【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<14回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<14回目>

結果発表14回目です。

その前に13回発表、⑯則内さんへの短評の追加です。
確認不足、大変失礼しました。

奥鳥羽生
 宵越しの金は持たず、金に頼らず詰上げる。

★金の連打は好評でしたね。

それでは今回の登場、出題17番目は 中村宜幹さんの作品。
中村さんは大作アトランティスの作家として有名です。
2015年下期には大学院の半期賞を受賞されるなど活躍中。

⑰ 中村宜幹作
⑰_2 中村宜幹作

【作意】
Ⓐ38飛、㋑56玉、58飛、46玉、Ⓑ48飛、56玉、45銀、55玉、64馬、66玉、
46飛、57玉、56飛、㋺48玉、75馬、㋩37玉、Ⓒ36飛、㋥47玉、Ⓓ56銀、58玉、
38飛、59玉、58飛、49玉、48馬迄25手詰

【変化】
㋑36歩合は同角、56玉、58飛、46玉、48飛、56玉、57歩、55玉、45飛、54玉、64馬迄。
 46玉は48飛として2手短絡。
㋺68玉は58飛、79玉、97馬、89玉、88馬迄。
㋩49玉は58角、59玉、69角、68玉、58飛、79玉、97馬、69玉、59飛打迄同手数駒余り。
 66香合は同馬、49玉、58角、59玉、69角、68玉、67馬、同玉、66飛打迄同手数駒余り。
㋥27玉は16角、17玉、37飛迄。

【紛れ】
Ⓐ86飛は36歩合で逃れ。
Ⓑ57馬は55玉、56馬、54玉、36角、45歩合で逃れ。
Ⓒ57飛は46玉、47飛、55玉、64馬、66玉、46飛で作意11手目に戻る。
Ⓓ38飛は46玉、48飛、55玉で作意8手目に戻る。

【作者のことば】
 狙いの一手は19手目56銀。
 不規則飛車追いの趣向詰めです。馬の往復と34銀の活用が鍵になっています。
 18手追い回した局面が、なんと初形から0手で45銀と引いた局面になっています。
 その銀を56銀と引けることで詰みに至る、という構成です。

【正解】
19手目→56銀
手数→25手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:1.80、A:1、B:2、C:2、誤解:7、無解:4、無評価:1


★本作はちょっとした問題作になってしまいました。
 誤解が大量に発生し、作者を除く正解が5名となってしまったのです。
 誤解は、19手目を69角とした方です。
 まずは作意を追ってみましょう。
 初手は飛車を動かして開き王手するしかないのですが、移動場所が多くて悩みます。
 しかし、35飛では56玉で詰みませんし、86飛と横に動くのは36歩と中合されて、これも全くダメです。
 そうなると38飛と引くしかありません。
 36歩合が利きそうな感じですが、平凡に同角とすれば玉を56に追ったとき57歩と打てるので早く詰みます。
 これには単に56玉とかわすのが最善の逃げ方。46玉は作意を見ていただければわかるように2手短くなります。
 58飛、46玉、44飛、56玉と生飛車で追う展開なので空中遊泳しているような玉がなかなかつかまりません。最後55玉なら45飛と出来るのですが56玉と寄ってしのぎます。
 そこでじっと45銀と引いて局面を動かします。
 今度は55玉と逃げるしかないのですが、64馬と活用できます。
 66玉の一手に46飛とすれば、57玉、56飛、48玉、75馬までは一本道。途中56飛に68玉は58飛から97馬があります。
 ここが問題の局面でした。作意は37玉なのですが、誤解された方は49玉としたのではないかと想像しています(解答は全手順記載方式ではないので、実際のところは想像するしかありませんが…)。
 49玉に、58角、59玉、69角、68玉、57馬、69玉、59飛、同玉、58馬までと読み、19手目を69角とされたのではないでしょうか?
 詰将棋らしい収束ですが、手順中57馬の処で58飛と引く手があり、25手駒余りとなります。(変化㋩参照)
 変化は割り切れているので、きびしいようですが、69角は誤解とせざるを得ません。
 作意に戻って、37玉に57飛では46玉、47飛、55玉、64馬、46飛となって11手目の局面に逆戻りです。
 仕方のない36飛に47玉となった局面、何か初形に戻ったような雰囲気もありますが、初形との違いは銀の位置。34の銀が45に来ているではないですか。
 そこで56銀と引けば58玉するしかなく、38飛の両王手からの収束となります。

 まず誤解者の評から見ていきましょう。

A氏  
  残念なのは7手目の45銀。これがなければ、すべて王と大駒の鬼ごっこ。

★そこがポイントだったのですが。でも大駒の動きはの楽しさは伝わったかな?

B氏
 大駒独特の味。この作者でこの初形だから何か狙いがありそうだが…。

★16手目を37玉とされていたら、作者の狙いに気が付いた?

C氏
 追い詰なれどまるでマジックを見るよう

★どのあたりをマジックと感じられたのでしょうか?

D氏
 バッテリーが入れ替わる所は面白い。

★大駒の活用方法には工夫がありますね。

E氏
 玉の動きは千鳥足。先を見通すのが大変。
 ところで、16手目3七玉の変化が早く詰みません。

★56銀が盲点になったのでしょうか?

F氏
  2か所(21手目5八飛または5八飛打。23手目4九飛。)で余詰があります。

★選択された手順が正解でないことに気づいていながら…。

G氏
 狙いがよくわからない。 

★この手順に入ってしまうと狙いは伝わりません…。

★ここからは正解者の評です。

野曽原直之
 飛車を細かく動かし18手かけて34の銀を45に移動させる。長編のような中編というべきか。

★唯一人、作者の狙いを受け止めていただきました。
 「長編のような中編」というのはピッタリの評。

有吉弘敏
 みかけでびびりましたが、筋が見えればまさに「すらすら」でした。

★初形はそのとおり。生飛車で追う手順には少し詰め難さがありますが、王手できる手が限られている局面が多く、その点迷うところは少なかったと思います。

三輪勝昭
 21手迄は凄い面白い。
 収束はこれが作意?どこか中合を見落としたのか。
 これが作意なら作品以前。

★収束が決まらない、というのは解後感スッキリにつながりませんでした。

★以上の3名以外の正解者だったお二人、少し勘違いがあったかもしれません。

H氏:
 ラストの大模様シリーズ1作目。手順と初形が釣り合っていない上、16手目△49玉だと変同余詰や二手長駒余りが複数あり、キズが大きすぎると思う。

★おっしゃる通り、初形と手順のアンバランスというのはあったかもしれません。
 なお16手目△49玉は変化㋩のとおり、同手数駒余りですから、割り切れています。
 変同余詰にはあたらないと思います。

I氏
 34銀を45に置き間違って7手詰にしてしまう。(ウソw)角の25→14への移動にも目を奪われる。

★初形から銀一枚動いた局面にするのに18手もかかるというのは、詰将棋の非効率の面白さですね。
 ところで「角の25→14への移動」というのは?

★作者の狙いについては「不規則飛車追いの趣向」は伝わりやすいのですが、「初形から0手で45銀と引く」ということにどれだけの方が気づくか興味がありました。
 しかし残念ながら誤解者続発と言う結果に終わりました。誤解者にも好評の声が散見されただけに残念です。

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   blogsokikaitusin@gmail.com

 また本ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、上記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。

***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年10月16日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[課題] 「合のつく手筋、3通り以上」(移動合・打診合など。造語も可。)(29手以内)
作品の投稿先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
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以上
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