創棋会の次回課題は「実戦に役立つ10手台」
<創棋会の次回課題は「実戦に役立つ10手台」>
クリスマスモードも終って、今年も残すところ数日になりました。
今年も創棋会のホームページ「創棋会通信+α」をご愛読いただき、ありがとうございました。
来年も引き続きよろしくお願いいたします。
皆様にはどうぞ良い年をお迎えください。

(ブログの更新がやや遅れたので、用意していた写真も時期ずれに…)
最近読んだのが「幻庵」(百田尚樹、文藝春秋)。江戸時代後期の囲碁家元の主導権争いを描いた作品。
冒頭に幼い幻庵が置き碁の下手で負けて大泣きするシーンの描写があり、思わず藤井聡太四段のことを思い起こしてしまいました。
私は囲碁は初段に星目でも勝てない超初級者ですが、名人碁所を争う対局シーンの描写は迫力があり、盤面が理解できればもっと楽しめたと思います。
■創棋会の次回以降の課題
☆次回課題は「実戦に役立つ10手台」
来年2月は今年に続いてネット作品展「教材に使える10手台」PartⅡを開催します。
今回のテーマは「実戦に役立つ」ことです。
実戦型、囲い図式、格言の応用、実戦に応用できる手筋など、表現は自由です。
☆4月例会の課題は「ダブル不成」(6月号作品展)。
「ダブル」の解釈は自由です。双方不成、同じ駒を二度不成、同一地点に二種不成など色んな表現があると思います。
■「教材に使える10手台」PartⅡ
今年は2月にネット作品展「教材に使える10手台」を開催しました。
詰将棋との出会いは人それぞれですが、多くの人に詰将棋の楽しさ、面白さを伝えられるような教材が作れるといいのではないか、そういう想いから、この企画を考えました。
そのときの条件は『教え易い、分かり易い、覚え易い』というものでしたが、出品された作品は、初心者向けから上級者向けまで、不成や打ち換え、合駒といった基本手筋から、スイッチバックやアンピン、遠打ちや趣向といったちょっぴり高級なものまで、また実戦型から大道棋まで幅広い分野の好局が揃いました。
今回は少し切り口を変えて、実戦派にも詰将棋の面白さを知ってもらうために、「詰将棋は実戦の役に立つ」ということを、作品を解いたり鑑賞したりすることによって感じ取っていただけないものかと考えました。
「読みの力を鍛える」という目的で詰将棋に取り組むのはいいのですが、それだけでは楽しくないですよね。難しいだけではない謎解きの世界があります。
また「詰み形を覚える」なら、1・3・5手をたくさん解けばよいというのは、多くの入門書に書かれていることですが、10手台ならではの世界もあると考えます。少し棋力があがれば、やや長めの手数にチャレンジいただくこともあるでしょう。そこで何か実戦に応用の利くものをつかみ取っていただきたい、そういう作品を集めたいと考えた次第です。
それでは、管理人の好みで選んだ例題を紹介させていただきます。
菊田裕司作 近代将棋1993年7月号(『月下美人』桂香図式第5番)

3×3に収まった好形。
解いてみようという気にさせるには、好形ということが重要な要素の一つです。
初手がほぼ32角成しかないのもとっつきやすいところです。
32角成に13玉と上がられると一瞬、上部脱出が不安になりますが35角と打てば逃げ出すことは出来ません。
ここで24に合駒です。14銀から23馬の筋が一目ですから23に利かす飛車か金が正解ということがわかります。易しい変化ですが合駒読みは実戦でも役に立つと思います。
23金合には22銀と打つ手があり、12玉に13歩、同桂、21銀不成まできれいに詰みます。
24の合駒は21に利かす飛合が最善です。
<4手目:24飛合>

22銀とすると飛車が利いてくるので、12玉には21馬とするしかなく、それでは23玉とされて捕まりません。14銀と押さえるのが正解。
12玉に13歩と打って同桂と取らせたところで23馬が好手。
<9手目:23馬>

同飛と取るしかありませんが、13角成と切るのが思い切った一手。これで桂馬を入手できました。13歩と打って同桂と取らせたのは質駒を作る ためだったのです。
同飛とされますが、24桂と打つことができ、22玉に32香成までの詰みです。
【作意】32角成、13玉、46角、24飛合、14銀、12玉、13歩、同桂、23馬、同飛、
13角成、同飛、24桂、22玉、32香成まで15手詰
菊田裕司さんは80年代から90年代にかけて詰将棋作家集団ACTで活躍されましたが、指将棋の強豪としても有名でアマチュアの全国タイトルを複数獲得され、現在も活躍中です。
桜木健古作(『実戦形パラダイス』第99番)

本作も右上隅4×4に収まった好形で、いかにも実戦に現れそうな図です。
持駒豊富ですが33金の守りも強力ですから、切れないように攻める必要があります。
初手は32歩などが目につきますが、これは22玉で手も足も出ません。
俗に42金と打ちます。
22玉に32金打と重ねて打つのが有力ですが、13玉とかわされると、33龍と切っても同桂と応じられ、金二枚では続きません。
ここは打ったばかりの金を32金と寄るのが好手。
<3手目:32金>

32金は打った駒を活用する気持ちの良い手です。
今度13玉なら、33龍、同桂のとき、持駒に金が三枚ありますから、23金と捨てて22金打から詰みます。
玉方も32同金と取るしかありません。
手拍子で23歩と打ちたくなります。同金と取れば32金から23龍がありますから。
しかし23歩には13玉と逃げられると詰みません。
ここで13金と捨てるのが先まで読んだ好手です。
<5手目:13金>

13金は「逃路に先着」の好手筋です。同桂でも同香でも13の逃げ道を塞ぐことが出来るというわけです。
同桂なら23歩、同金、32金から23龍と切って歩が余って詰んでしまいますから、最善は同香です。
同香に、あわてて12金としては31玉とされて続きません。
23歩と打ち同金と取らせてこの金を質駒にします。
23同金に32金と打ち、11玉には12歩と叩いて、同玉に23龍と切れば、同玉に22金打までと、最後は大駒を捨てて金二枚の清涼詰となります。
「打った駒を捌く」、「逃げ道を塞ぐ」、「質駒をつくる」といずれも実戦に役立つ手筋ではないでしょうか。
【作意】42金、22玉、32金、同金、13金、同香、23歩、同金、32金、11玉、
12歩、同玉、23龍、同玉、22金打まで15手詰
桜木健古さんは40歳で初入選を飾られた遅咲きの作家。1998年逝去。文筆家としても有名で『生きるヒント・一日一話』(三笠書房)などがあります。
『実戦形パラダイス』は1970年代に詰パラ発表された作品から実戦形詰将棋といえる好局を抜粋して編集されたもので2002年に毎日コミュニケーションズから発行されました。
桑原辰雄作 近代将棋1967年4月(『妙義図式』第93番)

本局も実戦形の好形。自然な形に加えて、当り駒が少ないのも好印象。
金気がないので詰み形がパッと浮かびませんし、上部に脱出されそうなところも気になります。
24桂と打ちたくなりますが13玉で脱出が防げません。
かといって13香は急ぎ過ぎで、13同玉に35角と打って脱出は防げますが24銀合が強防です。以下、25桂、12玉、21角成、同玉となると24銀がよく利いて13桂も33桂も切れてしまいます。
初手はいきなり21角成と桂を取るのが正解。
13玉なら35角で脱出を止められますから、同玉の一手。
ここで13桂と打つのが好手です。
<3手目:13桂>

13桂は同香と取る一手。これで13の逃げ道を塞ぎました。
ここで22香と打つのは12玉、21角、11玉で続きませんし、12角も11玉でダメです。
となると32角しかありません。11玉なら41龍、22玉なら41角成があるので、12玉とかわすのが最善ですが、初形に戻ったような雰囲気です。
持駒の香に働き場所を与える良い手があります。
24桂と捨てます。
<7手目:24桂>

