全国大会に行ってきました

■全国大会に行ってきました。
・7月15日(土)
 今年の大会は前夜祭が行われました。
 7月15日(土)18時30分頃から開始。
 トップバッターは交流会の堀内さんによる詰将棋の各種支援ソフトについてのお話。
 検討、同一作チェック、図面作成などさまざまな角度から、各種ソフトについての幅広い情報を提供いただきました。「解説者の仕事」という項目もあり、大変実用的な内容でした。
 二人目は鈴川さん。「美学・藝術学の視点から現代詰将棋を俯瞰する」という、見るからに難しそうなタイトル。美学や藝術というものの定義から講義が始まり、センスと感性、カタカナ語による美学と続いて、最後は詰将棋の話で締めくくられました。
 質疑応答では、フロアから鈴川さんの問題提起とはやや視点の異なるような意見(私にはそのように感じられました)が出され、ヒートアップ気味になったのは、観客(野次馬)としては面白かったです。色々な受け止め方、感じ方があるのが良いので、異論や異説が出るのは結構なことだと思われますが、それが決めつけや押し付けになってはいけません。自戒。
 三人目は久保さん。「連続合の研究」。冒頭に馬屋原さんに続いてオオサキさんもご結婚という話が出て会場は大いに沸きました。近年続々と作品が登場した連合モノについて、独自の分類で、それぞれの作品の新規性や違いなどを説明され、納得の講義でした。分類によって新しい構想作が生まれるというのも良いオチだったと思います。
この三つの講義だけでも全国大会の企画としては素晴らしいものだったと思います。
 参加者は60人を大きく超え、事務局の見込みを5割以上も上回ったとのことでした。
 また休憩時間中に、「解答選手権2017年鑑」と「詰将棋名作選」が搬入され、早速購入の行列が出来ました。

・7月16日(日)
 いよいよ大会本番です。
 会場は150人まで収容可能なセッティング。
 藤井聡太さん効果で参加者が膨らむことを見越してのことですが、満員近い133人が参加。
 司会の石黒さんから「プロ棋士の方も多数参加されていますが、サインをねだったりツーショットを撮らせてくれと頼んだりするのは控えてください」というメッセージが何度も出されました。プロ棋士の皆さんも、今日は趣味で楽しく過ごしたいということで参加されているわけですから、当然と言えば当然なのですが。
 また「大会の模様をブログ、SNS、ツイッターなどで発信するのは大会が終了するまで控えてください」というアナウンスも何度か出されました。これも混乱を避けるための措置かと思います。報道関係者も数名が会場入りされていましたが、周到な事前準備のおかげで、最後まで混乱やトラブルはありませんでした。
 会場運営スタッフや報道関係者の対応をされた方々には、神経を使うことが多かったと思います。本当にお疲れ様でした。

 さて昨年は受付の手伝いをしていたのですが、今年は会場内の書籍売り場にスペースをいただいたので、プログラムを堪能できました。
 恒例の主催者や来賓のあいさつの後、メインイベント。
まずは看寿賞。短編の上谷さん、中編は山路さんと相馬さん、長編が久保さんと馬屋原さんと5人の受賞。全員参加されての授賞式。おめでとうございました。
 今年は柳田委員長の解説ではなく、実行委員会メンバーの堀内さんがパソコンを使っての解説。配付資料の作品紹介冊子の内容に沿ってわかりやすい解説。冊子は活字も大きく図面も豊富で良かったですね。
続いて七條賞。今年は上位三名が欠席で、4位の竹中さんと6位の加賀さんが出席しておられたので壇上で表彰。いつものコント(?)は残念ながらありませんでした。
 いよいよ目玉の門脇賞。宮田さんと藤井さんの二人のプロが北村憲一さんから表彰状を受け取ります。
門脇賞

 第一部の最後はこれも恒例となった握り詰応募作の解説。好作の数々がプロジェクターで投影されます。
 解説は水谷創さん。「小学校の担当なので手数の長いのは…」と言いながら的確な解説に思わずうなずいていました。順位戦で連続優勝された腕に加えて、指将棋の実力もあるので読みの力も素晴らしいのでしょうね。
 今年は優秀作投票に加えて作者予想もあります。ただ「参加されている作者の方はPRをどうぞ」というシーンもあり、どうなったのか?
 (優秀作発表は懇親会だったので、酔っ払ってしまって、残念ながら顛末を正しく記憶していません。)

 休憩時間は例によって書籍コーナーに足を運ぶ人が多かったですね。
 創棋会も書籍コーナーに「漫陀楽」や「撫子」「蝸牛Ⅱ」「残照」などを出品。「漫陀楽」をお買い上げいただいた方、お荷物になって申し訳ありませんでしたが、ありがとうございました。詰将棋の研究にはうってつけの好著だと思いますので、ゆっくりお読みください。また「残照」はおかげさまで売り切れとなりました。他の書籍はまだ在庫がありますので、お問い合わせは下記までお願いします。
    blogsokikaitusin@gmail.com
書籍コーナー

