【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<7回目>

【結果発表】<7回目>
ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ

 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
    有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
    占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠

 22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
   ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html

 それでは結果発表の第七回、今回は2作を紹介します。
 まず一作目は吉松智明さんの作品です。

⑦吉松智明作
すらすら_9


【作意】
  51桂成、同玉、71飛、61桂合、同飛成、同玉、63龍、62角合、53桂、同金、
  72金、51玉、62龍、41玉、32角、31玉、21角成、同玉、12龍、同玉、
  22金まで21手詰

【正解】
  4手目→61桂合
  手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.33、A:5、B:6、C:1、誤解:1、無解:2、無評価:0

作者のことば
 創作の出発点は2手目桂以外の合いに対して62金、同玉、73飛成、51玉、53龍左とする変化で、創棋会の課題を考えているときに出てきたものです。創棋会の例会では毎回課題があり、これがなかなか大変なのですが(笑)、課題に取り組むことであらたなネタに遭遇できラッキーでした。
 また本作の原図は頭とお尻の2手を除く17手詰。盤面5枚と駒数は少ないのですが詰め上がりに龍が残るので龍を捨てる収束にして、頭の2手も追加して本作品展に間に合わせた次第です。駒数の増える逆算はパッとしないのですが、大駒も消えますので、手の流れの良さを感じていただければ幸いです。


★創棋会の事務担当、吉松さんの作品。
 さすがに初手は51桂成しかありませんね(笑)。62玉なら82飛があるので同玉の一手。
 71飛と打って合駒を訊きます。
 61歩合には62金、同玉、73飛成、51玉(52玉は44桂)、53龍左という好手順があって早く詰みます。歩以外の飛角金銀香いずれも同様の筋で詰みますので、73桂を取らさない61桂合が最善となります。
 すぐに同飛成と切り、63龍と回ると一気に詰み形。
 51玉は43桂の金頭桂があるので62合の一手です。何を合しても72金からタダで取られてしまうので安い合駒にしたいところですが、62歩(桂香)合では53桂が好手で、同金と取らせて72金と打てば51玉に53龍と金を奪って簡単です。
 そこで62合は飛角金銀のいずれかとなります。
 飛合は72金、51玉、62金、41玉、51飛以下。金合は72金、51玉、62金、41玉、52金打以下。銀合は53桂、同金、72金、51玉、62龍以下。ということで角合が最強の受けとなります。
 62角合には53桂、同金としてから、72金~62龍で角を取り、奪った角をすぐに32から21に成捨て、最後は12龍も切って22金打までの詰みとなります。


奥鳥羽生:合駒を2回考える。初手は重要な一手=今開催に出展するためにどうしても必要w。手が限られているのでスラスラ度80点。

★初手はいかにもという逆算。多くの人に見透かされました。

中村雅哉:合駒が入るが選択は難しくない。すらすら解ける作品。
 自分なら△51玉△52金▲43香(歩)から42香(歩)成、同金の形を考えたい。

★少なくとも初手はこういう形を考えるのがスマートな解決方法だったと思います。

有吉弘敏:初手は20手台にするためでしょうか。  53桂以下はなんとなく既視感があります。」

★72金と打って合駒をパクるのも俗ですが、角捨て・飛車切りのあたりは既成手順ではありますね。

金少桂:桂・角合が出るところは良いが類型的といえば類型的。さらに序・収束ともに取ってつけたような感じがする。もっと良い纏め方がありそう。指し手に迷うところはないので課題に忠実といえば忠実だが・・・。すらすら度85点

★創作経緯は作者のことばにある通りですから、取ってつけたような感じがするのは当然です。
 20手台で表現するのが相応しい内容というのはあると思いますので、二度の合駒の前後のまとめ方がどうだったのたのか、素材の活かし方にもう一工夫必要だったということでしょうね。

占魚亭:竜を消して、爽やかな解後感。

★大駒を二枚とも消せたので、スッキリ感は出せた?

