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続・創棋会の次回課題は「ピン」

<続・創棋会の次回課題は「ピン」>
 連日の猛暑もようやく落ち着いてきた今日この頃。とは言っても30度を超える暑さに変わりはないのですが(汗)。コロナも恐いが熱中症も要注意。
 ネット作品展「すらすら解ける20手台」partⅤは月末に一斉出題の予定です。
 詰パラ9月号とのコラボ開催となりますので、どうぞお楽しみにしてください。

■花
 夏と言えばひまわり。
 ひまわりといえば「盤上の向日葵」(柚月裕子、中央公論新社、2017刊)という推理小説は将棋がテーマでした。この作者のものでは「検事の本懐」などの佐方検事シリーズが面白かったです。

0815→365


■創棋会の次回課題は 「ピン」
 創棋会の次回課題は「ピン」です。
 「ピン」というのはチェス用語で、駒が動けないように釘付けされた状態のことを言います。駒が縛られて身動きできない状態と言えます。
 ピンを巡る攻防が楽しめる作品をお待ちします。
 12月号作品展に出題しますので、10月例会(10月18日開催予定)で選考します。
 手数は29手以内。
 投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)


■例題紹介
 ピンを巡る攻防を楽しんでいただける作品をお届けします。
 例題紹介に当たっては『盤上のフロンティア』(若島正、河出書房新社、2019年6月)、「構想の最前線」(久保紀貴、『この詰将棋がすごい! 2019年度版』、2019年6月)、「歩詰手筋総まくり」(湯村光造、詰棋めいと13号/1992.7~19号/1995.11)などを参考にさせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

 さて「ピン」は双玉特有の手筋のようですが、「駒の動きを縛る」ということでは単玉にもさまざまな表現があります。今回は多彩な表現をお楽しみください

原亜津夫作 詰パラ1988年10月(「現代詰将棋短編名作選」第145番)
原_現短145

 原さんと言えば回収手筋の看寿賞受賞作(詰パラ1998年5月)が有名ですが、本作も面白い手順。
 46龍と回れば55龍を防いで45金合の一手。
 そこで36桂と打てば詰みかと思ったら58に馬がいました。
 馬の利きをずらす上手い手があります。
 48飛とぶつけます。
 同馬では46龍で詰んでしまいます。
 普通に45合では同飛、同玉、37桂から駒余り。
 47合も46龍から36桂があります。
 46龍を防いで47金合では同飛、同馬に35金と打って駒余り。
 そうなると36桂を防ぐしかないのですが、47角合は同飛、同馬、33角から、やはり駒余り。
 最善は47銀合です。

<1図:2手目 47銀合>
原_現短145_47銀

 それでも46龍と回ります。
 45金合の一手に36桂と打ちます。
 同銀不成と取って45金に紐をつけます。
 そこで55龍とすると不思議なことに詰んでいます。

<2図:詰上り 55龍>
原_現短145_55龍

 36桂、同銀不成の応酬で48飛の利きが通ったため、45金がピンされてしまったのです。
 このような詰め上がりはピンメイトと呼ばれます。

【作意】48飛、47銀、46龍、45金、36桂、同銀不成、55龍まで7手詰


谷口 均作 近代将棋1976年2月(「孤愁の譜」第69番)
谷口_197602

 上部脱出は許せないので15香と打ちます。
 23玉は45角から35桂でピッタリ。
 14に合駒するしかありません。
 35角と打ち23玉に24銀成という手があるので、14合は横に利く駒、金か飛車しかありません。
 金合には25桂と打ちます。23玉と寄るしかありませんが、45角と打ちます。
 34合の一手ですが、24歩、同金、22銀成、同玉、12とから駒が余って詰みます。
 14飛合が最善の受けです。

<3図:2手目 14飛合>
谷口_197602_14飛

 同じように、25桂から45角とします。
 34に何を合しても24歩と打てば金合のときと同様に詰みます。
 どうやっても詰みそうですが、うまい受けがありました。
 45角には34飛と移動合が妙防。

<4図:6手目 34飛>
谷口_197602_34飛

 これで34飛が45角からピンされた形になり、24歩が打歩詰となってしまうのです。
 実に巧妙な受けです。
 自らピンされた状態になるということでセルフピンと呼ばれます。
 22銀成では24から抜けられてしまうので、ここからは打歩詰打開。
 まず13桂成と捨てます。
 同金と取らせて24歩が打てる形になりました。
 24歩で上部を塞いでから、22銀成と捨てれば、12とから詰み。

 本作は湯村氏の論考では取歩駒の移動合によって取歩駒を縛らせて打歩詰に誘致する手筋の1号局ということです。

【作意】15香、14飛合(3図)、25桂、23玉、45角、34飛(4図)、13桂成、同金、
   24歩、同金、22銀成、同玉、12と、23玉、13香成まで15手詰


森田正司作 詰パラ1959年9月(『春霞』第27番、『古今中編詰将棋名作選』第70番)
森田手筋1号

 本局は一度当ブログでも紹介しています。
 記事はこちらからどうぞ → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-46.html

