続・創棋会の次回課題は「局面の対比」
続・創棋会の次回課題は「局面の対比」

解答選手権が目前に迫っています。
今年は3/31(日)がチャンピオン戦、4/6(土)が初級一般戦です。
選手の皆さんには万全の体調で競技に参加してください。
選手権の模様は「速報ブログ」をご覧ください。
→ https://blog.goo.ne.jp/shogi-problem
■「教材に使える詰将棋」partⅢ
解答ありがとうございました。
創棋会のネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された15題を2/22にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-247.html
おかげさまで多くの方から解答をいただきました。
来週から結果発表を行いますので、どうぞお楽しみに。
■第35回全国大会
今年の全国大会は大阪開催です。
詰パラ3月号に大会関連の案内が掲載されましたが、このブログでも大会関連の告知を行っていますので、ぜひ参照下さい。
《日時》2019年7月14日(日) 12時00分(予定)~17時
《場所》大阪産業創造館 4階
大阪市中央区本町1-4-5
http://shisetsu.sansokan.jp
■創棋会の次回課題は「局面の対比」
☆4月例会の課題は「局面の対比」(6月号作品展)です。
ある局面から数手進むと局面が微妙に変化する。多様な表現があると思います。
これまで、駒の移動、駒の消去、駒の入替、持駒変換などを紹介してきました。華麗な捨駒、打歩詰打開と演出も多彩でした。
今回も楽しめる作品を紹介させていただきますので、局面の対比を鑑賞していきたいと思います。
なお例題は昨年末にも2作紹介していますのでよかったらご覧ください。
山田康平作 詰パラ1991年8月(『流星雨』第24番)

盤面7枚、持駒も含め使用駒が飛角桂歩だけで、成駒のない清潔感のある初形です。
初手43飛は52玉、42飛成、63玉で脱出が止まりません。
74角成が上部に逃がさない一手。
51玉なら41飛から63歩という手があるので52に合駒です。
42飛から32飛成があるので、52飛合に決定。
今度は61飛と打って、51の合駒を訊きます。
歩・香・桂は52馬、同玉、62飛があります。また金・銀は42歩、31玉、51飛成として32から金銀を打てば詰み。
最善は51角合。これが逆王手になっていますが、あわてず42歩と打ちます。
31玉に51飛成と角を取り、同飛のときに41馬と飛び込むのがうまい手です。
21玉なら32馬から簡単なので、同飛、同歩成、同玉と清算します。
ここで63角と打ちます。
<13手目:63角>

この局面を初形と比べてみてください。
83の角が63にワープしたみたいですね。
ここでも同じように52飛合と応じるのが最善。
61飛には51角合の逆王手、42歩と打って、31玉に51飛成と角を取るところまでは他に手もありません。
74角成のときと同じことをやっているようですが、何か違いがあるのでしょうか?
51同飛のとき41角成では何をやっているのかわかりませんから、22角と手を変えます。
21玉と寄ったとき、54角成と桂を取れるのが63角の効果。
同飛に12歩成から24桂と拠点を作り、21玉に軽く31角成と捨てるのが決め手です。
同玉に32桂成までの詰み。
83の角が63に移動する不思議さを味わっていただけたでしょうか。
52飛合、51角合の応酬が繰り返されるところも楽しいですね。
31手と手数はやや長めですが、それを感じさせない軽快な作品です。
【手順】74角成、52飛合、61飛、51角合、42歩、31玉、51飛成、同飛、
41馬、同飛、同歩成、同玉、63角(図)、52飛合、61飛、51角合、
42歩、31玉、51飛成、同飛、22角、21玉、54角成、同飛、
12歩成、同玉、24桂、21玉、31角成、同玉、32桂成まで31手詰
山本昭一作 詰パラ1982年7月
(修正図、『怒濤』第43番、『現代詰将棋中編名作選』第35番)

「メタ新世界」や「メガロポリス」などの超長編で有名な山本昭一さんですが、中編でも楽しい作品を沢山残されています。本作もその一つです。
まず53飛成とすれば41玉の一手。
そこで44龍とソッポに引きます。
42合なら53桂までですから、43桂と跳ねて移動合で凌ぎます。
同龍と取らせて、51玉と桂のいた場所にかわします。
これには53龍と寄って43桂を見せます。52合なら同と、43桂、41玉、31香成、同金、同桂成、同玉と清算し23桂と打てば詰み。
41玉と寄ったとき、もう一度44龍とソッポに引くのが好手。
51玉では43桂と打たれ、どう逃げても桂2枚で簡単ですから何か合駒が必要です。
43に捨合して51に寄る手がありそうですが、頭に利く駒は52に打てば簡単。桂は品切れ。角なら同龍、51玉、53龍、52合、43桂、41玉、23角で詰みます。
単に42歩合では、53桂、51玉、43桂、同歩、41桂成、同玉、43龍という好手順があります。
この43桂から41桂成の順を消す唯一の受けが42龍の移動合です。
< 図:10手目/42龍>

他に手は無いので53桂から迫ります。
51玉に43桂、同龍と取らせて41桂成、同龍には同龍と清算します。
ここまで変化もなく一本道です。
41同玉には、44飛と打ちます。(45以遠でも可、二間以上離して打つのがポイントです。)
今度は22龍がいなくなったので51玉なら54飛と回って簡単。
42合には先ほどと同じように53桂から41桂成があります。
今度はそれを防いで42飛合が最善です。
< 図 20手目/42飛合>

この局面、10手目の局面と比べてください。
双方の龍が飛に変わりました。
ここからもう一度53桂~43桂~41桂成という手順が繰り返されます。
このリフレインも楽しいですね。
41桂成を同飛と取らせれば、54飛と回ることが出来ます。
42玉に53飛成までの詰み。
初手と最終手が同じというところが「ストーリー性抜群の構成」(武島宏秋氏の現代詰将棋中編名作選の解説)」です。
【手順】53飛成、41玉、44龍、43桂、同龍、51玉、53龍、41玉、44龍、42龍、
53桂、51玉、43桂、同龍、41桂成、同龍、同龍、同玉、44飛、42飛、
53桂、51玉、43桂、同飛、41桂成、同飛、54飛、42玉、53飛成まで29手詰
金子義隆作 詰パラ2011年8月(『撫子』第30番)

本局は楽しい手順が飛び出します。
まず59馬と と金を取ります。
玉が逃げる手は48馬と捨てて39銀と打てば簡単。
応手は同飛不成。不成の意味は後ほどわかります。
続いて39銀と捨てます。
同玉なら、59龍、28玉(49合は48銀、28玉、37銀打、18玉、29銀、同玉、39飛以下)、48龍、38銀合(他合は37銀、18玉、19歩、29玉、39飛以下)、39銀、29玉、19飛、同玉、28銀打、29玉、38龍、同角成、18銀以下で詰みますので、39銀にも同飛不成と応じます。
今度は37銀と捨てます。
同玉なら、39龍、38角成、49桂、27玉、37飛、同馬、18銀以下。38玉も39龍で簡単ですから、37銀にも同飛不成と応じます。
ここまでくれば次の手は予想がつきますね。
そうです57銀と捨てるのです。
同玉なら68龍で簡単だし、38玉も29銀から48歩がありますから、57銀にも同飛不成と応じます。
<8手目:57飛不成>

初形から77馬と59とが消えました。
その間に玉方の飛が不成で一回転。
不成の意味を考えてみましょう。
図で57飛が龍なら、39銀、37玉、29桂、47玉のとき48歩と打てます。しかし飛なら打歩詰で逃れるというわけです。
不成の意味はシンプルですが、銀連打で一回転させるのは素晴らしい手順です。
この局面では39銀しかなく、37玉、29桂、47玉まで進めて打歩詰になりますが、59桂と捨てるのが打開の一手です。
これを同飛不成は48歩から59龍となるので、同飛成と応じるしかありません。
これで48歩と打つことが出来ました。
清算して飛を入手し、68飛と打てばゴールはもうすぐですが、最後の抵抗が58角と捨合の妙防です。
<20手目:58角合>

68飛に47玉なら58龍までなので、58に捨合して同龍に39玉と逃げようというのが玉方の狙い。
58合が頭に利く駒なら同飛で簡単なので、角合が最善なのですが、これも同飛と取ってしまいます。
47玉に奪った角を38角と捨て、同角成ととらせて57飛と捨てるのが決め手。
以下、同玉に68金から58金と寄って詰みとなります。
銀の三連打で飛を翻弄すれば、玉方も不成で応じ、飛車が元の場所に一回転するという、素晴らしい作品でした。
【手順】59馬、同飛不成、39銀、同飛不成、37銀、同飛不成、57銀、同飛不成(図)、
39銀、37玉、29桂、47玉、59桂、同飛成、48歩、同龍、
同銀、同玉、68飛、58角(図)、同飛、47玉、38角、同角成、
57飛、同玉、68金、48玉、58金まで29手詰
今回は趣向的な手順の作品を紹介させていただきましたが、お楽しみいただけたのではないでしょうか。
作家の皆さま、どうぞ「局面の対比」への投稿、よろしくお願いします。
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2019年4月21日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費] 無料
[課題] 6月号作品展「局面の対比」(29手以内)
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2019年6月16日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
[会費] 無料
[課題] 9月号作品展「簡素図式(盤面5枚以内、使用駒は持駒含めて9枚以内)」(29手以内)
※課題作の投稿などはこちらまで
→ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
以上

解答選手権が目前に迫っています。
今年は3/31(日)がチャンピオン戦、4/6(土)が初級一般戦です。
選手の皆さんには万全の体調で競技に参加してください。
選手権の模様は「速報ブログ」をご覧ください。
→ https://blog.goo.ne.jp/shogi-problem
■「教材に使える詰将棋」partⅢ
解答ありがとうございました。
創棋会のネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された15題を2/22にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-247.html
おかげさまで多くの方から解答をいただきました。
来週から結果発表を行いますので、どうぞお楽しみに。
■第35回全国大会
今年の全国大会は大阪開催です。
詰パラ3月号に大会関連の案内が掲載されましたが、このブログでも大会関連の告知を行っていますので、ぜひ参照下さい。
《日時》2019年7月14日(日) 12時00分(予定)~17時
《場所》大阪産業創造館 4階
大阪市中央区本町1-4-5
http://shisetsu.sansokan.jp
■創棋会の次回課題は「局面の対比」
☆4月例会の課題は「局面の対比」(6月号作品展)です。
ある局面から数手進むと局面が微妙に変化する。多様な表現があると思います。
これまで、駒の移動、駒の消去、駒の入替、持駒変換などを紹介してきました。華麗な捨駒、打歩詰打開と演出も多彩でした。
今回も楽しめる作品を紹介させていただきますので、局面の対比を鑑賞していきたいと思います。
なお例題は昨年末にも2作紹介していますのでよかったらご覧ください。
山田康平作 詰パラ1991年8月(『流星雨』第24番)