kisy:収束玉を送っていってギュッと詰める感じが面白かったです。

★取ってつけたような収束という声ばかりではなく、作者も救われるでしょう。

福原徹彦:桂合を取ると手が切れそうで指しにくかったです。63龍に対する合駒ごとの変化が変化に富んでいますね。

★桂合を取って63飛成と迫るのは、やや実戦的。

三輪勝昭:3手目53飛を読んで道草。8手目角合は意外。 金合は72金、51玉、62金、41玉、52金打、31玉、42金、同玉、52金、32玉、42金打、21玉、61龍迄で割り切れているのかな(変別が多いのは嫌味)。
 4手目の桂合は直ぐ読めるので8手目解答の方が良かったのでは。
  収束その角を捨て龍も消えスッキリ。

★8手目金合は、ご指摘通り同手数駒余りです。俗手俗手で詰むので気にはならなかったのですが、柿木は72金、41玉に51金と筋良く変同を答えてくることもあり、短くできるとよかったですね。

則内誠一郎:このすらすら感が世間の標準。

竹中健一:4手目の合駒も簡単で、すらすら解けました!

★すらすら解けるということでは、作品展の主旨に合っていたと思います。

中出慶一:好手が9手目の桂捨くらいで、最後の龍捨てが解後感アップに寄与しているものの、特徴のない手順になっているのは残念です。

安田恒雄:似た雰囲気の自作を棚に上げておいてのコメントは大変しづらいのですが、スラスラに加えて好手がもう1手欲しい気がします。

★好手が不足しているというのは根本的な問題です。合駒二回では一局を支えることはできません。攻め方の好手が求められます。


続いて二作目は野曽原直之さんの作品です。

⑩ 野曽原直之作
すらすら_10


【作意】
  23銀、同玉、32銀生、同玉、14角、31玉、41角成、22玉、23龍、11玉、
  21龍、同玉、同玉、32銀、11玉、21金、12玉、23銀成、21玉、32馬、11玉、
  22馬まで21手

【正解】
  7手目→41角成
  手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.25、A:4、B:7、C:1、誤解:0、無解:3、無評価:0

作者のことば
 5手目41角は31玉で詰まず、14角~41角成と遠回りが必要。難しい変化も合駒もなく、本当にすらすら解けると思います。


★野曽原さんは毎回創棋会作品展で好作を発表されています。
 さて本作、どう見ても43銀が邪魔で、32銀成と捨てれば詰みそうに見えます。
 しかし32銀成には平凡に同金と応じられると、13銀、31玉、22角(銀)、41玉と逃げられて、もう一押しができず詰みません。
 13銀から34銀成の筋も53の龍を取られるとダメです。
 23銀から32銀不成として玉を32に呼ぶ手があることに気づくまでちょっと時間がかかると思います。23銀も32銀不成も応手に変化があり、上部に追いだす不安感もあってかなり指しにくい手です。
 一つずつ確認すると、まず23銀に11玉は22角から清算して32銀成で簡単。13玉も14銀打、24玉に33角の好手がありますから、同玉しかありません。
 23同玉に34銀成から43角もやってみたい手ですが。23玉、14銀、同玉、64龍と馬を奪っても24歩合くらいで切れてしまいます。
 23玉には上部に逃がす不安はありますが32銀不成が正解です。24玉なら23龍、15玉、26銀、16玉、38角、27合、25龍まで。34玉でも16角、25合、43龍、24玉、23龍、15玉、25龍までと、上部に逃げるのはピッタリ捕まります。
 やむない32同玉に14角と打ち、31玉にすぐに41角成と捨てるのが爽快な一手。
 31玉のところで22玉は23龍とし、31玉なら32銀打以下で、また11玉は21龍と切って早く詰みます。
 41角成に同玉は42銀があるので22玉とかわしますが、23龍から21龍と切るのが決め手です。以下は32銀、11玉にベタッと打つ21金がちょっと面白く、最後は清涼詰です。