 初手は軽く16桂。
 15玉には33馬と角を取る手があって簡単ですので、飛車で取るしかありませんが、同飛不成と応じます。その意味は数手後に分かります。
 25香、15玉、33馬、26玉と追った局面は打歩詰。
 2手目に飛車が成っていれば、ここで27歩が打てるので、同龍に35銀と捨てて、同玉、24馬まできれいに詰みます。
 途中25香に同龍も同銀、同玉、26歩でどこに逃げても飛車打ちまで。
 さて26玉の局面ですが、ここで44角と銀の利きに打つのが好手。
 同銀は同馬以下ですから、35に合するしかないのですが、頭に利く駒は同角から27に打てるので35桂合が最善です。

<5図:8手目 35桂合>
森田手筋1号_35桂

 35桂を同銀と取るのは27玉と潜り込まれてダメです。
 35同角も同香と応じられると、相変わらず27歩が打歩詰。
 27歩が打てればいいのですが、44角の利きで35桂がピンされていて動けないので、27歩は打歩詰の禁手。
 それではどうすれば27歩が打てるようになるのか。
 35桂をピンしている44角を消してしまえばよいというのがその答えです。
 44角がいなくなれば27歩と打つことが出来ます。
 まず15馬と捨てます。
 同飛なら、35角~27歩~28桂と取った桂を使って詰みます。
 同玉に33角成とし、26玉と戻ったところが次図。

<6図:12手目 26玉>
森田手筋1号_26玉

 不思議なことに前図から原形のまま44角が消えました。
 この局面なら打歩詰ではないので27歩と打つことが出来ます。
 同桂成と取らせて35銀とすれば24馬までのきれいな詰みです。
 35桂と歩を取る駒を合駒で発生させ、合駒を発生させた駒を移動させて打歩詰を解消するという新手筋の一号局でした。
 ピンという言葉を使えば、取歩駒を発生させ、その取歩駒をピンしている駒を消去してピンを解除し、打歩詰を打開する手筋ということになります。

【作意】16桂、同飛生、25香、15玉、33馬、26玉、44角、35桂合(5図)、15馬
   同玉、33角成、26玉(6図)、27歩、同桂成、35銀、同玉、24馬まで17手詰


柳田 明作 近代将棋1982年5月
(塚田賞、『現代詰将棋短編名作選』第70番、『饗宴』第61番)
柳田_現短70

 本局も一度当ブログでも紹介しています。
 記事はこちらからどうぞ → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-288.html

 本作も短編です。
 55飛と退路を封鎖したくなります。
 24玉なら、21飛と打ち、23合には35角と打ち込む手があります。
 23金と寄っても、35角、33玉、31飛成で詰み。
 55飛に45香合なら同飛、同銀、27飛、26歩合、同飛、35玉と追って、24角と捨て、同金と取らせて退路をなくし、36歩、同銀に25 飛と捨てる好手があり、同玉に26馬までピッタリ詰みます。
 しかし駒が余りますから、これではおかしい…。
 55飛には45銀という移動捨合の妙手がありました(紛れ図)。

<紛れ図:45銀>
柳田_現短70_紛れ

 45銀は同飛なら36玉から脱出を図ろうという捨て身の受けです。
 27飛と打てば26歩と捨合し、同飛、35玉となると打歩詰!(失敗図)

<失敗図:35玉>
柳田_現短70_失敗

 この局面で55飛がいなければ、36歩が打てるのですが、45銀が55飛によってピンされているので36歩は打歩詰の禁手。
 正解は初手に45飛と打つのが絶妙の一手。

<7図:初手 45飛>
柳田_現短70_45飛

 45飛は取る一手です。(35合は26飛から15馬)
 これで36銀が動いたので、27飛と打ち、26歩と捨合で抵抗しますが、同飛と取り、35玉に24角と捨てて退路を塞ぎます。
 36歩が打てるので、同銀と取らせて25飛と捨てるきれいな収束。

 45飛は「取らせ短打」と呼ばれる手筋。
 離して打つと縛り駒が残って打歩詰になるので、縛り駒を残さないように、近くから打つというものです。
 打歩詰を予め回避しておく妙手筋です。
 森田手筋では、飛び道具で取歩駒を発生させた後、その飛び道具が縛り駒になるので別のところで消去して、取歩駒を生かすわけですが、本作ではそれを一手で表現したことになります。
 素晴らしい構想で、見事塚田賞に輝きました。

【作意】45飛(7図)、同銀、27飛、26歩合、同飛、35玉、24角、同金、
  36歩、同銀、25飛、同玉、26馬まで13手詰


■創棋会の今後の予定
★感染者の発生が続いており、状況次第で例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控える(部屋入口は開放するので隣室への配慮もあります)など、当日の運営にご理解をお願いします。


***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2020年10月18日(日)13時~
[場所]  大阪市港区民センター 楓 
  〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
  アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
   <最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[課題] 「ピン」。本文参照ください。
[会費]  無料

***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年12月20日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 詰パラ3月号作品展 近々ご案内させていただきます。
****************************************************** 

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