【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<6回目>

■【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<6回目>
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台」には、10名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
    有吉弘敏、上谷直希、奥鳥羽生、河童生、金少桂、小池正浩、
    則内誠一郎、占魚亭、名無し名人、野曽原直之

 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 楽しんでいただける作品が揃っていたのではないかと思います。
 それでは今日も結果発表を行います。今回は⑪と⑫の2作です。

上谷直希作 中級者向 双玉のスリルを味わってみよう ①限定打とピン外し
11_限定打とピンの外し方

【作意】24銀、同香、25桂、同香、(A)46角、24桂、同角、14玉、26桂、同香、
    13角成、同玉、63龍、14玉、25馬まで15手詰
<紛れ>
    (A)5手目に35角or57~79角は24歩、同角、14玉で打歩詰。

【評点】百点満点の95点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:2.86、良:6、可:1、否:0
      良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

 【作者のことば】~指導要領~ 
 ピン(動くと自玉に王手がかかるので動けない)された駒を自由にすることを「アンピン」といいます。本作はアンピンをめぐる応酬が繰り広げられると言えるでしょうか。
 46角が龍を自由にしようとする手で、受方はこの角を逆王手で動かして必死に延命しようとしますが、捨合を逆用されてしまってあえなく御用。
 5手目別の地点への角打ちが24歩の限定捨合で逃れるのは幸運でした。
 やけにあっけなく完成してビックリしています。
 機能的な配置で、納得のいく仕上がりになりました。
 最終手非限定は、うーんまあしょうがないか。
 アンピンのための応酬を味わってもらえれば幸いです。


★自作解説ありがとうございました。
 初手25桂と打つと12玉と引かれて続きませんので、24銀と捨てます。同香と取らせておけば34馬の利きで12への脱出が出来なくなります。
 そこで63龍とすれば詰んでいるようですが、76飛が利いているので王様が取られてしまいます。
 76飛の利きで66龍が動けない、このような釘付けされた状態を「ピンされた」と表現します。釘付けされた駒を自由にすることを「アンピン」と言います。(自作解説とのダブりですが念のため)
 指し将棋派の方なら振り飛車対棒銀の戦いで、飛車と飛車の間に銀があり、銀が動くと飛車が取られてしまう局面を思い浮かべてもらえればわかりやすいと思います。
 アンピンのためには、王手される玉を動かすか、王手を防ぐかどちらかしかなさそうですが、16玉を動かして玉方に迫る手はありません。
 とすれば間接的に王手を防ぐ手が必要です。
 上手い手があります。まず24同香に25桂と捨てれば今度は同香と取るしかありません。
 その局面で46角と打つのです。
 35角でも詰みそうですが、24歩と捨合されると、同馬は12玉と逃げられ、同角なら14玉で打歩詰になってしまいます。
 46角なら、24歩合には63龍と出来ます。今度は46に角があるので76飛の利きが消えています。
 これで玉方は万事休したようですが、妙防があります。24に桂馬を捨合するのです。
 これは逆王手ですから取るしかありません。
 しかし桂馬を手にしたので、26桂が絶好の一手。同香と取らせることで、76飛の利きを遮ることが出来ます。
 以下は13角成から63龍と活用が出来収束となります。
 評点も百点満点の95点と高く、アンピンを巡る攻防の応酬、双玉の楽しさを味わってもらえたのではないでしょうか。

則内誠一郎
 トリックを丁寧に解説すると良い授業になります。

★ロジックは明快で、双玉特有の攻防の応酬を楽しんでください。

野曽原直之
 逆王手の桂合を逆用する方法に感心。

★最初は攻め方の駒で、次は玉方の駒でアンピンするのが面白いですね。

有吉弘敏
 逆王手あり、捨駒も多くわかりやすいので、良さを伝えられそうです。

★狙いや手順が明快で、双玉の面白さが伝わるのではないでしょうか。

占魚亭
 5手目46角がピン外しのための大事な一手。他の場所だと24歩と合されて不詰。

★変化や紛れにも良い手があります。

河童生
 遠くから鉄砲、スリルよりも用心が肝要。
 手を上げて横断歩道を渡ろうよ、ですね。

★76飛は鉄砲というより大砲ですね。

名無し名人
 変化で63龍と回るための46角限定打が眼目の一手。一歩ずつ進撃する香が面白い。
 作者予想=中村宜幹氏。

★香が一マスずつ動くのは気がつきませんでした。確かに面白いですね。

金少桂
 双玉特有のもどかしさが味わえる一作。教材的には4手目の局面からでも良さそう。

★4手目の局面から始めるとさらに易しい教材になったかもしれませんね。

奥鳥羽生
 空中殺法
 赤羽守2号養成用

★赤羽さんと言えば看寿賞の7手詰(詰パラ1983年9月)が有名ですが、それとは別の作品を紹介します。

赤羽守作(詰パラ1988年月、『信濃路』57番)
赤羽守「信濃路」57番

【作意】19歩、27玉、38銀、同龍、37金、同と、54角、36と、48角、17玉、
   26飛成、同と、39角、同龍、18歩まで15手詰

★解答王の木村土地さんとの合作として「赤羽土地」名で発表。
 54角の飛び出し、26飛成と捨てる手をはさんで、48角、39角の二段活用で捨てる手も爽快で、最後の突き歩詰も決まっています。
 『信濃路』は赤羽さんの作品集で2012年発行。私の持っている同書は「詰めれば快感」という著者のサイン入りです。


