創棋会の課題や例会など

<創棋会の課題や例会など>

■全国大会レポート
 全国大会楽しかったですね。2週間経ちましたが、まだ余韻が残っているように感じます。
 参加者の皆さんによる大会レポートもWEBにたくさん掲載されています。
 加藤さんの「おもちゃ箱」にまとめられていますので、参考になさってください。
http://toybox.tea-nifty.com/taikai/2017/07/post-0fb1.html

■近況
 久方ぶりに地域の将棋大会に参加。
 予想はしていましたが大変な盛り上がり。
 主催者の話では参加者は大幅増とのこと。大人は見たことのある顔ぶれだったので、子どもの参加が増えたようです。
 また今年は地元ケーブルテレビにも取り上げられるということで報道スタッフが来ていました。
 いずれも藤井効果でしょうか。
 景品代わりに詰パラを持参。喜んでいただきました。
 私の対局結果?午後は指導将棋を受けていましたのでご想像にお任せします。

 会社帰りに本屋に立ち寄ると、気のせいか将棋の書棚は気のせいかスカスカ。これも藤井効果で、売れ行きがよくて補充が追いつかないのかと思いながらフロアを移動していると、別の場所にワゴンで将棋フェアらしきコーナーがあり「将棋エッセイコレクション」(ちくま文庫、後藤元気編、2014刊)を入手。昨年新潮文庫で出た「棋士という人生」(大崎善生編)とは切り口の違うアンソロジーで、これはこれでスイスイと読めます。

 本といえば、週末は図書館で涼むのが習慣になっていますが、最近「電王」(幻冬舎、高嶋哲夫、2016年12月刊)を借りて読みました。小学生でプロになる、名人がAIと闘うという、最近の棋界を象徴するような出来事を軸に描かれています。著者が雑誌に連載を開始されたのが2015年12月ですから、取材も含めれば、かなり先取りした内容だと感じました。
 「美学への招待」(中公新書、佐々木健一)も借りましたが、まだ読めていませんので、感想はあらためて。(これは全国大会効果です)

■創棋会の次回&次々回課題
「すらすら解ける20手台」PartⅡ
 創棋会では今年もネット作品展「すらすら解ける20手台」を開催します。
 「やさしい中編作」の発表の場を作るということは、意義のあることだと思います。
 またネット作品展が、幅広い詰キストの交流の場になればと思いますので、作品投稿、解答などどんどん参加していただければと思います。
・作品投稿は下記アドレスで受付。
  ※ blogsokikaitusin@gmail.com
  ※ 投稿図には、「作意」と「狙いの一手」を必ず記載。
  ※ ペンネーム投稿もOKですが、実名を記載してください。
  ※投稿締切は8月19日(土)。
・8月例会で作品展の主旨に合うものを選題の上、ブログ「創棋会通信+α」で8月下旬に一斉出題します。

☆12月号掲載作品展の課題
・「遠打や遠開き、3回以上」、遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内。
・10月例会で選題します。
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
※「すらすら解ける20手台」PartⅡの投稿先とは異なりますのでご注意ください。

 さて課題作の例題紹介、今回は「遠打」「遠開き」をミックスして三作を紹介。
 いずれも素晴らしい作品ばかりです。

 まず第一局は短編から。
山本民雄作(詰パラ1971年6月、『古今短編詰将棋名作選』第175番)
山本民雄197106

 入玉ですが4×4に収まった好形作。
 角を離して打つとすぐに詰みそうです。
 47角、19玉、39龍、18玉となると、29龍としても、29角としても、17玉とされて打歩詰。
 ちょっとひねって47角、19玉に、49龍とするとどうなるでしょうか。
 今度は18玉に29角と引き、17玉には18歩と打てます。28玉に、19角、同玉、83角成、18玉…。どうも駒が足りませんね。
 先ほどの手順で29角打とすると、17玉、18歩、28玉となり攻め駒が重複してうまくいきません。
 初手に83角と成れる所から打って置くと、19玉、49龍、18玉、29角打、17玉、18歩、28玉に39龍という好手があります。取れば38角成までです。しかし19玉で続きません。
 正解は初手92角です。

