【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<9回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<9回目>

結果発表の前に、10月1日にアップした「詰パラ10月号到着&創棋会の課題(『合の手筋』3通り以上)」についてコメントをいただきましたので紹介させていただきます。

三輪勝昭
 僕は冒頭に修正室より新作の発表出来るコーナーが欲しいと言ってますよ。
 易しい中編に限定してますが、難しい作品はスペースより、解答者の負担を考えると難しいと思います。
 新作発表のコーナーを増やす障害は、スペースがないためじゃないと僕は思ってます。
 解答者の負担だと思います。
 しっかりした選者が選べば、解答者の負担にならない中編作のコーナーは可能なはずなんです。
 これは皆がもっとうったえるべきだと思いますね。

★これは以下の文章に対するものですね。
・ちえのわ雑文集(38P~)。三輪さんによる「改作のすゝめ」。
 『作品はどんなに推敲したつもりでも視点を変えた改良の余地がある』という主張は肯けますが、それを詰パラの誌上に「修正室」というコーナーまで設けて発表することには少し抵抗があります。
 個人作品集をまとめるときに改良図を載せるというのはアリかと思いますが、本来解答募集方式出題がメインの誌上にそういうスペースを設ける余裕があるなら、新題に回してほしいと思いますが、いかがでしょうか?

 三輪さんも当方も、新題発表を増やしたいということでは見解が一致しています。
 今回の作品展がそういう主旨に適うものであれば幸いです。
 過去、近将だけではなく、マガジン、ジャーナル、枻、天国、めいと、等々発表の場が多かった時代もあるわけですから、詰パラと将棋世界だけの現状は寂しいものがあります。それは作家や解答者だけでなく、読むだけの人にとっても同様かと思います。

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さて、結果発表9回目。今日から後半戦です。
今回は2作まとめての発表です。

出題11番目は吉松智明さんの作品。
昨年は全国大会の司会、解答選手権では大阪会場の運営、この夏からは創棋会の事務担当と、詰キスト交流のお世話役としての顔が売れてきましたが、創作もボチボチ再開でしょうか。

⑪吉松智明作
⑪_2 吉松智明作

【作意】
32飛、㋑22桂合、同飛成、同玉、Ⓐ33角成、同玉、51角、㋺42桂合、同角成、
22玉、32馬、11玉、12歩、同玉、24桂、㋩同歩、22馬、同玉、42龍、11玉
23桂まで21手詰

<変化・紛れ>
㋑ 22香は同飛成、同玉、33角成、同玉、51角、42合、同角成、22玉、32馬、11玉、22馬、同玉、42龍、11玉、12香まで
㋺ 42香合は㋑の変化に準じる
  42角合は同角成、22玉、32馬、12玉、22馬、同玉、42龍、11玉、22角以下19手駒余り
  22玉は34桂、11玉、12歩、同玉、32龍以下
㋩ 11玉は22馬~42龍
Ⓐ 31角成は同玉、22角に同玉でも、41玉でも不詰
  32銀成は同玉、44桂、22玉、31角成、同玉、22角、同玉、42龍、11玉で不詰

【正解】
8手目→42桂合
手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.56、A:9、B:7、C:0、誤解:0、無解:1、無評価:0

