。どうなのでしょうか?

河童生
 形と10手後の局面を見比べる、なるほど。でも、なんの教材なのでしょう?

★パズルの世界に誘う教材とお考えください。

名無し名人
 飛を44→42にテレポートさせるマジック。
 作者予想=上谷直希氏。

★気がつけば初形から飛車が二マス動いただけ。
 ここから作者予想リレーのように短評が続きます。

上谷直希
 すこぶる簡単だがすこぶる高級なことをやっている!
 【作者予想】奥鳥羽生さん

★合駒選択が易しいのがいいですね。暗算ではこの対比をうっかりするところ。

奥鳥羽生
 原形から一箇所変動の不思議
 伊藤正2号養成用

★伊藤正さんといえば有名な看寿賞受賞作ですね。

伊藤正作(詰パラ1983年1月、看寿賞)
伊藤正198301

【作意】23龍、25玉、26歩、15玉、16歩、同と、25歩、同玉、34龍、14玉、
   15歩、同と、23龍、25玉、26歩、同と、34龍、14玉、15歩、同玉、
   16歩、14玉、23龍、25玉、17桂、同と、34龍、14玉、15歩まで29手詰

<詰め上がり図>
伊藤正198301詰上り

 初形と詰め上がり図を比べてください!
 玉方のと金を翻弄して先打突歩詰を実現する手順の不思議さを、ぜひとも盤に並べて味わってください。

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★次回例会
[日時] 2017年4月16(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[課題] 次回(6月号)企画展のため作品の一般募集は行っていません。
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★偶数月の第三日曜日に例会を開催します。
 6月は18日です。場所は大阪市福島区民センターになります。
 毎回、何か課題作を持ち寄って楽しく過ごせるようにしたいと考えています。
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※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
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                                   以上

【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<1回目>

【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<1回目>

 前回の更新から10日以上経過。4月になってしまいました。
 しかも届いたパラ4月号を開くと46Pの会合案内に「『教材に使える10手台』は現在結果発表中」と書かれているではありませんか!
 アクセス一万回に浮かれていたわけではありません。
 解答選手権などで忙しかったのです(汗)。

 解答選手権といえば藤井聡太さんの三連覇。
 さすがというか、なんというか。
 東京会場は取材陣が凄かったそうです。
 藤井さんのことが連盟HPに載っていて将棋世界1月号の特集で紹介されていた本棚の蔵書リストが紹介されています。
   https://book.mynavi.jp/shogi/blog/detail/id=72252
 詰将棋関係が最も充実しているとのコメントが出ています。
 よく考えれば、この年齢でこれだけ持っているのはスゴイですよ。

■【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<1回目>
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台」には、10名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
    有吉弘敏、上谷直希、奥鳥羽生、河童生、金少桂、小池正浩、
    則内誠一郎、占魚亭、名無し名人、野曽原直之

 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 楽しんでいただける作品が揃っていたのではないかと思います。
 ただ「教材」=初心者・初級者向けと考えられた方からは、難しめのものが入っているとのお叱りを受ける部分もあったようですが、「教材」の対象は幅広いということでご了解ください。
それでは今日から出題順に結果発表を行ってまいります。

 一回目は①と②です。

① 三宅英治作 <超初心者向> 『龍の転回』
01_転回

【作意】11飛成、23玉、13龍、32玉、33龍、41玉、31龍、52玉、51龍、63玉、
    53龍、72玉、73龍、81玉、71龍まで15手詰

【評点】百点満点の78点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:2.33、良:4、可:4、否:1
         良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

作者のことば
 こんな問題で幼稚園生や小学生を教えています。
 詰将棋の啓蒙というよりも将棋の習いたての教材用ですね。


 三宅さんは『将棋を孫に伝える会』を主宰されていますが、子どもたちへの普及に熱心に取り組まれています。その真摯な姿勢には頭が下がります。
 HPでも様々な活動が紹介されています。普及に関心のある方は一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
→ http://www.geocities.jp/syougi_mago/index.html

 今回三宅さんはネット作品展への投稿募集にいの一番でたくさんの作品を届けてくださいましたので、その中から二作品を出展させていただきました。
 マニアの方は一目でしょうが、これは将棋のルールを覚えて間もない方に、指し将棋だけでなく、詰将棋にも興味を持ってもらおうという視点で作られたものだということで、ご覧いただきたいと思います。
 手順の説明は必要ないと思いますが、最も効率の良い王手は何かということを考えてもらう問題でもあります。
 また11飛成とすれば玉は23に逃げるしかなく、変化も簡明です。王手に対する応手がこの一手しかないというのも超初心者には親切な構造です。
 13→33→31→51→53→73→71と、くるくると龍が転回してお終いなのですが、易しい龍追い趣向と見ることもできます。そういう短評もたくさんいただきました。