金少桂作 上級者向 双玉のスリルを味わってみよう② 双玉詰将棋入門
12_双玉詰将棋入門用教材

【作意】93歩、81玉、91角成、71玉、81馬、同玉、84香、(イ)83桂合、同香生、71玉、
   82香成、62玉、54桂、52玉、51銀成、同玉、33角、52玉、42角成迄19手
<変化>
   (イ)71玉は82飛成迄。83他合は92飛成、71玉、83桂生迄。

【評点】百点満点の62点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:1.86、良:1、可:4、否:2
      良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

作者のことば】~指導要領
 本作のように、攻方の王も配置されている詰将棋を双玉詰将棋といい、目的はもちろん相手の玉を詰めることであるが、玉方の51角、65飛、91香の3枚が間接的に攻方王を睨んでいるので、うっかり自玉が取られぬように注意せねばならない。
 たとえば93角成、81玉、82馬と進めてみよう。確かに相手の玉を詰めたように見えるが、その瞬間に95香!と自玉が先に取られてしまうのでこれは失敗だ。82馬のところ82飛成としても、今度は95角!とやはり自玉が先に取られてしまう。
 初手71角成や64角成などもありそうに見えるが、62角と根元の飛を抜かれる手が逆王手で失敗。73角成なら62角と根元の飛を抜かれてもすぐに逆王手にはならないが、以下83桂成は81玉と下がられてこれまた逆王手。83桂成に代えて93桂成は、同玉と取られると馬も桂も動けず後続手がない。
 93桂成、81玉、91角成は有力。取れば簡単なので71玉と逃げ、以下81馬、62玉と追う。63桂成で詰んでいるように見えるが、95飛!と自玉が取られてしまう。また、63馬は71玉が逆王手だ。
 正解は初手93歩と叩く手だ。以下81玉に91角成、71玉、81馬と進めると、今度62玉は63桂成で問題なく詰む。従って81同玉と取る。ここで84香の離し打ちが好手だ。51角と95王の間にもう1枚挟むことで62の飛が動かせるようになるので、71玉には82飛成迄だ。いよいよこれで詰んだかと思うと、83桂合!の妙防が飛び出る。これは逆王手なので同香生と取るしかないが、そうしてから71玉と逃げると、82飛成とすることができないというわけだ。それでも冷静に82香成と行き、62玉に54桂と打てば、52玉の逆王手にも51銀成と根元の角を取ることが出来、以下同玉に33角と離し角を打てば、無事19手で詰め上がる。
 自玉が取られる危険と隣り合わせのスリルたっぷりの攻防、お楽しみいただけただろうか。


★詳細な自作解説ありがとうございました。
 紛れが多くて良い問題かと思います。
 特に65飛が95玉を狙っているのですが、85と75に二枚の桂があって、すぐにはピンの状態にならないところがいいですね。

有吉弘敏
 これも一つのジャンルですね。

★私自身も大道棋との出会いが詰将棋にはまる大きなきっかけとなりました。
 金問題や香歩問題など合駒の妙技に感激したことを懐かしく思い出します。

占魚亭
 大道棋入門(入門レベルではない気もしますが)。
 運よく一発で作意に入れましたが有力な誘い手が多く、素人が手を出すと破産してしまう(笑)。

★すぐに詰むような誘い手が多いのが良い問題だそうです。

河童生
 83桂合でドキッ、52王でまたまた、ドキッ。「危険なものには手を出すな」の教材。

★両王手が飛び出すたびに寿命が縮む思いです。

則内誠一郎
 単位を落とす生徒が続出しそうな鬼の教材です。

★授業料が高くつきます。

野曽原直之
 逆王手の83桂中合が妙手。

★双玉ならではの受けの妙手。

上谷直希
 普通詰将棋として評価するとなると…、厳しいものになってしまいます。ごめんなさい。
 【作者予想】金少桂さん

★大道棋と普通詰将棋は、少し評価基準が変わる?
本作は53桂の配置に教材として親切な設計だと感じたのですが。

名無し名人
 第φ回裏短コン「命あっての物種」の紛れ筋を作意に。作者予想=金少桂氏。

★お二人とも見事に作者予想的中です。

奥鳥羽生
 どうやっても詰みそうで、どうしても詰まない
 形幅清2号養成用

★形幅清さんは大道棋を語るときに忘れてはならない方。詰将棋作家であるとともに大道棋改作の名手でした。
 同氏の著作『大道棋奇策縦横』は永遠の名著です。
 今回は同書から今回の教材の類型作を紹介させていただきます。

奇策縦横 480図
奇策縦横480図

【詰手順】93桂成、81玉、91角成、71玉、81馬、62玉、63香、同金、同馬、71玉、
   62金、同角、同馬、同玉、73角、同銀、同歩成、同玉、83成桂、74玉、
   84成桂、75玉、77香、76龍、66銀打まで25手詰


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★次回例会
[日時] 2017年6月18日(日)、13時~
[場所] 福島区民センター
    https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
  大阪市福島区吉野3‐17‐23
  千日前線野田阪神駅、阪神野田駅、JR東西線海老江駅から徒歩5分。
  JR環状線野田駅から徒歩8分
[課題] 「持駒込みの七対子図式
   七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)
     ※双玉は不可。
・ 詰パラ9月号掲載予定。
・ 投稿先 → sokipara@yahoo.co.jp
・ 6月例会(6/18)で選題を行う予定。
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