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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<8回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<8回目>

■パラ9月号創棋会作品展への解答お願いします!
 詰パラ9月号(21P)の創棋会作品展。
 今回は合作による「あぶり出し」が課題、組曲で詰上りが想像しやすい作品展だったと思いますが、ご解答いただけたでしょうか。
 連動企画の「パスワードクイズ」は引き続き受付中です。
 詰上り4文字(手順解答は不要)を下記に送ってください。こちらの賞品にはレア品を用意しています。よろしくお願いします。
    blogsokikaitusin@gmail.com

■「すらすら解ける20手台」part結果発表<8回目>
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、13名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、奥鳥羽生、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、野々村禎彦、himasume、
   福原徹彦、三輪勝昭、RINTARO、安田恒雄、柳原裕司、山下誠
 昨年より「すらすら度」は上がったと思いますが、23問と言う大量出題!
 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 PartⅠ・Ⅱ以上に、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
  ※出題 →  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-202.html

 今回も2作同時に結果発表です。
 まず1作目は野々村禎彦さん。

⑩野々村禎彦作
10.png

【作意】
 21銀、同玉、32銀、同玉、43歩成、同玉、44銀、同玉、56桂、43玉、
 55桂、52玉、63桂成、41玉、42金、同玉、64馬、32玉、44桂、22玉、
 31馬、同玉、32金まで23手詰

【正解】
 11手目→55桂
 手数→23手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.36、A:5、B:5、C:1、誤解:0、無解:2、無評価:0

【作者のことば】
 銀歩を桂2に打ち替えた後はすらすら。一瞬馬筋を止める▲55桂が一応狙い。
 打った桂を両方二段活用し馬捨てで締める会心の構成。8手目△32玉の変化が問題。桂を取り▲45桂△43玉に▲53金以下変同に見えますが、▲42金以下同手数駒余り。誤評価の方は評点上方修正よろしく!驫飛龍さんの助言で原図▲55金を銀に変更。

★野々村さんも毎年「すらすら解ける20手台」には投稿いただいていますが、今年は本名で投稿いただきました。
 実戦型風の初形。攻め方の46馬、55銀、44歩の勢力圏に玉をどう誘い込むか。
 持駒は豊富なので多少強引でも何とかなりそうな感じです。
 勝手読みの一例をあげれば、21銀、同玉、32金、同玉、43歩成、同玉、44銀、同玉、56桂、43玉、54銀、同玉、64馬、43玉、42金まで。
 これは桂が余ってしまいますが、44銀や54銀に32玉とされると詰みません。
 24 桂から23銀と捨てて15桂と打つ筋もありますが、さすがに駒が足りません。
 作意は21銀から入ります。同玉には32銀と捨てます。金を打ちたいところですが、金は2枚とも残しておく必要があります。
 32銀に12玉は24桂で簡単。22玉がちょっと難しいのですが、14桂と捨てて14を塞いでおくのが巧い手で同歩とさせてから23銀成、同玉、24歩と打てば、32玉に43金、21玉、32金打、12玉、23歩成、同玉、33金寄以下詰みです。
 32銀は同玉と取るしかなく、43歩成、同玉に待望の44銀です。
 これは取るのが第一感ですが、32 玉と逃げると、33 銀、同玉、45 桂と打ち、43玉のとき42 金と捨てるのが好手で、同玉、64馬、43 玉(51玉は63桂以下)、53 馬、32 玉、44 桂以下同手数駒余りとなります。43玉に42金のところで53金と打って、32玉、33桂成、同玉、25桂、22玉、55馬とするのは変別になります。作者が心配された、この手順と思われる解答はありませんでした。44銀は迷わず同玉と判断されたようです。
 44銀には同玉が最善ときまれば56桂と拠点を据えます。46馬を64に飛び出すのが狙いです。
 53玉や54玉は64馬で簡単ですから43玉と引きます。
 53金から64馬としたいところですが、53金に32玉でも、53金、同玉、64馬のとき52玉でも、どちらでも詰みません。
 43玉には55桂が妙手です。角筋を止めて実に打ちにくい一手です。

<11手目:55桂>
10_55桂

 しかし丁寧に読めば、32玉には44桂があります。42玉は金2枚の並べ詰。54玉は64金の一手詰。53玉も63桂成があります。
 最善は52玉のようです。
 これにも63桂成と打ったばかりの桂を成捨てるのが好手。
 取れば64馬があるので41玉と逃げますが、42金と捨て同玉に64馬とすれば収束も間近。32玉に気持ちよく44桂と跳ね、22玉に31馬が決め手です。


中出慶一:序盤の2枚銀捨て、11手目の角筋止めの桂打ち・直ちに桂の成捨て、その後の捌き、等中身の濃い手順が印象的。

★単純に見える序奏にも洒落た変化があり、打った桂を両方二段活用し馬捨で締めるのは作者にとっても会心の構成とのこと。

則内誠一郎:すらすら解けたら高段者。

★中味が濃いとすらすら解けないという声が出てきます。

鷲見慎吾:44の歩と55の銀が馬にものすごい迷惑をかけていますね。

★二枚とも捨てて最後は馬も消してきれいな収束。

福原徹彦:玉が遠くて不詰感が漂う。これくらいしかない、という手で詰むが、馬の利きを重くする55桂は指しにくかった。

★何といっても55桂のインパクトは大です。単に打ちにくい一手というだけでなく、これを消す構成が好印象を残します。

三輪勝昭 :55桂は妙手。ここで54金、同玉、64馬からの収束は一直線に見えたけど、32玉が詰まない。
 それが分かれば55桂は直ぐ見えるが良い感じの手。
 3手目金か銀か。銀なら22玉の変化を読まなくてはいけないのと、8手目32玉の変化も読まなくてはいけないが、作意の見当をつけてから詰むだろう変化を読むのはメンドー。

★4手目22玉の変化、作者は入れたかったとのこと。その気持ち分かります。

有吉弘敏:馬捨ての収束は予想通りでした。

★この初形から収束を想定されるのはお見事。

安田恒雄:馬の効きを遮る55桂や19手目44桂跳ねの感触が良いです。

★不利感のある着手から一転して好調な桂の捌き。このコントラストが好演出。

山下誠:5六桂と据えた後は、馬と桂がよく捌けて解後感がよい。

★馬も桂も二段活用が嬉しい。

奥鳥羽生:金2枚を残し玉をひたすら呼び出すまではすらすら。その後の馬道を遮る桂打が不利感のある難手。

★難所を過ぎれば、爽快な手順が待っています。


 それでは2作目は吉松智明さんです。

⑪吉松智明作
11.png

【作意】
 31金、同飛、12銀、同銀、11金、同玉、23桂打、同銀、同桂不成、12玉、
 11桂成、同玉、12香、同玉、23銀、同玉、24金、12玉、23銀、同歩、
 13金、同玉、14香まで23手詰

【正解】
 15手目→23銀
 手数→23手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.18、A:3、B:7、C:1、誤解:0、無解:2、無評価:0 (10/7修正)


【作者のことば】
 9手詰の素材を20手台になるように逆算。単純な逆算なので持駒がどんどん増えていきました(笑)。
 初手31金が入って、かろうじて詰将棋らしくなったでしょうか。
 13桂捨も入れたかったが手順前後を消せず断念。

★盤面は配置9枚、右上隅4×5とコンパクトですが、持駒が7枚とかなり多い。
 しかし合駒が出そうな気配はないので、打ち捨て物ではないかと想像できる。
 そうなれば駒を捨てる順を考えれば良いので、むしろ考えやすいのではないでしょうか。
 パッと目につくのは12銀です。
 同玉は24桂があるので同銀の一手ですが、そこで11金と捨てて同玉に23桂打と攻めます。しかし同歩と取られると続きません。
 12銀以外に出来る王手は何があるでしょうか?
 31金と捨てる手がありました。
 同玉なら43桂打として詰みますので同飛と取る一手。
 下工作をしてから12銀と捨てれば同銀、11金、同玉、23桂打のとき同歩とは取れませんね。
 23桂打には同銀と応じるしかありませんが、同桂不成、12玉とかわしたとき、11桂成から12香と捨てます。
 同玉に、23銀が狙いの一手。金を残しておかないといけません。

<15手目→23銀>
11-23銀

 同玉に24金とおさえて、12玉に23銀と捨てて23を埋めるのが大切なところ。
 同歩とさせてから13金が気持ちの良い決め手。
 同玉に14香までの田楽刺しで詰みました。


野々村禎彦:継ぎ桂を含みに捨てまくり、お約束の香串刺しエンド。すらすら作のお手本。

★駒交換が一回入りますが、それ以外は捨駒の連発。

奥鳥羽生:小駒の軽やかな打捨てが小気味良し。

★打って、打って、また打ってという軽快な手順。

山下誠:効果的かつ分かりやすい捨て駒で軽快に詰める。

★個々の捨駒は単発なので明快だったと思います。

中出慶一:初手、15手目の好手を中心として、狭い空間での物量作戦が効を奏する。

★7枚もあった持駒を全部捨ててしまいます。

福原徹彦:軽やかに捌ける手順だが、少し難しかったかも。

★これが難しいというのはご謙遜?

