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創棋会の次回課題は「捌きを楽しむ作品」

<創棋会の次回課題は「捌きを楽しむ作品」>

 10月は、残暑が続いていると思ったら、いつの間にか涼しくなって、今度は台風や豪雨が襲来するという、大変な気象状態が続いています。
 災害に遭われた皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

 2週間くらい前になりますが、通勤途上に見かけた花壇です。
通勤途上の花壇201910

■創棋会の次回課題
☆3月号掲載作品展の課題
・「捌きを楽しむ作品」。29手以内。
 「捌き」。皆さんはこの言葉からどのようなイメージを持たれるでしょうか?
 詰パラの結果稿などで「よく捌けて気持ちが良い」といった短評を見かけます。
 捌ける詰将棋は、気持ちがいい。
 それはなぜでしょう。
 村山隆治さんの『詰将棋手筋教室』(2000年 毎日コミュニケーションズ)の用語辞典では「捌き」について、「盤上の駒が十分に活用され、動き回って盤上から消えていくプロセスのこと」と説明されています。
 駒が活用される、駒が動き回る、駒が消えていく、この三点をあげておられるのですが、いずれも解いて楽しく、さわやかさな印象の残る要素と言えます。
 言葉では十分説明しきれないところのあるテーマですので、今回から少しずつ例題を紹介させていただきますが、作家の皆さまには、各人の感性で、楽しめる作品をお寄せいただきたいと思います。
 12月例会で選題します。
 投稿は→ blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)

◇例題紹介
 管理人が「いいな」と思った「捌きを楽しむ作品」を紹介していきます。

村山隆治作 将棋世界2004年1月(「五風十雨」第98番)
村山隆治98

 「捌き」という用語の説明を村山さんの著書から引用させていただいたので、同氏の作品を一局紹介させていただきます。
 初手は1筋にもにらみを利かせた27桂打。
 34玉は35銀までなので24玉と引きますが、調子に乗って15馬とすると13玉で詰みません。
 24玉には46馬が正解。
 14玉とかわされたら15銀の好手があります。同角なら11飛成があり、23玉と逃げるのは33歩成と角を取る手があり、いずれも簡単。
 23玉と引けば33歩成で角が取れるので、同銀、15桂で詰みます。
 危ないようですが34玉と寄ります。
 ここで26桂と捨てるのが好手。その効果は少し手順を進めると明らかになります。
 同歩と取らせて35馬。
 23玉と引く一手に15桂と跳ね出すのが気持ちの良い手です。

<9手目:15桂>
村山隆治98_15桂

 15桂に14玉なら、25銀と打てるのが26桂捨ての効果。15玉に11飛成と捨て同角に24馬まで、気持ちの良い変化です。
 15桂は同角と応じるしかありませんが、そこで14銀と捨てます。取れば11飛成、引けば13馬(銀成)があるので、33馬でこらえます。
 44飛成や44馬では詰みませんが、34馬と捨てるのが好手。
 同玉は44飛成の一発ですから、22玉と逃げますが、13銀成が決め手。
 同玉に11飛成までの詰みとなります。

 37の馬が46、35、34と活躍。
 また27に打った桂を15に捨てる、14に打った銀を13に捨てるなど、駒が二段活用されるところも気持ちが良いですね。

【作意】27桂、24玉、46馬、34玉、26桂、同歩、35馬、23玉、
    15桂(図)、同角、14銀、33玉、34馬、22玉、13銀成、同玉、
    11飛成まで17手詰

 村山さんは「詰将棋教室」の著者として有名です。同書で詰将棋の魅力と出会った方も多かったのではないでしょうか。
 大正生まれで創作や詰棋書執筆など幅広く活躍されましたが2013年に逝去されました。


萩野真甫作 「将棋綱目」第5巻21番
萩野真甫

 本作は昨年も一度このブログで紹介したのですが、捌きと言えば必ず思い浮かべる一作ということで、あらためて紹介させていただく次第です。
 きれいな実戦型で小駒図式。
 52銀から63銀成(と)のような手も目につきますが、62銀が実戦的な好手。
 72玉には61銀打から71銀不成があって簡単ですから、62同銀と取る一手です。
 62同銀には52金から62金と質駒にした銀を奪います。
 ここで調子に乗って71銀と打っては92玉と寄られて続きません。
 74桂と捨てるのが読みの入った妙手。
同歩と取られると73に逃げ道が出来て損なように思え、ちょっと打ちにくい手です。

<7手目:74桂>
萩野真甫74桂

 74桂に92玉と逃げるのは93銀と捨てるのが好手筋で、同玉に82銀から91銀成の筋で詰んでしまいますから、74同歩と取るしかありません。
 74同歩としてから71銀と打ちます。
 93玉は82銀打があるので92玉とかわしますが、ベタッと82に金を打つのが継続手段です。
 93玉と逃げたとき、83金と歩を取り、同玉に84歩と突き出すのがとても味の良い手です。
 74桂捨ての効果で74には逃げられませんから、93玉と寄ります(92玉は83銀で簡単)が、82銀打から93歩と手順の寄せが続きます。
 同桂と取らせたところから流れるような美しい収束が始まります。
 まず83歩成と捨て、同玉に73銀成と捌きます。

<23手目:73銀成>
萩野真甫73銀成

 同玉には63と と寄ります。
 83玉にはもう一度84歩と打ち、92玉に82銀成と捨て、同玉には72金と寄ります。
 92玉とかわすしかありませんが、83歩成と捨て、同玉に73と と寄れば92玉に82金までの詰み。
 この端正な実戦型から朝霧趣向が出てくるのは予想外。
 序盤74桂の妙手もあり、打った駒を二段活用して捌く手順は爽快そのものです。
 
 萩野真甫は“雁木”で有名な檜垣是安と同時代に活躍した江戸時代の在野棋士で初代伊藤宗看(三世名人)との対局も数十局に上るとのこと。
 また本図を左右反転した図が「諸國象戲作物集」に作者京作として掲載されているそうです。
 以上の記述は下記URLを参考にさせていただきました。

http://1banboshi.on.coocan.jp/page09-01(09).htm

http://archives.pref.yamaguchi.lg.jp/user_data/upload/File/smallexhibition/H26-08.pdf

【詰手順】62銀、同銀、52金、72玉、62金、82玉、74桂(図)、同歩、71銀、92玉、
  82金、93玉、83金、同玉、84歩、93玉、82銀打、92玉、93歩、同桂、
  83歩成、同玉、73銀成(図)、同玉、63と、83玉、84歩、92玉、82銀成、同玉、
  72金、92玉、83歩成、同玉、73と、92玉、82と まで37手詰


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2019年12月15日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 304号
   〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
      アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
   <最寄駅>地下鉄千日前線「野田阪神」、JR東西線「海老江」、阪神本線「野田」
[会費]  無料
[課題] 3月号作品展「捌きを楽しむ作品」29手以内

***【次々回例会】*********************************************** 
[日時] 2020年1月19日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
   〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
[会費]  無料
[課題] なし
  ★☆★ 終了後新年会開催 ★☆★
   場所は阪神「野田」近くの居酒屋を予定。
   開始時間は17時30分。
   会費等詳細は12月初旬にご案内。

***【先々の予定】*********************************************** 
[日時] 2020年2月16日(日)13時~
[場所]  大阪市港区民センター 楓 
  〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
    アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
  <最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[会費]  無料
[課題] 未定(ネット作品展「教材」) 12月例会終了後にご案内の予定
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★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
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