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続・創棋会の次回課題は「局面の対比」

続・創棋会の次回課題は「局面の対比」

白木蓮

 解答選手権が目前に迫っています。
 今年は3/31(日)がチャンピオン戦、4/6(土)が初級一般戦です。
 選手の皆さんには万全の体調で競技に参加してください。
 選手権の模様は「速報ブログ」をご覧ください。
   → https://blog.goo.ne.jp/shogi-problem

■「教材に使える詰将棋」partⅢ
 解答ありがとうございました。
 創棋会のネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された15題を2/22にブログで出題させていただきました。
   http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-247.html
 おかげさまで多くの方から解答をいただきました。
 来週から結果発表を行いますので、どうぞお楽しみに。

■第35回全国大会
 今年の全国大会は大阪開催です。
 詰パラ3月号に大会関連の案内が掲載されましたが、このブログでも大会関連の告知を行っていますので、ぜひ参照下さい。
  《日時》2019年7月14日(日) 12時00分(予定)~17時
  《場所》大阪産業創造館 4階
    大阪市中央区本町1-4-5
      http://shisetsu.sansokan.jp

■創棋会の次回課題は「局面の対比」
☆4月例会の課題は「局面の対比」(6月号作品展)です。
 ある局面から数手進むと局面が微妙に変化する。多様な表現があると思います。
 これまで、駒の移動、駒の消去、駒の入替、持駒変換などを紹介してきました。華麗な捨駒、打歩詰打開と演出も多彩でした。
 今回も楽しめる作品を紹介させていただきますので、局面の対比を鑑賞していきたいと思います。
 なお例題は昨年末にも2作紹介していますのでよかったらご覧ください。


山田康平作 詰パラ1991年8月(『流星雨』第24番)
山田康平作

 盤面7枚、持駒も含め使用駒が飛角桂歩だけで、成駒のない清潔感のある初形です。
 初手43飛は52玉、42飛成、63玉で脱出が止まりません。
 74角成が上部に逃がさない一手。
 51玉なら41飛から63歩という手があるので52に合駒です。
 42飛から32飛成があるので、52飛合に決定。
 今度は61飛と打って、51の合駒を訊きます。
 歩・香・桂は52馬、同玉、62飛があります。また金・銀は42歩、31玉、51飛成として32から金銀を打てば詰み。
 最善は51角合。これが逆王手になっていますが、あわてず42歩と打ちます。
 31玉に51飛成と角を取り、同飛のときに41馬と飛び込むのがうまい手です。
 21玉なら32馬から簡単なので、同飛、同歩成、同玉と清算します。
 ここで63角と打ちます。

<13手目:63角>
山田康平作63角

 この局面を初形と比べてみてください。
 83の角が63にワープしたみたいですね。
 ここでも同じように52飛合と応じるのが最善。
 61飛には51角合の逆王手、42歩と打って、31玉に51飛成と角を取るところまでは他に手もありません。
 74角成のときと同じことをやっているようですが、何か違いがあるのでしょうか?
 51同飛のとき41角成では何をやっているのかわかりませんから、22角と手を変えます。
 21玉と寄ったとき、54角成と桂を取れるのが63角の効果。
 同飛に12歩成から24桂と拠点を作り、21玉に軽く31角成と捨てるのが決め手です。
 同玉に32桂成までの詰み。

 83の角が63に移動する不思議さを味わっていただけたでしょうか。
 52飛合、51角合の応酬が繰り返されるところも楽しいですね。
 31手と手数はやや長めですが、それを感じさせない軽快な作品です。

【手順】74角成、52飛合、61飛、51角合、42歩、31玉、51飛成、同飛、
  41馬、同飛、同歩成、同玉、63角(図)、52飛合、61飛、51角合
  42歩、31玉、51飛成、同飛、22角、21玉、54角成、同飛、
  12歩成、同玉、24桂、21玉、31角成、同玉、32桂成まで31手詰


山本昭一作 詰パラ1982年7月
(修正図、『怒濤』第43番、『現代詰将棋中編名作選』第35番)
山本昭一作

 「メタ新世界」や「メガロポリス」などの超長編で有名な山本昭一さんですが、中編でも楽しい作品を沢山残されています。本作もその一つです。
 まず53飛成とすれば41玉の一手。
 そこで44龍とソッポに引きます。
 42合なら53桂までですから、43桂と跳ねて移動合で凌ぎます。
 同龍と取らせて、51玉と桂のいた場所にかわします。
 これには53龍と寄って43桂を見せます。52合なら同と、43桂、41玉、31香成、同金、同桂成、同玉と清算し23桂と打てば詰み。
 41玉と寄ったとき、もう一度44龍とソッポに引くのが好手。
 51玉では43桂と打たれ、どう逃げても桂2枚で簡単ですから何か合駒が必要です。
 43に捨合して51に寄る手がありそうですが、頭に利く駒は52に打てば簡単。桂は品切れ。角なら同龍、51玉、53龍、52合、43桂、41玉、23角で詰みます。
 単に42歩合では、53桂、51玉、43桂、同歩、41桂成、同玉、43龍という好手順があります。
 この43桂から41桂成の順を消す唯一の受けが42龍の移動合です。