安田恒雄:初手31金~12銀の順番さえ間違わなければ、後は馬を働かさない方針を貫いてすらすらの一本道。

★44馬は32銀の余詰(誰もそんな手は読まない?)を防ぐ苦肉の策。

鷲見慎吾:大駒をひたすら無視して、銀香を取ることに集中、面白いです。

★2手目以外は全部小駒の攻防でした。

則内誠一郎:初手12銀で考え込む。

★考えるのはそこだけです(笑)。

有吉弘敏:初手が上手く入りましたね。

★初手が入って少し作品の価値があがりました。

三輪勝昭:これは筋が見え易いので、全く躓くところがなくスラスラ解けて気持ちいい。手順も気持ちいい。

★今回の作品展の主旨にマッチしていたと思います。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年10月21日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「よくわかる作家の個性
   投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年12月16日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「未定」決定しましたら案内させていただきます。
*************************************************************** 
以上
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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<7回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<7回目>

■パラ9月号創棋会作品展への解答お願いします!
 詰パラ9月号(21P)の創棋会作品展。
 今回は合作による「あぶり出し」が課題。
 組曲ですので詰上りが想像しやすい作品展です。
 9月末消印有効です。ふるってご解答下さい。

 また詰上り4文字(手順解答は不要)を下記に送っていただく「パスワードクイズ」も実施中。こちらはまだまだ受付中。
 賞品にはレア品を用意しています。あわせてご解答をお願いします。
     blogsokikaitusin@gmail.com

■「すらすら解ける20手台」part結果発表<7回目>
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、13名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、奥鳥羽生、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、野々村禎彦、himasume、
   福原徹彦、三輪勝昭、RINTARO、安田恒雄、柳原裕司、山下誠
 昨年より「すらすら度」は上がったと思いますが、23問と言う大量出題!
 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 PartⅠ・Ⅱ以上に、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
   ※出題 →  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-202.html

 今回は2作の結果発表です。
 まずは安田恒雄さんの作品から。

⑧安田恒雄作
08.png

【作意】
 22と、同玉、34桂、同馬、31銀、同玉、53角、32玉、
 42角成、22玉、14桂、同香、31銀、12玉、13歩、同桂、
 21銀、同玉、32馬、同玉、42飛成、23玉、22龍まで23手詰

【正解】
 5手目→31銀
 手数→23手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.70、A:7、B:3、C:0、誤解:0、無解:3、無評価:0

【作者のことば】
(狙いの1手)5手目31銀
 この持駒で玉の上部脱出をどう防ぐかがテーマで、結局銀3枚をすべて1段目に打って解決します。
 毎年厳しいご評価をいただいているスラスラ度については、今回それなりにクリアできたかと思います。
 好手不足の点については、コンパクトな実戦形で清涼詰の収束ということでご容赦いただければ幸いです。

★安田さんも毎回「すらすら解ける20手台」に作品を投稿いただいています。
 コンパクトな初形から粘りのある手順を紡ぎ出されるのが安田さんの十八番かと思うのですが、本作はどうでしょうか。
 持駒豊富ですが金がないので注意が必要。
 このまま32玉とされると捕まえるのが難しそう。
 惜しいようですが22と と捨てます。
 22同玉に23銀は13玉、14銀打、24玉、44飛成、同桂で詰みません。
 22同玉には34桂と打ちます。32玉なら42桂成がありますから同馬と取ります。
 44馬が34に動いたので53角を狙いに31銀と捨てます。

<5手目:31銀>
08_31銀

 31銀に12玉は、13歩、同桂、21銀(23銀から21銀でも詰む)、同玉、22銀打、32玉、21角までですから同玉と取る一手。
 これで53角が実現しました。
 53角には22玉と逃げたくなりますが、それは31銀、12玉、42飛成、23玉、22龍、14玉、15歩から26への角の利きがあるので詰みます。
 そこで手順中の42飛成を消すため、いったん32玉と立ち、42角成に22玉とします。
 22玉には31銀、12玉、13歩、同桂、21銀、同玉、32馬、同玉、42飛成という攻め方がありますが、以下、23玉、22龍、14玉と上部脱出されてしまいます。
 22玉には14桂が好手。同香と取らせて先の変化で上部脱出を防ぎます。
 14桂に12玉なら、13歩、同桂、21銀、同玉、22銀で簡単。
 14同香と取らせて31銀と打ちます。
 11玉は22銀打から13歩があるので、12玉と寄りますが、13歩と叩いて同桂と取らせ、21銀と捨てます。
 同玉には32馬と捨てるのが決め手。
 同玉に42飛成から22龍までの清涼詰となりました。


三輪勝昭:3手目に34桂、同馬としたなら5手目は絶対手だけど。
 8手目31銀~42飛成をさせないためわざわざ53角を42馬にする32玉が妙手。
 次に31銀、12玉、13歩、同桂、22銀成、同玉、14桂、12玉と気持ち良く読むがあれっとなる。
 なるほど14桂か。(これを解答にするべき)
 収束も綺麗にまとまりこれは好作。

★32玉はちょっと気づかない受けの妙手。

中出慶一:打ち替え的手順で馬位置をずらして53角を実現し、綺麗な捌きで、清涼詰になる実戦型好局です。 

★42角成は玉方の受けで打ち換えさせられたような感じですね。

himatsume :14桂が良いアクセント。

★14桂のタイミングもいいですね。

野々村禎彦:実戦型から捨てまくって清涼詰。42角成を誘って42飛成を消す綾が良い味。

★惜しげもなく駒を捨てる。これも詰将棋の醍醐味の一つ。

鷲見慎吾:豊富な持ち駒を使いまくって詰上りの舞台作り、最後は気分良く清涼詰で。

★清涼詰にも好評が集中しました。

福原徹彦:43飛を取られないように序の数手を進めればよい。桂香図式で桂香を動かすのが良い。

★桂香を二枚とも動かすのは好印象。

山下誠:4二飛成の決め手の前に手際よい準備工作が必要。

★ロジカルな捨駒工作。

有吉弘敏:軽快。

則内誠一郎:指先ぐりぐりの好手順。

★指がしなるような捨駒の連発。

奥鳥羽生:軽めの変化を含みながら軽やかに詰み上がる。全体を通じてすらすら度が高い。

★軽手連発の楽しい作品で2.70という高評価を獲得しました。


 続いてぬさんの作品です。

ぬ作 (10/7修正)
09.png

【作意】
 43角成、35玉、25馬、44玉、45歩、同金、36桂、同金、45歩、同玉、
 37桂、同金、46歩、44玉、43馬、35玉、47桂、同金、36歩、同玉、
 54馬、37玉、27馬まで23手

【正解】
 5手目→45歩
 手数→23手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.55、A:7、B:3、C:1、誤解:0、無解:2、無評価:0 (10/7修正)

【作者のことば】
 桂と歩の打ち捨てで局面を打開するテーマです。
 類作がありそうで怖い。
 狙いの一手は特にありませんが、しいてあげるなら5手目。

★「すらすら解ける20手台」初登場のぬさん。
 お名前は加藤さんの「おもちゃ箱」でお見かけします。
 本局は楽しい手順が出てきそうな持駒です。
 35歩と叩きたくなりますが、44玉と寄られると43角成とするしかなく、そこで35玉とされると、すぐに43角成としたときと比べて一歩損になります。
 ということで初手は43角成から入ります。
 45玉なら54馬、34玉、35歩、同玉、47桂、同金、36歩、34玉、43馬、45玉、37桂、同金(36玉は54馬以下)、46歩、36玉、25馬まで、駒が余って詰みます。
 最善は35玉。36から47に逃げ道があるので25馬と引きます。
 44玉と引いたとき36桂と打ちたくなります。同金なら45歩から37桂、同金、46歩と打って駒余りで詰むのですが、45玉とされると37桂、同金の局面が打歩詰。
 44玉には45歩と打ちます。同玉なら37桂から駒が余って詰むので、同金と取ります。

<5手目→45歩>
09_45歩

 そこで36桂と捨てて、同金に45歩。
 そして45同玉には37桂と捨て、同金に46歩。
 この一連の手順はとても心地よいリズムですね。
 46歩には44玉と引き、43馬に35玉と逃げますが、47桂から36歩が最後の決め手。
 36同玉に54馬と引いて収束。


野々村禎彦:初手の紛れを乗り越えた後は軽妙な金の翻弄。すらすら度に限れば上位だが。

★持駒豊富なので思わず35歩と打ちたくなりますが、それでは一歩不足になります。

福原徹彦:桂と歩で金をうまくあしらう。33玉43馬の詰上がりを想像していたのでこの詰上がりは盲点だった。

★金を無力化するのに時間がかかります。

himatsume:簡単そうに見えて難しかった。

★どうやっても詰みそうですが、そうでもありませんね

則内誠一郎:変化も美味で気が迷う。

★変化にも金を無力化する手順が出てきます。

山下誠:似たような局面が何度も現れてすらすら感はないが、楽しめる作品。

★桂歩の打ち捨てで局面を打開していくので、変化にもよく似た局面が出てきます。
難しい手は無いのですが少し煩わしさを感じた方はいらっしゃいました。

三輪勝昭:細かいアヤが良くこれは好作……なんだけどスラスラ展では微妙な局面の違いと持駒の確認でイライラして来る。
 これはスラスラ展では腹が立つので…。」

★細かいアヤがあるから金の翻弄が引き立つのですが。

安田恒雄:一番手の長い正解を探すのに苦労しましたが、桂歩を使い切って詰め上げた時には達成感が漂いました。

★苦労したが詰めれば爽快と言ってもらえれば作者も満足では?