24桂は同歩と取るしかありませんが、そこで21角成と捨てるのが継続の好手。
23玉と上部脱出されそうですが、12馬でピッタリ捕まっています。味の良い変化ですね。
21同玉と取らせると、今度は23香と離して打つことができます。31玉に22香成までの詰みです。24桂は香の打ち場所をつくるための捨駒でした。
本作は「角(馬)の利きで上部脱出を防ぐ」「香は離して打つ」「香の打ち場所をつくる」といった手筋が実戦での応用性のあるところかと思います。
【作意】21角成、同玉、13桂、同香、32角、12玉、24桂、同歩、21角成、同玉、
23香、31玉、22香成まで13手詰
桑原辰雄さんは、「桑原流」と呼ばれる難解短編作で一世を風靡。2015年10月に亡くなられました。享年82歳。『妙義図式』は同氏の初の作品集で野口ブックスから1974年に発行されました。同氏の作品集には他に『赤城図式』『ガチンコ詰将棋』『榛名図式』などがあります。
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] なし(皆さんの発表したいことがあればお願いします)
※終了後新年会開催!
<日時>1月21日(日)18時~
<場所>大和水産 福島店
TEL:06-6458-8581
大阪市福島区福島5-13-18 福島ビル 1F
JR大阪環状線福島駅 徒歩1分
*駅を出て南側、二本目の通り(マクドナルドがあります)を西に曲がって直ぐ。
参考URL https://r.gnavi.co.jp/496uttxr0000/
<会費>3千円(学生・女性千円)
★参加いただける方は、予約の都合もあるので、下記宛ご一報いただければ幸いです。
blogsokikaitusin@gmail.com
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年2月18日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[会費] 千円(学生無料)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
投稿は→ blogsokikaitusin@gmail.com
***【その次の例会と課題】********************************************
[日時] 2017年4月15日(日)13時~
[場所] 未定(将棋会館または公共施設)
[会費] 未定
[課題] 「ダブル不成」
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
※課題によって投稿先が異なりますのでご注意ください
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
クリスマスモードも終って、今年も残すところ数日になりました。
今年も創棋会のホームページ「創棋会通信+α」をご愛読いただき、ありがとうございました。
来年も引き続きよろしくお願いいたします。
皆様にはどうぞ良い年をお迎えください。

(ブログの更新がやや遅れたので、用意していた写真も時期ずれに…)
最近読んだのが「幻庵」(百田尚樹、文藝春秋)。江戸時代後期の囲碁家元の主導権争いを描いた作品。
冒頭に幼い幻庵が置き碁の下手で負けて大泣きするシーンの描写があり、思わず藤井聡太四段のことを思い起こしてしまいました。
私は囲碁は初段に星目でも勝てない超初級者ですが、名人碁所を争う対局シーンの描写は迫力があり、盤面が理解できればもっと楽しめたと思います。
■創棋会の次回以降の課題
☆次回課題は「実戦に役立つ10手台」
来年2月は今年に続いてネット作品展「教材に使える10手台」PartⅡを開催します。
今回のテーマは「実戦に役立つ」ことです。
実戦型、囲い図式、格言の応用、実戦に応用できる手筋など、表現は自由です。
☆4月例会の課題は「ダブル不成」(6月号作品展)。
「ダブル」の解釈は自由です。双方不成、同じ駒を二度不成、同一地点に二種不成など色んな表現があると思います。
■「教材に使える10手台」PartⅡ
今年は2月にネット作品展「教材に使える10手台」を開催しました。
詰将棋との出会いは人それぞれですが、多くの人に詰将棋の楽しさ、面白さを伝えられるような教材が作れるといいのではないか、そういう想いから、この企画を考えました。
そのときの条件は『教え易い、分かり易い、覚え易い』というものでしたが、出品された作品は、初心者向けから上級者向けまで、不成や打ち換え、合駒といった基本手筋から、スイッチバックやアンピン、遠打ちや趣向といったちょっぴり高級なものまで、また実戦型から大道棋まで幅広い分野の好局が揃いました。
今回は少し切り口を変えて、実戦派にも詰将棋の面白さを知ってもらうために、「詰将棋は実戦の役に立つ」ということを、作品を解いたり鑑賞したりすることによって感じ取っていただけないものかと考えました。
「読みの力を鍛える」という目的で詰将棋に取り組むのはいいのですが、それだけでは楽しくないですよね。難しいだけではない謎解きの世界があります。
また「詰み形を覚える」なら、1・3・5手をたくさん解けばよいというのは、多くの入門書に書かれていることですが、10手台ならではの世界もあると考えます。少し棋力があがれば、やや長めの手数にチャレンジいただくこともあるでしょう。そこで何か実戦に応用の利くものをつかみ取っていただきたい、そういう作品を集めたいと考えた次第です。
それでは、管理人の好みで選んだ例題を紹介させていただきます。
菊田裕司作 近代将棋1993年7月号(『月下美人』桂香図式第5番)

3×3に収まった好形。
解いてみようという気にさせるには、好形ということが重要な要素の一つです。
初手がほぼ32角成しかないのもとっつきやすいところです。
32角成に13玉と上がられると一瞬、上部脱出が不安になりますが35角と打てば逃げ出すことは出来ません。
ここで24に合駒です。14銀から23馬の筋が一目ですから23に利かす飛車か金が正解ということがわかります。易しい変化ですが合駒読みは実戦でも役に立つと思います。
23金合には22銀と打つ手があり、12玉に13歩、同桂、21銀不成まできれいに詰みます。
24の合駒は21に利かす飛合が最善です。
<4手目:24飛合>

22銀とすると飛車が利いてくるので、12玉には21馬とするしかなく、それでは23玉とされて捕まりません。14銀と押さえるのが正解。
12玉に13歩と打って同桂と取らせたところで23馬が好手。
<9手目:23馬>

同飛と取るしかありませんが、13角成と切るのが思い切った一手。これで桂馬を入手できました。13歩と打って同桂と取らせたのは質駒を作る ためだったのです。
同飛とされますが、24桂と打つことができ、22玉に32香成までの詰みです。
【作意】32角成、13玉、46角、24飛合、14銀、12玉、13歩、同桂、23馬、同飛、
13角成、同飛、24桂、22玉、32香成まで15手詰
菊田裕司さんは80年代から90年代にかけて詰将棋作家集団ACTで活躍されましたが、指将棋の強豪としても有名でアマチュアの全国タイトルを複数獲得され、現在も活躍中です。
桜木健古作(『実戦形パラダイス』第99番)

本作も右上隅4×4に収まった好形で、いかにも実戦に現れそうな図です。
持駒豊富ですが33金の守りも強力ですから、切れないように攻める必要があります。
初手は32歩などが目につきますが、これは22玉で手も足も出ません。
俗に42金と打ちます。
22玉に32金打と重ねて打つのが有力ですが、13玉とかわされると、33龍と切っても同桂と応じられ、金二枚では続きません。
ここは打ったばかりの金を32金と寄るのが好手。
<3手目:32金>

32金は打った駒を活用する気持ちの良い手です。
今度13玉なら、33龍、同桂のとき、持駒に金が三枚ありますから、23金と捨てて22金打から詰みます。
玉方も32同金と取るしかありません。
手拍子で23歩と打ちたくなります。同金と取れば32金から23龍がありますから。
しかし23歩には13玉と逃げられると詰みません。
ここで13金と捨てるのが先まで読んだ好手です。
<5手目:13金>

