詰パラ1月号到着

<詰パラ1月号到着>

 あけましておめでとうございます。
 本年も創棋会とブログ「創棋会通信+α」をよろしくお願いします。

門松

■詰パラ1月号が到着
・表紙。有山さんは昨年12月号の創棋会作品展でも登場。少ない駒で合駒を紡ぎ出すのが巧みな方という印象です。スマホ詰パラで活躍されているという話から若い方を想像していましたがシニアの方とは意外。創棋会では世代の近いメンバーも多いのでぜひ顔を出していただきたいものです。
・詰将棋学校(12P~)。新年号です。各校の担当者の言葉から意気込みがうかがえます。
 小学校:今年が最後の担当とのこと。
 中学校:意欲的な狙いの追求と、解き心地の良さを両立。ハードルが高そうですが同感。
 高校:短評採用のツボが紹介されています。載らなくてもいいから解説者に読んでほしいという場合もありますが、短評が活字になるのは嬉しいものです。
 短大:毎回食指をそそる問題がありながら解答提出に至らず…。
 大学:年始に相応しい、しかもこの顔ぶれなら、楽しい作品が揃っていることでしょう。
 大院:1番は見るからに趣向っぽいですね。
・段級位認定(18P~)。プロ棋士、同人作家、看寿賞作家をはじめ実力者揃いのすごい顔ぶれです。
・内藤国雄の小ルーム(20P~)。締切が笑えます。毎号問題よりエッセーが面白いですね。
・新春詰将棋(22P~)。勝浦九段の特別出題。
・新人コンクール(23P~)。③の方は10月号に続く本コーナー登場。
・詰備会作品展(24P~)。②④は、手順どころか初形も記憶になし。作品鑑賞でPCからの投影を眺めただけなので忘却の彼方…。やはり少しでもアタックしていないと記憶に残らないものですね。
・全詰連の頁(24P~)。解答選手権と全国大会の話題。また「将棋が強くなる実戦1手詰」出版の予告も。柳田さんの精力的な活動には頭が下がります。
・持駒のある風景(26P~)。AIの囲碁ソフトが機械学習で強くなったという話はすっかり有名になりましたが、創作も機械学習が可能なのか?素人考えですが、創作は実戦と違って白黒の決着がつく世界ではないのでなかなか難しいように思いますが、どうなのでしょうか。
・おもちゃ箱だより(28P~)。年賀詰に関する記事。昨年は創棋会でもネットで年賀組曲を発表しましたが、今年は年賀詰の企画はなかったので、皆さんの作品を鑑賞させていただきたいと思います。
・ちえのわ雑文集(32P~)。石黒さんの「社団戦・参加者募集」。職団戦のように一日だけではなく数ヶ月かけて戦うというのは知りませんでした。詰パラのゼッケン着用は結構なPR効果が期待できますね。それにしても全国区のすごいメンバーを集めたもんですね。
・読者感想文(44P~)。知識の涵養に役立つというのは同感。私も例題探しでお世話になっています。
・サロン(45P~)。谷口均さんの「無駄合定義」の話。内容はほぼ同感ですが、解いた瞬間に有効っぽく感じる手というのはあり、定義上「無駄」とわかっていても違和感が残ります。これは個人差のあるところかと思います。
・会合案合(48P~)。1月も各地で例会開催。今月掲載外の九州Gやたま研も数えると8か所!創棋会は1月21日(日)が例会と新年会です。みなさんのご参加お待ちしています!
・デパート。今月から長谷川大地さんの担当。倉敷の全国大会では握り詰をその場で解くという凄腕を披露されました。また昨年の解答選手権ではアマチュアトップの成績でした。実力者の担当ということで今後に期待。

■創棋会の次回以降の課題
☆次回課題は「実戦に役立つ10手台
 本年2月は昨年に続いてネット作品展「教材に使える10手台」PartⅡ を開催します。
 今回のテーマは「実戦に役立つ」ことです。
 実戦型、囲い図式、格言の応用、実戦に応用できる手筋など、表現は自由です。

