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創棋会の次回課題「複数の打歩詰関連手筋」

<創棋会の次回課題「複数の打歩詰関連手筋」>

 8月も残すところ約1週間。
 夏の花の写真です。

ひまわり

百日紅

★☆★ネット作品展解答募集中★☆★
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅣ、おかげさまで20作と多数の作品が揃いました。
 投稿下さった作家の皆様、ありがとうございました。
 今回出題させていただいた作品は、次の20名の方々から投稿いただいたものです。
 あらためて感謝申し上げます。
   有吉弘敏、有山隆、石川和彦、片山智之、kisy一族、則内誠一郎、中出慶一、金少桂、
   西村章、ぬ、野曽原直之、野々村禎彦、廣瀬崇幹、松田圭市、松本浩一、三輪勝昭、
   RINTARO、山路大輔、山本勝士、吉松智明
    (敬称略、作品順ではありません)。

 文字通り「すらすら解ける」作品が揃っていますので、多くの方からの解答をお待ちしています。
 短評は原則としてすべて掲載させていただく予定です。
 また解答者の中から若干名に呈賞の予定です。
 1問でも解けた方、遠慮なさらずに解答をお願いします。
 20手台の作品20作に全手順記載は大変かと思いますので、解答記載方法は簡単にしています。
 暗算で解けるもの、筋に入れば一気に詰ませることのできるもの、きれいな手順のものなど、解けば気持ちの良い作品が揃っていますので、多くの皆さんからの解答をお待ちしています。

◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切:9/19(木)
◇解答要領:
・「キーとなる一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです)
※キーとなる一手は問題ごとに設定しています。
・評価:ABC評価をお願いします。
  ※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
・短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、さまざまな角度からのコメントをお願いします。
  長くても結構ですので、たくさんの短評をお願いします。

★出題は以下のURLを参照下さい。
  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-287.html

★図面と解答用紙は次のサイトから取り出すことができます。
  図面: http://firestorage.jp/download/bf454d36ef822e9b5a1dc12ef3dfaa47b5bcf9fc

  解答用紙: http://firestorage.jp/download/82b5e1c81412be0499c3e71cc737a0a0852e8dac

  パスワードはいずれも「sura2019」です。

■創棋会の次回課題
☆12月号掲載作品展の課題
・「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」。29手以内。
 打歩詰を巡る手筋は実に多彩です。
 思いつくままに挙げるだけでも、不成、打診、森田手筋、ブルータス手筋、不利逃避、不利合、不利先打等々、さまざまな手筋があります。
 新手筋、珍手筋、組み合わせの妙、作家の皆さんの腕の見せ所です。
 奮って投稿ください。
・10月例会で選題します。
 投稿は→ blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)

◇例題紹介
 例題紹介のために、一昨年のブログでも参考にさせていただいた湯村光造さんの「歩詰手筋総まくり」という論考をあらためて読み直しているところです。
  ※この論考は「将棋めいと」13号(1992年7月)から19号(1995年11月)まで連載されていました。
 この論考で取り上げられている作品は、自分なりに鑑賞しなおして、紹介させていただきます。
 それ以外にも、手元の詰棋書を眺めていて、面白いと思ったものは随時紹介させていただきます。
 なお湯村さんの論考が契機となり「打歩詰大賞」が創設されました。同大賞の作品群はブログ「借り猫かも」で詳細に紹介されています。
    http://torakamaneko.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-d497.html

 湯村さんの論考では歩詰手筋を大きく、打開手筋と誘致手筋に分けます。
 打開(A)では「打歩を取らせる」「玉の退路をつくる」「打歩以外の詰みにする」、また
 誘致(B)では「打歩詰を取れないようにする」「玉の退路をなくす」と中分類します。