kisy:すぐに32銀成と捨てたくなるところを上部に逃しそうな23銀からの32銀生と、21金の感触がとてもよかったです。

★誰が見ても第一感は32銀成。作意はちょっと不利感のあるところ。

有吉弘敏:上部に逃がしたときの変化手順が面白い。

★龍と角の威力でピッタリ捕まる変化は味がいいです

金少桂:考えどころは最初の7手のみ。この7手がけっこう難しかった。あとは一本道の13手収束。すらすら度55点

★難しさの理由は上部追い出しの不利感だと思います。

三輪勝昭:初手32銀成の一手と思い道草。35・45は歩の配置から23銀~32銀生があるかと気付いたらスラスラ解けた。以下の手順はつまらない。

★35歩と45歩の二枚で変化処理できたのが作品価値を高めていると思います。

竹中健一:初手が分かればすらすら解ける。手の感触はいまいちでした。

★玉方応手が玉だけということで、単調さを覚えられたのでしょうか。

福原徹彦:狙いの41角成は取れない捨駒で味の良い手ですが、初手23銀や15手目21金なども好感触の手だと思います。

★21金はkisyさんも好感触という感想。12から捨てるのでは足りなくなるので当然の一手なのですが、ちょっと珍しい感触。

奥鳥羽生:ズバッと41角成。初形では広いが実は狭い玉。序に気付けばスラスラ度80点。

★32玉の形になれば一気呵成です。

則内誠一郎:軽い手筋を味よくまとめている。

山下誠:1四角に一旦3一玉と落ちるのが盲点。

★ある意味41角成は見えている手でもあります。

占魚亭:竜を動かすまでがいい感じ。17手目不成のキズは致し方なしか。

★この迂回手順は作者も自認。

中出慶一:4手目までは難解で、好手(角成捨て)を含む手順ですが、後半は既成手順で清涼詰が救いにならないです。

★前半と後半のつながり、どういう創作経路だったのか知りたいところ。

安田恒雄:スラスラ度、清涼詰、共に気持ち良く解けました。玉方不動の残り駒が少し気になりました。

★玉方駒が捌けなかったのは解後感を落としましたが、清涼詰で救われた面もあるのでは?


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
    blogsokikaitusin@gmail.com

***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
      遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
         投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
         編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
    blogsokikaitusin@gmail.com
以上
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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<6回目>

【結果発表】<6回目>
ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ

 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
  有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
  占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠

 22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
  ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html

それでは結果発表の第六回、nono_yさんの作品です。

⑦nono_y作(2)
すらすら_8


【作意】
  34金、22玉、23金打、31玉、32金打、同銀、同金、同玉、43銀、41玉、
  74馬、31玉、64馬、22玉、23歩、11玉、12歩、同玉、24桂、11玉、
  22歩成、同玉、31馬、11玉、21馬、同玉、32銀成、11玉、23桂まで29手詰

【正解】
  3手目→23金打
  手数→29手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:1.58、A:1、B:5、C:6、誤解:0、無解:3、無評価:0

【作者のことば】
 初手から3連続金ベタ打ちの大俗手が狙い。ここさえ抜ければ後はすらすら。詰将棋慣れした人ほど、初手は赤羽手筋の▲45桂と打ちたくなるはず。実際、△32玉以外の逃げ方だと、作意よりもよほどきれいに詰む。一番危なそうな2手目△22玉が最善なのも意外だが、ここで手順に▲23金だと詰まず、さらに重ねる3手目▲23金打が「狙いの一手」。
 以下も▲32金打から清算という酷い展開だが、▲43銀と押さえた後はまともな流れになり、 収束に馬捨ても入って一応まとまったと思う(ただし最後は冗長)。
 なお、実はこの図はスマホ詰パラでは珍しく不採用だった(いまや「完全作ならすべて採用」ではない)。確信犯の俗手連発は不許可だったわけだが、手練れの方々のご意見をお伺いしたくなって応募。