13金は「逃路に先着」の好手筋です。同桂でも同香でも13の逃げ道を塞ぐことが出来るというわけです。
同桂なら23歩、同金、32金から23龍と切って歩が余って詰んでしまいますから、最善は同香です。
同香に、あわてて12金としては31玉とされて続きません。
23歩と打ち同金と取らせてこの金を質駒にします。
23同金に32金と打ち、11玉には12歩と叩いて、同玉に23龍と切れば、同玉に22金打までと、最後は大駒を捨てて金二枚の清涼詰となります。
「打った駒を捌く」、「逃げ道を塞ぐ」、「質駒をつくる」といずれも実戦に役立つ手筋ではないでしょうか。
【作意】42金、22玉、32金、同金、13金、同香、23歩、同金、32金、11玉、
12歩、同玉、23龍、同玉、22金打まで15手詰
桜木健古さんは40歳で初入選を飾られた遅咲きの作家。1998年逝去。文筆家としても有名で『生きるヒント・一日一話』(三笠書房)などがあります。
『実戦形パラダイス』は1970年代に詰パラ発表された作品から実戦形詰将棋といえる好局を抜粋して編集されたもので2002年に毎日コミュニケーションズから発行されました。
桑原辰雄作 近代将棋1967年4月(『妙義図式』第93番)

本局も実戦形の好形。自然な形に加えて、当り駒が少ないのも好印象。
金気がないので詰み形がパッと浮かびませんし、上部に脱出されそうなところも気になります。
24桂と打ちたくなりますが13玉で脱出が防げません。
かといって13香は急ぎ過ぎで、13同玉に35角と打って脱出は防げますが24銀合が強防です。以下、25桂、12玉、21角成、同玉となると24銀がよく利いて13桂も33桂も切れてしまいます。
初手はいきなり21角成と桂を取るのが正解。
13玉なら35角で脱出を止められますから、同玉の一手。
ここで13桂と打つのが好手です。
<3手目:13桂>

13桂は同香と取る一手。これで13の逃げ道を塞ぎました。
ここで22香と打つのは12玉、21角、11玉で続きませんし、12角も11玉でダメです。
となると32角しかありません。11玉なら41龍、22玉なら41角成があるので、12玉とかわすのが最善ですが、初形に戻ったような雰囲気です。
持駒の香に働き場所を与える良い手があります。
24桂と捨てます。
<7手目:24桂>

24桂は同歩と取るしかありませんが、そこで21角成と捨てるのが継続の好手。
23玉と上部脱出されそうですが、12馬でピッタリ捕まっています。味の良い変化ですね。
21同玉と取らせると、今度は23香と離して打つことができます。31玉に22香成までの詰みです。24桂は香の打ち場所をつくるための捨駒でした。
本作は「角(馬)の利きで上部脱出を防ぐ」「香は離して打つ」「香の打ち場所をつくる」といった手筋が実戦での応用性のあるところかと思います。
【作意】21角成、同玉、13桂、同香、32角、12玉、24桂、同歩、21角成、同玉、
23香、31玉、22香成まで13手詰
桑原辰雄さんは、「桑原流」と呼ばれる難解短編作で一世を風靡。2015年10月に亡くなられました。享年82歳。『妙義図式』は同氏の初の作品集で野口ブックスから1974年に発行されました。同氏の作品集には他に『赤城図式』『ガチンコ詰将棋』『榛名図式』などがあります。
■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] なし(皆さんの発表したいことがあればお願いします)
※終了後新年会開催!
<日時>1月21日(日)18時~
<場所>大和水産 福島店
TEL:06-6458-8581
大阪市福島区福島5-13-18 福島ビル 1F
JR大阪環状線福島駅 徒歩1分
*駅を出て南側、二本目の通り(マクドナルドがあります)を西に曲がって直ぐ。
参考URL https://r.gnavi.co.jp/496uttxr0000/
<会費>3千円(学生・女性千円)
★参加いただける方は、予約の都合もあるので、下記宛ご一報いただければ幸いです。
blogsokikaitusin@gmail.com
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年2月18日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[会費] 千円(学生無料)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
投稿は→ blogsokikaitusin@gmail.com
***【その次の例会と課題】********************************************
[日時] 2017年4月15日(日)13時~
[場所] 未定(将棋会館または公共施設)
[会費] 未定
[課題] 「ダブル不成」
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
※課題によって投稿先が異なりますのでご注意ください
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
スポンサーサイト
第270回例会報告(2017年12月17日)
<第270回例会報告(2017年12月17日)>
12月17日(日)の例会報告です。
参加者の小池さんが「詰将棋の欠片」でも参加記を書かれていますので、あわせてご覧ください。
■例会報告
<第270回創棋会例会>
日時:12月17日(日)13:00~17:30
場所:関西将棋会館 4F多目的ルーム
参加者:上田吉一、岸本裕真、小池正浩、則内誠一郎、谷本治男、鳥本敦史、中出慶一、中村雅哉、中村宜幹、
西村章、野曽原直之、服部友哉、南良文、柳原裕司、吉松智明(以上15名)
小池さんと鳥本さんにはいつも遠方より参加いただきありがとうございます。また南さんが久方ぶりのご参加。
初参加は服部さん。将棋の師匠である南さんと一緒に参加されました。
今回の課題は「繰り返しを含む短編」ということで、投稿も二ケタと盛況。
例会開始から1時間くらいは、皆さんまるで解答競争のように黙々と課題作に取り組まれました。易しく楽しい作品が多かったので、解いて納得の方が多かったことと思います。
応募作は則内さんが大盤で解説されましたが、参加されている作者からのコメントもあり、盛り上がりました。
選題は4作だけということでなかなか悩ましいことになりましたが、おおよその方向性が決まりました。掲載は来年の3月号。どうぞ楽しみにしてください。
幹事の中出さんから今後の運営について話があり、今後創棋会の窓口を事務担当に一本化していきたいということで、その方向性について参加者から承認されました。
参加者の近況報告では、新年会で宣言した今年の入選目標回数を達成したという方や、最近の自作発表について語られる方など、皆さん活躍されているのがよくわかりました。
今後の予定については、以下のとおり連絡がありました。
・1月は昼間の例会を開催。終了後に恒例の新年会。
課題はないので皆さんから話したいことがあればお願いしたい。
たとえば「詰パラ○月号、私の一押し」とか「名作紹介」、「研究発表」など、なんでも結構です。
・2月例会の課題は、昨年に続いてネット作品展「教材に使える10手台」PartⅡを開催。
今回のテーマは「実戦に役立つ」こととしたい。
実戦型、囲い図式、格言の応用、実戦に応用できる手筋など、表現は自由です。
・4月例会の課題は「ダブル不成」(6月号作品展)。
「ダブル」の解釈は自由です。双方不成、同じ駒を二度不成、同一地点に二種不成など色んな表現があると思います。
【例会風景】(氏名略)


<一人一言>


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] なし(皆さんの発表したいことがあればお願いします)
※終了後新年会開催!
<日時>1月21日(日)18時~
<場所>大和水産 福島店
TEL:06-6458-8581
大阪市福島区福島5-13-18 福島ビル 1F
JR大阪環状線福島駅 徒歩1分
参考URL https://r.gnavi.co.jp/496uttxr0000/
<会費>3千円(学生・女性千円)
★参加いただける方は、予約の都合もあるので、下記宛ご一報いただければ幸いです。
blogsokikaitusin@gmail.com
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年2月18日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[会費] 千円(学生無料)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
投稿は→ blogsokikaitusin@gmail.com
***【その次の例会と課題】********************************************
[日時] 2017年4月15日(日)13時~
[場所] 未定(将棋会館または公共施設)
[会費] 未定
[課題] 「ダブル不成」
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
12月17日(日)の例会報告です。
参加者の小池さんが「詰将棋の欠片」でも参加記を書かれていますので、あわせてご覧ください。
■例会報告
<第270回創棋会例会>
日時:12月17日(日)13:00~17:30
場所:関西将棋会館 4F多目的ルーム
参加者:上田吉一、岸本裕真、小池正浩、則内誠一郎、谷本治男、鳥本敦史、中出慶一、中村雅哉、中村宜幹、
西村章、野曽原直之、服部友哉、南良文、柳原裕司、吉松智明(以上15名)
小池さんと鳥本さんにはいつも遠方より参加いただきありがとうございます。また南さんが久方ぶりのご参加。
初参加は服部さん。将棋の師匠である南さんと一緒に参加されました。
今回の課題は「繰り返しを含む短編」ということで、投稿も二ケタと盛況。
例会開始から1時間くらいは、皆さんまるで解答競争のように黙々と課題作に取り組まれました。易しく楽しい作品が多かったので、解いて納得の方が多かったことと思います。
応募作は則内さんが大盤で解説されましたが、参加されている作者からのコメントもあり、盛り上がりました。
選題は4作だけということでなかなか悩ましいことになりましたが、おおよその方向性が決まりました。掲載は来年の3月号。どうぞ楽しみにしてください。
幹事の中出さんから今後の運営について話があり、今後創棋会の窓口を事務担当に一本化していきたいということで、その方向性について参加者から承認されました。
参加者の近況報告では、新年会で宣言した今年の入選目標回数を達成したという方や、最近の自作発表について語られる方など、皆さん活躍されているのがよくわかりました。
今後の予定については、以下のとおり連絡がありました。
・1月は昼間の例会を開催。終了後に恒例の新年会。
課題はないので皆さんから話したいことがあればお願いしたい。
たとえば「詰パラ○月号、私の一押し」とか「名作紹介」、「研究発表」など、なんでも結構です。
・2月例会の課題は、昨年に続いてネット作品展「教材に使える10手台」PartⅡを開催。
今回のテーマは「実戦に役立つ」こととしたい。
実戦型、囲い図式、格言の応用、実戦に応用できる手筋など、表現は自由です。
・4月例会の課題は「ダブル不成」(6月号作品展)。
「ダブル」の解釈は自由です。双方不成、同じ駒を二度不成、同一地点に二種不成など色んな表現があると思います。
【例会風景】(氏名略)


