【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<10回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<10回目>

結果発表も10回目になりました。
出題⑬番目は 安田恒雄さんの作品。
安田さんは詰パラの短期大学発表作で2016年度上半期賞を受賞されました。
簡素な形から合駒を出していくのがお得意とお見受けしました。

⑬安田恒雄作
⑬_2 安田恒雄作

【作意】
Ⓐ42銀、㋑22玉、Ⓑ33銀成、㋺同玉、11角、㋩22桂、同角成、同玉、24香、㋥23歩
Ⓒ同香成、同玉、35桂、33玉、11角、㋭22歩、同角成、同玉、42飛成、32飛
23歩、11玉、12歩、同飛、同龍、同玉、32飛、11玉、22歩成まで29手詰

<変化>
㋑32玉は41角、22玉、24飛以下。
㋺同桂は23香、同玉、14角、12玉、42飛成、22歩(桂は21角以下)、23角打、11玉、22龍以下。
㋩歩合は同角成、同玉、24香、23合、42飛成、32合、31角、11玉、12歩以下。
㋥香合は作意手順と同様に進め、19手目42飛成の処、24香、11玉、12歩以下。
 桂合は作意手順と同様に進め、21手目23歩の処、34桂、11玉、12歩、同飛、23桂まで。
㋭桂合は㋥と同様。

<紛れ>
Ⓐ53角は22玉で、31角、12玉(11玉は22銀で詰む)、42飛成、23玉以下不詰。22玉に24飛は23歩合、31角、12玉で不詰、
Ⓐ32銀は同玉で、41角は31玉、54角や43角も22玉で不詰、
Ⓑ31角は12玉で不詰。24飛、23歩、31角も12玉で不詰。
Ⓒ42飛成は32金合、34桂、11玉、44角、33桂、同角、同桂で逃れ。

<狙いの一手>
(狙いは一手ではなく・・)4×4内最多(?)限定合駒への挑戦。
合駒問題ですが、難しい手がないので「すらすら解ける」と思うのですが。

【正解】
6手目→22桂合
手数→29手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.40、A:8、B:5、C:2、誤解:0、無解:2、無評価:0

★詰パラ2016年短大の半期賞受賞作は、途中無仕掛けで、そこから、金銀合が出て矢倉囲いが出現するという、力作でした。
 本作も狭いところで合駒の綾を楽しむ作でしたが、「難解」「作品展の看板に偽りあり」という声が多く、申し訳ありませんでした。
 初形は今回の作品展で最も簡素でいう事ありません。
 しかし詰み形が見えず、どこから手をつけようかと考えてしまいます。
 手のつけにくさは、すらすらのマイナス要因。
 42銀から33銀成と33香を入手する以外に有力な手段が無さそうだとわかるまで、相当な試行錯誤を余儀なくされます。
 33同桂は23香から14角と据えて上部脱出を塞いで42飛成とすれば詰みますので、同玉と取ります。この瞬間も何となく不詰感が漂います。
 ここで11角と合駒を問います。歩合は変化㋩のとおり、12歩と叩く手が生じて詰むので桂合が最善です。作意でもこの変化の筋が出てきます。
 桂合を同角と取り、24香とまたも合駒を訊きます。作意は歩合ですが、何を合しても作意通り進め、歩合以外なら変化㋥のように詰みます。
 ここで42飛成としたいのですが、あいにく持駒は桂なので12歩と叩く筋がなく、やりにくいようでも、23同香成から35桂と打ち換えます。
 33玉とよろけてかわすと再度11角と合駒を問います。持駒が桂歩になると34桂から12歩と叩かれ、23桂生の詰み筋が生じるので(変化㋥の桂合を参照)、今度は歩合が最善。歩合なら23歩と打つ手になるので23桂生がなくなるというわけです。
 22歩合も同角成と取り、待望の42飛成です。
 流石にここまでくると筋に入った感じです。
 ここからはよくある収束パターンですが、飛合が出て、12歩から飛交換、離し飛車の収束となります。
 前半16手目の22歩合のあたりまでは読みが必要ですが、後半はすらすら進んだのではないでしょうか。