★nono_yさん、今回も二作の投稿をいただきました。③飛角図式に続いての登場です。
 詰キストの第一感は45桂打でしょうね。
 ところで角筋を止める桂打を赤羽手筋というのは不勉強で知りませんでした。赤羽さんが7手詰で看寿賞を取られた頃、飛び道具の威力を存分に発揮された素晴らしい作品を続々と発表され「赤羽ショック」というフレーズがあったのを思い出しました。
 45桂打には44玉なら35金捨から、また42玉には俗に53金と打ち込み32玉、42金打、23玉に33桂成と捨てれば詰みます。22玉も23歩、31玉、42金、同玉、53金、51玉、52歩、同銀、62金打、41玉、52金寄る、32玉、42金上、23玉、33桂成で詰むのですが、32玉と落ちられると、33歩や33金、あるいは42金など、いずれも手は続くのですが詰みません。
 となると他には有力そうな手もないので、あまり指したくない手ですが34金と打つしかありません。
 42玉と逃げられると詰むのかという感じがするのですが、それには43金から34銀と活用すると、53玉には42銀の好手があり、52玉には64桂でそれぞれ詰みます。56馬がよく利いています。
 それでは32玉はどうでしょうか。それには44桂の好手があります。同銀なら43金打で簡単。31玉は32金から清算。42玉なら43金から52銀。41玉が少し面倒ですが、74馬と飛び出し52桂香合なら42金から43金で、また金銀合は32金打~52桂成~42金打で詰みます。
 最も危なそうな22玉が最善ということになります。
 どうやっても詰みそうですが23金と活用するのは31玉で詰みません。33金打や14桂も続きません。ここは重いようでも23金打と重ね打ちするのが作者の狙いの一手なのです。
 これがわかれば後はすらすらです。
 31玉には32金打(金の三連打!)で清算し、43銀と押さえます。41玉には74馬と活用し、端に追っていきます。23歩から12歩で24桂の拠点を築き、22歩成から31馬と捨てるのがクライマックスです。
 以下21馬と桂を取り吊るし桂までの詰みとなります。


則内誠一郎:芋筋で魅せる風変わりな作り。

★序盤の金の連打は確かに芋筋。心理の裏を行きます。

kisy:45桂からの赤羽手筋が出ると思っていたので初手と3手目がとにかく見えませんでした。 最初から最後まで重厚感のある手順でした。

★重厚感といえば「ひふみん」こと加藤一二三九段のキャッチフレーズの一つ「重戦車の攻め」を連想しますが、本局も金の重ね打ちや馬の活用に重厚さを感じられたのでしょうか。

占魚亭:重い。もう少し捌ければ……。

★重厚さは一歩間違えば単なる重さとなります。対比される軽快さがあれば重厚さも引き立つのですが、捌けないと重さが目立ちます。

福原徹彦:初手は45桂が第一感でしたが、まさか金3連打だったとは。

竹中健一:初手が実は意外だったので、結構苦労しました…

有吉弘敏:かなり難解。この初形と持駒ですらすらとは・・・。初手45桂でかなり考えました。  俗手が多く詰将棋っぽくない手順です。」

★実力者の皆さんも初手発見には苦労されたようです。

山下誠:俗手連発で手順に妙味がない。

★しかし、俗手の意外性だけで一局を支えるのは少々厳しかったようです。

中出慶一: 軽手、好手のないまま終わるようで、特徴がなく解後感が良くありません

★詰将棋を解く快感は、駒を捌く清涼感や捨駒の爽快感と謎解きの感動などが大きな要素だと思います。31馬の一手だけでは快感は得られなかったようですね。

奥鳥羽生:突如の金三連打。変化飛ばしはせず先につぶす自分は2手目の変化からスラスラ度60点。

★序盤の変化紛れをやや煩雑と感じた方も多かったようです。

三輪勝昭:序盤の変化は並べていれば詰むが、暗算で読むのはメンドクサイのでスラスラ展には失格だし、作意も下らない駄作。

金少桂:序の露骨な3連金打が少しやりにくい。後半は13手目64馬か32歩か迷うくらいでほぼ一本道の追い手順か。すらすら度60点。

★後半の手順にもう一手ほしいところです。

安田恒雄:キーの手の指定が3手目でなかったら重ねて打つ23金打の発見が遅れたかもしれません・・。詰上がりが惜しいです。

★初手に打った34金が取り残されたのも残念でした。

★本作、序盤の金連打の意外性は評価された面もありますが、「すらすら解ける20手台」という出題場所が相応しくなかったかもしれません。これは選題側の問題と受け止めています。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
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***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
       遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
       投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
       編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2016年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

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※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
  blogsokikaitusin@gmail.com

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<5回目>

【結果発表】<5回目>
ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ


 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
   占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠

 22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
   ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html

本日の結果発表の前に4回目の解説へのコメントが届いていますので紹介させていただきます。

三輪勝昭
 作者の有吉さんは、23手目18飛~28飛とする手の迂回手順を気にしているようですが、これ千日手でしょ。
 同一局面にする手は、僕は詰将棋では1回目で反則のルールにしても良いし、もうなっていると思ってます。
 余詰判定のルールとしては不文律で1回目で反則となっていると言う事です。

