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続・次回課題は「繰り返しのある短編」

<続・次回課題は「繰り返しのある短編」>

 先週(11/18~19)は大学時代の将棋部の友人と小旅行。三重県の伊勢まで行ってきました。
 将棋を指して観光。個人戦やリレー将棋の合間に、用意していた「次の一手」や「詰将棋」で解答競争をやったのですが、結構好評でした。
 景品には藤井グッズをいくつか用意し、これも好評。
 参加者からは現在のブームに触れて「学生時代に将棋をやっていてよかった」という一言もありました。

【二見浦の夫婦岩】
夫婦岩

【伊勢神宮(内宮)の入り口】
内宮入口


 ■創棋会の次回課題は「繰り返しのある短編」 
 創棋会の次回課題は「繰り返しを含む短編(17手以内)」です。
 12月の例会で選考、3月号作品展に掲載の予定です。
 「繰り返し」についての定義はありません。
 これまで「駒の繰替え」「同種駒の打捨て」「同一地点への捨駒」「翻弄」「対称形で左右での捨駒の繰り返し」など、数々の好作を例題紹介で取り上げさせていただきましたが、「繰り返し」の表現はまだまだたくさんあると思います。
 自由な発想で「繰り返し」を表現して、どしどし好作を投稿いただきますようお願いします。
 なお創棋会作品展には、特に応募資格はありません。会合に参加したことがなくても結構です。幅広く投稿を受け付けています。
   投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp


 それでは早速例題を紹介させていただきます。

山中龍雄作 詰パラ1961年10月号
(『山中龍雄作品集』第46番、『古今短編詰将棋名作選』補遺19番)
山中龍雄196110

 俗に23となどと攻めると25玉と上がられて、35馬には同角と13角が働いてくるので詰みません。しかし35馬と寄るような手では14玉と寄られ、27龍の守りが強力で手が出ません。
 ここは重いようでも35金と打つのが正解。
 後続手段が無さそうですが25銀が先まで読まないと指せない好打です。

<3手目:25銀>
山中龍雄196110_25銀

 25銀を同銀と取るのは23馬までですから、これは同龍と応じるしかありません。
 そこで24金と焦点に捨てる妙手が飛び出します。

<5手目:24金>
山中龍雄196110_24金

 25に龍を呼んでから、それを取らずに24に捨てるのが抜群に気持ちの良い一手です。
 初手に打った金を活用するのも非常に味が良い。
 この焦点の捨駒を玉・角・歩のどれで取っても23馬まで。これも25銀と捨てておいた効果です。
 24同龍と取らせて36馬と引けば詰み形です。
 25と移動合で26桂の一手詰を防ぎますが、それでも26桂と打ち24玉に35銀の活用が最後の決め手。
 35同龍に14馬で詰みとなります。

 玉方龍を25→24→25→35と翻弄するような感じの軽快作でした。
 山中さんの作品は先日のブログで角の回転を紹介しましたが、本作は龍の翻弄でした。
  
【作意】35金、14玉、25銀同龍24金同龍、36馬、25龍、26桂、24玉、
   35銀、同龍、14馬、まで13手詰


中村雅哉作 将棋世界1980年11月号(『現代詰将棋短編名作選』第44番)
中村雅哉作

 詰将棋慣れした人なら、31龍と廻って25桂までの詰め上がりが頭に浮かび、そのためには32歩を消去して、25香を24に打ち換えたいと考えるでしょう。
 初手23香成とやってみましょう。
 同角なら25桂と打ち32玉に33香、同角、同桂成、同玉と清算すれば、31龍でも42角でも詰むので、これは同玉の一手です。
そこで待望の24香と打ち換えます。

<3手目:24香>
中村雅哉_3手24香

 33玉は25桂、32玉、33香と学習済みの変化で詰みますから、32玉と逃げます。
 これで32歩を消すことが出来ました。
 となれば今度は31龍と廻る手を実現したいのですがどうすればいいでしょう。
 正解はもう一度香を打ち換えるのです。
 23香成と捨てて同玉に、今度は25香と打ち換えます。

<7手目:25香>
中村雅哉_25香

 25香に32玉と逃げるのは、24桂と打てます。23玉と応じても21龍、22合、32桂成までの詰み。
 ここは25桂が打てないので33玉とかわすのが最善。
 攻め方も待望の31龍です。
 32に何を合するか?
 23香成から24香の打ち換えが見えているので桂合が最強の受けです。
 それでも23香成から24香と攻めます。

