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詰四会に行ってきました

<詰四会に行ってきました>

詰四会参加記
 1月28日(日)詰四会に参加。
 岡山は雪が降っていました。
 瀬戸大橋線からの車窓もみぞれ模様の曇天。
 多度津にはお昼前に到着し、時間があった寒空の中、駅周辺を散策していたら、物凄いのっぽのビルを発見。
塔

 今日の天気では展望台に上っても絶景を愉しむことは難しそうなので、あきらめて近くの道の駅に顔を出しました。
 するとご当地のお菓子があったので思わずゲット。香川らしく「塩」キャラメル。パッケージも少し可愛く、お値段もリーズナブル。

菓子

 讃岐うどんで腹ごしらえしてから13時過ぎに詰四会の会場へ。
 なんとすでに7名の方がいらっしゃるではありませんか!
 須川さんとは初めて会合でご一緒しました。
 また廣瀬さんは関西を離れてから1年ぶり。
 小池さんは毎週顔を合わせているような気がします(笑)

会合の様子1

 今回は自由課題ということで数名の方が作品を持参され、皆さん解答に取り組んでおられます。
 フェアリー作品と格闘している方が結構いらっしゃるのは、その方面の実力者が揃っているから?

会合の様子2

作品も出揃って、最後は集合写真をパチリ。

集合写真
    *2/1写真差し替え

 二次会は駅近の居酒屋で。ネット世界、データベース、全国大会と、旬の話題で大いに盛り上がりました。


■創棋会の次回以降の課題
☆次回課題はネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
 昨年に続いてネット作品展「教材に使える10手台」PartⅡ を開催します。
 今回のテーマは「実戦に役立つ」ことです。 
 実戦型、囲い図式、格言の応用、実戦に応用できる手筋など、表現は自由です。

・作品投稿は下記アドレスで受付。
  ※ blogsokikaitusin@gmail.com
  ※ ペンネーム投稿もOKですが、実名を記載してください。
  ※ 投稿締切は2月17日(土)。
・2月例会で作品展の主旨に合うものを選題の上、ブログ「創棋会通信+α」で2月下旬に一斉出題します。

☆4月例会の課題は「ダブル不成」(6月号作品展)。
 「ダブル」の解釈は自由です。双方不成、同じ駒を二度不成、同一地点に二種不成など多様な表現があると思います。


■「教材に使える10手台」PartⅡ
 昨年2月にネット作品展「教材に使える10手台」を開催しました。
 詰将棋との出会いは人それぞれですが、多くの人に詰将棋の楽しさ、面白さを知ってもらうには、よりよい教材が欲しい、そういう想いから、この企画を考えました。
 そのときの条件は『教え易い、分かり易い、覚え易い』というものでしたが、出品された作品は、初心者向けから上級者向けまで、 基本手筋からちょっぴり高級なものまで幅広い分野の好局が揃いました。

 今回は少し切り口を変えて、実戦派にも詰将棋の面白さを知ってもらうために、「詰将棋は実戦の役に立つ」ということを、作品を解いたり鑑賞したりすることによって感じ取っていただけないものかと考えました。
 「読みの力を鍛える」ことだけが目的で詰将棋が楽しめるのでしょうか?
 1・3・5手をたくさん解けば「詰み形を覚える」ことはできるでしょうが、もっと幅広く奥の深い世界を知ってもらいたい。
 10手台だからこそ表現できる世界で、実戦の役にも立ち、詰将棋の楽しさも知ってもらえる、そういう作品を集めたいと考えた次第です。

それでは、管理人の好みで選んだ例題を紹介させていただきます。

山中龍雄作 中国電力将棋部報1966年10月号(『山中龍雄作品集』第17番)
山中龍雄№17

 14金と打つ手が見えています。取れば15飛までの一手詰。しかし22玉で続きません。
 25桂も14玉なら15金があるので魅力的ですが、22玉とされると33金にも11玉と逃げられ詰みません。
 上部に脱出させず22玉とされても詰む手があるのでしょうか?
 もう一手いい手がありますね。
 14飛とドカンと捨てる手がありました。

<初手:14飛>
山中龍雄№17_14飛

 同玉と取られると持駒金桂で詰むのかなと心配になりますが、15金、13玉に31角成から25桂でピッタリ詰みます。この上下から挟撃する詰み筋は実戦でも応用の利くところかと思います。
 22玉と逃げるしかありませんが、34桂と打てば11に潜り込むことはできませんから32玉と寄る一手。
 ここで31角成と捨てるのが気持ちの良い一手です。
 取れば42金まで。43玉も42桂成とすれば14飛の横利きが通って簡単な詰み。
 33玉と立って凌ぎますが、43金が最後の決め手。

<7手目:43金>
山中龍雄№17_43金

 43金には同玉と応じるしかなく、42桂成とすれば、33玉に32馬までの詰み。

 短手数ながら、14飛、31角成、43金といった小気味よい手が続き、飛車角が作意にも変化にもよく働く作品でした。

【作意】14飛、22玉、34桂、32玉、31角成、33玉、43金、同玉、
    42桂成、33玉、32馬まで11手詰


蟹江義長作 (『実戦形パラダイス』第98番)
蟹江義長_実戦パ№98

 23銀や23角とすればすぐに詰みそうな格好です。 
 しかし23銀では13玉、31角に22桂合や歩合で続きません。
 正解は23角です。13玉なら14銀、22玉、41角成と進めて開き王手です。これをどう防いでも23銀成から簡単な詰み。飛角コンビの開き王手も実戦で応用の利きそうな筋です。
 最善は22玉となります。
 ここで14角成とすれば、24に何を合いしても23銀打から詰みます。
 しかし玉方には24銀と移動合する巧い受けがありました。