盤面7枚、持駒も含め使用駒が飛角桂歩だけで、成駒のない清潔感のある初形です。
初手43飛は52玉、42飛成、63玉で脱出が止まりません。
74角成が上部に逃がさない一手。
51玉なら41飛から63歩という手があるので52に合駒です。
42飛から32飛成があるので、52飛合に決定。
今度は61飛と打って、51の合駒を訊きます。
歩・香・桂は52馬、同玉、62飛があります。また金・銀は42歩、31玉、51飛成として32から金銀を打てば詰み。
最善は51角合。これが逆王手になっていますが、あわてず42歩と打ちます。
31玉に51飛成と角を取り、同飛のときに41馬と飛び込むのがうまい手です。
21玉なら32馬から簡単なので、同飛、同歩成、同玉と清算します。
ここで63角と打ちます。
<13手目:63角>

この局面を初形と比べてみてください。
83の角が63にワープしたみたいですね。
ここでも同じように52飛合と応じるのが最善。
61飛には51角合の逆王手、42歩と打って、31玉に51飛成と角を取るところまでは他に手もありません。
74角成のときと同じことをやっているようですが、何か違いがあるのでしょうか?
51同飛のとき41角成では何をやっているのかわかりませんから、22角と手を変えます。
21玉と寄ったとき、54角成と桂を取れるのが63角の効果。
同飛に12歩成から24桂と拠点を作り、21玉に軽く31角成と捨てるのが決め手です。
同玉に32桂成までの詰み。
83の角が63に移動する不思議さを味わっていただけたでしょうか。
52飛合、51角合の応酬が繰り返されるところも楽しいですね。
31手と手数はやや長めですが、それを感じさせない軽快な作品です。
【手順】74角成、52飛合、61飛、51角合、42歩、31玉、51飛成、同飛、
41馬、同飛、同歩成、同玉、63角(図)、52飛合、61飛、51角合、
42歩、31玉、51飛成、同飛、22角、21玉、54角成、同飛、
12歩成、同玉、24桂、21玉、31角成、同玉、32桂成まで31手詰
山本昭一作 詰パラ1982年7月
(修正図、『怒濤』第43番、『現代詰将棋中編名作選』第35番)

「メタ新世界」や「メガロポリス」などの超長編で有名な山本昭一さんですが、中編でも楽しい作品を沢山残されています。本作もその一つです。
まず53飛成とすれば41玉の一手。
そこで44龍とソッポに引きます。
42合なら53桂までですから、43桂と跳ねて移動合で凌ぎます。
同龍と取らせて、51玉と桂のいた場所にかわします。
これには53龍と寄って43桂を見せます。52合なら同と、43桂、41玉、31香成、同金、同桂成、同玉と清算し23桂と打てば詰み。
41玉と寄ったとき、もう一度44龍とソッポに引くのが好手。
51玉では43桂と打たれ、どう逃げても桂2枚で簡単ですから何か合駒が必要です。
43に捨合して51に寄る手がありそうですが、頭に利く駒は52に打てば簡単。桂は品切れ。角なら同龍、51玉、53龍、52合、43桂、41玉、23角で詰みます。
単に42歩合では、53桂、51玉、43桂、同歩、41桂成、同玉、43龍という好手順があります。
この43桂から41桂成の順を消す唯一の受けが42龍の移動合です。
< 図:10手目/42龍>

他に手は無いので53桂から迫ります。
51玉に43桂、同龍と取らせて41桂成、同龍には同龍と清算します。
ここまで変化もなく一本道です。
41同玉には、44飛と打ちます。(45以遠でも可、二間以上離して打つのがポイントです。)
今度は22龍がいなくなったので51玉なら54飛と回って簡単。
42合には先ほどと同じように53桂から41桂成があります。
今度はそれを防いで42飛合が最善です。
< 図 20手目/42飛合>

この局面、10手目の局面と比べてください。
双方の龍が飛に変わりました。
ここからもう一度53桂~43桂~41桂成という手順が繰り返されます。
このリフレインも楽しいですね。
41桂成を同飛と取らせれば、54飛と回ることが出来ます。
42玉に53飛成までの詰み。
初手と最終手が同じというところが「ストーリー性抜群の構成」(武島宏秋氏の現代詰将棋中編名作選の解説)」です。
【手順】53飛成、41玉、44龍、43桂、同龍、51玉、53龍、41玉、44龍、42龍、
53桂、51玉、43桂、同龍、41桂成、同龍、同龍、同玉、44飛、42飛、
53桂、51玉、43桂、同飛、41桂成、同飛、54飛、42玉、53飛成まで29手詰
金子義隆作 詰パラ2011年8月(『撫子』第30番)

本局は楽しい手順が飛び出します。
まず59馬と と金を取ります。
玉が逃げる手は48馬と捨てて39銀と打てば簡単。
応手は同飛不成。不成の意味は後ほどわかります。
続いて39銀と捨てます。
同玉なら、59龍、28玉(49合は48銀、28玉、37銀打、18玉、29銀、同玉、39飛以下)、48龍、38銀合(他合は37銀、18玉、19歩、29玉、39飛以下)、39銀、29玉、19飛、同玉、28銀打、29玉、38龍、同角成、18銀以下で詰みますので、39銀にも同飛不成と応じます。
今度は37銀と捨てます。
同玉なら、39龍、38角成、49桂、27玉、37飛、同馬、18銀以下。38玉も39龍で簡単ですから、37銀にも同飛不成と応じます。
ここまでくれば次の手は予想がつきますね。
そうです57銀と捨てるのです。
同玉なら68龍で簡単だし、38玉も29銀から48歩がありますから、57銀にも同飛不成と応じます。
<8手目:57飛不成>

初形から77馬と59とが消えました。
その間に玉方の飛が不成で一回転。
不成の意味を考えてみましょう。
図で57飛が龍なら、39銀、37玉、29桂、47玉のとき48歩と打てます。しかし飛なら打歩詰で逃れるというわけです。
不成の意味はシンプルですが、銀連打で一回転させるのは素晴らしい手順です。
この局面では39銀しかなく、37玉、29桂、47玉まで進めて打歩詰になりますが、59桂と捨てるのが打開の一手です。
これを同飛不成は48歩から59龍となるので、同飛成と応じるしかありません。
これで48歩と打つことが出来ました。
清算して飛を入手し、68飛と打てばゴールはもうすぐですが、最後の抵抗が58角と捨合の妙防です。
<20手目:58角合>

68飛に47玉なら58龍までなので、58に捨合して同龍に39玉と逃げようというのが玉方の狙い。
58合が頭に利く駒なら同飛で簡単なので、角合が最善なのですが、これも同飛と取ってしまいます。
47玉に奪った角を38角と捨て、同角成ととらせて57飛と捨てるのが決め手。
以下、同玉に68金から58金と寄って詰みとなります。
銀の三連打で飛を翻弄すれば、玉方も不成で応じ、飛車が元の場所に一回転するという、素晴らしい作品でした。
【手順】59馬、同飛不成、39銀、同飛不成、37銀、同飛不成、57銀、同飛不成(図)、
39銀、37玉、29桂、47玉、59桂、同飛成、48歩、同龍、
同銀、同玉、68飛、58角(図)、同飛、47玉、38角、同角成、
57飛、同玉、68金、48玉、58金まで29手詰
今回は趣向的な手順の作品を紹介させていただきましたが、お楽しみいただけたのではないでしょうか。
作家の皆さま、どうぞ「局面の対比」への投稿、よろしくお願いします。
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2019年4月21日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費] 無料
[課題] 6月号作品展「局面の対比」(29手以内)
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2019年6月16日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
[会費] 無料
[課題] 9月号作品展「簡素図式(盤面5枚以内、使用駒は持駒含めて9枚以内)」(29手以内)
※課題作の投稿などはこちらまで
→ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
以上
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締切迫る(3月21日)ネット作品展「教材に使える詰将棋」
締切迫る(3月21日)ネット作品展「教材に使える詰将棋」
■「教材に使える詰将棋」partⅢ、解答締切は3/21!
創棋会のネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された15題を2/22にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-247.html
出題作の作者は次の11名の方々です。作家の皆さまにはあらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
有吉弘敏、奥鳥羽生、金少桂、柴田昭彦、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、
中村雅哉、西村章、RINTARO、吉松智明
駒の特性を学べる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋の面白さや楽しさが伝わると思います。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 3/21(木)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
また「力試し」解答者は別枠で1名に呈賞
★図面は次のサイトから取り出すことができます。
http://firestorage.jp/download/d7f554ab47b6394ec33b2b75be1cc95950457fd7
パスワード 「kyozai3」です。
■第35回全国大会
今年の全国大会は大阪開催です。
詰パラ3月号に大会の案内が掲載されましたが、このブログでも大会関連の告知を行いますので、ぜひ参照下さい。
《日時》2019年7月14日(日) 12時00分(予定)~17時
《場所》大阪産業創造館 4階
大阪市中央区本町1-4-5
http://shisetsu.sansokan.jp
全国大会を堪能して、翌日は大阪観光を楽しみたいという方も多いと思います。
USJや海遊館が有名ですが、万博記念公園の太陽の塔も面白いかもしれません。
実行委員会では宿泊の斡旋は行っていませんが、ネットで検索すると結構ホテルの候補が出てきますので、大阪のホテル事情も改善されつつあるように思われます。早目の予約をお勧めします。
■創棋会の次回課題は「局面の対比」
☆4月例会の課題は「局面の対比」(6月号作品展)です。
ある局面から数手進むと局面が微妙に変化する。多様な表現があると思います。
これまで、駒の移動、駒の消去、駒の入替、持駒変換などを紹介してきました。華麗な捨駒、打歩詰打開と演出も多彩でした。
今回も楽しめる作品を紹介させていただきますので、局面の対比を鑑賞していきたいと思います。
なお例題は昨年末にも2作紹介していますのでよかったらご覧ください。
北千里作 詰パラ1973年7月(『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』第135番)

