謹賀新年! 詰パラ1月号到着
<謹賀新年! 詰パラ1月号到着>
あけましておめでとうございます。
コロナに翻弄された2020年。
今年は少しでも落ち着いて過ごせるようになればと思います。
解答選手権に全国大会、各地の会合への参加など、のびのびと詰将棋を楽しめる日々がやってくることを心より祈念しています。
さて本年も創棋会のブログ「創棋会通信+α」をご愛読くださいますようお願いします。
また創棋会の活動へのご支援も、これまで同様よろしくお願いします。

■年賀詰
お正月ということで則内誠一郎さんから届いた年賀詰を紹介させていただきます。
令和3年ということで、初形は「R」です。
ぜひ解いてお楽しみください。
則内誠一郎作 令和3年 年賀詰

■詰パラ1月号が到着
年末28日に詰パラが到着!
前年と同じように年末年始、たっぷりと楽しめるようにとの編集部の配慮に感謝。
・表紙。斎藤仁士さん。約40年前の作品で表紙初登場、ちょっぴり恥ずかしいというくだりもイイお話ですね。
・ヤングデ詰将棋(6P~)。今年は解付きコーナーに年賀詰がありませんね(笑)
・詰将棋学校(12P~)。
小学校:大半の作品を返送とは思い切った決断。でも再投稿も歓迎というのが嬉しい。
中学校:こちらも強気に返送(笑)。そろそろ担当交代が視野に?
高校:短評の採用は担当の苦労の一つ。一人でも多く載せたいが、作品の内容も伝えたい…。
高2は思わず手が出そう。野村さんは入選300回ですね。
短大:日の丸図式は解いてみたくなりますね。
大学:この顔ぶれにこの初形、曲詰特集と期待します。
大院:軽めの選題だそうです。
・大道棋教室(16P~)。珍しい顔ぶれ。相馬作は楽しい手順が出てきそうな予感(笑)。
・段級位認定(18P~)。すごい顔ぶれ…。入選回数を合計すると1389回! 馬屋原さんは初参加ですね。
・詰備会作品展(20P~)。昨年は2回連続のオンライン例会。中国地方は詰キスト密度が濃くなっているのに残念ですね。
・馬屋原剛同人記念(21P~)。16年間コンスタントに発表とのこと。400人一局集によれば平成元年の生まれですから、人生のほぼ半分が創作活動ということですね。
・全詰連の頁(22P~)。昨年の振り返り。コロナの直撃を受けた1年。今年も解答選手権や全国大会の開催は何とも言えない状況ですね。参加者の健康や安全が判断基準。
・詰将棋の眺め方(23P~)。連載1年の節目に座談会。あまりにもレベルの高い対話に驚きます。話題にあがったテーマや作家、是非取り上げてほしいものです。
2年で止めるという話もありましたが、誰かがバトンを受け取って続けてほしいものです。創る・解くだけでなく読む・鑑賞するというページもぜひ必要。
・添田宗太夫覚え書き(31P~)。金子義隆さんの論考。
・持駒のある風景(34P~)。駒マークは懐かしい。☖も☗もWordで「こま」と入力して変換すれば出てくるのですが使ったことがありません。新聞の将棋欄や将棋世界の棋譜表記にはこのマークがあり、違和感を覚えることはないのですが、マニア向けの詰棋書ではみかけない表記ですね。
・おもちゃ箱だより(36P~)。年賀詰に関する記事。おもちゃ箱の年賀詰展示室、12年前の年賀詰、新春記録作特集、等々。
・ちえのわ雑文集(38P~)。谷川幸永さんの「還元型無駄合太平記」。良くお調べになったものですね。2Pに収めるのは大変だったと思います。
「還元型無駄合」、個人的には、いくつかの作品については現時点ではグレーもしくは大きな違和感を覚えるところです。馬ノコの手数伸ばしの合駒は取れば早く詰むという作品が存在することが大きな拠り所です。
田島作が看寿賞を受賞したので議論が動く可能性もありますが、規約にからむ話は白黒がつかないことが多く、なまくらですが「社会通念」のようなものが変わるには時間がかかると考えます。
余談ですが(2)の大橋作には、森田拓也作17手(玉方:11桂、13歩、21銀、24玉、25桂。攻方:23歩、42飛、43銀。持駒:角・歩。1971年8月)があり、きしはじめ作23手(2000年8月、現代詰将棋中編名作選171番)がその筋の決定版でしょうか。
・中将棋全国大会(46P)。コロナ対策が役に立つかもしれませんね。
・サロン(48P)。珍しく類作指摘。初手とその変化に味あるも、15手中13手が同一手順はちときびしい…。
・会合案合(50P~)。11月は二ヶ所で会合開催。1月は先月も告知があり、四国や九州も含めて、詰工房・たま研・香龍会と5ヶ所開催ですね。創棋会は残念ですが、今年は1月の例会と新年会の開催を自粛。
・結果稿(51P)。
中学19は手筋物ながら2.8超。高校では19の限定移動、20の連続歩生が好印象。短は19の遠打が鮮やか。
大学は11と12が誤無解も少なく2.8超の高得点。院は美しい小駒煙と剥がし入りの馬鋸でいずれも高評価。
・編集室(100P)。ベテランの訃報。藤井国夫さんは詰将棋の本を持って旅立ったとのこと、泣かせる話ですね。
・デパート(表紙3)。今月から岸本裕真さんが担当。一級品しか並ばないデパート。毎月楽しみですね。今月も豪華な顔ぶれです。
■創棋会の次回課題は ネット作品展「教材に使える10手台」partⅤ
ネット作品展「教材に使える10手台」partⅤを2月に開催の予定。
今回のテーマは「寄せの主役は銀」です。
不成の活用や鮮やかな捌き、千鳥銀の美しい動き、華麗な銀の舞、あるいは銀の連打、置かれた銀が玉ににらみを利かす、等々、寄せに威力を発揮する銀の存在感を存分に表現した作品をお待ちしています。
ネット作品展は2月下旬に当ブログ「創棋会通信+α」で出題しますので、2月例会(2月23日開催予定)で選考します。
なお手数は15手以内といたします。
投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
※投稿は2/21までにお願いします。
◇例題紹介
それでは恒例の例題紹介です。
今回は華麗な銀の舞を鑑賞しましょう。
近藤 郷作 詰パラ2005年1月
(「小さな絵」第77番、「現代詰将棋短編名作選」第290番)