< 図:10手目/42龍>
山本昭一作_42龍

 他に手は無いので53桂から迫ります。
 51玉に43桂、同龍と取らせて41桂成、同龍には同龍と清算します。
 ここまで変化もなく一本道です。
 41同玉には、44飛と打ちます。(45以遠でも可、二間以上離して打つのがポイントです。)
 今度は22龍がいなくなったので51玉なら54飛と回って簡単。
 42合には先ほどと同じように53桂から41桂成があります。
 今度はそれを防いで42飛合が最善です。

< 図 20手目/42飛合>
山本昭一作_42飛

 この局面、10手目の局面と比べてください。
 双方の龍が飛に変わりました。
 ここからもう一度53桂~43桂~41桂成という手順が繰り返されます。
 このリフレインも楽しいですね。
 41桂成を同飛と取らせれば、54飛と回ることが出来ます。
 42玉に53飛成までの詰み。
 初手と最終手が同じというところが「ストーリー性抜群の構成」(武島宏秋氏の現代詰将棋中編名作選の解説)」です。

【手順】53飛成、41玉、44龍、43桂、同龍、51玉、53龍、41玉、44龍、42龍
   53桂、51玉、43桂、同龍、41桂成、同龍、同龍、同玉、44飛、42飛
   53桂、51玉、43桂、同飛、41桂成、同飛、54飛、42玉、53飛成まで29手詰


金子義隆作 詰パラ2011年8月(『撫子』第30番)
金子作

 本局は楽しい手順が飛び出します。
 まず59馬と と金を取ります。
 玉が逃げる手は48馬と捨てて39銀と打てば簡単。
 応手は同飛不成。不成の意味は後ほどわかります。
 続いて39銀と捨てます。
 同玉なら、59龍、28玉(49合は48銀、28玉、37銀打、18玉、29銀、同玉、39飛以下)、48龍、38銀合(他合は37銀、18玉、19歩、29玉、39飛以下)、39銀、29玉、19飛、同玉、28銀打、29玉、38龍、同角成、18銀以下で詰みますので、39銀にも同飛不成と応じます。
 今度は37銀と捨てます。
 同玉なら、39龍、38角成、49桂、27玉、37飛、同馬、18銀以下。38玉も39龍で簡単ですから、37銀にも同飛不成と応じます。
 ここまでくれば次の手は予想がつきますね。
 そうです57銀と捨てるのです。
 同玉なら68龍で簡単だし、38玉も29銀から48歩がありますから、57銀にも同飛不成と応じます。

<8手目:57飛不成>
金子作_57飛生

 初形から77馬と59とが消えました。
 その間に玉方の飛が不成で一回転。
 不成の意味を考えてみましょう。
 図で57飛が龍なら、39銀、37玉、29桂、47玉のとき48歩と打てます。しかし飛なら打歩詰で逃れるというわけです。
 不成の意味はシンプルですが、銀連打で一回転させるのは素晴らしい手順です。
 この局面では39銀しかなく、37玉、29桂、47玉まで進めて打歩詰になりますが、59桂と捨てるのが打開の一手です。
 これを同飛不成は48歩から59龍となるので、同飛成と応じるしかありません。
 これで48歩と打つことが出来ました。
 清算して飛を入手し、68飛と打てばゴールはもうすぐですが、最後の抵抗が58角と捨合の妙防です。

<20手目:58角合>
金子作_58角

 68飛に47玉なら58龍までなので、58に捨合して同龍に39玉と逃げようというのが玉方の狙い。
 58合が頭に利く駒なら同飛で簡単なので、角合が最善なのですが、これも同飛と取ってしまいます。
 47玉に奪った角を38角と捨て、同角成ととらせて57飛と捨てるのが決め手。
 以下、同玉に68金から58金と寄って詰みとなります。

 銀の三連打で飛を翻弄すれば、玉方も不成で応じ、飛車が元の場所に一回転するという、素晴らしい作品でした。

【手順】59馬、同飛不成、39銀、同飛不成、37銀、同飛不成、57銀、同飛不成(図)、
   39銀、37玉、29桂、47玉、59桂、同飛成、48歩、同龍、
   同銀、同玉、68飛、58角(図)、同飛、47玉、38角、同角成、
   57飛、同玉、68金、48玉、58金まで29手詰


 今回は趣向的な手順の作品を紹介させていただきましたが、お楽しみいただけたのではないでしょうか。
 作家の皆さま、どうぞ「局面の対比」への投稿、よろしくお願いします。


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2019年4月21日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 303号
   〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
     アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費]  無料
[課題] 6月号作品展「局面の対比」(29手以内)

***【次々回例会】*********************************************** 
[日時] 2019年6月16日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 303号
[会費]  無料
[課題] 9月号作品展「簡素図式(盤面5枚以内、使用駒は持駒含めて9枚以内)」(29手以内)

※課題作の投稿などはこちらまで
   → blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
以上
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