ネット作品展投稿受付中
<ネット作品展投稿受付中>
楽しい新年会からアッという間に1週間以上たちました。
色々とやるべきことの多い時期ですが、ブログの更新もペースを崩さないようにしていきたいと思います。
■創棋会の次回以降の課題
☆次回課題はネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」(15手以内)。
本年2月は、昨年、一昨年に続いてネット作品展「教材に使える詰将棋」を開催します。
今回のテーマは「駒の特性を学ぶ」です。
☆4月例会の課題は「局面の対比」(6月号作品展)。
ある局面から数手進むと局面が微妙に変化する。多様な表現があると思います。
昨年例題を2作紹介していますので参照下さい。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-238.html
■創棋会の次回課題は「教材に使える短編」
創棋会の次回課題はネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」(15手以内)です。
「教材に使える詰将棋」は今回で3回目となります。
当初は長めの手数の詰将棋にチャレンジいただき、詰将棋の楽しさや面白さを知ってもらおうということで「教材に使える10手台」というタイトルにしたのですが、二桁手数の作品ばかりではハードルが高いので、今回は手数区分を15手以内の短編としました。
今回のテーマは「駒の特性を学ぶ」です。
駒の力を発揮した詰手筋、駒の特徴がよく現れた手順、そういう作品に触れることで詰将棋の面白さや妙味を知っていただき、ますます詰将棋を好きになっていただきたい。そう考えた次第です。
例題は、このあと紹介させていただきます。
作家の皆さまには、課題に相応しい作品の投稿をお願いします。
投稿作は2月例会で選考し、2月下旬に本ブログで一斉出題の予定です。
◇例題紹介
「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」
今回は「香」の特性を学べる作品を紹介させていただきます。
原田清実作 詰パラ1984年6月(『現代詰将棋短編名作選』第93番)

一作目は短手数のものから。
63から飛車を打って56玉に36の角を動かして開き王手をする筋が浮かびます。
しかしそれでは46に合されて詰みません。
飛車を温存して攻めたいところです
初手69香と打ってみましょう。格言にも「下段の香に力あり」と言いますから。
66合なら63飛から66飛成がピッタリです。67中合も67飛成があります。
69香には55玉と逃げる一手。
そこで59香とさらに香の遠打で迫ります。79・69・59と香が三本並んだところは壮観ですね。
59香に57合は66飛の一発。
58の中合も角金銀しか打てないので同香で簡単。
46玉と寄るしかありません。
玉の動けるところはありません。開き王手が見えています。持駒に飛車もあり、どうやっても詰みそうです。
しかし63角成には47玉と潜り込まれてダメ、27角や18角にも47玉と逃げ込む手があります。47玉を防いで25角や14角とするのは45玉と別の脱出口があります。
ちょっといい手があります。
45飛と捨て同香と取らせて58角と引くのです。
こうすれば45玉も47玉も阻止できます。
しかし57玉と丸い角頭に逃げられると続きません。
ここで角が69まで引ければ詰むということに発想が及ぶかどうか。
そうです。初手は68香と打つのです。こう打っても55玉と逃げる一手。そして59香と打ちます。
<3手目:59香>

これなら46玉に45飛と退路を封鎖して、同香に69角までの見事な詰上り!
七手詰競作展で見事一位に輝いた名作。
【手順】68香、56玉、59香、46玉、45飛、同香、69角まで7手詰
伊藤 果作 東京スポーツ1981年8月6日
(『現代詰将棋短編名作選』第58番、『果し状』火の巻「実戦図式」第5番)

手がかりの乏しい形ですが43桂の利きで31からの脱出が出来ないので、意外に狭い玉です。
持駒は豊富なので物量に物を言わせて攻めてみましょう。
14香と打てば22玉と引く一手。
そこで13金と打ちこむのが俗手の好手。
21玉なら22金打があり、同飛は31金、同角なら12金の重ね打ちがちょっと面白い変化。
同香と取る一手に、同香成、同玉と清算してしまえば、もう一度取った香を14に打って22玉に12金までの詰み。
あれ? 金が余りました。おかしいですね。
もう一度見直すと、13同香成に11玉と引く手がありました。
持駒は金金香と豊富ですが、32飛と33角の守備が強力で、僅かに届きません。
どうすればよかったのでしょうか?
11玉と引かれないようにするのがポイントです。
13同香のときに12金と捨て、同玉と取らせて13香不成とするのが好手順です。
<7手目:13香不成>