有吉弘敏:発展性がありそうな良い素材ですね。

★もう少し複雑なプロットにすることも可能なのでしょうか。

奥鳥羽生:ぬらりくらりと粘る玉を金を翻弄しながら桂歩を捨てて馬で追いかける、不規則趣向手順。こういうのは、キーとなる一手がないところが良い。

★「キーとなる一手」は解答審査が目的の一つなのですが、流れを楽しむ作品では不要かもしれませんね。

鷲見慎吾:敵の金を翻弄しまくるのが楽しいです。

中出慶一:金を4回に渡って移動・翻弄するミニ趣向的手順が魅力。 

★桂と歩の打ち捨てで金を翻弄する楽しい作品。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年10月21日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「よくわかる作家の個性
   投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年12月16日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「未定」決定しましたら案内させていただきます。
*************************************************************** 
以上

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<6回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<6回目>

■パラ9月号創棋会作品展への解答お願いします!
 詰パラ9月号(21P)の創棋会作品展
 今回は合作による「あぶり出し」が課題。
 組曲ですので詰上りが想像しやすい作品展です。
 解答は9月末消印有効。ふるってご解答下さい。

 また詰上り4文字(手順解答は不要)を下記に送っていただく「パスワードクイズ」も実施中。
 こちらの賞品にはレア品を用意しています。あわせてご解答をお願いします。
    blogsokikaitusin@gmail.com

■「すらすら解ける20手台」part結果発表<6回目>
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、13名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、奥鳥羽生、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、野々村禎彦、himasume、
   福原徹彦、三輪勝昭、RINTARO、安田恒雄、柳原裕司、山下誠
 昨年より「すらすら度」は上がったと思いますが、23問と言う大量出題!
 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 PartⅠ・Ⅱ以上に、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
  ※出題 →  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-202.html

 それでは本日の結果発表です。

金少桂作 (10/7修正)

『予防接種』
07.png

【作意】
 62角、44歩合、18歩、27玉、28歩、37玉、38歩、47玉、
 48歩、57玉、93角生、66桂合、同角生、68玉、69歩、67玉、
 79桂、同香成、87龍、同金、68金まで21手詰

【正解】
 初手→62角
 手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.60、A:7、B:2、C:1、誤解:0、無解:3、無評価:0

【作者のことば】
 初手一発。打診中合を予防するための角限定打が狙いです。後に打診されうる地点に2枚目の角を予め利かせておくことで、打診合をされても2枚目の角で取って詰ませることができます。一発ネタですが新構想と言えると思います。

★金少桂さんも毎回「すらすら解ける20手台」に登場されています。
 管理人は投稿図を見て腰が引けたのですが、作者の解説を一読して「すらすら」だと認識した次第。
 まず持歩が沢山あるので18歩から読んでいきます。
 18歩、27玉、28歩、37玉、38歩、47玉、48歩、57玉、93角不成まで順調に進みます。
 68玉なら69歩、67玉、66角成まで。
 66桂と捨合するのは、同角成なら68玉で打歩詰ですが、同角不成が好手で、68玉、69歩、67玉、79桂、同香成、87龍、同金、68金で詰みます。
 どうやっても詰んでいるように思いますが、玉方には受けの妙手があります。
 84歩と中合するのです。

<失敗図:84歩合>
07_84歩

 同角成だと、66桂と捨合され、同馬、68玉で打歩詰。
 同角不成だと、68玉、69歩、67玉のとき、66角成とは出来ないので詰みません。
 84歩合が巧妙な打診中合で逃れるのです。

 そこでこの打診中合をあらかじめ防いでおこうというのが初手62角です。

<初手:62角>
07_62角

 失敗図で62に角があれば、84歩合は同角右不成と62の角で取ることができるというわけです。
 62角はまさに打診中合への「予防接種」でした。
 62角に27玉と逃げると一歩余って早く詰むので、合駒をします。
 26香合は18歩、27玉のとき26金と香を取り、37玉、38歩、47玉、48歩、57玉に、普通に93角成とすれば68玉に69香まで。
 価値の高い駒は渡せません。歩が受けに利く筋は4筋しかないので44歩と中合するのが最善となります。
 これを取ると84歩の打診中合で逃れるので、取らずに18歩から連打して57玉となったとき、93角不成とします。
 62角を打っていないと84歩の打診中合で逃れるのですが、今度は84歩を同角右不成と62の角で取れます。68玉と逃げた時、57角と捨てるのが角連結の効果。同歩成と取らせて、69歩と打てば、67玉に66角成までです。
 作意は93角不成に、66桂合と応じて、同角不成に68玉で延命を図りますが、69歩、67玉に79桂と捨て、同香成には87龍と切って金を入手。68金までとなります。


則内誠一郎:症状を確かめてから接種。

福原徹彦:初手でいきなり62角は見えない。84歩の打診中合で病気にかかってから62角の予防接種に気づきました。

★これ以上ないほどピッタリとしたタイトルでした。

山下誠:8四歩合を予防する初手6二角が地味な好手。1八歩からは一気呵成。

★62角は限定打なんですが、捨駒でもなく最遠打でもないので、そう言われれば地味かもしれませんね(笑)。
 18歩からはすらすらだったと思います。

himatsume:あまりスラスラとはいかないような。

★打診中合の逃れ筋に気がつけば、初手の発見は容易だったと思いますが、そうでもなかったですか?

三輪勝昭:普通に進めると93角生、84歩合で困るのは直ぐ分かる。その予防工作で62角は打ってみたくなる手で謎解きの面白さは皆無。
 それでどんな化学反応が起きるか考えるパズルにはなっていて、それが面白いと思う人はいるだろう(僕は全然面白くはないけど)。

★作意における84歩合の変化は、なかなか上手い処理方法だと思いました。

鷲見慎吾:2択問題が2つのイメージ。初手は53角か62角か、11手目は93角か84角か。

★初手53角では84歩合を取ることが出来ません。
 また11手目84角不成は気が早すぎて68玉で詰みません。

中出慶一:4筋での中合のあと、8筋での打診中合を拒否する構想もの、と思います。完成度は低い(??)ものの、新しい構想を実現しようという意欲を買うべきでしょう。 

★「粗削り」なのか「意欲的」なのか、評価は分かれそうなところですが、多くの方から好評をいただきました。

奥鳥羽生:角を持っていても役に立たないので、打診中合を取れる位置に置いておく。すごく面白い!別の場でスマートな形で発表してほしかった。

★「スマートな表現」が出来れば一段と評価は上がったことでしょう。

有吉弘敏:タイトルがぴったり。初めてみた狙いで面白かった。

★初物かどうか、不勉強の管理人には判断できないのですが、面白いのは間違いないです。

野々村禎彦:93角不成に84歩合の打診中合を予防するための初手62角。見事な構想作。

★新構想を本作品展に出題いただき感謝!
 2.60と高い評価を得ました。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年10月21日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
  https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「よくわかる作家の個性
  投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年12月16日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「未定」決定しましたら案内させていただきます。
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以上

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<5回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<5回目>

■パラ9月号創棋会作品展への解答お願いします!
 詰パラ9月号(21P)の創棋会作品展。
 今回は合作による「あぶり出し」が課題。
 組曲ですので詰上りが想像しやすい作品展です。
 ふるってご解答下さい。

 また詰上り4文字(手順解答は不要)を下記に送っていただく「パスワードクイズ」も実施中。
 こちらの賞品にはレア品を用意しています。あわせてご解答をお願いします。
    blogsokikaitusin@gmail.com


■「すらすら解ける20手台」part結果発表<5回目>
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、13名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、奥鳥羽生、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、野々村禎彦、himasume、
   福原徹彦、三輪勝昭、RINTARO、安田恒雄、柳原裕司、山下誠
 昨年より「すらすら度」は上がったと思いますが、23問と言う大量出題!
 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 PartⅠ・Ⅱ以上に、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
  ※出題 →  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-202.html

 本日の結果発表の前に、誤記訂正の連絡です。
 ABC評価の記載に誤りがありましたので、以下の通り修正させていただきます。
 結果発表1~4回目の画面も9/27付で修正させていただきました。
 謹んでお詫び申し上げます。

①大西智之作
  平均点:1.91、A:2、B: 7、C:3、誤解:0、無解:1、無評価:1
②福原徹彦作
  平均点:2. 27、A:4、B:6、C:1、誤解:0、無解:1、無評価:1
③柳原裕司作
  平均点:2.58、A:7、B:5、C:0、誤解:0、無解:0、無評価:1
④山本勝士作
  平均点:2.17、A:4、B:6、C:2、誤解:0、無解:0、無評価:1
⑤奥鳥羽生作
  平均点:2.20、A:4、B:4、C:2、誤解:0、無解:2、無評価:1


それでは結果発表です。

⑥有吉弘敏作
『バトントワリング』
06.png

【作意】
 35歩、同玉、45金、同飛、36飛、25玉、24銀成、同玉、25歩、同玉
 34角、24玉、23角成、25玉、34馬、14玉、23馬、25玉、14馬、同玉、34飛まで21手詰

【正解】
 12手目→24玉
 手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.73、A:8、B:3、C:0、誤解:0、無解:1、無評価:1

【作者のことば】
 狙いの一手は12手目24玉(一旦下がって逃げるところ)
 纏めに困り駒取りを入れてしまったのと、初形枚数が増えたのが残念です。

★冬眠から覚めて好作連発中の有吉さんの作品です。
 33銀がブラなので、取られても詰むような手を考えたいところ。
 筋悪く44金と打つ手もありますが、同香、同銀成、35玉となると、これは詰まない形です。
 ここは35歩と叩くのが筋です。同飛なら、今度こそ44金がありますから、同玉と取る一手。
 36飛と回る手がありそうですが45玉で続きません。
 45金と打つのが巧い手です。同飛と取らせて36飛とすれば25玉と寄る一手。
 47角と36飛のバッテリーが出来たので、どうやって仕留めるか。
 平凡な34角では、14玉とされ、26飛は25に合駒されて詰みませんし、23角成、同金、34飛と攻めても47飛成と角を抜かれてしまいます。24銀成から23角成と清算するような攻めでは、同金、同と、同玉、14金と手は続くものの普通に同玉と応じられ、34飛、23玉で逃れです。
 ちょっと指しにくいのですが24銀成と歩を取るのが局面をほぐす手です。
 24同玉となったところで33角や42角が目につきますが、25玉と上がられてダメなので、25歩と叩いて応手を問います。
 同桂なら今度こそ42角と打ち、14玉に、34飛、13玉、12と と金を奪って、同玉に32飛成と飛車を成り込めば詰みです。
 最善は同玉。そこで34角と打つのですが、じっと24玉と引くのが狙いの一手。

<12手目:24玉>
06_24玉

 14玉とするのは23角成、25玉、14馬から早く詰みます。24玉とすれば14に桂が残るので14馬と出来ません。
 24玉でも23角成とするのが好手。同金には、同と、同玉、33金と打つのが良く、12玉なら22金、また14玉なら34飛までとなります。 ギリギリのところで14桂が一働きします。
 23角成には25玉とかわしますが、34馬と引けば14玉の一手。
 そこで23馬と突っ込むのが決め手です。同金なら34飛まで。
 25玉と逃げれば、14馬から34飛まで両王手できれいにフィニッシュ。