【作者のことば】
創作の出発は33玉、51角に42桂中合とするところ。
頭4手の逆算が入って、詰棋らしくなったと思います。

★本局も実戦型。
 強力な守備駒はないので、切れないように攻め方の勢力圏に玉を近づけたい。
 初手は飛車打しかないが、32飛には22合と、いきなり合駒が出てくる。
 何合かわからなくても同飛成と取るしかなく、22同玉となったところで継続手段を考えてみよう。
 31角成は同玉で続かない。32銀成~41角という良さそうな手はあるが22玉でダメ。
 ここは33角成と捨てて同玉に51角と打ちなおすのが好手段。
 22玉は42龍がある。11玉には先ほど22で奪った合駒を12に打って詰み。
 ということは、22合は桂合しかない。
 しかし持駒に桂があると、51角、22玉のとき34桂と打つ手があり、11玉に22歩~42龍とする手がある。
 そこで51角には42に捨合をして53龍の活用を阻止しようとする。
 以下は42同角成とし、32馬から桂捨てで24をこじあけてから22馬と捨てればやっと42龍と活用が図れ、空いた23の地点に桂を打って詰み上がり。
 謎解きは前半の8手で終わり、後半は馬捨・桂捨は入るが淡々と手が進む感じ。
 合駒は出てきますが、手が限られているので難しさは感じなかったのではないでしょうか。
 今回の作品展の平均的なポジション(B=2点)かと思ったのですが、主旨にマッチしたところが買われたのか、評点は2.5点を越えました。作者には予想外?


金少桂
 2回の合駒読みがメインだが、頭の丸い桂以外は12に打てるのに気づけば容易に2回とも桂に決まる。
 獲得した桂の使い道も桂捨てで桂吊るしの穴開けとわかりやすい。すらすら度60点。

有吉弘敏
 2回の限定合はうまいですね。

山下誠
 2度の桂合を中心にすっきりまとまっている。

★2手目は読み飛ばしても、手順を進めることが出来ます。
 もちろん手の見える人には桂合は一目だったと思います。

河童生
 53竜を世に出す物語。双方、桂の使い方がお上手。

中出慶一
 2回の合駒桂を有効使用できる場所作りが旨くできています

野曽原直之
 角の打ち換えからの42桂捨合が良い。2枚の桂を使用する方法に感心。

★もらった桂の使い道は案外限られていますが、一枚は捨駒にできたのでよかったですね。

名無し名人
 角の打換えに捨合が見所。収束も無難にまとまっている。

★収束に飛躍した手がないとも言えますが…。

鳥本敦史
 大駒3枚捨ては合格でしょう。 

★攻め方が強過ぎる構図なので、大駒が3枚消えて、やっと合格というところでしょうね。

nono_y
 桂中合をテーマにあっさり仕上げ。飛不成&32中合も入れると30手台?

★「飛不成&32中合」は打歩詰誘致の一つのパターンですが、まったく別の作品になってしまいそうですね。

三輪勝昭
 8手目22玉は52龍、42桂合、あれッ、詰まないぞと思ったら、34桂、11玉、33馬、同桂、22桂成か。これは巧い変化。

★巧い変化を考えていただきありがとうございます。
 そう凝らなくても22玉には34桂と打って簡単に詰むのですが(変化㋺参照)、そういう作りで一局出来そうですね。

濱田博
 42角は同手数駒余り?

★もしかして濱田さんも高級な手段で詰ましにいったのでしょうか?
 変化㋺のとおり19手駒余りで割り切れています。
 
山本勝士
 2度の桂合と型が良くまさにスラスラ。

★初形は、実戦型、盤面の駒数10枚、配置は5×5に収まり、成駒は53龍だけ、当たり駒も少ないということで、好形の条件は揃っていると思います。

久保紀貴
 桂合をアクセントにきっちりと纏まっていて好感が持てる。

則内誠一郎
 手順全体のまとまりの良さでは上位。

奥鳥羽生
 形・手順ともにキレイにまとまった一局。

★派手な捨駒や攻防の妙手は出てこないのですが、まとまりの良さは評価されました。

中村雅哉
 合駒読みもこのくらいなら「すらすら」の内か。易しく解後感も良い。

★合駒は二回出てきますが、攻め方の手段は限られています。33角成に気がつけば一気呵成に詰んだのではないでしょうか。


続いては、出題⑫番目 角建逸さんの作品。
角さんは看寿賞作家でもありますが、何と言っても角ブックスの刊行をはじめとする作品集の編集や発行が、素晴らしい業績ではないかと思います。
発行物では、単行本だと「詰将棋探検隊」(1995年発行)が有名ですね。また、確か角さんが将棋世界の編集長時代だったと思いますが、『ミクロコスモス』が将世の付録になったのは、とても印象に残っています。

