FC2ブログ

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<8回目>

【結果発表】<8回目>
   ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ

 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
  有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
  占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠

 22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
  ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html

 結果発表の第七回、今回も2作を紹介します。
 まず一作目は安田恒雄さんの作品です。

⑪ 安田恒雄作
すらすら_11


【作意】
  23角成、51玉、43桂、同角、41馬、同玉、43龍、42飛、53桂、21玉、
  32歩、同飛、41桂成、22玉、24香、11玉、22角、同飛、同香成、同玉、
  32飛、11玉、13龍、同桂、12歩、21玉、31成桂まで27手詰


【正解】
  5手目→41馬
  手数→27手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.00、A:2、B:7、C:2、誤解:0、無解:3、無評価:1

【作者のことば】
 この作品は昨年度の創棋会課題「持駒:歩桂香」に触発されて2作創作した拙作の内の1作です(他1作は投稿して採用いただきました)。序での香の使用さえ我慢できれば6手目以降、後半はスラスラといえるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。


★安田さんは簡素な好形から合駒を絡めた粘り強い手順を紡ぎ出される作家という印象があります。
 昨年の「すらすら解ける20手台」でも、4×4、盤面5枚の簡素形から合駒が何度も出てくる好作を発表されました。
 さて本作、初手は色々手のあるところです。
 43香は同角と取ってくれれば、同龍、51玉、52歩、62玉、74桂と追って詰むのですが、51玉でも31玉でも続きません。42銀成から54桂もありそうな筋ですが、31玉、33香、22玉とどんどん逃げられると手がありません。
 正解は23角成と捨てる手です。有力な手掛かりをなくすようで指しにくいのですが、同角には43龍があります。以下、51玉に54香と打てば、61玉には52龍があり、62玉なら74桂があり、いずれも詰みます。
 玉方は32合か51玉しかないのですが、まず32合の変化を確認しましょう。
 32歩合には42歩、51玉、43桂、同角、41歩成、同玉、43龍と角を取り、51玉に52香と打てば61玉には83角で、また62玉には74桂で詰みます。32銀合なら同馬と切り同玉、24桂、22玉、31銀、同玉、33香、22玉(41玉は42銀成から54桂)、32香成、11玉、12歩から清算して詰み。飛金合は同馬以下簡単です。
 23同角も32合も出来ないので51玉と銀を取ります。
 ここで54香なら53歩と捨合するのが妙手で、同香不成とさせてから52歩合とされると続きません。また単に53龍は52歩合なら24馬、33合、63桂、61玉(41玉は43香以下)、62歩、72玉、71桂成、同玉、74香、72歩合、同香成、同玉、84桂、82玉、46馬以下の詰があるのですが、52銀合とされると63桂のとき41玉と寄って詰みません。このあたり読みが入っています。
 34角が良く利いているので、金気のない攻め方はちょっと困ってしまいますが、実戦的な打開方法がありました。
 43桂と打ち同角と取らせてから41馬と捨てるのです。23角成、41馬と捨駒での二段活用はとても気持ちの良い手順です。
 41同玉に43龍と角を取ったところで、42に合駒です。
 歩香桂銀角の合なら53桂と打ち、51玉なら73角、62合、52香まで、31玉なら22角、同玉、23歩、11玉、12香以下きれいに詰みます。金合なら53桂、31玉、22角、同玉、24香以下で詰みます。
 最善は42飛合です。53桂、31玉、22角の攻めは、同玉、24香に11玉で、12歩を同飛とされて詰みません。23歩~12香も同飛です。
 ここは平凡に53桂から32歩と攻めます。22玉なら24香があるので同飛の一手。
 41桂成、22玉に24香と打ち11玉には22角と打って清算します。
 32飛、11玉となったとき13龍と切って歩を入手するのが決め手。以下12歩と打てば21玉に31成桂と寄って詰みとなります。


安田恒雄:初手23角成から入れたので投稿してみる気になりました。序での香の使用さえ我慢できれば6手目以降、後半はスラスラかと思いますが、いかがでしょうか。収束はそれなりにスッキリしているかと思いますが、収束前の駒交換と前例にありがちな収束になっているのではないかという点が気になっているところです。

★今回の作品も序盤は変化紛れが多くすらすらとは行かないのですが、8手目42飛合が決まれば以下はすらすらと手が進みます。23角成が入って作品に厚みが出た感じです。

占魚亭:序の23角成~41馬が鋭い。

★角の二段活用は単なる大駒捨て二連発よりも好感度が高いですね。

kisy:初手に意外性がありました。5手目までと、同角の変化を詰ませて初めて見える手ですね。

★初手は同角の変化を読み切らないと指せない手です。また角を取り返すところまで見えないと決断できない手でもあります。

三輪勝昭:見た目はスラスラ解けそうだけど全然スラスラじゃない。
 23角成に同馬は43龍、51玉の形は持駒 桂桂香あれば詰むのを知っているから指せるけど、全般的に変化読みがメンドクサイのでスラスラ向きの作品ではないとおもう。