狭い玉ですが持駒もなく、一見して詰み形が浮かびません。
45桂と跳ねたくなりますが、63玉で後続がなさそうです。
まず64銀とやってみましょう。54玉なら55銀上までですから、44玉と逃げます。
34から逃がすわけにはいきませんから、55銀引と両王手。
53玉と引く一手に、54銀と進め、44玉には65銀と開き王手。
<1図 7手目:65銀>

初形から75の銀が65に移動しました。
銀は横に動けませんが、75→64→55→54→65と軽いフットワークで位置を変えることに成功。
53玉とかわしますが、そこで待望の45桂。
63玉には53桂成と捨て、同玉にもう一度54銀とします。
44玉と逃げたとき、63歩を消去した効果で63銀不成と開き王手が出来ました。
53玉に54銀成までの詰。
<2図 15手目:63銀不成>

63歩が邪魔駒というのは初形からはちょっと気のつかないところです。
銀の開き王手を何度か繰り返しているうちに、何となく63銀とできれば詰むことが分かってきます。
ただ桂跳ねのタイミングは銀が65にいるときに限られます。
55銀では74飛に紐がつかず、75銀だと64銀のとき54玉と立たれます。
57桂が活きている間に75の銀を65に移動させ、それから桂跳ね・桂捨てで63歩を消去というのが正しい手順でした。
難しいところはありませんが、銀の動きが印象に残る楽しい作品でした 。
【詰手順】64銀、44玉、55銀引、53玉、54銀、44玉、65銀(1図)、53玉、45桂、
63玉、53桂成、同玉、54銀、44玉、63銀不成(2図)、53玉、54銀成まで17手詰
波崎黒生作 おもちゃ箱2015年7月
(「一番星」第89番、「現代詰将棋短編名作選」第395番)

前作を解かれた方は本作の初形を見て33歩にピンとくるものがあったのではないでしょうか。
龍を動かす手が見えますが、54龍や44龍は52玉で詰みません。龍は玉が52に来た時に72龍と入って詰ますためににらみを利かしておく必要があります。
65銀を捌きたいのですが、34玉から右方向に逃げるのが止められそうにありません。
ということで、まず44銀と進めます。
34玉とされると脱出が気になりますが、35銀引で大丈夫。25玉なら24龍があります。
33玉と引くのは44龍までですから、43玉とかわします。
これで上部脱出の心配がなくなったので、54銀と活用。
二段目に逃げるのは72龍の筋がありますから、33玉とします。
そこで43銀成と捨てるのが軽手。
<3図 7手目:43銀成>

