詰パラ11月号到着

<詰パラ11月号到着>

■詰パラ11月号が到着
・表紙は馬屋原さん。初登場は驚き。氏の腕をもってしても表紙の条件だったのですね。
・詰棋校(12P~)。
 小学校:今月も東西ネタですね。中国地方3名は珍しい?各校眺めた範囲では、北海道・東北・四国が0名でした。
 中学校:解答選手権年鑑で担当者の雄姿を拝見しました。私なんかは解答競争も交流の場のように思うのですが? また公平性云々は素晴らしいポリシーで敬意を表しますが、それと人付き合いの良さはまた別ものかと思います。
 高校:同人作家に看寿賞作家の揃い踏み。
 短大:こちらも豪華メンバーですね。23の持駒の多いこと。全部打っても21手かかりますが作意は?
 大学:大学も豪華メンバー。武島さんは高・短・大に登場。同人入りおめでとうございます。
 大学院:趣向的な初形の作品と難解ですという作品が並ぶと、食指が動くのは解いてみようという気にさせる作品の方ですね。やさしい大学院が待たれます。
・内藤国雄の小ルーム(18P)。“ふたりっ子”の話は面白い。立場変われば、という話はどこにでもありそうですね。必至問題も手数が長くなると、妙手が見えるかどうかだけでなく読みの力が問われるのを痛感。
・たま研作品展(20P)。40名参加はすごいですね。その場で作品を集めたら素晴らしいアンソロジーが出来そうな豪華メンバー。
・大道棋教室(22P)。野曽原さんが大道棋デビュー!
・全詰連の頁(24P~)。「看寿賞作品賞」の正誤表。真摯な対応に頭が下がりますが、歴史に残る一冊となれば、重版では万全を期したいとの想いには同感。
・持駒のある風景(24P~)。詰将棋一番星は興味深い内容。調べるのは大変ですが読み物としては面白い。
・大道棋よもやま話(28P)。創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」から2題が紹介されています。
・ちえのわ雑文集(30P~)。「ツイッターでの煙詰の共同創作」の話。昔なら郵便将棋風に創作したというところですが、電子通信機器を使えばネットワークの広がりもスピードもアナログの時代とは比較になりませんね。
・読者感想文(46P~)。第一号は田口さん。ご自身が解説した作品が短編名作選や看寿賞作品集に収録されているのを探すというのは極上の楽しみ。
・サロン(48P~)。
 谷川幸永さんの半期賞〔解答の部〕受賞の言葉は面白い内容。無評価の位置づけはユニークな視点。ライバルには微苦笑。他の人のも読んでみたくなりました。
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ についても紹介させていただきました。


■創棋会の次回課題
 創棋会の次回課題は「繰り返しを含む短編(17手以内)」です。
 12月の例会で選考、3月号作品展に掲載の予定です。
 「繰り返し」についての定義はありません。
 自由な発想で「繰り返し」を表現していただければ幸いです。
 創棋会作品展には、特に応募資格はありませんので、皆さまからの投稿をお待ちしています。
 投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp


 課題の例題紹介の前に前回紹介させていただいた長谷繁蔵さんの作品に関連したことを少し書かせていただきます。

長谷繁蔵作 詰パラ1962年9月号(『古今短編詰将棋名作選』第103番、『凌雲』第63番)
長谷繁蔵196209

【作意】27銀、29玉、18銀、38玉、58龍、48銀合、27銀、29玉、69龍、同香成、
  18銀、38玉、39歩、同銀成、27馬まで15手詰

 最近ネットで取り上げられていたのが話題の新人 岸本祐真さんと看寿賞作家 上谷さんの作品。ここでは代表して上谷さんの作品を紹介させていただきます。

上谷直希作
上谷直希作

【作意】26金打、18玉、29角、同歩成、38龍、28銀合、19歩、同と、28龍、同と、
  27銀、17玉、19飛、同と、18歩、同と、16金、27玉、26金引まで19手詰
(上谷作の詳しい解説は下記URLを参照ください
https://www.akatsuki-shogi.com/blog-1/kan-shou-shang-zuo-jia-gakao-eteirukoto