⑫角建逸作
⑫_2 角健逸作

【作意】
24香、㋑23桂合、同香生、㋺11玉、Ⓐ12歩、同玉、14龍、㋩13角合、24桂、11玉、
Ⓑ21香成、同玉、23龍、㋥22飛合、Ⓒ12桂成、31玉、22成桂、㋭同角右、32飛、21玉、
33桂、11玉、31飛成、同角、21龍まで25手詰

<変 化>
㋑11玉は、12歩、同玉、23龍、11玉、21龍まで。
  23角合は、同龍、31玉、53角、42歩、21龍まで。
㋺13玉は、14歩、12玉、24桂、11玉、21香成、同玉、32龍、11玉、12龍まで。
㋩13歩合は、24桂、11玉、21香成、同玉、23龍、22飛合、32桂成、11玉、22成桂以下。
㋥22香合は、32龍、11玉、23桂、同香、12龍まで。
㋭42玉は、*32飛、51玉、53龍以下。(*54桂以下でも詰む。)
  同角左は、32飛、11玉、13桂、11玉、31飛成、同角、21龍まで変化同手数。

<紛 れ>
Ⓐ21香成は、同玉で続かず。
Ⓑ13龍は、同桂で続かず。
Ⓒ32桂成は、11玉、13龍、12金合で不詰。

【正解】
15手目→12桂成
手数→25手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.38、A:9、B:4、C:3、誤解:0、無解:1、無評価:0

<作者のことば>
 24香からの手順は一本道ですが、合駒がどんどん出て来て、手が続きそうな素材で当時は紛れⒸの順で何とかならないかと思っていた矢先、橋本孝治氏が「めいと」に下図を発表(43手詰・1989年7月)したため、お蔵入りしたものです。
 最近になって、44角を55にすれば、15手目12桂成できれいに収束することがわかったのですが、発表する機会もなく、放置していた図。お披露目する機会を与えてくれて感謝です。ようやく供養できるような気がします(笑)。

★変化紛れも含め詳細な投稿をいただきましたので、あまり追加することはありませんが、簡単に手順の解説をしておきます。
 24香から23桂合の捨合を同香不成と行くのは、習いある手筋ですが、そこから11玉を12に呼んで14龍と回り合駒を問うあたりまでは一気に手が進みます。滑り出しは大変すらすらです。
 13合は、24桂、11玉となったところで13同龍とされても詰まない、角か桂か歩ということになる。
 継続手段は、21香成、同玉、23龍と迫るしかないが、そこでも作意同様22飛合が最善なのだが、32桂成~22成桂~12飛という手があるので、13合は角であることがわかる。
 作意は22飛合に32桂成とすると紛れⒸのように詰まないので、左に追う不利感はあるが12桂成とするのが正解。
 22成桂に42玉と逃げるのは32飛から二枚飛車で攻めれば詰む。
 22成桂に同角の変化が、13・55いずれの角で取っても同手数の変化になるのが痛いが、最後取った飛車を捨てて収束するのは気持ちの良い所。
 簡素な形から合駒が3回と粘りのある手順が続き、大駒捨てで清涼詰になるところなど、解いて楽しい一局でした。

<参考図>橋本孝治作(めいと1989年7月)
⑫_5角参考図
【作意】
24香、23桂合、同香不成、11玉、12歩、同玉、14龍、13角合、24桂、11玉、
21香成、同玉、23龍、22飛合32桂成、11玉、13龍、12金合、22成桂、同角、
23桂、21玉、31桂成、同角、23飛、22銀合、32角、同玉、43飛成、21玉、
32銀、11玉、12龍、同玉、23金、11玉、21銀成、同玉、32龍、11玉、
22龍、同角、12銀まで43手詰

★橋本作は15手目が32桂成。以下、金銀合が出ます。
43成銀は少々苦しい配置ですが香歩以外の5種合が出てくるのは素晴らしいです。


則内誠一郎
 易しく錯覚させる初形の好感度が高い。

★言いえて妙。
 香打には中合が見えていて、14に龍が回るあたりまでは一気に読める。
 まさに手をつけてみようと思わせる初形です。
 しかし決して一本道ではないのが「錯覚」と言わせる所以でしょうか。

