もうすぐ例会~2月18日~

<もうすぐ例会~例会は2月18日~>

創棋会の次回例会
 次回例会は、2月18日(日)。スタートは13時です。
 場所は、関西将棋会館 4F多目的ルーム。
 会費は千円(学生無料)です。
 課題は、ネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
 多くの方に参加いただき、楽しいひとときを過ごしたいと思います。

創棋会の次回以降の課題
☆次回課題はネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
 昨年に続いてネット作品展「教材に使える10手台」PartⅡを開催します。
 今回のテーマは「実戦に役立つ」ことです。
 実戦型や囲い図式、「銀は不成に使え」「玉は下段に落とせ」といった格言の応用、駒の活用方法や寄せの手筋のような実戦に応用できる手筋など、表現は自由です。
 詰将棋が実戦に役立つだけでなく、面白く楽しいものだと感じていただけるような作品をお寄せください。

・作品投稿は下記アドレスで受付。
  ※ blogsokikaitusin@gmail.com
  ※ ペンネーム投稿もOKですが、実名を記載してください。
  ※ 投稿締切は2月17日(土)
・2月例会で作品展の主旨に合うものを選題の上、ブログ「創棋会通信+α」で2月下旬に一斉出題します。

☆4月例会の課題は「ダブル不成」(6月号作品展)。
 「ダブル」の解釈は自由です。双方不成、同じ駒を二度不成、同一地点に二種不成などさまざまな表現があると思います。


■「教材に使える10手台」PartⅡ
 昨年2月にネット作品展「教材に使える10手台」を開催しました。
 詰将棋との出会いは人それぞれですが、多くの人に詰将棋の楽しさ、面白さを伝えられるような教材が作れるといいのではないか、そういう想いから、この企画を考えました。
 そのときの条件は『教え易い、分かり易い、覚え易い』というものでしたが、出品された作品は、初心者向けから上級者向けまで、不成や打ち換え、合駒といった基本手筋から、スイッチバックやアンピン、遠打ちや趣向といったちょっぴり高級なものまで、また実戦型から大道棋まで幅広い分野の好局が揃いました。

 今回は少し切り口を変えて、実戦派にも詰将棋の面白さを知ってもらうために、「詰将棋は実戦の役に立つ」ということを、作品を解いたり鑑賞したりすることによって感じ取っていただけないものかと考えました。
 「読みの力を鍛える」「詰み形を覚える」といった目的で詰将棋に取り組むのはいいのですが、修練のためだけに詰将棋をやるのはもったいないと思いませんか。詰将棋にはもっと面白く楽しい謎解きの世界があります。
 そうは言っても詰将棋に親しんでもらわなければ始まりませんので、解いて楽しい作品を用意し、解くことを通じて実戦の役にも立つということを感じ取ってもらい、詰将棋を好きになってもらう、そういう作品を集めたいと考えた次第です。

 それでは、管理人の好みで選んだ例題を紹介させていただきます。

金田秀信作 旧王将1950年1月号(『古今短編詰将棋名作選』第39番)
金田秀信_短編№39

 ほれぼれするような好形作品です。
 好形の条件というのは色々ありますが、面積、使用駒数だけでなく、自然さも重要な要素。実戦型というのは自然さの一つの要素です。
 他には本作のように、成駒がない、当り駒が少ないといった点もポイントになります。
 さて本作は73からの脱出が見えていますが、63飛成から85龍と52角の力を活かして詰むことに気づけば、心配することはありません。
 しかしいきなり73銀と攻めては、同玉、63飛成、82玉で、もう一押しが出来ません。
 72金と捨てて84桂と打つのが好手順です。

<3手目:84桂>
金田秀信_短編№39_84桂

 84桂は同歩と取れば63飛成から83銀と打つことが出来ます。
 桂を捨てて駒を打つスペースを作る のは応用の幅が広い手筋です。
 73玉は63飛成がありますから、82玉と寄って凌ぎます。
 ここで73銀と捨てるのが、好手筋。

<5手目:73銀>
金田秀信_短編№39_73銀

 84桂の楔があるので、今度は同玉と応じれば63飛成から72龍までです。
 同桂と取るしかありませんが、そこで81飛成と捨てるのが決め手です。
 同玉に63角成とすれば、82玉、72馬までの詰み。

