詰パラ10月号到着&創棋会の課題(「合の手筋」3通り以上)

<<詰パラ10月号到着&創棋会の課題(「合の手筋」3通り以上)>>

「すらすら解ける20手台」の結果発表、今回は中休みとさせていただきます。
詰パラ10月号の紹介と、創棋会の次回課題についての例題紹介です。

■詰パラ10月号が到着
・会合作品展(18P~)。香龍会、詰四会、九州Gと一挙に三つの作品展です。
 しかも香龍会は例会300回、詰四会は10周年&20回の記念です。
 会合を長く続けるのは、色々な要素が揃わないとうまくいかないように思いますので、皆さんご立派!
 (ちなみに創棋会は来年で45周年です。)
・半期賞発表(21P~)。素晴らしい作品ぞろいで、あらためて鑑賞したいと思います。
 小学校と高校がダブル受賞。武島氏が小学校・中学校の2校で受賞。また、小学校の上谷氏・高校の小林氏・短大の安田氏・大学の石川氏と4名が初受賞されました。若島さんは14回、これもすごい数字ですね。
 皆さん、おめでとうございました。
・全詰連の頁(29P~)。藤井聡太さんの四段昇段、おめでとうございます。これで来年の解答選手権も大入り満員か?
 また4年後の地方開催を心配されていますが、どこかよいところはないでしょうか?
・短コン作品募集(28P~)。今年は9手詰!
・持駒のある風景(30P~)。こちらでも藤井さんの記事が。
・ちえのわ雑文集(38P~)。三輪さんによる「改作のすゝめ」。
 『作品はどんなに推敲したつもりでも視点を変えた改良の余地がある』という主張は肯けますが、それを詰パラの誌上に「修正室」というコーナーまで設けて発表することには少し抵抗があります。
 個人作品集をまとめるときに改良図を載せるというのはアリかと思いますが、本来解答募集方式出題がメインの誌上にそういうスペースを設ける余裕があるなら、新題に回してほしいと思いますが、いかがでしょうか?
・酒井桂史『琇玉篇』解題(40P~)。今月はイントロ。来月以降に作品が紹介されるのが楽しみです。
・会合案合(54P~)。創棋会は8月の例会報告と10月の案内。10月の会場が多目的ルームとなっていますが連盟行事のため和室に変更します。同じフロアーです。

■次回課題作
12月号掲載予定の作品展の課題です。
合のつく手筋、3通り以上」(移動合・打診合など。造語も可。)(29手以内)

それでは今回も「合のつく手筋」を含む過去の名作を紹介していきます。
看寿賞受賞作から選びました。

まず最初は創棋会の大ベテラン柴田さんの作品。得意の打歩詰回避がテーマです。

柴田昭彦作(詰パラ1967年11月、看寿賞、『詰将棋三十年』第100番、『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』第114番)
柴田昭彦_パラ196711

初手は45龍を使いたい局面。55角も活用したいので、玉方73飛の利きを止めて43に桂を跳ぶのが有力そう。
玉方も25合では16歩から33角成なので、35に中合して打歩詰に誘いたい。
となると頭の丸い35角合しかない(桂は27から打てる)。

<図:35角合>
柴田昭彦_2手目35角合

同龍に対する25合が難しい。
25香合は、26角、同桂、同銀、16玉に25銀と香を取る手があり、17玉、19香、18合、29桂、27玉、36龍で詰む。
25桂合は、26角、同桂に同龍と出来るので、14玉、15歩、24玉、33角成まで。
25金合は、26角、同桂、同銀、16玉に25龍と金を取り、27玉、28金まで。
最善は銀合となります。