<図:初手69角>
山本民雄197106_92角

 83角と打っても詰まなかったのに92角ならなぜ詰むのでしょうか?
 19玉とすれば、後の打歩詰を避ける49龍が好手。
 18玉には、29角打と重ねて打ちます。
 作意は17玉、18歩、28玉と進み、ここで39龍とじっと寄るのが味の良い手です。
 取れば38角成までなので、19玉ですが、そこで83角成

<図:11手目83角成>
山本民雄197106_83角

 初手92から打ったのは二枚目の角が成れる余地を残すという意味付けで斬新なアイデアでした。
 18玉と逃げれば、19龍と捨てて、同玉、29馬まできれいな収束。

【作意】92角、19玉、49龍、18玉、29角打、17玉、18歩、28玉、39龍、19玉、
  83角成、18玉、19龍、同玉、29馬まで15手詰

 2手目83歩合は同角成、19玉、28角、同歩成、同銀、同龍、同龍、同玉、38飛、29玉、48飛、19玉、73馬以下17手駒余りの変長となるのが残念な変化。
 また、次に紹介する長谷作があったため1号局とはなりませんでした。
 しかしながらこの斬新な構想を、好形好手順でまとめたことが評価され、同年の表紙首位作に輝きました。


 続いてはベテラン長谷さんの作品。
長谷繁蔵作(詰パラ1971年4月)
長谷繁蔵197104

 導入は47銀から58金。
 入玉されそうで指しにくいのですが、58龍では46玉で続きません。
 38玉と潜り込まれたところで92角と遠打の妙手が出ます。

<図:5手目 92角>
長谷繁蔵197104_92角

 92角と打たれると玉は意外に狭く、39玉なら49龍から93角があるので、危ないようでも49角とするしかありません。
 59金と角を取って38角と打ちます。同香成とは取れないので、39玉とかわします。
 そこで28銀と捨て同玉となったところで83角行成と開き王手。
 83に角が成れるのが92角の効果です。この意味付けは山本作と同じです。
 ここからは収束です。
 29馬と引き、37玉にはもう一枚の角を47に成ります。
 25の飛車を奪って47馬と飛び出したとき36香が軽い移動合の受け。
 そこで最後の決め手が21飛です。

<図:23手目 21飛>
長谷繁蔵197104_21飛

 21飛の意味は明瞭。これ以上近くに打つと取られてしまいます。
 14玉、36馬、13玉、14香とアッサリとまとめました。

【作意】47銀、同玉、58金、38玉、92角、49玉、59金、同桂成、38角打、39玉、
  28銀、同玉、83角行成、68と、29馬、37玉、47角成、26玉、25馬、同玉、
  47馬、36香、21飛、14玉、36馬、13玉、15香まで27手詰

 山本民雄氏よりも2ヶ月早く掲載されました。
 本作はさらに21飛の遠打で後半をまとめています。
 92角、83角成、21飛と、まさに「遠打・遠開き3回以上」の課題にピッタリの作品でした。


最後の作品は香の遠打です。
山田修司作(近代将棋1969年11月、塚田賞、『夢の華』第73番、『古今中編詰将棋名作選Ⅱ』第81番)
山田修司196911

 83角の利きを活かして42飛から追う手が見えます。
 42飛、51玉、41飛成、62玉、61龍、73玉、72龍、84玉、94角成、同玉、92龍、93金、83銀、95玉、93龍、86玉、87銀、同玉、96龍、88玉、89金、同玉、98龍と、手数は長いのですが94角成や96龍の軽手もあり作意らしく手が続きます。
 しかし79玉、89金、69玉となると、持駒桂香ではちょっと続きません。

<逃れ図:69玉>
山田修司196911_紛れ69玉

 しかしこの局面で59の逃げ道がなければどうなるでしょうか?
 そこで攻め方は工夫します。
 42飛、51玉となったところで、まず63桂と打って同金と取らせます。
 そこで狙いの一手が出ます。
 59香の遠打です。

