【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<13回目>

【結果発表】<13回目>
  ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ


 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
   占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠

 22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
   ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html

 それでは結果発表の第13回、本日は二作発表。
 一作目は柴田昭彦さんの作品です。

⑰ 柴田昭彦作
すらすら_17

【作意】
  57飛、37桂打、同飛、同桂不成、38角、17玉、18歩、同玉、19歩、17玉、
  29桂、同桂成、18歩、同玉、29金、17玉、18金、同玉、29龍、17玉、
  19龍、18合、29桂、まで23手詰

【正解】
  4手目→37同桂不成
  手数→23手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.30、A:4、B:5、C:1、誤解:1、無解:4、無評価:0

作者のことば
  どうも詰む将棋みたいですね。

★大ベテラン柴田さんの作品。
 昨年盤寿を迎えられた柴田さん、コンスタントに作品を発表される創作意欲には、あらためて敬意を表します。
 さて本作、作者のことばに反して誤無解が今回最多の5名を数える結果になりました。
 初手38角と打ってしまうと17玉と寄られ、18歩~29金や28金~29龍のような筋はいずれも17玉で打歩詰となります。
 57飛と引くのがうまい手です。同桂と取ってくれれば、同龍、37合、同龍~46角で簡単です。
 37に合駒するしかありませんが、38角、17玉、18歩、同玉、19歩、17玉に28金と捨て、同玉に29龍とする好手順がありますから、最後の29龍を防ぐため37に桂を打つのが最善です。
 37桂打には、同飛と直ちに切って捨てるのが英断の一手。38角と打ちたくなりますが、17玉に37飛としたとき取らずに27歩成の移動合が妙防で詰みません。
 37同飛を同玉では46角がありますから45の桂で取るしかないのですが同桂不成と応じるのが好手です。同桂成では、16角、17玉、18歩、同玉、19歩、17玉、29桂まで。29に利かせるための不成です。
 そこで攻め方も少しひねって攻める必要があります。
 まず38角と打ち、17玉に、単に29桂では18玉で詰まないので、18歩から歩を連打して19歩の拠点をつくってから、17玉に29桂と捨てます。これは同桂成と取る一手。質駒をつくっておいて18歩と突き捨て、39の金を29金から18金と捌きます。これで待望の29龍が実現します。17玉には19龍と回って18合に29桂までの詰み。


福原徹彦:紛れと分かっていても、初手38角から打歩詰の順に誘われます。57飛に気づけば、桂がよく働く好手順でした。

★打歩詰の局面が現れると思わず打開を考えてしまうのが詰キストの性(さが)…。

山下誠:トドメの2九桂を打つまでによく桂馬が飛び交う。

★45桂が二段跳びするのは好印象。

奥鳥羽生:桂合~桂生と歩の連打は手練れの手遊び。微妙なスラスラ度70点。

★歩の連打は、最後に18歩と突いて捨てる手が入ったので味が良い手順になっていますね。

竹中健一:これもすらすら解ける。予想通りの手順でした!

★流石に解答王にはすらすらでした。

kisy:難解作。創棋会で聞いた手順を必死に思い出して、苦戦しながらもなんとか解けました。4手目成ると16角から早く詰むんですね。

★変化にも18~19歩の連打の順が出てきます。

則内誠一郎:桂成の後の収束は好みが分かれる。

★桂を質にするところまでは軽快ですが、取ってからの処理がやや流れました。

三輪勝昭:収束がこれではダメ。

★最後の3手はやや間延びした感があります。

占魚亭:序はいい感じ。収束で失速したかなぁ、という印象。

★もう一枚大駒を捨てることが出来れば良かったのですが。

中出慶一:ながれる手順に、玉方桂不成を組み込んだ軽快作。収束も軽快と言えるも当然の手順であるのが少し弱いでしょうか。

★23手詰で頭4手にウェイトがかかりすぎ、以降は長い収束という印象になってしまいました。

金少桂:29地点が急所で何が何でも利かせる桂打合~桂生が一番の考えどころ。29で普通に清算しようとしても取ってくれないので、それを実現するためのやりくりが面白い。すらすら度50点

★前半の攻防は手ごたえのある応酬、後半は細かい捌きが続く作品でしたが、すらすら度はやや落ちました。


それでは二作目は中村雅哉さんの作品です。

⑱ 中村雅哉作
すらすら_18

【作意】
  31飛、22玉、14桂、同香、13角、同桂、33飛成、同金、31角、11玉、
  12歩、21玉、33桂生、32玉、42角成、22玉、21桂成、同玉、31馬、12玉、
  22金まで21手