<4手目:24銀>
蟹江義長_実戦パ№98_24銀

 24銀移動合は33に逃げ道を用意する受けの妙手です。
 玉の逃げ道を塞いでいるのは攻め方だけではありません。味方の駒が邪魔していることもあります。ここでは33銀が自玉の逃げ道を塞いでいたので、それを動かして脱出路をつくったわけです。この考え方は実戦でも通用する場合があると思います。
 24銀に23銀などでは33玉と逃げられ、24馬と追っても44玉とかわされ43桂がよく利いていて続きません。
 平凡に同飛とします。
 33玉のとき、23飛成は44玉でダメだし、23馬も42玉で続きません。44銀が筋らしいのですが、同銀、23飛成、42玉となると今度は53から脱出されます。
 絶好の一手があります。42銀と捨てるのです。

<7手目:42銀>
蟹江義長_実戦パ№98_42銀

 同銀は44銀までですから42同玉の一手。
 これで22飛成と飛び込んで王手が出来ます。
 42銀は逃げ道に先着する好手筋でした。
 22飛成に51玉と逃げられそうなところで41馬と捨てるのが決め手です。
同玉と取らせて52銀までの詰み。
 本作も24銀移動合や42銀の好打を配して、飛角がよく働く作品でした。

【作意】23角、22玉、14角成、24銀、同飛、33玉、42銀、同玉、22飛成、51玉、
   41馬、同玉、52銀まで13手詰

 蟹江義長氏は詰パラ同人作家で実戦型を得意とされました。平成24年に逝去。


柏川香悦作 将棋世界1992年9月
 (『詰将棋半世紀』第150番、『現代詰将棋短編名作選』第182番、)
柏川悦夫_現代短№182

 離れたところにある32と が意味ありげ。 
 持駒は強力ですが金気がないので詰み形を想定しながら手を進めましょう。
 83から94の脱出ルートが見えているので、94角と打ってみたくなりますが、同香とされると戦力不足。
 初手は61角とします。玉は下段に落とせ です。 
 同玉なら83角、72合、53桂があるので、82玉と寄ります。
 83飛は92玉で続きません。74桂から73角も同桂と応じられて詰みません。
 ここで目の覚めるような好手順があります。
 74桂と捨て、同歩と取らせてから、73金のタダ捨てです。

<5手目:73金>
柏川悦夫_現代短№182_73金

 64金は、攻めの拠点で、上部脱出を防ぐ要の駒。それを捨てるのは意表の一手です。
 スッと73に滑り込む感触もたまりません。
 73同桂なら83飛から81角があるので同玉の一手ですが、この局面、詰むのかと不安になります。
 ここで55角が盤上この一手の限定打。64合には83飛の一発を見ています。 
 63玉と寄る一手に64飛と押さえます。
 73玉と戻れば54飛と寄って詰みますから、53玉と空中遊泳のように逃げますが、最後の決め手が43角成です。

<11手目:43角成>
柏川悦夫_現代短№182_43角成

 同玉に33角成、53玉、42馬までの詰み。
 緊張感のある詰め上がりも解後感を良くしています。
 妙手73金を中心に、二枚角を打った後で活用するところなども気持ちの良いところです。
 アクロバティックな展開ですが、大駒の力を感じさせてくれる一局でした。
 本作は見事将棋世界誌の年間最優秀作に輝きました。

【作意】61角、82玉、74桂、同歩、73金、同玉、55角、63玉、64飛、53玉、
   43角成、同玉、33角成、53玉、42馬まで15手詰


谷向奇龍作 近代将棋1966年5月(『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』第108番)
谷向奇龍_中編№106

 額に入れて飾っておきたくなるような好形作。
 しかし73と93に脱出口があります。
 たとえば62飛成は軽く93玉と上がられて手も足も出ません。
 93玉を防ぐには71角しかないのですが、73玉と上がられると今度は84の逃げ道が心配です。
 84に逃がしたくないので62角成とすれば、82玉なら72金、93玉、84金の手筋で詰みますが、64玉とされると太海原に脱出されそうです。
 しかし44馬と引いて開き王手をすると、脱出を阻止することができます。

<5手目:44馬>
谷向奇龍_中編№106_44馬

44馬に75玉なら、66馬、86玉に76金と打って詰むのですが、ここまで読めないと62角成は指せません。62角成は心理的妙手でした。
73玉と戻ったときに63飛成が強手(44馬に63合は作意に還元して駒余り)。

<7手目:63飛成>
谷向奇龍_中編№106_63龍

 63飛成に84玉は、75金という妙手があります。
 同歩なら74金、95玉、77馬、86合、83龍以下。同玉なら、66馬、86玉、83龍、85合、76金以下。変化はありますがいずれも駒余りの詰み。
 やむなく同玉と応じますが、54金と押さえ、73玉に62馬が決め手。
 取れば金二枚ありますから63金打ちから簡単。
82玉と逃げますが、72金、93玉に84金が逃げ道を塞ぐ常用手筋で、同歩と取らせて71馬と入れば、83玉に82馬までの詰みとなります。

