FC2ブログ

続々・創棋会の次回課題は「オマージュ」

<続々・創棋会の次回課題は「オマージュ」>

 秋が深まってもきれいに花を咲かせています。
 丁寧に育てられているのでしょうね。
1030→392

■創棋会の次回課題は 「オマージュ」
 創棋会の次回課題は「オマージュ」です。
 「オマージュ」は、ウィキペディア(Wikipedia)では、『芸術や文学において、尊敬する作家や作品に影響を受けて、似たような作品を創作する事を指す用語である。しばしば「リスペクト」(尊敬、敬意)と同義に用いられる。』と説明されています。
 詰将棋の世界でも、先人の作品に刺激を受け、その構想やテーマなどをモチーフにして創作に取り組むことは結構あるのではないかと思います。
 古典から想を得た、看寿賞受賞作からインスピレーションが生まれた、作品集を鑑賞していたらある作品のテーマに挑戦したくなった、等々、皆さんの思いのこもった作品をお待ちします。
 3月号作品展に出題しますので、12月例会(12月20日開催予定)で選考します。
 手数は29手以内。
 投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
  ※投稿締切は例会前日12/19とさせていただきます。

◇例題紹介
 今回は古典から想を得たと思われる作品を紹介させていただきます。

伊藤看寿作 宝暦5年(1755年) 『将棋図巧』第20番
図巧20

 まず影響を受けたと考えられる古典から紹介させていただきます。
 「図巧」20番です。
 今年になってから谷川さんが解説された「無双」と「図巧」が出版され、門脇さんが解説された「詰むや詰まざるや」(1975年刊)がコンパクト版で平凡社ライブラリーに収められる(若島さんの解説付きです!)など、俄かに古典も脚光を浴びています。

 遠く離れた89馬。玉が馬筋に入ったときに55桂と跳ねる手を狙いたい形です。
 23歩成、43玉、44銀と進めれば、34玉に55桂と跳ねることが出来ます。

<1図 5手目:55桂>
図巧20_55桂

 56・67・78に何かを合駒すると、35歩と打たれて、同馬、33銀成、同龍、同と、同玉、23成香、34玉、33飛までで簡単に詰みます。
 そこで玉方は受けの妙手を放ちます。
 78馬の移動合です。

<2図 6手目:78馬>
図巧20_78馬

 68馬がいるから35歩と打たれてしまう。
 それなら68馬を捨ててしまおう、そうすれば35歩が打歩詰になるというわけです。
 それにしても強力な馬をタダ捨てで移動合するというのは絶妙の受けです。
 これを同馬と取るのは56歩合とされ、24と、同玉、68馬としても57桂合と受けられて打歩詰が打開できません。
 そこで24と と捨て、同玉に79馬とするのが凄い返し技。

<2図 9手目:79馬>
図巧20_79馬

 79馬に34玉と戻れば35馬の一手詰なので、同馬と取るしかありません。(68歩合は同馬、同馬で作意通り進んで歩が余るので無効な合。)
 79同馬で馬が35に利いてきました。
 23成香、34玉となって35歩が打てました。
 同馬で脱出路が塞がったので、33銀成から収束です。
 同龍、同成香、同玉と清算し、43桂成、同桂で質駒を作ってから23飛と打つのが好手順。
 42玉に43香成と桂を取ります。
 ここで51玉と逃げると、52歩成、同金、同成香、同玉に64桂と打って本手順より2手長くかかるのですが、31玉と逃げる方が妙手があるので、こちらが本手順とされています。
 31玉には33飛成とし、21玉となったところで、31龍と捨てるのが素晴らしい一手。
 31玉と逃げた局面で23飛が邪魔駒になっているのですが、これを33飛成から31龍と捨てるのは実に豪快です。
 31龍は同玉と取るしかありませんが、原形で23飛を消したので23桂と打てます。
 21玉に11桂成から龍を奪って12飛と打てば詰み。
 打歩詰を巡る攻め方と受け方の二枚の馬の駆引きが素晴らしい一局。
 78馬と79馬は迫力満点の応酬でした。

 本作は小泉さんのブログでも紹介されおり、参考にさせていただきました。
  http://kazemidori.fool.jp/?p=9946

【詰手順】23歩成、43玉、44銀、34玉、55桂(1図)、78馬(2図)、24と、同玉、79馬(3図)、同馬、
  23成香、34玉、35歩、同馬、33銀成、同龍、同成香、同玉、43桂成、同桂、
  23飛、42玉、43香成、31玉、33飛成、21玉、31龍、同玉、23桂、21玉、
  11桂成、同玉、12飛、21玉、22飛成まで35手詰