占魚亭
 易しく楽しい一本道。10手台入門に最適。

野曽原直之
 3手詰がやっと、という人にも挑戦してほしい。

★3手や5手しか解いたことがないという人にも10手台を解いたという達成感を味わっていただけます。

則内誠一郎
 初心を忘れると作品の評価が難しくなります。

★どなたにも初心の時代はあったと思います。普及には初心を思い出すことも大切です。

名無し名人
 趣向作という見方もできるけど、ただ龍で追ってるだけで詰将棋の面白さを伝えるのは厳しいか。
 作者予想=中出慶一氏。

★①と②は「面白さ」を伝える一歩手前の作品ということで受け止めたいと思います。

上谷直希
 趣向作入門。
 【作者予想】中出慶一さん

★名無し名人さんと上谷さんは作者予想が一致しました(残念ながらはずれですが、笑)。
 確かに中出さんには易しい趣向作がありますね。

小池正浩
 実戦的なものとは異なる世界の入口として、良いかもしれませんね。

★「易しいから詰まらない」という人もいそうですが、「難しい」ことだけが詰将棋の評価軸ではありませんからね。

河童生
 鼻歌で解けた、♪♪ 追いかけて、追いかけて、追いかけて、雪国 ♪♪

金少桂
 趣向詰の源流、龍追い。こういう作品から趣向詰や龍追い長編の魅力に惹かれる人が増えるといいですね。

★駒を動かすだけで詰んでしまう。解き終わって手数を数えてみれば10手台。これがもっと長い手数へのチャレンジにつながればと思います。

奥鳥羽生
 くるくるくるくるくるくるくるくる(8回)
 相馬康幸2号養成用

★相馬康幸さんの看寿賞受賞作「迷路」は次図。
 捨駒無し、龍追いのみで200手超えを実現した素晴らしい作品です。

相馬康幸作「迷路」 (近代将棋1987年7月、看寿賞、『Collection』№78)
相馬康幸「迷路」

 52飛成以下239手詰(長手数なので手順を略させていただきます)。
 玉は左回り、右回りのルートで逃げます。下段で「57~48~59~68」の地点で左右の折り返しが異なる箇所があり、すべて限定されているのは見事です。ポイント地点は、25手目22龍でと金を奪う、43手目78歩と打つ、81手目72龍で歩を奪う、121手目65歩と打つ、147手目29龍でと金を奪う、151手目38歩と打つ、177手目96龍で歩を奪う、185手目87歩と打つ、211手目72銀成などで、回転の途中で逃げ道を限定していく仕組みが巧妙です。

有吉弘敏
 主旨に合ってますし、楽しさを伝えられます。

★課題の主旨にピッタリの一局で、皆さんからも好評でした。


② 三宅英治作 <超初心者向> 『玉のエスカレーター』
02_玉のエスカレーター

【作意】23歩成、同玉、24金、22玉、32歩成、同玉、33金、31玉、41歩成、同玉、42金まで11手詰

【評点】百点満点の85点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:2.56、良:5、可:4、否:0
        良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

作者のことば
 初心者には、解かせてみて「自ら解けた」時に「もっと解いてみたい」という興味を引き出すことが大切だと思います。
 普段、子供教室でそこを外さないようにやさしい問題を提供しています。
 私は子供達が自力で解いて面白さを実感させることを指導に心がけています。


 この作者のことばは、三宅さんからうかがったご意見です。
 特定の投稿作につけられたものではありませんが、大切なところだと思います。

 私は本作を、①以上に、基本手筋の習得だけでなく趣向色が強くなったように感じます。
 歩を成捨てながら金を進んでいく、このリズム感のようなものを楽しい、面白いと感じてもらえれば、詰将棋の世界に近づいてもらえるのではないでしょうか。

有吉弘敏
 これも主旨にあっています。玉の軌跡が面白い。

★玉が階段を一段ずつ降りていくようですね。

河童生
 食品売り場は地下2階、エスカレーターで行きましょう。

★原題は「歩の成捨て」というものでしたが、管理人の独断でタイトルを変更させていただきました。三宅さん、すみません。

野曽原直之
 歩の成り捨てが気持ちいい。

★捨駒の手筋習得です。

小池正浩
 歩が消えると共に、金の行進。清涼詰でもありますね。

★「金の行進」というタイトルが良かったかもしれませんね。

名無し名人
 易しい軽趣向で詰将棋を解くのが嫌いな人でも楽しめる作品。
 作者予想=これも中出慶一氏。

★将棋は好きでも詰将棋は嫌いという人、確かにいますね。好きでもないのに棋力アップのために始めると長続きしないという話も三宅さんからうかがったことがあります。
 こういう作品がきっかけで詰将棋を好きになってもらえると嬉しいですね。

上谷直希
 趣向作入門。
 【作者予想】三宅英治さん

★作者予想はお見事!

金少桂
 こちらも趣向詰。シンプルなので角の利きの確認、駒成の理解の確認としても使えそう。

★初心者向けの教材として色々な要素が詰まっていますね。

奥鳥羽生
 成捨て・金出のリズム感
 黒川一郎2号養成用

★詰将棋を使って詩を書くと言われた浪漫派の巨匠、黒川一郎さん。
 と金を捨てながら玉を追い込む朝霧趣向を軽く仕上げた一作がありますので紹介します。

 黒川一郎作「漣」 (詰パラ1965年9月、『将棋浪漫集』第78番)
黒川78番「漣」

 82と寄、61玉、71と寄、51玉、62歩成、同玉、63と左、同と、72と寄以下43手詰
 『将棋浪漫集』は黒川氏の作品集。1973年に西東書房から発行された豪華本。

占魚亭
 易しく楽しい一本道その2。味のある手順。

★一本道のなかに、楽しめる要素が詰まっています。

則内誠一郎
 解いてみて楽しさを感じることは大切な経験です。

★「楽しくなければ詰将棋じゃない」と言いたいですね。

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★次回例会
[日時] 2017年4月16(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[課題] 次回(6月号)企画展のため作品の一般募集は行っていません。
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★偶数月の第三日曜日に例会を開催します。
6月は18日です。場所は大阪市福島区民センターになります。
毎回、何か課題作を持ち寄って楽しく過ごせるようにしたいと考えています。
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