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【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」PartⅡ<最終回>

■【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」PartⅡ<最終回>

 1月に作品募集を始め2月に出展、そして結果発表も今日が最終回。
 気がつけば5月。つつじが満開でした。
第9回

 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台PartⅡ~実戦に役立つ詰将棋~」には、13名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、馬屋原剛、奥鳥羽生、金少桂、久保紀貴、則内誠一郎、占魚亭、
   竹中健一、中出慶一、福原徹彦、松尾裕、山路大輔、山本勝士

 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 実戦に役立つ手筋満載の作品が揃っていたので、楽しんでいただけたのではないかと思います。

 それでは結果発表の最終回です。

「力試し」 妻木貴雄作
特

【作意】34桂、同歩、31角、12玉、24桂、同歩、23銀、同玉、32角、12玉、
   21角成、同玉、24龍、31玉、33龍、21玉、22歩、12玉、24桂迄19手。

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.73、A:8、B:3、C:0、
  誤解:0、無解:1、無評価:1

作者のことば
 形を見て、一瞬でも「実戦で出てきそう」と思っていただければ嬉しいです。

★11作目の作品は、美しい初形ですが、少々難しいのではないかと考え「力試し」とさせていただきました。
 本作のみの解答もいただき、非常に好評でした。

 この初形で持駒に角角銀とくれば、31角から読みたくなります。
 31角に12玉なら、24桂と捨てて13銀から清算すれば33龍と入って詰みます。
 しかしあっさり31同玉と取られると、42銀、22玉、31角、12玉で息切れ。
 31同玉に42歩成とひねって攻めるのも、同玉、44龍、43歩合で続きません。
 それでは角二枚を残して31銀はどうでしょうか。これは12玉と寄られて次の手がありません。
 31角や銀がだめなら桂を打つしかありません。34桂と打ちます。
 12玉なら、24桂、同歩、13銀がうまい手作りで、同桂(同玉は31角)に21角と捨てれば24龍があって簡単です。
 34同歩と応じるしかありませんが、33をこじあけて何か得になることがあるのでしょうか?
 34同歩には31角が継続の好手です。
 同玉と取れば34龍があります。これが34桂捨ての効果です。33歩合と受けても、42銀、22玉、31角と追って、12玉に13歩と打てます。同桂に22角成と捨て同玉に33銀成から駒余りの詰み。33に角合なら42銀から33銀成と角を取り31角と打てば詰みます。
 31角には12玉とかわすのが最善ですが、ここからの寄せが見事です。
 まず24桂と捨て同歩と取らせて23に空間を作ります。
 そこに23銀と打ち込みます。唯一のカナ駒を捨てる好手です。
 23同玉に32角が決め手です。同玉なら34龍がありますからこれは取れません。
 12玉と逃げますが、21角成から24龍と一歩稼いで、収束となります。
 補足ですが、5手目24桂のところで13銀は、同桂、24桂、同歩、21角、同玉、24龍、31玉、33龍と作意同様に追って、桂馬がないので詰みません。


金少桂:これは難しすぎる。初手31に捨てて33龍と切る筋がそれっぽすぎてかなり時間をとられた。

★31銀、同玉、33龍と龍を切るのは実戦的ですが、同桂、53角は21玉で逃れます。
 31角も有力に見えるので、初手の紛れは強力。

奥鳥羽生:出だしの王手はこれしかないのだが・・・。紛れよりも変化で苦しむが、煩雑さはない。人生も実戦も変化多岐。

★31角や銀がダメなら34桂しかないのですが、2手目や4手目の変化を読まされます。
 実戦は変化多岐ですが、変化を読み切れず結論を急ぐと難局になることもしばしば。人生も同様?

福原徹彦:力試しだけあって難しかった。作意より、4手目同玉34龍の合駒読みが大変でした。

山本勝士:簡潔な図面良し。作品として味わう詰将棋素晴らしい。3手目31角、同玉、34龍以下の変化が、よくこんなにうまく成立したものと感心させられる。

★同手数駒余りで割り切れていますが、煩雑さはないと思います。

中出慶一:収束が緩むものの、実戦型とは信じられない手順の好作で短大で登場してほしい出来です。

★19手というのは短編でもなく、中編としてはやや短い、難しい手数ですね

有吉弘敏:4手目同玉の変化はなかなか読み切れないですね。もしこれが作意なら、もう一手好手が欲しいところです。

★後半にもう一手あれば、相当な好作ですね。

山路大輔:桂捨てからの角捨てがなかなか見えない。実戦で出てきてもおかしくない一局。

★31角に同龍で詰むことを読み切らないとなかなか指せない手ですね。

占魚亭:31角の前に桂を打ち捨て空間を開ける伏線。4手目同玉の変化をクリアすれば楽々。

★二度の桂捨てが良いアクセントです。一つは質駒づくり、一つは捨駒の空間づくり。いずれも実戦の役に立ちます。

馬屋原剛:34桂~31角で簡単と思ったら12玉がしぶとかった。

★34龍が詰み形と見破った貴方は強い!