入玉ですが駒数は少なく解いてみようという気にさせます。
93角の遠打、打ってくださいという感じですが、やはり気持ちの良い手です。
29玉には18角の好手があります。同銀成なら49龍、28玉、39角成、27玉、38馬以下。同銀不成なら49龍、28玉、39角成、27玉に38龍以下。
28玉と逃げれば29香がよい調子。同玉、27龍、28銀成まで順調に進みます。
しかし38銀、19玉、28龍では同玉、29銀、17玉で詰みません。18銀としても、19玉、28龍、同玉、29銀に今度は37玉で逃れです。
困ったようですが打開の好手順があります。
もったいないようですが、39角成と捨てます。
同玉と取ったところが次の図。
<4手目:39同玉>

初形と比べると28歩が消えただけ。
角一枚捨てて何かメリットがあるのかと思える局面ですが、今度は48角と短打。
初形で48角では29玉と寄られて困るので93角と打つしかなかったのですが、28歩が消えたので29玉と寄ると27龍と銀を取られてしまいます。
28玉と逃げるしかないのですが、それでも29香から27龍と銀を奪います。
28銀成の移動合で凌ぎますが、18銀から28龍と切るのが好手段。
同玉に29銀打で、今度は48角の利きがあるので37玉とはできません。
19玉と逃げたとき、角を37に一つ動いての詰上りがいい感じです。
さりげない28歩消去を遠打と短打の打ち換えで表現した鮮やかな一局。
【手順】93角、28玉、39角成、同玉、48角、28玉、29香、同玉、27龍、28銀成、
18銀、19玉、28龍、同玉、29銀打、19玉、37角まで17手詰
赤羽守作 近代将棋1970年11月(『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』第126番)

本作は作意を並べて手順の妙を鑑賞したいと思います。
のっけから強烈な手が出ます。
12飛成と捨てて同玉に15香と打ち換えます。
21玉と元の位置に戻ります。
<4手目:21玉>

4手進んだ局面、16飛が15香に変わっただけですね。
強力な飛車が香に変化して何かメリットがあるのでしょうか?
ここでは13桂と打つ一手。
12玉と逃げたとき、24桂と捨てておくのが巧い手です。
この意味は24地点が逃げ道になるのでそれを塞ぐことなのですが、すぐにそれとはわからないのが巧みな構成です。
24同桂と取らせて21桂成と捨てます。
<9手目:21桂成>

21桂成のとき16に飛車がいると24の桂馬に取られてしまうのですが、15に香を打ち換えたことで取られないようにしたわけです。
21桂成は同玉と取るしかなく、12香成から、13角成、12飛と捨駒の連続でフィニッシュするのも爽快です。
打換えの意味を巧妙にカモフラージュし、また飛車から香へと不利感のある演出で表現された好局で塚田賞を獲得されました。
【手順】12飛成、同玉、15香、21玉(図)、13桂、12玉、24桂、同桂、21桂成(図)、
同玉、12香成、同玉、13角成、同玉、12飛、23玉、22角成まで17手詰
中野和夫作 近代将棋1996年8月
(塚田賞、『一番星』第28番、『現代詰将棋短編名作選』第140番)

一見して77角をどう使うのかという局面ですが、すぐに王手できる手は限られています。
最も有力そうなのは62角ですね。取れば73銀成、81玉、93桂生と金を取って詰みます。
81玉には93桂生があるので61玉と逃げるしかありませんが、そこで72金と捨て73銀成と攻めても、また61玉と逃げられ、進展がありません。
もう一度最初に戻って考えてみましょう。
<2手目:61玉>

初手はどう考えても62角しかなさそうです。
62角に61玉と寄ったとき、不思議な手順があります。
52歩成と成り捨て、同歩と取らせてから(同金は同銀成、同歩、72金以下)、71角成と捨てます。
そして同玉に44角と飛び出すのです。
77角を活用できるのですが、どういう意味があるのか、すぐにはわかりません。
62合は同角成から73銀成があるので53合の一手です。
金や銀は同角成、同歩、72金(銀)、同玉、73銀成で詰み。
飛香なら取って73から打ち72に成り捨てれば詰みます。
桂は同角成、同歩に63桂と打てば詰んでいます。81玉なら73桂不成、82玉、81金の要領です。
ということで最善は角合です。
53角合、同角成、同歩と進んで、77の角を持駒にすることが出来ました。
そこでもう一度62角と打ちます。
これにも61玉と寄る一手。
その局面をよく見てください。
<12手目:61玉>

攻め方の53歩が消えて玉方の51歩が53まで進みました。
10手進んで玉方だけ2手指したような局面ですね。
攻方に何かいいことがあるのでしょうか?
他に手も無いので72金と捨てます。
同玉のときに、63銀不成の妙手がありました。
同玉なら73角成まで。このとき53の逃げ道を玉方の53歩が塞いでいます。
このために回りくどい手順で51歩を53まで移動させておいたのです!
以下は81玉に93桂不成と金を取り、82玉に81桂成と捨て、同玉に71角成と気持ちの良い大駒捨てが入って、同玉に72金までの詰み。
意味の無さそうな応酬で玉方の歩を二マス前進させるのが何とも言えずユーモラス。62角捨を繰り返すのもいい感じです。塚田賞を受賞された好局です。
【手順】62角、61玉(図)、52歩成、同歩、71角成、同玉、44角、53角、
同角成、同歩、62角、61玉(図)、72金、同玉、63銀不成、81玉、
93桂不成、82玉、81桂成、同玉、71角成、同玉、72金まで23手詰
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2019年4月21日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費] 無料
[課題] 6月号作品展「局面の対比」(29手以内)
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2019年6月16日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
[会費] 無料
[課題] 9月号作品展「簡素図式(盤面5枚以内、使用駒は持駒含めて9枚以内)」(29手以内)
☆課題作の投稿などはこちらまで
→ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
以上
■「教材に使える詰将棋」partⅢ、解答締切は3/21!
創棋会のネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された15題を2/22にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-247.html
出題作の作者は次の11名の方々です。作家の皆さまにはあらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
有吉弘敏、奥鳥羽生、金少桂、柴田昭彦、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、
中村雅哉、西村章、RINTARO、吉松智明
駒の特性を学べる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋の面白さや楽しさが伝わると思います。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 3/21(木)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
また「力試し」解答者は別枠で1名に呈賞
★図面は次のサイトから取り出すことができます。
http://firestorage.jp/download/d7f554ab47b6394ec33b2b75be1cc95950457fd7
パスワード 「kyozai3」です。
■第35回全国大会
今年の全国大会は大阪開催です。
詰パラ3月号に大会の案内が掲載されましたが、このブログでも大会関連の告知を行いますので、ぜひ参照下さい。
《日時》2019年7月14日(日) 12時00分(予定)~17時
《場所》大阪産業創造館 4階
大阪市中央区本町1-4-5
http://shisetsu.sansokan.jp
全国大会を堪能して、翌日は大阪観光を楽しみたいという方も多いと思います。
USJや海遊館が有名ですが、万博記念公園の太陽の塔も面白いかもしれません。
実行委員会では宿泊の斡旋は行っていませんが、ネットで検索すると結構ホテルの候補が出てきますので、大阪のホテル事情も改善されつつあるように思われます。早目の予約をお勧めします。
■創棋会の次回課題は「局面の対比」
☆4月例会の課題は「局面の対比」(6月号作品展)です。
ある局面から数手進むと局面が微妙に変化する。多様な表現があると思います。
これまで、駒の移動、駒の消去、駒の入替、持駒変換などを紹介してきました。華麗な捨駒、打歩詰打開と演出も多彩でした。
今回も楽しめる作品を紹介させていただきますので、局面の対比を鑑賞していきたいと思います。
なお例題は昨年末にも2作紹介していますのでよかったらご覧ください。
北千里作 詰パラ1973年7月(『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』第135番)

入玉ですが駒数は少なく解いてみようという気にさせます。
93角の遠打、打ってくださいという感じですが、やはり気持ちの良い手です。
29玉には18角の好手があります。同銀成なら49龍、28玉、39角成、27玉、38馬以下。同銀不成なら49龍、28玉、39角成、27玉に38龍以下。
28玉と逃げれば29香がよい調子。同玉、27龍、28銀成まで順調に進みます。
しかし38銀、19玉、28龍では同玉、29銀、17玉で詰みません。18銀としても、19玉、28龍、同玉、29銀に今度は37玉で逃れです。
困ったようですが打開の好手順があります。
もったいないようですが、39角成と捨てます。
同玉と取ったところが次の図。
<4手目:39同玉>

初形と比べると28歩が消えただけ。
角一枚捨てて何かメリットがあるのかと思える局面ですが、今度は48角と短打。
初形で48角では29玉と寄られて困るので93角と打つしかなかったのですが、28歩が消えたので29玉と寄ると27龍と銀を取られてしまいます。
28玉と逃げるしかないのですが、それでも29香から27龍と銀を奪います。
28銀成の移動合で凌ぎますが、18銀から28龍と切るのが好手段。
同玉に29銀打で、今度は48角の利きがあるので37玉とはできません。
19玉と逃げたとき、角を37に一つ動いての詰上りがいい感じです。
さりげない28歩消去を遠打と短打の打ち換えで表現した鮮やかな一局。
【手順】93角、28玉、39角成、同玉、48角、28玉、29香、同玉、27龍、28銀成、
18銀、19玉、28龍、同玉、29銀打、19玉、37角まで17手詰
赤羽守作 近代将棋1970年11月(『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』第126番)

本作は作意を並べて手順の妙を鑑賞したいと思います。
のっけから強烈な手が出ます。
12飛成と捨てて同玉に15香と打ち換えます。
21玉と元の位置に戻ります。
<4手目:21玉>

4手進んだ局面、16飛が15香に変わっただけですね。
強力な飛車が香に変化して何かメリットがあるのでしょうか?
ここでは13桂と打つ一手。
12玉と逃げたとき、24桂と捨てておくのが巧い手です。
この意味は24地点が逃げ道になるのでそれを塞ぐことなのですが、すぐにそれとはわからないのが巧みな構成です。
24同桂と取らせて21桂成と捨てます。
<9手目:21桂成>

21桂成のとき16に飛車がいると24の桂馬に取られてしまうのですが、15に香を打ち換えたことで取られないようにしたわけです。
21桂成は同玉と取るしかなく、12香成から、13角成、12飛と捨駒の連続でフィニッシュするのも爽快です。
打換えの意味を巧妙にカモフラージュし、また飛車から香へと不利感のある演出で表現された好局で塚田賞を獲得されました。
【手順】12飛成、同玉、15香、21玉(図)、13桂、12玉、24桂、同桂、21桂成(図)、
同玉、12香成、同玉、13角成、同玉、12飛、23玉、22角成まで17手詰
中野和夫作 近代将棋1996年8月
(塚田賞、『一番星』第28番、『現代詰将棋短編名作選』第140番)

