【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」<1回目>
【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」<1回目>
・解答選手権は初級一般戦の会場も続々中止が決定。
この「新型肺炎」の脅威はいつまで続くのでしょうか…。
■【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」<1回目>
創棋会のネット作品展「教材に使える詰将棋~大駒捨てのある作品~」には、17名の方から解答をいただきました。
解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
嵐田保夫、有吉弘敏、片山智之、奥鳥羽生、白木大輔、則内誠一郎、占魚亭、
竹中健一、津久井康雄、西村章、野曽原直之、原田豪、福原徹彦、松澤成俊、
RINTARO、安田恒雄、山下誠
多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
大駒捨てを堪能できる作品が揃っていたので、楽しんでいただけたのではないかと思います。
出題は2月19日。次のURLからご覧いただけます。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-333.html
それでは今日から出題順に結果発表を行ってまいります。
① 吉松智明作

【作意】22歩、31玉、23桂、同桂、21歩成、同玉、43角成、同飛、12飛成、同玉、31角成まで11手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.35、A:6、B:11、C:0、誤解:0、無解:0、無評価:0
【作者のことば】
よくある収束3手からの逆算。
★よくある収束とは、12飛成から31角成の開き王手のことですね。
そこにどのように持っていくかが考え処です。
初形から12飛成とするのは、同玉、31角成に14飛と香を抜かれてしまいます。
そこで玉方44飛の利きを変えるため、初手43角成と捨てます。
同飛に12飛成と捨てれば、同玉に31角成まで。
いや、それには23玉と脱出ルートがありました。
23地点も塞いでおく必要があります。
ということで初手は22歩です。12玉なら24角成まで。
31玉と寄ったときに23桂と捨てます。
41玉なら52飛成までですから、23桂は同桂と取ります。
これで無事23の穴塞ぎが完了。
21歩成、同玉と呼び戻してから、43角成と捨てるのが正しい手順。
43同飛と取らせて舞台が整いました。
12飛成と捨て、同玉に31角成の開き王手できれいにフィニッシュ。
RINTARO :収束からの逆算かな。角も飛車も捨てて、うまくできていると思います。
★ご明察。
安田恒雄:収束は想定通りの開き王手だが、逆算の緻密な環境作りが肝要。
★頭の5手が入ったので、少し詰将棋らしくなりました。
山下誠: 脱出路を塞ぐ準備工作の後に大駒を豪快に捌く理想的な展開。
★地味なスタートから気持ちの良い大駒捨の収束というのが解後感の良くなる構成。
原田豪: 初手43角成としたいところ。
西村 章:すぐにでも43角成としたくなるのをぐっとこらえる。 B
★初手43角成とし、同飛、22歩、31玉、23桂とするのは、41玉と逃げられて詰まないので、手順前後は利きません。
占魚亭:ひと目の詰上り。手順前後に要注意。
★唯一の紛れがこの手順前後(笑)
則内誠一郎: 読みやすくて教材にふさわしい。
★複雑な変化や紛れがなくシンプルな表現。
津久井康雄:まさに教材という感じ。
竹中健一:定番の収束なので教材に使えそうです。
★「定番」というのがピッタリですね。
片山智之:1二飛成からの開き王手は知っておくべき詰手筋。初心者にぴったりの作品だと思いました。
★習いある手筋を少し脚色して10手台に仕立てました。
嵐田 保夫:まさしく教材に適した開き王手手筋もの。序盤の入りは極く平凡だが、教材用という観点ではA。
★22歩は俗手ですが、打ちにくい味もあったようです。
有吉弘敏: 2手目12玉の変化は若干面白い。
★12玉は24角成の一手詰ですが、他にも面白い手がありましたか?
野曽原直之 :歩を打ってすぐに成り捨てる。
★22歩を打って捨てるのもちょっぴり味良し?
福原徹彦:桂と歩の使い方が良い。手の意味も明確になっている。
奥鳥羽生:収束の気持ちいい連続大駒捨てが、開き王手誘導の教材。
前半のお膳立も伏線的な退路封鎖の良い教材。
★開き王手の教材にもなっています。
白木大輔:楽しく解けました。
松澤成俊:幕開きにふさわしい教材
★C評価なしでオープニングを飾りました。
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2020年4月19日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 「駒の軌跡」。駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています!
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年6月21日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
<最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[会費] 無料
[課題] 後日案内させていただきます。
******************************************************
★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
以上
・解答選手権は初級一般戦の会場も続々中止が決定。
この「新型肺炎」の脅威はいつまで続くのでしょうか…。
■【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」<1回目>
創棋会のネット作品展「教材に使える詰将棋~大駒捨てのある作品~」には、17名の方から解答をいただきました。
解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
嵐田保夫、有吉弘敏、片山智之、奥鳥羽生、白木大輔、則内誠一郎、占魚亭、
竹中健一、津久井康雄、西村章、野曽原直之、原田豪、福原徹彦、松澤成俊、
RINTARO、安田恒雄、山下誠
多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
大駒捨てを堪能できる作品が揃っていたので、楽しんでいただけたのではないかと思います。
出題は2月19日。次のURLからご覧いただけます。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-333.html
それでは今日から出題順に結果発表を行ってまいります。
① 吉松智明作

【作意】22歩、31玉、23桂、同桂、21歩成、同玉、43角成、同飛、12飛成、同玉、31角成まで11手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.35、A:6、B:11、C:0、誤解:0、無解:0、無評価:0
【作者のことば】
よくある収束3手からの逆算。
★よくある収束とは、12飛成から31角成の開き王手のことですね。
そこにどのように持っていくかが考え処です。
初形から12飛成とするのは、同玉、31角成に14飛と香を抜かれてしまいます。
そこで玉方44飛の利きを変えるため、初手43角成と捨てます。
同飛に12飛成と捨てれば、同玉に31角成まで。
いや、それには23玉と脱出ルートがありました。
23地点も塞いでおく必要があります。
ということで初手は22歩です。12玉なら24角成まで。
31玉と寄ったときに23桂と捨てます。
41玉なら52飛成までですから、23桂は同桂と取ります。
これで無事23の穴塞ぎが完了。
21歩成、同玉と呼び戻してから、43角成と捨てるのが正しい手順。
43同飛と取らせて舞台が整いました。
12飛成と捨て、同玉に31角成の開き王手できれいにフィニッシュ。
RINTARO :収束からの逆算かな。角も飛車も捨てて、うまくできていると思います。
★ご明察。
安田恒雄:収束は想定通りの開き王手だが、逆算の緻密な環境作りが肝要。
★頭の5手が入ったので、少し詰将棋らしくなりました。
山下誠: 脱出路を塞ぐ準備工作の後に大駒を豪快に捌く理想的な展開。
★地味なスタートから気持ちの良い大駒捨の収束というのが解後感の良くなる構成。
原田豪: 初手43角成としたいところ。
西村 章:すぐにでも43角成としたくなるのをぐっとこらえる。 B
★初手43角成とし、同飛、22歩、31玉、23桂とするのは、41玉と逃げられて詰まないので、手順前後は利きません。
占魚亭:ひと目の詰上り。手順前後に要注意。
★唯一の紛れがこの手順前後(笑)
則内誠一郎: 読みやすくて教材にふさわしい。
★複雑な変化や紛れがなくシンプルな表現。
津久井康雄:まさに教材という感じ。
竹中健一:定番の収束なので教材に使えそうです。
★「定番」というのがピッタリですね。
片山智之:1二飛成からの開き王手は知っておくべき詰手筋。初心者にぴったりの作品だと思いました。
★習いある手筋を少し脚色して10手台に仕立てました。
嵐田 保夫:まさしく教材に適した開き王手手筋もの。序盤の入りは極く平凡だが、教材用という観点ではA。
★22歩は俗手ですが、打ちにくい味もあったようです。
有吉弘敏: 2手目12玉の変化は若干面白い。
★12玉は24角成の一手詰ですが、他にも面白い手がありましたか?
野曽原直之 :歩を打ってすぐに成り捨てる。
★22歩を打って捨てるのもちょっぴり味良し?
福原徹彦:桂と歩の使い方が良い。手の意味も明確になっている。
奥鳥羽生:収束の気持ちいい連続大駒捨てが、開き王手誘導の教材。
前半のお膳立も伏線的な退路封鎖の良い教材。
★開き王手の教材にもなっています。
白木大輔:楽しく解けました。
松澤成俊:幕開きにふさわしい教材
★C評価なしでオープニングを飾りました。
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2020年4月19日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 「駒の軌跡」。駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています!
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年6月21日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
<最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[会費] 無料
[課題] 後日案内させていただきます。
******************************************************
★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
以上
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続・創棋会の次回課題は「駒の軌跡」
<創棋会の次回課題は「駒の軌跡」>
・「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」の解答締切は3月22日(水)です。
この週末がお休みという方、是非とも解答をお届けください。
・すっかり春めいてきました。
毎年この時期になると近所で木蓮がきれいに咲いています。

■「教材に使える詰将棋」partⅣの出題中(解答締切は3/22)
創棋会のネット作品展「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された13題を2/19にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-333.html
出題作の作者は次の10名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
奥鳥羽生、片山智之、信行寺持光、則内誠一郎、中出慶一、西村章、野曽原直之、
RINTARO、安田恒雄、吉松智明
大駒捨ての爽快さを楽しめる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋が好きになる、そういう作品ばかりです。
「力試し」の3題も、形はよくありませんが、解けば納得の作品ばかりです。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 3/22(日)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
また「力試し」解答者は別枠で1名に呈賞
★図面は次のサイトから取り出すことができます。
https://firestorage.jp/download/9acf723fb54e728f936e301be037258e63f0d136
パスワード 「kyozai4」です。
■創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です
創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です。
詰パラ6月号作品展への出題作となります。
駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています。
駒の移動といっても表現はさまざまです。
回転もあれば鋸のようなもの、水平移動に垂直移動、振子のような往復移動もそうですね。
表現の面白さに笑みがこぼれる、手順を並べて楽しめる、そんな作品が多いのではないかと思います。
作家の皆さんの腕の見せ所ではないでしょうか?
創意溢れる作品の投稿をお待ちしています。
投稿はこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
◇例題紹介
それでは例題紹介です。
いつものことですが、管理人の好みで「これはいいな」と思った作品を紹介させていただきます。
橋本孝治作 詰パラ1983年6月(「現代詰将棋短編名作選」第78番)

盤面20枚というすごい初形ですが、果たして何が飛び出すでしょうか。
初手は桂を跳ねて開き王手するしかありません。
右に跳ねるか、左に跳ねるか、さてどちらが正解でしょう?
27桂と跳ねれば一歩稼ぐことが出来ます。
角が利いているので58には逃げられません。
49に合するしかないのですが、最下段ですから合出来るのは、飛角銀が品切れなので、金しかありません。
しかし49金合の後がどうにも手がありません。
正解は47桂です。
これなら49金合には、同飛と取り27角と と金を取ることが出来ます。
27桂と跳ぶとこの27角が出来ないので詰まなかったわけです。
47桂には、今度は36角の利きが止まったので58玉と逃げることが出来ます。
58玉の局面では、またまた王手をするには桂を跳ねて36角による開き王手しかありません。
しかも今度は35しか跳ねるところはありません。
35桂と跳ねて開き王手!
<1図:3手目 35桂>