三輪勝昭
 易しいとは言え、手を読む系統の作品でスラスラ解ける快感がなく、今回の課題には合わないと思う。
 それと18手目非限定でスッキリしない。

★筋は見えるが確かめないといけない、読み飛ばしてしまえないと感じた方には、すらすら度が落ちたようですね。

中村雅哉
 悩み所があり「すらすら」とは言えないが、シンプルな形なのでポイントアップ。
 18手目非限定は減点材料。

★形の良さが好感度をアップさせたというのはありますね。前問以上の好形です。

鳥本敦史
 筋に入ったと思ってから意外に粘りがあった。

★22飛合とされたところで、2枚角の受けが強くて手が止まる。
 手がつけやすいだけに、大道棋なら何本か取れそうな…。

金少桂
 短評:パッと見駒不足感があり不詰感もあったが、手も限られているので意外と手はつけやすかった。
 18手目変同が少し気になる。すらすら度55点。

山下誠
 適度に合駒の変化があって楽しめる。テンポのよい好みの1局。

★手のつけやすさという意味では作品展でも上位。
 3度の合駒も難解ではなく、14手目まではすらすらと手が進むと思います。

名無し名人
 少ない駒数から捨合、不成、大駒合2回、逆モーションの12桂成と見所連発。
 18手目非限定は残念だが最後飛捨てで引き締まった。

山本勝士
 高級過ぎて投稿先が違う。

★「見所満載」ですが、一方で「高級過ぎて」という意見も。受け止め方は多様ですね。

野曽原直之
 飛合と一見逃がすような12桂成に驚いた。

★32桂成と狭い方に追い込むのが第一感ですから、不利感のある手でした。

nono_y
 限定合3回の清貧図式清涼詰。合駒も清貧に収まっている。
 指定手は確かに桂をどちらに成るか迷う。
 ただし、この手が鍵なら18手目の変同は残念。

★15手目を鍵にしたのは管理人の判断です。

河童生
 見た目は易しそうだが、合駒が3度もあって結構難儀。最後は清涼詰で涼風ですね。

★初形は清貧。詰め上がりは清涼。

濱田博
 18手目は限定されているのだろうか

★残念ながら皆さんがご指摘されているように変同です。
 どちらの角でとっても32飛から桂を打って(作意は同角右から33桂ですが、同角左なら13桂)11玉に31飛成と捨てて詰むので、それほど気にはなりませんでした。

有吉弘敏
 序の7手は既視感があります。
 18手目はどちらの角で取っても同手数?間違ってたらすみません。

久保紀貴
 13角合以下の手順に前例がなければちょっとした発見だと思う。

奥鳥羽生
 一見してよくあったパターンかと思ったら、角合・飛合ときて12桂成!となりビックリ。よくぞ発掘せり(過去作不知)。

★頭4手は一つのパターンですね。
 本作の場合14手目までに前例があるのが痛いところです。経緯は作者の言葉を参照ください。
 管理人は新作として十分価値があると思いますが、いかがでしょうか。

中出慶一
 簡潔図、3回の合駒選択、清涼詰、等作品としては短大でも十分通用する申し分ない好作です。
 しかし「すらすら解ける20手台」の趣旨からは遠い存在です。

★今回の課題の主旨に合わないというコメントをいくつか頂戴し、管理人の予想よりも低い評点にとどまりました。
 一方で手順については18手目の変同を指摘される方が多かったのですが、他には難点がないということの裏返しとも言えます。
 3度の易しい合駒、不利感のある12桂成、大駒捨ての収束、清貧図式と清涼詰と、内容は豊富で好作だと思います。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年10月16日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[課題] 「合のつく手筋、3通り以上」(移動合・打診合など。造語も可。)(29手以内)
作品の投稿先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
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以上
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