端正な実戦型から上部追い出しの不利感ある手順を、63飛成や62馬などの大駒捨てを盛り込んで解いて気持ちの良い作品に仕上げられています。

【作意】71角、73玉、62角成、64玉、44馬、73玉、63飛成、同玉、54金、73玉、
   62馬、82玉、72金、93玉、84金、同歩、71馬、83玉、82馬まで19手詰


 今回は大駒の力を活かした作品を集めてみました。
 「実戦に役立つ」10手台。指将棋派が詰将棋の面白さを感じられる「教材」に相応しい作品をお待ちしています。


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年2月18日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
    https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
         投稿は→ blogsokikaitusin@gmail.com

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年4月15日(日)13時~
[場所] 将棋会館 4F和室
[会費] 千円(学生無料)
[課題] 「ダブル不成」
        投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

※課題によって投稿先が異なりますのでご注意ください

***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
    blogsokikaitusin@gmail.com

以上
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第271回例会報告(2018/1/21)

第271回例会報告

日時:1月21日(日)13:00~17:30
場所:関西将棋会館 4F多目的ルーム
参加者:上田吉一、川島敏嗣、kisy、小池正浩、小島正司、小林徹、則内誠一郎、
    谷本治男、冨永晴彦、鳥本敦史、中出慶一、中村雅哉、中村宜幹、野曽原直之、
    服部彰夫、松重郁雄、吉松智明(以上17名)

 遠方より参加は、小池さん、松重さんと、鳥本さん、服部さん、川島さんの香龍会の皆さん。また川島さんは初参加。
 奨励会開催日ということで幹事の北浜八段も少しだけ顔を出されました。

 今回、課題はなく、「発表コーナー」と題して各人発表したい作品があれば、A3用紙に問題を書いてホワイトボードに貼り出し、参加者で鑑賞することにしました。
 また年賀詰について、中出さんが持参された年賀詰と、「おもちゃ箱」の年賀詰一覧を各テーブルに置き、皆さんにご覧いただくこととしました。
 今回の目玉は「砂丘セレクション」。服部さんの作品集刊行準備中ということで、既刊の「砂丘」から抜粋した作品を皆さんに配付して解いていただこうというもの。

 「発表コーナー」は事前告知が不足していたにもかかわらず、松重・kisy・中出・中村(宜)・冨永・谷本の各氏から新題を出品いただきました。

 16時過ぎから作者による発表コーナーの解題。どの作品も特徴のあるものばかりで、いずれ発表されるものと思います。
 また「教材も使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」では則内さんから一作紹介があり、皆さんに投稿を促されました。
 服部さんが参加されているので12月号同人室の作品を解説してもらいました。「柿木」で解けない難解作という評判の作であり、服部さんの解説に、参加者一同ため息と驚きの入り混じった反応。結果稿が楽しみです。

 最後に事務担当から今後の予定について連絡があり、17時半過ぎから新年会会場に移動。
 新年会の会場は「大和水産 福島店」。
 冨永さんが所用で欠席され、残る16名でにぎやかな楽しいひと時を過ごしました。

【例会・新年会風景】(氏名略)
271例会風景1724

271例会風景1726

271例会風景1733

271例会風景1736

271例会色紙1733

■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年2月18日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
        投稿は→ blogsokikaitusin@gmail.com

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年4月15日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 和室
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「ダブル不成
        投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

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以上

九州Gに行ってきました

<九州Gに行ってきました>
■九州G参加記
1月2814日(日)に開催された九州Gの会合にお邪魔させていただきました。
   ※1/20訂正
九州勤務の経験もあるのですが、九州Gの会合にはなぜか参加する機会がなく、今回初めての出席となりました。
 開催場所は博多市民センター。博多駅から歩いていきましたが20分もかからずに到着。
 隣は山王公園、梅や桜が咲いているときに来れば風情がありそうです。

<山王公園>
公園

<博多市民センター>
市民センター

 九州Gの会合も今回が60回とのこと。昭和の時代から続いているそうです。
 13時スタートということで会合が開かれている会議室にお邪魔すると、すでに酒井さん、八尋さん、坂田さん、古森さんが盤駒を広げておられます。
 しばらくすると倉掛さん、千々岩さん、小池さん、太田さん、少し遅れて石川さんが顔を出されました。
 私は初参加なので自己紹介しながら皆さんに創棋会のPRを行いました。
 九州Gでは課題作は各自がA3の図面用紙にマジックで手書きしてホワイトボードに貼り、それを参加者一同が解くという形式です。
 皆さんが解答に黙々と取り組んでいる様子は創棋会に似た感じ。
 また会場で課題作の創作を試みる方がいらっしゃるのもまったく同じで、詰将棋の会合は雰囲気に共通点があるものだと思いました。
 解答選手権が近づいているということで、今年の運営についても種々確認が行われていました。
 会合終了後は二次会。博多駅近くに移動して居酒屋へ。今日のお店は注文も料理が出てくるスピードも普通でした(笑)。
 九州Gの皆さん、お世話になりありがとうございました。

<集合写真>
集合写真


■創棋会の次回以降の課題
☆次回課題はネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
 昨年に続いてネット作品展「教材に使える10手台」PartⅡを開催します。
 今回のテーマは「実戦に役立つ」ことです。
 実戦型、囲い図式、格言の応用、実戦に応用できる手筋など、表現は自由です。

・作品投稿は下記アドレスで受付。
  ※ blogsokikaitusin@gmail.com
  ※ ペンネーム投稿もOKですが、実名を記載してください。
  ※ 投稿締切は2月17日(土)。
・2月例会で作品展の主旨に合うものを選題の上、ブログ「創棋会通信+α」で2月下旬に一斉出題します。