<一人一言>


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] なし(皆さんの発表したいことがあればお願いします)
※終了後新年会開催!
<日時>1月21日(日)18時~
<場所>大和水産 福島店
TEL:06-6458-8581
大阪市福島区福島5-13-18 福島ビル 1F
JR大阪環状線福島駅 徒歩1分
参考URL https://r.gnavi.co.jp/496uttxr0000/
<会費>3千円(学生・女性千円)
★参加いただける方は、予約の都合もあるので、下記宛ご一報いただければ幸いです。
blogsokikaitusin@gmail.com
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年2月18日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[会費] 千円(学生無料)
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。
投稿は→ blogsokikaitusin@gmail.com
***【その次の例会と課題】********************************************
[日時] 2017年4月15日(日)13時~
[場所] 未定(将棋会館または公共施設)
[会費] 未定
[課題] 「ダブル不成」
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
もうすぐ例会~例会は12月17日です
<もうすぐ例会~例会は12月17日です~>
12月になりました。街の景色も年末モードです。
大阪市内もメインストリートに恒例のイルミネーションが点灯していました。

■創棋会の次回課題は「繰り返しのある短編」
創棋会の次回例会は12月17日です。
開始は13時。
会場は関西将棋会館の多目的ルームです。
課題は「繰り返しを含む短編(17手以内)」です。
例会で選考、3月号作品展に掲載の予定です。
「繰り返し」についての定義はありません。
これまで「駒の繰替え」「同種駒の打捨て」「同一地点への捨駒」「翻弄」「対称形で左右での捨駒の繰り返し」など、数々の好作を例題紹介で取り上げさせていただきましたが、「繰り返し」の表現はまだまだたくさんあると思います。
自由な発想で「繰り返し」を表現して、どしどし好作を投稿いただきますようお願いします。
なお創棋会作品展には、特に応募資格はありません。会合に参加したことがなくても結構です。幅広く投稿を受け付けています。
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
それでは早速例題を紹介させていただきます。
北川明作 詰パラ1975年4月号(『蒲公英』第18番)

44龍、49角、18桂の包囲網は強力です。心配なのは14の脱出口。
ということで初手は14角と捨てて穴塞ぎ。
同銀には27金と拠点を据えて、25玉に58角と合駒を訊きます。
36に合するしかないのですが、頭に利く駒は同角、同龍に26から打って簡単な詰み。桂合も取って17桂まで。
ということで最善は47角合です。
<6手目:47角合>

これは攻め方も同角と取るしかありません。
同との局面で36角から清算するような手では切れてしまいます。
角以外の駒が欲しいので、もう一度43角と合駒を請求します。
今度も角合が最善ですから、34角合と応じます。
<10手目:34角合>

これも同角と取り同歩となった局面で、合駒を請求する手は無いのですが、詰将棋らしいいい手がありました。
36角と捨てて、同龍に45龍と大駒の連続捨てです。
35合は36金までですから、同龍の一手に26金までの詰み。
角の王手に角合を繰り返し、最後は大駒の連続捨駒で締めくくる軽快作です。
【作意】14角、同銀、27金、25玉、58角、47角合、同角、同と、43角、34角合、
同角成、同歩、36角、同龍、45龍、同龍、26金まで17手詰
若島正作 京都民報1980年(『盤上のファンタジア』第20番)

一見して26龍をどかせて25飛成としたい局面です。
27桂と打てば、同龍の一手ですから、そこで48馬とすると、26合は25飛成まで、37合も同馬と取られて無効ですから16玉と逃げるしかありません。
それには28桂と捨てて、同龍と取らせ、38馬と寄るのが好手順です。
<7手目:38馬>

38馬には同龍も27合も25飛成までですから、15玉と綱渡りの受け。
ここで調子に乗って37馬は16玉とされ、38馬、15玉で千日手です。
ここは27桂と捨てて同龍と取らせてから37馬と捨てるのが好手順です。
<11手目:37馬>

27桂と捨てた効果で、龍が取れるので16玉とは出来ません。
同龍に25飛成までの詰みとなりました。
桂を捨てながら接近するミニ馬鋸。とても楽しいミニ趣向作です。
【作意】27桂、同龍、48馬、16玉、28桂、同龍、38馬、15玉、27桂、同龍、
37馬、同龍、25飛成まで13手詰
高坂研作 近代将棋1994年10月号(『蒲公英』第103番)

初手は銀を活用したいところですが、24銀左は34玉で大海脱出、24銀右は14玉、で打歩詰です。
ここは黙って24歩と打ちます。
33玉は42銀と飛車が取れますから13玉と寄って打歩詰で逃れようとします。
じっと31馬と寄って22の合駒を訊きます。
頭に利く駒は取って14に打てますから、角か桂。ここまではスラスラ進みます。
角合なら、23歩成として、同玉に22桂成、同飛、32角と打つのが飛車を質にするうまい手で、同飛に24銀右、14玉、32馬で詰みます。
最善は22桂合です。
<4手目:22桂合>

今度は同じ手は使えませんが、よく見ると打歩詰を打開できる舞台が整っているではありませんか。
31馬がなければ14歩、同桂と進められます。
そこで23歩成と打った歩を成捨て、同玉に32馬のタダ捨てが妙手。
<7手目:32馬>

32同玉なら42銀成がありますから同飛の一手。
これで31馬を消去できました。
もう一度24歩と打てば、33玉には42銀不成があるので、13玉と寄るしかありませんが、待望の14歩が打てます。
同桂と取らせて、再度23歩成と成捨てれば、今度は14が塞がっているので、同玉に24銀右までの詰です。
森田手筋を使った易しい打歩詰打開作です。
32馬の好手はインパクトがありますが、何よりも24歩~23歩成という手が二回繰り返され、心地よいリズム感を生んでいます。
【作意】24歩、13玉、31馬、22桂合、23歩成、同玉、32馬、同飛、24歩、13玉、
14歩、同桂、23歩成、同玉、24銀右まで15手詰
上田吉一作 詰パラ1987年9月号(『極光21』第82番)

例題紹介の最後は龍の翻弄、中編作です。
まず初手は61金と捨てます。
41玉なら33桂と捨て同龍と取らせて51飛から清算して62角と打てば詰みます。
61同玉にあわてて71歩成では龍の利きが強くて詰みません。いったん53桂と捨て同龍と二段目の守備を弱めます。
そうしておけば71歩成を同玉なら、82飛と打ち61玉(81玉は73桂)、52角、51玉、71飛成、42玉、31龍、33玉、22龍、42玉、41角成といううまい手順で詰みますので、取らずに51玉とかわします。
今度は61飛としても43と33の逃げ道を封じることは出来ません。
まず33角で一つの逃げ道を塞ぎます。
<7手目:33角>