一見して77角をどう使うのかという局面ですが、すぐに王手できる手は限られています。
最も有力そうなのは62角ですね。取れば73銀成、81玉、93桂生と金を取って詰みます。
81玉には93桂生があるので61玉と逃げるしかありませんが、そこで72金と捨て73銀成と攻めても、また61玉と逃げられ、進展がありません。
もう一度最初に戻って考えてみましょう。
<2手目:61玉>

初手はどう考えても62角しかなさそうです。
62角に61玉と寄ったとき、不思議な手順があります。
52歩成と成り捨て、同歩と取らせてから(同金は同銀成、同歩、72金以下)、71角成と捨てます。
そして同玉に44角と飛び出すのです。
77角を活用できるのですが、どういう意味があるのか、すぐにはわかりません。
62合は同角成から73銀成があるので53合の一手です。
金や銀は同角成、同歩、72金(銀)、同玉、73銀成で詰み。
飛香なら取って73から打ち72に成り捨てれば詰みます。
桂は同角成、同歩に63桂と打てば詰んでいます。81玉なら73桂不成、82玉、81金の要領です。
ということで最善は角合です。
53角合、同角成、同歩と進んで、77の角を持駒にすることが出来ました。
そこでもう一度62角と打ちます。
これにも61玉と寄る一手。
その局面をよく見てください。
<12手目:61玉>

攻め方の53歩が消えて玉方の51歩が53まで進みました。
10手進んで玉方だけ2手指したような局面ですね。
攻方に何かいいことがあるのでしょうか?
他に手も無いので72金と捨てます。
同玉のときに、63銀不成の妙手がありました。
同玉なら73角成まで。このとき53の逃げ道を玉方の53歩が塞いでいます。
このために回りくどい手順で51歩を53まで移動させておいたのです!
以下は81玉に93桂不成と金を取り、82玉に81桂成と捨て、同玉に71角成と気持ちの良い大駒捨てが入って、同玉に72金までの詰み。
意味の無さそうな応酬で玉方の歩を二マス前進させるのが何とも言えずユーモラス。62角捨を繰り返すのもいい感じです。塚田賞を受賞された好局です。
【手順】62角、61玉(図)、52歩成、同歩、71角成、同玉、44角、53角、
同角成、同歩、62角、61玉(図)、72金、同玉、63銀不成、81玉、
93桂不成、82玉、81桂成、同玉、71角成、同玉、72金まで23手詰
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2019年4月21日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費] 無料
[課題] 6月号作品展「局面の対比」(29手以内)
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2019年6月16日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
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[課題] 9月号作品展「簡素図式(盤面5枚以内、使用駒は持駒含めて9枚以内)」(29手以内)
☆課題作の投稿などはこちらまで
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以上
ネット作品展「教材に使える詰将棋」解答受付中
<ネット作品展「教材に使える詰将棋」解答受付中>
少し寒い日もありますが春になりました。
花粉の飛ぶ季節ですね…。
近所で梅の花が咲いていました。

■「教材に使える詰将棋」partⅢの出題中(解答締切は3/21)
創棋会のネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された15題を2/22にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-247.html
出題作の作者は次の11名の方々です。作家の皆さまにはあらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
有吉弘敏、奥鳥羽生、金少桂、柴田昭彦、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、
中村雅哉、西村章、RINTARO、吉松智明
駒の特性を学べる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋の面白さや楽しさが伝わると思います。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 3/21(水)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
また「力試し」解答者は別枠で1名に呈賞
★図面は次のサイトから取り出すことができます。
http://firestorage.jp/download/d7f554ab47b6394ec33b2b75be1cc95950457fd7
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■第35回全国大会
今年の全国大会は大阪開催です。
詰パラ3月号に案内が掲載されましたが、このブログでも大会関連の告知を行いますので、ぜひ参照下さい。
《日時》2019年7月14日(日) 12時00分(予定)~17時
《場所》大阪産業創造館 4階
大阪市中央区本町1-4-5
アクセス → http://shisetsu.sansokan.jp/access.html
全国大会の内容は、3月号告知の通り、看寿賞、七條賞、門脇賞などの表彰式の他、皆さんで楽しんでいただけるアトラクションを企画中です。乞うご期待。
また懇親会は同じ建物の中で実施する予定です。
■創棋会の次回課題は「局面の対比」
☆4月例会の課題は「局面の対比」(6月号作品展)です。
ある局面から数手進むと局面が微妙に変化する。多様な表現があると思います。
前回、前々回と、駒の移動、駒の原形消去、駒の入替、持駒変換などを紹介しました。
今回も面白い作品を紹介させていただきますので、局面の対比を鑑賞していきたいと思います。
なお例題は昨年末にも2作紹介していますのでよかったらご覧ください。
山田康平作 詰パラ1989年8月(『流星雨』第53番)

25龍、13玉と進めては打歩詰。
25角、24玉、43角成と進めます。
13玉なら14歩から25馬で簡単ですから25に捨合するのが受けの好手。
頭に利く駒は同龍から14に打てますから、角か桂です。
桂は同龍~15龍~25桂があるので25角合が最善。
<1図:4手目/25角合>

同龍、13玉、15龍、14桂合まではすぐに浮かびます。
同龍、同玉、15歩と迫るのも筋ですが、13玉とされると、25桂に24玉で続きません。
ここでちょっと気づかない手があります。
15龍と捨てます。
同玉とは取れないので35玉と逃げます。
脱出は許せないので26龍と戻ります。
24玉と戻ったところが次の図です。
<2図:8手目/24玉>

1図から攻め方の35歩が消えましたが、どんな効果があるのでしょうか?
25龍と角を取り、13玉、15龍、14桂合と追います。
これも同龍と切って、同玉に15歩と打ち、13玉となったところで35角と捨てる妙手がありました。
<3図:15手目/35角>

24合は25桂があるので同金と応じるしかありませんが、そこで25桂と打つのが手順の妙です。
今度は24玉と逃げても33馬まで。46に角を打つと35が空いて逃げ出されますから35角は限定打でした。
同金と取るしかなく、14歩と突き出せば、質駒にした金を取って収束です。
一見邪魔駒に見えない35歩。消去には15龍という好手を用意し、消去の意味が数手先の35角という妙手の実現にあるという演出で、巧みにカモフラージュされています。
【手順】25角、24玉、43角成、25角合(1図)、15龍、35玉、26龍、24玉(2図)、
25龍、13玉、15龍、14桂、同龍、同玉、15歩、13玉、35角(3図)、同金、
25桂、同金、14歩、24玉、25馬、33玉、43金まで25手
若島正作 将棋世界2017年12月 懸賞詰将棋「打歩詰打開」

いきなり打歩詰の局面ですね。
攻め方の力を弱めるのが常套手段です。
33馬と捨て、同玉に32飛不成が好手順です。
24玉なら25歩が打てます。以下、23玉に12飛成と金を取れば容易です。
そこで玉方も43玉と抵抗します。52飛成と成らせて33玉とかわせば、32龍には24玉で打歩詰に誘おうという意図です。
<4図:8手目/33玉>

33玉に32龍では打歩詰ですから、ここで53龍と応手を問います。
43合の一手ですが、たとえば歩合だと、44龍、同歩、32飛と打ち、43玉には52飛成~32龍~34龍で詰み。最善は34に利かす金です。
43金合の受けには44龍と飛車を取ります。
同金に32飛と打てば、先ほどと同じように43玉とかわしますが、52飛成から33玉と追います。
<5図:14手目/33玉>

33玉の局面、前図と比べてください。
何と44飛が金に変わっているではありませんか。
実に不思議な手順の妙です。
ここから53龍としたのでは43歩合、44龍、同歩で金と歩だけでは続きません。
32龍、24玉と追って34銀成とすれば、同金の一手で、25歩が打てます。
44が飛車ではこの手順は打歩詰。金に入れ替わったことで打歩詰が打開できるという実に巧妙な手順でした。
以下、25同金に同銀から清算して15金までの詰み。
【手順】33馬、同玉、32飛不成、43玉、52飛成、33玉(4図)、53龍、43金、
44龍、同金、32飛、43玉、52飛成、33玉(5図)、32龍、24玉、
34銀成、同金、25歩、同金、同銀、同玉、15金まで23手詰
伊藤看寿作 宝暦5年(1755年) 「将棋図巧」第78番

前回の例題紹介で持駒変換を紹介しましたが、それとは違う切り口で「持駒を変える」ことを表現した作品を鑑賞しましょう。
本局では巧妙な手順で持駒をある駒から別の駒に変えます。
まずパッと見える手を指すと、48桂、同と、57香、65玉、35飛、同香、66馬、同玉、67金、65玉まで進みます。
しかしこの局面は打歩詰。ここまで来てしまうとどうやっても詰みません。
<失敗図:11手目/65玉>

初形に戻って57香のような手は同と と取られて詰みませんから、48桂はこれしかないところ手です。
そこで本局の狙いの構想が飛び出します。
59香の遠打が妙手。
65玉なら、66馬、同玉、67飛右まで。この67に飛を回る順は、香を57に打つとできませんでしたが、59香なら可能というわけです。
59香を69のと金で取ると68桂と打てます。そうすると失敗図の局面では57香が68桂に変わったのと同じことになるので66歩と打つことが出来ます。
そこで58に合駒をするのですが、飛角香は品切れ、桂も8段目には打てません。
金銀は同香、同と、48桂、同と、57金(銀)で簡単。
最善は歩合です。
同香と取り、同と となった局面が次図。
<6図:6手目/58同と>

初形と比べてみてください。
盤面に変化はなく、攻方の持駒が「桂桂香」から「桂歩」に変わりました。
6手かけてわざわざ不利な交換をしたわけですね。
その意味はどこにあるでしょうか?
先ほどと同じ攻め方で迫ります。
48桂、同と、57歩、65玉、35飛、同香、66馬、同玉、67金、65玉まで進んだところが次図。
<7図:16手目/65玉>

