【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<7回目>

■【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<7回目>
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台」には、10名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
    有吉弘敏、上谷直希、奥鳥羽生、河童生、金少桂、小池正浩、
    則内誠一郎、占魚亭、名無し名人、野曽原直之

 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 楽しんでいただける作品が揃っていたのではないかと思います。
 それでは今日も結果発表を行います。今回は⑬と⑭の2作です。

中村雅哉作 上級者向け 実戦派向け邪魔駒消去の教材
13_実戦派向け邪魔駒消去
【作意】22金、13玉、23金、同玉、13金、同玉、22銀、23玉、13金、同香、
    33銀成、同玉、42銀打、23玉、22金まで15手

【評点】百点満点の83点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:2.50、良:4、可:4、否:0
       良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

【作者のことば】~指導要領~
 実戦に出て来そうな局面。先手が軽い気持ちで12玉頭に歩を叩き、23玉と逃げられて慌てている場面かもしれません(笑)。
初手33金は同桂以下王手は続くも逃れます。22金は13玉とされて22銀が打てません。ならば逃げ道への捨駒が手筋と13金と打ちたい局面ですが、13の歩が邪魔です。正解は22金、13玉として歩を取らせて23金と元の場所に呼び戻す手。同角は22銀が早く打てるので同玉ですが、邪魔な歩がなくなったので13金と打てます。同玉に待望の22銀を据え、23玉に再度13金と打ち捨てて退路を封鎖し、それから33銀成~42銀打と打ち換えれば、23玉に22金までで13に逃げられず詰上がり。
 改めて見ると、初形で13歩は邪魔駒、また2手進めた局面では22金が邪魔駒となっており、これらを原形のまま消去する邪魔駒消去が狙いでした。戻って12玉型だったなら駒を惜しまず13には歩でなく金を打てば簡単でした。実戦ではつい安い駒から捨てそうですが注意が肝心です。


★自作解説ありがとうございました。
 3手目12金と捨てる筋が見えますが、同角と取られると34の逃げ道が開いて大変。
 また11手目12銀と捨てたくなりますが、同玉に11銀成も21銀生も駒不足。
 33銀成と捨てて22から42に銀を打換えるのが上手い継続手段でした。
 軽快な金銀の打ち捨ては小気味よく、小駒図式のような味わいがあります。

金少桂
 13歩が邪魔駒なのは一目。しかし打った22銀まで邪魔駒になるとは。
 消し方も、持駒を使って原型消去、邪魔にならない位置に打換えと2種類あって良い。

★13歩、22金、22銀と三つの邪魔駒を消す教材でした。

有吉弘敏
 2つの邪魔駒消去が出ます。少し難度が高い。

★やや高級な教材でした。

野曽原直之
 2度の13金捨てがいい。

★惜しみなく金を捨てます。

占魚亭
 軽快で楽しい金駒捌き。

河童生:
 これは経済学、年金生活者には出来ないお金の使い方です。

★どんどん金銀を捨てます。不経済、非効率な手段が成立するのが詰将棋の醍醐味です。

名無し名人
 実戦派にも親しみやすい形(持駒が多いが)から詰将棋らしい手順。作者予想=吉松智明氏。

★4×4のコンパクトな初形に持駒もふんだんにあります。実戦派の方にも打ってつけだと思います。

上谷直希
 厳しい条件なのによく捌けていると思います。
 【作者予想】桂香図式で持駒趣向とくると北村さん。

★本作の作者予想は難しかったと思います。

則内誠一郎
 「持駒に金銀何枚あれば詰みますか?」「・・・」

★実戦の終盤力アップに少しは役立ちますか?

奥鳥羽生
 軽快ながらも一考要
 岡田敏2号養成用

★岡田さんの作品から実戦型の好局を一作紹介します。

岡田敏作(詰パラ1992年10月、『月下美人』桂香図式の部 第21番)
岡田敏詰パラ199210

【作意】34金、32玉、33金打、同桂、同金、21玉、11角成、同玉、14香、13桂合、
  同香不成、12桂合、同香成、同玉、34角、11玉、23桂、12玉、31桂成、11玉、
  21成桂、同玉、13桂、11玉、23桂、12玉、31桂成、13玉、23角成まで29手詰

★この形から桂の二段合は意外性があります。収束の桂の動きも楽しめる作品でした。


北村憲一作 上級者向け 大駒4枚怖くない
14_大駒は怖くない

【作意】42飛、(イ)22金合、同飛成、同玉、52飛、(ロ)32金合、同飛成、同玉、42金、同玉、53角、51玉、
    73角、52玉、62角左成、43玉、42金まで17手詰
<変化>
  (イ) 22香合は23角、同玉、33桂成、同桂、41角、12玉、22飛成、同玉、32飛、23玉、42飛成以下
  (ロ) 32香合は31角、同玉、42金以下
     32飛合は、作意同様にして詰む。

