創棋会の次回課題はネット作品展「教材に使える10手台」

創棋会の次回課題はネット作品展です!
教材に使える10手台」、皆さんの投稿をお待ちしています。


・年賀詰の結果は今回もお休みさせていただきます。

■創棋会の次回課題
創棋会の次回課題は「ネット作品展教材に使える10手台」です。
  ・ タイトル必須 …(  )向け(  )の教材
           初心者向けあぶり出しの教材
              実戦派向けミニ趣向の教材
  ・ 指導要領(自作解説)【必須 …簡単なもので結構です
  ・ 条件『教え易い、分かり易い、覚え易い』
  ・ 投稿先 → blogsokikaitusin@gmail.com
    (いつもの宛先ではありません)
  ・ 投稿締切 2月19日(日)
  ・ 発表 2月20日以降、当ブログで一斉出題し、解答募集の予定

 このブログをご覧になっている方の多くは「マニア」の域に達しているのではないかと思いますが、皆さんが詰将棋と出会い、熱中することになった経緯、どういうものだったのでしょうか?
 私自身は詰パラを紹介してくれた棋友との出会いがスタート。
 それ以前は将棋世界くらいしか読んだことがなく、詰将棋の本もプロのものしか手にしたことはありませんでした。
 初めて手にした詰パラを読んで驚きの連続。特に当時は「大道棋秘手500番」が連載中で合駒の妙技に感動したものです。
 おそらく棋友との出会いが無ければ詰パラを購読することもなく、ただの指し将棋の好きな学生で終わっていたと思います。

 さて「教材に使える10手台」では、タイトル必須とさせていただきました。
 例として「初心者向けあぶり出しの教材」や「実戦派向けミニ趣向の教材」などをあげています。
 詰将棋との出会いはさまざま、病みつきになったきっかけも一様ではないと思います。
  ・超短編を解くのがやっとの初心者に、10手台の長いものに挑戦してもらう。
  ・終盤の腕を磨きたいという指し将棋派に、実戦では現れないような詰手筋を知ってもらう、
  ・難しいものを解くのが醍醐味という方に、趣向作の楽しさを知ってもらう。
  ・捨駒がなければ詰将棋ではないという人に、パズルの面白さを味わってもらう。
 というように詰将棋との出会いの場面を考えてタイトルをつけていただければと思います。

 それでは今回も過去の作品から「教材に使える10手台」の例題を紹介していきたいと思います。
 今回は「意外性」という切り口で3作紹介させていただきます。
 タイトルをつけるなら、「中級者向けに不利感や意外性を味わってもらう教材」というところでしょうか。


小西稔作(将棋世界1953年6月、『古今短編詰将棋名作選』第48番)
小西稔

 端正な実戦型です。
 一目23飛、14玉、21飛成のような開き王手の筋が見えますが、単純な攻めでは32金と角を取られてしまいます。
 15飛も23金を見て有力そうですが、22玉とされると31玉からの脱出が防げません。
 12飛と捨て、同香とさせてから15飛が手筋でうまそうですが、これも22玉、12飛成に同玉とはしてくれず、33から逃走されます。
 初手は軽く25桂と捨てるのが好手。22玉には33金から21飛です。また同歩なら25から上部脱出できなくなったので23飛から簡単です。
 同馬が最善ですが、続く33飛が先まで読んだ好手。これは同桂と取る一手。
 そこで23金から12金とソッポに動いて開き王手するのが絶妙手。
 金は縦横に動いてこそ力を発揮する駒です。それが斜めに動くのですから常識の逆をいくような手です。

<7手目 12金>
小西12金

 12金の意図は32金と角を取れば13飛までの一手詰を狙ったもの。
 15玉と上がって馬の守備力で逃れようとしますが、14角成が決め手です。
 同玉なら13飛まで。同馬には16から飛を打ち25玉に26金までの詰みとなります。
 12金のソッポ行きを中心に、その前後を洗練された捨駒で構成した好作です。
 この作品が発表されたのは昭和20年代です。12金のソッポ行きは今でこそ珍しい手筋ではありませんが、発表当時は新鮮なショックを与えたことと思います。

【作意】25桂、同馬、33飛、同桂、23金、14玉、12金、15玉、14角成、同馬、
    16飛、25玉、26金まで13手詰

 「四百人一局集」によれば、小西稔氏は1933年(昭和8年)生まれ、1954年(昭和29年)に21歳の若さで逝去されている。活躍期間は短かったが、発表作は約90局で本作は代表作の一つ。


柏川悦夫作(まりも集1951年11月、『駒と人生』第29番、『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』補遺第3番)
柏川悦夫29

