【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<3回目>

詰パラ4月号が到着
 気がつけばパラが届いてから10日近く経ちました。
 ちょっとした感想を。
・表紙:服部さんの詰棋病罹患歴。拝見してなるほどと思うことが多いです。よく見かけ
・詰棋校(12P~)。今月も選題の言葉が面白い。
―小学:無駄合概念。基準は時代とともに変わるもの。
―中学:選題の並び順。ヒントにもなりそうな言葉。
―高校:PCの不調。やらなければと思いつつ出来ていないのがバックアップ。経験あり。
―短大:曲詰と普通作の対決、いずれに軍配が?
―大学:新人特集。しかし他の媒体では活躍中の方も?
―大学院:メール投稿の功罪。いずれにしても担当の苦労を知る。4名合作は新記録?
・内藤九段の必至コーナー(12P~)
 必至もこのレベルなら解いてみようという気になる。でも問題よりエッセーが楽しみ?
・半期賞(22P~):受賞者の皆さんおめでとうございます。鈴川さんと武島さんはダブル受賞で素晴らしい活躍。
・ちえのわ雑文集(38P~)。アマレン杯握り詰雑記。使用駒の考察が面白い。
・会合案合(45P~)。創棋会は4月の例会案内と45周年記念行事の予告。日程が決まれば告知しますので、奮ってご参加ください。
・結果稿(46P~)。デパートはソフトの作品。発見と創作の融合?
 ソフト創作については種々意見のあるところと思いますが、おもちゃ箱に創作過程が記されているとのことなので熟読して議論されるのが良いと思います。

【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<3回目>
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台」には、10名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
    有吉弘敏、上谷直希、奥鳥羽生、河童生、金少桂、小池正浩、
    則内誠一郎、占魚亭、名無し名人、野曽原直之

 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 楽しんでいただける作品が揃っていたのではないかと思います。

 結果発表に入る前に前回の補足です。
 ④野曽原直之作「局面の対比」について、短評で1筋右に寄せるとどうなのかというコメントがありました。作者に確認したところ、2手目飛合の変化(変同とその他の詰み筋がある)を割り切るための苦心の配置とのことでした。

 それでは結果発表の3回目です。⑤と⑥の2作です。

吉松智明作 初級~中級者向 「初めての10手台~3手5手の詰手筋を重ねる~」
05_はじめての10手台

【作意】33銀、12玉、24桂、同香、13桂成、同玉、11飛成、12金合、22銀不成、
  23玉、12龍、32玉、33銀成、同玉、45桂、同飛、34金まで17手詰

【評点】百点満点の83点(平均点×100÷3で算出)
   *平均点:2.50、良:5、可:2、否:1
        良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

作者のことば
 初形は右上隅5×5に収まり、盤面7枚は好形の部類と思います。
 3手、5手の詰手筋を知っていれば直感で指した手が正解になる、易しい好作を目指しました。
 持駒に桂馬が2枚もありますから34桂と打ちたくなりますが、32玉と寄られると続きません。
 初手は俗ですが33銀と打ち込みます。玉方は12玉と逃げる一手です。
 筋良く13桂成から11飛成と迫ると、12金合とされ、23香が良く利いて25桂が打てません。23香はやや不自然ですが余詰を防いでいます。12金合に22銀不成も24玉から脱出されてしまいます。
 ここは逃げ道を塞ぐ24桂捨が好手。同飛は42飛成がありますから同香の一手です。
 これで13桂成から11飛成と攻めれば22龍を防いで12金合と受けるしかありません。
 上部脱出が出来ないので安心して22銀不成とします。
 23玉とかわせば12龍と切って金を入手します。
 同玉は13金までですから32玉と逃げます。
 そこで33銀成と捨て45桂と打てば同飛と取るしかなく34金までの詰みとなります。


金少桂
 基本手筋の連続で詰棋的センスを磨くのに良い作品だと思う。
 ちなみに 初手34桂を考え始めたらビョーキ。

★詰将棋は手筋の積み重ね。本作は易しい手筋で手を紡ぎました。

野曽原直之
 捨駒が程よく入った好作。

★派手な手はありませんが、素直な捨駒ばかりで解きやすいと思います。

占魚亭
 手筋の積み重ねが無理なく表現されている好編。

★逆算創作のようですが、駒を増やさずうまく手が延びました。

河童生
 好形、好作。将棋世界誌でも入選。でもね、教材としては如何かな。

★手筋物を教えるなら一桁モノ。10手台は手筋物の教材としてはちょっと長いですかね。

有吉弘敏
 テーマがよくわからない・・・です。

★高級な手筋や構想を表現したものではないので、テーマ性は乏しいですね。

名無し名人
 綺麗に出来た手筋物で今回の作品展で一番好み。作者予想=芹田修氏。

★まとまりの良さは買ってもらえるかと思います。

上谷直希
 この収束につながるんですね。24桂を先にするのがポイントでしょうか。
 【作者予想】悩んだが芹田修さん。ヒントは主催の方が考えたものと予想。

★余詰防ぎの飛車を動かすことが出来て着地成功でしょうか。
 お二人の作者予想、またもや一致。作者としては同人作家に擬せられ喜んでいるのでは?