35桂跳ねには57玉と銀を取って逃げるしかありません。
それには47飛成が見えます。68玉、69飛、同玉、67龍と手は続きますが、69玉で息切れです。
57玉には13角を活かす開き王手がありました。
43桂不成です。
<2図:5手目 43桂不成>

43桂不成で13角の利きが通って、68からの逃走が防げます。
こうなると48玉と逃げ込むしかありません。
そこで31桂成と跳ねれば、41飛による開き王手で詰み。
なお、5手目に43桂成とすると43の成桂はどこにも動くことが出来ず詰みません。
終わってみれば初形の39桂が47→35→43→31と見事な4段跳び。
桂の4段跳びを最短手数で実現した作品です。
作者は出題時に「7手詰の趣向作のつもり」と言われています。
大作ミクロコスモスの作者の楽しい作品でした。
【詰手順】47桂、58玉、35桂(1図)、57玉、43桂不成(2図)、48玉、31桂成まで7手詰
中筋俊裕作 詰パラ2011年8月号(「現代詰将棋中編名作選」第234番)

大駒4枚の包囲網。24飛にも16桂の紐がついているので取られる心配がない。
しかし持駒に金気が無いので、詰み形が浮かばない。
まず36香と打ってみましょう。同玉なら27龍で簡単ですが45玉と寄られると、続きません。
初手は37香と と金の利きに打つのが好手。
同となら26龍まで、45玉には27角がありますから、36合の一手です。
何を合しても同香と取って45玉と逃げるしかありませんから、頭に利く駒なら46から打って簡単。
ということで37香には36桂合しかありません。
36桂合も同香と取り、45玉と逃げたとき、もらった桂を37に打ちます。
36玉なら27龍、47玉、45桂できれいに詰みますから、37桂は同と と取る一手。
これで29の龍を25に活用することが出来ます。
35に何か合するしかないのですが、前に利く駒は46から打たれますので、ここでも桂が最善。35桂打と受けます。
<3図:8手目 35桂打>

35桂を龍で取っては手が続かないので、35同香と取れば18角の睨みを活かす開き王手。
桂は品切れですが、36香合なら、同角、同と、37桂、同と、46香まで。
3筋に歩は打てないので27歩合で凌ぎます。
同角、同と となった局面は打歩詰。
ここで34香と一マス動くのが好手。
34香の効果で24飛の横利きが止まったので、35合には46歩が打てるのです。
たとえば香合なら、46歩、44玉、36桂、同香、45龍で詰み。
この手順を防いで、35銀と合するのが粘りのある受け。
<4図:14手目 35銀>

35銀合にも、46歩、44玉、36桂、同銀と進めます。
45に銀の利きがあるので、45歩や45龍とはできませんが、洒落た手がありました。
33香成と開き王手します。
32香成とするのは、24銀と飛車を取らずに34歩合で困ります。
33に香を成っておけば34歩合には、同成香から数の攻めで詰みます。
もちろん、24銀なら同龍から53銀がありますから、33香成は同玉と取るしかありません。
そこで23飛成ともう一枚龍を作って、44玉に55龍と捨てるのが決め手。
同桂に53馬まで引き締まった詰上り。
本作は37に打った香が、36→35→34→33と動きます。
足の長い香が一マスずつ4回も動くのは、非常に高度な構想です。
【詰手順】37香、36桂、同香、45玉、37桂、同と、25龍、35桂打(3図)、同香、
27歩、同角、同と、34香、35銀(4図)、46歩、44玉、36桂、同銀、
33香成、同玉、23飛成、44玉、55龍、同桂、53馬まで25手詰
駒三十九作 近代将棋1985年3月
(塚田賞、「現代詰将棋中編名作選」第64番、「からくり箱」第48番)

14飛と寄れば、13香合のような受けでは23桂、12玉、24桂、23玉、15桂、14玉、25龍で詰むのですが、13桂合とされると詰みません。
他に有力そうな手が無いので、気は進みませんが22飛成と角を取ります。
22同玉なら31角と打って、23玉なら15桂、12玉、24桂というように、桂を連打すれば詰みますから、22飛成には22同歩と応じます。
持駒に桂が沢山あるので23桂と応手を訊きます。
21玉と寄るのは32角から15龍で簡単。
12玉なら24桂と打ち13玉に15龍と廻ります。14香合なら25桂から12角があるので14飛合としますが、12桂成、23玉に14龍と飛を取り同玉に13飛と打てば、24玉に15角で容易に詰みます。
23桂は平凡に23同歩が最善。
ここで44角と打つのが好手。
22合なら31龍があるので角と龍の焦点、33に捨合して凌ぎます。
何を合するのがよいでしょうか?
まず33歩合としてみましょう。
これは同角成とし、22合も同馬と取って、同玉に14桂と打ちます。12玉と寄りますが、手に入れた一歩を13歩と叩きます。同玉に25桂と打てば14玉と逃げる一手。そのとき先ほど22で手に入れた駒を15から打って同玉に13桂成までの詰み。頭の丸い桂なら26桂から13桂成です。
頭に利く駒は13に打てるので早いようです。
最善は33桂です。
<5図:6手目 33桂>

これは同角成と取ります。
12玉なら、23馬と歩を取って同玉に15桂と打てば詰んでしまうので、22合の一手です。しかし先ほど調べたように頭に利く駒は、同馬、同玉、14桂、12玉、13Xと打って詰みますから、22合も桂が最善です。
これも同馬と取り持駒が4桂になりました。
22同玉には14桂と打ちます。
13玉には25桂があるので、12玉と寄って凌ぎます。
32龍と突っ込みたいのですが、13玉と逃げられると上部脱出を防ぐことができません。
頭に利く駒があれば13から打てるのですが、困りましたね。
しかし持駒に桂が増えたので、24桂と捨てる手がありました。
<6図:13手目 24桂>

24桂に13玉なら25桂があるので、24同歩と応じます。
逃げ道を狭めたので32龍と待望の活用です。
13玉と逃げるしかありませんが、あわてて22龍とすると14玉で脱出されます。
ここは25桂と捨てるのが好手。
14玉なら12龍までということで、25同歩と取るしかありません。
25龍とできる形が出来たので、22龍と寄せていきます。
14玉の一手に25龍では13玉で詰みませんし、25銀も15玉から26玉の脱出が止められません。
14玉には最後の桂を26に捨てるのが決め手。
26同歩と取るしかありませんが、25銀とすれば15玉に24龍までの詰み。
33桂から22桂の連続合、入手した桂も含めて5枚の桂を連打して詰上げる楽しい作品。
最終図をよく見ると、初形の21歩が22→23→24→25→26と、文字通り一歩ずつ前進。
なぜ初手に駒取りを入れたのかがよく分かります。
【詰手順】22飛成、同歩、23桂、同歩、44角、33桂(5図)、同角成、22桂、
同馬、同玉、14桂、12玉、24桂(6図)、同歩、32龍、13玉、
25桂、同歩、22龍、14玉、26桂、同歩、25銀、15玉、24龍まで25手詰
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2020年4月19日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 「駒の軌跡」。駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています!
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年6月21日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
<最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[会費] 無料
[課題] 後日案内させていただきます。
******************************************************
★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
以上
・「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」の解答締切は3月22日(水)です。
この週末がお休みという方、是非とも解答をお届けください。
・すっかり春めいてきました。
毎年この時期になると近所で木蓮がきれいに咲いています。

■「教材に使える詰将棋」partⅣの出題中(解答締切は3/22)
創棋会のネット作品展「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された13題を2/19にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-333.html
出題作の作者は次の10名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
奥鳥羽生、片山智之、信行寺持光、則内誠一郎、中出慶一、西村章、野曽原直之、
RINTARO、安田恒雄、吉松智明
大駒捨ての爽快さを楽しめる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋が好きになる、そういう作品ばかりです。
「力試し」の3題も、形はよくありませんが、解けば納得の作品ばかりです。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 3/22(日)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
また「力試し」解答者は別枠で1名に呈賞
★図面は次のサイトから取り出すことができます。
https://firestorage.jp/download/9acf723fb54e728f936e301be037258e63f0d136
パスワード 「kyozai4」です。
■創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です
創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です。
詰パラ6月号作品展への出題作となります。
駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています。
駒の移動といっても表現はさまざまです。
回転もあれば鋸のようなもの、水平移動に垂直移動、振子のような往復移動もそうですね。
表現の面白さに笑みがこぼれる、手順を並べて楽しめる、そんな作品が多いのではないかと思います。
作家の皆さんの腕の見せ所ではないでしょうか?
創意溢れる作品の投稿をお待ちしています。
投稿はこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
◇例題紹介
それでは例題紹介です。
いつものことですが、管理人の好みで「これはいいな」と思った作品を紹介させていただきます。
橋本孝治作 詰パラ1983年6月(「現代詰将棋短編名作選」第78番)

盤面20枚というすごい初形ですが、果たして何が飛び出すでしょうか。
初手は桂を跳ねて開き王手するしかありません。
右に跳ねるか、左に跳ねるか、さてどちらが正解でしょう?
27桂と跳ねれば一歩稼ぐことが出来ます。
角が利いているので58には逃げられません。
49に合するしかないのですが、最下段ですから合出来るのは、飛角銀が品切れなので、金しかありません。
しかし49金合の後がどうにも手がありません。
正解は47桂です。
これなら49金合には、同飛と取り27角と と金を取ることが出来ます。
27桂と跳ぶとこの27角が出来ないので詰まなかったわけです。
47桂には、今度は36角の利きが止まったので58玉と逃げることが出来ます。
58玉の局面では、またまた王手をするには桂を跳ねて36角による開き王手しかありません。
しかも今度は35しか跳ねるところはありません。
35桂と跳ねて開き王手!
<1図:3手目 35桂>

35桂跳ねには57玉と銀を取って逃げるしかありません。
それには47飛成が見えます。68玉、69飛、同玉、67龍と手は続きますが、69玉で息切れです。
57玉には13角を活かす開き王手がありました。
43桂不成です。
<2図:5手目 43桂不成>

43桂不成で13角の利きが通って、68からの逃走が防げます。
こうなると48玉と逃げ込むしかありません。
そこで31桂成と跳ねれば、41飛による開き王手で詰み。
なお、5手目に43桂成とすると43の成桂はどこにも動くことが出来ず詰みません。
終わってみれば初形の39桂が47→35→43→31と見事な4段跳び。
桂の4段跳びを最短手数で実現した作品です。
作者は出題時に「7手詰の趣向作のつもり」と言われています。
大作ミクロコスモスの作者の楽しい作品でした。
【詰手順】47桂、58玉、35桂(1図)、57玉、43桂不成(2図)、48玉、31桂成まで7手詰
中筋俊裕作 詰パラ2011年8月号(「現代詰将棋中編名作選」第234番)