こうしておけば玉は11に下がれません。
まさに香の特性が発揮された一着です。
取れば14香から並べ詰み。(実は変化同手数なんですが…)
21玉とかわして頑張りますが、22香と焦点に捨てるのが軽い決め手。
何でとっても金打ちまでです。
【手順】14香、22玉、13金、同香、12金、同玉、13香不成、21玉、
22香、同玉、12金まで11手詰
河辺昭光作 近代将棋1955年6月(『古今短編詰将棋名作選』第57番)

二枚の馬を活用したいのですが、37馬には25玉、36馬なら15玉と逃げられてしまいます。
ここは格言通り28香と、香を離して打ちましょう。
27歩合とされると困ったようですが、同馬が強手。15玉なら26馬から15馬と捨てて33馬と入れば詰み。27同桂成も同香、同玉、37馬、17玉、18飛から詰みます。
28香には17玉が最善です。
ここで気持ちの良い手が出ます。18馬と捨てるのです。
同玉の一手に、27香と一マスだけ動くのが好手。
<5手目:27香>

26よりも先に動くと17玉とかわされて26から逃げ出されます。
27香なら17玉には28馬までというわけです。
同玉と取りますが、37馬と引き、17玉に18飛と捨てるのが決め手。
28から離して打った香を一つだけ27に動くのがユーモラスな味。
香の特性が活かされた一局です。
【手順】28香、17玉、18馬、同玉、27香、同玉、37馬、17玉、
18飛、同玉、28馬まで11手詰
小島 茂作 将棋世界1980年6月(『現代詰将棋短編名作選』第40番)

47香を動かして開き王手ですがどこに動かすか?
43に成ってみましょう。
66玉は76飛がありますから46玉と寄りますが、47飛と打てば56玉の一手。
47飛を動かして開き王手ですが、どこに動かすか?
43には成香がいますから44飛と浮くくらいですが、今度は66玉と寄られて困ってしまいます。
47飛の行動範囲を考えていると、いい手が閃きませんか?
まず初手は41香成とします。
<初手:41香成>