RINTARO:7手目の24銀成が見えにくい手です。最後両王手で気持ちいいです。

★作者は駒取りを気にされていますが、俗手が一手入って一本調子ではなくなったという見方も出来ます。

野々村禎彦:きわどく退路封鎖してバトントワリング開始。回り道が両王手を引き立てる。

★じらされた後の両王手には一層の爽快感があります。

鷲見慎吾:お手玉のような軌跡の馬、これがタイトルの意味でしょうか。

★お手玉というのは懐かしい。右から左へ行ったり来たり。

福原徹彦:玉が角を翻弄しているのか、角が玉を翻弄しているのか、というおもしろい手順

★翻弄という見方もありました。

則内誠一郎:馬のバックスピンが良い。

★終始バックから王手する馬。

奥鳥羽生:馬の押し売り。14桂は邪魔駒でありながら、変化では必要駒。

★14桂を取らす押し売り。14桂が変化にも働くのがいいですね。

中出慶一: 一見必要と思われる14桂が邪魔駒でそれを消去する攻め+受け手順に妙味あり。

★「取ってください」「取りません」と邪魔駒を消すのに一苦労。

三輪勝昭:14桂が14手目同金で必要駒になっているのが良い。て言うか7手目34角として23で精算した形が詰まず解くのに苦労してしまいました。

★23で清算して33金がちょっと気づかない地味な一手。

安田恒雄:途中から「14桂がじゃま駒?」の直感が当たって気持ちの良い収束でした。玉方64との配置が気になりますが、3手目36飛の余詰防ぎはこれしかなさそうですね。

★64とは苦心の配置かと思います。

山下誠:1四地点の譲り合いを楽しんだ末に、狙いの両王手で終了する。

★かわす玉に馬の押し売り、最後は両王手のフィニッシュ。解後感は満点。

★C評価ゼロ、好評を集め、評点は最高の2.73となりました。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
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    blogsokikaitusin@gmail.com

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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<4回目>

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 詰パラ9月号(21P)の創棋会作品展
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 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、奥鳥羽生、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、野々村禎彦、himasume、
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 昨年より「すらすら度」は上がったと思いますが、23問と言う大量出題!
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 結果発表4回目は奥鳥羽生さんの作品です。

④奥鳥羽生作
『改悪模造森田○○』
05.png

【作意】
  54角成、同角、29香、11玉、12歩成、同玉、22金、13玉、23金、14玉、
  24金、15玉、25金、16玉、26金、17玉、27金、18玉、28金、19玉、18金打まで21手詰

【正解】
  3手目→29香
  手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.20、A:4、B:4、C:2、誤解:0、無解:2、無評価:1 (9/27訂正)

作者のことば
 有名な森田正司作29香を無理やり最遠打に改悪模造したもの。題名の〇〇に入るのは手筋ならぬ遠打or遠香。
 4手目の変化がすらすらとは言えぬのは作者自認。ただ、その変化も各々個々はすらすらなので、数題のすらすらを解くということで解答者の方々にはご容赦の程を。それと、5手目以降はすらすらどころか一瞬なので、全体平均で見てすらすらということでもお許しを。
 序2手は連続桂中合の逃れ*回避に桂3枚使用するのと20手台にするためのもの。
  (*29香に25桂、24桂の連続中合で逃れる筋)
 初手は成不成非限定だが、63角→63馬は余詰あり、72馬にすれば解消も初形の好みを優先。

★奥鳥羽生さんも創棋会のネット作品展にはいつも楽しい作品を投稿してくれます。
 本作は出題時にタイトルを書き忘れ、失礼しました。
 初手有力そうな手が目につきます。
 まず22香と打てば、同金は同銀、同玉、33銀生で詰むのですが、11玉と銀を取られ21金から清算しても21同玉、32角に、22玉、12歩成、同玉で31桂の利きがあって詰みません。
 いきなり22金と打つのは、同金、同銀成、同玉、33銀生、13玉、15香、14歩合、24金、12玉、14香、21玉で逃れです。
 25香はどうでしょうか?23歩合とでも受けてくれれば22金から清算して12金と打って詰みますが11玉と銀を取られると22香と同じでダメです。
 11玉と銀を取られても大丈夫という手があります。29香の最遠打です。
 11玉なら12歩成、同玉、22金打から金ずらしで19まで追って18金打で詰みます。
 しかし初形で29には65角が利いています。
 ここまで来れば正解はわかりますね。
 54角成とするのが妙手。
 同桂と取ってくれれば65角の利きが消えるので22香から清算して33銀生の筋で詰み。
 33銀生を消して43飛合は同馬、同角、12歩成、同玉、22飛以下。43金合でも同馬、同角に22金から清算して33銀生で詰みます。32合なら33桂生から21金です。
 よって同角と応じるしかありません。
 ここで狙いの一手が出ます。29香

<3手目:29香>
05_29香

 少し変化を確認しておきます。
 まず22合は、12歩成、同玉、22銀成、13玉、12金、14玉、25金まで。
 23合は22金、同金、同銀成、同玉、12金、32玉、33桂成まで。33桂成を防ぐ23金合は、12歩成、同玉、22金、13玉、23金、同桂、24金、22金まで。23飛合なら、同香生、同金から22飛と打って清算し33銀生で詰み。
 24歩合という中合の受けもありそうですが、22金から清算し、33銀生、13玉に24銀成とできるので、12玉、13歩以下。頭の丸い24角合なら最後23角があります。
 24桂合は、12歩成、同玉、22銀成、同玉(13玉は12金から25金)、33銀生、12玉、22金、13玉、24銀成以下。
 25歩合なら、同香、11玉(24合は22金から清算し、33銀生、13玉に24銀成)、12歩成、同玉、23金、同桂、13歩、同玉、24金、22玉、23金以下。
 25桂合は、同香、11玉(24合は22金~33銀生~24銀成。桂は品切れ)、23桂、同桂、12歩成、同玉、13金、同玉、24金、22玉、23金以下。
 結構変化はあるのですが、難解なものはありません。
 29香に11玉と決まれば、以下は一瀉千里に手が進みます。
 詰上りで29香の意味が分かります。

鷲見慎吾:3手目最遠打が衝撃的、詰め上がりも意外性抜群でした。

★まさに長打一発。

福原徹彦:作意を並べれば29香の意味が分かる。変化は読み飛ばしましたが(苦笑)。

★変化は詳解しましたので確認下さい。そう難しいものはありません。

安田恒雄:最遠打29香の発見がすべてですが、この素材を成立させる盤面3枚の絶妙な桂の配置の作図力に感心しました。ただ、必然とはいえ収束の間延びが・・。

★3桂配置は作者苦心の構図。それを読み取っていただければ作者は満足でしょう。

野々村禎彦:角筋を変えてからの最遠打一閃。あとは並べ詰めのシンプルな構成が好印象。

★「すらすら解ける」というのが主旨ですから、まとめはアッサリ。

則内誠一郎:読み切りの初手が凄い。

himatsume :初手がよく入りますね。

★初手が入って価値があがりました。

山下誠:香の最遠打を成立させる角成が入ったのが値打ち。すらすら度は最高。

★「すらすら度は最高」は最高の褒め言葉ではないでしょうか!

中出慶一:初手角捨てを入れた、香遠打は大いに買える!しかし中盤以降の手順には疑問を感じる。冴えた収束でこの遠打を実現してほしい。

★中合の筋でまとめるというのはありそうですが、シンプルな表現が作者の主張かと思います。

三輪勝昭 :4手目11玉は変化にして欲しい。42銀を44銀にして10手目同桂としてまとめたらそこそこの手順にはなるはず。

★最後に紹介する谷川作は金を取るまとめ方ですね。

有吉弘敏:簡明な配置、且つ高度な初手、香の最遠打。素晴らしい。

★明快な表現が「すらすら」の主旨にマッチした好局です。

奥鳥羽生:新作ではなくパロディ作。森田正司作は五間開きで同一収束、谷川浩司作は最遠打で途中金取り手順。

★解答者からはコメントが無かったので、最後に森田作と谷川作を紹介しておきます。

森田正司作 近代将棋1966年6月(「春霞」第23番、「古今中編詰将棋名作選Ⅱ」第72番)
森田春霞23

  23桂、同香、43桂、21玉、31金、12玉、23と、同玉、34銀、13玉、
  23銀成、同玉、29香、12玉、11角成、同玉、21金、12玉、22金、13玉、
  23金、14玉、24金、15玉、25金、16玉、26金、17玉、27金、18玉、
  28金、19玉、18金打まで33手詰

 25銀が邪魔駒になっていて、これを消去する手順が入ったことが29香の妙手性を高めています。
 29香に25桂合は同香、12玉、11角成、同玉、21金、12玉のとき、23金と打ち、21たまに33桂打で詰みます。


谷川浩司作 詰パラ2003年1月(「月下推敲」第23番)
谷川作「月下」45

  21飛成、同玉、29香、11玉、21金、12玉、22金、13玉、23金、14玉、
  24金、同角、25金、23玉、24金、22玉、33歩成、11玉、22角、21玉、
  32と、同玉、33金、41玉、31角成、同玉、22香成、41玉、32成香、52玉、
  42成香、まで31手詰

 本局はいきなり21飛成と捨て29香と打ちます。
 25桂合は同香、11玉、21金、12玉、23金、21玉、33金、23歩、13桂で詰み。
 24金を同角と取り、金ずらしから18金までの詰み筋は変化にしています。


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■「すらすら解ける20手台」part結果発表<3回目>
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、13名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、奥鳥羽生、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、野々村禎彦、himasume、
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 昨年より「すらすら度」は上がったと思いますが、23問と言う大量出題!
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 それでは3回目の結果発表です。