 本作も実戦に現れそうな初形。
 初手33金とすればどうやっても詰みそうに見えます。
 しかし13玉、22飛成、24玉、23龍、35玉とどんどん上部に脱出されてしまい、捕まりません。
 しかしそれ以外の手では、22金には13玉、21金は同玉、31金なら22合でも13玉でもダメ、という具合にどうやっても詰みません。
 全く手が無さそうな局面ですが、素晴らしい妙手があるのです。
 41金とするのです。

<初手 41金>
柏川41金

 33金でも詰まないのに玉から遠ざかるような41金で本当に詰むのかと思ってしまいます。とても不利感のある手です。
 22合とすればどうなるのでしょうか?
 これには同飛成と切って捨てる手がありました。41金の効果で、同玉に31角成と出来、12玉に13香までです。
 この変化が分かれば、2手目13玉に22飛成の好手もすぐ見えると思います。
 しかし24玉とされて手が止まります。
 持駒は香一枚、果たして上部脱出が防げるのか?
 ここで33龍と桂を取るのが俗手の妙手です。
 15玉には35龍、16玉、25龍、17玉、19香、18合、44角成までピッタリ詰んでいます。
 初手33金とすると、この金が邪魔で龍を引けなかったわけです。
 33同玉には42角成とします。この手が利くのも41金の効果です。
 ここで34玉には36香、35合、26桂で詰むのも気持ちの良い変化です。
 22玉には34桂と打ち、12玉に13香から25桂と跳ねます。
 12玉には34の桂を22に成捨て31馬と入ります。12玉に13桂成まで。

 41金の妙手でスタートし、22飛成から33龍と大駒を捨て、後半は34桂から22桂成の捌き、また37の桂が25から13へ二段活用されるなど、素晴らしい作品でした。

【作意】41金、13玉、22飛成、24玉、33龍、同玉、42角成、22玉、34桂、12玉、
    13香、同玉、25桂、12玉、22桂成、同玉、31馬、12玉、13桂成まで19手詰

 はじめて本作を見たときのインパクトが非常に大きかったのを覚えています。
 詰将棋を始めて2~3年くらい、棋友から借りた『駒と人生』。
 当時の棋力はパラの高校を半分くらい解けるかどうかというレベルでしたから、山田修司さんの名解説を読みながら、一手一手駒を動かして鑑賞したものです。


酒井克彦作(詰パラ1976年5月、看寿賞、『からくり箱』第39番)
酒井克彦

 右上4×5に収まって盤面も9枚。食欲をそそる初形ですが、あちこちに逃げ道があってどこから手をつけるか悩みます。
 33角が有力だが31玉でダメ。14や34から桂を打つ手もすぐ切れます。
 初手は33金と捨てるのが巧打。
 同玉なら34飛と打ち22玉に31角~13角成から24金を取って詰むので、取れません。
 12玉には45角の限定打が好手。23合なら同金から24桂があるので、34に中合します。
 34歩合なら同角、同金に13歩と打てます。桂合は13飛の好手があり、同玉、24金、同玉、34金から駒余りの詰み。
 そこで13玉とかわします。
 24金と取って簡単そうです。同玉、26飛に35玉なら53角、45玉、44金、55玉、67桂と追って詰みます。しかし26飛に33玉とされると34金、32玉、14角、31玉で詰みません。
 14飛や23飛では駒不足で切れてしまいます。
 ここで凄い手が出ます。
 14金と突っ込むのです。

<3手目 14金>
酒井14金

 拠点になっている25金を捨てる、手がかりを無くしてしまう不利感のある妙手です。
 同玉に36角、25合、12飛、13合、25桂という詰み筋が見えていないと指せない一手です。
 また取れる金を取らずにすべり込む味の良さも抜群です。
 作意は同玉と応じ、36角に13玉とかわします。
 今度は25桂と捨て、一転して12飛と裏側から攻めます。
 同玉に45角と活用して13玉に23角成まで。
 14金の絶妙手を中心に、初手33金の好手を配し、後半も25桂や12飛の軽手でまとめた好作です。
 14金が評価され見事看寿賞を受賞されました。

【作意】33金、13玉、14金、同玉、36角、13玉、25桂、同金、12飛、同玉、
   45角、13玉、23角成まで13手詰

 本作は毎月解答していた頃に出会いましたが、3手目は閃きの必要な一手でした。
 それでもこの作品が解けたのは数年前に解いた柏川さんの作品が記憶にあったからです。
 参考までに図を紹介しておきますので、腕試しにチャレンジしてみてください。
 解答は次回に発表します。

柏川悦夫作(詰パラ1971年3月)
柏川悦夫80

次回はパズル的な作品を紹介する予定です。


***【次回例会】***************************************************
[日時] 2017年2月19(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] ネット作品展教材に使える10手台」です。
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★4月以降も偶数月に例会を開催します。偶数月の第三日曜日開催。
 4月例会は4月16日(日)です。
 毎回、何か課題作を持ち寄って楽しく過ごせるようにしたいと考えています。
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