失敗図と比べてみてください。
57香が歩に変わっています。
これなら66歩と打つことが出来ます。
持駒が香だと57香と打つしかなかったのですが、歩なら57歩と打てます。
この局面の打歩詰を打開するため、持駒を価値の高い香から歩に替えておいたのです。
ここからは、66歩、55玉に75飛が決め手。
同馬と取らせて56金まで気持ちよく都詰です。
持駒が香なら詰まず、歩なら詰む。そのために持駒の桂香を歩一枚と交換するのですが、それを59香の遠打という妙手で表現した素晴らしい作品です。
【手順】48桂、同と、59香、58歩合、同香、同と(6図)、48桂、同と、
57歩、65玉、35飛、同香、66馬、同玉、67金、65玉(7図)、
66歩、55玉、75飛、同馬、56金まで21手詰
今回は打歩詰打開に関係のある作品を紹介させていただきました。
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2019年4月21日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費] 無料
[課題] 6月号作品展「局面の対比」(29手以内)
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2019年6月16日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
[会費] 無料
[課題] 9月号作品展「簡素図式(盤面5枚以内、使用駒は持駒含めて9枚以内)」(29手以内)
課題作の投稿などはこちらまで
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以上
少し寒い日もありますが春になりました。
花粉の飛ぶ季節ですね…。
近所で梅の花が咲いていました。

■「教材に使える詰将棋」partⅢの出題中(解答締切は3/21)
創棋会のネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された15題を2/22にブログで出題させていただきました。
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出題作の作者は次の11名の方々です。作家の皆さまにはあらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
有吉弘敏、奥鳥羽生、金少桂、柴田昭彦、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、
中村雅哉、西村章、RINTARO、吉松智明
駒の特性を学べる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋の面白さや楽しさが伝わると思います。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
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◇解答締切 : 3/21(水)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
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■第35回全国大会
今年の全国大会は大阪開催です。
詰パラ3月号に案内が掲載されましたが、このブログでも大会関連の告知を行いますので、ぜひ参照下さい。
《日時》2019年7月14日(日) 12時00分(予定)~17時
《場所》大阪産業創造館 4階
大阪市中央区本町1-4-5
アクセス → http://shisetsu.sansokan.jp/access.html
全国大会の内容は、3月号告知の通り、看寿賞、七條賞、門脇賞などの表彰式の他、皆さんで楽しんでいただけるアトラクションを企画中です。乞うご期待。
また懇親会は同じ建物の中で実施する予定です。
■創棋会の次回課題は「局面の対比」
☆4月例会の課題は「局面の対比」(6月号作品展)です。
ある局面から数手進むと局面が微妙に変化する。多様な表現があると思います。
前回、前々回と、駒の移動、駒の原形消去、駒の入替、持駒変換などを紹介しました。
今回も面白い作品を紹介させていただきますので、局面の対比を鑑賞していきたいと思います。
なお例題は昨年末にも2作紹介していますのでよかったらご覧ください。
山田康平作 詰パラ1989年8月(『流星雨』第53番)

25龍、13玉と進めては打歩詰。
25角、24玉、43角成と進めます。
13玉なら14歩から25馬で簡単ですから25に捨合するのが受けの好手。
頭に利く駒は同龍から14に打てますから、角か桂です。
桂は同龍~15龍~25桂があるので25角合が最善。
<1図:4手目/25角合>

同龍、13玉、15龍、14桂合まではすぐに浮かびます。
同龍、同玉、15歩と迫るのも筋ですが、13玉とされると、25桂に24玉で続きません。
ここでちょっと気づかない手があります。
15龍と捨てます。
同玉とは取れないので35玉と逃げます。
脱出は許せないので26龍と戻ります。
24玉と戻ったところが次の図です。
<2図:8手目/24玉>

1図から攻め方の35歩が消えましたが、どんな効果があるのでしょうか?
25龍と角を取り、13玉、15龍、14桂合と追います。
これも同龍と切って、同玉に15歩と打ち、13玉となったところで35角と捨てる妙手がありました。
<3図:15手目/35角>

24合は25桂があるので同金と応じるしかありませんが、そこで25桂と打つのが手順の妙です。
今度は24玉と逃げても33馬まで。46に角を打つと35が空いて逃げ出されますから35角は限定打でした。
同金と取るしかなく、14歩と突き出せば、質駒にした金を取って収束です。
一見邪魔駒に見えない35歩。消去には15龍という好手を用意し、消去の意味が数手先の35角という妙手の実現にあるという演出で、巧みにカモフラージュされています。
【手順】25角、24玉、43角成、25角合(1図)、15龍、35玉、26龍、24玉(2図)、
25龍、13玉、15龍、14桂、同龍、同玉、15歩、13玉、35角(3図)、同金、
25桂、同金、14歩、24玉、25馬、33玉、43金まで25手
若島正作 将棋世界2017年12月 懸賞詰将棋「打歩詰打開」

いきなり打歩詰の局面ですね。
攻め方の力を弱めるのが常套手段です。
33馬と捨て、同玉に32飛不成が好手順です。
24玉なら25歩が打てます。以下、23玉に12飛成と金を取れば容易です。
そこで玉方も43玉と抵抗します。52飛成と成らせて33玉とかわせば、32龍には24玉で打歩詰に誘おうという意図です。
<4図:8手目/33玉>

33玉に32龍では打歩詰ですから、ここで53龍と応手を問います。
43合の一手ですが、たとえば歩合だと、44龍、同歩、32飛と打ち、43玉には52飛成~32龍~34龍で詰み。最善は34に利かす金です。
43金合の受けには44龍と飛車を取ります。
同金に32飛と打てば、先ほどと同じように43玉とかわしますが、52飛成から33玉と追います。
<5図:14手目/33玉>

33玉の局面、前図と比べてください。
何と44飛が金に変わっているではありませんか。
実に不思議な手順の妙です。
ここから53龍としたのでは43歩合、44龍、同歩で金と歩だけでは続きません。
32龍、24玉と追って34銀成とすれば、同金の一手で、25歩が打てます。
44が飛車ではこの手順は打歩詰。金に入れ替わったことで打歩詰が打開できるという実に巧妙な手順でした。
以下、25同金に同銀から清算して15金までの詰み。
【手順】33馬、同玉、32飛不成、43玉、52飛成、33玉(4図)、53龍、43金、
44龍、同金、32飛、43玉、52飛成、33玉(5図)、32龍、24玉、
34銀成、同金、25歩、同金、同銀、同玉、15金まで23手詰
伊藤看寿作 宝暦5年(1755年) 「将棋図巧」第78番

前回の例題紹介で持駒変換を紹介しましたが、それとは違う切り口で「持駒を変える」ことを表現した作品を鑑賞しましょう。
本局では巧妙な手順で持駒をある駒から別の駒に変えます。
まずパッと見える手を指すと、48桂、同と、57香、65玉、35飛、同香、66馬、同玉、67金、65玉まで進みます。
しかしこの局面は打歩詰。ここまで来てしまうとどうやっても詰みません。
<失敗図:11手目/65玉>

初形に戻って57香のような手は同と と取られて詰みませんから、48桂はこれしかないところ手です。
そこで本局の狙いの構想が飛び出します。
59香の遠打が妙手。
65玉なら、66馬、同玉、67飛右まで。この67に飛を回る順は、香を57に打つとできませんでしたが、59香なら可能というわけです。
59香を69のと金で取ると68桂と打てます。そうすると失敗図の局面では57香が68桂に変わったのと同じことになるので66歩と打つことが出来ます。
そこで58に合駒をするのですが、飛角香は品切れ、桂も8段目には打てません。
金銀は同香、同と、48桂、同と、57金(銀)で簡単。
最善は歩合です。
同香と取り、同と となった局面が次図。
<6図:6手目/58同と>

初形と比べてみてください。
盤面に変化はなく、攻方の持駒が「桂桂香」から「桂歩」に変わりました。
6手かけてわざわざ不利な交換をしたわけですね。
その意味はどこにあるでしょうか?
先ほどと同じ攻め方で迫ります。
48桂、同と、57歩、65玉、35飛、同香、66馬、同玉、67金、65玉まで進んだところが次図。
<7図:16手目/65玉>

