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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<3回目>

【結果発表】<3回目>
 ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ


 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
   占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠

 22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
  ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html


 さて本日の結果発表の前に、既発表へのコメントが届いていますので紹介させていただきます。

nono_y:今年は解答では参加できなかったので、補足コメントで参加します。
 53銀~73銀の筋でまとめるのは簡単で、81飛→81金にするだけです。
 しかしそうしなかったのには、いくつかの理由があります:
  (1) 20手台でなくなり、手数を延ばそうとすると持駒趣向が崩れる
  (2) 飛角図式でなくなると、こんな大袈裟な配置にする理由がない
  (3) コメントで触れたジャイアン作は、実はこの筋でまとめている

★「飛角図式+持駒銀一色」が本作の大きな価値の一つですから、それが崩れるとなると見送らざるを得なかったというのは肯けます。

それでは結果発表の第三回目です。第4問は鳥本さんの作品です。

④鳥本敦史作
すらすら_4


【作意手順】
   63角、72歩、84香、83銀、72角成、同角、83香不成、同角、82銀、92玉、
   83と、同玉、94角、92玉、93歩、82玉、84龍、91玉、92歩成、同玉、
   83角成、81玉、82馬まで23手詰

【正解】
   4手目→83銀
   手数→23手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
   平均点:2.33、A:4、B:8、C:0、誤解:0、無解:3、無評価:0

作者のことば
 大道棋での参加を画策しました。角香問題でシンプルに出来上がっているのが売り。
 紛れはほぼなしに等しいのですらすらいけそうだと思います。

★大道棋教室を復活させた鳥本さんの作品です。
 駒数も少なく、詰みそうな筋が結構あって、手を出したくなる図です。
 たとえば84香と打つと83中合の一手です。そこで92角とすると、同玉なら83とがあり、91玉も41龍、81合、82とで詰みますが、71玉と寄って逃れます。
 83中合に先に41龍と入ると今度は71桂合とされ92角、同玉、83と、同桂とされて詰みません。
ということは初手41龍も続かないということですね。
 そこで63角に気がつくと、同角なら84龍と横に活用することが出来ます。63角に92玉なら42龍がありますから取るしかなさそうですが、72歩合が粘りのある好防です。
同となら92玉と逃げ、同角成なら同角で凌ごうということです。
 ここで攻方は84香と打ちます。対して83銀の中合が妙防です。
 銀合以外は41龍とし、71合、同龍、同玉、72とまでの詰みがあります。
 銀をすぐに取っては92玉から逃げられますので、72角成と歩を取ります。同角に83香不成とすれば44龍の横利きが通って、これも同角と取るしかありません。
 ここからは俗ですが82銀と打ち、83と と角も取ります。83同玉となったときに94角と打てば意外と玉は狭く龍を活用して収束となります。
 大道棋としては易しい部類の作品で、序盤の応酬を乗り越えればすらすら進んだのではないでしょうか。


占魚亭:大道棋角香問題。どこが「すらすら」なんですか!(笑)

福原徹彦:解いてみると意外に素直な手順でしたが、初形が大道棋風で「すらすら」感が無い…。

★「大道棋は難しい」「大道棋はややこしい」という気持ちがあると、抵抗感が生まれるのかもしれませんね。

金少桂:既知の詰筋なのに、この類型の創始者の私ですらパッと見ではどの詰筋かわからなかった(ある意味この類型を作った自分に対する自画自賛)。入り口さえわかれば後は難しいところはないので、まさに大道棋の客寄せ問題という感じ。すらすら度65点。

★大道棋といえば金少桂さんの評価を知りたいところでした。
 新手筋ではなくても入り口で迷うというのは大道棋として良い類型ということですね。
 本作はそこさえ抜ければ紛らわしいところは無いので、意外とすらすら進みます。

竹中健一:最近たまに見かける大道棋系の問題ですが、シンプルで考えやすかったです。

有吉弘敏:なんとなく大道棋風の手順です。

★大道棋とは言っても、本作の場合は複雑怪奇な内容ではありません。

則内誠一郎:合駒を苦にしない人はすらすら。

中出慶一: 大道棋を思わせる配置、手順ですね。序盤特に初手、2、4手目着手が難しい好手になっていて、「すらすら解ける・・・」と真逆を行く前半手順で、14手目からの収束でやっと本来の趣旨になる?

★易しいといっても72歩合、83銀合のあたりは、組み合わせの綾もあって、やや難しかったようです。

三輪勝昭:41龍~71同龍、同玉、72とを防ぐ83銀合がこの形の定跡なのかな?
知らないので、84香、83合に92角は71玉。41龍は71桂合などを読んで全然スラスラじゃなかった。
打った93歩を捨てるのが良い感じだけど、ここは変同なのが残念。

★大道棋はその類型のパターンを知っているかどうかが難度の分かれ目ですね。
この変同、気になる人には気になる。(管理人は気にしない派ですが…)

安田恒雄:中合の銀、スラスラの清涼詰で好感触の作品なのですが、個人的にはどうしても香打の非限定が気になります。

★清涼詰というのも好感度を上げる大きな要素の一つですね。
以遠打…。これも気になる人には気になる。(管理人は、すぐ消える場合などは、あまり気にしないのですが…)

山下誠:比較的読みやすい合駒の大道棋で、気持ちよく解ける。

kisy:41龍に備えた83銀合が面白かったです。72桂合の変化も難しくなく解きやすかったです。

★合駒読みを楽しめた方からは好評でした。
 なお、72桂合は作意通り進めて84桂があります。

奥鳥羽生:スッキリとした大道棋。大道棋としては紛れ小も今開催としてはスラスラ度60点。

★このあたりが妥当な評価でしょうか。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
      遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
        投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
        編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

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