そこで追撃の一手が48角と離して打つ手。
26角では、同桂、同銀、16玉で詰まないので、合駒を稼ごうというわけです。
37桂合の変化、少し骨があります。
同角引、26桂跳、同銀、16玉、25銀、27玉、36龍、38玉、73角成、48玉、38飛、59玉、95馬で詰みます。
この変化があるので、48角と33角生の手順前後は成立しません。
そうなると26合の一手ですが、頭に利く駒は取って16から打てます。
軽く26桂跳では同銀、16玉、25銀とすれば、17玉には26龍、27玉には36龍と、大駒3枚の包囲網があり簡単です。
そこで26桂打とします。

<図:26桂打>
柴田昭彦_6手目26桂

ここで同角では同桂とされ、27桂は14玉で打歩詰、同銀としても16玉、25銀に17玉とされ逃げられてしまいます。
決め手の好手が33角不成とする手です。
24合は頭に利く駒では取って16から打てます。
玉方は最後の抵抗で24歩と移動合します。

<図:24歩>
柴田昭彦_8手目24歩

ここまでくれば簡単です。
26角、同桂、27桂、14玉となったとき33角生の効果で15歩が打てます。
15歩、23玉に22角成~33歩成~22と と捌いて31龍と入ります。
ここまで来て初手が不成だった効果が現れました。
43桂不成は非常に潜伏期間の長い伏線手でした。
最期、打った桂を35に跳ねて詰むのも気持ちがよいですね。

43桂不成の好手から始まり、中合や移動合を含む4連続合に、角不成を織り込んだ好手満載の前半の攻防は圧巻。打歩詰回避を得意とする柴田さんの代表作です。

作意:43桂不成35角合、同龍、25銀合、48角、26桂打33角不成24歩、26角、同桂
   27桂、14玉、15歩、23玉、22角成、同玉、33歩成、11玉、22と、同玉
   31龍、23玉、35桂まで23手詰


続いては、やはり打歩詰打開の応酬です。

齋藤吉雄作「くもの糸」(詰パラ1997年11月、看寿賞)
斎藤

初手は44龍と活用したいところですが、応手が悩ましい。
36玉は、35とがうまい手で、同となら25銀、同と、34龍があります。また35同角成なら同龍、同と、25角と重く迫れば45玉に46歩と叩いて詰みます。
46歩合は、48歩と打てるので、36玉に35と、同と、25銀、同と、34龍があります。
46銀合としても35とを同銀とは出来ない(47龍まで)ので同じことです。
となると45中合しかありません。同龍とさせて48歩を打歩詰にしようという手です。
中合は歩か桂しかありませんが、まず45歩合には48歩と打ちます。
36玉なら35とから25銀~34龍の筋があるので、いったん46玉とします。
55龍とさせてから36玉とします。
そうなると35との筋は利かないので56龍と応手を訊きます。
46香などでは25銀、同と、同馬、45龍があります。
46金(銀)も、同龍として同角成に、27馬から28飛があります。
46角成の移動合が粘りのある受けですが、同龍、同玉、73角、36玉に、27馬から37角成という手があります。
この37角成を防ぐため、45の中合は桂合が最善となります。

<図:45桂合>
斎藤45桂

45歩合のときと同じように進めてみましょう。
48歩、46玉(36玉は35とです)、55龍、36玉、56龍と進めます。
歩・香・桂・銀・金は45歩合の変化と同様に詰みます。
46角成の移動合が最善の応手です。

<図:46角成>
斎藤46角成

ただちに同龍では、同玉、73角としても、36玉とされて45桂の守備が強くうまくいきません。
ここで良い手がありました。25銀、同と としておくのです。
すると46龍、同玉に13角と、右から角が打てます。
36玉には25馬で気持ちよく詰みます。
35歩合なら、47歩、同玉、25馬です。そこで36歩と打歩詰に誘おうとしても、46角成から48飛があります。
24歩合にも47歩が利きます。取っても36玉とかわしても25馬で決まります。
どうやっても詰みそうですが、24桂合という受けの好手がありました。

