【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<2回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<2回目>

 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
  有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
  占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠

 22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
   ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html


 さて結果発表1回目について以下のようなコメントをいただきました。

三輪勝昭:スラスラ展①について
 同一手順作があったのは、あって当たり前って感じですが、ネット発表なら発表価値は十分あると思います。
 長谷川佳邦作は、僕は意味のない合駒させてブチ切る手順を凄く嫌っているので、形が同等だとしても大西智之作を支持します。
 好き嫌いは別にしてもかなり違う感じの作品になっていると思います。
 それと、EOGさんが、このような同一手順がないのかなと思う作品の類似作がないか、調べてくれるのはありがたいですね。
 最後に大西作の改作案は手順がありふれていて、僕はほとんど価値のない図だと思います。

★「違う感じの作品になっている」というのは管理人も同感です。同一手順作があったのは残念ですが、作者には発表図にまとめた感性を大事にしていただきたいと思います。

 それでは結果発表の第二回、今回は2作を紹介します。
 まず一作目は金少桂さんの作品です。

①金少桂作
すらすら_2


【作意】
  53角、42桂合、同角成、21玉、24香、23桂合、43馬、12玉、23香成、同玉、
  24銀打、12玉、22銀成、同玉、33馬、31玉、43桂、41玉、51桂成、31玉、
  23桂、21玉、11馬、32玉、33銀成 迄25手

【正解】
  13手目→22銀成
  手数→25手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
   平均点:1.92、A:1、B:9、C:2、誤解:0、無解:2、無評価:1

作者のことば
 不良在庫だが捨てるには惜しい味ありの作なのでここに投稿させてください。
 攻方の指し手は選択肢があまりなく、考えどころはほぼ2手目と6手目の中合選択のみです。
 作品の狙いとしては2手目と6手目ですが、前半すぎるので、便宜上、最後の捨駒になる13手目22銀成をキーとなる一手とします。


★大道棋作家としてすっかりおなじみとなった金少桂さんの作品です。
 53角と打って21玉と寄れば、何となく香歩問題の雰囲気が漂います。
 しかしそれには平凡に23香、12玉、22香成、13玉と追えば35角成があるので簡単に詰んでしまいます。
 53角には、35に成らせないよう42に捨合するのが好防です。
 といっても42同角成、21玉となったところでは、43銀も質駒になっているので、どうやってもすぐに詰みそうです。
 42の合駒を確認していきましょう。
 飛車と金は簡単。角なら43馬~21角~24銀、また歩(香)は43馬~13歩(香)~24銀という筋で詰みます。最善は42桂合です。
 今度は同角成、21玉と追ったときすぐに43馬と銀を取ると12玉で続きません。いったん24香と打ちます。
 12玉では22銀成~23香成があるので、23に中合で凌ぎます。
 23に歩合だと43馬、12玉、23香成、同玉、24銀打、12玉、13歩、11玉、23桂ときれいに詰みます。どうやら桂合が最善のようです。
 23桂にはいったん43馬と銀を取り、12玉に23香成と桂馬も取ってしまいます。
 24銀打と上部を押さえて12玉となったところで22銀成から33馬と寄るのが攻めをつなぐ好手順。
 21玉は13桂が利いて早く詰むので31玉と逃げますが、43桂から23桂と寄せの網を絞っていきます。
 捨駒で締めくくることが出来れば解後感はよかったのですが、盤面銀一色の好形作品に、序盤の捨合、中合と二度の桂合が飛び出すところは好防の連続で、楽しめたのではないでしょうか。


kisy:大道棋はごちゃごちゃしていて難しいイメージがあったのですが、スッキリした初形で、合駒を順番に読んでいくのがとても楽しかったです。

★ここまでシンプルだと考える気も湧いてきます。手をつければそれほど煩わしさはなかったと思います。
 合駒読みが楽しくなれば詰将棋の面白さは増加します。

福原徹彦:5手目43馬だと失敗。2度の桂合の意味づけが上手いと思います。

★42桂合は馬を作らせて43銀も質駒になるので、破綻なくまとめたのは作者の腕。

奥鳥羽生:5手目すぐに43馬は12玉、14香、同銀、34馬に23銀移動合で逃れ。ということで、24香と一呼吸置いてから43馬。スラスラ度70点。

★この紛れまで読んでいるのは流石です。

中村雅哉:手を出しやすい棋形だが、捨て合がからむのですらすら度は少し落ちる。

★二つの合駒は単発ならそれほど難しくないのですが、二度出てくると手が進まなくなりますかね。

則内誠一郎:「全」と「と」の違いを教えて。

占魚亭:四銀配置に拘らなくてもと思う一方、拘りたくなる気持ちも分かる。

★銀一色図式が狙いの一つと思われます。小駒の成駒には必然性を求めたいという気持ちも、形式美を重んじたいという心理もわかります。

中出慶一:9手目以降に「すらすら解ける・・・」が出てくるが、2手目、6手目の合、中合駒選択には、「すらすら解ける・・・」が相応しくなく難しい。全の駒配置を改良すれば、短大で通用する内容と見ます。

★短大で通用するにはもう一ひねり欲しい?