☆4月例会の課題は「ダブル不成」(6月号作品展)。
 「ダブル」の解釈は自由です。双方不成、同じ駒を二度不成、同一地点に二種不成などさまざまな表現があると思います。


■「教材に使える10手台」PartⅡ
 昨年2月にネット作品展「教材に使える10手台」を開催しました。
 詰将棋との出会いは人それぞれですが、多くの人に詰将棋の楽しさ、面白さを伝えられるような教材が作れるといいのではないか、そういう想いから、この企画を考えました。
 そのときの条件は『教え易い、分かり易い、覚え易い』というものでしたが、今回は少し切り口を変えて、実戦派にも詰将棋の面白さを知ってもらうために、「詰将棋は実戦の役に立つ」ということを、作品を解いたり鑑賞したりすることによって感じ取っていただけないものかと考えました。
 「読みの力を鍛える」という目的だけで詰将棋に取り組むのは、ちょっともったいない感じがします。1・3・5手をたくさん解いて「詰み形を覚え」た方には、少し長めの手数にチャレンジしてもらい、そこで何か実戦に応用の利くものをつかみ取るとともに、詰将棋の面白さや楽しさを知ってもらう、そういう作品を集めたいと考えた次第です。

 それでは、管理人の好みで選んだ例題を紹介させていただきます。


桑原辰雄作 将棋世界1955年11月号(『妙義図式』第43番)
桑原辰雄№43

 きれいな実戦型です。盤面も9枚で、手をつけてみようと思う好形。
 どこから手をつけましょうか?
 22角では14玉と上がられて手がありません。
 24角が同歩なら22馬から32飛成、13玉、23金を見てよさそうな手ですが、24角に14玉で続きません。
 初手は22馬と捨てるのが好手です。

<初手:22馬>
桑原辰雄№43_22馬

 手がかりを無くすようで指しにくい妙手です。
 14玉なら24金、同歩、23角までですから、22同玉と応じるしかありません。
 ここで32飛成を急ぐと13玉から14玉という脱出が防げません。また31金がなければ角が打てるので32金と引く手もありそうですが、13玉とかわされると続きません。
 ここは俗手ですが21金と桂馬を取るのが継続手段です。13玉なら22角、14玉、26桂までと奪った桂で詰めます。12玉と寄っても13金と捨てれば同じ手で詰みます。
 やむなく21同玉と取ったところで、43角と打ちたくなりますが、軽く12玉とかわされると、次の手がありません。
 上部脱出を防ぐ13桂が常套手段です。

<5手目:13桂>
桑原辰雄№43_13桂

 同香と取ってくれれば、今度こそ43角と打ち、12玉には11金から31飛成で詰みます。
 取らずに12玉とかわしたときに22金が決め手。
 同玉なら31角から32飛成の筋がありますから13玉と上部脱出を図りますが、構わず23金と歩を取って同玉に41角と打てば詰形です。
 12玉には13歩とたたき、同玉と取らせて33飛成とすれば、12玉に23龍までの詰み。

 意表を突く22馬にはじまり、俗手の21金、逃げ道封じの13桂と、実戦的な手や詰将棋らしい手筋が盛り込まれた好局です。

【作意】22馬、同玉、21金、同玉、13桂、12玉、22金、13玉、23金、同玉、
   41角、12玉、13歩、同玉、33飛成、12玉、23龍まで17手詰


中田章道作 中日スポーツ1993年3月(『月下美人』桂香図式の部第11番)
中田章道_月下_桂香№11

 初形は小駒だけ。43の逃げ道が気になりますが、今のところ持駒に金があるので大丈夫です。
 4筋の配置が重いので捌きたいのですが、33銀成とカッコよく捨てるのは同玉、42角に32玉や22玉とされると続きません。
 この形は詰将棋に慣れた人なら、24桂・同歩・41角・22玉・23金という手順が浮かぶところでしょう。
 となると41金が邪魔だからこれを消します。
 31金と寄って22玉に32金と引きます。
 同玉と応じたところで24桂と捨てます。

<5手目:24桂>
中田章道_月下_桂香№11_24桂

 24桂を同歩と取れば41角から23金があるので同銀の一手。これで24の逃げ道もなくなりました。
 24桂は、同歩と取れば23に空間が出来、同銀なら逃路封鎖できるという、効果的な犠打でした。
 同銀には41角と打ち、22玉に31銀不成と捨てます。同玉に32金までの一手詰を狙っています。この角銀コンビの詰み筋も良く出てくるパターンです。
 同玉と取れないので33玉とかわしたところで32角成が決め手です。
 41角と捨てた角を二段活用するのは気持ちの良い手です。

<11手目:32角成>
中田章道_月下_桂香№11_32角成

 32角成は、同玉と取るしかなく、42歩成、33玉、32金までの詰みです。

 邪魔駒消去、逃路封鎖、角の二段活用と楽しめる作品でした。

【作意】31金、22玉、32金、同玉、24桂、同銀、41角、22玉、31銀不成、33玉、
    32角成、同玉、42歩成、33玉、32金まで15手詰

 中田章道七段は2004年に引退されましたが、現在も将棋世界で「実戦に役立つ5手7手詰」を連載中。
 詰将棋作家としての活動は早く、詰パラには1970年4月号に初入選。作品集に『駒の詩』(1983年将棋天国社発行)などがあります。