<図:24桂合>
斎藤24桂

歩合と同じように見えますが、47歩、同玉、25馬となったときに36桂跳の移動合があるのです。

<図:36桂>
斎藤36桂

これでなんと打歩詰の局面。しかも48にも利いているというアクロバットのような受けでした。
ここから46角成、48飛と大駒を連続して捨て、47歩となって見事な収束。
24の桂が36、48と二段活用されるところも味が良いですね。


作意:44龍、45桂合、48歩、46玉、55龍、36玉、56龍、46角成、25銀、同と
   46龍、同玉、13角、24桂合、47歩、同玉、25馬、36桂、46角成、同玉
   48飛、同桂成、47歩、同成桂、35馬まで25手詰


最後の作品はちょっと珍しい移動合です。(回収手筋)
原亜津夫作(詰パラ1998年5月、看寿賞)
原亜津夫199805

初手はとにかく32角と打つしかありません。
15玉なら23歩成、26玉、46龍、36合、44角成と金を取る手があります。
以下、15玉と逃げても、33馬、26玉に27金まで。36合の種類に関係なく詰みます。
44金を取らさないという意味で、23歩成に26玉とせず、24に捨合をする手はあります。
それには同角成、26玉に36龍と捨てる手が好手で、同玉、46馬、26玉に、取った合駒を27(桂なら38)から打って詰みます。
それではもう少しひねって32角に23合と捨合するのはどうでしょうか?
23歩合だと、同角成、同飛、15歩、同玉、23歩成と出来ます。また23同角成に15玉も14馬と捨てて15歩と打てば同様の局面となり、いずれも44角成の筋があって詰みます。
23桂合が少し手強い変化ですが、同角成、同飛に26桂として、同香に15龍と捨てる好手があり、23歩成から飛車を取って詰みます。
玉方は手段に窮したかに見えますが、なんと23飛と只捨てする移動合の妙手がありました。

<図:23飛>
原亜津夫_23飛

これは取る一手です。
23歩や23桂でも詰むのに、さらに強力な飛をもらいました。
簡単に詰みそうですが、意外に使い道がありません。
23同角成、15玉、14馬、同玉までは先ほどの変化と同じ。
今度はもらった飛車を15飛と打って、同玉、23歩成となります。
歩合のときと変わらない流れですが、26玉に46龍と引いたとき、36飛合の受けがありました。

<図:36飛合>
原亜津夫_36飛

23歩合なら15に打てるのは歩、玉方にも歩しか渡りません。
しかし23飛合とされれば、15には飛を打つしかなく、玉方は飛車を手にすることが出来るのです。
36飛合とすれば、44角成、15玉と進んだとき、33馬を同飛ととることが出来ます。
以下は龍も切って見事な収束。

玉方は、23飛という移動捨合の妙手により21飛を攻め方に渡し、15飛と捨てさせて持駒にし、それを36に合するという、マジックのような構想作でした。

本作の手筋については『この詰将棋がすごい!2010年度版』の135Pで次のように紹介されています。
「移動合の中に『回収のための移動合』とでもいうべき珍手筋がある。(中略)。つまり『移動合を取って、いったん持駒となった駒が、ふたたび受方に渡ることによって、今度は合駒として打つことが可能になる』という手筋のことである」
不思議な手筋があったものです。

作意:32角、23飛、同角成、15玉、14馬、同玉、15飛、同玉、23歩成、26玉
46龍、36飛合、44角成、15玉、33馬、同飛、16龍、同玉、17金、15玉、16香まで21手詰


課題作「合のつく手筋、3通り以上」投稿をお待ちしています。
造語も可としていますので、手順の妙味はもちろんですが、ユニークなネーミングの手筋が登場することも期待しています。

***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年10月16日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
(55Pの会合案内では『多目的ルーム』となっていますが、連盟の行事の関係で和室に変更になりました)
[課題] 「合のつく手筋、3通り以上」(移動合・打診合など。造語も可。)(29手以内)
作品の投稿先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
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以上
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