 72金から84桂という好手順で手がかりをつけ、焦点に捨てる73銀から最後は81飛成と大駒を捨ててフィニッシュ。軽快な作品でした。

【作意】72金、同玉、84桂、82玉、73銀、同桂、81飛成、同玉、
   63角成、82玉、72馬まで11手詰


山中龍雄作 将棋世界1969年3月号(『山中龍雄作品集』第23番)
山中龍雄№23

 35龍の睨みがあり、持駒も強力。
 41玉からの脱出に気をつけて攻めればよいので、22金は発見しやすいと思います。
 22金に41玉は61飛、51桂合、32金、52玉、62金、53玉、55龍から駒余りで詰むので、素直に22同玉と応じます。
 こうなれば23金と捨て同玉と取らせれば、24飛や24龍などがあって簡単そうです。
 しかし24飛は13玉とされると、15との守りが強く詰みません。
 24飛に代えて24金と打ってしまうと22玉で全然だめ。
 24龍は12玉で続きません。こういうとき銀が無いと不便です。
 この局面から鮮やかな手順が出現します。
 まず13金と焦点に捨てます。

<5手目:13金>
山中龍雄№23_13金

 13同桂も同香も24飛から32龍です。
 24飛と打つと13玉で逃れるのですが、13を塞いでおくと24飛が有効になるということです。
 13金には同玉とするしかありません。
 ここで12飛と捨てるのが強烈な一手。

<7手目:12飛>
山中龍雄№23_12飛

 13玉に24龍なら12玉で逃れますが、12飛と逃路に先着し、同香なら24龍で詰むというわけです。
 同玉と応じるしかありませんが、32龍と金を取り13玉に24金までの詰み。

 きれいな実戦形から、13金・12飛という目の覚めるような好手筋が飛び出す好作です。

【作意】22金、同玉、23金、同玉、13金、同玉、12飛、同玉、
   32龍、22歩、23金まで11手詰


宮家 隆作 詰パラ1963年9月(『古今短編詰将棋名作選』第110番)
宮家隆_短編№110

 4×4に収まったコンパクトな初形。
 23から銀や角を打つと13玉と上がられて続きません。
 13歩が同桂なら23銀と出来るので良さそうな手ですが、あっさり同玉とされ、23飛と打てるものの12玉と逃げられると13銀には同角と取られて、うまく行きません。
 もう一度初形をよく見ましょう。無い方が良い駒はありませんか?
 そうです34桂が無ければ、ここから角を打って簡単です。
 そうと決まれば34桂を消す一手です。22桂成と捨てます。
 同角は34角ですから同玉と取って、23飛と打ちます。
 12玉と逃げたところで盤面をよく見ると、今度は23飛が邪魔駒になっています!
 22飛成と捨てれば同玉で何をやっているのかわかりません。
 ここは13歩と叩いて同角と取らせ、そこで22飛成と捨てるのが好手順です。

<7手目:22飛成>
宮家隆_短編№110_22飛成

 これは同玉と取る一手。
 そこであわてて23銀と打つと31玉と逃げられ、53角に42金と移動合で受けられるとギリギリ逃れています。23銀で34桂としてもや はり31玉と逃げられ、続きません。
 ここで妙手があります。31角のタダ捨てです。

<9手目:31角>
宮家隆_短編№110_31角

 31角を同金なら23銀の一手詰。
 同玉と取れば、43桂と内、42玉に53銀打までの詰み。

 実戦型に二度の邪魔駒消去を盛り込み、31角の妙手でまとめた好局。

【作意】22桂成、同玉、23飛、12玉、13歩、同角、22飛成、同玉、31角、同玉、
   43桂、42玉、53銀打まで13手詰


岡田 敏作 将棋世界 1986年1月(『万華鏡』第131番)
岡田敏_万華鏡№131

初形を一見して、33金を捨て42馬を働かせる筋が浮かびます。
すぐに23金では同歩で詰まないので、13歩と叩いて同玉と取らせてから23金と捨てるのが正しい手順です。

<3手目:23金>
岡田敏_万華鏡№131_23金

 同歩では25桂と打って早いので同玉と応じます。
 24金と打ち、12玉に13金と打ったばかりの金を捨てるのが気持ちの良い運びです。

<7手目:13金>
岡田敏_万華鏡№131_13金

 同玉に待望の25桂です。
 23玉と寄るのが最善ですが、33馬、12玉に24桂と打ち、21玉となったところで、33の馬が邪魔ですから43馬と捨てるのが決め手。
 同香と取らせて、33桂不成と跳ねれば詰み。
 桂馬二枚の清涼詰です。