北原義治作 (『独楽の郷Ⅳ』第68番)
北原義治_郷Ⅳ№68

 実戦に現れそうな初形。62龍の王手に72金合としたところでしょうか。
 62龍が強力なので、74桂、同歩、73金としたくなります。しかし平凡に同桂と応じられると駒不足。
 他には手がなさそうですが、こういうときの常套手段があります。
 94桂、同歩とこじ開けて、93金と捨てるのです。

<3手目:93金>
北原義治_郷Ⅳ№68_93金

 玉桂香の三枚が利いている焦点にタダで捨てる93金はインパクト十分。
 同桂なら、今度こそ74桂から73金があります。
 同香なら92金が送りの手筋です。92同玉に72龍と金を取り、82合には84桂から詰みます。
 同玉と取るしかありませんが、85桂と拠点を築きます。84玉なら75金の一手詰ですから82玉と戻りますが、85に桂馬がいるので、今度は74桂と捨て同歩に73金と打ち込む俗手攻めが利きます。

<9手目:73金>
北原義治_郷Ⅳ№68_73金

 これは同桂と取るしかありませんが同桂成と出来ます。
 93玉と逃げても奪った桂を85に打てば84玉と逃げだす一手です。
 以下は、74成桂と歩を取って、同玉に75歩と打ち、84玉に64龍までの詰みです。

 93金の焦点捨て、73金からの俗手攻め、変化にも送りの手筋が出てくるなど、実戦に応用できそうな手が出てくる一局でした。

【作意】94桂、同歩、93金、同玉、85桂、82玉、74桂、同歩、73金、同桂、
   同桂成、93玉、85桂、84玉、74成桂、同玉、75歩、84玉、64龍まで19手詰


本田 勇作 将棋世界2004年5月(『現代詰将棋短編名作選』第284番)
本田 勇

 美濃囲いです。64角から74桂と打って81玉まで追い込んだ局面のようですね。
 金銀があれば簡単ですが、あいにく持駒は飛び道具ばかり。
 93桂、同香、83香、同銀、91飛、同玉、73角成という虫の良い手順が目につきますが、これは91飛に72玉で詰みません。
 初手は平凡に82香と打ちます。
 71玉と寄ったところで、72銀がなければ81飛と打てるのですが、83桂は同銀、81飛、72玉と逃げられます。
 どうやら63の逃げ道を塞いでおく必要がありそうです。
 63桂と捨てます。

<3手目:63桂>
本田 勇_63桂

 今度同銀なら81香成と捨て、同玉に83(82)飛と打換えれば簡単ですから同金と応じます。
 ここでちょっといい手が見えます。
 83桂、同銀としてから、53角成と捨てます。
 同金なら81飛、72玉、61飛成で詰み。同飛でも81飛、72玉に64桂が利いて同金、61飛成で詰みです。
 ところが53角成に72玉と立たれると詰まないのです。72玉に64桂としても同飛で続きません。
 63桂、同金のとき、すぐに53角成と捨てるのが妙手です。
同金なら、83桂と捨て、同銀に81飛から61飛成がありますから同飛が最善です。
それでも83桂と捨て、同銀、81飛、72玉のとき、64桂が決め手です。

<11手目:64桂>
本田 勇_64桂

 64桂は同金の一手。これで金の守りが消えましたから、61飛成と切り、同玉に62金までの詰です。

 53角成が素晴らしい一手ということはわかりましたが、3手目にいきなり捨てるとどうなるのでしょうか?
 それは、同飛、63桂、同飛とされて詰みません。
 手順前後を許さない63桂から53角成のコンビネーションは絶妙です。

 最後に『現代詰将棋短編名作選』の解説から引用させていただきます
 「詰将棋マニアでなくても手を付けて見たくなる初形というのは、大切な要素の一つ。本作のような作品が、普段詰将棋を楽しまない人にも広く知られる機会があれば、大変うれしい。」(廣瀬崇幹)

【作意】82香、71玉、63桂、同金、53角成、同飛、83桂、同銀、81飛、72玉、
   64桂、同金、61飛成、同玉、62金まで15手詰


 今回は初形や手順に実戦らしさの感じられる作品を集めてみました。
 「実戦に役立つ」10手台。指将棋派が詰将棋の面白さを感じられる「教材」に相応しい作品をお待ちしています。


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし(皆さんの発表したいことがあればお願いします)
  ※終了後新年会開催!
  <日時>1月21日(日)18時~
  <場所>大和水産 福島店
     TEL:06-6458-8581
     大阪市福島区福島5-13-18 福島ビル 1F
      JR大阪環状線福島駅 徒歩1分
        *駅を出て南側、二本目の通り(マクドナルドがあります)を西に曲がって直ぐ。
     参考URL https://r.gnavi.co.jp/496uttxr0000/

   <会費>3千円(学生・女性千円)
     ★参加いただける方は、予約の都合もあるので、下記宛ご一報いただければ幸いです。
        blogsokikaitusin@gmail.com

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年2月18日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
        投稿は→ blogsokikaitusin@gmail.com

***【その次の例会と課題】********************************************
[日時] 2017年4月15日(日)13時~
[場所] 未定(将棋会館または公共施設)
[会費] 未定
[課題] 「ダブル不成」
        投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