④山本勝士作
04.png

【作意】
 14銀、22玉、21金、12玉、11金、22玉、21金、12玉、
 23銀成、同玉、34飛成、12玉、22金、同玉、24香、11玉、
 12歩、同玉、23龍、11玉、21龍まで21手詰

【正解】
 9手目→23銀成
 手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.17、A:4、B:6、C:2、誤解:0、無解:0、無評価:1 (9/27訂正)

★ベテラン山本さんも「すらすら解ける20手台」には毎回投稿いただいています。
 34飛成が見えますが、12玉、23金、21玉となって打歩詰。
 34銀は14玉でも24玉でも13桂の守りが強く詰みません。
 24銀と捨てる手があります。同玉なら34飛成まで。しかし14玉とかわされると後続手がありません。
 正解は14銀と桂頭に捨てる手です。
 同玉なら24金と捨てるのが好手で同玉に34飛成まで。
 14銀に12玉は23金までですから22玉と引きます。
 これには21金と打ちます。
 12玉と寄れば11金と香を取ります。
 22玉と寄るしかなく、攻め方も21金とします。
 12玉と寄ったとき、11金としたのでは千日手。
 もう少し往復運動を楽しみたいところですが、23銀成と捨てるのが打開の好手。

<9手目:23銀成>
04_23銀成

 同玉に34飛成とします。
 12玉と逃げれば、22金と捨て、同玉に24香と打てば収束です。

柳原裕司 :スラスラ度は満点。

★作品展の主旨にかなった作品でした。

有吉弘敏:すらすらでした。

★言うこと無し。

RINTARO:初手が素晴らしい。一番最初に解けました。

★一番最初に解けた方が多かったのではないでしょうか。

安田恒雄:初手14銀は詰めキストとして一番やりたい手。実戦形で、すらすらも気持ち良し。

★14銀は良い感触の一手。

山下誠:1四銀からの時間差二段活用が面白い手順構成。

★「時間差二段活用」は言い得て妙。

奥鳥羽生:飛成の前に色々準備が必要。

★11香を持駒にしてから飛を成ります。

中出慶一:籠の中での玉の軽い(軽快な)逃避行、収束でのダレが残念ですね。

★21金・11金・21金という金の動きは感触が良いと思います。

鷲見慎吾:最後まで不動ですが、41金の防御力が凄い。

★作る側から見れば41金一枚で余詰を消して好配置。

三輪勝昭 :スラスラ読めるだけが取り柄で手順はつまらない。

★本作易しいなかにも味があると思うのですが。

野々村禎彦:すらすらと絶連は似て非なる概念だと思う。23中合が入れば良かったのだが。

★「すらすら」について考えさせられるコメント。
 24香に23への捨合は高級手筋。その筋で一局作れそうですね。

福原徹彦:難しい手はなく、直感どおりに進めて詰む。金駒を2枚とも捨てる点に味有り。

★素直な手順。

則内誠一郎:今回一番のすらすら。

★多くの方の評価の一致するところかと思います。

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■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年10月21日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「よくわかる作家の個性
    投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年12月16日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「未定」決定しましたら案内させていただきます。
*************************************************************** 

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<2回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<2回目>

■パラ9月号創棋会作品展への解答お願いします!
 詰パラ9月号(21P)の創棋会作品展
 今回は合作による「あぶり出し」が課題。
 組曲ですので詰上りが想像しやすい作品展です。
 ふるってご解答下さい。
 また詰上り4文字(手順解答は不要)を下記に送っていただく「パスワードクイズ」も実施中。
 こちらの賞品にはレア品を用意しています。あわせてご解答をお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com


■「すらすら解ける20手台」part結果発表<2回目>
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、13名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、奥鳥羽生、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、野々村禎彦、himasume、
   福原徹彦、三輪勝昭、RINTARO、安田恒雄、柳原裕司、山下誠

 昨年より「すらすら度」は上がったと思いますが、23問と言う大量出題!
 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 PartⅠ・Ⅱ以上に、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
   ※出題 →  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-202.html

 今回は2作品の結果発表です。
 1作目は福原徹彦さんの作品。

②福原徹彦作
02.png

【作意】
  25香、24桂合、同香、32玉、22香成、同玉、13銀、23玉、
  24銀成、12玉、13成銀、同玉、25桂、12玉、23銀、同玉、
  33角成、12玉、24桂、21玉、13桂不成まで21手詰

【正解】
  7手目→13銀
  手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.27、A:4、B:6、C:1、誤解:0、無解:1、無評価:1 (9/27訂正)

作者のことば
 13銀~24銀成~13成銀をやりたくて作った作品です。上手い具合に序に24桂中合が入ってくれました。
 難しい変化・紛れもありませんし、13銀~25桂~33角成の流れも見えやすいと思います。
 また、21手詰ですので手数不足の誤解(例えば8手目同玉以下17手や2手目22桂合同香成以下19手)も起こりにくいと思います。
 狙いの一手は7手目13銀です。24桂中合を選んでもよかったのですが、本来のメインは13銀でしたし、33銀ではなく13銀というのが詰将棋的なので、そちらを「狙いの一手」とします。

★1作目は福原さんの作品。
 玉を22に呼んで33銀と打つような筋が見えています。
 銀を捨てるのは戦力不足なので香を打ちます。
 25香と打てば合駒です。
 まず22歩合から読んでいきましょう。
 これには同香成、同玉に13銀と捨てるのが好手で、同玉に25桂、12玉となったとき、13に歩を打てば詰みます。
 頭に利く駒はダメなようですから桂合しかありませんが、22桂合では12銀と捨てる手があり、同玉、23銀、13玉、22銀生、12玉、23香成として詰み。
 23に中合する手は、22銀と捨てて34桂があります。以下12玉なら21銀で詰みます。
 どうやら角筋を止めて24に桂中合が最善のようです。
 24同香、32玉に22香成と捨て、同玉と応じたときに狙いの一手が出ます。
 13銀と捨てるのです。

<7手目:13銀>
02_13銀

 33銀と打ちたくなりますが、11玉でも12玉でも詰みません。
 同玉は25桂と打って早いので、23玉とかわしますが、24銀成から13成銀と突っ込めば同玉と取るしかありません。
 これでようやく25桂が打て、12玉に23銀と捨てるのが決め手。
 同玉に33角成とすれば、12玉に24桂から13桂不成までの桂吊るしの詰みとなります。

福原徹彦:自作。桂中合が、単によろけて手数伸ばししているように見えてしまう(実際は そうではないが)のは気になるかもしれない。

★中合をしないと10手台で詰んでしまいますから、親切設計と言えそうです(笑)。

三輪勝昭: 13銀が見えずスラスラではなかった。初手は23香でも同じように見えるが12玉で詰まないのは不思議。序6手は僕は嫌い。

★23香では12玉で詰みません。中合で桂を一枚稼ぐのがポイントです。
 7手目は33銀と打ちたくなるところですね。

鷲見慎吾:初形が2手目24桂合と告げていますね。中合の練習問題として最適だと思いました。

★頭に利く駒は簡単。合駒問題としては易しいと思います。
 中合で延命を図るのも常套手段。
 中合の入門用には適していると思います。

山下誠:1三銀からの銀の捌きが手順に色を添えている。

★いったん23にかわして24銀成から13成銀と突っ込むのが味が良いと思います。

奥鳥羽生:銀を2枚とも拠点を避けて捨てるところに好感。

★15手目の23銀も好手で、13と打っては詰みません。

安田恒雄:中合で桂を得てすらすら度抜群。最後の桂生の解後感もスッキリ。

中出慶一:合駒の桂を使って、馬と2桂による気持ち良い詰上がりですが・・・。

則内誠一郎:桂にこだわる所が好き。

★桂を入手して桂で収束。なかなか気持ちの良い詰上り。

野々村禎彦:最初に中合を稼いでおくのがポイント。地味だがぴったり感のあるまとめ方。

★中合、銀捨て、最後は桂吊るしで着地もスッキリ。

RINTARO:正直、課題に不適だと思います。30分くらい考えました。紛れが多すぎるし、2手目の中合はスラスラの域を超えてます。

有吉弘敏:課題に忠実。すらすらいきました。

★評価が分かれましたが、すらすら解けた方の方が多かったようです。


続いて柳原裕司さんの作品。

③柳原裕司作
03.png

【作意】
  24桂、同飛、22と、同飛、43龍、21玉、33桂、11玉、
  23桂打、同飛、同桂不成、22玉、12飛、23玉、22飛成、同玉、
  21桂成、同玉、23龍、22歩、12歩成まで21手詰

【正解】
 15手目→22飛成
 手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.58、A:7、B:5、C:0、誤解:0、無解:0、無評価:1 (9/27訂正)

作者のことば
 狙いの1手 22飛成
 正真正銘のすらすらです。

★柳原さんと言えば「詰将棋ファン」が好評。2号発行が待たれます。
 さて本作、43龍、21玉となっては切れ筋。
 21のと金が生きているうちに技をかけたいところです。
 持駒に桂馬が三枚もあるので24桂と打ってみましょう。
 これは同飛と取る一手。
 そこで22と と引くのが3手一組の好手筋。
 同玉なら24龍と飛を取れます。
 22同飛となったところで、43龍と入り、21玉、33桂、11玉と追い、23桂打、同飛、同桂生と飛を奪えるのですが、22玉となった局面が悩ましい。
 21桂成と捌きたいのですが13玉とかわされます。
 12歩成から11飛も浮かびますが23玉で続きません。
 あきらめてしまいそうな局面ですが、素晴らしい手がありました。
 12飛、23玉に22飛成と捨てるのです。

<15手目→22飛成>
03_22飛成

 14玉は34龍があるので同玉と取りますが、今度は21桂成が決め手になりました。
 同玉に23龍と回れば詰み。
 23桂が邪魔になっていたので12飛から22飛と捨てて消去したわけです。
 飛車を手放すのは不利感があって、ちょっと気がつきにくい手です。
 22飛成はインパクトのある一手でした。

RINTARO:1時間は考えたと思います。12手目で諦めますよね。スラスラではないです。

★管理人も結構悩みました。22飛成が分かれば、他はすらすらなんですが。
 まさに一手のインパクト!