失敗図と比べてみてください。
57香が歩に変わっています。
これなら66歩と打つことが出来ます。
持駒が香だと57香と打つしかなかったのですが、歩なら57歩と打てます。
この局面の打歩詰を打開するため、持駒を価値の高い香から歩に替えておいたのです。
ここからは、66歩、55玉に75飛が決め手。
同馬と取らせて56金まで気持ちよく都詰です。
持駒が香なら詰まず、歩なら詰む。そのために持駒の桂香を歩一枚と交換するのですが、それを59香の遠打という妙手で表現した素晴らしい作品です。
【手順】48桂、同と、59香、58歩合、同香、同と(6図)、48桂、同と、
57歩、65玉、35飛、同香、66馬、同玉、67金、65玉(7図)、
66歩、55玉、75飛、同馬、56金まで21手詰
今回は打歩詰打開に関係のある作品を紹介させていただきました。
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2019年4月21日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費] 無料
[課題] 6月号作品展「局面の対比」(29手以内)
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2019年6月16日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
[会費] 無料
[課題] 9月号作品展「簡素図式(盤面5枚以内、使用駒は持駒含めて9枚以内)」(29手以内)
課題作の投稿などはこちらまで
→ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
以上
詰パラ3月号到着
<詰パラ3月号到着>
■詰パラ3月号
・表紙。イラストは旬の人ですね。まるで最終戦を予想していたかのようなタイミングに驚き。
また作品は藤原さん(ネットではシナトラさんで有名)が表紙初登場。
創棋会にもちょくちょく顔を出されています。今月は小学校にも登場。それにしてもヨチヨチルームに登場したことがあるとは!
・詰将棋学校(12P~)。
小学校:5年半の総括の一回目。続きも楽しみ。須藤さんが入選100回。
中学校:年度末の整理整頓は大切ですが、この時期は解答選手権で大変という方も多いのでは?
そして気がつけば全国大会が間近に迫り、秋風の吹く頃にようやく整理が始まれば良いところ。あっ、これは私のことでした(汗)。
高校:3月に季節外れの大雪はときどき遭遇。20数年前の九州勤務時代に経験。
短大:「曲詰が半分くらい」ということは2~3作。あの作とこの作は期待、もう一つあるとすればどれだろうか?
山本勝士さんが中学と短大に登場。創棋会のベテランです。
大学:伊藤果さんの本誌登場は随分久しぶり?ペンネームを通算すればもっと登場していたのでしょうが、多分ご本人もわからない。
若島さんとの揃い踏みも何かの縁?
大院:宮田さんの作品が各コーナーで見かけられます。本作もイントロはわかりますがそこから先が読みの必要な作。
佐藤さんの作品は、見るからに読まされそうな形。
・大道棋コーナー:この類型も結構バリエーションが豊富ですね。
・D級順位戦(18P~)。市島さん、期待の順位戦登場。
・彩棋会作品展(19P~)。一つだけ凄い形相の作品が…(笑)
・たま研作品展(20P~)。課題は「新年にふさわしい作」ということで曲詰特集。豪華メンバーが揃いましたね。
・創棋会作品展(21P~)。今回から作品展担当が交代しましたが、引き続きよろしくお願いします。
課題は「平成31年に因んだ作品」。難解な作品はありませんので作者の狙いを読み取ってご鑑賞ください。
一題でも解ければご解答下さい。
・持駒のある風景(22P~)。小3で飛先飛香は凄い。詰将棋との出会いは大きいですね。
ちなみに私が詰将棋に魅せられたきっかけは「合駒」。確か近代将棋の連載物だったと思いますが、持駒香と歩が4枚で銀中合の出てくるものや、金問題の飛中合に感激しました。(残念ながら良い出会いが創作に活かせたかどうかは?…泣)
・おもちゃ箱だより(24P~)。大道棋。ここでも「なし13類型」が2題紹介されています。
・ちえのわ雑文集(26P~)。
なかなか力の入った原稿で筆者の考え方はよくわかります。
ただ規約の話はどうも構えてしまいます。
規約については、判断基準が「白→グレー→黒」となったものも結構あり、時代とともに価値観が変化するということで、なかなか断定できないものだからでしょうか。
私の大雑把な理解ではまず作品が完全であることが大前提です。余詰・早詰があれば、そもそも双方最善という話は成り立ちませんから。
次に作家側からすれば、詰手順は双方最善で構成して創作しているので、解答者にはそこを見てほしいとなります。もちろん設定した手順にキズがあれば減価事項ですし出題不適の場合もあるでしょう。
そして解答募集型の出題方式では「審査」の問題がついてまわります。作品にキズがあればそちらを答えてもOKですが、変化別詰は解答者の注意義務違反で×ということになっています。
詰将棋のルールについて、鈴木信幸さんがわかりやすくまとめられたものがありますので紹介しておきます。このHPも谷川さんと同じく、綿貫規約や川崎さんの論考が参照されています。
http://suzukou.org/
・名局ライブラリー(28P~)。平成26年上期の大学半期賞。
・全詰連の頁(30P~)。
看寿賞の推薦募集。お気に入りの作品があれば是非とも推薦をお願いします。幅広い分野から優秀作が集まることを期待しています。
2月号に続いて解答選手権の告知。なんと初級一般戦は昨年の26か所より増えて28会場に! 一昨年は16会場でしたから、この規模も定着したのでしょうか。参加された方にとって詰将棋との良い出会いとなることを期待します。
・読者サロン(40P~)。いつものカットがありません(笑)
・会合案合(41P~)。全国大会の告知があります。九州Gの会合報告は必見(?)。読者サロンには西田弘さんの遺作も出題されています。
・結果発表:
短編コンクール(52P~)。シード権を獲得された15作は好作揃い。個人的には4~6位の3作と23番が好み。
年に1度の一大イベントとしては大いに盛り上がったことと思います。
ただ146名の解答審査については、メール解答の積極的採用などによる効率化が検討されても良いのではないかと思います。
同人室(72P~)。冒頭に課題をお示しいただけると有難かった。
2.2未満は入選扱いしないという方式で初の出題だったが、残念ながら2作が該当。解説者の温かい一言に救われる思い。
なお「入選取り消し」という表現は厳しいので、出題時に入選回数を明示せず結果発表時に入選を明示するヤン詰方式が望ましいのではないでしょうか。編集部の手間は増えますが。
創棋会作品展(78P~)。「よくわかる作家の個性」、則内さん最後の選題で一挙7作の出題。
中出さんが2.80の高評価で首位になりましたが、他作も好作揃い。
解答に取り組まなかった方もあらためて結果稿で鑑賞ください。
特に7番の中村宜幹さんの作品は、非常に珍しくかつ高度な狙いを表現した快作ですので、ぜひその妙味を味わってください。
・編集室(100P)。ここでも全国大会の告知。ありがとうございました。
また詰パラHPの「Try everyday!」が出題7000回を達成されたとのこと。須藤さんは同人到達とあわせての偉業達成!
■「教材に使える詰将棋」partⅢの出題中(解答締切は3/21)
創棋会のネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された15題を2/22にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-247.html
出題作の作者は次の11名の方々です。作家の皆さまにはあらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
有吉弘敏、奥鳥羽生、金少桂、柴田昭彦、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、
中村雅哉、西村章、RINTARO、吉松智明
駒の特性を学べる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋の面白さや楽しさが伝わると思います。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 3/21(水)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
また「力試し」解答者は別枠で1名に呈賞
★図面は次のサイトから取り出すことができます。(出題年月の誤記を修正しました。3/2)
http://firestorage.jp/download/d7f554ab47b6394ec33b2b75be1cc95950457fd7
パスワード 「kyozai3」です。
■第35回全国大会
今年の全国大会は大阪開催です。
詰パラ3月号に簡単な告知が掲載されています。
このブログでも、随時大会関連の案内を行いますので、ぜひご参照下さい。
《日時》2019年7月14日(日) 12時00分(予定)~17時
《場所》大阪産業創造館 4階
大阪市中央区本町1-4-5
アクセス → http://shisetsu.sansokan.jp/access.html
会場は大通りに面していて、地下鉄出口から5分程度の便利なところです。
地下鉄の出口を間違えなければ、迷うような場所ではありませんが、大会が近づいてきたら、近隣の写真などもアップする予定です。
■創棋会の次回課題は「局面の対比」
☆4月例会の課題は「局面の対比」(6月号作品展)です。
ある局面から数手進むと局面が微妙に変化する。多様な表現があると思います。
前回は駒の移動、駒の原形消去、駒の入替を紹介しました。
今回も面白い作品を紹介させていただきますので、局面の対比を鑑賞していきたいと思います。
なお例題は昨年末にも2作紹介していますのでよかったらご覧ください。
井上雅夫作 詰パラ1963年5月(『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』第88番)

32飛成、24玉となると打歩詰で手も足も出ません。
しかし21のと金が無ければ32飛成、24玉のとき21龍とソッポに移動し、25歩が打てます。
それなら22と と捨てる手が有力です。取れば32飛(角)成までですから、24玉と逃げます。
そこで23と と捨て、同玉に32飛成から21龍とすれば、一丁上がりのように見えます。
しかし23銀合が頑強な抵抗で、25歩、33玉、32角成と迫っても同銀で詰みません。
ちょっと気づきにくい伏線の妙手があります。
32角不成として、34玉のとき、46桂と打つのです。
この局面では同との一手。
下工作してから43角不成として23玉と戻ります。
<6手目:23玉>

初形との違いは45のと金が46に動いただけです。
これが以下の手順にどのように生きるのでしょうか?
この局面から、22と と捨てと金を消去しますが、24玉のとき、36桂が巧妙な捨駒。
<9手目:36桂>

36桂を同歩と取れば、23と、同玉のとき、出来た空間に35桂と捨てることができます。
(45にと金が頑張っていたら35桂は同と と取られてしまいます。と金移動の効果です。)
同龍と取らせて24歩と叩き、同玉に35飛成から33飛。
このとき45のと金を46に移動させた効果が現れています。
45桂と捨てておかないと36桂の巧打も役に立たないわけです。
36桂を同歩と取れないので同と と応じるしかありません。
ここまで来れば収束が見えましたね。
まず23と と捨て、同玉に32飛成から21龍とソッポに移動。
23銀合が最強の頑張りですが、25歩、33玉に32角成が決め手。
同銀と取りますが、36桂捨の効果で45桂が打てました。
同龍に24龍まで。
冒頭の6手でと金を移動させるのが巧妙な伏線ですが、この伏線は9手目36桂を読まないとなかなか指せません。
二度の角不成や龍のソッポ移動も効果的な演出で、味わい深い構想作でした。
【手順】32角不成、34玉、46桂、同と、43角不成、23玉、22と、24玉、36桂、同と、
23と、同玉、32飛成、24玉、21龍、23銀、25歩、33玉、32角成、同銀、
45桂、同龍、24龍まで23手詰
小林譲作 詰パラ1981年5月(『現代詰将棋短編名作選』第55番)

初手15歩と打ってしまうと24玉で続きませんから、26桂しかありませんが、24玉となったところで打歩詰。
そこで35角が同歩なら54飛成があるのでやってみたい手ですが、33玉となって手が止まります。
44角は24玉で千日手。25桂も同香。
安全地帯に逃がすようですが42銀不成しかなさそうです。
43玉なら53角成、同銀、同龍、32玉、24桂で詰みます。
32玉も41飛成があるので、22玉と応じます。
34桂と跳ねるのが11玉に44角を見て良さそうですが、12玉と寄られて続きません。
31飛成や44角も12玉でダメです。もちろん31銀不成は33玉と戻られて千日手。
ちょっとひねって14桂打はどうでしょうか。同歩なら、同桂、12玉に13歩と打ち、同桂に11飛成から44角があります。しかし14桂打にも12玉で届きません。
手が無さそうな局面ですが、素晴らしい妙手がありました。
単に14桂と跳ねるのです。
<7手目:14桂>

14桂はすぐには意味が分からない一手です。
同歩ならどうするのか?
それには31銀不成があります。
11玉は12歩から52飛成があるので33玉と上がって千日手風に抵抗しますが、44角とします。
今度は24玉に25歩が打てるので(14桂、同歩とした効果)13玉に22角成まで。
同歩と取れないので12玉と寄られたとき、22桂成と捨てるのが一連の素晴らしい構想です。
同玉に31銀不成とすれば、33玉と上がる一手。
44角に24玉となった局面は、不思議なことに25歩が打てます。
2手目の局面は26桂の存在で打歩詰だったのですが、巧妙な手段で26桂を消去したので25歩が打てるようになったというわけです。
25歩に14玉と寄った局面が次図です。
<16手目:14玉>