山下誠:銀成から3三馬がちょっと見えにくい寄せ方。

★一瞬ですが、銀と馬を入れ替えて桂二枚で詰むのかと思いますね。

三輪勝昭:「16手目21玉と31玉は同じようで31玉が2手長いのは面白い。もっとも、これが同手数ならボツ作だが。

★収束の落とし穴というほどではなかったのですが、注意は必要。

有吉弘敏:前半の攻防は面白かったです。

安田恒雄:2度の桂合があってもスラスラ度は良いのですが、詰上がりが少し残念です。

竹中健一:無理に4銀使用にする必要ないかなぁと思いました。捨合・中合いは良いけど、途中からの手順はいまいちな感じがしました。

★最後が最長手順探し的になってしまった感はあります。後半に捨駒が一つでもあれば印象は変わったと思いますが。


続いてnono_yさんの作品です。

③nono_y作
すらすら_3


【作意】
  22銀、同玉、24龍、32玉、33銀、41玉、44龍、52玉、54龍、62玉
  64龍、63金合、73銀、51玉、42銀打、52玉、63龍、同玉、64金、52玉
  53金まで21手詰

【正解】
  12手目→63金合
  手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.08、A:4、B:6、C:3、誤解:0、無解:2、無評価:0

作者のことば
 今年こそ本誌投稿名義で新作を…と思っていたのですが、 応募予定作は予想外の本誌入選、代替作も手順を詳しく調べてみると作意よりもはるかに難解な変化がいくつもあり、明らかに趣旨に合わないので却下。というわけで、今回もスマホ詰パラ用在庫から応募です。
 9手目から53銀~73銀~81龍と素直に追うと、最後の83飛が角の効きで打てず不詰。そこで、54龍~64龍と寄る破調が唯一の狙い。
 また6手目43玉は54銀以下早詰、14手目52玉は43銀以下早詰なのは、間違いやすい箇所。ただしこれらを「狙いの一手」に指定するのは、落とし穴の場所を教えることになるので、あえて12手目の合駒を尋ねた。
 なお、似た筋の図(No.6384ジャイアンさん作)が発表されたのでスマホ詰パラからは希望返送したが、類似作という程ではなく、「飛角図式&一種持駒」のダブル趣向でもあるので応募。


★nono_yさんは昨年に続いての登場。
 作者のことばに尽きますが、簡単に手順を見ていきましょう。
 攻め方持駒は銀4枚と豊富ですが、攻めの拠点は54龍だけです。
 初手は22銀と捨てて龍の勢力圏に玉を呼びます。
 22同玉に33や23から銀を捨てるのは駒が足りなくなります。ここは24龍と回って一間龍の形にするのが正解。
 23合は33銀がありますし、31玉と引くのも33龍と入って簡単なので32玉と寄ります。
 調子に乗って34龍と追うのは61の角で取られて真っ青になります。
 平凡ですが33銀と押さえます。対して43玉は54銀と打てば早いので41玉と引きます。
 これには44龍と活用します。43合なら42銀打があるので52玉とかわします。
 53銀打から64龍と追いたいところですが、以下72玉、73銀、83玉、84龍から81飛を取っても61角と47角がよく利いていて詰みません。
 52玉には54龍とじっと寄るのが好手。53合は63銀があるので、62玉と逃げます。
 ここでも63銀打は73玉とされて大駒の守備力が強く手が出ません。もう一度64龍と寄ります。71玉なら73龍、72玉には73銀があるので玉を逃げる手はありません。63金合が53に利かした最善の受けです。
 7筋に逃がさないため73銀の一手ですが、52玉には43銀の好手がありますから51玉が正解。ここからは42銀打、52玉に63龍と切って64金からの詰みとなります。


山下誠:持駒銀4枚の飛角図式。龍の横追いで金駒を節約する。

★飛角図式に持駒銀一色。これだけでも解いてみようという気にさせる作品です。

金少桂:この初形と持駒で成立しているのがすごい。収束で龍が消えるのも良い。一見手広いようだけど素直に一間龍の形に持ち込む第一感の手が正解なので難しくはなく意外と手をつけやすい問題だった。すらすら度75点。

★大駒が消えるのは解後感に大きく影響しますね。

有吉弘敏:もう一味欲しい感じです。

則内誠一郎:銀は光る。飛角は泣いている。

安田恒雄:飛角図式に持駒銀4枚で解きたくなる図ですが、不動の大駒3枚が残念です。

★玉方の飛角が動かないのは印象を下げたようです。

占魚亭:ダブル趣向(飛角図式+持駒一色)に纏めたのは評価出来るが、手順がイマイチ。

三輪勝昭:9手目は53銀~73銀で趣向かと思ったら違った。

★こちらの筋でまとめることが出来ると捌けたかもしれません。

中村雅哉:局面が広くちょっと手を出しにくいが、それほど難しくない。

kisy:初形が広いので少し手が出しにくかったですが、角の利きに注意しながら進めていくと意外にすらすら解けました。

福原徹彦:3手目の24龍で意外と狭くなりますね。龍の横這いが面白かったです。

★金少桂さんの短評にもあるように一間龍の形にすると詰みそうだとわかれば意外とアッサリ解けたのではないでしょうか。

中出慶一: 飛角図式で4銀持駒の趣向詰、7手目4四龍に対する合駒選択(合駒はしないが・・・)、12手目の金合、等難解な飛角図式で、「すらすら解ける・・・」趣旨にあわないものの優れた内容の中編です。

★ちょっとした落とし穴があったりして、変化を一手一手確かめる必要があるので、そこに難解さを感じた方もいたと思います。

奥鳥羽生:四段目の龍這いが印象的。後から考えると他に有力な王手がないようにも見えるが、解いている時はそうでもなくスラスラ度60点。

★手がかりが無い状態での龍追い、解いているときは「これでいいのだろうか」と、なんとなく不安になる気持ち、よくわかります。

竹中健一:使用駒趣向で、銀を使わずに竜を2回寄るのはうまいですね。

★初形と龍追いには好評が集まりました。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
blogsokikaitusin@gmail.com

***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
    https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
       遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
          投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
          編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

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以上
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