同玉と取らせて33歩が消えました。
33歩消去でどのような効果が現われるでしょうか?
44歩と突くのは、もう一度33玉と寄られてダメです。
銀を35から44に活用します。
34玉の一手に、33銀不成と出来るのが33歩消去の効果です。
<4図 11手目:33銀不成>

33銀成と両王手すると25玉で詰まないのですが、不成とすれば25玉には24龍があります。
33銀不成は柔らかい好感触の一手です。
同玉は44龍の一発なので43玉と凌ぎます。
ここで龍を使うのは52玉で捕まらないので、一転して、44銀成と銀を成り、42玉に33成銀と捨てるのが好手順。
同玉に44龍までの詰。
さりげなく置かれた33歩を銀の活用で消去。
銀を千鳥に使いながら33銀不成の好手を織り込み、後半は銀成から成銀の押し売りと、銀の動きを存分に楽しめる一局です。
【詰手順】44銀、34玉、35銀引、43玉、54銀、33玉、43銀成(3図)、同玉、44銀、
34玉、33銀不成(4図)、43玉、44銀成、42玉、33成銀、同玉、44龍まで17手詰
■創棋会の今後の予定
★感染者の発生が続いており、状況次第で例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控える(部屋入口は開放するので隣室への配慮もあります)など、当日の運営にご理解をお願いします。
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2021年2月23日(火/祝日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台 partⅤ」を2月に開催予定。
テーマは『寄せの主役は銀』です。
[会費] 無料
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2021年4月18日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
<最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[会費] 無料
[課題] 詰パラ6月号作品展。課題は追ってご案内させていただきます。
******************************************************
※例年1月に「例会」と「新年会」を開催していますが、昨今の新型コロナ肺炎情勢を勘案して、2021年度は開催を見送らせていただきます。
年に一度の催しを楽しみにされていた方には大変申し訳ございませんが、事情了解いただければ幸いです。
******************************************************
・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで
⇒ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
以
あけましておめでとうございます。
コロナに翻弄された2020年。
今年は少しでも落ち着いて過ごせるようになればと思います。
解答選手権に全国大会、各地の会合への参加など、のびのびと詰将棋を楽しめる日々がやってくることを心より祈念しています。
さて本年も創棋会のブログ「創棋会通信+α」をご愛読くださいますようお願いします。
また創棋会の活動へのご支援も、これまで同様よろしくお願いします。

■年賀詰
お正月ということで則内誠一郎さんから届いた年賀詰を紹介させていただきます。
令和3年ということで、初形は「R」です。
ぜひ解いてお楽しみください。
則内誠一郎作 令和3年 年賀詰