【評点】百点満点の58点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:1.75、良:0、可:6、否:2
       良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

作者のことば
 「大駒3枚余詰あり」詰棋界における格言の一つ。
 彼らに暴れられるような(自由な)場所を与えると始末が悪い。
 「○○と鋏は使いよう」との諺もある。
 彼らは意外と不器用。ちょっとした制限を加えるだけでおとなしくなってしまう。
 ちょっとした制限とは△12玉。これで一方通行。得意技の上下あるいは左右からの挟み撃ちができず、活躍の場が極端に制限されてしまう。
 猛獣使いの調教師になろう。


★自作解説ありがとうございました。
 どうやら北村さんは作家に対する教材を用意してくれたようです。
 創作を始めた頃、桂香を配置してから考えたという経験は結構多くの方にあるのではないでしょうか。
 大駒4枚という強力な持駒は余詰の危険がいっぱいで作家泣かせですが、12玉型にすることが余詰防ぎになるというのは一つのアイデアでしょうか。
 初形は申し分ありませんが、手順はどうか。
 初手は(イ)の変化を見て限定打。
 3手目は(ロ)の変化があるので以遠打です。
 対する合駒は、飛合でも同様となり、ちょっとスッキリしません。
 金合も切って、42金と捨てれば、53角と打って意外と狭い玉。
 以下の収束はちょっとベタ詰みで解後感は今ひとつでした。
 桂香図式の持駒飛角4枚という趣向はよかったのですが、合駒調べに終わらせず、攻め方の好手が欲しかったですね。

河童生
 何の教材、あえて言えば「合駒調べ」の教材。応手の研究かもね。

★解答者向けではなかったようです。ご意見のように「合駒調べ」の教材でしょうか。

有吉弘敏
 難解なだけで、詰むだけの手順。収束もひどい・・。

★収束は決めたかったですね。「終わりよければすべてよし」という言葉もあるくらいです。

占魚亭
 飛車を金に換えながら玉を桂の勢力圏内へ誘う。後半失速の感あり。

★飛車二枚を手放す不利感はあったかもしれません。

名無し名人
 俗手の連続で合駒の変化も読まされるので詰将棋の面白さを伝える教材には向かないのでは。作者予想=北村憲一氏。

★合駒は詰将棋の魅力の一つですが、ただ読まされるだけというのは面白くないですね。読みを乗り越えたところに爽快な手順でも現れれば別ですが。

上谷直希
 2回の飛離し打ちのリズムはいい。ただ収束流れたか。
 桂香図式で玉が外へ出ていってしまって、桂香がそのまま残るのはちょっと印象的に損しそう。
 【作者予想】桂香図式で持駒趣向とくると北村さん。

★お二人そろって作者予想は正解でした。

則内誠一郎
 攻方、玉方、作者、…。誰にとって怖くないの?

★北村さんご本人?

野曽原直之
 実戦的な手順。

★なんかゴツイ攻めで、いかにも実戦風ですね。

金少桂
 実戦型に持駒趣向で見た目が面白いのでパッと見はウケそう。
 ただ、いざこれを詰ませましょうとなると、かなり難しいので途中で投げられそう。
 教本なら最後の方の頁にあるチャレンジ問題という感じかな。

★定跡書の最後に「力試し」で実戦の終盤を切り取ったような問題が載っていることがありますね。

奥鳥羽生
 桂香図式も尽きません
 坂巻義郎2号養成用

★坂巻さんが活躍されたのは昭和30~40年代あたりではないかと思われます。

坂巻義郎作(詰パラ1961年12月、『古今短編詰将棋名作選』第92番)
坂巻義郎

【作意】23銀、同玉、32銀不成、同馬、34龍、13玉、12金、同玉、32龍、22歩合
34角、13玉、23角成、同歩、31角成まで15手詰

★23銀から32銀、34龍から12金など、実戦型から鮮やかな好手順が繰り出されます。

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★次回例会
[日時] 2017年6月18日(日)、4月16(日)13時~
[場所]  福島区民センター
  https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
  大阪市福島区吉野3‐17‐23
  千日前線野田阪神駅、阪神野田駅、JR東西線海老江駅から徒歩5分。
  JR環状線野田駅から徒歩8分
[課題] 「持駒込みの七対子図式
  七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)
    ※双玉は不可。
・詰パラ9月号掲載予定。
・投稿先 → sokipara@yahoo.co.jp
・6月例会(6/18)で選題を行う予定。
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