これは同龍の一手。
続いて上部脱出を防ぐ香打。
格言通り、遠くから打ってみましょう
56香、53歩合、61飛、42玉、31飛成、43玉、55桂まで。駒余りで詰む?
56香に53香合として55桂を消すのはどうか?それなら61飛、42玉のとき54桂と捨てる手があり、43玉なら55桂まで、同香も31飛成から54銀成で詰む。
そうなると56香には55歩合と中合するのが好防。同香に53銀合が強防で、61飛から54桂には43玉と上がって凌いでいる(銀合以外は43玉に41飛成がある)。
どうやら56香では詰まない。
そこで発想を変えて55桂が打てるように54から香を打つのが正解。今度は何を合しても、61飛から55桂で詰む。
唯一の受けが33地点を空ける53龍の移動合!
<10手目:53龍>

53龍は取れば42から33に脱出されてしまいますから、52飛と押さえます。
41玉となったところから気持ちの良い収束です。
33桂と捨てて同龍と取らせます。これで33の逃げ道がなくなり54香の利きも通りました。
打ったばかりの52飛が邪魔ですね。42飛成と捨てます。
同玉なら52銀成から詰みますから、同龍と応じます。
もう一度33桂と捨て、同龍と取らせて、52香成までの詰みです。
移動中合を含む龍の翻弄に香の限定打を織り込んだ素晴らしい作品です。
【作意】61金、同玉、53桂、同龍、71歩成、51玉、33角、同龍、54香、53龍、
52飛、41玉、33桂、同龍、42飛成、同龍、33桂、同龍、52香成まで19手詰
例題は管理人の感性で「繰り返し」が表現されたと思われるもの選んでいます。
今回はいかがでしたか。
例会は来週17日です。皆さまからも、楽しい作品の投稿をお待ちしています。
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」。17手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし
※終了後新年会開催!
<日時>1月21日(日)18時~
<場所>大和水産 福島店
TEL:06-6458-8581
大阪市福島区福島5-13-18 福島ビル 1F
JR大阪環状線福島駅 徒歩1分
参考URL https://r.gnavi.co.jp/496uttxr0000/
<会費>3千円(学生・女性千円)
★参加いただける方は、予約の都合もあるので、下記宛ご一報いただければ幸いです。
blogsokikaitusin@gmail.com
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
12月になりました。街の景色も年末モードです。
大阪市内もメインストリートに恒例のイルミネーションが点灯していました。

■創棋会の次回課題は「繰り返しのある短編」
創棋会の次回例会は12月17日です。
開始は13時。
会場は関西将棋会館の多目的ルームです。
課題は「繰り返しを含む短編(17手以内)」です。
例会で選考、3月号作品展に掲載の予定です。
「繰り返し」についての定義はありません。
これまで「駒の繰替え」「同種駒の打捨て」「同一地点への捨駒」「翻弄」「対称形で左右での捨駒の繰り返し」など、数々の好作を例題紹介で取り上げさせていただきましたが、「繰り返し」の表現はまだまだたくさんあると思います。
自由な発想で「繰り返し」を表現して、どしどし好作を投稿いただきますようお願いします。
なお創棋会作品展には、特に応募資格はありません。会合に参加したことがなくても結構です。幅広く投稿を受け付けています。
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
それでは早速例題を紹介させていただきます。
北川明作 詰パラ1975年4月号(『蒲公英』第18番)

44龍、49角、18桂の包囲網は強力です。心配なのは14の脱出口。
ということで初手は14角と捨てて穴塞ぎ。
同銀には27金と拠点を据えて、25玉に58角と合駒を訊きます。
36に合するしかないのですが、頭に利く駒は同角、同龍に26から打って簡単な詰み。桂合も取って17桂まで。
ということで最善は47角合です。
<6手目:47角合>

これは攻め方も同角と取るしかありません。
同との局面で36角から清算するような手では切れてしまいます。
角以外の駒が欲しいので、もう一度43角と合駒を請求します。
今度も角合が最善ですから、34角合と応じます。
<10手目:34角合>

これも同角と取り同歩となった局面で、合駒を請求する手は無いのですが、詰将棋らしいいい手がありました。
36角と捨てて、同龍に45龍と大駒の連続捨てです。
35合は36金までですから、同龍の一手に26金までの詰み。
角の王手に角合を繰り返し、最後は大駒の連続捨駒で締めくくる軽快作です。
【作意】14角、同銀、27金、25玉、58角、47角合、同角、同と、43角、34角合、
同角成、同歩、36角、同龍、45龍、同龍、26金まで17手詰
若島正作 京都民報1980年(『盤上のファンタジア』第20番)

一見して26龍をどかせて25飛成としたい局面です。
27桂と打てば、同龍の一手ですから、そこで48馬とすると、26合は25飛成まで、37合も同馬と取られて無効ですから16玉と逃げるしかありません。
それには28桂と捨てて、同龍と取らせ、38馬と寄るのが好手順です。
<7手目:38馬>

38馬には同龍も27合も25飛成までですから、15玉と綱渡りの受け。
ここで調子に乗って37馬は16玉とされ、38馬、15玉で千日手です。
ここは27桂と捨てて同龍と取らせてから37馬と捨てるのが好手順です。
<11手目:37馬>

27桂と捨てた効果で、龍が取れるので16玉とは出来ません。
同龍に25飛成までの詰みとなりました。
桂を捨てながら接近するミニ馬鋸。とても楽しいミニ趣向作です。
【作意】27桂、同龍、48馬、16玉、28桂、同龍、38馬、15玉、27桂、同龍、
37馬、同龍、25飛成まで13手詰
高坂研作 近代将棋1994年10月号(『蒲公英』第103番)

初手は銀を活用したいところですが、24銀左は34玉で大海脱出、24銀右は14玉、で打歩詰です。
ここは黙って24歩と打ちます。
33玉は42銀と飛車が取れますから13玉と寄って打歩詰で逃れようとします。
じっと31馬と寄って22の合駒を訊きます。
頭に利く駒は取って14に打てますから、角か桂。ここまではスラスラ進みます。
角合なら、23歩成として、同玉に22桂成、同飛、32角と打つのが飛車を質にするうまい手で、同飛に24銀右、14玉、32馬で詰みます。
最善は22桂合です。
<4手目:22桂合>

今度は同じ手は使えませんが、よく見ると打歩詰を打開できる舞台が整っているではありませんか。
31馬がなければ14歩、同桂と進められます。
そこで23歩成と打った歩を成捨て、同玉に32馬のタダ捨てが妙手。
<7手目:32馬>

32同玉なら42銀成がありますから同飛の一手。
これで31馬を消去できました。
もう一度24歩と打てば、33玉には42銀不成があるので、13玉と寄るしかありませんが、待望の14歩が打てます。
同桂と取らせて、再度23歩成と成捨てれば、今度は14が塞がっているので、同玉に24銀右までの詰です。
森田手筋を使った易しい打歩詰打開作です。
32馬の好手はインパクトがありますが、何よりも24歩~23歩成という手が二回繰り返され、心地よいリズム感を生んでいます。
【作意】24歩、13玉、31馬、22桂合、23歩成、同玉、32馬、同飛、24歩、13玉、
14歩、同桂、23歩成、同玉、24銀右まで15手詰
上田吉一作 詰パラ1987年9月号(『極光21』第82番)

例題紹介の最後は龍の翻弄、中編作です。
まず初手は61金と捨てます。
41玉なら33桂と捨て同龍と取らせて51飛から清算して62角と打てば詰みます。
61同玉にあわてて71歩成では龍の利きが強くて詰みません。いったん53桂と捨て同龍と二段目の守備を弱めます。
そうしておけば71歩成を同玉なら、82飛と打ち61玉(81玉は73桂)、52角、51玉、71飛成、42玉、31龍、33玉、22龍、42玉、41角成といううまい手順で詰みますので、取らずに51玉とかわします。
今度は61飛としても43と33の逃げ道を封じることは出来ません。
まず33角で一つの逃げ道を塞ぎます。
<7手目:33角>