46玉、47飛、56玉までは同じですが、成香が41にいるので42飛成と出来ます。
<5手目:42飛成>

41の最遠地点に移動したのはこの42飛成を実現するためでした。
これには66玉と戻るしかないのですが、そこで62龍と回って合駒を請求します。
仮に43飛成としていたら63龍と回るしかなく、それは同馬と取られてダメです。
41香成~42飛成~62龍が一連の構想だったわけです。
62龍に角金銀合なら取って57から打てば詰み、桂合も58桂がありますから、最善は64飛合です。
これも同龍と取り、同馬に65飛と捨てるのが決め手。
同馬と取らせて、39馬と寄れば収束です。
なお初手46香の紛れについて一言。
46香は同玉の一手ですが、こうしておけば47飛、56玉のとき、42や41に飛が成れます。香を取らせることで飛車の進路を開いたわけです。
しかし66玉に62龍と回ったとき、玉方の持駒には香が加わったので、64には香合をされ詰みません。
変化と紛れの切り分けも上手く出来ています。
本局は香の最遠移動を巧妙に演出した好作です。
【手順】41香成、46玉、47飛、56玉、42飛成、66玉、62龍、64飛合、同龍、同馬、
65飛、同馬、39馬、56玉、57馬まで15手詰
今回は「香の特性」ということで、15手までの作品を4作紹介させていただきました。
皆さまからの教材に相応しい好作の投稿をお待ちしています。
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2019年2月17日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
交通 地下鉄中央線・JR環状線 弁天町駅 徒歩7分
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
[会費] 無料
[課題] ネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」(15手以内)。
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2019年4月21日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費] 無料
[課題] 6月号作品展「局面の対比」(29手以内)
課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin @ gmail.com
以
楽しい新年会からアッという間に1週間以上たちました。
色々とやるべきことの多い時期ですが、ブログの更新もペースを崩さないようにしていきたいと思います。
■創棋会の次回以降の課題
☆次回課題はネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」(15手以内)。
本年2月は、昨年、一昨年に続いてネット作品展「教材に使える詰将棋」を開催します。
今回のテーマは「駒の特性を学ぶ」です。
☆4月例会の課題は「局面の対比」(6月号作品展)。
ある局面から数手進むと局面が微妙に変化する。多様な表現があると思います。
昨年例題を2作紹介していますので参照下さい。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-238.html
■創棋会の次回課題は「教材に使える短編」
創棋会の次回課題はネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」(15手以内)です。
「教材に使える詰将棋」は今回で3回目となります。
当初は長めの手数の詰将棋にチャレンジいただき、詰将棋の楽しさや面白さを知ってもらおうということで「教材に使える10手台」というタイトルにしたのですが、二桁手数の作品ばかりではハードルが高いので、今回は手数区分を15手以内の短編としました。
今回のテーマは「駒の特性を学ぶ」です。
駒の力を発揮した詰手筋、駒の特徴がよく現れた手順、そういう作品に触れることで詰将棋の面白さや妙味を知っていただき、ますます詰将棋を好きになっていただきたい。そう考えた次第です。
例題は、このあと紹介させていただきます。
作家の皆さまには、課題に相応しい作品の投稿をお願いします。
投稿作は2月例会で選考し、2月下旬に本ブログで一斉出題の予定です。
◇例題紹介
「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」
今回は「香」の特性を学べる作品を紹介させていただきます。
原田清実作 詰パラ1984年6月(『現代詰将棋短編名作選』第93番)

一作目は短手数のものから。
63から飛車を打って56玉に36の角を動かして開き王手をする筋が浮かびます。
しかしそれでは46に合されて詰みません。
飛車を温存して攻めたいところです
初手69香と打ってみましょう。格言にも「下段の香に力あり」と言いますから。
66合なら63飛から66飛成がピッタリです。67中合も67飛成があります。
69香には55玉と逃げる一手。
そこで59香とさらに香の遠打で迫ります。79・69・59と香が三本並んだところは壮観ですね。
59香に57合は66飛の一発。
58の中合も角金銀しか打てないので同香で簡単。
46玉と寄るしかありません。
玉の動けるところはありません。開き王手が見えています。持駒に飛車もあり、どうやっても詰みそうです。
しかし63角成には47玉と潜り込まれてダメ、27角や18角にも47玉と逃げ込む手があります。47玉を防いで25角や14角とするのは45玉と別の脱出口があります。
ちょっといい手があります。
45飛と捨て同香と取らせて58角と引くのです。
こうすれば45玉も47玉も阻止できます。
しかし57玉と丸い角頭に逃げられると続きません。
ここで角が69まで引ければ詰むということに発想が及ぶかどうか。
そうです。初手は68香と打つのです。こう打っても55玉と逃げる一手。そして59香と打ちます。
<3手目:59香>

これなら46玉に45飛と退路を封鎖して、同香に69角までの見事な詰上り!
七手詰競作展で見事一位に輝いた名作。
【手順】68香、56玉、59香、46玉、45飛、同香、69角まで7手詰
伊藤 果作 東京スポーツ1981年8月6日
(『現代詰将棋短編名作選』第58番、『果し状』火の巻「実戦図式」第5番)

手がかりの乏しい形ですが43桂の利きで31からの脱出が出来ないので、意外に狭い玉です。
持駒は豊富なので物量に物を言わせて攻めてみましょう。
14香と打てば22玉と引く一手。
そこで13金と打ちこむのが俗手の好手。
21玉なら22金打があり、同飛は31金、同角なら12金の重ね打ちがちょっと面白い変化。
同香と取る一手に、同香成、同玉と清算してしまえば、もう一度取った香を14に打って22玉に12金までの詰み。
あれ? 金が余りました。おかしいですね。
もう一度見直すと、13同香成に11玉と引く手がありました。
持駒は金金香と豊富ですが、32飛と33角の守備が強力で、僅かに届きません。
どうすればよかったのでしょうか?
11玉と引かれないようにするのがポイントです。
13同香のときに12金と捨て、同玉と取らせて13香不成とするのが好手順です。
<7手目:13香不成>