柏川悦夫作 近代将棋1964年8月
 (看寿賞、塚田賞、『詰将棋半世紀』「盤上流転」第20番、『古今中編詰将棋名作選』Ⅱ第62番「)
柏川_古中Ⅱ62

 玉方の守りが強いのでほぐしていきます。
 まず32飛成と行きます。
 24玉なら36桂と捨て同飛と取らせてから22龍とし、23合に25銀と打てば簡単に詰みます。
 12玉には、21銀と打ち、13玉、14歩、24玉と手順に追います。
 ここでも先ほどの変化に出てきた36桂が好手筋。
 同飛と取らせて34龍と切ります。
 同玉なら45角から25歩で詰むので、同飛と取ります。
 25歩で23玉と押し戻して32角と打てば、同飛、同銀不成と飛車を奪うことが出来ます。
 34玉となったところで、23銀不成と捨てるのが軽妙な一手。
 同玉なら33飛と打ち込んで、同桂、同銀成、12玉、13歩成、同馬、24桂という筋で詰みますから、23銀不成は同歩の一手です。
 そこで32飛と打てば、33歩合は、同飛、同桂、35歩、同馬、33銀成ときれいに詰むので、33角合が最善。
 これも同飛と取って同桂に78角と打ちます。

<紛れ図 78角>
柏川_古中Ⅱ62_紛れ

 78角に45歩合なら、同角、同桂、35歩、同馬、33銀成まで詰みます。
 解答者の5割がこの手順を答えてこられたそうです。
 ところが78角には56馬! と捨てる鬼手がありました。

<失敗図 56馬>
柏川_古中Ⅱ62_失敗図

 同角と取るしかありませんが、そこで45歩合と受けられると、同角、同桂の局面が打歩詰となり、持駒角と歩ではどうにもなりません。
 この56馬と捨てる絶妙の受けは、先に紹介した図巧20番の78馬と捨てる手と同じ原理の打歩詰誘致手筋です。

 こうなる前にどこかで打開する手があったはずです。
 実はさりげないところに好手順が用意されていました。
 32飛成から、12玉、21銀、13玉、14歩、24玉と追って、36桂、同飛に34龍と切るあたりまでは他に手もありません。
 同飛に25歩と突き23玉と押し戻したところで、13歩成とするのが伏線手。

<4図 13手目:13歩成>
柏川_古中Ⅱ62_13歩成

 同馬と取られてしまうので、その時点では効果が分かりませんが、32角、同飛、同銀不成、34玉、23銀不成、同歩、32飛、33角、同飛成、同桂と進むと、その意味が分かります。
 先ほどの紛れ図で57にいた馬が13にいるわけです。
 ここで56角と打てば、失敗図のように馬を捨てる手が出来ないので、45歩合の一手となり、同角、同桂に35歩が打てて、同馬に33銀成までの詰みとなります。

 本局では図巧20番にでてくる78馬という玉方の妙手を逃れ筋に取り入れ、さりげない伏線を入れることで打歩詰誘致を予防するという構想を実現された一局で塚田賞と看寿賞のダブル受賞に輝きました。

【作意】32飛成、12玉、21銀、13玉、14歩、24玉、36桂、同飛、
  34龍、同飛、25歩、23玉、13歩成(4図)、同馬、32角、同飛、
  同銀不成、34玉、23銀不成、同歩、32飛、33角合、同飛成、同桂、
  56角、45歩合、同角、同桂、35歩、同馬、33銀成まで31手詰


■創棋会の今後の予定
★感染者の発生が続いており、状況次第で例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控える(部屋入口は開放するので隣室への配慮もあります)など、当日の運営にご理解をお願いします。


***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2020年12月20日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
 〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
 アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
 <最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 詰パラ3月号作品展「オマージュ」。本文参照ください。

***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2021年2月23日(火/祝日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台 partⅤ」を2月に開催予定。
 テーマは近々案内させていただきます。
[会費]  無料

****************************************************** 
※例年1月に「例会」と「新年会」を開催していますが、昨今の新型コロナ肺炎情勢を勘案して、2021年度は開催を見送らせていただきます。
 年に一度の催しを楽しみにされていた方には大変申し訳ございませんが、事情了解いただければ幸いです。
****************************************************** 

・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで 
⇒  blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
以上
スポンサーサイト



コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する