 後半は解答競争からスタート。いつもの名古屋はプロジェクターで一問ずつ投影しながら解いていくというパターンですが、今年はペーパー試験です。
 3手と5手で「かしこ」ばかりなのですが、後半になると鬼のような難問揃いで、解答選択肢に「不詰」というのがあるものまで出てきます。
 私も、出題順にはこだわらず、易しそうなものから解くようにし、なるべく減点を避けるという具合に、用心深くチャレンジしましたが、棋力の衰えは甚だしく、90点満点の30点止まり。ベスト3は80点台という成績でしたが、スゴイのひと言につきます。
藤井さんはここでも優勝。ほんとにすごい実力ですね。
解答競争

 続くアトラクションは「クイズ百人位に聞きましたみたいなもの」。
 アンケートには事前に回答していたのですが、私の回答は常識的で面白みがなかったようです(汗)。
 解答集計に労力のかかる企画で、実行委員会の皆さんお疲れ様でした。
 時間が押してしまい一人一言はありませんでした。
 最後の記念撮影は2グループに分けて実施。

 懇親会は隣のビル。洋風の立食。多くの方と交流できました。
 驚いたのは宮原さんが現れたこと。詰将棋界から少し離れていたようですが、これを機に復活なるか、大いに楽しみです。
 最後は実行委員の皆さんの挨拶。本当に素晴らしい大会を企画いただきありがとうございました。
実行委員挨拶

 大会は盛会のうちに終了。本当に楽しい1日でした。
 来年は東京開催です。今から楽しみですね。

 大会の模様は、加藤さんの「おもちゃ箱」をはじめ、色々なところに掲載されていますので、そちらも参考になさってください。
   http://toybox.tea-nifty.com/taikai/2017/02/post-968c.html

■創棋会の次回&次々回課題
「すらすら解ける20手台」PartⅡ
 創棋会では今年もネット作品展「すらすら解ける20手台」を開催します。
 近年ネット作品展が新たな詰キストの交流の場になってきたのではないでしょうか。多くの方から作品投稿だけでなく解答でも参加していただければ幸いです。
 また「やさしい中編作」の発表の場を作るということも、意義のあることだと思います。どこに発表しようかと悩んでいる作品、易しすぎるのではないかと投稿をためらっている作品があれば、どんどん送ってください。

・作品投稿は下記アドレスで受付。
  ※ blogsokikaitusin@gmail.com
  ※ 投稿図には、「作意」と「狙いの一手」を必ず記載。
  ※ ペンネーム投稿もOKですが、実名を記載してください。
  ※投稿締切は8月19日(土)。
・8月例会で作品展の主旨に合うものを選題の上、ブログ「創棋会通信+α」で8月下旬に一斉出題します。

☆12月号掲載作品展の課題
「遠打や遠開き、3回以上」 、遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内。
・10月例会で選題します。
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
    ※「すらすら解ける20手台」PartⅡの投稿先とは異なりますのでご注意ください。

 課題作の例題紹介、「遠打」が続きましたので今回は「遠開き」です。
 角の「遠開き」三作を鑑賞してください。
 いずれも短編の好作です。

 まず第一局は七手詰から。
楓香住作(詰パラ1988年12月、『80年代ショート詰将棋ベスト200』第177番)
楓香住作198812

 開き王手が見えていますが、上部脱出も気になります。
 76の地点を狙って58角が有力そうですが、86玉とされ、86龍、77玉、76飛、68玉と手は続きますが詰みません。
 どうやら86~77の逃げ道封じが先決のようです。
 そこで77飛と捨てます。76合は85金まで。86玉も76金、95玉、97飛があります。
 同銀と取るしかありませんが、不成では今度こそ58角と引いて66玉に67金までなので同銀成と応じます。
 そこで急所の一手が出ます。
 69角と深く引きます。

<図:3手目69角>
楓香住作198812_69角

 66玉には65龍から47金があります。
 74玉としたところで決め手が96角です。
 同馬と取らせて64金まで。
 96角の処で64金を先にすると同馬、96角、73玉、75龍、74飛合で逃れ。際どい紛れです。