   ※課題によって投稿先が異なりますのでご注意ください

***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
      blogsokikaitusin@gmail.com
以上

詰パラ1月号到着

<詰パラ1月号到着>

 あけましておめでとうございます。
 本年も創棋会とブログ「創棋会通信+α」をよろしくお願いします。

門松

■詰パラ1月号が到着
・表紙。有山さんは昨年12月号の創棋会作品展でも登場。少ない駒で合駒を紡ぎ出すのが巧みな方という印象です。スマホ詰パラで活躍されているという話から若い方を想像していましたがシニアの方とは意外。創棋会では世代の近いメンバーも多いのでぜひ顔を出していただきたいものです。
・詰将棋学校(12P~)。新年号です。各校の担当者の言葉から意気込みがうかがえます。
 小学校:今年が最後の担当とのこと。
 中学校:意欲的な狙いの追求と、解き心地の良さを両立。ハードルが高そうですが同感。
 高校:短評採用のツボが紹介されています。載らなくてもいいから解説者に読んでほしいという場合もありますが、短評が活字になるのは嬉しいものです。
 短大:毎回食指をそそる問題がありながら解答提出に至らず…。
 大学:年始に相応しい、しかもこの顔ぶれなら、楽しい作品が揃っていることでしょう。
 大院:1番は見るからに趣向っぽいですね。
・段級位認定(18P~)。プロ棋士、同人作家、看寿賞作家をはじめ実力者揃いのすごい顔ぶれです。
・内藤国雄の小ルーム(20P~)。締切が笑えます。毎号問題よりエッセーが面白いですね。
・新春詰将棋(22P~)。勝浦九段の特別出題。
・新人コンクール(23P~)。③の方は10月号に続く本コーナー登場。
・詰備会作品展(24P~)。②④は、手順どころか初形も記憶になし。作品鑑賞でPCからの投影を眺めただけなので忘却の彼方…。やはり少しでもアタックしていないと記憶に残らないものですね。
・全詰連の頁(24P~)。解答選手権と全国大会の話題。また「将棋が強くなる実戦1手詰」出版の予告も。柳田さんの精力的な活動には頭が下がります。
・持駒のある風景(26P~)。AIの囲碁ソフトが機械学習で強くなったという話はすっかり有名になりましたが、創作も機械学習が可能なのか?素人考えですが、創作は実戦と違って白黒の決着がつく世界ではないのでなかなか難しいように思いますが、どうなのでしょうか。
・おもちゃ箱だより(28P~)。年賀詰に関する記事。昨年は創棋会でもネットで年賀組曲を発表しましたが、今年は年賀詰の企画はなかったので、皆さんの作品を鑑賞させていただきたいと思います。
・ちえのわ雑文集(32P~)。石黒さんの「社団戦・参加者募集」。職団戦のように一日だけではなく数ヶ月かけて戦うというのは知りませんでした。詰パラのゼッケン着用は結構なPR効果が期待できますね。それにしても全国区のすごいメンバーを集めたもんですね。
・読者感想文(44P~)。知識の涵養に役立つというのは同感。私も例題探しでお世話になっています。
・サロン(45P~)。谷口均さんの「無駄合定義」の話。内容はほぼ同感ですが、解いた瞬間に有効っぽく感じる手というのはあり、定義上「無駄」とわかっていても違和感が残ります。これは個人差のあるところかと思います。
・会合案合(48P~)。1月も各地で例会開催。今月掲載外の九州Gやたま研も数えると8か所!創棋会は1月21日(日)が例会と新年会です。みなさんのご参加お待ちしています!
・デパート。今月から長谷川大地さんの担当。倉敷の全国大会では握り詰をその場で解くという凄腕を披露されました。また昨年の解答選手権ではアマチュアトップの成績でした。実力者の担当ということで今後に期待。

■創棋会の次回以降の課題
☆次回課題は「実戦に役立つ10手台
 本年2月は昨年に続いてネット作品展「教材に使える10手台」PartⅡ を開催します。
 今回のテーマは「実戦に役立つ」ことです。
 実戦型、囲い図式、格言の応用、実戦に応用できる手筋など、表現は自由です。

☆4月例会の課題は「ダブル不成」(6月号作品展)。
 「ダブル」の解釈は自由です。双方不成、同じ駒を二度不成、同一地点に二種不成など色んな表現があると思います。

■「教材に使える10手台」PartⅡ
 昨年2月にネット作品展「教材に使える10手台」を開催しました。
 詰将棋を生涯の趣味にできるかどうかはその出会いが影響するので、多くの人に詰将棋の楽しさ、面白さを伝えるには、よりよい教材が欲しい、そういう想いから、この企画を考えました。
 そのときの条件は『教え易い、分かり易い、覚え易い』というものでしたが、出品された作品は、初心者向けから上級者向けまで、 基本手筋からちょっぴり高級なものまで幅広い分野の好局が揃いました。

 今回は少し切り口を変えて、実戦派にも詰将棋の面白さを知ってもらうために、「詰将棋は実戦の役に立つ」ということを、作品を解いたり鑑賞したりすることによって感じ取っていただけないものかと考えました。
 「読みの力を鍛える」ことだけが目的で詰将棋を始めても、苦痛でしかなければ長続きしません。また「詰み形を覚える」なら、1・3・5手をたくさん解けばよいという考え方に一理あります。
 しかし詰将棋は幅も広ければ奥も深く、楽しい世界です。
 10手台だからこそ表現できる世界で、実戦の役にも立ち、詰将棋の楽しさも知ってもらえる、そういう作品を集めたいと考えた次第です。