有吉弘敏:手の流れが綺麗。邪魔駒消去の飛捨てには驚いた。

himatsume:23桂の消去が中々見えず苦労した。

★この形から邪魔駒消去が出てくるのは意外性十分。

則内誠一郎:12飛は打ちにくい手。

★22飛成が見えないとちょっと打てない不利感のある一手。

安田恒雄:難しい手はないのだが、すらすらと解いていて楽しくなる作。詰め上がりも期待通りの清涼詰。

★「難しい手はない」とは恐れ入りました。でも解いて楽しくなるというのは「すらすら」の大事な要件です。

野々村禎彦:質駒化テクニックで巧く手を繋ぐ。コンパクトな清涼詰に着地して文句なし。

★清涼詰で着地というのも気持がいいですね。

福原徹彦:24同飛の途中下車が良い。12飛~22飛成と飛を活用した23桂消去が少々見えにくかった。

★24桂から22との序奏も気が利いています。

中出慶一:すらすらの中でも、巧妙な飛取りと英断の飛捨てで解決するのが、好作の条件になっています。 

★打ってすぐ捨てるのが爽快。

鷲見慎吾:相手の飛を召し捕るための誘導が面白い。

★22飛成が見えないと、23桂打と俗手の重ね打ちには抵抗があります。

山下誠:桂馬を巧みに使って飛車を入手し、気分よく詰め上げる。

★33桂も23桂も消えるのが抜群の味。

奥鳥羽生:邪魔駒消去の収束が面白い。それは前半からの流れがあるから。

★自然に手が進む前半があればこそ、22飛成が引き立つというのは同感です。

三輪勝昭:15手目の22飛捨てが絶妙。この手以外はスラスラ読めるて、これぞスラスラ展の見本作。

★22飛捨は妙手。この手は易しくありませんが、流れの良い序奏、気持ちの良い詰上りと実によくまとまっています、
 「すらすら」の一つのお手本を見せてくれた好局。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年10月21日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
    https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「よくわかる作家の個性
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[日時] 2018年12月16日(日)13時~
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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<1回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<1回目>

■パラ9月号創棋会作品展への解答お願いします!
 詰パラ9月号(21P)の創棋会作品展
 今回は合作による「あぶり出し」が課題。
 組曲ですので詰上りが想像しやすい作品展です。
 ふるってご解答下さい。

 また詰上り4文字(手順解答は不要)を下記に送っていただく「パスワードクイズ」も実施中。
 こちらの賞品にはレア品を用意しています。あわせてご解答をお願いします。
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■「すらすら解ける20手台」part結果発表<1回目>
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、13名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
    有吉弘敏、奥鳥羽生、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、野々村禎彦、himasume、
    福原徹彦、三輪勝昭、RINTARO、安田恒雄、柳原裕司、山下誠

 昨年より「すらすら度」は上がったと思いますが、23問と言う大量出題!
 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 PartⅠ・Ⅱ以上に、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
   ※出題 →  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-202.html

 それでは今日から出題順に結果発表を行ってまいります。

①大西 智之作
01.png

【作意】
  22歩、同玉、23金、同玉、34角、24玉、25金、13玉、
  14金、22玉、32馬、同玉、23金、41玉、42歩、同玉、
  43金、41玉、32金右、51玉、52金まで21手

【正解】
  9手目→14金
  手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:1.91、A:2、B:7、C:3、誤解:0、無解:1、無評価:1 (9/27訂正)

作者のことば
 「すらすら解ける」ことをとにかく重視しており、収束についても、通常ならばあまり使いたくないあっさりした形を敢えて採用しています。一方で作者のアイコンである「簡素図式」には拘りました。
 「すらすら解ける20手台の簡素図式」をコンセプトに制作。20手台の作品だけあって2手目△11玉の変化はそれなりに難しいですが、手数が進んだ局面は判り易く、解図意欲が湧く形にできているのではないかと思います。25に打ったばかりの金を、9手目▲1四金と捨て気味に滑りこませるのが気持ちの良い主眼の一手になります。
 以上、昨年にも記しましたが、長い詰将棋に対して忌避感を示される方も多い中、ストレスフリーの作品としてこれらを創作いたしました。

★トップバッターは昨年に続いて、大西さんの好形作。
 この形は22歩、23歩と連打したい形です。
 手をつけるところが見えているのは「すらすら」にとって大切な要素の一つではないでしょうか。
 22歩に11玉がちょっと考えさせられますが、12金と捨てて21角と打てば、13玉に14歩、同玉、32角成と質駒の金を取って詰みます。
 22同玉となったとき手拍子で23歩と打つと13玉とかわされて詰みません。
 23金と捨てるのが好手。
 同金には31角があるので23同玉と応じますが、34角と打てば何となく詰み形が見えてきました。
 22玉なら32馬と切って43金打から簡単な詰み。14玉も32馬で容易。
 いったん24玉と逃げるのが最善(13玉は2手早く詰みます)。
 そこで25金から14金と活用するのが好手筋。打った金を直ぐに捨てるのは気持ちがいいですね。

<9手目:14金>
01_14金

 14金は取れば32馬があるので、22玉と逃げますが、それでも32馬と切るのが決め手。
 32同玉に23金とすれば、41玉に42歩と叩いて43金と打てば、41玉にもう一度32金右と活用して収束です。

安田恒雄:1番にふさわしい簡素形。すらすらと気持ち良く解けたが、好手がもう1手欲しかった。

★トップバッターには好形を選びたかったので、2年連続で大西さんの簡素形を選ばせていただきました。

himatsume :3手目が指し辛かった

RINTARO :超美形からの美しい手順。序に変化あるため、スラスラとはいかない。3手目が打ちにくい。

★3手目23金が好手。直感は23歩なのでここで考えた人が多かったと思います。

福原徹彦:2手目11玉に12歩ばかり考えてしまい悩みましたが、作意はすらすらでした。

★2手目11玉の変化で12金と打つのも味が良いですね。

三輪勝昭:2手目11玉、12歩や3手目23歩を読んだのでスラスラ解けなかった。
 この形は大西智之作かな。

★簡素図式は大西さんのトレードマーク。
 全国大会でも3×3の作品が収められた名刺をいただきました。

有吉弘敏:難解なだけ。手順に主張が感じられない。

★序盤の変化が煩わしいと感じられたのでしょうか。後半にもう一手好手があると印象も変わるのでしょうが。

中出慶一:よくもこのような簡素形で中編が残っていたのが不思議ですが、手順が既成の積み重ねと見え、良くも悪くもそれだけとならざるをえない。

★収束の既成は作者も自認ですが、一手好手があればというのは同感です。

奥鳥羽生:変化を含め序に妙味あり、簡素形度満点。

★変化も含めた手順と形のバランス、多数の方に評価いただけたものと思います。

鷲見慎吾:玉型の金を取ることを見越した狙いの一手14金が気持ちいい。

★狙いの一手14金には好評が集中。

山下誠:2五金から1四に摺り込む感触がよく、うまく下段に落とせる。

★打った駒を捨てる手は好感度がアップします。

野々村禎彦:この初形からよく23金と14金が入った。収束流れすぎなのでAは無理だが。

★好形に23金から14金の好手が入ったことで好評を得ました。

則内誠一郎:広く愛されるタイプ。

★鑑賞用の一局という見方も出来そうです。

☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年10月21日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「よくわかる作家の個性
   投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年12月16日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「未定」決定しましたら案内させていただきます。
*************************************************************** 
以上

締切迫る!「すらすら解ける20手台」PartⅢ 解答締切は9月20日

<締切迫る!「すらすら解ける20手台」PartⅢ 解答締切は9月20日>
 すらすら解ける20手台」PartⅢの解答締切は9月20日(木です。
 少し涼しくなってきましたので、この週末に是非取り組んでいただきますよう、お願いします。

★☆★ネット作品展解答募集中★☆★
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ、おかげさまで23作と昨年を上回る多数の作品が揃いました。
 投稿下さった作家は次の23名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
   有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、北村憲一、金少桂、則内誠一郎、角建逸、鷲見慎吾、
   妻木貴雄、冨永晴彦、中出慶一、西村章、ぬ、野曽原直之、野々村禎彦、福原徹彦、
   藤原俊雅、三輪勝昭、RINTARO、安田恒雄、柳原裕司、山本勝士、吉松智明
     (敬称略、作品順ではありません)。

 例題紹介で取り上げたように、好形作、趣向作、謎解きを愉しむパズル的な作、あぶり出しなど、すらすら解けて、解けば爽快感を味わっていただける作品が揃っています。
 20手台の作品23作に全手順記載は大変かと思いますので、解答記載方法は簡単にしています。多くの皆さんからの解答をお待ちしています。1問でも解けた方、遠慮なさらずに解答をお願いします。
 解答者の中から若干名に呈賞(詰棋書)の予定です。

◇解答送り先: blogsokikaitusin@gmail.com
解答締切:9/20(木
◇解答要領:
・「キーとなる一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです)
※キーとなる一手は問題ごとに設定しています。
・評価:ABC評価をお願いします。
  ※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
・短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、色々な角度からのコメントをお願いします。
  短評は原則としてすべて掲載させていただく予定です。
  長くても結構ですので、たくさんの短評をお願いします。

★出題は → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-202.html
 図面と解答用紙は次のサイトから取り出すことができます。
<図面>: http://firestorage.jp/download/39979ed94cac0c4128b2358d0307375f70155841
<解答用紙>: http://firestorage.jp/download/6e9c1762affe026fcb2b7024c941d719188d09a7
 *パスワードはいずれも「sura2018」です。