この局面は初形から攻方の24歩が25歩に変わっただけですね。
16手かけて歩を一マスバックさせるという実に不思議な手順。
最終手は26桂。これも初手と呼応した上手い構成です。
初手に打った桂が邪魔駒でこれを消去するという構想を看破しなければ解けない作品です。きわめて論理性の高い作品なのですが、手順は何度並べても楽しいですね。
作者は本作を「四百人一局集」でも選ばれていて、創作当初は「14桂、同歩」の筋でまとめようとされていたところ、偶然「14桂~22桂成」を発見されたと語っています。作者自身が当初意図しなかった手順が実現したことで、一層構想を見破るのが難しくなったのではないかという主旨のことが書かれています。
【手順】26桂、24玉、35角、33玉、42銀不成、22玉、14桂、12玉、22桂成、同玉、
31銀不成、33玉、44角、24玉、25歩、14玉、26桂まで17手詰
小林氏は寡作で管理人もあまり作品を存じ上げないのですが、一作紹介させていただきます。「局面の対比」の例題ではないのですが、なかなかの好作です。
小林譲作 詰パラ1966年5月

36歩、44玉と進めてしまうと、73飛成は55玉とかわされ、56飛成では43玉と逃げられ、いずれも詰みません。
しかし55飛成では71飛と角を抜かれて36歩が打歩詰。そこで53桂成と開き王手しても55金と飛車を取られてやはり打歩詰。
56飛成と緩める手はありそうです。今度71飛なら36歩、44玉、53龍があります。
しかし44桂と合されると、36歩は打てませんし、44同角成も、同玉、53龍、35玉でやはり打歩詰。
どうやっても打歩詰に誘導されそうですが好手がありました。55飛不成とするのです。
これなら71飛には36歩、44玉、53飛成まで。
そこで玉方は44桂が好防。他合では44同角成から53飛成として詰みます。
攻め方にはそれを上回る好手が飛び出します。
53桂不成の開き王手が妙手!
これには55金と飛車を抜く一手ですが、53桂が71角の利きを遮っているので36歩と打つことが出来ます。
44同角成なら打歩詰で逃れるようにと打った桂が、今度は攻め方の打開を助ける駒になっているのが実に皮肉な展開です。
36同桂ととらせて決め手が61桂成の開き王手。最終手のジャンプを実現するために53桂不成としたのです。
虚々実々の応酬が評価され、七手詰コンクールで見事2位の好成績を収めました。
【手順】55飛不成、44桂、53桂不成、55金、36歩、同桂、61桂成まで7手詰
原潜作 詰パラ1967年1月(『詰将棋探検隊』第96番)

91飛から94歩と打つ筋が見えます。
91飛に92合ですが、何を合しても、94歩、同玉、92飛成、93合と進みます。
このとき、持駒に桂があれば86桂まで、角なら83角まで。
また93合は83龍を防いで飛か金になりますから、92合が飛や金なら、93同龍から83金と打って簡単です。
ということで92合は香が最善。
また93合は、手順を進めるとわかりますが、飛が最善です。
93同龍と取って次図。
<8手目:93同玉>

初形と同じ局面になって、持駒の歩が香に変わりました。
ここからもう一度91飛と打てば、先ほどと同じように92香合の一手。
94歩から92飛成にも93飛合しかなく、同龍、同玉で、また持駒が歩から香に変わりました。
もう一度91飛と打ち、92香合、94歩、同玉、92飛成で、ついに持駒の歩がすべて香に変わりました。
マジックのような不思議な手順ですね。
92飛成のとき93飛合では、同龍、同玉、91飛となったとき香が品切れで92香合が出来ません。
そこで今度は、93金合が最善の受け。
<8手目:33同玉>

金合には同龍、同玉のとき、82銀不成と捨てるのが好手。
この手があるのでここまでは飛合が最善だったわけです。
82銀を同玉と取って、83金と押さえれば、以下香三枚の並べ詰みです。
シンプルな原理で持駒変換を表現した作品。
持駒変換の入門編と言えます。
【手順】91飛、92香、94歩、同玉、92飛成、93飛、同龍、同玉、
91飛、92香、94歩、同玉、92飛成、93飛、同龍、同玉、
91飛、92香、94歩、同玉、92飛成、93金、同龍、同玉、
82銀不成、同玉、83金、71玉、72香、81玉、82香、91玉、92香まで33手詰
今回は、さりげない駒の移動や消去、持駒変換の3局を紹介させていただきました。
いずれも局面の対比を味わっていただけたことと思います。
作家の皆さまの投稿をお待ちしています。
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2019年4月21日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費] 無料
[課題] 6月号作品展「局面の対比」(29手以内)
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2019年6月16日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
[会費] 無料
[課題] 9月号作品展「簡素図式(盤面5枚以内、使用駒は持駒含めて9枚以内)」(29手以内)
課題作の投稿などはこちらまで
→ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
以上
■詰パラ3月号
・表紙。イラストは旬の人ですね。まるで最終戦を予想していたかのようなタイミングに驚き。
また作品は藤原さん(ネットではシナトラさんで有名)が表紙初登場。
創棋会にもちょくちょく顔を出されています。今月は小学校にも登場。それにしてもヨチヨチルームに登場したことがあるとは!
・詰将棋学校(12P~)。
小学校:5年半の総括の一回目。続きも楽しみ。須藤さんが入選100回。
中学校:年度末の整理整頓は大切ですが、この時期は解答選手権で大変という方も多いのでは?
そして気がつけば全国大会が間近に迫り、秋風の吹く頃にようやく整理が始まれば良いところ。あっ、これは私のことでした(汗)。
高校:3月に季節外れの大雪はときどき遭遇。20数年前の九州勤務時代に経験。
短大:「曲詰が半分くらい」ということは2~3作。あの作とこの作は期待、もう一つあるとすればどれだろうか?
山本勝士さんが中学と短大に登場。創棋会のベテランです。
大学:伊藤果さんの本誌登場は随分久しぶり?ペンネームを通算すればもっと登場していたのでしょうが、多分ご本人もわからない。
若島さんとの揃い踏みも何かの縁?
大院:宮田さんの作品が各コーナーで見かけられます。本作もイントロはわかりますがそこから先が読みの必要な作。
佐藤さんの作品は、見るからに読まされそうな形。
・大道棋コーナー:この類型も結構バリエーションが豊富ですね。
・D級順位戦(18P~)。市島さん、期待の順位戦登場。
・彩棋会作品展(19P~)。一つだけ凄い形相の作品が…(笑)
・たま研作品展(20P~)。課題は「新年にふさわしい作」ということで曲詰特集。豪華メンバーが揃いましたね。
・創棋会作品展(21P~)。今回から作品展担当が交代しましたが、引き続きよろしくお願いします。
課題は「平成31年に因んだ作品」。難解な作品はありませんので作者の狙いを読み取ってご鑑賞ください。
一題でも解ければご解答下さい。
・持駒のある風景(22P~)。小3で飛先飛香は凄い。詰将棋との出会いは大きいですね。
ちなみに私が詰将棋に魅せられたきっかけは「合駒」。確か近代将棋の連載物だったと思いますが、持駒香と歩が4枚で銀中合の出てくるものや、金問題の飛中合に感激しました。(残念ながら良い出会いが創作に活かせたかどうかは?…泣)
・おもちゃ箱だより(24P~)。大道棋。ここでも「なし13類型」が2題紹介されています。
・ちえのわ雑文集(26P~)。
なかなか力の入った原稿で筆者の考え方はよくわかります。
ただ規約の話はどうも構えてしまいます。
規約については、判断基準が「白→グレー→黒」となったものも結構あり、時代とともに価値観が変化するということで、なかなか断定できないものだからでしょうか。
私の大雑把な理解ではまず作品が完全であることが大前提です。余詰・早詰があれば、そもそも双方最善という話は成り立ちませんから。
次に作家側からすれば、詰手順は双方最善で構成して創作しているので、解答者にはそこを見てほしいとなります。もちろん設定した手順にキズがあれば減価事項ですし出題不適の場合もあるでしょう。
そして解答募集型の出題方式では「審査」の問題がついてまわります。作品にキズがあればそちらを答えてもOKですが、変化別詰は解答者の注意義務違反で×ということになっています。
詰将棋のルールについて、鈴木信幸さんがわかりやすくまとめられたものがありますので紹介しておきます。このHPも谷川さんと同じく、綿貫規約や川崎さんの論考が参照されています。
http://suzukou.org/
・名局ライブラリー(28P~)。平成26年上期の大学半期賞。
・全詰連の頁(30P~)。
看寿賞の推薦募集。お気に入りの作品があれば是非とも推薦をお願いします。幅広い分野から優秀作が集まることを期待しています。
2月号に続いて解答選手権の告知。なんと初級一般戦は昨年の26か所より増えて28会場に! 一昨年は16会場でしたから、この規模も定着したのでしょうか。参加された方にとって詰将棋との良い出会いとなることを期待します。
・読者サロン(40P~)。いつものカットがありません(笑)
・会合案合(41P~)。全国大会の告知があります。九州Gの会合報告は必見(?)。読者サロンには西田弘さんの遺作も出題されています。
・結果発表:
短編コンクール(52P~)。シード権を獲得された15作は好作揃い。個人的には4~6位の3作と23番が好み。
年に1度の一大イベントとしては大いに盛り上がったことと思います。
ただ146名の解答審査については、メール解答の積極的採用などによる効率化が検討されても良いのではないかと思います。
同人室(72P~)。冒頭に課題をお示しいただけると有難かった。
2.2未満は入選扱いしないという方式で初の出題だったが、残念ながら2作が該当。解説者の温かい一言に救われる思い。
なお「入選取り消し」という表現は厳しいので、出題時に入選回数を明示せず結果発表時に入選を明示するヤン詰方式が望ましいのではないでしょうか。編集部の手間は増えますが。
創棋会作品展(78P~)。「よくわかる作家の個性」、則内さん最後の選題で一挙7作の出題。
中出さんが2.80の高評価で首位になりましたが、他作も好作揃い。
解答に取り組まなかった方もあらためて結果稿で鑑賞ください。
特に7番の中村宜幹さんの作品は、非常に珍しくかつ高度な狙いを表現した快作ですので、ぜひその妙味を味わってください。
・編集室(100P)。ここでも全国大会の告知。ありがとうございました。
また詰パラHPの「Try everyday!」が出題7000回を達成されたとのこと。須藤さんは同人到達とあわせての偉業達成!
■「教材に使える詰将棋」partⅢの出題中(解答締切は3/21)
創棋会のネット作品展「教材に使える短編~駒の特性を学ぶ~」には多数の投稿をいただき、創棋会例会で選考された15題を2/22にブログで出題させていただきました。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-247.html
出題作の作者は次の11名の方々です。作家の皆さまにはあらためて感謝申し上げます。
(敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
有吉弘敏、奥鳥羽生、金少桂、柴田昭彦、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、
中村雅哉、西村章、RINTARO、吉松智明
駒の特性を学べる作品が揃っています。
解いていただければ詰将棋の面白さや楽しさが伝わると思います。
1問でも結構ですから解けた方は、解答をお願いします。
◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 3/21(水)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※解答いただいた方から若干名に呈賞。
また「力試し」解答者は別枠で1名に呈賞
★図面は次のサイトから取り出すことができます。(出題年月の誤記を修正しました。3/2)
http://firestorage.jp/download/d7f554ab47b6394ec33b2b75be1cc95950457fd7
パスワード 「kyozai3」です。
■第35回全国大会
今年の全国大会は大阪開催です。
詰パラ3月号に簡単な告知が掲載されています。
このブログでも、随時大会関連の案内を行いますので、ぜひご参照下さい。
《日時》2019年7月14日(日) 12時00分(予定)~17時
《場所》大阪産業創造館 4階
大阪市中央区本町1-4-5
アクセス → http://shisetsu.sansokan.jp/access.html
会場は大通りに面していて、地下鉄出口から5分程度の便利なところです。
地下鉄の出口を間違えなければ、迷うような場所ではありませんが、大会が近づいてきたら、近隣の写真などもアップする予定です。
■創棋会の次回課題は「局面の対比」
☆4月例会の課題は「局面の対比」(6月号作品展)です。
ある局面から数手進むと局面が微妙に変化する。多様な表現があると思います。
前回は駒の移動、駒の原形消去、駒の入替を紹介しました。
今回も面白い作品を紹介させていただきますので、局面の対比を鑑賞していきたいと思います。
なお例題は昨年末にも2作紹介していますのでよかったらご覧ください。
井上雅夫作 詰パラ1963年5月(『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』第88番)