 それでは、管理人の好みで選んだ例題を紹介させていただきます。

北原義治作 (『独楽の郷Ⅳ』第32番)
北原義治_郷Ⅳ№32

 いかにも実戦に現れそうな端正な好形。
 43金と13銀が守りに良く利いています。
 14桂が手筋風ですが、12玉とかわされます(14同銀なら31角から22金で詰み)。以下22金から清算しても22同玉、31角、12玉で息切れ。
 31角から13角成と切るのが実戦的な好手段
 実戦でも守りの金銀をはがすのは寄せの有力手段。
 13同桂と応じれば、22金、同玉、14桂、12玉、21銀、同玉に43馬と金を取って詰みます。
 最善は13同玉となります。
 25桂と打ち12玉と引いたときに、13金が好手。
 実戦では金を残したくなるところで、やや打ちにくい手です。

<7手目:13金>
北原義治_郷Ⅳ№32_13金

 13金は同桂と取るしかありませんが、同桂成、同玉と清算して、再度25桂と打ちます。
 12玉では13銀、21玉に43馬があるので22玉と逃げますが、33銀と打ち込みます。平凡ですが数の攻めは切れません。実戦の寄せでも大事なところかと思います。
 12玉と寄れば、13桂成が決め手です。

<15手目:13桂成>
北原義治_郷Ⅳ№32_13成桂

 13桂成は同玉と取るしかありませんが、そこで31馬と入れば33銀の効果で24には逃げられませんから、12玉に22馬までの詰みとなります。この馬(角)を使った収束は良く出てくる筋ですから実戦の役にも立つと思います。
 なお7手目に銀を打つと13手目は33金と打つしかなく、図で24に逃げ道が出来てしまいます。

【作意】31角、12玉、13角成、同玉、25桂、12玉、13金、同桂、同桂成、同玉、
    25桂、22玉、33銀、12玉、13桂成、同玉、31馬、12玉、22馬、まで19手詰

 北原義治さんは1935年生、2004年逝去。詰パラ初の同人作家で塚田賞15回受賞、発表は1000作以上という昭和詰将棋界の巨匠。
 『独楽の郷Ⅳ』は2000年8月に独楽工房・北風庵から発行。北原さんの自家製本で、実戦型未発表作が100局収録されています。

柏川悦夫作 まりも集1951年11月(『駒と人生』第30番)
柏川悦夫_人生№30

 攻方は42銀と24馬の強力な包囲網に持駒も豊富。
 実戦的に31角から清算するとどうでしょうか。31角、同飛、同銀、同玉に32飛と捨てると同玉、42飛、31玉、43桂で詰みます。しかし31角を取らず32玉とされると、33銀成、同銀、52飛、31玉、13馬、41玉でギリギリ逃れています。
 それでは14桂と持駒に桂があれば打ってみるのが詰将棋の常套手段。同金なら23飛、12玉、13歩、同桂、21角、同飛、同飛成、31飛と打って詰みます。しかし32玉と寄られると、54角、同歩、22飛と攻めても43玉でどうも詰みません。
 この変化で42銀が無ければ簡単に詰むことに気がついたら正解が見えてきます。
 まず31銀不成と捨てて42銀を消しにかかります。31同飛なら今度こそ14桂があり、同金、23歩、32玉、42飛までです。
 同玉と取ったときに、22角と捨てるのが好手。

<3手目:22角>
柏川悦夫_人生№30_22角

 41玉なら42飛から43桂ですから、同玉と取ります。
 これで不思議なことに原形から42銀を消すことに成功しました。
 あわてて14桂とすると31玉で詰まないので、52飛と打ちます。52から離して打つのが大事なところで、42飛だと32香合、14桂、31玉で詰みません。52から打っておけば42飛成と出来ます。格言通り「大駒は離して打て」です。
 52飛には42に利かして32金合と金の合駒が最善です。
 それでも14桂と攻めます。

<7手目:14桂>
柏川悦夫_人生№30_14桂

 14桂は同金と取らせて23歩を打つのが狙いです。金の頭に桂を打つのは詰将棋では有名な手筋ですが、実戦でも玉方金の守りを弱める手として応用範囲の広いものだと思います。
 14桂に同金と応じれば、23歩、31玉に32飛成と合駒の金を取って42金までの詰みとなります。

 自然な形から邪魔駒消去が現れるという柏川さんらしい意外性のある一局。
 42銀消去の後は、離し飛車や金頭桂の手筋などが実戦にも有用かと思います。

【作意】31銀不成、同玉、22角、同玉、52飛、32金、14桂、同金、23歩、31玉、
   32飛成、同玉、42金まで13手詰

 柏川悦夫さんも詰将棋界の巨匠のお一人です。このブログでも数々の好作を紹介させていただきました。


二上達也作 将棋世界1980年8月号
  (『将棋魔法陣』「二上詰将棋珠玉篇」第40番、『現代詰将棋短編名作選』第42番)
二上達也_現代短№42

 玉方の守りは34金だけ、攻方は51龍と53角に手駒も金銀とくれば、どうやっても詰みそうです。
 ただ逃げ場所が43と23に開いているので注意して攻めなければなりません。
 たとえば31龍とすると、23玉なら32銀と打ち24玉に22(21)龍とすれば、53角の利きが強力で捕まりますが、43に逃げられると34金の守りが強く、44金、同金、42龍と追っても54玉、44龍、65玉と大海に脱出されます。かといって42龍では23玉とされ32銀、24玉で龍の応援が利きませんから詰みません。
 正解は51龍を一マス動かして捨てる41龍です。同玉は42金まで、また23玉も23銀から21龍があります。
 41龍は43玉も23玉も許さない一手で、まるで十字飛車のようですね。
 22玉と寄るしかないのですが、ここで31角成では23玉と立たれて上部脱出。また23金から32銀は攻め急ぎで、13玉とかわされると続きません。
 もう一度31龍と寄るのが地味ながら好手段。