大駒4枚の包囲網。24飛にも16桂の紐がついているので取られる心配がない。
しかし持駒に金気が無いので、詰み形が浮かばない。
まず36香と打ってみましょう。同玉なら27龍で簡単ですが45玉と寄られると、続きません。
初手は37香と と金の利きに打つのが好手。
同となら26龍まで、45玉には27角がありますから、36合の一手です。
何を合しても同香と取って45玉と逃げるしかありませんから、頭に利く駒なら46から打って簡単。
ということで37香には36桂合しかありません。
36桂合も同香と取り、45玉と逃げたとき、もらった桂を37に打ちます。
36玉なら27龍、47玉、45桂できれいに詰みますから、37桂は同と と取る一手。
これで29の龍を25に活用することが出来ます。
35に何か合するしかないのですが、前に利く駒は46から打たれますので、ここでも桂が最善。35桂打と受けます。
<3図:8手目 35桂打>

35桂を龍で取っては手が続かないので、35同香と取れば18角の睨みを活かす開き王手。
桂は品切れですが、36香合なら、同角、同と、37桂、同と、46香まで。
3筋に歩は打てないので27歩合で凌ぎます。
同角、同と となった局面は打歩詰。
ここで34香と一マス動くのが好手。
34香の効果で24飛の横利きが止まったので、35合には46歩が打てるのです。
たとえば香合なら、46歩、44玉、36桂、同香、45龍で詰み。
この手順を防いで、35銀と合するのが粘りのある受け。
<4図:14手目 35銀>

35銀合にも、46歩、44玉、36桂、同銀と進めます。
45に銀の利きがあるので、45歩や45龍とはできませんが、洒落た手がありました。
33香成と開き王手します。
32香成とするのは、24銀と飛車を取らずに34歩合で困ります。
33に香を成っておけば34歩合には、同成香から数の攻めで詰みます。
もちろん、24銀なら同龍から53銀がありますから、33香成は同玉と取るしかありません。
そこで23飛成ともう一枚龍を作って、44玉に55龍と捨てるのが決め手。
同桂に53馬まで引き締まった詰上り。
本作は37に打った香が、36→35→34→33と動きます。
足の長い香が一マスずつ4回も動くのは、非常に高度な構想です。
【詰手順】37香、36桂、同香、45玉、37桂、同と、25龍、35桂打(3図)、同香、
27歩、同角、同と、34香、35銀(4図)、46歩、44玉、36桂、同銀、
33香成、同玉、23飛成、44玉、55龍、同桂、53馬まで25手詰
駒三十九作 近代将棋1985年3月
(塚田賞、「現代詰将棋中編名作選」第64番、「からくり箱」第48番)

14飛と寄れば、13香合のような受けでは23桂、12玉、24桂、23玉、15桂、14玉、25龍で詰むのですが、13桂合とされると詰みません。
他に有力そうな手が無いので、気は進みませんが22飛成と角を取ります。
22同玉なら31角と打って、23玉なら15桂、12玉、24桂というように、桂を連打すれば詰みますから、22飛成には22同歩と応じます。
持駒に桂が沢山あるので23桂と応手を訊きます。
21玉と寄るのは32角から15龍で簡単。
12玉なら24桂と打ち13玉に15龍と廻ります。14香合なら25桂から12角があるので14飛合としますが、12桂成、23玉に14龍と飛を取り同玉に13飛と打てば、24玉に15角で容易に詰みます。
23桂は平凡に23同歩が最善。
ここで44角と打つのが好手。
22合なら31龍があるので角と龍の焦点、33に捨合して凌ぎます。
何を合するのがよいでしょうか?
まず33歩合としてみましょう。
これは同角成とし、22合も同馬と取って、同玉に14桂と打ちます。12玉と寄りますが、手に入れた一歩を13歩と叩きます。同玉に25桂と打てば14玉と逃げる一手。そのとき先ほど22で手に入れた駒を15から打って同玉に13桂成までの詰み。頭の丸い桂なら26桂から13桂成です。
頭に利く駒は13に打てるので早いようです。
最善は33桂です。
<5図:6手目 33桂>

これは同角成と取ります。
12玉なら、23馬と歩を取って同玉に15桂と打てば詰んでしまうので、22合の一手です。しかし先ほど調べたように頭に利く駒は、同馬、同玉、14桂、12玉、13Xと打って詰みますから、22合も桂が最善です。
これも同馬と取り持駒が4桂になりました。
22同玉には14桂と打ちます。
13玉には25桂があるので、12玉と寄って凌ぎます。
32龍と突っ込みたいのですが、13玉と逃げられると上部脱出を防ぐことができません。
頭に利く駒があれば13から打てるのですが、困りましたね。
しかし持駒に桂が増えたので、24桂と捨てる手がありました。
<6図:13手目 24桂>

24桂に13玉なら25桂があるので、24同歩と応じます。
逃げ道を狭めたので32龍と待望の活用です。
13玉と逃げるしかありませんが、あわてて22龍とすると14玉で脱出されます。
ここは25桂と捨てるのが好手。
14玉なら12龍までということで、25同歩と取るしかありません。
25龍とできる形が出来たので、22龍と寄せていきます。
14玉の一手に25龍では13玉で詰みませんし、25銀も15玉から26玉の脱出が止められません。
14玉には最後の桂を26に捨てるのが決め手。
26同歩と取るしかありませんが、25銀とすれば15玉に24龍までの詰み。
33桂から22桂の連続合、入手した桂も含めて5枚の桂を連打して詰上げる楽しい作品。
最終図をよく見ると、初形の21歩が22→23→24→25→26と、文字通り一歩ずつ前進。
なぜ初手に駒取りを入れたのかがよく分かります。
【詰手順】22飛成、同歩、23桂、同歩、44角、33桂(5図)、同角成、22桂、
同馬、同玉、14桂、12玉、24桂(6図)、同歩、32龍、13玉、
25桂、同歩、22龍、14玉、26桂、同歩、25銀、15玉、24龍まで25手詰
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2020年4月19日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 「駒の軌跡」。駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています!
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年6月21日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
<最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[会費] 無料
[課題] 後日案内させていただきます。
******************************************************
★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
以上
締切迫る!ネット作品展の解答は3/22まで
<締切迫る!ネット作品展の解答は3/22まで>
・梅の花が満開!
2月末に近所の公園で撮影。
例年3月初旬に「梅まつり」が開かれるのですが、今年はコロナの影響で中止。
まつりは開催されませんでしたが、この日は良い天気で満開の梅の花を楽しませていただきました。


■「教材に使える詰将棋」partⅣの出題中(解答締切は3/22)
創棋会のネット作品展「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された13題を2/19にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-333.html
出題作の作者は次の10名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
奥鳥羽生、片山智之、信行寺持光、則内誠一郎、中出慶一、西村章、野曽原直之、
RINTARO、安田恒雄、吉松智明
大駒捨ての爽快さを楽しめる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋が好きになる、そういう作品ばかりです。
「力試し」の3題も、形はよくありませんが、解けば納得の作品ばかりです。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 3/22(日)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
また「力試し」解答者は別枠で1名に呈賞
★図面は次のサイトから取り出すことができます。
https://firestorage.jp/download/9acf723fb54e728f936e301be037258e63f0d136
パスワード 「kyozai4」です。
■創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です
創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です。
詰パラ6月号作品展への出題作となります。
駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています。
駒の移動といっても表現はさまざまです。
回転もあれば鋸のようなもの、水平移動に垂直移動、振子のような往復移動もそうですね。
表現の面白さに笑みがこぼれる、手順を並べて楽しめる、そんな作品が多いのではないかと思います。
作家の皆さんの腕の見せ所ではないでしょうか?
創意溢れる作品の投稿をお待ちしています。
投稿はこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
◇例題紹介
それでは例題紹介です。
いつものことですが、管理人の好みで「これはいいな」と思った作品を紹介させていただきます。
岡田富行作 近代将棋1955年4月(塚田賞、「古今中編詰将棋名作選」第51番)

攻め方は飛角三枚で玉を包囲しているが、金気がないので、用心して攻めないとヌルヌルと逃げられる。
持駒に桂があるので、初手は桂打から。
18桂と打てば、35玉には、25飛、36玉、45飛寄と開き王手すれば48桂の詰みがあります。
また16玉も27角、15玉(17玉は54角と銀を取って28玉、27飛、38玉、47角という順で詰み)、16飛、24玉、25歩、33玉、32角成、同玉、54角、23玉、15桂、14玉、32角成と追って手数はかかりますが詰みます。
しかし同と とされると38桂、16玉、27角、15玉、16飛、24玉となって続きません。
初手は38桂が正着です。
35玉や16玉は、18桂のときと同じ要領で詰みますから同と と取るしかありません。
そこで18桂と打てば、今度は16玉なら17飛打まで、また15玉も25飛、16玉、26飛、15玉、17飛で詰みます。
18桂には35玉とかわします。
45飛打が有力そうですが、同銀、同飛、24玉とされて、これが詰みません。
36角を抜かれるので打ちにくいのですが25飛と打ちます。
<1図:5手目 25飛>

25飛には36玉と角を取る一手。
47の飛車を取らせるわけにはいきませんが27飛と引くと14銀と角を抜かれてしまいます。
そこで26飛と両王手。
これには35玉と逃げるしかありません。
ここで25飛と上がると36玉で千日手模様です。
どうすればいいのでしょうか?
縦に動かすのがダメなら、横に動かして36飛とやってみましょう。
<2図:9手目 36飛>

これは24玉の一手です。
27飛と回るのは33玉から脱出されてしまいますから、26飛と寄るくらいしかありません。
35玉とされると先ほどと変わらないようですが、よく見ると24歩が消えました。
今度は、25飛、36玉に23飛成と龍を作ることが出来ます。
14銀と角を抜かれますが、27龍と引き、35玉に26龍までの詰み。
24歩が飛車成を邪魔する駒だったわけです。
これを見破れるかどうかが本局を解く鍵でした。
24歩が邪魔駒ということがわかれば、飛車が25→26→36→26→25と動き回って最後は23飛成を実現。飛車の動きを楽しめる一局です。
【詰手順】38桂、同と、18桂、35玉、25飛(1図)、36玉、26飛、35玉、
36飛(2図)、24玉、26飛、35玉、25飛、36玉、23飛成、14銀、
27龍、35玉、26龍まで19手詰
明石六郎作 近代将棋1991年9月号(「現代詰将棋中編名作選」第101番)