★43龍・51玉に持駒桂桂香の形が詰むのを知っているというのはすごいと思います。

福原徹彦:飛合から先は解きやすかったが、導入は紛れが多い印象で苦労しました。

有吉弘敏:かなり難解。初手42銀成で迷い込みました。手順の方は、駒取りが3回と多く、捨駒がないのでちょっと・・。

★紛れから入ってしまうと手こずったかもしれません。

則内誠一郎:有効な手を積み重ねると詰む。

★丁寧に読めば難所は越えられたということですね。

奥鳥羽生:期待通りの出だし。序に変化があるのでスラスラ度60点。

★23角成~41馬が見えた人には期待通りの好スタートという印象だったと思います。

中出慶一:前半の好手(1、3,5手目の着手)があるものの、後半が既成に終始しているのは残念なところです。

竹中健一:角を取るとは思わなかった…後半の手順がもったいない感じがします。

★飛合以降が長い収束と感じた方にはちょっと評価が落ちました。

金少桂:序はなんとなくこれだろうと推定はつくが、左辺に追う変化が付き纏うのが厄介で面倒に感じた。飛合以降の収束は鮮やかにまとまった。すらすら度40点。

★前半を乗り越えた後は爽快な手順と感じた方からは好評でした。

山下誠:最後龍切りから1二歩が利いてピッタリ詰む感触がよい。

★駒取ですが13龍と捨てて気持ちがよい収束になったのではないでしょうか。


それでは第二作、宗時宏さんの作品です。

⑫ 宗時 宏作
すらすら_12


【作意】
  23香、31玉、22香成、同玉、34桂、13玉、25桂、同桂、22角、23玉
  12角、同玉、13飛、21玉、11飛成、32玉、31龍、23玉、13角成、同玉
  22龍まで21手詰

【正解】
  5手目→34桂
  手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.36、A:4、B:7、C:0、誤解:0、無解:4、無評価:0

【作者のことば】
 初形4×5からの清涼詰になります。初手51飛が金合で詰まないことがわかれば、あとは文字通りすらすら行けると思います。


★詰パラ誌上で好形作を発表されている作者。創棋会の作品展には初登場です。
 本局も5×4に収まった好形ですが、無仕掛け風で手のつけ方が難しい。
 13歩を活かして挟撃したいので51飛が指したい手です。対して31歩合などでは23香、22合、12角、32玉、41角で詰むのですが、 作者のことばにあるように、金合が強防で続きません。
 もう一つの有力手は、いかにも34桂を打ってくださいという初形なので、22に玉を呼ぶ23香です。
 32玉なら22飛、22飛、31玉、42角、41玉(同銀や同金は21飛成まで)、63角、52合、51角成ときれいに詰みます。
 31玉には22香成が好手。42玉は32飛、また41玉には63角があるので同玉と取るしかありません。
 これで待望の34桂が実現しました。
 同金と取ってくれれば34の逃路が塞がったので、安心して12飛と打てます。以下、21玉、32角、31玉、43桂、同飛、11飛成、32玉、23角と手筋連発で気持ちよく詰みます。
 23玉も12角から22飛で簡単なので13玉と逃げます。
 詰将棋慣れした人ならここで31角から12角と行くのが第一感かと思いますが、それは32玉と引かれて詰みません。25桂と捨てるのが巧い手です。今度23玉なら12角から23角打があるので、おとなしく同桂と取ります。
 31角~12角の筋は相変わらず詰まないのですが、22角の短打がありました。23玉には12角と捨てて13飛と打てば21玉、11飛成、32玉、31龍、23玉まで進み、25桂捨の効果で3筋から脱出できなくなっています。
 最後は13角成の決め手が出て22龍までの清涼詰となりました。


三輪勝昭:初手飛を打つとスラスラじゃないけど、22玉型ならば詰みそうと考えれば、変化はスラスラ。
 5手目34桂はこの一手なので、7手詰25桂を解答にした方が良かったのでは。
 この25桂では先に22角や31角を考えるところ。
 初手さえ気付けば、気持ち良く読めて手順も気持ち良くスラスラ展向きの作品。

★初手の発見と25桂が鍵でした。

福原徹彦:7手目22角も31角も詰まず焦りましたが、25桂を見つけて解決。龍の回転が面白かったです。

kisy:初手の紛れに苦しみましたが、ムネトキさんの作品は収束が綺麗に決まるので安心感があります。13飛車がクルッと回って13角成の手順が楽しかったです。

★作意の龍が回転するところを面白いと感じた方には好評でした。

山下誠:6手目同金の変化を作意にしたい。

★この変化は手筋連発で気持ちが良いですね。

有吉弘敏:難解。ちっともすらすらでない。ただ大駒捨てで終わって報われました。

★51飛の紛れが強力、2手目の変化も読みが必要というのが、難しさの要因でしょうか。

則内誠一郎:手順は巧妙。すらすらは怪しい。

★無解4は今回最多。

中出慶一:無仕掛け紛いの初形が煩雑な変化(紛れ☆)を予想させる。5手目の桂打ち好手から後は主題に合ってくるが・・・ とにかく「すらすら解ける・・・」にそぐわない。
 紛れ☆:初手51飛に31金合が詰まない、他の駒(歩、香、銀、飛)合ならば詰む。

★無仕掛けの抵抗感というのは、持駒が多い、合駒を読まされそう、詰み形が見えないといったところにあると思います。

金少桂:パッと見かなり手をつけにくい初形。壁駒2枚が桂になっているのが大ヒントで見た目ほどの難しさではなかった。すらすら度55点。

★面倒そうな形ですが、手をつければそれほど難しくなかったと思います。

竹中健一:4手目まで進めば後はすらすらですね。配置でミエミエな手順ですが、それも今回のテーマなら気にならない…。好作だと思います!

★金少桂さんの評にもあるように玉方の33桂、24桂の配置が作意を暗示しているところもあるのですが、その通りに進むのは予定調和的でむしろ納得感があるのではないでしょうか?

奥鳥羽生:34へ龍を利かすための25桂捨て。準無仕掛だが手はそんなに広くなくスラスラ度70点。

★23香から22香成、34桂という順が見えれば迷うところは少なかったと思います。

占魚亭:序を読み切るのが少々やっかいでしたが、乗り切れば後は楽々でした。

★本作もC評価はなく、本作品展の趣旨に合った好作だと思います。

☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
     遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
        投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
        編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
  blogsokikaitusin@gmail.com
以上


スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する