■詰パラ1月号が到着
年末28日に詰パラが到着!
前年と同じように年末年始、たっぷりと楽しめるようにとの編集部の配慮に感謝。
・表紙。斎藤仁士さん。約40年前の作品で表紙初登場、ちょっぴり恥ずかしいというくだりもイイお話ですね。
・ヤングデ詰将棋(6P~)。今年は解付きコーナーに年賀詰がありませんね(笑)
・詰将棋学校(12P~)。
小学校:大半の作品を返送とは思い切った決断。でも再投稿も歓迎というのが嬉しい。
中学校:こちらも強気に返送(笑)。そろそろ担当交代が視野に?
高校:短評の採用は担当の苦労の一つ。一人でも多く載せたいが、作品の内容も伝えたい…。
高2は思わず手が出そう。野村さんは入選300回ですね。
短大:日の丸図式は解いてみたくなりますね。
大学:この顔ぶれにこの初形、曲詰特集と期待します。
大院:軽めの選題だそうです。
・大道棋教室(16P~)。珍しい顔ぶれ。相馬作は楽しい手順が出てきそうな予感(笑)。
・段級位認定(18P~)。すごい顔ぶれ…。入選回数を合計すると1389回! 馬屋原さんは初参加ですね。
・詰備会作品展(20P~)。昨年は2回連続のオンライン例会。中国地方は詰キスト密度が濃くなっているのに残念ですね。
・馬屋原剛同人記念(21P~)。16年間コンスタントに発表とのこと。400人一局集によれば平成元年の生まれですから、人生のほぼ半分が創作活動ということですね。
・全詰連の頁(22P~)。昨年の振り返り。コロナの直撃を受けた1年。今年も解答選手権や全国大会の開催は何とも言えない状況ですね。参加者の健康や安全が判断基準。
・詰将棋の眺め方(23P~)。連載1年の節目に座談会。あまりにもレベルの高い対話に驚きます。話題にあがったテーマや作家、是非取り上げてほしいものです。
2年で止めるという話もありましたが、誰かがバトンを受け取って続けてほしいものです。創る・解くだけでなく読む・鑑賞するというページもぜひ必要。
・添田宗太夫覚え書き(31P~)。金子義隆さんの論考。
・持駒のある風景(34P~)。駒マークは懐かしい。☖も☗もWordで「こま」と入力して変換すれば出てくるのですが使ったことがありません。新聞の将棋欄や将棋世界の棋譜表記にはこのマークがあり、違和感を覚えることはないのですが、マニア向けの詰棋書ではみかけない表記ですね。
・おもちゃ箱だより(36P~)。年賀詰に関する記事。おもちゃ箱の年賀詰展示室、12年前の年賀詰、新春記録作特集、等々。
・ちえのわ雑文集(38P~)。谷川幸永さんの「還元型無駄合太平記」。良くお調べになったものですね。2Pに収めるのは大変だったと思います。
「還元型無駄合」、個人的には、いくつかの作品については現時点ではグレーもしくは大きな違和感を覚えるところです。馬ノコの手数伸ばしの合駒は取れば早く詰むという作品が存在することが大きな拠り所です。
田島作が看寿賞を受賞したので議論が動く可能性もありますが、規約にからむ話は白黒がつかないことが多く、なまくらですが「社会通念」のようなものが変わるには時間がかかると考えます。
余談ですが(2)の大橋作には、森田拓也作17手(玉方:11桂、13歩、21銀、24玉、25桂。攻方:23歩、42飛、43銀。持駒:角・歩。1971年8月)があり、きしはじめ作23手(2000年8月、現代詰将棋中編名作選171番)がその筋の決定版でしょうか。
・中将棋全国大会(46P)。コロナ対策が役に立つかもしれませんね。
・サロン(48P)。珍しく類作指摘。初手とその変化に味あるも、15手中13手が同一手順はちときびしい…。
・会合案合(50P~)。11月は二ヶ所で会合開催。1月は先月も告知があり、四国や九州も含めて、詰工房・たま研・香龍会と5ヶ所開催ですね。創棋会は残念ですが、今年は1月の例会と新年会の開催を自粛。
・結果稿(51P)。
中学19は手筋物ながら2.8超。高校では19の限定移動、20の連続歩生が好印象。短は19の遠打が鮮やか。
大学は11と12が誤無解も少なく2.8超の高得点。院は美しい小駒煙と剥がし入りの馬鋸でいずれも高評価。
・編集室(100P)。ベテランの訃報。藤井国夫さんは詰将棋の本を持って旅立ったとのこと、泣かせる話ですね。
・デパート(表紙3)。今月から岸本裕真さんが担当。一級品しか並ばないデパート。毎月楽しみですね。今月も豪華な顔ぶれです。
■創棋会の次回課題は ネット作品展「教材に使える10手台」partⅤ
ネット作品展「教材に使える10手台」partⅤを2月に開催の予定。
今回のテーマは「寄せの主役は銀」です。
不成の活用や鮮やかな捌き、千鳥銀の美しい動き、華麗な銀の舞、あるいは銀の連打、置かれた銀が玉ににらみを利かす、等々、寄せに威力を発揮する銀の存在感を存分に表現した作品をお待ちしています。
ネット作品展は2月下旬に当ブログ「創棋会通信+α」で出題しますので、2月例会(2月23日開催予定)で選考します。
なお手数は15手以内といたします。
投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
※投稿は2/21までにお願いします。
◇例題紹介
それでは恒例の例題紹介です。
今回は華麗な銀の舞を鑑賞しましょう。
近藤 郷作 詰パラ2005年1月
(「小さな絵」第77番、「現代詰将棋短編名作選」第290番)

