創棋会の次回課題など

■棋士とコンピューター
 将棋界では、プロ棋士とコンピューターは2013年~2015年の電王戦において、団体戦で3度にわたる激戦を繰り返し、コンピューターの実力が社会に知られるようになりました。
 一方囲碁界では、つい最近までコンピューターはまだまだ人間の敵ではないとみなされてきました。
 ところがこの春、世界最強棋士の一人と言われるイ・セドル九段がコンピューターに敗れるという出来事があり、大きなニュースになりました。
 その囲碁ソフトは「アルファ碁」というもので、Googleが開発したものです。
 アルファ碁のことは、後日AIを扱ったNHKのドキュメンタリー(羽生さんが出ていたのでご覧になった方も多かったのでは?)でも紹介されていました。
 ディープラーニングという言葉もすっかり有名になりました。
 日本でもそれに刺激を受けて開発された「Deep Zen Go」が趙治勲名誉名人と対戦することになったそうです。どんな結果になるのか興味があります。

 イ・セドル九段とアルファ碁の五番勝負は書籍になっています。
     「人工知能は碁盤の夢を見るか?」東京創元社2016年7月刊
 著者はホン・ミンビョン氏とキム・ジノ氏、訳者はホン・ミンファ氏。
 アルファ碁は、最初はヨーロッパのアマトップレベルの棋譜を学習させ、それをもとに、人間なら数千年かかる約3千万回の対局を機械学習。
 さらにアジアのトップレベルの棋譜を入力し約3週間の学習を行ったそうです。
 本の中では解説者がアルファ碁のことを次のように表しています。
  ・徹底的な学習と計算によって手を選択する
  ・恐怖という感情がないので50%以上の確率があればどんな手でも決行する
  ・アルファ碁には疲れがない、心が揺らぐこともない
 第3局までアルファ碁の3連勝、第4局ではバグが出て人間が勝利します。
 ここまでの対局からアルファ碁は白番で一層強みを発揮すると言われてきたのですが、最終局、イ・セドル九段はあえて黒番を選択。好勝負を展開するのですがあえなく敗退。
 私は、囲碁は素人で実戦譜の解説はほとんど理解できないのですが、それでもイ・セドル九段の当惑や意気込みのようなものが随所に書かれていて、なかなか面白い一冊でした。

■創棋会の次回課題
 創棋会の次回課題は「29の桂が跳ねる17手詰」。
  29は平成29年、干支は「酉」→とり→鶏→桂、17は2017の下二ケタ
  「新年に大きく躍進する⇒干支が空を翔ぶ⇒桂が跳ねる」
 ということで来年にちなんだ作品を募集しようという意図です。
 12月例会で選題の予定です。

 課題の例題、今回は中段玉の作品を紹介します。
 前回は吉田健さんの作品を3作紹介しましたが、今回は清水一男さんの作品です。
 水さんは1934年(昭和9年)生まれ。1998年(平成10年)に逝去されました。
 同人作家として活躍され、長く詰パラ中学を担当されました。
 清水さんの作品集は『詰将棋エトワール』で、1998年に詰将棋研究会から発行されました。

清水一男作(詰パラ1985年3月、『月下美人』小駒図式第1番)
清水一男作詰パラ198503

 清水さんは「自作の特徴は、角筋への桂打ち・金の捌き・突き歩、合駒は移動合、大駒は短く使い…」と述べられている。(『詰将棋エトワール』119P)
 今回紹介する3作にもその特徴が良く出ています。

 まず一作目。小駒図式です。
 駒の効率を考えると66金とか77金と打ちたくなるところです。
 しかし、66金も77金も85玉とされると続きません。
 67金とするのが正解。今度85玉には77桂があります。
 65玉と桂を取られたところで、開き王手したくなるのをグッとこらえて77桂と跳ねます。
 74玉とかわせば64金と追撃です。
 64同玉と取らせて、68香の効きに玉を誘い出すことに成功。
 ようやく待望の開き王手。67に打った金をグイッと76に出ます。
 74玉とかわしたところに、さらに85金と出てとどめです。
 67→76→85という金の活用に味のある一作でした。

【作意】67金、65玉、77桂、74玉、64金、同玉、76金、74玉、85金まで9手詰

『月下美人』は創棋会の第五作品集。1994年に将棋天国社より発行。


清水一男作(詰パラ1966年11月、『詰将棋エトワール』第27番)
清水一男作詰パラ196611

 実戦型です。
 25銀が筋良く見えますが、同玉で続きません。
 ここは19香の活用を見て15から銀を捨てるのが正しい。
 25玉なら26銀と引く手があるので、素直に同玉と応じます。
 16歩と突き出せば25玉と綱渡りのようにかわします。
 そこで、17桂と跳ねるのですが、16玉とされると「桂頭の玉、寄せにくし」。
 しかし25桂と連続して跳ねると、不思議なことに玉は捕まっています。
 18合と最後の抵抗ですが、26金とベタッと打って、17玉に28銀まで詰みとなります。
 桂の二段跳ねが意外な感じですが、全体にちょっと実戦的な印象でした。

【作意】15銀、同玉、16歩、25玉、17桂、16玉、25桂、18歩合、26金、17玉、28銀まで11手詰


清水一男作(詰パラ1989年5月、『詰将棋エトワール』第76番)
清水一男作詰パラ198905

 双玉です。
 45や44に逃げ道があるので、初手は53角成とするところ。
 25玉は35金打で簡単なので44合だが、逆王手の飛合が飛び出す。
 逆王手しないと36金、同龍、同銀、34玉、31飛、33合、26桂の順で詰む。
 44飛合には、返す刀で45金が好手。同玉なら37桂から45金まで。
 25玉と銀を取ったところで、さきほどの44合が同じ逆王手でも香だと43馬があって早いことに気づく。
 ここで52馬と追っては43桂合とされ、同馬、同飛、37桂打、14玉のとき13金が打てないので詰まない。
 38玉とすっと引くのが気のつかない手。
 これにも36香合の逆王手が飛び出すが、37桂と跳ねて移動合するのが気持ちの良い一手。
 以下、16玉に17金と捨て、同玉に44馬と質駒の飛車を取り、38玉の効果で28銀と活用すれば飛車打ちまでの詰みとなります。
 清水さんにしてはやや異色の作品。

【作意】53角成、44飛合、45金、25玉、38玉、36香合37桂、16玉、17金、同玉、
   44馬、同銀、28銀、18玉、19飛まで15手詰

 次回も中段玉を紹介する予定です。

***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年12月18(日)13時~
[場所] 関西将棋会館
[課題] 「29の桂が跳ねる17手詰
作品の投稿先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。

***【来年の予定】***************************************************
 ★新年会
1月21日(土)開催。
18時開始。
場所は海心丸(JR福島駅前)
 

(昼間の例会はありません。)
場所の詳細や会費など、あらためて案内させていただきます。

★2月以降は偶数月に例会を開催します。
偶数月の第三日曜日開催。
毎月、何か課題作を持ち寄って楽しく過ごせるようにしたいと考えています。
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以上
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