FC2ブログ

「すらすら解ける20手台」partⅤ結果発表<最終回:総評>

「すらすら解ける20手台」partⅤ結果発表<最終回:総評>

■「すらすら解ける20手台」partⅤ結果発表<最終回:総評>
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅤ、結果発表も前回で終了。
 長い間お付き合いいただきありがとうございました。
 今日は総評を紹介させていただき、振り返りを行いたいと思います。

 「すらすら解ける20手台」も今年で5回目となります。
 節目の5回を記念して、詰パラ9月号と当ブログのネット作品展とのダブル開催を企画させていただきました。
 本誌では10作、ネット作品展には16作と、多数の作品が集まりました。
 投稿いただいた作家の皆様、ありがとうございました。
 本誌の結果については12月号の結果をお待ちいただくこととしますが、ネット作品展では、次の15名の方々から投稿いただきました(敬称略)。あらためて感謝申し上げます。
 なお下線の3名の方が初投稿です。
   青木裕一、有吉弘敏、馬屋原剛、梶谷和宏、片山智之、北村憲一、
   信行寺持光、則内誠一郎、中出慶一、西村章、野々村禎彦、福原徹彦、
   安田恒雄、吉松智明、RINTARO

 また解答は下記の方々から頂戴しました。過去最高となる20名でした。皆様ありがとうございました。
 なお下線の方には、今回初めて解答いただきました。引き続きよろしくお願いします。
   有吉弘敏、馬屋原剛、奥鳥羽生、梶谷和宏、片山智之、賀登屋、金少桂、
   則内誠一郎、占魚亭、竹中健一、中出慶一、西村章、野曽原直之、原田豪
   福原徹彦、松澤成俊、宮田敦史、RINTARO、安田恒雄、山下誠

 多くの作家、解答者の皆さまに企画を盛り上げていただき、感謝の念に堪えません。
 本当にありがとうございました。
  ★出題は以下のURLを参照下さい。
     http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-369.html

 作品展の主旨からは、成績を競うものではないのですが、出題16作の平均点は2.25でした。
 2016年の第一回からの推移を見ると、2.15→2.37→2.32→2.37→2.25となります。
 Cがゼロとして、AとBが同数なら2.5、全員がBなら2.0ですから、この数字はこの種の企画展ならかろうじて及第点かと思います。 ちなみに2.5を超えたのは4作品でした。
 また作品展の主旨に合ったものが好評という点で、C点ゼロの作品数に注目すると、2016年が4作、以降、10作、4作、9作ときて、今回はゼロでした。
 このような数値の推移と、皆さまからいただいた短評からは、今年は少しすらすら度が下がったと反省すべきところがあったようです。

 この作品展の企画を思い立ったのは、「創棋会でもネット作品展をやりたい」「やさしい中編作の発表の場を作りたい」というものでした。
 作家にも歓迎され、解答者にも楽しんでもらえる、そういう場を作りたかったのです。
 やさしいとは言っても20手台の作品がズラリと並ぶので、解答提出も「指定手」と「手数」お記入でOKとして負担を減らすようにしました。
 作品については、当初は投稿作を全部掲載していたのですが、ある年「難しい」という声が多かったことから、次の年から例会で選考するようにしました。
 それでも毎回のように「すらすら解けない」というお叱りを受けます(汗)。
 バラエティに富んだ投稿作品の数々を目の前にして、出来るだけ多くの作品を出題したかったわけですが、その背景には「やさしい中編の発表の場をつくりたい」ということで始めたことでもあり、折角の投稿は大事に扱いたいという気持ちがあったことも事実です。その点はご理解下さい。