攻め方の馬・銀・と金をどうやって捌いていくか。
まずいかにも邪魔な26のと金を捌きましょう。
16とが見えます。同玉なら15とから簡単なのですが、同歩と取られると、16地点が埋まってしまい、後々打歩詰になってしまいます。
27と と引きます。
同飛成と取るとどうなるでしょうか。
それには29桂、同龍、26銀、同龍、29桂、同龍と龍を翻弄しながら銀を捌いて44馬と桂を取ります。
頭の丸い桂を26に合いしますが同馬と取り、同龍に、29桂、同龍、53馬と一歩入手し、16玉には28桂、同龍、17歩から清算して18飛までの詰み。
53馬に26歩合も18歩、16玉、26と、同龍、25銀引、同龍、17馬までの詰み。
そこで29桂には同飛不成と応じます。
あわてて26銀とすると同飛とは取らずに16玉とされてしまい、17銀と捨てれば同飛成、28桂と捨てるのも同飛成で、詰みません。
もう一度29桂と捨てるのが大切なところ。これなら16玉は、26との一発です。
これも同飛不成と取ります。
飛車を29に呼んでから、26銀と捌きます。
今度16玉なら17銀と捨てる手があり、同玉に44馬と取れば作意同様に追って桂が余って詰みますから、26銀にも同飛不成と応じます。
44馬を実現するには29桂と捨てるしかありません。
これも同飛不成。
これで44馬と待望の馬の活用です。
26歩合と受けるのは、同馬、同飛、18歩、16玉、35と と開き王手で詰みます。
18から打つ手を防いで26桂が最善の受け。
<3図:10手目 26桂合>

26桂合は同馬と取り、これにも同飛不成と応じます。
次は53歩の歩を狙って、29桂と打ちます。
同飛不成と取らせて、狙いの53馬が実現しました。
26に合駒するのは、18歩と打てるので、16玉、26と、同飛、25銀引、同飛、17馬まで駒余りの詰み。
53馬には16玉とかわすのが最善。
<4図:16手目 16玉>

16玉まで進むと飛車不成の意味がよく分かります。
2手目の変化でも説明しましたが、29飛が龍だと、28桂、同龍、17歩、同龍、同馬、同玉、18飛までの詰み。
29の駒は飛ですから16玉に28桂は同飛不成で詰みません。
ここはあっさり、26と と捨てます。
同飛成なら、28桂、同龍、17歩、同龍、25銀引で詰むので、同飛不成と応じます。
それには17歩、同玉、29桂とするのがうまく、16玉に25銀引と捨て、同飛と取らせて17馬までの詰み。
29の飛車を翻弄し、玉方も7連続不成で応えるという楽しい軽趣向でした。
【詰手順】27と、同飛不成、29桂、同飛不成、26銀、同飛不成、29桂、同飛不成、
44馬、26桂(3図)、同馬、同飛不成、29桂、同飛不成、53馬、16玉(4図)、
26と、同飛不成、17歩、同玉、29桂、16玉、25銀引、同飛、17馬まで25手詰
真島隆志作 詰パラ2015年9月(半期賞、「現代詰将棋中編名作選」第287番)

二枚馬と銀の包囲はガッチリで持駒も金銀香と揃っていますが、78龍の守りは強力。
99香と打って合駒を訊きます。
桂は打てないので平凡ですが98歩合と応じます。
同香、同龍で、78龍を動かして、69馬と活用します。
78歩合のような受けでは、85銀、97玉、86銀、88玉、77馬、89玉、99金、同龍、78馬上という順で詰みます。
手順中の77馬と引く手を防いで78には金合が最善の受け。
直ぐに同馬と取るのは同龍で詰みません。
87銀と捨てるのが好手。
<5図:7手目 87銀>

87銀は同龍と取るしかありませんが、そこで86金と捨て、同龍と取らせてから78馬と金を取るのが好手順です。
こうしておけば87合の一手です。
歩合なら、86馬、同玉、85飛、66玉、67金まで。
67金を防いで横に利く87飛合が強防。
<6図:10手目 87飛>

87飛合は78の馬で取ります。
同龍には再度86金、同龍と呼び戻してから97歩と打つのが小気味よい手順。
同龍の一手に、95飛が決め手。
同玉は85馬、同香なら85銀までの詰み。
本局では、78龍が98→87→86→87→86→97と移動します。
3度の合駒に巧みな捨駒を絡めた龍の翻弄、少ない駒数で密度の濃い手順を実現され半期賞を受賞されました。
【詰手順】99香、98歩合、同香、同龍、69馬、78金合、87銀(5図)、同龍、
86金、同龍、78馬、87飛合(6図)、同馬行、同龍、86金、同龍、
97歩、同龍、95飛、同香、85銀まで21手詰
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2020年4月19日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 「駒の軌跡」。駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています!
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年6月21日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
<最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
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[課題] 後日案内させていただきます。
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以上
・梅の花が満開!
2月末に近所の公園で撮影。
例年3月初旬に「梅まつり」が開かれるのですが、今年はコロナの影響で中止。
まつりは開催されませんでしたが、この日は良い天気で満開の梅の花を楽しませていただきました。


■「教材に使える詰将棋」partⅣの出題中(解答締切は3/22)
創棋会のネット作品展「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された13題を2/19にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-333.html
出題作の作者は次の10名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
奥鳥羽生、片山智之、信行寺持光、則内誠一郎、中出慶一、西村章、野曽原直之、
RINTARO、安田恒雄、吉松智明
大駒捨ての爽快さを楽しめる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋が好きになる、そういう作品ばかりです。
「力試し」の3題も、形はよくありませんが、解けば納得の作品ばかりです。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 3/22(日)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
また「力試し」解答者は別枠で1名に呈賞
★図面は次のサイトから取り出すことができます。
https://firestorage.jp/download/9acf723fb54e728f936e301be037258e63f0d136
パスワード 「kyozai4」です。
■創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です
創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です。
詰パラ6月号作品展への出題作となります。
駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています。
駒の移動といっても表現はさまざまです。
回転もあれば鋸のようなもの、水平移動に垂直移動、振子のような往復移動もそうですね。
表現の面白さに笑みがこぼれる、手順を並べて楽しめる、そんな作品が多いのではないかと思います。
作家の皆さんの腕の見せ所ではないでしょうか?
創意溢れる作品の投稿をお待ちしています。
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◇例題紹介
それでは例題紹介です。
いつものことですが、管理人の好みで「これはいいな」と思った作品を紹介させていただきます。
岡田富行作 近代将棋1955年4月(塚田賞、「古今中編詰将棋名作選」第51番)

攻め方は飛角三枚で玉を包囲しているが、金気がないので、用心して攻めないとヌルヌルと逃げられる。
持駒に桂があるので、初手は桂打から。
18桂と打てば、35玉には、25飛、36玉、45飛寄と開き王手すれば48桂の詰みがあります。
また16玉も27角、15玉(17玉は54角と銀を取って28玉、27飛、38玉、47角という順で詰み)、16飛、24玉、25歩、33玉、32角成、同玉、54角、23玉、15桂、14玉、32角成と追って手数はかかりますが詰みます。
しかし同と とされると38桂、16玉、27角、15玉、16飛、24玉となって続きません。
初手は38桂が正着です。
35玉や16玉は、18桂のときと同じ要領で詰みますから同と と取るしかありません。
そこで18桂と打てば、今度は16玉なら17飛打まで、また15玉も25飛、16玉、26飛、15玉、17飛で詰みます。
18桂には35玉とかわします。
45飛打が有力そうですが、同銀、同飛、24玉とされて、これが詰みません。
36角を抜かれるので打ちにくいのですが25飛と打ちます。
<1図:5手目 25飛>

25飛には36玉と角を取る一手。
47の飛車を取らせるわけにはいきませんが27飛と引くと14銀と角を抜かれてしまいます。
そこで26飛と両王手。
これには35玉と逃げるしかありません。
ここで25飛と上がると36玉で千日手模様です。
どうすればいいのでしょうか?
縦に動かすのがダメなら、横に動かして36飛とやってみましょう。
<2図:9手目 36飛>

これは24玉の一手です。
27飛と回るのは33玉から脱出されてしまいますから、26飛と寄るくらいしかありません。
35玉とされると先ほどと変わらないようですが、よく見ると24歩が消えました。
今度は、25飛、36玉に23飛成と龍を作ることが出来ます。
14銀と角を抜かれますが、27龍と引き、35玉に26龍までの詰み。
24歩が飛車成を邪魔する駒だったわけです。
これを見破れるかどうかが本局を解く鍵でした。
24歩が邪魔駒ということがわかれば、飛車が25→26→36→26→25と動き回って最後は23飛成を実現。飛車の動きを楽しめる一局です。
【詰手順】38桂、同と、18桂、35玉、25飛(1図)、36玉、26飛、35玉、
36飛(2図)、24玉、26飛、35玉、25飛、36玉、23飛成、14銀、
27龍、35玉、26龍まで19手詰
明石六郎作 近代将棋1991年9月号(「現代詰将棋中編名作選」第101番)

攻め方の馬・銀・と金をどうやって捌いていくか。
まずいかにも邪魔な26のと金を捌きましょう。
16とが見えます。同玉なら15とから簡単なのですが、同歩と取られると、16地点が埋まってしまい、後々打歩詰になってしまいます。
27と と引きます。
同飛成と取るとどうなるでしょうか。
それには29桂、同龍、26銀、同龍、29桂、同龍と龍を翻弄しながら銀を捌いて44馬と桂を取ります。
頭の丸い桂を26に合いしますが同馬と取り、同龍に、29桂、同龍、53馬と一歩入手し、16玉には28桂、同龍、17歩から清算して18飛までの詰み。
53馬に26歩合も18歩、16玉、26と、同龍、25銀引、同龍、17馬までの詰み。
そこで29桂には同飛不成と応じます。
あわてて26銀とすると同飛とは取らずに16玉とされてしまい、17銀と捨てれば同飛成、28桂と捨てるのも同飛成で、詰みません。
もう一度29桂と捨てるのが大切なところ。これなら16玉は、26との一発です。
これも同飛不成と取ります。
飛車を29に呼んでから、26銀と捌きます。
今度16玉なら17銀と捨てる手があり、同玉に44馬と取れば作意同様に追って桂が余って詰みますから、26銀にも同飛不成と応じます。
44馬を実現するには29桂と捨てるしかありません。
これも同飛不成。
これで44馬と待望の馬の活用です。
26歩合と受けるのは、同馬、同飛、18歩、16玉、35と と開き王手で詰みます。
18から打つ手を防いで26桂が最善の受け。
<3図:10手目 26桂合>

26桂合は同馬と取り、これにも同飛不成と応じます。
次は53歩の歩を狙って、29桂と打ちます。
同飛不成と取らせて、狙いの53馬が実現しました。
26に合駒するのは、18歩と打てるので、16玉、26と、同飛、25銀引、同飛、17馬まで駒余りの詰み。
53馬には16玉とかわすのが最善。
<4図:16手目 16玉>