★ご指摘のとおりです。嫌がらせ不成のような迂回手順とは異なり、明らかな千日手ですね。結果発表で明確に解説できず失礼しました。

奥鳥羽生
 細かいことで非常に恐縮ではありますが、4手目、
 香合は同香、同玉、28香。
 銀合は同香、同玉、28飛、16玉、17歩、同玉、18銀、16玉、17銀打。または同香、同玉、28歩、26玉、35銀打、24玉、34馬、14玉、24馬。
 がそれぞれ最短だと考えます。掲載の手順は一種の変別かと。細かいことで恐縮です。

★これまたご指摘のとおりです。確認不十分なままでの解説、申し訳ありませんでした。
 変化はかなりスッキリしますので、前回の解説以上にすらすら度がアップしました。有吉さんには失礼のありましたこと謹んでお詫び申し上げます。

さて結果発表の第5回目。本日は二作発表させていただきます。

まず一作目は福原徹彦さんの作品です。

⑥福原徹彦作
すらすら_6


【作意手順】
  34角、43銀合、52銀、同玉、44桂、42玉、32金、同銀、 同桂成、同玉、
  23金、31玉、22銀、41玉、63馬、同桂、31銀成、同玉、32銀、42玉、
  43角成、51玉、41銀成、同玉、32金、51玉、42金、まで27手

【正解】
  3手目→52銀
  手数→27手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.64、A:7、B:4、C:0、誤解:0、無解:3、無評価:1

作者のことば
 このような詰将棋作品の発表場所を設けていただきありがとうございます。
 創棋会に参加したことのない私ですが、丁度良さそうな作が在庫にありましたので、投稿することにいたしました。
 詰上がりで駒の形となる曲詰です。
 手順は易しく、よくある手順ですが、合駒や、22銀→32銀の打ち換えなどもあり、易しすぎてつまらない、というようなことはないと思います。
 狙いの一手は3手目52銀です。金2枚を残さなければならないため71金では詰まず、52銀と捨てることになります。捨駒になっていて味も良いと思いますし、(敢えて言えば)ここが唯一の考えどころではないかと思いますので、「狙いの一手」としました。


★福原さんは2016年に倉敷で開催された全国大会でアマ連杯握り詰の最優秀作を獲得するという鮮やかなデビューを飾られたのは記憶に新しいところです。
 初形はコンパクトで34角と打てば一気に玉が狭くなります。52合は71金の一発、52金と寄っても62金、同銀、61金がありますから43合の一手です。平凡に歩合では71金、52玉、44桂から32金があるので43銀合が最善。ここまでは一気に読めます。
 71金の俗手では金が不足するので、52銀と捨てるのが好手。「逃げ道に先着」を絵に描いたような気持ちの良い手です。
 同じようでも初手52銀では同玉、34角に42玉で詰みません。
 同玉には44桂。これに対して41玉では、23角成、32金合(他合は31金~22金以下)、31金、同玉、32桂成、同銀、22金以下早いので42玉と逃げるのが限定。
 32金から清算し、32同玉に23金と打ったところで、31玉とするのが最善の逃げ方。41玉ではいきなり63馬から32銀で早く詰みます。
 31玉にはいったん22銀と打ちます。32銀と打ちたいのですが42玉とされると手が無いのです。22銀なら42玉には33銀と引いて詰みます。
 22銀には41玉とするしかなく、待望の63馬で銀を入手します。
 そこで22の銀をいったん31に捨てて32銀と打ち換えるのが味の良い手順です。
 以下はもう一度銀を成捨てて23金を活用すれば詰みとなります。
 詰め上がりは玉が51に収まって駒の形になります。
 「易しすぎてつまらない」はご謙遜で、随所に考えるところがあります。しかし難解というものではなく、解いて爽快な作品です。評点もC評0で2.64と好評でした。


福原徹彦:合駒と銀の打ち換えでなんとか作品にできたかな、と。

★その2点に好評が集まりました。

三輪勝昭:見かけから行きなり難しい変化を読むのは嫌だなと思ったら簡単に銀合に決まる(43桂跳の変化はメンドクサイが簡単)。
 金を残さなくてはいけないので52銀~23金まではスラスラ。
 11手目23金には41玉を先に読んだ。
 この収束は嫌いなんでCにしようと思ったら、31玉だと22銀打って捨てて32に打ち直したのに又捨てるので、この定番収束が生きている。スラスラ展向きの好作