【作意】77飛、同銀成、69角、74玉、96角、同馬、64金まで7手詰

 紛れが多く、7手詰ということがわからないと苦労しそうです。
 77飛捨てから、69角、96角の大回転が見事に決まった好作です。


続いては9手詰です。
谷口均作(近代将棋1975年4月、『孤愁の譜』第27番『古今短編詰将棋名作選』第199番)
谷口均作197504

 34からの上部脱出が気になります。
 また22の と金もブラです。
 これらの不安を一気に解消するのが44角の好手。
 同龍には32飛がある。34玉も23角、同と、35金、43玉、55角までピッタリ詰む。
 そこで危ないようだが43玉とかわす。
 これなら角を動いて開き王手には44歩合、同香、33玉とされて詰まない。
 ここで33飛と捨てるのが巧い手。
 同龍は同角成から32飛があるので同桂と応じますが、狙いの一手が出ます。
 17角と引いて開き王手。

<図:5手目 17角>
谷口均作197504_17角

 45桂は44金まで。34玉と脱出を図りますが23角が決め手。
 17角の効果で25玉なら26金まで。
 作意は23同と取って35金までです。

【作意】44角、43玉、33飛、同桂、17角、34玉、23角、同と、35金まで9手詰

 開き王手の舞台を44角と捨駒でつくり、狙いの17角の前後も33飛、23角の捨駒で構成され、短手数ながら角使いの名手と称される谷口さんの好作。
『孤愁の譜』は谷口さんの作品集で1985年に野口ブックスから発刊されました。


最後は15手詰です。
若島正作(近代将棋1975年1月、『盤上のファンタジア』第32番、『古今短編詰将棋名作選』第195番)
若島正作197501

 作者は「筋が容易につかめないという点で、わたしの15手までの作品中では最難問だろう(『盤上のファンタジア』88p)」と書かれています。
 作意を並べただけでは本作の素晴らしさを理解するのが大変なので、変化なども丁寧に記したいと思います。
 初形は逃げ道の多い局面。66金がブラなのも不安材料。
 俗に48金などは57玉、48角、68玉くらいでダメ。
 ここは筋良く59銀と捨てます。37玉と57玉には48角で脱出を防げます。また47玉は48金まで。
 そこで同玉と応じますが、これで49角を動かせば開き王手が出来ます。
 本局の狙いの一手が85角です。

<図:3手目 85角>
若島正作197501_85角

 玉は48か68に逃げる一手です。
 68玉には79角と打ちます。78玉とかわしたときに67角と捨てるのが好手で同とに88金までの詰み。
 正解は48玉。これには59角と打ちます。38玉には39香があるので57玉と逃げます。
 ここで取られそうな66金を67金と引くのが妙手。58玉なら68金(両王手)、47玉、74角があります。
 同と と取らせて58香と捨てるのがたまらない味の良さです。
 66玉なら76金まで。この変化があるので3手目76角ではだめです。
 また同とには67金から74角と、85に移動した角が目いっぱい働きます。
 やむなく同玉と応じれば48金と追い、69玉に96角と引きます。
 この手を用意したのが85角の限定移動の意味付けでした。カッコよく94角では詰まないわけです。
 以下、79玉に77角の限定移動で見事な詰め上がりです。

【作意】59銀、同玉、85角、48玉、59角、57玉、67金、同と、58香、同玉、
    48金、69玉、96角、79玉、77角まで15手詰

 85に遠開きした角が、作意では96角に動き、変化でも67に捨てたり74に動いたりと駒の舞を見るようです。
 67金から58香の捨駒も気持ちよく、59角が最後77角に動いて詰むところなど、華麗な駒捌きが素晴らしい作品です。
 『盤上のファンタジア』も復刊が決まったようですね。


■45周年記念行事「記念懇親会」
・日時:8月20日(日)18時から
・場所:山内農場 福島駅前店
    〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島5-14-12 プラザ2(2F)
       https://r.gnavi.co.jp/kaed384/map/
    TEL:06-6454-5988
    JR環状線福島駅出てすぐ南側
・会費:3千円(学生・女性は千円)

・企画は準備中ですが、アイデアがあれば、何なりとご一報ください。
・記念作品ということで 「45」にちなんだ作品を募集中。あぶり出しや初形曲詰だけでなく幅広い表現の作品をお待ちしています。
 なお作品は詰パラまたはブログで紹介させていただく予定です。
・出席できない方からもメッセージがあれば大歓迎!
・出席いただける方、予約の都合もありますので、事前にご一報いただければ幸いです。
作品、メッセージ、出欠のご連絡は下記までお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

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★次回例会
[日時] 2017年8月20(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ
投稿は→ blogsokikaitusin@gmail.com
★「45周年記念懇親会」
例会終了後の開催となります。
日時:8月20日(日)18:00から
場所:山内農場 福島駅前店
〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島5-14-12 プラザ2(2F)
TEL:06-6454-5988
JR環状線福島駅出てすぐ南側
会費:3千円(学生・女性は千円)
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★次々回例会
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」29手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
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以上
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