16玉まで進むと飛車不成の意味がよく分かります。
2手目の変化でも説明しましたが、29飛が龍だと、28桂、同龍、17歩、同龍、同馬、同玉、18飛までの詰み。
29の駒は飛ですから16玉に28桂は同飛不成で詰みません。
ここはあっさり、26と と捨てます。
同飛成なら、28桂、同龍、17歩、同龍、25銀引で詰むので、同飛不成と応じます。
それには17歩、同玉、29桂とするのがうまく、16玉に25銀引と捨て、同飛と取らせて17馬までの詰み。
29の飛車を翻弄し、玉方も7連続不成で応えるという楽しい軽趣向でした。
【詰手順】27と、同飛不成、29桂、同飛不成、26銀、同飛不成、29桂、同飛不成、
44馬、26桂(3図)、同馬、同飛不成、29桂、同飛不成、53馬、16玉(4図)、
26と、同飛不成、17歩、同玉、29桂、16玉、25銀引、同飛、17馬まで25手詰
真島隆志作 詰パラ2015年9月(半期賞、「現代詰将棋中編名作選」第287番)

二枚馬と銀の包囲はガッチリで持駒も金銀香と揃っていますが、78龍の守りは強力。
99香と打って合駒を訊きます。
桂は打てないので平凡ですが98歩合と応じます。
同香、同龍で、78龍を動かして、69馬と活用します。
78歩合のような受けでは、85銀、97玉、86銀、88玉、77馬、89玉、99金、同龍、78馬上という順で詰みます。
手順中の77馬と引く手を防いで78には金合が最善の受け。
直ぐに同馬と取るのは同龍で詰みません。
87銀と捨てるのが好手。
<5図:7手目 87銀>

87銀は同龍と取るしかありませんが、そこで86金と捨て、同龍と取らせてから78馬と金を取るのが好手順です。
こうしておけば87合の一手です。
歩合なら、86馬、同玉、85飛、66玉、67金まで。
67金を防いで横に利く87飛合が強防。
<6図:10手目 87飛>

87飛合は78の馬で取ります。
同龍には再度86金、同龍と呼び戻してから97歩と打つのが小気味よい手順。
同龍の一手に、95飛が決め手。
同玉は85馬、同香なら85銀までの詰み。
本局では、78龍が98→87→86→87→86→97と移動します。
3度の合駒に巧みな捨駒を絡めた龍の翻弄、少ない駒数で密度の濃い手順を実現され半期賞を受賞されました。
【詰手順】99香、98歩合、同香、同龍、69馬、78金合、87銀(5図)、同龍、
86金、同龍、78馬、87飛合(6図)、同馬行、同龍、86金、同龍、
97歩、同龍、95飛、同香、85銀まで21手詰
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2020年4月19日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 「駒の軌跡」。駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています!
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年6月21日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
<最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[会費] 無料
[課題] 後日案内させていただきます。
******************************************************
★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
以上
ネット作品展「教材に使える詰将棋」解答受付中
<ネット作品展「教材に使える詰将棋」解答受付中>
■「教材に使える詰将棋」partⅣの出題中(解答締切は3/22)
創棋会のネット作品展「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された13題を2/19にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-333.html
出題作の作者は次の10名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
奥鳥羽生、片山智之、信行寺持光、則内誠一郎、中出慶一、西村章、野曽原直之、
RINTARO、安田恒雄、吉松智明
大駒捨ての爽快さを楽しめる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋が好きになる、そういう作品ばかりです。
「力試し」の3題も、形はよくありませんが、解けば納得の作品ばかりです。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 3/22(日)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
また「力試し」解答者は別枠で1名に呈賞
★図面は次のサイトから取り出すことができます。
https://firestorage.jp/download/9acf723fb54e728f936e301be037258e63f0d136
パスワード 「kyozai4」です。
■創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です
創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です。
詰パラ6月号作品展への出題作となります。
駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています。
駒の移動といっても表現はさまざまです。
回転もあれば鋸のようなもの、水平移動に垂直移動、振子のような往復移動もそうですね。
表現の面白さに笑みがこぼれる、手順を並べて楽しめる、そんな作品が多いのではないかと思います。
作家の皆さんの腕の見せ所ではないでしょうか?
創意溢れる作品の投稿をお待ちしています。
投稿はこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
◇例題紹介
それでは例題紹介です。
いつものことですが、管理人の好みで「これはいいな」と思った作品を紹介させていただきます。
伊藤 正作 詰パラ1981年2月号(半期賞、「現代詰将棋短編名作選」第48番)

33に飛車や角を成るのは12玉で詰みません。
24銀と出るのが感触の良い一手。
34玉と飛車を取られそうですが、それには33角成があります。12玉も32飛成から23銀があり大丈夫。
14玉と逃げる一手に33銀不成と開き王手。
<1図:3手目 33銀不成>

23玉なら24飛があるので、15玉と上に逃げます。
14飛と捨てる手が筋のように見えます。同歩なら24銀、また同玉なら24銀成があります。
しかし、14飛には26玉で続きません。
15玉には44銀不成と逆サイドに開くのが好手。
<2図:5手目 44銀不成>

26玉とする一手ですが35銀までの詰み。
攻め方銀の一回転を最短手数で表現した逸品。
これだけ作意が明快だと4手目の変化同手数は気になりませんね。
難しい手は一つもないのですが、解いて銀の回転に気付いたとき、その妙技に思わず膝を打ちます。
【詰手順】24銀、14玉、33銀不成、15玉、44銀不成、26玉、35銀まで7手詰
久保紀貴作 「モーメンと」 詰パラ2019年5月号(半期賞)

47香の利きを通したいので35銀としたくなるのですが、25玉と逃げられると35の銀が邪魔になって続きません。
35馬も33玉で、34香、43玉、55銀、44歩合で、詰みません。
流石に35とを取るような俗手ではダメです。
筋良く25銀とするような手もあります。同玉なら35馬だし、同となら35銀と捨てるのが狙いですが、平凡に33玉と銀を取られて詰みません。
初手は45銀と捨てるのが好手。と金の横からスッと捨てるのがいい感触です。
25玉と逃げれば、35馬が気持ちの良い手。同玉に36銀打まで。
33玉が気になりますが、34銀と と金の裏に捨てるのが好手で、32玉には24桂から43馬があり、同玉なら43馬とすれば上部脱出が防げます。
45銀は同と と応じるしかありません。
邪魔な46銀を消せたので、35銀、同と、43馬という筋を狙いたいのですが、35銀に25玉と逃げられると詰まないのは学習済み。
36香も有力ですが、35桂合とされ、同香でも46桂でも25玉となるとお手上げです。
25銀も同玉と取られて戦力不足。
ここは46桂と応手を問うのが好手。
25玉には26馬がありますし、33玉と銀を取る手には、34香、24玉、15銀とすれば捕まっています。
46桂は同と と取るしかありません。
そこで36香と打つのが好手順です。
<3図:5手目 36香>

45にと金がいたときは35桂合で困ったのですが、今度は43銀と打つ手があります。
45玉なら54馬までですから、33玉と逃げますが、34香、24玉に35馬と合した桂を取ることが出来ます。
手順中34香を防ぐ35金合のような受けは、黙って同香と取れば、45玉、56銀、36玉、26金までです。
36香に45玉も気になるところですが、56銀と打てるので、36玉に26馬まで。
よって36香には同と と取ります。
35から銀や香を打つ手は25玉で逃げられます。
今度は右から、26桂と打診します。
25玉と逃げるのは、43馬がピッタリ。
33玉も、43馬、24玉に、25銀と打って詰みます。
26桂も同と と応じるしかありません。
ここで決め手が出ます。
25銀と捨てます。
<4図:9手目 25銀>

25銀は同玉に26馬を見ていますから、同と と取る一手です。
これで25を塞ぐことが出来たので、35香と打つことが出来ます。
同と と取らせて43馬まで。
35の地点を埋めるまで随分時間がかかりましたが、もう一度手順を振り返っていただくとおわかりだと思いますが、玉方の35とが、35→45→46→36→26→25→35と一回転しています。この間玉方応手はと金だけというのも素晴らしい。
また12手目の局面は、初形から46銀が消えただけという局面の対比も驚きです。
攻め方の着手が左右対称というのもいいですね。
タイトルもピッタリで見事半期賞に輝きました。
【詰手順】45銀、同と、46桂、同と、36香(3図)、同と、26桂、同と、
25銀(4図)、同と、35香、同と、43馬まで13手詰
金子義隆作 詰パラ2007年7月 (「現代詰将棋中編名作選」第213番、「撫子」第 番)

最後は角の回転を表現した作品を紹介します。
金子さんの作品は以前にも飛車の回転を紹介していますので、よかったらそちらも参照下さい。
→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-252.html
72方面に逃げられるといけないので、初手は45角の一手。
成りたくなるところですが、45角不成とするのが正解。理由は後でわかります。
62玉と引けば51銀、71玉、81金で簡単ですから、54に捨合するしかありません。
この変化を丁寧に見ていきましょう。
贅沢に飛合は、同角、53玉、63角成、同玉、62金、同玉、42飛から詰み。
角合なら、同角、52玉、41銀、同玉、63角成、32玉、41角と打てば簡単。
金合は、同角、53玉、72角成、54香、同馬、42玉、31銀、32玉、42金、23玉、32銀と物量攻撃で詰みます。
問題は桂合です。同角に53玉なら、72角成、54桂、同馬、52玉、44桂、同歩、41銀、同玉、31歩成、52玉、72馬、53金合、41銀、42玉、34桂、43玉、32銀不成以下25手駒余りの詰み
手順中、54同角に52玉は、44桂、同歩、63銀、同飛、同角成、同玉、93飛、73角合、52銀、62玉、63金、71玉、61銀成、82玉、73飛成から25手駒余りの詰み。
ということで最善の受けは54香合のようです。
54同角に53玉と寄るのは、72角成として、42玉なら31銀、32玉、21銀、23玉、45馬、34合、35桂と跳ねて詰みますから、72角成にはいったん54桂と捨合して45馬を消しますが、54同馬、52玉、41銀、同玉、63馬、32玉、24桂、22玉、23銀、同玉、41馬、23玉、14金、34玉、23馬、44玉、45香までの詰み。
54同角には52玉と引きます。
そこで41銀と捨てるのが継続の好手。
同玉に63角不成と連続不成で迫るのが好手。
<5図:7手目 63角不成>

63角不成を同飛なら31金から51銀がありますから、32玉とかわし、21銀、22玉とひたすら逃げます。
22玉には24香から23香成と捨てて角の射程圏内に玉を呼びます。
23同玉に41角不成と三連続不成で角を活用します。
<6図:15手目 41角不成>