<図:5手目 59香>
山田修司196911_59香

 59同と と取らせて、もう一度53香と打ち同金と53の穴を塞ぎます。
 そこで41飛成から追います。
 42飛、51玉、41飛成、62玉、61龍、73玉、72龍、84玉。
 ここで94角成と角を捌いて捨てるのが好手。
 同玉の一手に、92龍と銀を取って攻めが続きます。
 83龍を防いで、93金合も絶対。
 83銀と俗に迫って、95玉に93龍と金も奪います。
 86玉、87銀、同玉と進めたとき、96龍と捨てるのが継続の好手。
 取れば97金から簡単。
 88玉と角を取りますが、89金がとどめの一手。
 同玉に、98龍とすれば、今度は59が塞がっているので79金から68龍までの詰みとなります。
 59香は随分先の効果の現れる伏線手でもあったわけです。
 作者は『夢の華』で本作に「伏線遠打」と命名されています。

 59香に対する中合が利くのかどうか見ておきましょう。
 58合は最終手58龍として駒余りです。
 また57合は、31手目に78金として、69玉に89龍までです。
 もう一つ、59ではなく58から香を打つ紛れも強力です。
 これには、57歩合、同香、56歩合、同香、55桂合とします。以下53香、同金、41飛成、62玉、61龍、73玉、72龍、84玉、94角成、同玉、92龍、93金、83銀、95玉、93龍、86玉と進めたとき、97金と打ちますが、76玉、87金、66玉(紛れ図)とかわして、ギリギリ詰みません。

<58香の紛れ図>
山田修司196911_紛れ58香

 55桂合が67金を防いでいます。
 また56歩合を省くと56金があります。
 57歩合を省略して56歩合とすると、手順を進めて紛れ図となったとき(55桂が無く、56香が58、玉方56歩がある)65桂と跳ねる手があり55金の詰みがあります。

 最後に『古今中編詰将棋名作選Ⅱ』の吉田健氏による解説から少し引用させていただきます。
「序に飛をおろし、51玉と固定して63桂で金を呼び5筋の窓を開く。この窓は直後にすぐまた元のように閉じられるのであるが、その束の間の空間に一閃するのが、狙いすましとぎすまされたこの一手。
 5手目、59香!
 一番遠いところへ、しかもと金に取ってくれと打ちおろすこの鮮烈な手ざわり。実に端的な表現である。まさに構想とはかくあるべしという好個の見本と云えよう。
 (…中略…)心得べし、淡彩の背景に一点、ぽつんと投じられてこそ、朱は燃え立つのである。」

【作意】42飛、51玉、63桂、同金、59香、同と、53香、同金、41飛成、62玉、
  61龍、73玉、72龍、84玉、94角成、同玉、92龍、93金、83銀、95玉、
  93龍、86玉、87銀、同玉、96龍、88玉、89金、同玉、98龍、79玉、
  89金、69玉、78龍まで33手詰


45周年記念行事「記念懇親会
・日時:8月20日(日)18時から
・場所:山内農場 福島駅前店
    〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島5-14-12 プラザ2(2F)
    https://r.gnavi.co.jp/kaed384/map/
    TEL:06-6454-5988
    JR環状線福島駅出てすぐ南側
・会費:3千円(学生・女性は千円)

・企画は準備中ですが、アイデアがあれば、何なりとご一報ください。
・記念作品ということで「45」にちなんだ作品を募集中。あぶり出しや初形曲詰だけでなく幅広い表現の作品をお待ちしています。
 なお作品は詰パラまたはブログで紹介させていただく予定です。
・出席できない方からもメッセージがあれば大歓迎!
・出席いただける方、予約の都合もありますので、事前にご一報いただければ幸いです。
作品、メッセージ、出欠のご連絡は下記までお願いします。
    blogsokikaitusin@gmail.com


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★次回例会
[日時] 2017年8月20(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ
      投稿は→ blogsokikaitusin@gmail.com
★「45周年記念懇親会
 例会終了後の開催となります。
    日時:8月20日(日)18:00から
    場所:山内農場 福島駅前店
     〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島5-14-12 プラザ2(2F)
     TEL:06-6454-5988
     JR環状線福島駅出てすぐ南側
    会費:3千円(学生・女性は千円)
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★次々回例会
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」29手以内
      投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
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