☆4月例会の課題は「ダブル不成」(6月号作品展)。
 「ダブル」の解釈は自由です。双方不成、同じ駒を二度不成、同一地点に二種不成など色んな表現があると思います。

■「教材に使える10手台」PartⅡ
 昨年2月にネット作品展「教材に使える10手台」を開催しました。
 詰将棋を生涯の趣味にできるかどうかはその出会いが影響するので、多くの人に詰将棋の楽しさ、面白さを伝えるには、よりよい教材が欲しい、そういう想いから、この企画を考えました。
 そのときの条件は『教え易い、分かり易い、覚え易い』というものでしたが、出品された作品は、初心者向けから上級者向けまで、 基本手筋からちょっぴり高級なものまで幅広い分野の好局が揃いました。

 今回は少し切り口を変えて、実戦派にも詰将棋の面白さを知ってもらうために、「詰将棋は実戦の役に立つ」ということを、作品を解いたり鑑賞したりすることによって感じ取っていただけないものかと考えました。
 「読みの力を鍛える」ことだけが目的で詰将棋を始めても、苦痛でしかなければ長続きしません。また「詰み形を覚える」なら、1・3・5手をたくさん解けばよいという考え方に一理あります。
 しかし詰将棋は幅も広ければ奥も深く、楽しい世界です。
 10手台だからこそ表現できる世界で、実戦の役にも立ち、詰将棋の楽しさも知ってもらえる、そういう作品を集めたいと考えた次第です。

 それでは、管理人の好みで選んだ例題を紹介させていただきます。

北原義治作 (『独楽の郷Ⅳ』第32番)
北原義治_郷Ⅳ№32

 いかにも実戦に現れそうな端正な好形。
 43金と13銀が守りに良く利いています。
 14桂が手筋風ですが、12玉とかわされます(14同銀なら31角から22金で詰み)。以下22金から清算しても22同玉、31角、12玉で息切れ。
 31角から13角成と切るのが実戦的な好手段
 実戦でも守りの金銀をはがすのは寄せの有力手段。
 13同桂と応じれば、22金、同玉、14桂、12玉、21銀、同玉に43馬と金を取って詰みます。
 最善は13同玉となります。
 25桂と打ち12玉と引いたときに、13金が好手。
 実戦では金を残したくなるところで、やや打ちにくい手です。

<7手目:13金>
北原義治_郷Ⅳ№32_13金

 13金は同桂と取るしかありませんが、同桂成、同玉と清算して、再度25桂と打ちます。
 12玉では13銀、21玉に43馬があるので22玉と逃げますが、33銀と打ち込みます。平凡ですが数の攻めは切れません。実戦の寄せでも大事なところかと思います。
 12玉と寄れば、13桂成が決め手です。

<15手目:13桂成>
北原義治_郷Ⅳ№32_13成桂

 13桂成は同玉と取るしかありませんが、そこで31馬と入れば33銀の効果で24には逃げられませんから、12玉に22馬までの詰みとなります。この馬(角)を使った収束は良く出てくる筋ですから実戦の役にも立つと思います。
 なお7手目に銀を打つと13手目は33金と打つしかなく、図で24に逃げ道が出来てしまいます。

【作意】31角、12玉、13角成、同玉、25桂、12玉、13金、同桂、同桂成、同玉、
    25桂、22玉、33銀、12玉、13桂成、同玉、31馬、12玉、22馬、まで19手詰

 北原義治さんは1935年生、2004年逝去。詰パラ初の同人作家で塚田賞15回受賞、発表は1000作以上という昭和詰将棋界の巨匠。
 『独楽の郷Ⅳ』は2000年8月に独楽工房・北風庵から発行。北原さんの自家製本で、実戦型未発表作が100局収録されています。