41角不成に34玉では35銀で詰んでしまうので、24玉と立って14金と打たせてから34玉とします。
今度は35銀では45玉や25玉で捕まらないので、23角不成とします。
これで角は4連続不成で最初の位置に戻ってきました。
すばらしい角の回転です。
44玉に35銀と一歩入手して同香となったところで、ようやく角の連続不成の理由が分かりました。
ここで23の角が馬だと45歩は打歩詰。
それを回避するための連続不成だったのです。
見事な構想です。
ここからは45歩と打って33玉に32銀成までの25手詰。
2手目桂合の変化が少し難解でしたが、作意は角の回転を4連続不成で表現した素晴らしい手順。
【詰手順】45角不成、54香、同角、52玉、41銀、同玉、63角不成(5図)、32玉、
21銀、22玉、24香、13玉、23香成、同玉、41角不成(6図)、24玉、
14金、34玉、23角不成、44玉、35銀、同香、45歩、33玉、32銀成まで25手詰
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2020年4月19日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 「駒の軌跡」。駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています!
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年6月21日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
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★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
以上
■「教材に使える詰将棋」partⅣの出題中(解答締切は3/22)
創棋会のネット作品展「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された13題を2/19にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-333.html
出題作の作者は次の10名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
奥鳥羽生、片山智之、信行寺持光、則内誠一郎、中出慶一、西村章、野曽原直之、
RINTARO、安田恒雄、吉松智明
大駒捨ての爽快さを楽しめる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋が好きになる、そういう作品ばかりです。
「力試し」の3題も、形はよくありませんが、解けば納得の作品ばかりです。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 3/22(日)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
また「力試し」解答者は別枠で1名に呈賞
★図面は次のサイトから取り出すことができます。
https://firestorage.jp/download/9acf723fb54e728f936e301be037258e63f0d136
パスワード 「kyozai4」です。
■創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です
創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です。
詰パラ6月号作品展への出題作となります。
駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています。
駒の移動といっても表現はさまざまです。
回転もあれば鋸のようなもの、水平移動に垂直移動、振子のような往復移動もそうですね。
表現の面白さに笑みがこぼれる、手順を並べて楽しめる、そんな作品が多いのではないかと思います。
作家の皆さんの腕の見せ所ではないでしょうか?
創意溢れる作品の投稿をお待ちしています。
投稿はこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
◇例題紹介
それでは例題紹介です。
いつものことですが、管理人の好みで「これはいいな」と思った作品を紹介させていただきます。
伊藤 正作 詰パラ1981年2月号(半期賞、「現代詰将棋短編名作選」第48番)

33に飛車や角を成るのは12玉で詰みません。
24銀と出るのが感触の良い一手。
34玉と飛車を取られそうですが、それには33角成があります。12玉も32飛成から23銀があり大丈夫。
14玉と逃げる一手に33銀不成と開き王手。
<1図:3手目 33銀不成>

23玉なら24飛があるので、15玉と上に逃げます。
14飛と捨てる手が筋のように見えます。同歩なら24銀、また同玉なら24銀成があります。
しかし、14飛には26玉で続きません。
15玉には44銀不成と逆サイドに開くのが好手。
<2図:5手目 44銀不成>

26玉とする一手ですが35銀までの詰み。
攻め方銀の一回転を最短手数で表現した逸品。
これだけ作意が明快だと4手目の変化同手数は気になりませんね。
難しい手は一つもないのですが、解いて銀の回転に気付いたとき、その妙技に思わず膝を打ちます。
【詰手順】24銀、14玉、33銀不成、15玉、44銀不成、26玉、35銀まで7手詰
久保紀貴作 「モーメンと」 詰パラ2019年5月号(半期賞)

47香の利きを通したいので35銀としたくなるのですが、25玉と逃げられると35の銀が邪魔になって続きません。
35馬も33玉で、34香、43玉、55銀、44歩合で、詰みません。
流石に35とを取るような俗手ではダメです。
筋良く25銀とするような手もあります。同玉なら35馬だし、同となら35銀と捨てるのが狙いですが、平凡に33玉と銀を取られて詰みません。
初手は45銀と捨てるのが好手。と金の横からスッと捨てるのがいい感触です。
25玉と逃げれば、35馬が気持ちの良い手。同玉に36銀打まで。
33玉が気になりますが、34銀と と金の裏に捨てるのが好手で、32玉には24桂から43馬があり、同玉なら43馬とすれば上部脱出が防げます。
45銀は同と と応じるしかありません。
邪魔な46銀を消せたので、35銀、同と、43馬という筋を狙いたいのですが、35銀に25玉と逃げられると詰まないのは学習済み。
36香も有力ですが、35桂合とされ、同香でも46桂でも25玉となるとお手上げです。
25銀も同玉と取られて戦力不足。
ここは46桂と応手を問うのが好手。
25玉には26馬がありますし、33玉と銀を取る手には、34香、24玉、15銀とすれば捕まっています。
46桂は同と と取るしかありません。
そこで36香と打つのが好手順です。
<3図:5手目 36香>

45にと金がいたときは35桂合で困ったのですが、今度は43銀と打つ手があります。
45玉なら54馬までですから、33玉と逃げますが、34香、24玉に35馬と合した桂を取ることが出来ます。
手順中34香を防ぐ35金合のような受けは、黙って同香と取れば、45玉、56銀、36玉、26金までです。
36香に45玉も気になるところですが、56銀と打てるので、36玉に26馬まで。
よって36香には同と と取ります。
35から銀や香を打つ手は25玉で逃げられます。
今度は右から、26桂と打診します。
25玉と逃げるのは、43馬がピッタリ。
33玉も、43馬、24玉に、25銀と打って詰みます。
26桂も同と と応じるしかありません。
ここで決め手が出ます。
25銀と捨てます。
<4図:9手目 25銀>

25銀は同玉に26馬を見ていますから、同と と取る一手です。
これで25を塞ぐことが出来たので、35香と打つことが出来ます。
同と と取らせて43馬まで。
35の地点を埋めるまで随分時間がかかりましたが、もう一度手順を振り返っていただくとおわかりだと思いますが、玉方の35とが、35→45→46→36→26→25→35と一回転しています。この間玉方応手はと金だけというのも素晴らしい。
また12手目の局面は、初形から46銀が消えただけという局面の対比も驚きです。
攻め方の着手が左右対称というのもいいですね。
タイトルもピッタリで見事半期賞に輝きました。
【詰手順】45銀、同と、46桂、同と、36香(3図)、同と、26桂、同と、
25銀(4図)、同と、35香、同と、43馬まで13手詰
金子義隆作 詰パラ2007年7月 (「現代詰将棋中編名作選」第213番、「撫子」第 番)

最後は角の回転を表現した作品を紹介します。
金子さんの作品は以前にも飛車の回転を紹介していますので、よかったらそちらも参照下さい。
→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-252.html
72方面に逃げられるといけないので、初手は45角の一手。
成りたくなるところですが、45角不成とするのが正解。理由は後でわかります。
62玉と引けば51銀、71玉、81金で簡単ですから、54に捨合するしかありません。
この変化を丁寧に見ていきましょう。
贅沢に飛合は、同角、53玉、63角成、同玉、62金、同玉、42飛から詰み。
角合なら、同角、52玉、41銀、同玉、63角成、32玉、41角と打てば簡単。
金合は、同角、53玉、72角成、54香、同馬、42玉、31銀、32玉、42金、23玉、32銀と物量攻撃で詰みます。
問題は桂合です。同角に53玉なら、72角成、54桂、同馬、52玉、44桂、同歩、41銀、同玉、31歩成、52玉、72馬、53金合、41銀、42玉、34桂、43玉、32銀不成以下25手駒余りの詰み
手順中、54同角に52玉は、44桂、同歩、63銀、同飛、同角成、同玉、93飛、73角合、52銀、62玉、63金、71玉、61銀成、82玉、73飛成から25手駒余りの詰み。
ということで最善の受けは54香合のようです。
54同角に53玉と寄るのは、72角成として、42玉なら31銀、32玉、21銀、23玉、45馬、34合、35桂と跳ねて詰みますから、72角成にはいったん54桂と捨合して45馬を消しますが、54同馬、52玉、41銀、同玉、63馬、32玉、24桂、22玉、23銀、同玉、41馬、23玉、14金、34玉、23馬、44玉、45香までの詰み。
54同角には52玉と引きます。
そこで41銀と捨てるのが継続の好手。
同玉に63角不成と連続不成で迫るのが好手。
<5図:7手目 63角不成>

63角不成を同飛なら31金から51銀がありますから、32玉とかわし、21銀、22玉とひたすら逃げます。
22玉には24香から23香成と捨てて角の射程圏内に玉を呼びます。
23同玉に41角不成と三連続不成で角を活用します。
<6図:15手目 41角不成>