32飛成、24玉となると打歩詰で手も足も出ません。
しかし21のと金が無ければ32飛成、24玉のとき21龍とソッポに移動し、25歩が打てます。
それなら22と と捨てる手が有力です。取れば32飛(角)成までですから、24玉と逃げます。
そこで23と と捨て、同玉に32飛成から21龍とすれば、一丁上がりのように見えます。
しかし23銀合が頑強な抵抗で、25歩、33玉、32角成と迫っても同銀で詰みません。
ちょっと気づきにくい伏線の妙手があります。
32角不成として、34玉のとき、46桂と打つのです。
この局面では同との一手。
下工作してから43角不成として23玉と戻ります。
<6手目:23玉>

初形との違いは45のと金が46に動いただけです。
これが以下の手順にどのように生きるのでしょうか?
この局面から、22と と捨てと金を消去しますが、24玉のとき、36桂が巧妙な捨駒。
<9手目:36桂>

36桂を同歩と取れば、23と、同玉のとき、出来た空間に35桂と捨てることができます。
(45にと金が頑張っていたら35桂は同と と取られてしまいます。と金移動の効果です。)
同龍と取らせて24歩と叩き、同玉に35飛成から33飛。
このとき45のと金を46に移動させた効果が現れています。
45桂と捨てておかないと36桂の巧打も役に立たないわけです。
36桂を同歩と取れないので同と と応じるしかありません。
ここまで来れば収束が見えましたね。
まず23と と捨て、同玉に32飛成から21龍とソッポに移動。
23銀合が最強の頑張りですが、25歩、33玉に32角成が決め手。
同銀と取りますが、36桂捨の効果で45桂が打てました。
同龍に24龍まで。
冒頭の6手でと金を移動させるのが巧妙な伏線ですが、この伏線は9手目36桂を読まないとなかなか指せません。
二度の角不成や龍のソッポ移動も効果的な演出で、味わい深い構想作でした。
【手順】32角不成、34玉、46桂、同と、43角不成、23玉、22と、24玉、36桂、同と、
23と、同玉、32飛成、24玉、21龍、23銀、25歩、33玉、32角成、同銀、
45桂、同龍、24龍まで23手詰
小林譲作 詰パラ1981年5月(『現代詰将棋短編名作選』第55番)

初手15歩と打ってしまうと24玉で続きませんから、26桂しかありませんが、24玉となったところで打歩詰。
そこで35角が同歩なら54飛成があるのでやってみたい手ですが、33玉となって手が止まります。
44角は24玉で千日手。25桂も同香。
安全地帯に逃がすようですが42銀不成しかなさそうです。
43玉なら53角成、同銀、同龍、32玉、24桂で詰みます。
32玉も41飛成があるので、22玉と応じます。
34桂と跳ねるのが11玉に44角を見て良さそうですが、12玉と寄られて続きません。
31飛成や44角も12玉でダメです。もちろん31銀不成は33玉と戻られて千日手。
ちょっとひねって14桂打はどうでしょうか。同歩なら、同桂、12玉に13歩と打ち、同桂に11飛成から44角があります。しかし14桂打にも12玉で届きません。
手が無さそうな局面ですが、素晴らしい妙手がありました。
単に14桂と跳ねるのです。
<7手目:14桂>

14桂はすぐには意味が分からない一手です。
同歩ならどうするのか?
それには31銀不成があります。
11玉は12歩から52飛成があるので33玉と上がって千日手風に抵抗しますが、44角とします。
今度は24玉に25歩が打てるので(14桂、同歩とした効果)13玉に22角成まで。
同歩と取れないので12玉と寄られたとき、22桂成と捨てるのが一連の素晴らしい構想です。
同玉に31銀不成とすれば、33玉と上がる一手。
44角に24玉となった局面は、不思議なことに25歩が打てます。
2手目の局面は26桂の存在で打歩詰だったのですが、巧妙な手段で26桂を消去したので25歩が打てるようになったというわけです。
25歩に14玉と寄った局面が次図です。
<16手目:14玉>

この局面は初形から攻方の24歩が25歩に変わっただけですね。
16手かけて歩を一マスバックさせるという実に不思議な手順。
最終手は26桂。これも初手と呼応した上手い構成です。
初手に打った桂が邪魔駒でこれを消去するという構想を看破しなければ解けない作品です。きわめて論理性の高い作品なのですが、手順は何度並べても楽しいですね。
作者は本作を「四百人一局集」でも選ばれていて、創作当初は「14桂、同歩」の筋でまとめようとされていたところ、偶然「14桂~22桂成」を発見されたと語っています。作者自身が当初意図しなかった手順が実現したことで、一層構想を見破るのが難しくなったのではないかという主旨のことが書かれています。
【手順】26桂、24玉、35角、33玉、42銀不成、22玉、14桂、12玉、22桂成、同玉、
31銀不成、33玉、44角、24玉、25歩、14玉、26桂まで17手詰
小林氏は寡作で管理人もあまり作品を存じ上げないのですが、一作紹介させていただきます。「局面の対比」の例題ではないのですが、なかなかの好作です。
小林譲作 詰パラ1966年5月

36歩、44玉と進めてしまうと、73飛成は55玉とかわされ、56飛成では43玉と逃げられ、いずれも詰みません。
しかし55飛成では71飛と角を抜かれて36歩が打歩詰。そこで53桂成と開き王手しても55金と飛車を取られてやはり打歩詰。
56飛成と緩める手はありそうです。今度71飛なら36歩、44玉、53龍があります。
しかし44桂と合されると、36歩は打てませんし、44同角成も、同玉、53龍、35玉でやはり打歩詰。
どうやっても打歩詰に誘導されそうですが好手がありました。55飛不成とするのです。
これなら71飛には36歩、44玉、53飛成まで。
そこで玉方は44桂が好防。他合では44同角成から53飛成として詰みます。
攻め方にはそれを上回る好手が飛び出します。
53桂不成の開き王手が妙手!
これには55金と飛車を抜く一手ですが、53桂が71角の利きを遮っているので36歩と打つことが出来ます。
44同角成なら打歩詰で逃れるようにと打った桂が、今度は攻め方の打開を助ける駒になっているのが実に皮肉な展開です。
36同桂ととらせて決め手が61桂成の開き王手。最終手のジャンプを実現するために53桂不成としたのです。
虚々実々の応酬が評価され、七手詰コンクールで見事2位の好成績を収めました。
【手順】55飛不成、44桂、53桂不成、55金、36歩、同桂、61桂成まで7手詰
原潜作 詰パラ1967年1月(『詰将棋探検隊』第96番)

91飛から94歩と打つ筋が見えます。
91飛に92合ですが、何を合しても、94歩、同玉、92飛成、93合と進みます。
このとき、持駒に桂があれば86桂まで、角なら83角まで。
また93合は83龍を防いで飛か金になりますから、92合が飛や金なら、93同龍から83金と打って簡単です。
ということで92合は香が最善。
また93合は、手順を進めるとわかりますが、飛が最善です。
93同龍と取って次図。
<8手目:93同玉>

初形と同じ局面になって、持駒の歩が香に変わりました。
ここからもう一度91飛と打てば、先ほどと同じように92香合の一手。
94歩から92飛成にも93飛合しかなく、同龍、同玉で、また持駒が歩から香に変わりました。
もう一度91飛と打ち、92香合、94歩、同玉、92飛成で、ついに持駒の歩がすべて香に変わりました。
マジックのような不思議な手順ですね。
92飛成のとき93飛合では、同龍、同玉、91飛となったとき香が品切れで92香合が出来ません。
そこで今度は、93金合が最善の受け。
<8手目:33同玉>

金合には同龍、同玉のとき、82銀不成と捨てるのが好手。
この手があるのでここまでは飛合が最善だったわけです。
82銀を同玉と取って、83金と押さえれば、以下香三枚の並べ詰みです。
シンプルな原理で持駒変換を表現した作品。
持駒変換の入門編と言えます。
【手順】91飛、92香、94歩、同玉、92飛成、93飛、同龍、同玉、
91飛、92香、94歩、同玉、92飛成、93飛、同龍、同玉、
91飛、92香、94歩、同玉、92飛成、93金、同龍、同玉、
82銀不成、同玉、83金、71玉、72香、81玉、82香、91玉、92香まで33手詰
今回は、さりげない駒の移動や消去、持駒変換の3局を紹介させていただきました。
いずれも局面の対比を味わっていただけたことと思います。
作家の皆さまの投稿をお待ちしています。
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2019年4月21日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費] 無料
[課題] 6月号作品展「局面の対比」(29手以内)
***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2019年6月16日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303号
[会費] 無料
[課題] 9月号作品展「簡素図式(盤面5枚以内、使用駒は持駒含めて9枚以内)」(29手以内)
課題作の投稿などはこちらまで
→ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
以上
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