 難しい変化や紛れはなく軽快な手順に終始します。解いて気持ちの良い一局です。

【作意】13歩、同玉、23金、同玉、24金、12玉、13金、同玉、25桂、23玉、
   33馬、12玉、24桂、21玉、43馬、同香、33桂不成まで17手詰

 『万華鏡』は1986年に将棋天国社から発行された岡田さんの5番目の作品集。一般図式100局、清涼図式45局、あぶり出し35局の合計180局が収録されています。


柏川悦夫作 近代将棋 1962年4月(『駒と人生』第85番)
柏川悦夫_人生№85

 41から52への脱出路が見えていますが、ちょっと詰み形が見えません。
 31飛から22龍のような手は53玉からどんどん逃げられます。
 重いようでも22飛とするしかなさそうです。
 41玉に31角成と捨てると視界が開けます。
 そこで21飛成としても42玉とされますので、23桂と打つと、41玉なら53桂、同銀、31桂成、同玉、21飛成、42玉、22龍でピッタリ詰むのですが、22玉と飛を抜かれると続きません。
 しかしこの局面で34角がいなければ34に桂を打てます。
 そうです34角が邪魔駒なのです。
 ではどうやって消すか?
 22飛と打って、41玉に23角成とします。
 52玉と逃げられそうですが、41馬と捨てる手がありました。

<5手目:41馬>
柏川悦夫_人生№85_41馬

 41馬に61玉とされても51角成とすれば、72玉に62飛成として大駒三枚の威力で詰みます。
 41馬は同玉と応じるしかありません。
 そこで31角成と捨てれば、学習済みの局面です。
 31同玉には、打ちにくいのですが23桂と打ちます。

<9手目:23桂>
柏川悦夫_人生№85_23桂

 41玉には53桂から駒が余って詰みます。この変化も気が利いています。
 22玉と飛を抜かれますが、今度は34桂と打てます。
 32玉とかわせば、31桂成と捌いて、同玉に22龍からの詰み。

 34角の邪魔駒消去を上部追い出しの変化や不利感のある23桂でオブラートに包んだ味わい深い一局です。

【作意】22飛、41玉、23角成、52玉、41馬、同玉、31角成、同玉、23桂、22玉、
   34桂、32玉、31桂成、同玉、22龍、41玉、42桂成まで17手詰

 今回は軽快な手順の実戦型作品などを集めてみました。
 「実戦に役立つ」10手台。指将棋派が詰将棋の面白さを感じられる「教材」に相応しい作品をお待ちしています。


創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年2月18日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/[会費] 千円(学生無料)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
        投稿は→ blogsokikaitusin@gmail.com

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年4月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室(水無瀬)
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「ダブル不成
       投稿は→sokipara@yahoo.co.jp

  ※課題によって投稿先が異なりますのでご注意ください

***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
    blogsokikaitusin@gmail.com
以上
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詰パラ2月号が到着

<詰パラ2月号が到着>

■詰パラ2月号
・表紙。嶋村さんは奨励会在籍。2年前の倉敷の全国大会では最年少参加者でした。今後の活躍が楽しみです。
・詰将棋学校(12P~)。解いてみようという作品が揃っています。たとえ正解に至らなくても悪戦苦闘した作品の結果稿は読み応えがありますから、少しでもチャレンジしたいと思います。
 小学校:詰キストの指棋力、アマトップクラスの方は別格として、「作家<解答者」のように想像します。
 中学校:出題の配列順を想像するのも楽しみになります。
 高校:世はペットブームですね。
 短大:今月の顔ぶれは魅力的ですね。
 大学:選題の言葉はヒントになるか?
 大院:超大作と書かれると取り組んでみたくなりますね。
・大道棋教室(19P~)。今月は金問題。出題は3題。手数範囲も明示された親切(?)出題。
・内藤国雄の小ルーム(20P~)。今月は2題。
・全詰連の頁(22P~)。解答選手権の告知。藤井効果なのか、初級一般戦は会場が増えています。参加者が詰将棋ファンとなることを切に願います。
・持駒のある風景(24P~)。
 今回は遊び心と題して詰将棋の面白さに触れられています。肯ける内容です。
 その中で五代大橋宗桂の「象戯手鑑」の持駒趣向について述べられており、31番の持駒七種一揃いについては「出来損ない」とのコメントですが、正解と思われるきれいな手順がありますので、以前にもブログに書いたのですが再掲します。

