【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<1回目>

【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<1回目>

 前回の更新から10日以上経過。4月になってしまいました。
 しかも届いたパラ4月号を開くと46Pの会合案内に「『教材に使える10手台』は現在結果発表中」と書かれているではありませんか!
 アクセス一万回に浮かれていたわけではありません。
 解答選手権などで忙しかったのです(汗)。

 解答選手権といえば藤井聡太さんの三連覇。
 さすがというか、なんというか。
 東京会場は取材陣が凄かったそうです。
 藤井さんのことが連盟HPに載っていて将棋世界1月号の特集で紹介されていた本棚の蔵書リストが紹介されています。
   https://book.mynavi.jp/shogi/blog/detail/id=72252
 詰将棋関係が最も充実しているとのコメントが出ています。
 よく考えれば、この年齢でこれだけ持っているのはスゴイですよ。

■【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台」<1回目>
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台」には、10名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
    有吉弘敏、上谷直希、奥鳥羽生、河童生、金少桂、小池正浩、
    則内誠一郎、占魚亭、名無し名人、野曽原直之

 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 楽しんでいただける作品が揃っていたのではないかと思います。
 ただ「教材」=初心者・初級者向けと考えられた方からは、難しめのものが入っているとのお叱りを受ける部分もあったようですが、「教材」の対象は幅広いということでご了解ください。
それでは今日から出題順に結果発表を行ってまいります。

 一回目は①と②です。

① 三宅英治作 <超初心者向> 『龍の転回』
01_転回

【作意】11飛成、23玉、13龍、32玉、33龍、41玉、31龍、52玉、51龍、63玉、
    53龍、72玉、73龍、81玉、71龍まで15手詰

【評点】百点満点の78点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:2.33、良:4、可:4、否:1
         良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

作者のことば
 こんな問題で幼稚園生や小学生を教えています。
 詰将棋の啓蒙というよりも将棋の習いたての教材用ですね。


 三宅さんは『将棋を孫に伝える会』を主宰されていますが、子どもたちへの普及に熱心に取り組まれています。その真摯な姿勢には頭が下がります。
 HPでも様々な活動が紹介されています。普及に関心のある方は一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
→ http://www.geocities.jp/syougi_mago/index.html

 今回三宅さんはネット作品展への投稿募集にいの一番でたくさんの作品を届けてくださいましたので、その中から二作品を出展させていただきました。
 マニアの方は一目でしょうが、これは将棋のルールを覚えて間もない方に、指し将棋だけでなく、詰将棋にも興味を持ってもらおうという視点で作られたものだということで、ご覧いただきたいと思います。
 手順の説明は必要ないと思いますが、最も効率の良い王手は何かということを考えてもらう問題でもあります。
 また11飛成とすれば玉は23に逃げるしかなく、変化も簡明です。王手に対する応手がこの一手しかないというのも超初心者には親切な構造です。
 13→33→31→51→53→73→71と、くるくると龍が転回してお終いなのですが、易しい龍追い趣向と見ることもできます。そういう短評もたくさんいただきました。