41角不成に34玉では35銀で詰んでしまうので、24玉と立って14金と打たせてから34玉とします。
今度は35銀では45玉や25玉で捕まらないので、23角不成とします。
これで角は4連続不成で最初の位置に戻ってきました。
すばらしい角の回転です。
44玉に35銀と一歩入手して同香となったところで、ようやく角の連続不成の理由が分かりました。
ここで23の角が馬だと45歩は打歩詰。
それを回避するための連続不成だったのです。
見事な構想です。
ここからは45歩と打って33玉に32銀成までの25手詰。
2手目桂合の変化が少し難解でしたが、作意は角の回転を4連続不成で表現した素晴らしい手順。
【詰手順】45角不成、54香、同角、52玉、41銀、同玉、63角不成(5図)、32玉、
21銀、22玉、24香、13玉、23香成、同玉、41角不成(6図)、24玉、
14金、34玉、23角不成、44玉、35銀、同香、45歩、33玉、32銀成まで25手詰
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2020年4月19日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 「駒の軌跡」。駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています!
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年6月21日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
<最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[会費] 無料
[課題] 後日案内させていただきます。
******************************************************
★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
以上
詰パラ3月号到着
<詰パラ3月号到着>
・残念なお知らせが一つ。
今年の解答選手権チャンピオン戦は中止が決まりました。
実行委員会のメッセージが速報ブログに掲載されています。
『新型コロナウイルスの感染防止のため、3月29日(日)に開催予定だった詰将棋解答選手権チャンピオン戦は、やむなく中止とします。
競技参加を楽しみにされていた方には、大変申し訳ありませんが、事情お汲み取りいただきご了承くださいますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
詰将棋解答選手権実行委員会』
速報ブログは → https://blog.goo.ne.jp/shogi-problem
ちょっとしたロス状態でブログの更新もキーボードを叩く手が重いです…。
■詰パラ3月号
・表紙。イラストは旬の人ですね。昨年は4月号に師弟で載っていたような。
でもこの雄姿は、今年は拝めないのですね…(涙)。
また作品は大野さん。短コンの11番も楽しめました。作者のことばも共感できる内容です。
・詰将棋学校(12P~)。
小学校:コロナウイルスの話。皆さんも体調管理はくれぐれもご留意ください。
中学校:解答選手権ネタその1。斉田さんは懐かしい。何年ぶりの登場?
高校:好形作で指将棋派を誘うというのは行き届いた配慮。
短大:解答選手権ネタその2。それにしてもオール看寿賞作家とは贅沢な選題。
大学:手数長めでも易しいというのは嬉しい。
大院:解答選手権ネタその3。岸本さんの採用には選者の温かい配慮があったんですね。
また山路さんの作品には期待が高まります。
・内藤國雄の小ルーム(18P~)。問題よりもエッセーが楽しみなのですが(笑)
内藤さんは将棋世界でもエッセーの連載がスタート。
・新人コンクール(20P~):湯川さんはキッズチャレンジでも最優秀に輝きました。
また津久井さんは最近売り出し中の復活組。将棋世界サロンの初入選特集でも登場(この企画では竹中健一さんも登場)。
原田さんは創棋会メンバー、期待の新人です。
・彩棋会作品展(21P~)。なかなかの顔ぶれですね。
・創棋会作品展(22P~)。課題は「捌きを楽しむ作品」。
解いて楽しめめる、解けば爽やかな解後感が味わえる、そんな作品が揃いました。一題でも解ければご解答下さい。
・全詰連の頁(23P~)。看寿賞の推薦募集。お気に入りの作品があれば是非とも推薦をお願いします。
今年も発表は7月号。表彰は9月の全国大会になります。
2月号に続いて解答選手権の告知。なんと初級一般戦は昨年の28か所より増えて30会場に!
コロナウイルス問題に見通しがついて無事開催されることを祈念しています。
・詰将棋の眺め方(26P~)。3回目は有吉弘敏さん。絶好調の短編作家が取り上げたのは安達康二さん。
紹介された超短編の数々、私は「続々7手詰傑作集」でその多くを目にし、感動したことを思い出しました。
・持駒のある風景(30P~)。健康第一は年を取れば実感が増しますね。
・おもちゃ箱だより(32P~)。くるくる展示室。楽しい作品が揃ってますね。
・ちえのわ雑文集(34P~)。久保さんの「裏短コン」。現在結果発表中。
現在5作が結果発表中。 → http://ikz26.blog.fc2.com/blog-entry-104.html
生放送の内容 → https://twitcasting.tv/boku_ikiron/movie/588831542
毎年のことですが意欲的な作が揃いました。
・名局ライブラリー(36P~)。湯村光造さんの追悼。紹介された作品はいずれも有名なものばかり。私にとってはめいとに連載された「歩詰手筋総まくり」が印象に残っています。
・読者サロン(40P~)。いつものカットがありません(笑)
・広告「無双」(39P~)。谷川九段のサイン風景。いい笑顔ですね。
・結果発表:
短編コンクール(52P~)。シード権を獲得された15作、おなじみの顔ぶれですが、構想作以外でも上位に食い込まれた作品があったのは良いことです。個人的には4番石川作、9番大崎作、21番白神作なども好みでしたが、上位進出ならず。いずれにしても年に1度の一大イベント、楽しめました。解説の鈴川さんには、心からお疲れ様と申し上げます。
同人室(76P~)。課題は「作風が滲み出る作品」。以前創棋会でも「よくわかる作家の個性」という課題にしたことがあります。錚々たる顔ぶれと作品は同人室ならでは。
創棋会作品展(88P~)。「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」、レベルの高い作品展だったと思いますが、いかがでしょうか。解答に取り組まなかった方もあらためて結果稿で鑑賞ください。特に3番の大崎さんと4番の中村さんの作品は、高度な狙いを表現した快作ですので、ぜひその妙味を味わってください。・編集室(112P)。今月はなんと112Pというボリュームたっぷり!
■「教材に使える詰将棋」partⅣの出題中(解答締切は3/22)
創棋会のネット作品展「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された13題を2/19にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-333.html
出題作の作者は次の10名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
奥鳥羽生、片山智之、信行寺持光、則内誠一郎、中出慶一、西村章、野曽原直之、
RINTARO、安田恒雄、吉松智明
大駒捨ての爽快さを楽しめる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋が好きになる、そういう作品ばかりです。
「力試し」の3題も、形はよくありませんが、解けば納得の作品ばかりです。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 3/22(日)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
また「力試し」解答者は別枠で1名に呈賞
★図面は次のサイトから取り出すことができます。
https://firestorage.jp/download/9acf723fb54e728f936e301be037258e63f0d136
パスワード 「kyozai4」です。
■創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です
創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です。
詰パラ6月号作品展への出題作となります。
駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています。
駒の移動といっても表現はさまざまです。
回転もあれば鋸のようなもの、水平移動に垂直移動、振子のような往復移動もそうですね。
表現の面白さに笑みがこぼれる、手順を並べて楽しめる、そんな作品が多いのではないかと思います。
作家の皆さんの腕の見せ所ではないでしょうか?
創意溢れる作品の投稿をお待ちしています。
投稿はこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
◇例題紹介
それでは例題紹介です。
いつものことですが、管理人の好みで「これはいいな」と思った作品を紹介させていただきます。
三枝文夫作 詰パラ1957年3月(『古今中編名作選Ⅰ』第61番)

本作は一度当ブログでご覧いただきました。
そのときの内容をあらためて紹介させていただきます。
入玉作ですが、46玉の脱出に用心し、2枚のと金に触らないようにすればそう難しくありません。
初手は36金と押さえます。
27玉と横にかわす一手ですが26金と寄ります。
玉は37に戻っても18に潜り込んでも36馬があるので、17玉と寄ります。
それには27金と引きます。
<1図:5手目 27金>

取れば63角打ちがあるので18玉とひたすら逃げます。
ここで17金と寄れば同玉と取るしかなく、玉と金の追いかけっこは終わりです。
<2図:7手目 17金>

17同玉には53角と打ちます。
18玉には36馬と引けば、27桂合が最善の受け。
そこで17角成から19龍と大駒の連続捨てが飛び出し、同桂成に26銀まで。
金が36→26→27→17と鋸引きするのは楽しい手順で、収束も申し分ない好作でした。
【作意】36金、27玉、26金、17玉、27金(1図)、18玉、17金(2図)、同玉、
53角、18玉、36馬、27桂合、17角成、同玉、19龍、同桂成、26銀まで17手詰
髙橋恭嗣作 詰パラ1983年7月号(半期賞、「現代詰将棋短編名作選」第80番)

52銀成から72飛成とする筋が見えますが、41玉と逃げられて詰みません。
初手は24角の遠打が好手。
33角と成れるところから打つのが良さそうに見えますが、24から打たないと、玉に32へ逃げられたときに困るのです。
先に角を打っておけば、42合なら、今度こそ52銀成から詰みます。
24角には41玉と銀を取って逃げますが、そこで61飛不成と行くのが好手。
飛車を成ると、32玉、52龍、23玉、63龍、43桂と捨合の妙防があり、同龍、24玉で打歩詰。
<3図:3手目 61飛不成>

61飛不成には32玉とかわしますが62飛不成と連続不成で迫ります。
23玉なら63飛不成と歩を入手。24玉には36桂、同香で打歩詰を打開して、25歩から43飛成です。
63飛不成に43桂の捨合も同飛不成以下、36桂~25歩~46桂までピッタリの詰み。
しかしここで受けの妙手がありました。
52歩と捨合します。
<4図:6手目 52歩>

52歩を同飛成と取れば、23玉、63龍、43桂ともう一度捨合されて、これは打歩詰。
52歩に替えて桂ならば、同飛成と取り、23玉、63龍のとき43に捨てる桂が品切れなので24玉とするしかなく36桂から簡単に詰んでしまうのですが、52歩合だとそうはいきません。
52歩合には同飛不成と応じます。
63の歩は取れませんが1歩手に入りました。
23玉とかわされますが、53飛不成とします。
24玉なら36桂で簡単なので43桂と捨合して、最後抵抗です。
<5図:10手目 43桂>

同飛成では24玉で打歩詰。
もう一度同飛不成とします。
これで5連続不成です。
24玉には、36桂、同香で25歩と打つことが出来ました。
34玉にはもらった桂を46に打っての詰み。
遠角からスタートして、飛車の連続不成に、52歩、43桂の捨合の妙防と素晴らしい攻防ですが、もう一つ楽しい趣向が表現されていました。
手順を追っていただくと分かるのですが初形の71飛が、61→62→52→53→43とノコギリ状に動くのです。見事ではありませんか。
【詰手順】24角、41玉、61飛不成(3図)、32玉、62飛不成、52歩(3図)、同飛不成、
23玉、53飛不成、43桂(3図)、同飛不成、24玉、36桂、同香、25歩、34玉、
46桂まで17手詰
斎藤仁士作 近代将棋1997年12月(「現代詰将棋中編名作選」第155番)

盤面、大駒と銀歩がそれぞれ4枚と、目を引く配置です。
初手は42龍がひと目。
同銀なら13銀打まで。
それでは詰将棋になりません(笑)
玉方にはうまい受けがあります。
32角と移動合。
<6図:2手目 32角>

移動合の効果で、13銀には21玉と逃げることができます。
しかし今度は、51龍と銀を取って、22銀打を狙います。
それには、ひらりとかわすような41角の移動合。
<7図:6手目 41角>

41角を龍で取ると、同龍と取り返されて詰みません。
22銀打、32玉と追います。
もう一枚、62に銀がありました。これを62龍と奪って、33銀打を目指します。
52銀と引いて43に逃げ道をつくるのは33銀打、43玉、44銀成があります。
そこでまたしても52角の移動合が好防。
<8図:10手目 52角>