★銀合が第一感ですが、43桂跳は、同角成、52飛合(金合は73桂、51玉、41金以下)、71金、51玉、33馬、41玉、32銀、同飛、33桂以下。

kisy:僕は詰将棋を解くスピードはかなり遅い方だと思うのですが、この作品は自分でビックリするくらいのスピードで解けました。
 31銀成~32銀の打ち替えが気持ちよかったです。 作者予想=三輪勝昭さん

★今回作者予想はkisyさんの本作のみ。残念ながらはずれましたが…。

有吉弘敏:一旦22銀と控えて打ち、捌いたのちに32銀と打ち、また捌く味がいい。

★打って捌くというのはいつ見ても気持ちがいいですね。

竹中健一:22銀~31銀成がちょっとだけやりにくいですね。
 初手が決まれば後はすらすらでした!
 52銀が初手ならもう少し評価が高かったんですが…

★52銀が初手なら大絶賛ですね。

金少桂:実戦的な拠点作りから後半の捌きよし。13手目22銀が敢えて一路ずらして打つ感触。最後に将棋の駒の形が現れてびっくり。すらすら度70点。

占魚亭:頭3手がいいですね。

★限定合に52銀の焦点打は気持ちの良い一手です。

奥鳥羽生:玉から右側だけなら無仕掛だが無味乾燥ではない手順。スラスラ度70点。

★煩わしくない程度に考えさせてくれる作品です。

中出慶一:2、3手目の好手が難しいところですが、その後の手順は主題に相応しく、左右対称の清涼詰になる、さわやかな解後感が好ましい好作です。

安田恒雄:清涼詰でこの詰上がりは気持ち良い。

山下誠:5二銀から右翼に誘って、最後は中央に将棋の駒が出現。

則内誠一郎:詰上り図のポイントが高い。

★詰上りも好評でした。曲詰になるところや清涼詰というのは解後感を良くするポイントの一つですね。


続いて二作目はkisyさんの作品です。

⑦kisy作
すらすら_7


【作意】
  33桂、11玉、12歩、同玉、24桂、11玉、13香、22玉、32桂成、同角、
  34桂、33玉、24馬、43玉、42馬、34玉、46桂、23玉、24馬、22玉、34桂、
  31玉、42馬、21玉、11香成、同玉、33馬、12玉、22馬迄29手詰

【正解】
  9手目→32桂成
  手数→29手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.42、A:5、B:7、C:0、誤解:3、無解:0、無評価:0

【作者のことば】
 初投稿です。
 普段はスマホ詰パラを中心に詰将棋を投稿しています。
 序の変化読みの一つ一つが少し長くややこしいですが、後半はすらすら進むと思います。
 10手目の局面からの逆算ですが駒を増やすことなくでき大満足です。
  採用していただけたら嬉しいです(^ ^)
 いつか創棋会にも参加したいと思っているのでその時はよろしくお願いします。


★kisyさんも創棋会の作品展には初登場。すでにスマホ詰パラでは作品を発表されているとのこと。
 本作は持駒が桂香歩だけで攻め駒も玉から遠く、見た目は詰めにくそうな印象を持ちます。
 しかし初手33桂と打つと意外と狭いことが分かります。22玉と上がられて捕まらないようですが、そこで34桂とすれば33玉、24馬、43玉、42馬、34玉、35香、23玉、41馬と角を取れるのが大きく、12玉に34角で詰みます。
 33桂には11玉が最善ですが12歩と叩きます。ここでも22玉が気になりますが34桂とすれば先ほどと同様に追って詰みます。
 12同玉には24桂と拠点を築くのが大きな一手。ここで22玉と逃げるのは、32桂成が好手で、同角、34桂、33玉(11玉は、12香、同玉、24桂、11玉、22桂成、同玉、32馬、22角まで)、24馬、43玉、42馬、34玉と追ったとき、35香と打てるので、32馬と角を取る手が生じて早く詰みます。危ないようでも11玉と逃げ13香と打たせてしまうのが最善の凌ぎです。
 13香に22玉とかわしたとき32桂成と軽く捨てておくのが好手です。24の桂は拠点のようで捨てにくいところですが、手順を追えばわかりますが実は邪魔な駒なのです。
 32桂成、同角と取らせて34桂と打てば、31玉には43桂から41馬があるので33玉の一手。ここで24馬と出来るのが24桂を捨てた効果です。
 24馬~42馬に34玉とされては46桂と打つしかなく、手駒を使い切ってしまうとちょっと心もとない感じですが23玉に24馬と引き、22玉に34桂と打ったばかりの桂を跳ねるのが味の良い継続手段。
 以下は13香も11に成捨てて33馬からの収束です。
 一手一手にちょっとした変化がありますが、持駒の桂香歩がすべて動いたり消えたりするところや、24桂→32桂成、46桂→34桂、13香→11香成と二段活用されるところなどきれいな捌きの作という印象です。本作もC評価無しと好評でした。


