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コロナと詰将棋の会合

<コロナと詰将棋の会合>

 新型コロナの新規発生数に一喜一憂しても始まらないと思いつつ、「過去最高」などと言われると気になるものです。東京だけが突出した数値だったのが、いまや大阪も変わらぬ状況。
 今年の春先は猛烈な緊張感のなかで、さまざまな対応を余儀なくされたものです。解答選手権の中止もその一つ。4~5月の各地の会合は軒並み中止。その背景には会場となる公共施設の閉鎖などもありました。創棋会もオンライン開催となりました。
 その後緊急事態宣言の解除後、各地の会合は、感染対策を行うことを前提に、予約制の導入や、広めの部屋を確保するなどして開催。6月は2ヶ所、7月は4ヶ所、8月は6ヶ所と盛況でした。世間は雪解けのような雰囲気の中で7月からGo Toキャンペーンもスタート。しかしさまざまな緩和モードと並行して7月末から再び発生数が増加し、とうとう全国大会も中止となりました。
 9月後半には流行が落ち着いてきましたが、10月末あたりからまたもや増加モードに転じ現在に至っています。
 詰将棋の会合というのは、参加者はせいぜい数名から10数名。大声で歓声をあげるようなこともありません。指将棋のように長時間・近距離で対面するということもありません。自宅から会合場所までの移動にリスクがあるかもしれませんが、会場は至って安全です。発熱や体調不良などがあれば参加は自粛、参加される場合はマスク着用や手指の消毒を徹底し、会場内ではソーシャルでスタンスを意識することなどで、かなり安心して楽しめるのではないかと考えます。
 残念なのは懇親会。私は、どちらかというと会合後の懇親会が楽しみで会合参加しているので、懇親会が開催されないのは寂しいです。気の合った方と3~4人で短時間ならいいのかもしれませんが、人数が増えると好ましくありません。「会食」が感染の大きなリスク源の一つといわれていますので、いましばらく辛抱するしかないですね。
 「詰将棋の会合でクラスターが発生した」というような事態にならないように、自分たちに出来る感染防止対策を講じながら、会合を楽しんでいければと思います。

■朝日
 夕焼けの写真ではありません(笑)。特別早起きしなくても日の出が見られるようになりました。

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■創棋会の次回課題は 「オマージュ」
 創棋会の次回課題は「オマージュ」です。
 「オマージュ」は、ウィキペディア(Wikipedia)では、『芸術や文学において、尊敬する作家や作品に影響を受けて、似たような作品を創作する事を指す用語である。しばしば「リスペクト」(尊敬、敬意)と同義に用いられる。』と説明されています。
 詰将棋の世界でも、先人の作品に刺激を受け、その構想やテーマなどをモチーフにして創作に取り組むことは結構あるのではないかと思います。
 古典から想を得た、看寿賞受賞作からインスピレーションが生まれた、作品集を鑑賞していたらある作品のテーマに挑戦したくなった、等々、皆さんの思いのこもった作品をお待ちします。
 3月号作品展に出題しますので、12月例会(12月20日開催予定)で選考します。
 手数は29手以内。
 投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
  ※投稿締切は例会前日12/19とさせていただきます。

◇例題紹介
 前回は柏川さんの作品を取り上げましたが、今回は柏川さんの作品に想を得たという作品を紹介させていただきます。
 三連休なので、紹介作品をいつもより増やしました(笑)

北川邦男作 近代将棋1968年6月(塚田賞、『渓流』第70番)
北川渓流70

 入玉ですが駒数も少なく好形です。
 37桂と跳ねればすぐに詰みそうですが、18玉と引かれると、24香が利いているので26龍が動けないので打歩詰。
 18玉に38飛とすれば28歩と捨合され、19歩、29玉、28飛、19玉、29飛、17玉とされると詰みません。
 困ったようですがいい手がありました。
 37馬と捨てるのです。
 これは同馬の一手。
 そこで37桂と馬を取って開き王手。
 これは決まったと思います。
 18玉なら27角で詰みです。
 持駒に歩が余るのでおかしいと思ったら、玉方には絶妙の受けがありました。
 37桂と馬を取ったところで29角合の捨合が受けの妙手。

<失敗図 29角合>
北川渓流70失敗図

 同龍なら同香成、28角、18玉、19歩、27玉と逃げられます。
 同飛なら18玉で打歩詰。
 27角と打っても29玉と飛車を取られてしまいますし、45角と合駒請求するのも36に頭の丸い桂を合されて詰みません。
 37馬は好手なのですが、うまくいきませんでした。
 詰みに持って行くには少し飛躍した発想が必要なのです。
 まず28銀と活用し、18玉に19銀と捨てます。
 同玉と取らせて原形で17銀を消去。
 しかし17龍は同香成とされますし、17桂も18玉で打歩詰。
 17銀を消した意味は何でしょうか?
 まず37馬と捨てます。これは同馬の一手。
 同桂は29角合で詰みません。先ほど学習したばかりです。
 しかし17銀を消した効果が現われます。
 17桂と跳ねるのです。