 上谷作の6手目28銀合は後で取られる駒なのにわざわざ価値の高い駒を合駒する不思議な手ですが、歩合では7手目いきなり29龍とすれば同歩成と応じるしかなく、直ちに19歩と打つことが出来るのですが、銀ならば29同銀不成として打歩詰に誘致できるというわけです。歩桂香は9段目に不成が出来ないことを逆用した高級手筋と言えます。

 先に紹介した長谷作も6手目48銀合は、同じ手筋を実現した作品です。『凌雲』を読み直すと、川崎弘さんから駒が9段目に行くと成らなければならないのを利用した作品が過去にないと教えられて作ったということが創作の経緯として書かれていました。前回紹介時にその点に言及できず失礼しました。


 それではいつものように課題作の例題を紹介させていただきます。
 まず一作目はベテラン山中龍雄さんの作品です。

山中龍雄作 詰パラ1962年4月号(『古今短編詰将棋名作選』補遺22番)
山中龍雄196204

 持駒は豊富。さてどこから手がかりをつけるか。
 初手は24金が、上部脱出を防いで、44角の勢力圏に玉を呼ぶ一石二鳥の好手です。
 同玉は33角成から23銀、また15玉は25金から26金打があるので同角と応じます。
 ここで15金と打つのが妙手。

<3手目:15金>
山中龍雄196204_15金

 同玉なら26金、同歩、25金で詰むので、同角と応じます。
 そこで26桂が軽手。これも同角と取るしかありません。
 角の利きがずれたので、もう一度24金と捨てれば同玉の一手です。
 あわてて33角成では35から脱出されますので35金と捨てて穴塞ぎ。

<9手目:35金>
山中龍雄196204_35金

 15玉と逃げても25金から駒余りの詰み。同角と取ります。
 以下、33角成から23銀までの詰みとなります

 金の打捨てを同角と取らせる手が何度も繰り返されます
 終わってみれば、24→15→26→35と玉方の角が一回転。
 角の回転をキレイに表現した好短編です。

【作意】24金、同角、15金、同角、26桂、同角、24金、同玉、35金、同角
  33角成、14玉、23銀不成まで13手詰


若島正作 詰パラ1982年6月(『盤上のファンタジア』第19番)
若島正№19

 金気も成駒もないサッパリした初形。
 それもそのはず本作は創棋会の課題作「清貧図式」に投稿されたもの。
 実戦なら23歩成から13香と攻めたいところだが、12合、同と、同飛と応じられると41角が23地点に利いてくるので、続きません。
 23桂不成と跳ねる手を含みに11飛と捨てて13香と迫るのが正解です。
 平凡な12合では23桂不成で詰んでしまいます。
 しかし玉方には巧い受けがありました。
 12飛と移動合するのです。

<4手目:12飛>
若島正№19_12飛

 12飛は41角の利きを活かして23桂不成を防ぐ好防でした。
 これは同香と取るしかありません。
 12同玉となって飛香の持駒では手が無さそうですが、23歩成が軽手。

<9手目:23歩成>
若島正№19_23歩成

 これは同角の一手ですが、そこで13飛と捨てて13香と打てば、23角が質駒になっているので12合なら23桂不成まで。
 玉方も最後の抵抗で12角と引く移動合で凌ぎますが、それでも23桂不成で詰んでいます。

 11飛と捨てて13香と打つ、これが二回繰り返されます
 その間に、12飛の移動合や23歩成の軽手を挟んで、やさしいながらも楽しめる作品です。

【作意】11飛、同玉、13香12飛、同香成、同玉、23歩成、同角、
   11飛、同玉、13香12角、23桂不成まで13手詰


田原宏作 『風花の舞』第42番(2003年7月発行)
田原宏№42

 22馬としたくなりますが24玉とかわされると、33馬と戻っても16桂と打っても、25玉とされて続きません。
 ここは25桂と捨てて逃げ道を塞ぐのが手筋です。
 25同と寄なら、22馬、24玉に34銀成の好手がありますから、25同と引と応じます。
 それでも22馬と入り24玉となったところで、16桂と捨てれば、今度は取るしかありません。