狭い玉ですが持駒もなく、一見して詰み形が浮かびません。
45桂と跳ねたくなりますが、63玉で後続がなさそうです。
まず64銀とやってみましょう。54玉なら55銀上までですから、44玉と逃げます。
34から逃がすわけにはいきませんから、55銀引と両王手。
53玉と引く一手に、54銀と進め、44玉には65銀と開き王手。
<1図 7手目:65銀>

初形から75の銀が65に移動しました。
銀は横に動けませんが、75→64→55→54→65と軽いフットワークで位置を変えることに成功。
53玉とかわしますが、そこで待望の45桂。
63玉には53桂成と捨て、同玉にもう一度54銀とします。
44玉と逃げたとき、63歩を消去した効果で63銀不成と開き王手が出来ました。
53玉に54銀成までの詰。
<2図 15手目:63銀不成>

63歩が邪魔駒というのは初形からはちょっと気のつかないところです。
銀の開き王手を何度か繰り返しているうちに、何となく63銀とできれば詰むことが分かってきます。
ただ桂跳ねのタイミングは銀が65にいるときに限られます。
55銀では74飛に紐がつかず、75銀だと64銀のとき54玉と立たれます。
57桂が活きている間に75の銀を65に移動させ、それから桂跳ね・桂捨てで63歩を消去というのが正しい手順でした。
難しいところはありませんが、銀の動きが印象に残る楽しい作品でした 。
【詰手順】64銀、44玉、55銀引、53玉、54銀、44玉、65銀(1図)、53玉、45桂、
63玉、53桂成、同玉、54銀、44玉、63銀不成(2図)、53玉、54銀成まで17手詰
波崎黒生作 おもちゃ箱2015年7月
(「一番星」第89番、「現代詰将棋短編名作選」第395番)

前作を解かれた方は本作の初形を見て33歩にピンとくるものがあったのではないでしょうか。
龍を動かす手が見えますが、54龍や44龍は52玉で詰みません。龍は玉が52に来た時に72龍と入って詰ますためににらみを利かしておく必要があります。
65銀を捌きたいのですが、34玉から右方向に逃げるのが止められそうにありません。
ということで、まず44銀と進めます。
34玉とされると脱出が気になりますが、35銀引で大丈夫。25玉なら24龍があります。
33玉と引くのは44龍までですから、43玉とかわします。
これで上部脱出の心配がなくなったので、54銀と活用。
二段目に逃げるのは72龍の筋がありますから、33玉とします。
そこで43銀成と捨てるのが軽手。
<3図 7手目:43銀成>

同玉と取らせて33歩が消えました。
33歩消去でどのような効果が現われるでしょうか?
44歩と突くのは、もう一度33玉と寄られてダメです。
銀を35から44に活用します。
34玉の一手に、33銀不成と出来るのが33歩消去の効果です。
<4図 11手目:33銀不成>

33銀成と両王手すると25玉で詰まないのですが、不成とすれば25玉には24龍があります。
33銀不成は柔らかい好感触の一手です。
同玉は44龍の一発なので43玉と凌ぎます。
ここで龍を使うのは52玉で捕まらないので、一転して、44銀成と銀を成り、42玉に33成銀と捨てるのが好手順。
同玉に44龍までの詰。
さりげなく置かれた33歩を銀の活用で消去。
銀を千鳥に使いながら33銀不成の好手を織り込み、後半は銀成から成銀の押し売りと、銀の動きを存分に楽しめる一局です。
【詰手順】44銀、34玉、35銀引、43玉、54銀、33玉、43銀成(3図)、同玉、44銀、
34玉、33銀不成(4図)、43玉、44銀成、42玉、33成銀、同玉、44龍まで17手詰
■創棋会の今後の予定
★感染者の発生が続いており、状況次第で例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控える(部屋入口は開放するので隣室への配慮もあります)など、当日の運営にご理解をお願いします。
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2021年2月23日(火/祝日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台 partⅤ」を2月に開催予定。
テーマは『寄せの主役は銀』です。
[会費] 無料
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2021年4月18日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
<最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[会費] 無料
[課題] 詰パラ6月号作品展。課題は追ってご案内させていただきます。
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※例年1月に「例会」と「新年会」を開催していますが、昨今の新型コロナ肺炎情勢を勘案して、2021年度は開催を見送らせていただきます。
年に一度の催しを楽しみにされていた方には大変申し訳ございませんが、事情了解いただければ幸いです。
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