<1図 7手目:17桂>
北川渓流70_17桂

 取れる馬を取らずに17桂と跳ねるのが素晴らしい一手。
 この手を指すために17銀を消したのです。
 これは18玉と逃げるしかないのですが、今度は37馬と捨てた効果で19歩が打てます。
 同馬と応じるしかなく、同飛、同玉に73角と打てば、18玉に28角成までの詰み。

 17桂のソッポ行きが強烈な印象を残す一局ですが、17銀の邪魔駒消去や37馬の好手もあり、また紛れにも29角合や28歩合といった受けの妙手が配されて、厚みの感じられる一局です。

 なお本作は以前にも当ブログで紹介しています。下記URLからご覧いただけます。
   http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-75.html

 北川さんは構想派の短編作家として塚田賞を4回受賞するなど活躍され、『古今短編詰将棋名作選』には作家としては最多の5作が収録されています。
 ノミネートされた作品数は23作に上ったことからも、その活躍ぶりがうかがわれます。
 北川さんは1981年に40歳の若さで急逝され、没後に遺作集としてまとめられたのが『渓流』です。

【詰手順】28銀、18玉、19銀、同玉、37馬、同馬、17桂(1図)、18玉、
  19歩、同馬、同飛、同玉、73角、18玉、28角成まで15手詰

さて本作、『渓流』によれば北川さんは柏川さんの作品にヒントを得て作図されたとのこと。
その作品を次に紹介させていただきます。

柏川悦夫作 詰棋界1953年1月(『詰将棋半世紀』「駒と人生」第39番)
柏川人生39

 94から逃げられると困るので初手は85飛が絶対。
 96玉で打歩詰です。
 87銀としても、97玉、85歩、75角、86銀、同角、73香成と手は続きますが、77歩合と受けられて詰みません。
 96玉には筋良く97銀と捨てます。
 これは同玉と取る一手。

<2図 4手目:97同玉>
柏川人生39_97玉

 76香としたいところですが、黙って96玉と引かれると打歩詰。
 ここはスマートに95飛と捨てます。
 同香に85歩と開き王手するのが好手順。
 同角と取るしかありません。
 これを同香と取ってしまうと96玉と引かれて打歩詰。
 75同角には好手がありました。
 76香と一マス上がるのです。

<3図 9手目:76香>
柏川人生39_76香

 取れる駒を取らずに短く使うのが絶妙の味の良さです。
 96玉と引けば、今度は97歩が打てます。
 97で清算して53角と打てば86角成までの詰み。

 湯村さんの打歩詰手筋の分類では「(取れる駒を取らず)取歩駒を残して打歩詰を打開する」手筋の1号局です。
 北川さんもこの手筋に刺激を受けたわけですね。

【作意】85飛、96玉、97銀、同玉(2図)、95飛、同香、85歩、75角、76香(3図)
  96玉、97歩、同角成、同飛、同玉、53角、96玉、86角成まで17手詰


北川邦男作 詰パラ1960年12月(『渓流』第21番、『古今短編詰将棋名作選』第79番)
北川渓流21

 もう少し北川さんの作品を紹介させていただきます。
 35玉から26玉の脱出がちょっと気になるので、35歩、同玉、25飛と決めてしまいたくなりますが、それは34玉で打歩詰です。
 まず54飛成と合駒を訊きます。
 香は品切れ。角桂なら45龍まで。
 44金は35歩、同玉として44龍と取るのが巧い手で、同歩に25金まで。
 最善の受けは44銀合です。

<4図 2手目:44銀合>
北川渓流21_44銀

 ここで35歩、同玉と取らせて44龍と切るのは、同歩、25飛、34玉となって43からの脱出が防げません。
 また35歩、同玉、25飛とするのは、34玉で打歩詰です。
 正解は、35歩、同玉に、65龍とソッポに捨てるのが豪快な一手。

<4図 5手目:65龍>
北川渓流21_65龍

 65龍に26玉なら、27飛から25龍で詰み。
 また45合と受けるのは、25飛、34玉に35歩が打てますから、同銀に45龍まで。
 65龍を同銀と取らせれば、今度は54龍が消えたので、25飛から35歩が打てるという仕組みです。
 35同銀には23飛成と捨てて25銀まで。飛車を捨てての仕上げも鮮やか。

 本作は北川さんが森田手筋1号局にヒントを得て作図されたとのことですが、主眼はソッポに捨てる65龍です。本作以外にも複数の龍のソッポ捨ての好作を発表されています。
 森田手筋の表現ということについては『春霞』でも本作が紹介され、1号局は打歩詰の局面になってからピン駒を消去するのに対して、本局は事前に54龍を捨てることで将来のピン発生を予防するという点が異なるとのことで、新しさがあります。