 そして「打歩を取らせる」という中分類は、「取歩駒を作る(A1)」「取歩駒を残す(A2)」「取歩駒の利き筋を生かす(A3)」「取歩駒を生かす(A4)」というように、それぞれに小分類をされています。
 さらに、「打歩を取らせる」の小分類「取歩駒を作る(A1)」には「玉方駒の移動(A11)」「玉方駒を成らせる(A12)」「玉方に合駒をさせる(A13)」「玉方駒の不成を予防(A14)」「玉方駒の成を予防(A15)」と、それぞれに細分類されます。
 めいと13号に掲載された分類表では、この細分類は39ありましたが、連載を重ねる中で修正され、論稿の最終号では45になりました。
 投稿要領に記した、「不成、打診、森田手筋、ブルータス手筋、不利逃避、不利合、不利先打」などの手筋は、すべてこの分類のどこかにあるということになります。
 もちろん湯村さんの論考をご存知の方ばかりではないと思いますので、ある手筋が分類のどれに当たるかということは、別の話です。
 今回の課題の主旨は、バラエティに富む打歩詰関連手筋を、二つ以上組み合わせていただくというものです。
 類例の少ない珍しい手筋、面白い狙いやユニークな表現など、組み合わせの妙を味わえる作品の投稿をお待ちしています。
 12月号作品展では楽しめる作品が揃うことを期待していますので、作家の皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて前置きが長くなりましたが、面白いと感じた作品を例題として紹介させていただきます。


三代伊藤宗看作 享保19年(1734年) 「無双」第91番
無双91

 最初は古典から。
 豊富な持駒を使って75馬と46龍を働かせたい形。
 79金から68金という筋が浮かぶが、79金に59玉とかわされると、金一枚では寄らない。
 78銀と捨てるのが良い手。これなら59玉には、58金打と迫る手がある。
 78同成香と取らせて79金が手順の妙。今度59玉なら58金引がある。
 79同成香で68金と捨てて、58金から68金と57の金を消して待望の57龍。
 77玉には手筋の69桂捨て。
 同成香に78歩から87玉と追ったところで、76馬が良い手に見えます。
 76馬に逃げる手は簡単なので、同玉と取ります。
 急いで66龍とすると87玉、77龍、96玉で打歩詰。
 そこで98馬としますが、75玉、65馬、86玉、66龍、97玉(失敗図)となって打歩詰。

<失敗図:97玉>
無双91_失敗

 75馬なら98玉、また77龍には87合で詰まないので、この局面になると手も足も出ません。
 どうすればよかったのでしょうか?
 数手前に打開の妙手がありました。
 87玉まで追ったところで99桂(1図)と打つのです。

1図<17手目:99桂>
無双91_99桂

 これだけでは、何が狙いか見えてきません。
 もう少し手を進めます。
 当然、同歩成と応じます。
 そこで76馬と取り、同玉のとき、98馬と捨てるのが絶妙の一手!

2図<21手目:98馬>
無双91_98馬

 同と と取られてしまうとどうするのでしょうか?
 それには、66龍、87玉、77龍、96玉となったとき、97歩と打てます。同とに76龍から85銀まで。
 87玉に66龍から77龍と攻めるのは、打歩詰になってしまいましたが、99桂から98馬の妙手順で98歩がと金に変わったので打歩詰が解消できたのです。
 98馬を取らずに75玉と逃げる変化も確認が必要です。
 75玉には、65馬、86玉、66龍、97玉、98歩が打てます。これも99にと金を作っておいた効果です。

 本局は、打歩を取らせる駒を、成らせて発生させるのですが、ただで取れる駒(98歩)を取らずに成らせておき(99桂)、後にその駒を捨駒(98馬)で動かすという高度な演出で表現したものです。

【詰手順】78銀、同成香、79金、同成香、68金、同玉、58金、69玉、
   68金、同玉、57龍、77玉、69桂、同成香、78歩、87玉、99桂(1図)、
   同歩成、76馬、同玉、98馬(2図)、同と、66龍、87玉、77龍、96玉、
   97歩、同と、76龍、86合、85銀まで31手詰


北原義治作 近代将棋1960年1月(塚田賞、『古今短編詰将棋名作選』第75番)
北原古短75

 次の一作は短編です。
 これは湯村さんの論考には取り上げられていなかったように思います。
 このブログで1年半くらい前に紹介しているのですが、複数の打歩詰関連手筋が明快に表現された素晴らしい作品なので、再度の登板です。