 あらためて「すらすら解ける」というのは、どういうことなのか、少し考えてみました。
 まず解いてみようと思わせる要素を備えていること。
 パッと眺めて筋が見えるかどうか。
 紛れが多い、有力そうな手が見えない、どこから手をつけてよいかわからない、こういう作品は好ましくないですね。
 取ったらすぐに詰む捨駒で始まる、開き王手や両王手の形が浮かぶ、邪魔駒消去、打ち換え、打歩詰打開など、定番の手筋が現われそうな雰囲気がある、そういう作品がいいですね。
 何よりも解ければ爽快と感じることが重要なポイント。
 きれいな着地は解後感を良くします。捨て駒で締めくくるのが理想的。
 また手順はよく捌けるのがいいですね。駒が二段三段に活用される、清涼詰になればそれだけでも好印象。
 もちろん詰将棋ですから、謎解きの要素は必要です。一目で解ける、変化も紛れもなく一直線で解ける、それでは面白くありません。
 しかしいたずらに難解なもの、煩雑な変化を伴うような作品は困ります。
 構想の妙味を感じさせてくれる作品、解いてなるほどと思えるパズル性を備えた作品、中編を支える狙いを持った作品、そういうものが揃った作品展にしたいものです。

 以下、蛇足ですが、いくつか補足させていただきます。
 まず形については、「解いてみよう」という気にさせるには「形」が大事なことはいうまでもなく、いわゆる「好形」が望ましいのですが、これも「広がり」や「駒数」などの視点、また簡素図式が「すらすら」とは限らないということもあり、単純にはいきません。
 自陣成駒については、いくつかご意見がありましたが、表現の多様性ということになりそうです。ただ感覚的には「自然さ」を求める意見も多く、配置の必然性や機能のようなものが問われるところかと思います。
 手順については「駒取り」についても言及されました。単なる駒取りではなく、効率や捌きに通じるならば、それも良しというところでしょうか。「駒取り」そのものが「すらすら度」を下げることにはつながらないように感じます。
 変化がスッキリしない作品へのコメントもありました。これはスッキリしないことが分かった時点で選題を避けるべきでした。次回以降はキチンとチェックしたいと考えます。

 色々と書いていると、「すらすら」解ける作品のハードルがどんどんあがってしまいそうで困ってしまいますが(笑)、好意的なご意見もいただいていますので、引き続きご支援をいただきますようお願いいたします。
 それでは皆さんからいただいた総評を紹介させていただきます。

■総評
片山智之 今回のネット作品展も、楽しく鑑賞させて頂きました。
 作品発表の場が少ない中で、創棋会のネット作品展は、作家にとって大きな励みになっていることは、間違いのない事実です。
 また、詰パラとのコラボ企画も、節目の段階で開催して頂けたら、作家の一人として、嬉しく思います。
 ご苦労も多いとは思いますが、今後も、ネット作品展を続けて頂けましたら、幸いです。この度は、ありがとうございました。

★複数投稿ありがとうございました。
 作家の励みになっている、というのは主催者にとってもありがたいエールです。

西村章 今年も好作の目白押しで十分に楽しめました。
ネット作品展の方は本誌よりもたくさんの短評がいただけるのでこちらはこちらでお得です。

★全短評を掲載できるのはネット作品展ならではのこと。
 やはり解答者の生の声は作家にとって何よりの贈り物です。

山下誠 手数は20手台と比較的長い作品でしたが、いずれも概ねすらすら解けたように思います。バラエティ性があって楽しめました。

★すらすら解けたという感想に大きく安堵しました。

梶谷和宏 初めて参加させていただきましたが、好作揃いでとても楽しかったです。ありがとうございました。
 無理なお願いだと思いますが、20手台に限らず、『すらすら解ける』30手台~100手台もあるといいですね。どこにも出せない中長編の在庫がたくさんあるものですから(笑)。

★「30手台を」というご要望は以前にもありましたが、100手台となるといささか荷が重いですね(笑)

有吉弘敏 これまでのすらすら展とは、かなり難易度が違う気がするが、解図力が落ちたからかもしれない。明確な狙いがある作品を期待します。

★狙いを看破したら一気に解ける、そういう作品を揃えたいものです。
 引き続き好作の投稿をよろしくお願いいたします。

松澤成俊 創棋会のメンバーにすらすら解ける20手台はあわないことがよくわかりました(笑)

★投稿作家の半数が常連会員です。一同、新規まき直しです(笑)。

竹中健一 「すらすら解ける」って誰基準ですか?1分以内くらいでスラスラ解けたのは4問しかありません…。自分の解図力のなさにがっかりしました…。
 全16問解き終えて、所要時間は1時間30分くらいでした。
 すらすら解ける作品かどうかを判断基準にするとほとんどがC評価になってしまうけど、作品の感想は短評に書くのでご容赦を。
まぁ20手を超える中編を一気に解くことはあまりないので、すごくいい企画だと思いますし、運営の皆様や作者の皆様には感謝です!