これは同龍の一手。
続いて上部脱出を防ぐ香打。
格言通り、遠くから打ってみましょう
56香、53歩合、61飛、42玉、31飛成、43玉、55桂まで。駒余りで詰む?
56香に53香合として55桂を消すのはどうか?それなら61飛、42玉のとき54桂と捨てる手があり、43玉なら55桂まで、同香も31飛成から54銀成で詰む。
そうなると56香には55歩合と中合するのが好防。同香に53銀合が強防で、61飛から54桂には43玉と上がって凌いでいる(銀合以外は43玉に41飛成がある)。
どうやら56香では詰まない。
そこで発想を変えて55桂が打てるように54から香を打つのが正解。今度は何を合しても、61飛から55桂で詰む。
唯一の受けが33地点を空ける53龍の移動合!
<10手目:53龍>

53龍は取れば42から33に脱出されてしまいますから、52飛と押さえます。
41玉となったところから気持ちの良い収束です。
33桂と捨てて同龍と取らせます。これで33の逃げ道がなくなり54香の利きも通りました。
打ったばかりの52飛が邪魔ですね。42飛成と捨てます。
同玉なら52銀成から詰みますから、同龍と応じます。
もう一度33桂と捨て、同龍と取らせて、52香成までの詰みです。
移動中合を含む龍の翻弄に香の限定打を織り込んだ素晴らしい作品です。
【作意】61金、同玉、53桂、同龍、71歩成、51玉、33角、同龍、54香、53龍、
52飛、41玉、33桂、同龍、42飛成、同龍、33桂、同龍、52香成まで19手詰
例題は管理人の感性で「繰り返し」が表現されたと思われるもの選んでいます。
今回はいかがでしたか。
例会は来週17日です。皆さまからも、楽しい作品の投稿をお待ちしています。
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」。17手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし
※終了後新年会開催!
<日時>1月21日(日)18時~
<場所>大和水産 福島店
TEL:06-6458-8581
大阪市福島区福島5-13-18 福島ビル 1F
JR大阪環状線福島駅 徒歩1分
参考URL https://r.gnavi.co.jp/496uttxr0000/
<会費>3千円(学生・女性千円)
★参加いただける方は、予約の都合もあるので、下記宛ご一報いただければ幸いです。
blogsokikaitusin@gmail.com
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
<詰パラ12月号到着>
<詰パラ12月号到着>
所用で神戸市長田区に行く機会があり、鉄人28号のモニュメントを見ました。
これは阪神大震災復興のシンボルでもあり、横山光輝生誕の地ということで作られたもの。一度は見たいと思っていたのですがなかなか迫力ある姿。
残念ながら三国志ガーデンはすでに閉館していたのですが、そこかしこに色々な展示がされていました。
個人的には「伊賀の影丸」の展示などもあればいいなと思っていたのですが、そういうものはありませんでした。

■詰パラ12月号が到着
・表紙は原田清実さん。「詰将棋専門誌への正しい接し方」の言に思わず襟を正す気持ちに。
・ヤン詰(7P~)。「3回移動」という課題に食指をそそられる方もいるのでは?
・短コン(11P~)。年中行事とは言いながらやはり壮観ですね。11手詰50題は中学校の1年分。気合を入れて解こうと思います。
・同人室(20P~)。課題(限定打2回以上)に応えた作品が12題。初形だけ見れば、苦労の後が偲ばれる構図も散見されますが、力作揃いの予感。
・三輪勝昭200回記念(23P~)。同人入りから4年で100回の入選を積み重ねたのこと。驚くべきハイペース!
・創棋会作品展(24P~)。「遠打や遠開き、3回以上」。好作揃いと太鼓判を押します。解かなければ損です。一題でも解ければぜひ解答を!
・内藤国雄の小ルーム(26P)。毎号問題の下のコラムが面白い。
・おもちゃ箱だより(30P~)。記録更新へのあくなき執念の賜物が紹介されています。
・ちえのわ雑文集(34P~)。「ツイッターでの煙詰の共同創作」の話。素晴らしい合作の誕生に拍手。
・スマホ詰パラ優秀作品展(42P~)。管理人はスマホを持っていない(希少種?)ため実物は見たことがないのですが、以前武島さんが編集された好作集をネットで拝見したことがあります。良い作品が多いという印象でしたが、この4作もなかなかの好作と思います。
・サロン(48P~)。
添川さんの改作(準煙→純煙)には驚き!
谷川幸永さんの「解答者からの雑文」も面白い記事。当選や選考は舞台裏情報も聞いてみたいところですね。
・結果稿(85P~)。創棋会作品展。「七対子図式」は易しい好作が揃ったと思います。解いていない方は、ぜひ結果稿を鑑賞ください。
・編集室(100P~)。流行語大賞には「ひふみん」が選ばれましたね。「29連勝」も審査員特別賞。将棋界も明るいニュースが多くて良かった!
■将棋世界1月号
サロンには、中出さん、西村さん、柳原さんと創棋会メンバーの作品が並びました。
また初入選の田中颯さんは解答選手権・初級一般戦に出場されている方だと思います。こうして作家デビューされるのは嬉しいですね。
付録は詰将棋ファンならこれ単独でも入手したくなる「7棋士が競演!若手棋士の詰将棋」。
■創棋会の次回課題は「繰り返しのある短編」
創棋会の次回課題は「繰り返しを含む短編(17手以内)」です。
12月の例会で選考、3月号作品展に掲載の予定です。
「繰り返し」についての定義はありません。
これまで「駒の繰替え」「同種駒の打捨て」「同一地点への捨駒」「翻弄」「対称形で左右での捨駒の繰り返し」など、数々の好作を例題紹介で取り上げさせていただきましたが、「繰り返し」の表現はまだまだたくさんあると思います。
自由な発想で「繰り返し」を表現して、どしどし好作を投稿いただきますようお願いします。
なお創棋会作品展には、特に応募資格はありません。会合に参加したことがなくても結構です。幅広く投稿を受け付けています。
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
それでは早速例題を紹介させていただきます。
金子義隆作 将棋世界1995年1月号(『蒲公英』第46番)

持駒桂四枚とくれば4桂打捨てを期待します。
まず初手は軽く36桂のジャブ。
33玉には44馬の飛び出しがありますし、15玉と逃げれば27桂があるので、同馬と応じるしかありません。
馬の利きが消えたので34金と捨てます。
これも25玉は16馬まで、15玉なら27桂ですから、同玉の一手。
ここで44馬を急ぐと25玉と上がられて36馬の守りが強く詰みません。
46桂と捨てるのが好手。
<5手目:46桂>

46桂に33玉には44馬があります。24玉なら、34金、25玉、37桂で詰みます。25玉でも37桂と打ち、同馬、35金、15玉、27馬までです。
46桂には同馬と応じるのが最善で、攻め方は待望の44馬です。
25玉なら46桂捨ての効果で26金が打てますので、24玉とかわします。
そこで36桂と捨てるのが巧打。
<9手目:36桂>

ここまでの桂捨ては馬の守備力を弱めるためのものでしたが、36桂は逃げ道ふさぎです。
同馬と取らせて34金と打ち、25玉に37桂が最後の決め手です。
期待通りに4桂の打捨てが飛び出して、楽しい作品です。
【作意】36桂、同馬、34金、同玉、46桂、同馬、44馬、24玉、36桂、同馬、
34金、25玉、37桂、同馬、35馬まで15手詰
三輪勝昭作 詰パラ2013年1月号(『幻の城』第32番)