 19桂が有力そうに見えます。
 16玉の一手に38馬と歩を入手して、25銀と打てば15玉で打歩詰ですが、27桂と跳ねるのが気持ちの良い手です。
 同飛成と取らせれば16歩が打てますから、同龍に24銀まで両王手の詰みです。
 おっと、27桂に同飛不成とされると相変わらず16歩が打歩詰。
 しかしここで好手があります。
 24龍と捨てるのです。攻め方の勢力を弱める妙手です。
 これで同と と取らせれば16歩と打てるというわけです。16歩、26玉、36金まで。
 でもよく見ると遠く59馬が26に利いていますね。まだ16歩は打てません。
 もう一度初形に戻ります。
 まず37馬と捨てます。59馬を消しておかないと打歩詰になるのは説明済み。
 湯村さんの分類では、「玉の退路を作る」ために「詰方駒を消す」になります。
 攻め方の勢力が強過ぎるので、これを減らすのですが、先にならないと効果が現れないので伏線の妙手です。
 これには同飛不成と応じるのが受けの好手。これは不成による打歩詰誘致。

<2手目:37同飛不成>
北原古短75_37飛生

 予定通り19桂と打って16玉に38馬と歩を入手。
 同とに25銀とすれば15玉と逃げて打歩詰ですが、そこで27桂と跳ねるのが気持ちの良い活用。
 最善は同飛不成

<10手目:27同飛不成>
北原古短75_27飛生

 またもや打歩詰となりますが、ここで24龍と捨てるのが決め手。これも攻め方の勢力を減少させる手筋。
 同と と取らせれば打歩詰は解消。
 16歩と打ち、26玉に36金までの詰み。

 二度の玉方飛不成に伏線手59馬消去や24龍の好手を配した密度の濃い作品。

【作意】37馬、同飛不成、19桂、16玉、38馬、同と、25銀、15玉、27桂、同飛不成
   24龍、同と、16歩、26玉、36金まで15手詰


柳田 明作 近代将棋1982年5月
 (塚田賞、『現代詰将棋短編名作選』第70番、『饗宴』第61番)
柳田明

 最後の作品も短編です。
 55飛と退路を封鎖したくなります。
 24玉なら、21飛と打ち、23合には35角と打ち込む手があります。
 23金と寄っても、35角、33玉、31飛成で詰み。
 55飛に45香合なら同飛、同銀、27飛、26歩合、同飛、35玉と追って、24角と捨て、同金と取らせて退路をなくし、36歩、同銀に25飛と捨てる好手があり、同玉に26馬までピッタリ詰みます。
 しかし駒が余りますから、これではおかしい…。
 55飛には45銀という移動捨合の妙手がありました(紛れ図)。

<紛れ図:45銀>
柳田明_45銀

 45銀は同飛なら36玉から脱出を図ろうという捨て身の受けです。
 27飛と打てば26歩と捨合し、同飛、35玉となると打歩詰!(失敗図)

<失敗図:35玉>
柳田明_失敗

 この局面で55飛がいなければ、36歩が打てるのですが…。
 初手は45飛と打つのが絶妙の一手なのです。(正解図)

<正解図:45飛>
柳田明_45飛

 45飛は取る一手です。(35合は26飛から15馬)
 これで36銀が動いたので、27飛と打ち、26歩と捨合で抵抗しますが、同飛と取り、35玉に24角と捨てて退路を塞ぎます。
36歩が打てるので、同銀と取らせて25飛と捨てるきれいな収束。

 45飛は「取らせ短打」と呼ばれる手筋。
 離して打つと縛り駒が残って打歩詰になるので、縛り駒を残さないように、近くから打つというものです。
 打歩詰を予め回避しておく妙手筋です。
 森田手筋では、飛び道具で取歩駒を発生させた後、その飛び道具が縛り駒になるので別のところで消去して、取歩駒を生かすわけですが、本作ではそれを一手で表現したことになります。
 素晴らしい構想で、見事塚田賞に輝きました。

【作意】45飛、同銀、27飛、26歩、同飛、35玉、24角、同金、
   36歩、同銀、25飛、同玉、26馬まで13手詰


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2019年10月20日(日)13時~
[場所]  大阪市港区民センター 楓
        ※今回は福島区民センターではないのでご注意ください
    〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
      アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html

[会費]  無料
[課題] 12月号作品展「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」29手以内

***【次々回例会】*********************************************** 
[日時] 2019年12月15日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 304号
    〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
      アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費]  無料
[課題] 3月号作品展「捌きを楽しむ作品」29手以内
****************************************************** 

★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
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