■最近読んだ本
 「棋士という生き方」(石田和雄、イースト新書、2018年5月)
 石田九段の人柄が伝わってくる内容。
 1970年の東海本部発足記念将棋まつりでの中原さんとの記念対局で劇的な逆転勝利を収めたくだりは、当時読み始めたばかりの近代将棋の記憶があります。
 また弟子思いの内容も随所にあって、とても暖かい気持ちになりました。

■創棋会の次回課題は「よくわかる作家の個性」
 12月号掲載作品展の課題は、「よくわかる作家の個性」。29手以内です。
 10月例会で選題します。
   投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

よくわかる作家の個性」。
 この「課題」わかっていただけますでしょうか?
 「○○流」と呼ばれて一世を風靡した作家を思い浮かべていただければ、何となくわかっていただけるのではないでしょうか。
 「○○流」と呼ばれなくても、図を見ただけで、あるいは作意を並べただけで、この人の作品だと分かる。そこには強烈に伝わってくる作家の個性が表れていると思います。
 作家の個性を感じさせられる作品を紹介させていただきます。


岡田 敏作 近代将棋1978年3月(「凌雲」第19番)
岡田敏凌雲

 岡田さんといえばあぶり出し。
 本作では何が出てくるのか楽しみです。
 初手47金がやってみたい手。同金は同馬があるし、65玉は57桂と活用できます。
 しかし67玉とされると、57金、68玉、88飛と引いたとき78香合の妙防があるのです。
 78香合をせずに59玉と逃げるのは77桂、69金合、同龍、同玉、36馬、同銀、68金打から詰むのですが、78香と捨合されると同龍 では59玉で詰まず、同飛では先の変化で36馬に78玉と飛を取られてしまうというわけです。
 そこで重いようですが初手は57金から入ります。
 55玉は45とを利かされるので65に逃げます。
 気持ち良く66歩と突き出し、同と と取らせて85龍とすれば74龍を防いで75金合の一手。
 これは同龍と切り同玉に74と と引き、65玉に75金と重く打つのが俗手の好手。
 55玉に45と と捨て、同玉に36銀と質駒の金を取ります。
 同銀に35金と捨てるのが好手。
 55玉なら46金から36馬があるので同香と応じるしかありませんが、34馬と大駒を働かせることができました。
 55玉でもう一押しというところですが、66金と と金を取ります。

<21手目:66金>
岡田敏凌雲66金

 同玉には34馬の力で67歩と打てるのが大きく、55玉に65金と捨て、同玉に57桂と跳ねるのがたまらない味の良さ。
 55玉に85飛と引いて合駒を請求します。
 頭に利く駒は56に打って一手詰みなので、75桂合が最善。
 同飛、同馬に47桂が決め手。
 同銀成に45馬まで見事「G」の字が浮かび上がりました。

<詰上り:「G」>
岡田敏凌雲「G」

【詰手順】57金、65玉、66歩、同と、85龍、75金合、同龍、同玉、
   74と、65玉、75金、55玉、45と、同玉、36銀、同銀、
   35金、同香、34馬、55玉、66金、同玉、67歩、55玉、
   65金、同玉、57桂、55玉、85飛、75桂合、同飛、同馬、
   47桂、同銀成、45馬まで35手詰

 本作は近代将棋入選100回記念作。『凌雲』の自作解説を引用させていただきます。
 「あぶり出し曲詰は楽しむものである。海図の過程で楽しみ、詰上り図を見て楽しむ。そのためには、手順が難解過ぎても本質に反するし、詰上り図に絶対性がなくては意味がない。この観点からして、本作は二枚の金の二段活用、二回に亘る限定合、詰上り 図の美しさ等、ほぼ理想に近いと思う。」
 先に岡田流の軽快作を紹介させていただきましたが
    → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-197.html
 この解説を読むと、岡田さんといえばやはり曲詰なんだと思いますね。


鳥越九郎作 詰パラ1962年8月(「あさぎり」第74番)
鳥越九郎あさぎり74

 もう一局あぶり出しを紹介します。
 初形だけ見ると曲詰のように見えませんが、果たして何がでてくるか。
 65に金の質駒があることに気づけば上部脱出は恐れる必要がなさそうですが、平凡な83銀では93玉、81香成、71飛、82銀打、84玉、73銀打、95玉とスルスル逃げられてしまいます。
 少し強引な感じがしますが、81馬、93玉、83角成、同玉、72馬と、72の飛車を奪います。
 84玉なら83飛、また4玉なら73飛でいずれも詰みますので、同玉が最善。
 こで71飛と捨てるのが好手です。

<7手目:71飛>
鳥越九郎あさぎり74_71飛

 71飛に83玉なら、84銀、95銀と連打し95同玉に65龍で金を入手し、75飛成とすれば詰みます。
 71同玉と取る島ありませんが、62銀と拠点を築きます。
 82玉には73銀打と攻め、92玉と寄って凌げば、93歩と叩いて同玉に84銀打。
 94玉と逃げれば95銀打と銀の連打。ここで銀の斜め一線が現れました。
 85玉のときに待望の65龍で金を入手。
 65同桂に86金と打ち、銀の階段を74玉、63玉と降りれば、75金から64金までの詰みです。もっと金追いを続けたいところでした。
 そして盤上には「イ」の字が浮かび上がりました。
 歩なし、成駒なしの詰上りというのも面白いです。
 盤の中央ではなく、やや田舎(作者は「郊外」と言ってます)ですが、曲詰らしくない初形からは意外性十分。

<詰上り:「イ」>
鳥越九郎あさぎり74「イ」


【詰手順】81馬、93玉、83角成、同玉、72馬、同玉、71飛、同玉、
   62銀、82玉、73銀打、92玉、93歩、同玉、84銀打、94玉、
   95銀打、85玉、65龍、同桂、86金、74玉、75金、63玉、64金まで25手詰

 鳥越九郎さんはユーモア作家として有名。
 入選90数回となったところで別のペンネームを用いて作品を発表され、とうとう同人作家にはなられませんでした。

 ここでPRです。
 曲詰を二局紹介させていただきましたが、9月号の創棋会作品展は「あぶり出し」です。
 そちらの解答もよろしくお願いします。
 パスワードクイズへの応募もあわせてよろしくお願いします。


中出慶一作 詰パラ1992年6月(「想春譜」第100番)
中出さん想春100

 三局目は中出さん。
 ユーモア作家の鳥越さんが登場したので、楽しい趣向作を数多く発表されている中出さんの作品も紹介したいと思います。
 85と35の銀が頑張っていますから玉の行動範囲はすごく狭いことが分かります。
 しかし手駒は桂3枚。玉方の守りは馬と沢山のと金。
 どうやって詰めるのでしょうか。
 まず77の銀を活用します。
 66銀左、同と、同飛、55玉となって56のと金を1枚はがしします。
 続いて56歩、同と、同飛と、57のと金をはがします。
 65玉となったとき瞬間的に打歩詰の局面になりますが、57桂が継続手段。

<9手目:57桂>
中出さん想春100_57桂

 同と と取らせて66飛と寄れば、55玉に56歩と打つことが出来ますから、同と、同飛と進んで57のと金をはがすことができました。
 65玉にはもう一度57桂と捨てれば同じ要領でもう一枚と金をはがすことができ、これで初形の56・57・58・47の4枚のと金が全部消えました。
 56同飛、65玉となったところで最後の桂馬を57桂と捨てれば、今度は同馬と取るしかありません。
 66歩から馬を奪って、55玉となったとき、56飛と寄っても今度は桂馬がありませんから、22角と打って局面の打開を図ります。

<31手目:22角>
中出さん想春100_22角

 44に合駒をする一手ですが、何が正解でしょうか?
 何を合しても、同銀、同香、56飛、65玉と進めます。
 頭に利く駒なら66から打って詰み。桂なら57から打てます。
 ということで44合は角が最善。
 角合でも同銀から56飛と追って65玉となったとき、今度は手に入れた角を92から打ちます
 左右からの遠角には妙味を感じますね。
 今度は8筋に歩が打てますから、83歩合とします。
 これは同角成と取って一歩補充します。
 83同香、66飛、55玉と進めて、56歩と打てるのが、92角の効果。
 56歩に46玉と逃げた時、13角成と金を取れるのが大きいのです。
 36玉、35馬、47玉と逃げますが、57馬と捨てるのが決め手です。
 57同玉に58金から大駒が消えてキレイな収束。
 左右の遠角は92から先に打つと83歩合で逃れ。当然ながら手順前後は効きません。

【詰手順】66銀左、同と、同飛、55玉、56歩、同と、同飛、65玉、
 57桂、同と寄、66飛、55玉、56歩、同と、同飛、65玉、
 57桂、同と、66飛、55玉、56歩、同と、同飛、65玉、
 57桂、同馬、66歩、同馬、同飛、55玉、22角、44角、
 同銀、同香、56飛、65玉、92角、83歩、同角成、同香、
 66飛、55玉、56歩、46玉、13角成、36玉、35馬、47玉、
 57馬、同玉、58金、46玉、55歩、同玉、56飛、65玉、
 66銀、56玉、57金まで59手詰


 中出さんは創棋会の大ベテラン。
 中出さんの作品は7月に一度紹介させていただきました。
  → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-198.html
 大駒の特徴を活かした手順に趣向を盛り込んだ構成は中出さんのお得意の領域です。
 本局でもと金剥がしの後、遠角2発が飛び出す収束は面目躍如の楽しめる一作です。


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年10月21日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
    https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「よくわかる作家の個性
    投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年12月16日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「未定」決定しましたら案内させていただきます。
*************************************************************** 


創棋会の次回課題は「よくわかる作家の個性」

<創棋会の次回課題は「よくわかる作家の個性」>
 台風21号に北海道の地震と天災が続いています。
 被災地ではライフラインの障害が発生し、さぞご不便かと思いますが、皆さんの無事安全を祈ります。