初形15枚とやや駒が多めです。少し眺めてみると色々な手が見えてきます。
・52玉からの脱出ルートを防ぐため、16角を働かせたい。
・32歩成として23飛を活用したい。
・37桂も45に跳ねていきたい。
一度に全部実現するのは無理ですから、まず52からの脱出を防ぎましょう。
それには34銀が邪魔なのでこれを43銀成と消します。
同角の一手に54香と打てば、42玉には34桂があるので、これも同角と応じるしかありません。
これで16角の利きが通りました。
32歩成と23飛を活用したくなりますが、43合とされると続きません。
ここは45桂と跳ね出すのが気持ちの良い一手。
<5手目:45桂>

42玉と逃げれば22飛成、32歩、同歩成、同角、54桂、41玉、53桂まで味良く詰みます。
そこで玉方も同角と取ります。
これで待望の32歩成です。
ところが今度は23角と飛車を抜く手がありました。
しかし、32にと金が出来たので、玉の逃げ道はありません。
かといってこのままでは打歩詰です。
ここで45桂と捨てるのが決め手です。
<9手目:45桂>

これは同角と取るしかなく、54歩が打てました。
54同角に64銀までの詰みです。
初形から34銀を消し、32にと金を作り、64銀を実現するのですが、そのために何度も角を動かす手順はロジカルです。二度の45桂捨も良いアクセント。
玉方の応手はすべて角。角の翻弄を明快に表現した、とても楽しい作品です。
【作意】43銀成、同角、54香、同角、45桂、同角、32歩成、23角、45桂、同角、
54歩、同角、64銀まで13手詰
上田吉一作 詰パラ2004年7月号(『現代詰将棋短編名作選』第285番)

持駒に金気がなく詰上りが見えない初形です。
33玉と上がられては手が出ないので、31飛と捨てるしかありません。
これは同玉と取る一手です。
そこで33香と打つと、何となく詰み形が見えてきましたね。
32合には23桂と跳ねて、21玉に22香まで。
それなら32合は金や飛という横に利く駒で受けに利かします。22香なら同金(飛)です。
しかし、それも31香成で詰みます。
駒が余って詰むのはおかしいですね。
最強の受けがありました。
32龍の移動合です。
<4手目:32龍>

龍なら横にも斜め後ろにも利くので、22香、同龍、31香成、同龍と受けることができるというわけです。
そこで攻め方も同香成と龍を奪ってから再度、31飛と捨て、同玉に33香と攻めます。
今度は龍がないので32に金か飛車を合するしかありません。
金だと同香と取り23金と打てば駒が余って詰むので、飛車合が最善です。
<10手目:32飛合>

32飛合には読み筋通り、23桂不成と跳ね、21玉に22香と打ち、同飛と取らせて31香成までの詰みです。
31飛と捨て33香と打つ順が二度繰り返され、龍の移動合と飛車の限定合が飛び出すという易しいながらも楽しめる作品です。
【作意】31飛、同玉、33香、32龍、同香成、同玉、31飛、同玉、33香、32飛合、
23桂不成、21玉、22香、同飛、31香成まで15手詰
山本昭一作 将棋ジャーナル1981年7月号(『怒濤』第38番)

対称形から、左右で同じ手筋を繰り返す作品を二作(大塚作と上田作)紹介しましたが、もう一つ紹介させていただきます。
初手は41香成として54角の利きを通し手駒を入手します。
同玉に44香と打てば玉方は43に中合して凌ぐしかありませんが42桂成を防いで43金合とするのが常套の好防です。
なお43飛合は42桂成、同飛、同香成、同玉に43飛と打ち32玉、13飛成、41玉、51桂成、同玉、61と以下、作意より早く詰みます。
<4手目:43金合>

43金合にも42桂成とし、同金、同香成、同玉と清算して43金と打ちます。
41玉に51桂成、同玉、61と、同玉と進めて、64香と打つと、右側の攻防とよく似た局面になります。
当然玉方も63金合と受けます。
<16手目:63金合>

63金合にも62桂成から清算して63金と打てば、61玉に52金右と捌いて、71玉に72金までの詰み。
対称形から左右で同じ手順が出現するという楽しい手順で、本作は見事、第一回ジャーナル賞の佳作を受賞しました。
『怒濤』から作者のことばと選評を抜粋して紹介させていただきます。
作者のことば
「初形も対称なら手順も対称的なのが面白いと思う。最初貧乏なのに、金が降ってわいてくるという、ありがたい詰将棋」
選考座談会から柏川悦夫さんのことば
「ビデオテープでもう一度。こんな愉快な詰将棋初めてみました。初形、手順ともに珍。」
【作意】41香成、同玉、44香、43金合、42桂成、同金、同香成、同玉、43金、41玉、
51桂成、同玉、61と、同玉、64香、63金合、62桂成、同金、同香成、同玉、
63金、61玉、52金右、71玉、72金まで25手詰
例題は管理人の感性で「繰り返し」が表現されたと思われるもの選んでいます。
今回はいかがでしたか。
皆さまからも、楽しい作品の投稿をお待ちしています。
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」。17手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし
※終了後新年会開催!
<日時>1月21日(日)18時~
<場所>大和水産 福島店
TEL:06-6458-8581
大阪市福島区福島5-13-18 福島ビル 1F
JR大阪環状線福島駅 徒歩1分
参考URL https://r.gnavi.co.jp/496uttxr0000/
<会費>3千円(学生・女性千円)
★参加いただける方は、予約の都合もあるので、下記宛ご一報いただければ幸いです。
blogsokikaitusin@gmail.com
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
所用で神戸市長田区に行く機会があり、鉄人28号のモニュメントを見ました。
これは阪神大震災復興のシンボルでもあり、横山光輝生誕の地ということで作られたもの。一度は見たいと思っていたのですがなかなか迫力ある姿。
残念ながら三国志ガーデンはすでに閉館していたのですが、そこかしこに色々な展示がされていました。
個人的には「伊賀の影丸」の展示などもあればいいなと思っていたのですが、そういうものはありませんでした。

■詰パラ12月号が到着
・表紙は原田清実さん。「詰将棋専門誌への正しい接し方」の言に思わず襟を正す気持ちに。
・ヤン詰(7P~)。「3回移動」という課題に食指をそそられる方もいるのでは?
・短コン(11P~)。年中行事とは言いながらやはり壮観ですね。11手詰50題は中学校の1年分。気合を入れて解こうと思います。
・同人室(20P~)。課題(限定打2回以上)に応えた作品が12題。初形だけ見れば、苦労の後が偲ばれる構図も散見されますが、力作揃いの予感。
・三輪勝昭200回記念(23P~)。同人入りから4年で100回の入選を積み重ねたのこと。驚くべきハイペース!
・創棋会作品展(24P~)。「遠打や遠開き、3回以上」。好作揃いと太鼓判を押します。解かなければ損です。一題でも解ければぜひ解答を!
・内藤国雄の小ルーム(26P)。毎号問題の下のコラムが面白い。
・おもちゃ箱だより(30P~)。記録更新へのあくなき執念の賜物が紹介されています。
・ちえのわ雑文集(34P~)。「ツイッターでの煙詰の共同創作」の話。素晴らしい合作の誕生に拍手。
・スマホ詰パラ優秀作品展(42P~)。管理人はスマホを持っていない(希少種?)ため実物は見たことがないのですが、以前武島さんが編集された好作集をネットで拝見したことがあります。良い作品が多いという印象でしたが、この4作もなかなかの好作と思います。
・サロン(48P~)。
添川さんの改作(準煙→純煙)には驚き!
谷川幸永さんの「解答者からの雑文」も面白い記事。当選や選考は舞台裏情報も聞いてみたいところですね。
・結果稿(85P~)。創棋会作品展。「七対子図式」は易しい好作が揃ったと思います。解いていない方は、ぜひ結果稿を鑑賞ください。
・編集室(100P~)。流行語大賞には「ひふみん」が選ばれましたね。「29連勝」も審査員特別賞。将棋界も明るいニュースが多くて良かった!
■将棋世界1月号
サロンには、中出さん、西村さん、柳原さんと創棋会メンバーの作品が並びました。
また初入選の田中颯さんは解答選手権・初級一般戦に出場されている方だと思います。こうして作家デビューされるのは嬉しいですね。
付録は詰将棋ファンならこれ単独でも入手したくなる「7棋士が競演!若手棋士の詰将棋」。
■創棋会の次回課題は「繰り返しのある短編」
創棋会の次回課題は「繰り返しを含む短編(17手以内)」です。
12月の例会で選考、3月号作品展に掲載の予定です。
「繰り返し」についての定義はありません。
これまで「駒の繰替え」「同種駒の打捨て」「同一地点への捨駒」「翻弄」「対称形で左右での捨駒の繰り返し」など、数々の好作を例題紹介で取り上げさせていただきましたが、「繰り返し」の表現はまだまだたくさんあると思います。
自由な発想で「繰り返し」を表現して、どしどし好作を投稿いただきますようお願いします。
なお創棋会作品展には、特に応募資格はありません。会合に参加したことがなくても結構です。幅広く投稿を受け付けています。
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
それでは早速例題を紹介させていただきます。
金子義隆作 将棋世界1995年1月号(『蒲公英』第46番)

