【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<1回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<1回目>

 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
   占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠

 22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
  ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html


 それでは今日から出題順に結果発表を行ってまいります。

①大西 智之作
すらすら_1

【作意】
  34角、22玉、23角成、11玉、33馬、22飛、23桂、12玉、13歩、同玉、
  25桂、12玉、11桂成、同玉、12歩、同玉 、13歩、11玉、22馬、同玉、
  12飛まで21手詰

【正解】
  13手目→11桂成
  手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.54、A:8、B:4、C:1、誤解:0、無解:1、無評価:1

作者のことば
 本作品は、打歩詰回避がテーマの「やさしい中編作」であり、「すらすら解ける20手台」の要件を満たしているのではないかと考えております。
 5手目の打歩詰局面での▼3三馬に対し、玉方応手は▽2二飛合が最善であり、13手目で再び打歩詰の局面を迎えます。ここで1一桂成が局面を打開する好手であり、以下、歩の連打を経ての馬切りで一気の収束となります。
 長い詰将棋に対して忌避感を示される方も多い中、ストレスフリーの作品として創作いたしました。
 もう一つのテーマは「簡単な合駒問題」です。すなわち、本作品では6手目の合駒が飛車であることが比較的平易に類推でき、合駒作品としては煩わしさがなくすらすら解ける内容になったのではないかと思っております。

★トップバッターは大西さんの好形作品です。
 大西さんは、創棋会作品展には、詰パラ誌上・WEBを通じて初めての登場ですが、すでにスマホ詰パラではペンネームで作品を発表されているとのことです。
 今回の投稿は7月の詰将棋全国大会に参加した際に、某氏から本作品展の話をお聞きになり投稿してくださったとのこと。詰将棋のネットワークが多様な広がりを見せていることを感じます。
 さて本作、盤上3枚、面積も3×3に収まり、申し分のない好形。持駒は6枚とやや多いのですが、3種類ですから抵抗感は少ないと思います。
 初手は角打ちしかありません。11玉は12歩で簡単。23歩の捨合もありそうですが、24桂、11玉、12歩で詰みます。22玉と寄って23角成とさせ11玉で打歩詰に誘導するのが最善です。
 なお34角は45以遠でもOKで、打ち場所は非限定ですが、すぐに23角成とするので、あまり気にならないと思います。
 11玉となったところで打歩詰を打開するため、じっと33馬と寄って応手をうかがいます。
 平凡に22歩合だと12歩、同玉、24桂と進めて詰みます。角金銀桂いずれも同様。香合でも24同香に23銀成があります。ということで最強の受けは22飛合です。
 同じ攻めでは24桂を飛車で取られて詰みませんから、23桂とします。12玉に13歩、同玉、25桂、12玉となると、またもや打歩詰。
 ここで打開の好手が11桂成です。同玉に、12歩、13歩と連打して拠点を築き、22馬と飛車を取って12飛と打つと詰んでいるではありませんか。

占魚亭:トップにぴったりの軽作ですね。

kisy:見た目通りの易しい作品でした。すらすらの1番にピッタリです。

有吉弘敏:超簡素形。すらすらでした。

★好形で手順もスッキリしており、幕開けの一局としてはうってつけだったと思います。

山下誠:打歩詰を避けながら、サラサラと「ラッキー7」に仕上げる。

★詰め上がり「7」になります。作者も言及されていないので偶然の産物でしょうね。

安田恒雄:簡素形で1番目からスラスラ詰められてラッキーな気分になれました。

福原徹彦:1問目に相応しい。合駒もあり、詰上げてみると曲詰なのも良いですね

★詰め上がりと合わせて鑑賞された方には好評でした。

中村雅哉:ほぼ既成手順で、だからこそすらすら解ける。課題にぴったり。

竹中建一:すらすら解けるというテーマに一番合っている気がしました。簡単だし紛れもほとんどないけど、それが却って高評価!

★紛れが無いということは迷わずに手が進むということですね。これもすらすらの要件の一つです。

中出慶一: 軽快手順の中に、6手目の飛合で変化を付け、2桂と3歩使って詰形に仕上げられている。

★易しいとは言いながら、一本道ではなく、飛合が良いアクセントになっています。

奥鳥羽生:桂歩の細かい使い分け。後戻りせずに進められたのでスラスラ度90点。

★奥鳥羽生さんは全作品に「すらすら度」の点数をつけてくださいました。「後戻りせずに」一気に解けた感じでしょうか。

金少桂:シンプルな形で紛れが少なく、今回の作品展随一の手をつけやすい問題。手順に纏りもあり、解いて気持ちの良いすらすら。すらすら度80点。

★金少桂さんも全作品に「すらすら度」の点数をつけてくださいました。手がつけやすいというのもすらすらの要素としては大事ですね。

則内誠一郎:見つけ物で趣旨に適っている。

★よくこの形が残っていたものと思います。

三輪勝昭:詰上り格好いい。これ今までなかったのって感じ。

★さて本作にはネット上で類作の指摘がありました。
 その指摘を知った作者からは以下のようなコメントが届きました。

「EOG様のツイッターにおいて拙作の作意が、詰パラ1964年8月号に掲載された長谷川 佳邦氏作(31手詰、図と作意は後記参照)の11手以降と類似である旨、指摘がございました。小生にとりましても青天の霹靂でございましたが、リサーチ/勉強不足は否めず、ご迷惑をおかけしたことをお詫び致します。
作者バレで作品展の興を削ぐのを避けるため、EOG様からのツイッター上の指摘に対し、当方からは現在までレスポンスできておりません。結果稿紹介の折、作者がご指摘に感謝している旨、申し添えいただけますと幸いです。
結果論にはなりますが、改作案(23手詰、図と作意は後記参照)で出題するべきだったかと後悔しております。」

長谷川佳邦作(詰パラ1964年8月号)
長谷川佳邦作

【作意】11桂成、13玉、12成桂、同玉、15飛、14桂打、45角、34桂打、14飛、同桂、
  34角、22玉、23角成、11玉、33馬、22飛、23桂、12玉、13歩、同玉、
  25桂、12玉、11桂成、同玉、12歩、同玉、13歩、11玉、22馬、同玉、
  12飛まで31手詰

大西改作案
大西改作案

【作意】34角、22玉、23角成、11玉、33馬、22飛、23桂、12玉、13歩、同玉、
  25桂、12玉、22馬、同玉、21飛、32玉、31飛成、23玉、33龍、12玉、
  13桂成、21玉、22龍まで23手詰

 EOGさんには、ネット作品展にも目配りされ、的確な指摘をいただいています。
 今回の指摘にもあらためて感謝申し上げます。結果発表との兼ね合いで作者コメントをお伝えするのが遅くなってしまいましたことはご容赦ください。
 なお選題を行ったのは当方ですので、調査が行き届かなかったことについては、あらためてお詫び申し上げます。
 長谷川作を鑑賞すれば桂合が二回入って素晴らしいまとまりです。このような先行作があったことには敬意を払いたいと思います。
 ただ本作の「創意」については尊重したいと思います。
 類似を避ければ改作案のような形に落ち着くのかもしれませんが、作品の価値は発表図の方が上回ると思われます。
 解答者の多くが作品展の主旨に適った作品と好評であったことからも、発表図の形にまとめたことは評価させていただきたいと思います。
 作者には引き続き好作を発表されることを期待しています。

☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
    https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
       遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
     投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
     編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
      blogsokikaitusin@gmail.com
以上
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する