33銀打、41玉と追って、今度は銀が落ちていませんが、61の龍が手に入ります。
ただしあわてて61龍は同角から51方面に逃げられてしまうので、31銀成と捨て、同玉と取らせてから、61龍が正しい手順です。
61同角には21飛が決め手。
21の角が32→41→52→61と動くのですが、攻方の龍も42→51→62と動きます。さらに玉の動きも12→21→32→41。
3つの駒がノコギリ状に動く珍しい作品。
難解さはありませんが、解かなくても並べて楽しい作品です。
【詰手順】42龍、32角(6図)、13銀、21玉、51龍、41角(7図)、22銀打、32玉、
62龍、52角(8図)、33銀打、41玉、31銀成、同玉、61龍、同角、
21飛、同玉、22銀成まで19手詰
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2020年4月19日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 「 駒の軌跡」。駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています!
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年6月21日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
<最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[会費] 無料
[課題] 後日案内させていただきます。
******************************************************
★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
以上
・残念なお知らせが一つ。
今年の解答選手権チャンピオン戦は中止が決まりました。
実行委員会のメッセージが速報ブログに掲載されています。
『新型コロナウイルスの感染防止のため、3月29日(日)に開催予定だった詰将棋解答選手権チャンピオン戦は、やむなく中止とします。
競技参加を楽しみにされていた方には、大変申し訳ありませんが、事情お汲み取りいただきご了承くださいますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
詰将棋解答選手権実行委員会』
速報ブログは → https://blog.goo.ne.jp/shogi-problem
ちょっとしたロス状態でブログの更新もキーボードを叩く手が重いです…。
■詰パラ3月号
・表紙。イラストは旬の人ですね。昨年は4月号に師弟で載っていたような。
でもこの雄姿は、今年は拝めないのですね…(涙)。
また作品は大野さん。短コンの11番も楽しめました。作者のことばも共感できる内容です。
・詰将棋学校(12P~)。
小学校:コロナウイルスの話。皆さんも体調管理はくれぐれもご留意ください。
中学校:解答選手権ネタその1。斉田さんは懐かしい。何年ぶりの登場?
高校:好形作で指将棋派を誘うというのは行き届いた配慮。
短大:解答選手権ネタその2。それにしてもオール看寿賞作家とは贅沢な選題。
大学:手数長めでも易しいというのは嬉しい。
大院:解答選手権ネタその3。岸本さんの採用には選者の温かい配慮があったんですね。
また山路さんの作品には期待が高まります。
・内藤國雄の小ルーム(18P~)。問題よりもエッセーが楽しみなのですが(笑)
内藤さんは将棋世界でもエッセーの連載がスタート。
・新人コンクール(20P~):湯川さんはキッズチャレンジでも最優秀に輝きました。
また津久井さんは最近売り出し中の復活組。将棋世界サロンの初入選特集でも登場(この企画では竹中健一さんも登場)。
原田さんは創棋会メンバー、期待の新人です。
・彩棋会作品展(21P~)。なかなかの顔ぶれですね。
・創棋会作品展(22P~)。課題は「捌きを楽しむ作品」。
解いて楽しめめる、解けば爽やかな解後感が味わえる、そんな作品が揃いました。一題でも解ければご解答下さい。
・全詰連の頁(23P~)。看寿賞の推薦募集。お気に入りの作品があれば是非とも推薦をお願いします。
今年も発表は7月号。表彰は9月の全国大会になります。
2月号に続いて解答選手権の告知。なんと初級一般戦は昨年の28か所より増えて30会場に!
コロナウイルス問題に見通しがついて無事開催されることを祈念しています。
・詰将棋の眺め方(26P~)。3回目は有吉弘敏さん。絶好調の短編作家が取り上げたのは安達康二さん。
紹介された超短編の数々、私は「続々7手詰傑作集」でその多くを目にし、感動したことを思い出しました。
・持駒のある風景(30P~)。健康第一は年を取れば実感が増しますね。
・おもちゃ箱だより(32P~)。くるくる展示室。楽しい作品が揃ってますね。
・ちえのわ雑文集(34P~)。久保さんの「裏短コン」。現在結果発表中。
現在5作が結果発表中。 → http://ikz26.blog.fc2.com/blog-entry-104.html
生放送の内容 → https://twitcasting.tv/boku_ikiron/movie/588831542
毎年のことですが意欲的な作が揃いました。
・名局ライブラリー(36P~)。湯村光造さんの追悼。紹介された作品はいずれも有名なものばかり。私にとってはめいとに連載された「歩詰手筋総まくり」が印象に残っています。
・読者サロン(40P~)。いつものカットがありません(笑)
・広告「無双」(39P~)。谷川九段のサイン風景。いい笑顔ですね。
・結果発表:
短編コンクール(52P~)。シード権を獲得された15作、おなじみの顔ぶれですが、構想作以外でも上位に食い込まれた作品があったのは良いことです。個人的には4番石川作、9番大崎作、21番白神作なども好みでしたが、上位進出ならず。いずれにしても年に1度の一大イベント、楽しめました。解説の鈴川さんには、心からお疲れ様と申し上げます。
同人室(76P~)。課題は「作風が滲み出る作品」。以前創棋会でも「よくわかる作家の個性」という課題にしたことがあります。錚々たる顔ぶれと作品は同人室ならでは。
創棋会作品展(88P~)。「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」、レベルの高い作品展だったと思いますが、いかがでしょうか。解答に取り組まなかった方もあらためて結果稿で鑑賞ください。特に3番の大崎さんと4番の中村さんの作品は、高度な狙いを表現した快作ですので、ぜひその妙味を味わってください。・編集室(112P)。今月はなんと112Pというボリュームたっぷり!
■「教材に使える詰将棋」partⅣの出題中(解答締切は3/22)
創棋会のネット作品展「教材に使える10手台~大駒捨てのある作品~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された13題を2/19にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-333.html
出題作の作者は次の10名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
奥鳥羽生、片山智之、信行寺持光、則内誠一郎、中出慶一、西村章、野曽原直之、
RINTARO、安田恒雄、吉松智明
大駒捨ての爽快さを楽しめる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋が好きになる、そういう作品ばかりです。
「力試し」の3題も、形はよくありませんが、解けば納得の作品ばかりです。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 3/22(日)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
また「力試し」解答者は別枠で1名に呈賞
★図面は次のサイトから取り出すことができます。
https://firestorage.jp/download/9acf723fb54e728f936e301be037258e63f0d136
パスワード 「kyozai4」です。
■創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です
創棋会の次回課題は「駒の軌跡」です。
詰パラ6月号作品展への出題作となります。
駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています。
駒の移動といっても表現はさまざまです。
回転もあれば鋸のようなもの、水平移動に垂直移動、振子のような往復移動もそうですね。
表現の面白さに笑みがこぼれる、手順を並べて楽しめる、そんな作品が多いのではないかと思います。
作家の皆さんの腕の見せ所ではないでしょうか?
創意溢れる作品の投稿をお待ちしています。
投稿はこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
◇例題紹介
それでは例題紹介です。
いつものことですが、管理人の好みで「これはいいな」と思った作品を紹介させていただきます。
三枝文夫作 詰パラ1957年3月(『古今中編名作選Ⅰ』第61番)

本作は一度当ブログでご覧いただきました。
そのときの内容をあらためて紹介させていただきます。
入玉作ですが、46玉の脱出に用心し、2枚のと金に触らないようにすればそう難しくありません。
初手は36金と押さえます。
27玉と横にかわす一手ですが26金と寄ります。
玉は37に戻っても18に潜り込んでも36馬があるので、17玉と寄ります。
それには27金と引きます。
<1図:5手目 27金>

取れば63角打ちがあるので18玉とひたすら逃げます。
ここで17金と寄れば同玉と取るしかなく、玉と金の追いかけっこは終わりです。
<2図:7手目 17金>

17同玉には53角と打ちます。
18玉には36馬と引けば、27桂合が最善の受け。
そこで17角成から19龍と大駒の連続捨てが飛び出し、同桂成に26銀まで。
金が36→26→27→17と鋸引きするのは楽しい手順で、収束も申し分ない好作でした。
【作意】36金、27玉、26金、17玉、27金(1図)、18玉、17金(2図)、同玉、
53角、18玉、36馬、27桂合、17角成、同玉、19龍、同桂成、26銀まで17手詰
髙橋恭嗣作 詰パラ1983年7月号(半期賞、「現代詰将棋短編名作選」第80番)

52銀成から72飛成とする筋が見えますが、41玉と逃げられて詰みません。
初手は24角の遠打が好手。
33角と成れるところから打つのが良さそうに見えますが、24から打たないと、玉に32へ逃げられたときに困るのです。
先に角を打っておけば、42合なら、今度こそ52銀成から詰みます。
24角には41玉と銀を取って逃げますが、そこで61飛不成と行くのが好手。
飛車を成ると、32玉、52龍、23玉、63龍、43桂と捨合の妙防があり、同龍、24玉で打歩詰。
<3図:3手目 61飛不成>

61飛不成には32玉とかわしますが62飛不成と連続不成で迫ります。
23玉なら63飛不成と歩を入手。24玉には36桂、同香で打歩詰を打開して、25歩から43飛成です。
63飛不成に43桂の捨合も同飛不成以下、36桂~25歩~46桂までピッタリの詰み。
しかしここで受けの妙手がありました。
52歩と捨合します。
<4図:6手目 52歩>

52歩を同飛成と取れば、23玉、63龍、43桂ともう一度捨合されて、これは打歩詰。
52歩に替えて桂ならば、同飛成と取り、23玉、63龍のとき43に捨てる桂が品切れなので24玉とするしかなく36桂から簡単に詰んでしまうのですが、52歩合だとそうはいきません。
52歩合には同飛不成と応じます。
63の歩は取れませんが1歩手に入りました。
23玉とかわされますが、53飛不成とします。
24玉なら36桂で簡単なので43桂と捨合して、最後抵抗です。
<5図:10手目 43桂>

同飛成では24玉で打歩詰。
もう一度同飛不成とします。
これで5連続不成です。
24玉には、36桂、同香で25歩と打つことが出来ました。
34玉にはもらった桂を46に打っての詰み。
遠角からスタートして、飛車の連続不成に、52歩、43桂の捨合の妙防と素晴らしい攻防ですが、もう一つ楽しい趣向が表現されていました。
手順を追っていただくと分かるのですが初形の71飛が、61→62→52→53→43とノコギリ状に動くのです。見事ではありませんか。
【詰手順】24角、41玉、61飛不成(3図)、32玉、62飛不成、52歩(3図)、同飛不成、
23玉、53飛不成、43桂(3図)、同飛不成、24玉、36桂、同香、25歩、34玉、
46桂まで17手詰
斎藤仁士作 近代将棋1997年12月(「現代詰将棋中編名作選」第155番)

盤面、大駒と銀歩がそれぞれ4枚と、目を引く配置です。
初手は42龍がひと目。
同銀なら13銀打まで。
それでは詰将棋になりません(笑)
玉方にはうまい受けがあります。
32角と移動合。
<6図:2手目 32角>

移動合の効果で、13銀には21玉と逃げることができます。
しかし今度は、51龍と銀を取って、22銀打を狙います。
それには、ひらりとかわすような41角の移動合。
<7図:6手目 41角>

41角を龍で取ると、同龍と取り返されて詰みません。
22銀打、32玉と追います。
もう一枚、62に銀がありました。これを62龍と奪って、33銀打を目指します。
52銀と引いて43に逃げ道をつくるのは33銀打、43玉、44銀成があります。
そこでまたしても52角の移動合が好防。
<8図:10手目 52角>

33銀打、41玉と追って、今度は銀が落ちていませんが、61の龍が手に入ります。
ただしあわてて61龍は同角から51方面に逃げられてしまうので、31銀成と捨て、同玉と取らせてから、61龍が正しい手順です。
61同角には21飛が決め手。
21の角が32→41→52→61と動くのですが、攻方の龍も42→51→62と動きます。さらに玉の動きも12→21→32→41。
3つの駒がノコギリ状に動く珍しい作品。
難解さはありませんが、解かなくても並べて楽しい作品です。
【詰手順】42龍、32角(6図)、13銀、21玉、51龍、41角(7図)、22銀打、32玉、
62龍、52角(8図)、33銀打、41玉、31銀成、同玉、61龍、同角、
21飛、同玉、22銀成まで19手詰
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2020年4月19日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 「 駒の軌跡」。駒が移動する軌跡をテーマにした作品の投稿をお待ちしています!
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年6月21日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
<最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[会費] 無料
[課題] 後日案内させていただきます。
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★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
以上
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