こうしておけば玉は11に下がれません。
まさに香の特性が発揮された一着です。
取れば14香から並べ詰み。(実は変化同手数なんですが…)
21玉とかわして頑張りますが、22香と焦点に捨てるのが軽い決め手。
何でとっても金打ちまでです。
【手順】14香、22玉、13金、同香、12金、同玉、13香不成、21玉、
22香、同玉、12金まで11手詰
河辺昭光作 近代将棋1955年6月(『古今短編詰将棋名作選』第57番)

二枚の馬を活用したいのですが、37馬には25玉、36馬なら15玉と逃げられてしまいます。
ここは格言通り28香と、香を離して打ちましょう。
27歩合とされると困ったようですが、同馬が強手。15玉なら26馬から15馬と捨てて33馬と入れば詰み。27同桂成も同香、同玉、37馬、17玉、18飛から詰みます。
28香には17玉が最善です。
ここで気持ちの良い手が出ます。18馬と捨てるのです。
同玉の一手に、27香と一マスだけ動くのが好手。
<5手目:27香>

26よりも先に動くと17玉とかわされて26から逃げ出されます。
27香なら17玉には28馬までというわけです。
同玉と取りますが、37馬と引き、17玉に18飛と捨てるのが決め手。
28から離して打った香を一つだけ27に動くのがユーモラスな味。
香の特性が活かされた一局です。
【手順】28香、17玉、18馬、同玉、27香、同玉、37馬、17玉、
18飛、同玉、28馬まで11手詰
小島 茂作 将棋世界1980年6月(『現代詰将棋短編名作選』第40番)

47香を動かして開き王手ですがどこに動かすか?
43に成ってみましょう。
66玉は76飛がありますから46玉と寄りますが、47飛と打てば56玉の一手。
47飛を動かして開き王手ですが、どこに動かすか?
43には成香がいますから44飛と浮くくらいですが、今度は66玉と寄られて困ってしまいます。
47飛の行動範囲を考えていると、いい手が閃きませんか?
まず初手は41香成とします。
<初手:41香成>

46玉、47飛、56玉までは同じですが、成香が41にいるので42飛成と出来ます。
<5手目:42飛成>

41の最遠地点に移動したのはこの42飛成を実現するためでした。
これには66玉と戻るしかないのですが、そこで62龍と回って合駒を請求します。
仮に43飛成としていたら63龍と回るしかなく、それは同馬と取られてダメです。
41香成~42飛成~62龍が一連の構想だったわけです。
62龍に角金銀合なら取って57から打てば詰み、桂合も58桂がありますから、最善は64飛合です。
これも同龍と取り、同馬に65飛と捨てるのが決め手。
同馬と取らせて、39馬と寄れば収束です。
なお初手46香の紛れについて一言。
46香は同玉の一手ですが、こうしておけば47飛、56玉のとき、42や41に飛が成れます。香を取らせることで飛車の進路を開いたわけです。
しかし66玉に62龍と回ったとき、玉方の持駒には香が加わったので、64には香合をされ詰みません。
変化と紛れの切り分けも上手く出来ています。
本局は香の最遠移動を巧妙に演出した好作です。
【手順】41香成、46玉、47飛、56玉、42飛成、66玉、62龍、64飛合、同龍、同馬、
65飛、同馬、39馬、56玉、57馬まで15手詰
今回は「香の特性」ということで、15手までの作品を4作紹介させていただきました。
皆さまからの教材に相応しい好作の投稿をお待ちしています。
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2019年2月17日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
交通 地下鉄中央線・JR環状線 弁天町駅 徒歩7分
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
[会費] 無料
[課題] ネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」(15手以内)。
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2019年4月21日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費] 無料
[課題] 6月号作品展「局面の対比」(29手以内)
課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin @ gmail.com
以
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