★☆★ネット作品展解答募集中★☆★
       ***解答締切は9月20日(木)です!***
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ、おかげさまで23作と昨年を上回る多数の作品が揃いました。
 投稿下さった作家は次の23名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
   有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、北村憲一、金少桂、則内誠一郎、角建逸、鷲見慎吾、
   妻木貴雄、冨永晴彦、中出慶一、西村章、ぬ、野曽原直之、野々村禎彦、福原徹彦、
   藤原俊雅、三輪勝昭、RINTARO、安田恒雄、柳原裕司、山本勝士、吉松智明
    (敬称略、作品順ではありません)。

 例題紹介で取り上げたように、好形作、趣向作、謎解きを愉しむパズル的な作、あぶり出しなど、すらすら解けて、解けば爽快感を味わっていただける作品が揃っています。
 20手台の作品23作に全手順記載は大変かと思いますので、解答記載方法は簡単にしています。多くの皆さんからの解答をお待ちしています。1問でも解けた方、遠慮なさらずに解答をお願いします。
 解答者の中から若干名に呈賞(詰棋書)の予定です。

◇解答送り先: blogsokikaitusin@gmail.com
解答締切:9/20(木
◇解答要領:
・「キーとなる一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです) ※キーとなる一手は問題ごとに設定しています。
・評価:ABC評価をお願いします。
  ※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
・短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、色々な角度からのコメントをお願いします。
  短評は原則としてすべて掲載させていただく予定です。長くても結構ですので、たくさんの短評をお願いします。

★出題は → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-202.html
 図面と解答用紙は次のサイトから取り出すことができます。
図面: http://firestorage.jp/download/39979ed94cac0c4128b2358d0307375f70155841
解答用紙: http://firestorage.jp/download/6e9c1762affe026fcb2b7024c941d719188d09a7
パスワードはいずれも「sura2018」です。


■創棋会の次回課題は「よくわかる作家の個性」
 12月号掲載作品展の課題は、「よくわかる作家の個性」。29手以内です。
 10月例会で選題します。
   投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

よくわかる作家の個性」。
この「課題」わかっていただけますでしょうか?
 「○○流」と呼ばれて一世を風靡した作家を思い浮かべていただければ、何となくわかっていただけるのではないでしょうか。
 「○○流」と呼ばれなくても、図を見ただけで、あるいは作意を並べただけで、この人の作品だと分かる。そこには強烈に伝わってくる作家の個性が表れていると思います。
 作家の個性を感じさせられる作品を紹介させていただきます。


谷口 均作 詰パラ1971年4月(「孤愁の譜」第44番、「凌雲」第80番)
谷口均凌雲

 私が詰パラを購読開始したのが1971年から。当時の詰棋力では小学校から中学校に取り組むのが精一杯でしたが、本作が解けなかったことは記憶にあります。
 初手は紛れがいっぱいあって悩ましい。
 68桂が有力ですが、55玉と引かれると86飛の守りが強く続きません。
 47銀打も指してみたいところですが、あっさり同香成で続きません。
 手筋風の46金も同香で27角の利きが強く詰みません。
 初手は55金と捨てるのが妙手。
 同金なら68桂があります。逃路に先着は手筋なのですが、次の手が見えないと指せない強手です。
 55同玉には25龍とぼんやり引くのが継続の好手。
 56玉は68桂の一発なので45合の一手ですが、何を合しても56銀の好手があります。
 56同飛には47桂があるので同玉とするしかありませんが、そこで46金が巧打で、同X(合駒)に68桂までです。
 45金と移動合で受ける手もありますが、それには47桂と打てば、54玉には43銀がありますし、56玉も46金から55龍があります。
 玉方には受けがないようですが妙防がありました。
 45角成と移動合で受けるのです。


<4手目:45角成>
谷口均凌雲45角成

 56銀、46金と捨てて攻めるしかありませんが、46同馬と応じられて、この馬が68に利いているではありませんか。
 そこで決め手が47角です。
 同馬と取らせて68桂で詰みました。

 55金から始まる手順は非常に重厚。
 見事半期賞を獲得されました。
 谷口さんの作品は、大駒の力、特に角の力を活かした作品が多いのですが、本作でも45角成の妙防に特長が出ていると思います。

【詰手順】55金、同玉、35龍45角成56銀、同玉、46金、同馬、47角、同馬、68桂まで11手詰

谷口 均作 詰パラ1969年5月(塚田賞、「孤愁の譜」第16番)
谷口均「譜」16

 もう一作谷口さんの作品を紹介します。
 上下に脱出路があるように見えますが、19香、56角の威力で大丈夫そうです。
 しかし37から46の経路だけは用心しないと逃げ出されます。
 たとえば17銀とすると、37玉、28銀、46玉、57銀、55玉と遁走されます。
 27と捨てるのも取らずに37玉とされてお手上げです。
 そこで初手はぼんやりと48角とします。
 平凡に37に合駒を打つと16金から詰んでしまいます。
 37歩成と移動合し36への逃げ道を開けるのが軽い受けの好手。
 今度は36から46への逃路に用心して攻めます。
 まず27銀と捨てます。
 同玉に56角のリーチを活かして38銀と連続して捨てます。

<5手目:38銀>
谷口均「譜」16_38銀

同と と取らせて、45角が決め手。
同金と取らせて26金までの詰み。

【詰手順】48角、37歩成、27銀、同玉、38銀、同と、45角、同金、26金まで9手詰

 谷口さんといえば「難解」というイメージを持たれる方も多いと思いますが、捨駒を主体とした作品も沢山作っておられます。
本作もスッキリまとまった易しい作品ですが「角使いの名手」ぶりを感じさせてくれる一局だと思いましたので、取り上げた次第です。
 なお『孤愁の譜』は谷口さんの作品集で、1985年に野口ブックスから発刊されました。

藤倉 満作 詰パラ1970年4月(「四万十」第56番、「金波銀波集」第88番)
藤倉満四万十56

 続いて紹介させていただくのは藤倉さんの作品。
 素晴らしい好形作ですが、攻め方は45金と35銀の2枚、持駒は金気なしの飛角桂だけで詰み形が見えません。
 初手は金銀を動かすしかなさそうです。
 効率が良さそうなのは34銀です。以下42玉、72飛、52歩合、54桂、31玉、53角と手は続きますが、22玉、52飛成、32歩合くらいで息切れ。そもそも22玉とされても逃れのようです。
 34金も42玉や22玉とされると詰みません。
 少しひねって44銀も同様。
 となると44金しかありませんが、何となく指しにくい手です。
 22玉と逃げると34桂が打てます。以下13玉、15飛、23玉(14合は31角以下)のとき14角の好手があり、同香に25飛と廻って詰みます。
 また32玉なら43角、22玉、32飛、13玉、25桂、14玉、34飛成、15玉、24龍、16玉と追って13桂成とすれば16玉に26龍(16角成!という手もある)、18玉、54角成で詰みます。
 このあたりの変化は少し読みが必要です。
 最善は42玉。
 それには53角と打って左方面への逃走を阻止します。
 51玉なら63桂があるので32玉と逃げますが、31飛から22玉と追ったとき、33金と入るのが好手。

<7手目:33金>
金藤倉満四万十56_33

 33金を同桂と取れば34桂と打ち、13玉に11飛成、12合、15香、14合、31角成で詰んでしまうので、13玉とかわすしかありませんが、23金と押し売り。
 同玉に34飛成と大きな拠点が出来ました。
 12玉と逃げますが、24桂、13玉、31角成と寄せていきます。
 22合は取られるのが見えているので安い駒を合するのですが、桂合では同馬、同玉のとき32桂成とし12玉に14龍から24桂の詰み筋があるので、歩合が最善となります。
 以下、22同馬、同玉に32龍と入ります。
 13玉には軽く12桂成と捨て、同香に14歩と叩いて同玉に34龍と引けば収束。

【詰手順】44金、42玉、53角、32玉、31飛、22玉、33金、13玉、
    23金、同玉、34飛成、12玉、24桂、13玉、31角成、22歩、
    同馬、同玉、32龍、13玉、12桂成、同香、14歩、同玉、
    34龍、15玉、24龍、16玉、26龍まで29手詰

 藤倉さんの作品は好形から粘りのある手順が展開されるものが多いのですが、本作も簡素な実戦型から含みのある手順が紡ぎ出された好局です。
 「四万十」は藤倉さんの作品集。藤倉さんは1991年に逝去されましたが、その後2001年に創棋会によって発刊されました。


藤倉 満作 詰パラ1970年4月(「白雨」第10番)
藤倉満白雨10

 もう一作紹介させていただきます。
 本作は発表時不完全だったものを修正されたもの。
 初手33角では14玉で打歩詰。
 じっと35龍と寄ります。
 14玉には15歩、同玉、26角とします。
 16玉とされると一瞬いやな感じですが、38角、27合、17歩、同桂、15龍で詰みます。
 14玉となったところで打歩詰ですが、24龍と捨てるのが打開の妙手。

<7手目:24龍>
藤倉満白雨10_24龍

 24龍を同歩と取れば15歩が打てます。以下、23玉、33銀成、12玉、21角、11玉、22成銀、同玉、32と、11玉、44角で詰みます。
 24同玉と応じたときあわてて33角や42角と打っては34玉で次の手がありません。
 33銀不成から24銀成と邪魔な44銀を消去します。
 24同玉なら今度こそ33角ですから、24同歩と応じます。
 これで15歩と打つことが出来ました。
2 3玉に、33歩成から23角と据え、11玉に22と と捨て同玉に気持ちよく44角と飛び出せば収束です。

【詰手順】35龍、14玉、15歩、同玉、26角、14玉、24龍、同玉、
  33銀不成、14玉、24銀成、同歩、15歩、23玉、33歩成、12玉、
  23角、11玉、22と、同玉、44角、23玉、33と、12玉、22と まで25手詰

  本局のような軽い捌きの作も藤倉さんの作風。
  「形から手順をひねり出す」作図法を採っていることは作者も自認ですが、イコール難解ではないという事も語られています。


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年10月21日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「よくわかる作家の個性
   投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年12月16日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「未定」決定しましたら案内させていただきます。
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