持駒桂四枚とくれば4桂打捨てを期待します。
まず初手は軽く36桂のジャブ。
33玉には44馬の飛び出しがありますし、15玉と逃げれば27桂があるので、同馬と応じるしかありません。
馬の利きが消えたので34金と捨てます。
これも25玉は16馬まで、15玉なら27桂ですから、同玉の一手。
ここで44馬を急ぐと25玉と上がられて36馬の守りが強く詰みません。
46桂と捨てるのが好手。
<5手目:46桂>

46桂に33玉には44馬があります。24玉なら、34金、25玉、37桂で詰みます。25玉でも37桂と打ち、同馬、35金、15玉、27馬までです。
46桂には同馬と応じるのが最善で、攻め方は待望の44馬です。
25玉なら46桂捨ての効果で26金が打てますので、24玉とかわします。
そこで36桂と捨てるのが巧打。
<9手目:36桂>

ここまでの桂捨ては馬の守備力を弱めるためのものでしたが、36桂は逃げ道ふさぎです。
同馬と取らせて34金と打ち、25玉に37桂が最後の決め手です。
期待通りに4桂の打捨てが飛び出して、楽しい作品です。
【作意】36桂、同馬、34金、同玉、46桂、同馬、44馬、24玉、36桂、同馬、
34金、25玉、37桂、同馬、35馬まで15手詰
三輪勝昭作 詰パラ2013年1月号(『幻の城』第32番)

初形15枚とやや駒が多めです。少し眺めてみると色々な手が見えてきます。
・52玉からの脱出ルートを防ぐため、16角を働かせたい。
・32歩成として23飛を活用したい。
・37桂も45に跳ねていきたい。
一度に全部実現するのは無理ですから、まず52からの脱出を防ぎましょう。
それには34銀が邪魔なのでこれを43銀成と消します。
同角の一手に54香と打てば、42玉には34桂があるので、これも同角と応じるしかありません。
これで16角の利きが通りました。
32歩成と23飛を活用したくなりますが、43合とされると続きません。
ここは45桂と跳ね出すのが気持ちの良い一手。
<5手目:45桂>

42玉と逃げれば22飛成、32歩、同歩成、同角、54桂、41玉、53桂まで味良く詰みます。
そこで玉方も同角と取ります。
これで待望の32歩成です。
ところが今度は23角と飛車を抜く手がありました。
しかし、32にと金が出来たので、玉の逃げ道はありません。
かといってこのままでは打歩詰です。
ここで45桂と捨てるのが決め手です。
<9手目:45桂>

これは同角と取るしかなく、54歩が打てました。
54同角に64銀までの詰みです。
初形から34銀を消し、32にと金を作り、64銀を実現するのですが、そのために何度も角を動かす手順はロジカルです。二度の45桂捨も良いアクセント。
玉方の応手はすべて角。角の翻弄を明快に表現した、とても楽しい作品です。
【作意】43銀成、同角、54香、同角、45桂、同角、32歩成、23角、45桂、同角、
54歩、同角、64銀まで13手詰
上田吉一作 詰パラ2004年7月号(『現代詰将棋短編名作選』第285番)

持駒に金気がなく詰上りが見えない初形です。
33玉と上がられては手が出ないので、31飛と捨てるしかありません。
これは同玉と取る一手です。
そこで33香と打つと、何となく詰み形が見えてきましたね。
32合には23桂と跳ねて、21玉に22香まで。
それなら32合は金や飛という横に利く駒で受けに利かします。22香なら同金(飛)です。
しかし、それも31香成で詰みます。
駒が余って詰むのはおかしいですね。
最強の受けがありました。
32龍の移動合です。
<4手目:32龍>

龍なら横にも斜め後ろにも利くので、22香、同龍、31香成、同龍と受けることができるというわけです。
そこで攻め方も同香成と龍を奪ってから再度、31飛と捨て、同玉に33香と攻めます。
今度は龍がないので32に金か飛車を合するしかありません。
金だと同香と取り23金と打てば駒が余って詰むので、飛車合が最善です。
<10手目:32飛合>

32飛合には読み筋通り、23桂不成と跳ね、21玉に22香と打ち、同飛と取らせて31香成までの詰みです。
31飛と捨て33香と打つ順が二度繰り返され、龍の移動合と飛車の限定合が飛び出すという易しいながらも楽しめる作品です。
【作意】31飛、同玉、33香、32龍、同香成、同玉、31飛、同玉、33香、32飛合、
23桂不成、21玉、22香、同飛、31香成まで15手詰
山本昭一作 将棋ジャーナル1981年7月号(『怒濤』第38番)

対称形から、左右で同じ手筋を繰り返す作品を二作(大塚作と上田作)紹介しましたが、もう一つ紹介させていただきます。
初手は41香成として54角の利きを通し手駒を入手します。
同玉に44香と打てば玉方は43に中合して凌ぐしかありませんが42桂成を防いで43金合とするのが常套の好防です。
なお43飛合は42桂成、同飛、同香成、同玉に43飛と打ち32玉、13飛成、41玉、51桂成、同玉、61と以下、作意より早く詰みます。
<4手目:43金合>

43金合にも42桂成とし、同金、同香成、同玉と清算して43金と打ちます。
41玉に51桂成、同玉、61と、同玉と進めて、64香と打つと、右側の攻防とよく似た局面になります。
当然玉方も63金合と受けます。
<16手目:63金合>

63金合にも62桂成から清算して63金と打てば、61玉に52金右と捌いて、71玉に72金までの詰み。
対称形から左右で同じ手順が出現するという楽しい手順で、本作は見事、第一回ジャーナル賞の佳作を受賞しました。
『怒濤』から作者のことばと選評を抜粋して紹介させていただきます。
作者のことば
「初形も対称なら手順も対称的なのが面白いと思う。最初貧乏なのに、金が降ってわいてくるという、ありがたい詰将棋」
選考座談会から柏川悦夫さんのことば
「ビデオテープでもう一度。こんな愉快な詰将棋初めてみました。初形、手順ともに珍。」
【作意】41香成、同玉、44香、43金合、42桂成、同金、同香成、同玉、43金、41玉、
51桂成、同玉、61と、同玉、64香、63金合、62桂成、同金、同香成、同玉、
63金、61玉、52金右、71玉、72金まで25手詰
例題は管理人の感性で「繰り返し」が表現されたと思われるもの選んでいます。
今回はいかがでしたか。
皆さまからも、楽しい作品の投稿をお待ちしています。
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」。17手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし
※終了後新年会開催!
<日時>1月21日(日)18時~
<場所>大和水産 福島店
TEL:06-6458-8581
大阪市福島区福島5-13-18 福島ビル 1F
JR大阪環状線福島駅 徒歩1分
参考URL https://r.gnavi.co.jp/496uttxr0000/
<会費>3千円(学生・女性千円)
★参加いただける方は、予約の都合もあるので、下記宛ご一報いただければ幸いです。
blogsokikaitusin@gmail.com
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
| ホーム |