竹中健一:難しい変化もなく、素直な問題。詰むということを知っておくと便利かな。

★実力者の感想は違いますね…。
 10手目32同玉に34龍の一間龍の形は覚えておいて損のないところです。

松尾裕:3四桂から3一角のコンビネーションを発見できるか、また、3一角を同玉とした場合の合駒の読みなど、「教材」の発展問題としてぴったり

★松尾さんは本作のみ解答いただきました。的確なコメントありがとうございます。

則内誠一郎:練習をクリアした人の鍛錬用の教材。

★「力試し」に相応しい一局でした。

久保紀貴:34桂~31角、そして23銀~32角は妻木氏らしい力強い手作り。よくこれだけ綺麗な形に纏まるものだと思います。 

★作品展の最後を飾る好作でした。

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それでは皆さんからいただいた総評を紹介させていただきます。

有吉弘敏:駒交換が無く駒取りも比較的少なく難易度も均等で良かったです。

★昨年は出題数も多め(15作)で、少し骨のある作品もあったので、今年はそのあたりを考慮したつもりです。

竹中健一:確かに教材(素材)になりそうな実戦型が多く、参考になりました!
   なお、ツイッターでも宣伝しておきました。解答者が増えるといいですね!

★解答をいただくだけでなく、PRもしていただき感謝申し上げます。

馬屋原剛:とり研の会場でスラスラ解けたので解答しました。久しぶりに解答の楽しさを思い出しました。

★とり研にお邪魔した際、参加者の皆さん出題作を紹介。数人の方から解答をいただきました。皆さんありがとうございました。

福原徹彦: 実戦型であり、かつ詰将棋的手筋で詰む作品は解いて気持ちが良いものです。
 出題作は概ね作品展主旨に沿っていたのではないかと思います。

★「解いて気持ちが良い」というのは詰将棋を好きになるためにはとても大切なことです。今回の作品展が、詰将棋を好きになるきっかけとなれば、こんな嬉しいことはありません。

占魚亭:今回のネット作品展も楽しめました。評価は甘めかも。

★「教材に使える10手台」は、詰将棋の楽しさ、面白さを伝えられるような『教材』が作れれば、多くの人により良い詰将棋との出会いが得られるのではないか、そういう想いから考えた企画です。
 昨年の一回目では『教え易い、分かり易い、覚え易い』という条件で、作品展には、初心者向けから上級者向けまで、不成や打ち換え、合駒といった基本手筋から、スイッチバックやアンピン、遠打ちや趣向といったちょっぴり高級なものまで、また実戦型から大道棋まで幅広い分野の好局が揃いました。
 今回は少し切り口を変えて、実戦派にも詰将棋の面白さを知ってもらうために、「詰将棋は実戦の役に立つ」ということを、作品を解いたり鑑賞したりすることによって感じ取っていただけないものかと考えました。
 詰将棋に取り組むことで「読みの力を鍛え」「詰み形を覚える」ことは、棋力の向上や終盤力アップに直接つながるものです。しかしそれだけでは「面白いから詰将棋をやる」ということにはつながりにくいと思います。
 解いて楽しく、実戦の役にも立てば、たちまち詰将棋の虜になる。そういう作品を集めたいと考えた次第ですが、多くの解答者の皆さまに楽しんでいただけたようで、ホッとしています。

☆さて解答募集の際、「解答者の中から若干名に呈賞、また『力試し』解答者は別枠で1名に呈賞」としていました。
 今回は、馬屋原剛さんと山路大輔さんのお二人に詰棋書を贈呈させていただくこととします。


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年6月17日(日)13時~
[場所] 大阪市立福島市民センター
   大阪市福島区吉野3‐17‐23
    地下鉄千日前線野田阪神駅、阪神電車野田駅、JR東西線海老江駅から徒歩5分。
    JR環状線野田駅から徒歩8分
       https://www.osakacommunity.jp/fukusima/
[会費] 無料
[課題] 今回は一般募集していません

***【次々回例会】*************************************************
[日時] 2018年8月19日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
       https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「すらすら解ける20手台 PartⅢ  」(予定)
       募集要項はあらためて案内させていただきます。

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以上



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