則内誠一郎
 読み切れなくても、指が自然に動いて詰みます。

★難しい手はありません。玉方の応手も限られていて、変化は深くありません。

奥鳥羽生
 退路封鎖・金合奪取・呼び戻し・飛頭桂と手筋満載
 小西逸生2号養成用

★小西氏と言えば好形・好手順の軽快作「小西流」短編は一世を風靡しました。

小西逸生作(詰パラ1963年1月、『青玉』第74番、『古今短編詰将棋名作選』第107番)
小西逸生196301

【作意】12飛、33玉、44銀、24玉、13銀、14玉、24銀成、同玉、16桂、同歩、
    34馬、同玉、14飛成、同馬、35金まで15手詰

 44銀と捨て14香を消去した後、16桂・34馬・14飛成の三連捨は爽快!

 小西氏は1936年(昭和11年)生まれで2007年に逝去されました。将棋世界1952年8月に初入選以降、詰パラ2003年6月の最終発表まで約670局を発表。作品集に『紅玉』『青玉』『紫雲英図式』があります。

まつ&べし作 中級者向 「遠打と趣向手順の教材」
06_遠打と趣向の教材

【作意】21飛、16玉、17歩、15玉、27桂、同と、16歩、14玉、26桂、同と、
   15歩、13玉、25桂、同と、14歩、12玉、11飛成、同玉、21角成まで19手詰

【評点】百点満点の96点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:2.88、良:7、可:1、否:0
     良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

指導要領
 初手17飛打は38玉と潜られ、49角や26飛打は37玉で詰まないので、16玉と飛車を取られる手は防げない。
 そこで玉を1筋に閉じ込めるため、初手は2筋に飛車を離して打つ。
 2手目37玉には28飛成と攻めたいので後手陣に打つが、21~23のどこでも良い場合は非限定打となる。
 しかし本作では最遠打の21飛に限定される(理由は後述)。
 17歩に同玉は28飛成、16玉、26龍まで。
 仕方なく15玉と下がるが、27桂の捨駒で“と”を誘き寄せる。
 そこで16歩と進めると先程と一段ずれた形となり、同玉は27飛成以下詰む。
 このパターンを3回繰り返す趣向手順により、玉を12まで追い込む。
 もしも初手が23飛か22飛ならば、趣向手順の途中で飛車を取られて失敗する。
 ようやく最遠限定打の理由が分かった所で、11飛成と潔く主役が死んでドラマが終わる。


★指導要領ありがとうございました。
 最遠打と軽趣向がうまくミックスされた好作で、評点はトップでした。
 遠打の意味は玉に取られないためというシンプルなものですが、最も遠いところに打つのが妙味を感じさせます。
 また趣向も新しいものではありませんが、桂捨てと突歩のリズムが楽しめます。
 一作で二つの楽しさを味わっていただけますので、愛好者を増やすのに打ってつけではないでしょうか。

河童生
 初手の遠飛打に始まる軽趣向、最後にその飛も消えました。
 詰棋の面白さを満喫、教材として最適。

★いきなり主眼の遠打が飛び出します。すぐに軽趣向が始まり、最後は飛車が消えます。
 飽きることのない演出です。

野曽原直之
 最遠打から始まるおもしろい趣向。

★この趣向、もう少し繰り返したいところですね。

有吉弘敏
 趣向物は是非教材として見せたいですね。

★趣向を見たことのない人に楽しんでいただきたい作品。

金少桂
 最遠打スタートも面白いが、打った歩が紐無しでスルスル上がっていく手順は子供受けが良さそう。

★自力で解けなくても、盤に並べるだけで不思議さと楽しさを感じ取っていただけることでしょう。

占魚亭
 歩の突き出しが好感触。初手限定打の飛が邪魔駒になる構成も良い。

★初手に打った飛が最後に消えて好感度がアップ。

名無し名人
 最遠打から楽しい軽趣向。最後に飛を捨てるのがうまい。作者予想=中村雅哉氏。

★収束は飛車を捨て67角も動きました。

上谷直希
 19手もOKだったのか!てっきり高校手数までかと(関係ない話ですみません)。
 【作者予想】高縄山ろくさんと最初予想したが、中村宜幹さんに変更。むむむ

★お二人の作者予想、「中村」だけ一緒でした。残念ながらはずれですが(笑)

則内誠一郎
 手数の長さを気にせずにスラスラ解けます。

★手数はかろうじて10手台に収まりました。でも長さを感じさせない内容です。

奥鳥羽生
 構想的趣向手順
 山田修司2号養成用

★山田修司さんと言えば作品集『夢の華』が復刻されるとのこと。
 構想と趣向的手順を融合させた作品を紹介させていただきます。

山田修司作(詰パラ1956年3月、『夢の華』34番
山田修司34番

【作意】83歩、71玉、72歩、61玉、52桂成、同金、71歩成、同玉、82歩成、同玉、
 46角、同銀、83歩、71玉、72歩、61玉、51と、同金、71歩成、同玉、
 35角、同銀、82歩成、同玉、86飛、71玉、72歩、61玉、81飛成、同飛、
 73桂まで31手詰

 46と35に角の限定遠打二連発、それを歩の連打と成捨てによる玉の往復運動という趣向手手順でつないだ、楽しめる作品です。

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★次回例会
[日時] 2017年4月16(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[課題] 次回(6月号)企画展のため作品の一般募集は行いません。
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★偶数月の第三日曜日に例会を開催します。
 6月は18日です。場所は大阪市福島区民センターになります。
 毎回、何か課題作を持ち寄って楽しく過ごせるようにしたいと考えています。
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