Book レビュー「秘伝 将棋無双」

図書館で「秘伝 将棋無双」を発見。
2006年発行。出版社は山海堂。著者は将棋ライターとしても活躍されている湯川博士さん。監修は門脇芳雄さん。
難解な「無双」の作品を初心者でも理解できるように、複数の登場人物が試行錯誤を繰り返しながら解答に取り組むという構成になっています。図面もたくさんあって大変わかりやすい。
問題は全部で30問。詰パラ誌上で若島正さんが『夢想の研究』を連載されていますが、そこで取り上げられている1番や35番も登場します。
一読して印象に残った作品を二つ紹介させていただきます。

【9番】
無双9番

この作品、ある意味では取れる駒を取らない手順が出てくる。
導入は65銀の活用で74の金を取る。74同玉となったところで65金が妙手。54の飛車を取って53飛から56飛成となった局面で豪快に65龍と捨てるのが眼目の一手。

~図面<15手目65龍>~
無双9番65龍
64角成と欲ばると、以下、83玉、93香成、72玉、84桂、71玉、53馬の時62歩合となり、7筋は二歩禁のため、全然手段がない形になってしまう。

~図面<22手目62歩合、失敗図>~
無双9番失敗図
65龍は、同歩と取らせて、玉方6筋の歩を取らずに攻め、53馬の時、二歩禁で歩以外の合駒を要求しようというのである。
詰手順:72香、同玉、83銀成、同玉、74銀、同玉、65金、同玉、54飛成、同玉、53飛、65玉、
56飛成、74玉、65龍、同歩、64角成、83玉、93香成、72玉、84桂、71玉、53馬、62香合、
同馬、同銀、72香、81玉、92成香まで29手詰

【15番】
無双15番

本題は「飛先飛歩」の一局。
4手目いきなり飛合が飛び出す。

~図面<4手目84飛合>~
無双15番84飛合
普通に同馬から73馬と玉を追うとその意味がわかる。73同玉、83飛、64玉、65飛、54玉、44角成、同香となって打歩詰。これでは失敗である。

~図面<44同香、失敗図>~
無双15番失敗図
この局面、4手目に歩合などでは65の駒は歩なので、ここから55歩と打って収束に入ることが出来る。一見強力な飛を合するのが「飛先飛歩」の不利合駒の妙防だった。
そこで攻方は、獲得した持駒の飛車を歩と交換を計る。遠回りのようだが92歩成から93馬と捨て、93同玉に95飛で94歩合を強要し、飛と歩を交換することに成功する。

~図面<12手目94歩合>~
無双15番94歩合
これにより前記の詰み筋が実現し都の詰め上がり。
詰手順:93歩、83玉、89香、84飛合、同馬、82玉、92歩成、同香、93馬、同玉、95飛、94歩合
同飛、同玉、85金、93玉、84金、82玉、73金、同玉、83飛、64玉、65歩、54玉、44角成、
同香、55歩、同玉、53飛成、54金合、44龍、同金、56香まで33手詰

「無双」についてはもう少し紹介したい作品があるので続きは近日中に。
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【次回創棋会例会案内】
◆日時:2015年12月20日(日)13時~17時
◆場所:関西将棋会館4F
◆課題:
「持駒ホケキョ(桂香歩)の3種」(それぞれの枚数は不問です)
29手以内でお願いします。
作品の送付先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
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以上
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