柏川悦夫作 まりも集1951年11月(『駒と人生』第30番)
柏川悦夫_人生№30

 攻方は42銀と24馬の強力な包囲網に持駒も豊富。
 実戦的に31角から清算するとどうでしょうか。31角、同飛、同銀、同玉に32飛と捨てると同玉、42飛、31玉、43桂で詰みます。しかし31角を取らず32玉とされると、33銀成、同銀、52飛、31玉、13馬、41玉でギリギリ逃れています。
 それでは14桂と持駒に桂があれば打ってみるのが詰将棋の常套手段。同金なら23飛、12玉、13歩、同桂、21角、同飛、同飛成、31飛と打って詰みます。しかし32玉と寄られると、54角、同歩、22飛と攻めても43玉でどうも詰みません。
 この変化で42銀が無ければ簡単に詰むことに気がついたら正解が見えてきます。
 まず31銀不成と捨てて42銀を消しにかかります。31同飛なら今度こそ14桂があり、同金、23歩、32玉、42飛までです。
 同玉と取ったときに、22角と捨てるのが好手。

<3手目:22角>
柏川悦夫_人生№30_22角

 41玉なら42飛から43桂ですから、同玉と取ります。
 これで不思議なことに原形から42銀を消すことに成功しました。
 あわてて14桂とすると31玉で詰まないので、52飛と打ちます。52から離して打つのが大事なところで、42飛だと32香合、14桂、31玉で詰みません。52から打っておけば42飛成と出来ます。格言通り「大駒は離して打て」です。
 52飛には42に利かして32金合と金の合駒が最善です。
 それでも14桂と攻めます。

<7手目:14桂>
柏川悦夫_人生№30_14桂

 14桂は同金と取らせて23歩を打つのが狙いです。金の頭に桂を打つのは詰将棋では有名な手筋ですが、実戦でも玉方金の守りを弱める手として応用範囲の広いものだと思います。
 14桂に同金と応じれば、23歩、31玉に32飛成と合駒の金を取って42金までの詰みとなります。

 自然な形から邪魔駒消去が現れるという柏川さんらしい意外性のある一局。
 42銀消去の後は、離し飛車や金頭桂の手筋などが実戦にも有用かと思います。

【作意】31銀不成、同玉、22角、同玉、52飛、32金、14桂、同金、23歩、31玉、
   32飛成、同玉、42金まで13手詰

 柏川悦夫さんも詰将棋界の巨匠のお一人です。このブログでも数々の好作を紹介させていただきました。


二上達也作 将棋世界1980年8月号
  (『将棋魔法陣』「二上詰将棋珠玉篇」第40番、『現代詰将棋短編名作選』第42番)
二上達也_現代短№42

 玉方の守りは34金だけ、攻方は51龍と53角に手駒も金銀とくれば、どうやっても詰みそうです。
 ただ逃げ場所が43と23に開いているので注意して攻めなければなりません。
 たとえば31龍とすると、23玉なら32銀と打ち24玉に22(21)龍とすれば、53角の利きが強力で捕まりますが、43に逃げられると34金の守りが強く、44金、同金、42龍と追っても54玉、44龍、65玉と大海に脱出されます。かといって42龍では23玉とされ32銀、24玉で龍の応援が利きませんから詰みません。
 正解は51龍を一マス動かして捨てる41龍です。同玉は42金まで、また23玉も23銀から21龍があります。
 41龍は43玉も23玉も許さない一手で、まるで十字飛車のようですね。
 22玉と寄るしかないのですが、ここで31角成では23玉と立たれて上部脱出。また23金から32銀は攻め急ぎで、13玉とかわされると続きません。
 もう一度31龍と寄るのが地味ながら好手段。

<3手目:31龍>
二上達也_現代短№42_31龍

 12玉なら32龍、また23玉なら32銀がありますから、13玉と逃げます。
 そこで23金と捨ててから、同玉に32銀とするのが正しい手順。ここは大事な変化があるので後述します。
 32銀に24玉は22龍があるので13玉とかわしますが、かまわず22龍が決め手です。

<9手目:22龍>
二上達也_現代短№42_22龍

 れは同玉の一手ですが、31角成と活用し、12玉に13歩と打てば同桂と取るしかなく、21馬までの詰みとなります。
 ところで7手目の32銀で21龍と桂を取る手があります。これには22歩合としますが、そこから32銀、13玉、22龍と同じように攻めることができます。同玉に31角成、12玉となった局面はなんと打歩詰。
 作意は21桂を残しておいたので13歩が打てるという仕組みになっています。先に32銀と打ったのは平凡なようでも取れる駒を取らずに攻める高級手段だったというわけです。