<5手目:16桂>
田原宏№42_16桂

 16同とに33馬と戻せば、25玉には37桂があるので、13玉と引きます。
 そこでもう一度25桂と捨てます。

<9手目:25桂>
田原宏№42_25桂

 これは同と とするしかありません。
 もう一度22馬とすれば24玉の一手に、学習済みですが34銀成と捨てるのが味の良い手で同玉に33馬までの詰みとなります。

 22馬、33馬を繰り返し ながら、3度の桂捨てを絡ませて微妙に局面を変化させていく、パズル的な作品でした。

【作意】25桂、同と引、22馬、24玉、16桂、同と、33馬、13玉、25桂、同と、
   22馬、24玉、34銀成、同玉、33馬まで15手詰

 本作は紙誌には未発表で『風花の舞』に収録されたものです。
 『風花の舞』は2003年に発行され、田原氏にとっては10冊目の作品集となります。驚くのは1998年に『小駒の舞』を出版されてから僅か5年間で10冊の作品集を刊行されたことです。全部で1000作が収録されているのですが、未発表作も多数含まれていて、その創作エネルギーには圧倒されます。


廣瀬崇幹作 詰パラ2009年5月(『撫子』第122番)
廣瀬崇幹200905

 最後は中編作ですが、銀の繰り替えパズルを一つ紹介させていただきます。
 攻め方の包囲網は強力ですから逃げられる心配はありません。
 詰み形がちょっと見えないのですが、54龍と行きます。
 35玉に重いようですが、44銀と打ちます。
 これが大きな拠点で玉は一気に狭くなります。
 34玉の一手ですが、44銀を動かして開き王手すれば簡単に詰みそうです。
 しかし55銀と引いても53銀不成としても35玉とされると、44銀とするしかなく、34玉とされると元に戻ってしまいます。
 ここで46桂と捨てるのが局面を動かす好手。
 同と と取らせて55銀と引くのが46桂捨てとセットの好手順。

<7手目:55銀>
廣瀬崇幹200905_55銀

 46桂捨の効果で35玉とは出来ませんから33玉とする一手。
 これで33歩が消えましたが、この段階ではその意味はわかりません。
 33玉に44銀と攻め34玉に今度は53銀不成とします。

<11手目:53銀不成>
廣瀬崇幹200905_53銀

 33玉には42銀不成があるので35玉と上がります。
 そこで47桂と捨てるのがと金を翻弄するような味の良い一手。
 同と と取らせる意味は後でわかります。
 44銀不成と引き、34玉に、43龍、45玉、54龍、34玉と進むと45歩も消去できました。
 ここまで進めてやっと33歩消去と45歩消去の意味が分かります。
 ここからあわてて33銀成と両王手では34玉で詰みません。33銀不成が芸の細かいところです。
 同玉と取らせて45桂まで。
 この詰上りを実現するために二つの駒は邪魔だったわけです。
 初形から33歩と45歩が邪魔駒とはなかなか気づきません。
 また銀の運動の中で46とを翻弄するような2回の桂捨が絶妙のアクセントになっています。
長さを感じさせないリズム感と謎解きのパズルの面白さを併せ持った好作!

【作意】54龍、35玉、44銀、34玉、46桂、同と、55銀33玉44銀、34玉、
   53銀不成、35玉、47桂、同と、44銀不成、34玉、43龍、45玉、54龍、34玉、
   33銀不成、同玉、45桂まで23手詰


 例題は管理人の感性で「繰り返し」が表現されたと思われるもの選んでいます。
 二回目はいかがでしたか。
 皆さまからも、楽しい作品の投稿をお待ちしています。


***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」。17手以内
        投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
        編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし
  ※終了後新年会開催!
   場所は決定次第連絡させていただきます。

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