五代大橋宗桂作 『象戯手鑑』第31番、1669年(寛文九年)刊
五代宗桂「手鑑」31番

【詰手順】53角、㋑52玉、62角成、同香、22飛、同銀、53金、61玉、73桂、71玉、
    72歩、同玉、83銀、73玉、85桂、84玉、94と、同飛、同銀成、同玉、
    93飛、85玉、86香、74玉、83飛成まで25手
 ㋑51玉は63桂、52玉、41銀、63玉、62角成、54玉、52飛、45玉、35馬、同玉、
   55飛成、36玉、39香、27玉、36角、28玉、58龍、39玉、49金、29玉、18龍まで23手駒余り
 7枚の持駒を使い切る中に、62角成や22飛の好手が入り、なかなかの力作です。
 なお上記の内容は『古図式全書 第十巻 象戯手鑑』(1970年全詰連発行)に載っているもので、「貞享版」では変化㋑が記され、「文化版」では記載の手順が記されているとのことです。

・大道棋よもやま話(28P~)。「香歩問題の裏筋」は川崎弘さんの『北斗』にも研究が収録されています。
・ちえのわ雑文集(30P~)。ほっとさんによる裏短コンの総括。今回の条件は5手詰だったのですが新しい趣向もあり中身の濃いコンクールでした。ほっとさんの解説も力が入っていますので、是非ともWEBの結果稿本文をご覧ください。
*結果稿(一回目)はこちらから
・名局ライブラリー(28P~)。平成25年の記事。作品紹介はありませんが記事は満載。この年は3人の同人が誕生。
・将棋パズル雑談(38P~)。解答40名突破おめでとうございます!
・読者感想文(45P~)。『善いコンテンツは「もっともっと」という欲求を掻き立てる』というのは同感。
・会合案合(48P~)。2月の会合は先月に比べるとグッと減って3か所です。
 創棋会は2月18日(日)が例会です。みなさんのご参加お待ちしています!


■創棋会の次回以降の課題
☆次回課題はネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
 昨年に続いてネット作品展「教材に使える10手台」PartⅡ を開催します。
 今回のテーマは「実戦に役立つ」ことです。
 実戦型や囲い図式、「銀は不成に使え」「玉は下段に落とせ」といった格言の応用、駒の活用方法や寄せの手筋のような実戦に応用できる手筋など、表現は自由です。
 詰将棋が実戦に役立つだけでなく、面白く楽しいものだと感じていただけるような作品をお寄せください。

・作品投稿は下記アドレスで受付。
  ※ blogsokikaitusin@gmail.com
  ※ ペンネーム投稿もOKですが、実名を記載してください。
  ※ 投稿締切は2月17日(土)
・2月例会で作品展の主旨に合うものを選題の上、ブログ「創棋会通信+α」で2月下旬に一斉出題します。

☆4月例会の課題は「ダブル不成」(6月号作品展)。
「ダブル」の解釈は自由です。双方不成、同じ駒を二度不成、同一地点に二種不成などさまざまな表現があると思います。


■「教材に使える10手台」PartⅡ
 昨年2月にネット作品展「教材に使える10手台」を開催しました。
 詰将棋の楽しさ、面白さを伝えられるような教材が作れれば、多くの人により良い詰将棋との出会いが得られるのではないか、そういう想いから、この企画を考えました。
 そのときの条件は『教え易い、分かり易い、覚え易い』というものでしたが、出品された作品は、初心者向けから上級者向けまで、不成や打ち換え、合駒といった基本手筋から、スイッチバックやアンピン、遠打ちや趣向といったちょっぴり高級なものまで、また実戦型から大道棋まで幅広い分野の好局が揃いました。

 今回は少し切り口を変えて、実戦派にも詰将棋の面白さを知ってもらう ために、「詰将棋は実戦の役に立つ」ということを、作品を解いたり鑑賞したりすることによって感じ取っていただけないものかと考えました。
 詰将棋に取り組むことで「読みの力を鍛え」「詰み形を覚える」ことは、棋力の向上や終盤力アップに直接つながるものです。しかしそれだけでは「面白いから詰将棋をやる」ということにはつながりにくいと思います。
 解いて楽しく、実戦の役にも立てば、たちまち詰将棋の虜になる。そういう作品を集めたいと考えた次第です。

