【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<2回目>

■【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<2回目>
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台」、10名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
     有吉弘敏、上谷直希、奥鳥羽生、河童生、金少桂、小池正浩、
     則内誠一郎、占魚亭、名無し名人、野曽原直之

それでは今日は結果発表の2回目。③と④です。

③ 中村宜幹作 初級者向 「不成」
03_初級向け不成

【作意】21金、同玉、31飛、22玉、12金、同玉、11飛、22玉、32飛不成、11玉、
    12歩、21玉、31とまで13手詰

【評点】百点満点の76点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:2.29、良:2、可:5、否:0
        良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

作者のことば】~自作解説
 まず、13や33から上部への脱走を許しては捕まりそうにありません。
 初手31飛として33の穴を塞ぐことはできますが、21合駒と受けられると13の穴を塞ぐ手段がなく失敗します。
 そこで、初手は21金と捨てて、同玉に31飛と打ってまず33への脱出路を封鎖します。
 玉方は22玉と逃げて13からの脱出を試みますが、12金と捨ててさらに11飛打と打てば13への脱出も防ぐことに成功。
22玉となって玉の逃げ場はなくなりましたが、攻方の残りの手駒は歩1枚。
 一見攻めが切れたようですが、ここで31の飛車を32に捨てるのが好手。同玉には31飛成迄の詰みを見ています。
 しかし、32飛成には11玉とこちらの飛を取られると打歩詰。
 龍の利きが強すぎるのです。しかしもし32の龍が生飛車だったら・・・?
 そう、成った方が絶対に強い飛車を敢えて「32飛不成」と行くのが好手で、21玉と逃げる余地をわざと与えることで打歩詰を回避し、12歩を打つことができます。
 以下、21玉に31と迄、13手詰です。


★自作解説ありがとうございます。
 持駒はふんだんにありますが、惜しみなく金を捨てて、31飛、11飛と巨砲を据えます。
 最後の決め手が32飛不成と捨てる手です。
 成れば11玉で打歩詰。
 試行錯誤して不成に気がついたとき、思わず「やった」となるのではないでしょうか。

則内誠一郎
 打歩詰と大駒不成は教材として欠かせません。

★指し将棋では大駒は成るのが当たり前ですから、大駒の不成に出会ったとき、その不思議さに感動した方が多かったことと思います。

占魚亭
 易しい手順だが、初級者が手を出すには勇気がいるかも。
 初級者に解かせるとしたら、32飛生以下5手の図を示してからかな。

★ご指摘はごもっとも。ただ、3~7手クラスを解けるようになった方に「10手台」にチャレンジしていただくのが本企画の目的ですのでご了承ください。

河童生
 収束間近に不成。教材としては、もっと早くに出て欲しい。

★そういう演出が効果的なのか、いつ出るかというのが良いのか、難しいところですね。
 本作は後半に主眼を出して盛上げたという受け止めました。

有吉弘敏
 この構図での32飛生はなかったかもしれません。

★初形は玉と歩だけで、非常に美しい図です。そこから32飛生が飛び出すのがいいですね。

名無し名人
 ヒモなしで不成するのが良い。
 作者予想=まつ&べし氏。

★ヒモなしの捨駒が好印象でした。

上谷直希
 手の流れとしては10手目同玉のほうでまとめたい。作者もそのつもりだったはず。
 【作者予想】全くわからないけどまつ&べしさん予想

★お二人の本作の作者予想、またもや一致。でも残念ながらはずれました。
 予想のつかないときは、作風不明の初登場作家というのは使える手筋?

野曽原直之
 初形からは予想外の不成が生じる。

★この形、持駒からは大駒不成は想定外だったかもしれません。

奥鳥羽生
 例の不成を捨駒でキレイに表現。
 柏川悦夫2号養成用。

★簡潔な構図から意表を突く妙手、軽妙な好手が繰り出される柏川さんの作品群から打歩詰打開の小品を紹介させていただきます。

柏川悦夫作(将棋世界1953年11月号、『駒と人生』第45番)
柏川悦夫45番

【作意】24歩、22玉、23歩不成、同玉、24飛、32玉、21飛成、33玉、45桂、同と
   24龍、32玉、14角、同歩、21龍、33玉、34歩、同玉、24龍まで19手詰