<3手目:31龍>
二上達也_現代短№42_31龍

 12玉なら32龍、また23玉なら32銀がありますから、13玉と逃げます。
 そこで23金と捨ててから、同玉に32銀とするのが正しい手順。ここは大事な変化があるので後述します。
 32銀に24玉は22龍があるので13玉とかわしますが、かまわず22龍が決め手です。

<9手目:22龍>
二上達也_現代短№42_22龍

 れは同玉の一手ですが、31角成と活用し、12玉に13歩と打てば同桂と取るしかなく、21馬までの詰みとなります。
 ところで7手目の32銀で21龍と桂を取る手があります。これには22歩合としますが、そこから32銀、13玉、22龍と同じように攻めることができます。同玉に31角成、12玉となった局面はなんと打歩詰。
 作意は21桂を残しておいたので13歩が打てるという仕組みになっています。先に32銀と打ったのは平凡なようでも取れる駒を取らずに攻める高級手段だったというわけです。

 攻方の龍が41→31→22と一マスずつ動いて玉を仕留めるのはユーモラスな手順ですが、龍を縦横に働かすのは実戦にも役に立つ駒の活用方法ではないでしょうか。
 また逃れ順のトリックも良く出来ています。さりげない実戦型から妙味ある手順が繰り出される好短編でした。

【作意】41龍、22玉、31龍、13玉、23金、同玉、32銀、13玉、22龍、同玉、
   31角成、12玉、13歩、同桂、21馬まで15手詰

 二上達也さんもプロ棋士として活躍されただけでなく、詰将棋作家としても非常に大きな足跡を残されました。


植田尚宏作 近代将棋1959年1月号(『古今中編名作選』補遺第11番)
植田尚宏_中編補№11

 本作も4×4に収まった好形実戦型。
 初手32飛のような数の攻めは14角が利いているので詰みません。
 ここは33銀と打ち、同桂と取らせて21飛と拠点を作るのが好手段。守備駒を動かしてその空間に駒を打つのは応用の利く手です。なお33銀に12玉と逃げるのは22飛、同銀、21馬の好手筋があり、同玉に32金打で詰み。また23玉と上がるのも32銀引で簡単。
 21飛に12玉と寄ったとき、24桂と捨てるのが軽手。これは同金の一手ですが、守備力が弱体化しました。実戦でも「金は斜めに誘え」という格言があります。
 同金と取らせたところで、11飛成と捨てるのが好手。11香を取るのがちょっと実戦的。

<7手目:11飛成>
植田尚宏_中編補№11_11飛成

 24桂捨の効果で上部脱出は出来ませんから、11飛成は同玉の一手です。
 ここで33馬としたくなりますが、軽く12玉と立たれると角金銀の守りが強く詰みません。
 13香と打つのが継続手段です。金を24に動かしたのは、13に空間を作るためでした。
 12に合すると21金までの詰みですから、22玉とかわしますが、ここで21馬と捨てるのが決め手です。

<11手目:21馬>
植田尚宏_中編補№11_21馬

 21馬は同玉なら12金を見た強手。「玉を下段に落とす」ことが狙いです。
 やむなく13玉とかわしますが、12金と打ち、23玉に32銀不成と捨てるのが最後の好手。同銀に22馬まで清涼詰となりました。
 実戦型から11飛成や21馬の大駒捨てを中心に、コクのある手順が展開される好局ですが、「金を斜めに誘う」「玉を下段に落とす」というのは実戦でも役に立つ手筋です。

【作意】33銀、同桂、21飛、12玉、24桂、同金、11飛成、同玉、13香、22玉、
   21馬、13玉、12金、23玉、32銀不成、同銀、22馬まで17手詰

 植田尚宏さんは軽快派と呼ばれ数々の好短篇を発表された昭和詰将棋界の巨匠のお一人。現在も将世や詰パラに好作を出品されています。


 今回は詰将棋の巨匠による実戦型の特集でした。いずれもきれいな実戦型から、好手妙手が飛び出します。実戦に応用の利く手段も盛り込まれていて、指将棋派にも楽しんでいただける好作揃いかと思います。


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし(皆さんの発表したいことがあればお願いします)
  ※終了後新年会開催!
  <日時>1月21日(日)18時~
  <場所>大和水産 福島店
    TEL:06-6458-8581
    大阪市福島区福島5-13-18 福島ビル 1F
      JR大阪環状線福島駅 徒歩1分
        *駅を出て南側、二本目の通り(マクドナルドがあります)を西に曲がって直ぐ。
    参考URL https://r.gnavi.co.jp/496uttxr0000/

<会費>3千円(学生・女性千円)
★参加いただける方は、予約の都合もあるので、下記宛ご一報いただければ幸いです。
   blogsokikaitusin@gmail.com

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年2月18日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
    https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
        投稿は→ blogsokikaitusin@gmail.com

***【その次の例会と課題】********************************************
[日時] 2018年4月15日(日)13時~
[場所] 未定(将棋会館または公共施設)
[会費] 未定
[課題] 「ダブル不成
        投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

※課題によって投稿先が異なりますのでご注意ください

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※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
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