 それでは、管理人の好みで選んだ例題を紹介させていただきます。

桑原辰雄作 将棋世界1962年2月号(『妙義図式』第2番)
桑原辰雄№02

 端正な実戦形。
 42銀がやってみたい手です。
 22玉に33銀成と捨て同桂と取らせて飛車の打ち場所を作って21飛と攻めれば、12玉、24桂、13玉、25桂の詰み。おっと25桂は同桂でダメ。そもそも33銀成に13玉でも詰みません。
 正解は33飛です。

<初手:33飛>
桑原辰雄№02_33飛

 33飛に32桂合は42銀、22玉、34桂、12玉、24桂、同桂、21馬から詰みます。
 同桂と取らせて42銀と打つのが正しい運び。
 こうしておけば、22玉に33銀と桂を取ることができます。
 33飛は桂を質駒にする捨駒だったわけです。
 そして33銀と桂を取るのは、24に利かせて33銀不成とするのが巧い手です。

<5手目:33銀不成>
桑原辰雄№02_33銀生

 33銀不成に23玉、13玉、12玉はいずれも三桂を連打すれば簡単な詰み。
 危ないようでも31玉と引くのが最善です。
 ここで23桂と捨てるのが退路封鎖の捨駒です。
 同角と取らせて、42馬と入りたくなるところですが、53馬と一歩取るのが実戦的な好手。玉から遠ざかるのでちょっと指しにくい味があります。
 21玉とかわせば、22歩と打って、12玉に24桂、13玉、25桂まで詰みとなります。
 33銀不成や23桂が詰みの局面で効果を表しています。

 今回例題を紹介するにあたって桑原さんの作品を数作取り上げさせていただきましたが、ご自身は『妙義図式』のあとがきで次のように述べられています。
 「実戦的な感覚を私なりに確実に表現すべく努力したつもりだ。実戦型を主体にしたスンナリした姿とコクのある手順こそ四分の一世紀を貫いた私の創作の基本姿勢だったと思う。」
 二上九段も同書の序文で、“力強さ”や“実戦派の感覚”に触れられています。
 本作の33飛から33銀不成にはそういう力強さやコクのようなものを感じます。

【作意】33飛、同桂、42銀、22玉、33銀不成、31玉、23桂、同角、53馬、21玉、
   22歩、12玉、24桂、13玉、25桂まで15手詰


北原義治作 (『独楽の郷Ⅳ』第98番)
北原義治_郷Ⅳ№98

 いかにも実戦に出てきそうな形です。
 73銀と72金の守りが強力でどこから手をつければよいのでしょうか。
 61馬から72馬と切るのは有力そうですが、72同玉、63金、同玉、54角成、52玉でギリギリ逃れています。
 61角成から72馬と切るのも、72同玉、63金、同玉、53金、72玉で息切れ。
 正着は61角成から73馬と銀を取る手です。
 73同金は71銀で簡単。
 また73同桂には71銀の好手があり、同金、83金、81玉、71馬の詰み。61馬や角のラインを活かして71銀と守備の72金に働きかける筋は実戦でも応用の利く手段です。
 危ないようでも73同玉と応じるのが最善です。
 73同玉には62銀が好手。

<5手目:62銀>
北原義治_郷Ⅳ№98_62銀

 62銀は同金なら83金と打つのが狙いです。先ほど出てきた変化の71銀と同様に61馬の利きを活かす手です。
 83玉と寄って凌ぎますが、82金と捨てて同玉に71銀不成と活用します。

<9手目:71銀不成>
北原義治_郷Ⅳ№98_71銀

 71銀不成は学習済みの手筋ですね。
 同玉とはとれませんから73玉とかわしますが、今度は72馬と切れば手駒に金が二枚あるので、同玉に62金と打って詰みます。

 61馬の活用を狙ったバックからの銀による攻めは実戦でも応用できる手筋です。
 銀の二段活用も気持ちの良いところです。

【作意】61角成、82玉、73馬、同玉、62銀、83玉、82金、同玉、71銀不成、73玉、
   72馬、同玉、62金、83玉、82金、73玉、72金左、83玉、82銀成まで19手詰