有吉弘敏
 手がかりがつかめず何度も諦めかけました。
 すべての変化・合駒も割り切れており、一つの発見と思います。
 大学の川西作と感触が似ています。

★川西作は、詰パラ2016年3月号の大7(実戦型の37手詰。
 配置は、玉方:22玉・21桂・11香・14歩、攻方:44飛、持駒:角桂香香)。
 狭いところで手をつないで行くところは似た味わいです。

野曽原直之
 序の3手が見えなかった。そのあとも有力な王手が多く悩まされた。

nono_y
 この簡素形から、まず銀を打って香取りは予想外で実に指しにくい。
 二度の▲11角への合駒が違う構成も秀逸。
 全く「すらすら」ではないが好きな作。

★42銀から33銀成と香を取るのは、唯一の金気を使ってしまうことや、33玉となった局面が持駒角角香では詰み形が見えないことから、非常に指し難い。

河童生
 合駒が4度で難しい。特に6手目の桂合の決定には苦労。
 「スラスラ解ける」、私には、とてもムリ。

★この変化を読み切れば、後の合駒は学習効果で簡単なのですが…。

金少桂
 手広すぎる。変化も膨大だし、合駒読みもあって大変。
 これをすらすら解けないのは、さすがに自分の詰棋力不足のせいではないと信じたい。
 すらすら度10点。

★前半は手の広い局面が続き、筋に入ったと思えるのは後半になってから。
 数手ごとに出てくる合駒も読みが必要で、まったくすらすらではなかったようです。

中村雅哉
 不利感ある攻め方。特に11手目飛を成りたくなる。
 「すらすら」とは言えないが、好作。

★11手目飛成は、持駒に歩があれば変化㋩のように詰むのですが、持駒桂では詰みません(紛れⒸ参照)。
 このあたり、作意と紛れがうまく切り分けられていると思います。
 また「すらすらではないが好作」と言うご意見は多かったです。

則内誠一郎:
 好形・好手順。しかし難解なので減点。

★課題の主旨に合わないので減点と言う方も多く、評点は管理人の予想を下回りました。

三輪勝昭
 課題違反。 手順に妙味がなく、読みを楽しむだけの最も嫌いなタイプの作品。

★4度の合駒が地味で、攻め方に目の覚めるような手が出てこないのが本作の欠点と言えばその通り。
 変化が多く、読みを楽しむというより、手を読まされたと感じた方の方が多かったようです。

名無し名人
 11角から合駒ブチ切りが2回登場するのが良い。

鳥本敦史:
 11角を繰り返す軽趣向、合駒が変わるのが面白い。 

久保紀貴
 全然スラスラじゃない!けど、11角のリフレインと3度の限定合がいい味を出している。

★「11角・22合」が二度出てくるのを趣向的と受け止める声がありました。
 この評価は、作者も嬉しいのでは?

中出慶一
 1一角、2二合駒の形は比較的珍しい進行ではないでしょうか。
 合駒の違いを利用して29手と破綻なく手が良く続くものですね。

山下誠
 香打に対する合駒によって生ずる飛成の変化が面白い

奥鳥羽生
 支え駒を作るまでは飛に玉を近づけないという先入観にとらわれ、序盤詰め難かった。

山本勝士
 軽い形への仕上げお見事!

★本作はブログで作品募集を行ったとき、いの一番で投稿されたもの。
 盤に並べても詰み筋が見えず、投稿用紙を一読したところ、ちょっと難しいのではないかと思いました。
 投稿作は完全なら全部発表するつもりだったのですが、正直なところ、本作は発表をためらうものがありました。
 しかし「すらすら」は主観の問題でもあり、作者が「難しい手がない」と言っているのだから、当初方針通り発表しようという結論に至った次第。
 ふたを開けてみれば、「難しい」「課題に合わない」という意見が多々あり、懸念が現実のものになりました。
 しかし、「好作」という評価が多かったのも事実。
 この好形から続々と合駒が出てくる手順はお見事です。
 今回は課題の主旨に合わなかったようですが、引き続き好作を発表されることを期待しています。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

 また本ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、上記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。

***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年10月16日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[課題] 「合のつく手筋、3通り以上」(移動合・打診合など。造語も可。)(29手以内)
作品の投稿先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
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以上
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