Kisy:ベテランの詰将棋作家の方々に混じって作品を出せる機会はなかなかないので、張り切り過ぎてしまいました(汗)

★創棋会の例会にも初参加され、大いに刺激を受けられたことと思います。これからもご参加をお待ちしています。

有吉弘敏:変わった手触り

則内誠一郎:玉を34へ追う辺りが面白い。

★いったん上部に追い出すところにちょっぴり不利感があります。

福原徹彦:46に打った桂が34に跳ねる手と13香が収束で捌けるのが気持ち良い。

★そこから一転して追い落としていくときに打った駒が捌けるのが好感触です。

安田恒雄:スラスラ度は高いのですが、好手がもう1手あると嬉しいです。

★捌きだけでなく捨駒がもう一手欲しかったという気持ちはわかります。

金少桂:これと言って難手があるわけではないが、長手数変化が多くて厄介だった。2手目22玉の変化で41の角を取るのが少し盲点。すらすら度45点。

三輪勝昭:2手目22玉は35香~41馬と角を取れば詰むのかな。
 この変化読みがスラスラ展としてはどうかだが、他はスラスラ展向きの作品。

★確かに2手目の変化は長いですね。筋の良い人には駒取りが気づきにくい。

奥鳥羽生:打駒6つの内3つが動く駒捌き。前半の変化があるのでスラスラ度60点。

★捌きはいいので前半の変化をもう少しすらすらまとめられれば良かったですね。

占魚亭:のらりくらりと逃げる玉。12歩~13香のあたりが好きです。

★前半の玉の動きは、まさにのらりくらりですが、全手順でも10手目の同角以外はすべて応手が玉でした。

竹中健一:逃げ方にちょっと迷いますが、きれいに捌けた感じです!
 すらすらとはいかなかったですが、手順は良かったです!

★手順を評価してもらって作者も嬉しいでしょう。

山下誠:桂馬の威力を存分に活かした素晴らしい手順。

★桂馬が活躍する作品でした。

中出慶一:これは馬追いの趣向詰だ! 3桂を犠牲にして、2段桂活用も含めて、旨く馬追いを続ける手順が紡ぎ出されている。

★桂香歩の活躍だけでなく、馬の動きも楽しめる作品でした。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
      遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
       投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
       編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
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以上

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<4回目>

【結果発表】<4回目>
  ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ


 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
  有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
  占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠

 22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
  ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html

それでは結果発表の第四回、有吉弘敏さんの作品です。

⑤有吉弘敏作
すらすら_5

【正解】
  46銀、26玉、28香、27歩合、同香、同玉、28飛、17玉、18歩、16玉、
  34馬、25金合、17歩、同玉、18飛、26玉、27歩、同玉、19桂、26玉
  28飛、17玉、27飛、16玉、25馬、同と、17飛、同玉、27金まで29手

【狙いの一手】
  初手→46銀
  手数→29手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.80、A:8、B:2、C:0、誤解:1、無解:1、無評価:3

【作者のことば】
 狙いの一手は初手46銀になります。ぴったり感が気に入っています。
 何も追加駒をおかずに、初手が入れられたのは幸運でした。
 新味妙味は全くありませんし、変化・紛れもほとんどありません。
 飛の左右移動をベースに、すらすらを意識して、難度をあげないように創作しました。