 本作も過去に当ブログで紹介しています。下記URLからご覧いただけます。
    http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-46.html

【作意】54飛成、44銀合(4図)、35歩、同玉、65龍(5図)、同銀、25飛、34玉、
  35歩、同銀、23飛成、同金、25銀まで13手詰


北川邦男作 近代将棋1966年7月(塚田賞、『渓流』第57番、『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』第109番)
北川渓流57

 もう一作北川さんの構想作を紹介させていただきます。
 22飛と捨てて、同玉に24飛と打つ筋が見えています。
 11玉に12歩と打てば同玉に23馬から22馬の詰み。
 それでは簡単過ぎますね。
 実は24飛には23歩合という受けの妙手がありました。

<失敗図 23歩合>
北川渓流57_失敗図

 23歩合を同馬と取れば31玉と逃げられてダメです。
 同飛成と取ると、11玉と引かれて、これが打歩詰。
 同飛不成とやっても、11玉で、やはり続きません。
 ここで失敗図の24の飛車が香ならば、23にいるのが成香ですから、12歩は打歩詰にならないので詰むということに気がつくかどうか。

 そこで初手は52飛と打って合駒請求。
 42香合なら、同飛成、同角と香を入手し、22飛、同玉に24香と打てば、23歩合と受けられても、同香成、11玉、12歩、21玉、32馬まで。もちろん24香に11玉なら、12歩、同玉、23馬から詰みます。
 42桂合は同飛成、同角、24桂で簡単。金銀も容易に詰みます。
 どうやら22に合するしかないようです。
 香合は同飛成から24香で簡単。
 22桂合も同飛成、同玉、23飛、11玉、12歩、同玉、24桂、11玉、13飛成から詰みます。
 最善は22歩合です。
 これは同飛成とするしかありません。
 同玉となったところで24飛がダメなことは学習済み。
 そこでもう一度52飛と打って合駒請求したいのですが、すぐに52飛では42桂合と受けられます。同飛成、同角、23歩、21玉となると、持駒桂歩では詰みません。
 先ほどの変化では玉が12にいたので24桂と打てたのですが、22玉の形ではダメです。
 そこで23歩と打って応手を打診します。
 11玉と逃げれば31飛と打ちます。21歩合なら22歩成から32馬という手があるので、21銀合と頑張りますが、同飛成と切って、同玉に32銀と打てば、11玉、22歩成、同玉、31馬と進めて詰みます(32銀に代えて22歩成から23銀でも詰み)。
 よって23歩には12玉が最善の受け。
 そこで待望の52飛。
 今度は42桂には同飛成から24桂があります。
 また42香合なら同飛成、同角、22歩成、同玉、24香と打つことが出来ます。
 これで命運が尽きたようですが、玉方は奥の手を出してきます。
 52飛に42飛合とするのです。

<6図 8手目:42飛合>
北川渓流57_42飛

 42飛合は、香なら詰むが飛車なら詰まないという、玉方飛先飛香の妙手筋です。
 これには同飛成、同角とするしかありませんが、22歩成から24飛では詰まないので、32飛と打ちます。
 23玉と脱出を見せますが、42飛成と角を入手。
 34玉に23馬と捨てるのが鮮やかな決め手。
 44玉から脱出されそうですが33馬でピッタリ捕まっています。
 23馬には同玉と取るしかありません。
 そこで12角と打ち換えて、14玉、15歩、24玉、22龍までの詰み。

 飛先飛香を巡る攻防の綾の中に、52飛が繰り返される趣向的な味があり、楽しめる一局となっています。

【作意】52飛、22歩合、同飛成、同玉、23歩、12玉、52飛、42飛合(6図)、
  同飛成、同角、32飛、23玉、42飛成、34玉、23馬、同玉、
  12角、14玉、15歩、24玉、22龍まで21手詰


■創棋会の今後の予定
★感染者の発生が続いており、状況次第で例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控える(部屋入口は開放するので隣室への配慮もあります)など、当日の運営にご理解をお願いします。


***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2020年12月20日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
  〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
  アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
  <最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 詰パラ3月号作品展「オマージュ」。本文参照ください。

***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2021年2月23日(火/祝日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台 partⅤ」を2月に開催予定。
 テーマは近々案内させていただきます。
[会費]  無料

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※例年1月に「例会」と「新年会」を開催していますが、昨今の新型コロナ肺炎情勢を勘案して、2021年度は開催を見送らせていただきます。
 年に一度の催しを楽しみにされていた方には大変申し訳ございませんが、事情了解いただければ幸いです。
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⇒  blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
以上
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