<13手目:24香>
中村雅哉_24香

 24香には同桂と応じますが、34金と捨て、同角と取らせて、35桂まで桂吊るしの気持ちよい詰め上がりです。

 23香成と成捨て、香を打ち換えること三度。打ち換えのロジックも明快で、繰り返しも趣向的。とても楽しい作品です。

【作意】23香成、同玉、24香、32玉、23香成、同玉、25香、33玉、31龍、32桂合、
   23香成、同玉、24香、同桂、34金、同角、35桂まで17手詰


田原宏作 詰パラ1972年10月号(『風花の舞』第76番)
田原宏「風花」№76

 田原さんの作品も『風花の舞』から二作紹介しましたが、もう一局。
 ゴチャゴチャした印象のある初形。どこからほぐしていくか。
 36角の移動が第一感ですが、34龍には玉方33香の利きがあるので、龍を抜かれないように注意が必要。
となると、初手は27角の両王手しかありません。
 これには47玉の一手です。
 今度は、下手に27角を動かすと26とや39角に17龍を抜かれてしまいます。
 となると、36角の両王手しかありません。

<3手目:36角>
田原宏「風花」№76_36角

 これには38玉と逃げるしかありません。
 その局面、よく見ると初形から47金が消えています。
 しかし58歩が邪魔しているので36角の動ける場所が増えたわけではありません。
 じっと局面を見ると18銀を活用する手が見えてきました。
 29銀と捨てて同玉なら18龍まで。いや、そう簡単にはいきません。29銀には49玉と潜り込みます。
 ここまできてやっと47金が消えた効果が見えてきました。
 36角が58に利いているんですね。
 そこで38銀と捨てて、もう一度27角と引いて両王手。

<9手目:27角>
田原宏「風花」№76_27角

 27角には47玉の一手です。
 ここで49歩が消えた効果が現れます。49角と引くのです。
 17龍を抜かれても46龍までの詰みです。
 47金を消去し、49歩を消去する、その目的は49角を実現することにありました。
 何度も角を動かして両王手を繰り返すのがリズミカルな楽しい作品です。

【作意】27角、47玉、36角、38玉、29銀、49玉、38銀、同玉、27角、47玉、
   49角、17角成、46龍まで13手詰


上田吉一作 詰パラ1992年2月号
上田吉一作199202

 桂が三枚もあるので28や48から打ちたくなります。
 たとえば48桂に同飛成なら、35金、46玉、47歩、同飛成、45金、36玉、28桂という詰筋がありますが、48同角成と応じられて詰みません。
 また28桂も同飛不成と取られ、35金、46玉、38(58)桂と迫っても同飛不成と応じられて打歩詰です。
 このままではうまくいかないので35金と寄ります。
 46玉と寄ったところで58桂と打診します。

<3手目:58桂>
上田吉一作199202_58桂

 今度は飛車で取るしかありません。
 同飛成なら、47歩と打ち同龍と取らせて45金と寄れば、36玉に28桂までです。
 玉方も同飛不成と応じます。
 このままでは打歩詰ですから、45金と寄り、36玉に48桂と打診します。

<7手目:48桂>
上田吉一作199202_48桂

 飛車が5筋に移動したので同角成と応じては28桂の一手詰。
 かといって同飛成と取るのは、37歩、同龍、35金、46玉、58桂までです。
 そこで再度、同飛不成とします。
 これで飛車を48に移動させることが出来たので、35金と寄り、46玉に47歩と打てば同飛成と取る一手です。調子に乗って同飛不成は58(38)桂の一発。
 再度45金とすると、36玉に28桂までの詰み上がりです。

 58桂と48桂捨てで飛車を翻弄、玉方も不成で応戦、その舞台を作る35金・45金の移動がちえのわ風です。上田さんが作るとどんな作品も趣向作のように見えます

【作意】35金、46玉、58桂同飛不成45金、36玉、48桂同飛不成35金、46玉、
   47歩、同飛成、45金、36玉、28桂まで15手詰


 例題は管理人の感性で「繰り返し」が表現されたと思われるもの選んでいます。
 今回はいかがでしたか。
 皆さまからも、楽しい作品の投稿をお待ちしています。


***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」。17手以内
   投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
   編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし
   ※終了後新年会開催!
     場所は決定次第連絡させていただきます。

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