次回課題は「繰り返しのある短編」

<次回課題は「繰り返しのある短編」>

■創棋会の次回課題は「繰り返しのある短編」
 創棋会の次回課題は「繰り返しを含む短編(17手以内)」です。
 12月の例会で選考、3月号作品展に掲載の予定です。
 「繰り返し」についての定義はありません。
 これまでの例題紹介では「駒の繰替え」「同種駒の打捨て」「同一地点への捨駒」「翻弄」「対称形で左右での捨駒の繰り返し」などを紹介してきましたが、まだまだ「繰り返し」の表現はたくさんあるとおもいます。
 自由な発想で「繰り返し」を表現していただければ幸いです。
 創棋会作品展には、特に応募資格はありませんので、皆さまからの投稿をお待ちしています。
 投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp


 それでは早速例題を紹介させていただきます。

鳥越九郎作 詰パラ1956年3月号(『凌雲』第40番)
鳥越九郎作

 まず一作目は鳥越九郎さんの作品です。
 68金の一手詰? いや68には35の馬が利いています。
 角や銀を78(76)から打つのは57玉とされると続きません。
 となると57玉を防ぐためには58から金銀を打つしかありません。
 58銀なら玉方は同龍の一手です。
 76角とすると57玉、58金と手は続きますが46玉とされて捕まりません。
 58同龍には78角と打って57玉には56金打を用意するのが正解。

<3手目:78角>
鳥越九郎作_78角

 78角と打たれれば同龍と応じるしかありません。
 そこで継続手段が76銀打です。

<5手目:76銀打>
鳥越九郎作_76銀打

 57玉には47金打までですから、これも同龍と取ります。
 八段目から龍の利きが消えましたので58金打までで詰みました

 攻め方の捨駒を同龍と取る手が繰り返されます
 終わってみれば、56→58→78→76と玉方の龍が一回転。
 龍の回転をキレイに表現した作品です。

 前々回のブログで山中龍雄氏の角の回転を紹介しましたが、本作は龍の回転でした。

【作意】58銀、同龍、78角、同龍、76銀打、同龍、58金打まで7手詰


田原宏作 『風花の舞』第79番(2003年7月発行)
田原宏作№79_

 田原さんの作品も前々回紹介しましたが『風花の舞』からもう一局。

 23玉とされると攻めの継続が難しそうなので22飛成とします。
 23合は25金の一発ですから34玉とします。
 ここでじっと32龍と寄ります。33合には35金を見ています。44玉なら45銀から56銀で脱出阻止できます。
 危ないようですが、32龍には24玉と戻って耐えます。22龍なら34玉で千日手。
 ここで25銀と捨てるのが打開の好手。

<5手目:25銀>
田原宏作№79_25銀

 これは同玉と取る一手ですが、23龍と一間龍の形で迫ります。
 24合は26金があるので35玉とかわします。
 対して33龍と寄れば25玉と、先ほどと同じように受けますが、今度も26銀と捨てるのが好手です。

<11手目:26銀>
田原宏作№79_26銀

 これも同玉と取るしかありません。
 24龍と迫ります。
 36玉と寄ったところで、37金が決め手です。
 同玉と取らせて27龍までの詰み。

 龍がせり上がるように32→23→33→24とノコギリ状に移動し、その間に25銀、26銀の捨駒が繰り返されます
 ミニ趣向の雰囲気を感じさせてくれる一作です。

【作意】22飛成、34玉、32龍、24玉、25銀、同玉、23龍、35玉、33龍、25玉、
   26銀、同玉、24龍、36玉、37金、同玉、27龍、まで17手詰


三輪勝昭作 詰パラ1977年6月(『幻の城』第40番)
三輪勝昭作№40

 団子状態の飛車と金が目立つ初形です。
 何となく33馬と金を奪って22金までといった収束もちらつきます。
 その筋を目指して11飛と捨てます。
 同玉には13香と捨てて穴塞ぎ。
 同金にあわてて33馬は同馬と取られてしまうので12歩と叩くのが好手筋。
 11飛、13香、12歩の三連捨ては三手一組の気持ちよい手順です。