占魚亭
 易しく楽しい一本道。10手台入門に最適。

野曽原直之
 3手詰がやっと、という人にも挑戦してほしい。

★3手や5手しか解いたことがないという人にも10手台を解いたという達成感を味わっていただけます。

則内誠一郎
 初心を忘れると作品の評価が難しくなります。

★どなたにも初心の時代はあったと思います。普及には初心を思い出すことも大切です。

名無し名人
 趣向作という見方もできるけど、ただ龍で追ってるだけで詰将棋の面白さを伝えるのは厳しいか。
 作者予想=中出慶一氏。

★①と②は「面白さ」を伝える一歩手前の作品ということで受け止めたいと思います。

上谷直希
 趣向作入門。
 【作者予想】中出慶一さん

★名無し名人さんと上谷さんは作者予想が一致しました(残念ながらはずれですが、笑)。
 確かに中出さんには易しい趣向作がありますね。

小池正浩
 実戦的なものとは異なる世界の入口として、良いかもしれませんね。

★「易しいから詰まらない」という人もいそうですが、「難しい」ことだけが詰将棋の評価軸ではありませんからね。

河童生
 鼻歌で解けた、♪♪ 追いかけて、追いかけて、追いかけて、雪国 ♪♪

金少桂
 趣向詰の源流、龍追い。こういう作品から趣向詰や龍追い長編の魅力に惹かれる人が増えるといいですね。

★駒を動かすだけで詰んでしまう。解き終わって手数を数えてみれば10手台。これがもっと長い手数へのチャレンジにつながればと思います。

奥鳥羽生
 くるくるくるくるくるくるくるくる(8回)
 相馬康幸2号養成用

★相馬康幸さんの看寿賞受賞作「迷路」は次図。
 捨駒無し、龍追いのみで200手超えを実現した素晴らしい作品です。

相馬康幸作「迷路」 (近代将棋1987年7月、看寿賞、『Collection』№78)
相馬康幸「迷路」

 52飛成以下239手詰(長手数なので手順を略させていただきます)。
 玉は左回り、右回りのルートで逃げます。下段で「57~48~59~68」の地点で左右の折り返しが異なる箇所があり、すべて限定されているのは見事です。ポイント地点は、25手目22龍でと金を奪う、43手目78歩と打つ、81手目72龍で歩を奪う、121手目65歩と打つ、147手目29龍でと金を奪う、151手目38歩と打つ、177手目96龍で歩を奪う、185手目87歩と打つ、211手目72銀成などで、回転の途中で逃げ道を限定していく仕組みが巧妙です。

有吉弘敏
 主旨に合ってますし、楽しさを伝えられます。

★課題の主旨にピッタリの一局で、皆さんからも好評でした。


② 三宅英治作 <超初心者向> 『玉のエスカレーター』
02_玉のエスカレーター

【作意】23歩成、同玉、24金、22玉、32歩成、同玉、33金、31玉、41歩成、同玉、42金まで11手詰

【評点】百点満点の85点(平均点×100÷3で算出)
  *平均点:2.56、良:5、可:4、否:0
        良は3点、可は2点、否は1点とし、誤無解を除いて集計

作者のことば
 初心者には、解かせてみて「自ら解けた」時に「もっと解いてみたい」という興味を引き出すことが大切だと思います。
 普段、子供教室でそこを外さないようにやさしい問題を提供しています。
 私は子供達が自力で解いて面白さを実感させることを指導に心がけています。


 この作者のことばは、三宅さんからうかがったご意見です。
 特定の投稿作につけられたものではありませんが、大切なところだと思います。

 私は本作を、①以上に、基本手筋の習得だけでなく趣向色が強くなったように感じます。
 歩を成捨てながら金を進んでいく、このリズム感のようなものを楽しい、面白いと感じてもらえれば、詰将棋の世界に近づいてもらえるのではないでしょうか。

有吉弘敏
 これも主旨にあっています。玉の軌跡が面白い。

★玉が階段を一段ずつ降りていくようですね。

河童生
 食品売り場は地下2階、エスカレーターで行きましょう。

★原題は「歩の成捨て」というものでしたが、管理人の独断でタイトルを変更させていただきました。三宅さん、すみません。

野曽原直之
 歩の成り捨てが気持ちいい。

★捨駒の手筋習得です。

小池正浩
 歩が消えると共に、金の行進。清涼詰でもありますね。

★「金の行進」というタイトルが良かったかもしれませんね。

名無し名人
 易しい軽趣向で詰将棋を解くのが嫌いな人でも楽しめる作品。
 作者予想=これも中出慶一氏。

★将棋は好きでも詰将棋は嫌いという人、確かにいますね。好きでもないのに棋力アップのために始めると長続きしないという話も三宅さんからうかがったことがあります。
 こういう作品がきっかけで詰将棋を好きになってもらえると嬉しいですね。

上谷直希
 趣向作入門。
 【作者予想】三宅英治さん

★作者予想はお見事!

金少桂
 こちらも趣向詰。シンプルなので角の利きの確認、駒成の理解の確認としても使えそう。

★初心者向けの教材として色々な要素が詰まっていますね。

奥鳥羽生
 成捨て・金出のリズム感
 黒川一郎2号養成用

★詰将棋を使って詩を書くと言われた浪漫派の巨匠、黒川一郎さん。
 と金を捨てながら玉を追い込む朝霧趣向を軽く仕上げた一作がありますので紹介します。

 黒川一郎作「漣」 (詰パラ1965年9月、『将棋浪漫集』第78番)
黒川78番「漣」

 82と寄、61玉、71と寄、51玉、62歩成、同玉、63と左、同と、72と寄以下43手詰
 『将棋浪漫集』は黒川氏の作品集。1973年に西東書房から発行された豪華本。

占魚亭
 易しく楽しい一本道その2。味のある手順。

★一本道のなかに、楽しめる要素が詰まっています。

則内誠一郎
 解いてみて楽しさを感じることは大切な経験です。

★「楽しくなければ詰将棋じゃない」と言いたいですね。

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★次回例会
[日時] 2017年4月16(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[課題] 次回(6月号)企画展のため作品の一般募集は行っていません。
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★偶数月の第三日曜日に例会を開催します。
6月は18日です。場所は大阪市福島区民センターになります。
毎回、何か課題作を持ち寄って楽しく過ごせるようにしたいと考えています。
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