三桂小僧作 詰パラ1962年2月(『古今短編詰将棋名作選』第95番)
三桂小僧_短編№95

 初形を見て41銀が邪魔だと感じた方は、かなり詰将棋の手筋が身についていると思います。41には角を打ちたい形です。
 しかしいきなり32銀と捨てようとしても12玉とかわされると詰みません。
 33歩成の事前工作が必要です。
 同桂なら34角と打って詰みます。34歩も邪魔駒だったということですね。
 33同玉と取るしかないのですがそこで32銀成と捨てます。
 これも23玉は34角があるので同玉と応じます。
 待望の41角です。
 22玉なら42龍と突っ込んで簡単ですから33玉とかわします。
 ここからが本局の見せ場です。
 まず42銀不成とします。

<7手目:42銀不成>
三桂小僧_短編№95_42銀

 22玉と引く一手ですが、42銀が邪魔で42龍と入れません。
 そこで31銀不成と捨てます。
 同玉なら23桂から42龍があるので、もう一度33玉とかわします。
 ここで22銀不成と捨てるのが決め手です。

<11手目:22銀不成>
三桂小僧_短編№95_22銀

 これは同玉と取るしかなく、42龍と入れば、11玉に23桂までの詰みとなります。

 51銀を42→31→22と、不成で三回活用する楽しい作品。
 まさに「銀は千鳥に使え」でした。

【作意】33歩成、同玉、32銀成、同玉、41角、33玉、42銀不成、22玉、
   31銀不成、33玉、22銀不成、同玉、42龍、11玉、23桂まで15手詰

 三桂小僧氏(本名:岩井則幸)は、1979年に44才の若さで逝去されました。
 『三百人一局集』によると、発表数約150題で、実戦型の合駒入り作品や俗手をミックスさせた難解作を得意とされていたそうです。遺作集に『三桂の詩』(1980年刊)。


浦野真彦作 詰パラ1983年10月(『金波銀波集』第28番)
浦野真彦_金波№28

 最後に紹介するのは浦野八段の作品。
 実戦型に持駒銀四枚は作者好みの条件だそうです。
 55龍を活用したいのですが33から34に脱出口があるので、いきなり52龍などはダメです。
 初手は軽く31銀と捨てます。
 33玉なら22銀打、34玉、43銀、同玉、54銀、34玉、45龍まで。
 同玉に、32銀と打って拠点を築きます。
 42玉なら52龍、33玉、43龍、22玉、31銀で詰みますから、22玉と逃げます。
 重いようですが31銀打とします。
 12玉と逃げれば21銀と桂を取り同玉に33桂と打てば簡単ですから、33玉と応じます。
 ここで43銀成は34玉とされると足りません。
 42銀不成と活用するのが好手順です。

<7手目:42銀不成>
浦野真彦_金波№28_42銀

 同玉なら52龍~43龍~31銀という詰み筋は学習済み。
 22玉とかわしますが、33銀打と最後の銀を捨てて逃げ道を塞ぎます。
 12には21銀から32桂成があるので、同桂と取ります。これで33の退路は封鎖。
 この局面で42と32の銀がいなければ52龍と入って詰むのですが、二枚銀を消すには工夫が必要です。
 まず31銀左不成と42銀で王手です。
 12玉と逃げる一手に、21銀不成と32の銀を捨て、同玉に22銀成が決め手。

<15手目:22銀成>
浦野真彦_金波№28_22銀成

 22銀成は、同玉と取るしかなく、52龍と入れば、31玉に32龍までの詰み。

 31に打った銀を捌く手順が好感触の一局です。

【作意】31銀、同玉、32銀、22玉、31銀打、33玉、42銀不成、22玉、33銀打、同桂、
  31銀左不成、12玉、21銀不成、同玉、22銀成、同玉、52龍、31玉、32桂成まで19手詰


 今回は銀の活用が印象に残った作品を集めてみました。
 「実戦に役立つ」10手台。指将棋派が詰将棋の面白さを感じられる「教材」に相応しい作品をお待ちしています。


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年2月18日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
        投稿は→ blogsokikaitusin@gmail.com

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年4月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「ダブル不成
        投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

  ※課題によって投稿先が異なりますのでご注意ください
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以上