 22銀の邪魔駒消去に22歩不成の軽手を織り込んでスタートし、龍の往復運動の間に45桂から14角と捨て34歩の打歩詰を打開するに至る手順の美しさ。
 この洗練された作品が昭和20年代に生まれたことに驚きます。


野曽原直之作 初級者~中級者向 「局面の対比」
04_局面の対比

【作意】51角、㋑42香合、同角成、同飛、35香、㋺34角合、同香、23玉、33香成、同玉、24角まで11手詰
<変化>
  ㋑ 42桂合は同角成、同飛、25桂まで
  ㋑ 42飛合は同角成、同飛、23飛まで
  ㋺ 34桂合は同香、23玉、35桂まで

【評点】百点満点の92点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:2.75、良:6、可:2、否:0
     良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

作者のことば】~自作解説~
 初形と10手目の局面を対比すると玉方 44飛 → 42飛になっているだけ (持駒も同じ)という狙いです。手数をかけたにもわらず、少しか局面が変化していないことに面白さや不思議を感じてくれればと思います。
 合駒調べが2回ありますが、作意以外の合駒は取った後1手で詰むので初級者にもそれほど難しくないと思います。
 「初級者向け捨合の教材」にも使えそうです。


★自作解説ありがとうございます。
 詰将棋というのは非効率、不経済な手が好手になる指し将棋とは真逆の世界。
 10手進めた局面と初形を対比させて、詰将棋の不思議さを味わっていただきたいと思います。
 また2度の合駒も明快で好印象です。
 そういったことが評価され、本作は解答者の評価も高く、ベスト3にもう一歩の評点を獲得しました。

小池正浩
 角を香に、香を角に換えて飛車移動による、24角にて詰みの出来上がりですね。

★初手は51角、合駒の香を取って35から打つ、と順序立てて考えれば自然に正解にたどり着きます。
 初級者にも安心して取り組んでもらえる教材です。

占魚亭
 10手かけて受方飛を42地点に移動させた局面を作る。巧みな持駒変換も良い。

★使っても減らない角。

金少桂
 初形と10手目で飛の位置だけが違うという面白い狙い。
 教材としては、玉方が残りの駒全部を「合駒」として使えるという概念の理解に役立ちます。
 そういう点では、通常合→変則合(捨合)の順に出てくるところもポイントが高い。

★「合駒」の教材としても使えそうですね。

有吉弘敏
 論理性のある合駒は詰将棋の良さを伝えられます。

★良質な作品というのは同感です。

則内誠一郎
 理に適った作りに初級者は「美」を感じて下さい。
 1筋右へ移動は味消し?

★右に寄せて、1筋と2筋の配置を玉方12歩一枚にするというアイデアですね。どうなのでしょうか?

河童生
 形と10手後の局面を見比べる、なるほど。でも、なんの教材なのでしょう?

★パズルの世界に誘う教材とお考えください。

名無し名人
 飛を44→42にテレポートさせるマジック。
 作者予想=上谷直希氏。

★気がつけば初形から飛車が二マス動いただけ。
 ここから作者予想リレーのように短評が続きます。

上谷直希
 すこぶる簡単だがすこぶる高級なことをやっている!
 【作者予想】奥鳥羽生さん

★合駒選択が易しいのがいいですね。暗算ではこの対比をうっかりするところ。

奥鳥羽生
 原形から一箇所変動の不思議
 伊藤正2号養成用

★伊藤正さんといえば有名な看寿賞受賞作ですね。

伊藤正作(詰パラ1983年1月、看寿賞)
伊藤正198301

【作意】23龍、25玉、26歩、15玉、16歩、同と、25歩、同玉、34龍、14玉、
   15歩、同と、23龍、25玉、26歩、同と、34龍、14玉、15歩、同玉、
   16歩、14玉、23龍、25玉、17桂、同と、34龍、14玉、15歩まで29手詰

<詰め上がり図>
伊藤正198301詰上り

 初形と詰め上がり図を比べてください!
 玉方のと金を翻弄して先打突歩詰を実現する手順の不思議さを、ぜひとも盤に並べて味わってください。

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★次回例会
[日時] 2017年4月16(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[課題] 次回(6月号)企画展のため作品の一般募集は行っていません。
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★偶数月の第三日曜日に例会を開催します。
 6月は18日です。場所は大阪市福島区民センターになります。
 毎回、何か課題作を持ち寄って楽しく過ごせるようにしたいと考えています。
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