 攻方の龍が41→31→22と一マスずつ動いて玉を仕留めるのはユーモラスな手順ですが、龍を縦横に働かすのは実戦にも役に立つ駒の活用方法ではないでしょうか。
 また逃れ順のトリックも良く出来ています。さりげない実戦型から妙味ある手順が繰り出される好短編でした。

【作意】41龍、22玉、31龍、13玉、23金、同玉、32銀、13玉、22龍、同玉、
   31角成、12玉、13歩、同桂、21馬まで15手詰

 二上達也さんもプロ棋士として活躍されただけでなく、詰将棋作家としても非常に大きな足跡を残されました。


植田尚宏作 近代将棋1959年1月号(『古今中編名作選』補遺第11番)
植田尚宏_中編補№11

 本作も4×4に収まった好形実戦型。
 初手32飛のような数の攻めは14角が利いているので詰みません。
 ここは33銀と打ち、同桂と取らせて21飛と拠点を作るのが好手段。守備駒を動かしてその空間に駒を打つのは応用の利く手です。なお33銀に12玉と逃げるのは22飛、同銀、21馬の好手筋があり、同玉に32金打で詰み。また23玉と上がるのも32銀引で簡単。
 21飛に12玉と寄ったとき、24桂と捨てるのが軽手。これは同金の一手ですが、守備力が弱体化しました。実戦でも「金は斜めに誘え」という格言があります。
 同金と取らせたところで、11飛成と捨てるのが好手。11香を取るのがちょっと実戦的。

<7手目:11飛成>
植田尚宏_中編補№11_11飛成

 24桂捨の効果で上部脱出は出来ませんから、11飛成は同玉の一手です。
 ここで33馬としたくなりますが、軽く12玉と立たれると角金銀の守りが強く詰みません。
 13香と打つのが継続手段です。金を24に動かしたのは、13に空間を作るためでした。
 12に合すると21金までの詰みですから、22玉とかわしますが、ここで21馬と捨てるのが決め手です。

<11手目:21馬>
植田尚宏_中編補№11_21馬

 21馬は同玉なら12金を見た強手。「玉を下段に落とす」ことが狙いです。
 やむなく13玉とかわしますが、12金と打ち、23玉に32銀不成と捨てるのが最後の好手。同銀に22馬まで清涼詰となりました。
 実戦型から11飛成や21馬の大駒捨てを中心に、コクのある手順が展開される好局ですが、「金を斜めに誘う」「玉を下段に落とす」というのは実戦でも役に立つ手筋です。

【作意】33銀、同桂、21飛、12玉、24桂、同金、11飛成、同玉、13香、22玉、
   21馬、13玉、12金、23玉、32銀不成、同銀、22馬まで17手詰

 植田尚宏さんは軽快派と呼ばれ数々の好短篇を発表された昭和詰将棋界の巨匠のお一人。現在も将世や詰パラに好作を出品されています。


 今回は詰将棋の巨匠による実戦型の特集でした。いずれもきれいな実戦型から、好手妙手が飛び出します。実戦に応用の利く手段も盛り込まれていて、指将棋派にも楽しんでいただける好作揃いかと思います。


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし(皆さんの発表したいことがあればお願いします)
  ※終了後新年会開催!
  <日時>1月21日(日)18時~
  <場所>大和水産 福島店
    TEL:06-6458-8581
    大阪市福島区福島5-13-18 福島ビル 1F
      JR大阪環状線福島駅 徒歩1分
        *駅を出て南側、二本目の通り(マクドナルドがあります)を西に曲がって直ぐ。
    参考URL https://r.gnavi.co.jp/496uttxr0000/

<会費>3千円(学生・女性千円)
★参加いただける方は、予約の都合もあるので、下記宛ご一報いただければ幸いです。
   blogsokikaitusin@gmail.com

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年2月18日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
    https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
        投稿は→ blogsokikaitusin@gmail.com

***【その次の例会と課題】********************************************
[日時] 2018年4月15日(日)13時~
[場所] 未定(将棋会館または公共施設)
[会費] 未定
[課題] 「ダブル不成
        投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

※課題によって投稿先が異なりますのでご注意ください

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以上
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