★解答王がすらすら解けないようでは困るのですが、所要時間が1時間30分というのは相当な短時間だと思います。

奥鳥羽生 スラスラと 体感のみに A評価

★すらすら度で評価いただきありがとうございました。
 また全短評を五七五でまとめていただき感謝。

RINTARO どの作品もそうだが、逆算で加えたであろう序が難しい。
 私にとってはスラスラではなく、創棋会作品展でなければ、とても解く気にならなかったであろう。
 今回も参加できて光栄でした。

★作家にとって入れたいイントロが作品を難しくしてしまう。これもあるあるですね。

福原徹彦 作品展の開催ありがとうございました。
 今回は難しかったです。すらすらかどうかを評価基準にするとAがかなり少なくなってしまいました。

★次回はもう少し「すらすら度」をアップさせたいと思います。

馬屋原剛 すらすら解けない問題ばかりだった。
 出題数を半分位に絞って、本当にすらすら解ける問題だけ出題して欲しかった。

★本誌とネットと、双方への出品ありがとうございました。
 厳選したい気持ちと、折角の投稿作をという気持ちが交差して、このような選題となりました。

則内誠一郎 すらすら全然ちゃうやんけとは、ご尤も。

★そうやんけ。(にわかに河内弁が 笑)

宮田敦史 本誌の同企画もですが、すらすら解けない問題が多いです(特に本誌)。

★宮田さんがすらすら解けないというのは、どういうレベルを思い浮かべられていたのでしょうか。

金少桂 収束がすらすらでも、導入が難解すぎて筋を確信できず、すらすら解ける局面になかなかたどり着けないものが多かった印象。しかも収束が流れるという印象になる分評価も落ちる。
 逆に導入がすらすらなら収束は多少難しくても、難易度が実質一桁詰将棋を解くクラスに落ちるので結果としてすらすら解けるし、収束が決まると評価も上がる。以上の観点から、今回の一番のお気に入りは13番。

★的確な総評、まさにその通り。
 多少考えるところはあっても、詰み筋が浮かぶというのが望ましい作り。
 収束が決まるのも大切な要件ですね。


☆解答者への呈賞につきましては、次の2名の方に詰棋書を贈呈させていただきます。
   梶谷和宏さん、安田恒雄さん
楽しみにお待ちください。


■創棋会の次回課題は 「オマージュ」
 創棋会の次回課題は「オマージュ」です。
 「オマージュ」は、ウィキペディア(Wikipedia)では、『芸術や文学において、尊敬する作家や作品に影響を受けて、似たような作品を創作する事を指す用語である。しばしば「リスペクト」(尊敬、敬意)と同義に用いられる。』と説明されています。
 詰将棋の世界でも、先人の作品に刺激を受け、その構想やテーマなどをモチーフにして創作に取り組むことは結構あるのではないかと思います。
 古典から想を得た、看寿賞受賞作からインスピレーションが生まれた、作品集を鑑賞していたらある作品のテーマに挑戦したくなった、等々、皆さんの思いのこもった作品をお待ちします。
 3月号作品展に出題しますので、12月例会(12月20日開催予定)で選考します。
 手数は29手以内。
 投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)

■創棋会の今後の予定
★感染者の発生が続いており、状況次第で例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控える(部屋入口は開放するので隣室への配慮もあります)など、当日の運営にご理解をお願いします。


***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2020年12月20日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
 〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
 アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
 <最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 詰パラ3月号作品展「オマージュ」。本文参照ください。

***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2021年2月23日(火/祝日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台 partⅤ」を2月に開催予定。
  テーマは近々案内させていただきます。
[会費]  無料

****************************************************** 
※例年1月に「例会」と「新年会」を開催していますが、昨今の新型コロナ肺炎情勢を勘案して、2021年度は開催を見送らせていただきます。
 年に一度の催しを楽しみにされていた方には大変申し訳ございませんが、事情了解いただければ幸いです。
****************************************************** 

・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで 
⇒  blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
以上
スポンサーサイト



コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する