【正解】
  7手目→33飛成
  手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.15、A:4、B:7、C:2、誤解:0、無解:1、無評価:1

作者のことば
●およそ40年前、高校2年生の頃に作った作品(未発表)の修正図。
 原図は51飛→61龍、41金→とで、15歩がなく3手目34桂以下余詰でした。
 実戦ぽい形と手順が取り柄だが、手順が弱すぎて使えないまま塩漬けしていた作品です。
 筋に入ればすらすら解けるはずです。
 気になるのは初手44桂や3手目34桂の紛れ。ここに引っ掛ると「すらすら」とは言えないかも。
 原図のように61龍型なら初手44桂の筋は緩和できるが、構図的には51飛型が好ましい。この点は皆さんの意見を聞きたいところ。
 狙いの1手は33飛成。歩を取る俗手でやや指しにくいかも。


★今回の出題は駒数順だったのですが、本作は盤面10枚、持駒4枚ということで18番目の出題となりました。しかし21桂・11香があり成駒のない端正な実戦型である本作は、好形作であることに変わりありません。
 金気が無いので詰み形が浮かびませんが、31飛と打ち、22玉に14桂から13角が筋らしい運びです。
 13角に11玉は22角打~21飛成で詰みますから同桂の一手。
 ここで持駒に歩があれば11角から32飛不成のような手もありそうですが(51飛が利いているのでその筋は詰まないのですが 笑)、それは無いものねだり。33桂成としても同金で続きません。
 ここで狙いの一手33飛成が出ます。ここで歩をパクるのは、かなりやりにくい一手です。
 しかし同金に31角と打つと俄かに視界が開けます。
 11玉に12歩と叩き、21玉にちょっと指しにくい味がありますが33桂生と金を取ります。
 最後に21桂成と捌くところはいい感じの収束です。


中出慶一:好形の実戦型で、3、7手目の好手を絡めて手順もきれいに纏まっています。

★すんなり解けた方には好評でした。

kisy:44桂が詰まないとは驚きました。41玉63角には52香合があるんですね。
作意はもちろん紛れも含めて楽しめる作品でした。

★紛れも楽しんでいただければ作者も本望。

金少桂:初手44桂で詰まないのが一番の驚き。第一感を裏切る手が多く、実戦ではとても詰められなさそう。すらすら度30点。

★初手は31飛の一手と思ったのですが筋が悪かった?
 44桂は投稿図一杯に詳細な逃れ手順が記されていました。

有吉弘敏:簡素な実戦形ですが難解。3手目34桂などの紛れにかなり魅かれました。
 31角は相当不詰感が漂いやりにくかった。

★34桂は同金なら33飛成があるのですが(以下同金、31角から42角成がある)、同歩とされ44角にも33香と受けられると詰みません。
 31角はこれしかないのですが、13歩から33桂生と俗に追う筋がパッと見えないと、不安になります。

奥鳥羽生:33飛成が英断、32飛生の筋ではなかった。スラスラ度65点。

★32飛生の筋は考えてみたくなるところ。

安田恒雄:じゃま駒消去の33飛成に続く25桂の2段活用が気持ちいいです。

★25桂が33→21と活用されるのは気持ちの良い捌きです。

三輪勝昭:33飛成は筋と見えてる手だけど、詰将棋の決め手の収束になっていない。手を読む楽しさはあるタイプの作品なので、スラスラ展向きじゃない。

★もう一手捨駒があればというところでしょうか。

竹中健一:33飛成とはなかなか見ない手ですね。初手もちょっと考えてしまいました…

★33飛成は意表をつく一手。

占魚亭:実戦的。

★駒を取る手が入ると、急に実戦らしくなりますね。

則内誠一郎:有段者の実力強化に大変役立つ。

★△分以内に詰んだら▼段。

福原徹彦:実戦型を手筋で詰ませる。狙いの33飛成が指しにくかったです。

★33飛成は14桂、13角という常用手筋の後だけに破調の一手と言えそうです。

山下誠:3三飛成からの実戦的な寄せが印象に残る。

★「寄せ」という言葉がピッタリ。
 評価も33飛成に集中しました。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
    https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
      遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
        投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
        編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

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