<5手目:12歩>
三輪勝昭作№40_12歩

 12歩を同金は21金までですから、これは同玉の一手です。
 これで34馬と飛を取ることが出来ます。
 同金なら22飛があるので23金左と寄るのが上手い受け。
 ここで14香は同馬と取られ、11飛、同玉、33馬としても12玉とかわされて続かない。
 単に11飛と捨てるのが正解。
 同玉に、33馬と急ぐのは同馬があるので、13香とします。

<11手目:13香>
三輪勝昭作№40_13香

 同金に12歩
 11飛、13香、12歩、この手順、どこかで見た運びですね。
 そうです。前半34の飛車を奪うまでの手順がここで再現されました。
 手順が進んでも、良く似た舞台が現れて、同じ手順が繰り返されるのは、何となく不思議な感じがします。
 同金と取らせれば33馬と金を取って、同馬に21金までの詰みとなります。

 11飛、13香、12歩という三連打が二度繰り返される のは、とても楽しめる構成です。
 必要最小限の配置でその手順が実現されていることも素晴らしいです。

【作意】11飛、同玉、13香、同金、12歩、同玉、34馬、23金左、
     11飛、同玉、13香、同金、12歩、同金、33馬、同馬、21金打まで17手詰

 『幻の城』は三輪さんの作品集で2014年に発行されました。
 収録作品が粒ぞろいなのは当然ですが、配列が詰パラ形式になっているのがユニークで、何よりも解説陣が著名メンバー12名という、豪華な内容です。


上田吉一作 将棋天国1979年3月(『極光21』第41番)
上田吉一№41

 最後は中編作です。
 前回対称型から左右で繰り返し風の手順が現れる大塚さんの作品を紹介させていただいたのですが、雰囲気の良く似た作品が上田さんの作品集にありました。

 初形73龍以外は左右対称です。
 まず43桂打とします。52玉なら62龍と切って金打までですから同金と取ります。
 そこで41と と捨てれば、同玉に43龍と一間龍の形になります。
 さて何を合するのが正解でしょうか?
 31歩成、同玉、32金の筋があるので、横に利く飛車か金しかありません。
 飛車合は、33桂、同角、31金、51玉、63桂打、同金に42龍があります。同玉なら41飛、また同角には61飛と打てるので、63の金を奪って駒余りの詰みとなります。
 最善は42金合です。

<6手目:42金合>
上田吉一№41_42金

 ここで31金、51玉、63桂打、同金、61と、同玉、63龍と同じ手順を繰り返したくなりますが、62金合とされると持駒が減っただけで何もメリットがありません。
 この局面で33桂打がパズルを解決する鍵です。
 33桂に51玉なら63桂から61金がありますから、これは同角の一手です。
 これで44角を33に移動させることができました。
 33同角とさせてから、31金と打ち、63桂打~61と~63龍と進めます。
 ここで62金合は直ちに同龍と切って金二枚の並べ詰み。44に角がいると62龍は同角で逃れるのですが33桂の効果でそれを防いでいます。
 71歩成を防ぐには62飛合しかありません。

<16手目:62飛合>
上田吉一№41_62飛

 71金から43桂~43龍の筋は42金合とされて詰みません。
 ここは同龍とします。同玉に63金と押さえ、51玉に43桂不成と活用すれば、同金に41飛までの詰み。
 左右で桂と と金を捨てる趣向的な手順が繰り返され、謎解きのパズルの面白さも併せ持った作品です。

【作意】43桂打、同金、41と、同玉、43龍、42金合33桂、同角、31金、51玉、
   63桂打、同金、61と、同玉、63龍、62飛合、同龍、同玉、63金、51玉、
   43桂不成、同金、41飛まで23手詰


 例題は管理人の感性で「繰り返し」が表現されたと思われるもの選んでいます。
 今回はいかがでしたか。
 皆さまからも、楽しい作品の投稿をお待ちしています。


***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」。17手以内
       投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
       編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし
  ※終了後新年会開催!
   場所は決定次第連絡させていただきます。

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   blogsokikaitusin@gmail.com
以上
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