★有吉弘敏さんといえば70年代から80年代に大活躍された短編作家という印象が強いのですが、ここ数年復活されると同時に好作を連発されているのは流石です。
 本作も「すらすら」を意識して創作されたとのことですが、決して一本道の手順ではありません。
 初手46銀が狙いの一手。
 26玉には逃走を阻止して28香が必然。27合は何が最善でしょうか。
 香合は同香、同玉、28飛、16玉、17歩~18香。銀合なら16玉まで追ってから27銀、25玉、36銀があります。また桂合は同香、同玉、19桂、26玉、28飛、16玉、17歩、同玉、27飛、16玉、28桂までピッタリ詰みます。27歩合が最善となります。
 27同香、同玉となったとき、19桂が良さそうな手ですが、26玉、28飛のとき、27歩と捨合するのが妙防で、同飛と取らせて、16玉、34馬、25合以下打歩詰となります。ここは平凡に28飛とします。このとき17玉と寄って18歩と打たせるのが芸の細かいところです。ただちに16玉では手数が短くなります。
 16玉となったところで34馬と活用。25歩合では、17歩、同玉、18飛、26玉、35馬、27玉、19桂までです。25合は35馬を消すために横に利く駒でないといけませんが、飛合では17飛の一発があるので金合に決定。
 以下、17歩から18飛とし、26玉には27歩から19桂と手がかりを残します。
 26玉には28飛と寄り17玉に27飛と巨砲を据え直し、16玉に25馬と切って金を入手。
 そこでスパッと17飛と捨て、同玉に27金まで、鮮やかな収束でした。
 手順中、17玉の処16玉は、25馬、同と、18飛、17合、同飛、同玉、27金まで同手数駒余りになります。
 随所に小さな変化がありますが、難渋なものはなく、煩雑さは感じません。
 最後に飛角が消える収束も解後感良好。
 C評価は0で平均点も2.80と、見事ベスト5に輝きました。

 なお、作者から「作意23手目で18飛とすると26玉、28飛、17玉と作意に還元するのが気になり、解消を検討したが、この収束形につなげるためには消せませんでした。解答する側として気にならなければ良いのですが。」というコメントがありました。
 管理人はこの種の迂回手順は気にしなくても良いと思いましたし、今回の解答でもこの点を指摘された方はいませんでした。


三輪勝昭:気持ち良く解けて手順も良い。スラスラ展に最適作。最後飛捨ての収束になるのがいかしてる~。

★この形から大駒が消えて金打ちまでというのは意外な感じもしますが、気持ちの良い手順です。

中出慶一:12手目の金合で、単調にならない軽快な手順を作り出し、すがすがしい解後感を味わい、飛角を消去する狙いを実現している。まさに「すらすら解ける・・・」を実践している内容に拍手!

★二回の合駒が良い意味での考え所だと思います。解き終わってから並べ直してすらすらを実感された方も多かったのではないでしょうか。

則内誠一郎:初手が狙いとは思えない秀作。

★初手への想いは作者のことばを参照ください。

竹中健一:前半はこれしかない手順。金合をうまく処理したと思います。
   すらすらとはいかなかったけど、好作だと思いました。
   しかし、なんで初手?(解答のキーとなる一手…)

★11手目くらいまでは必然の応酬なのですが合駒が入って単調ではありません。そこを抜ければ爽快な手順が待っています。

中村雅哉:全然すらすらではないが、初手は46銀しかないので初手解答は親切設計。

★初手にはそういう意味がありましたか…。

kisy:創棋会の帰り、珍しく暗算で解いたせいか8手目16玉34馬以下27手詰、と誤答しかけました。 盤に並べて手数を数える時に気がつきましたが、危なかったです。

★いったん歩を打たす17玉が芸の細かいところ。

占魚亭:やさしい入玉図。飛車を動かすタイミングがポイント。

★7手目19桂と打ってしまうと打歩詰。

福原徹彦:小刻みに飛を動かすのが小気味良いと思います。

★飛車が一マスずつ動くのが駒ネズミのようですね。

奥鳥羽生:固定調ではないが面白みのある趣向手順。スラスラ度80点。

★飛車の動きが趣向的と言われればその通りです。

金少桂:1筋と2筋での細かな駒のやりくりが面白いが少し複雑。大駒が2枚とも消える収束は予定調和的で気持ちが良い。すらすら度50点。

★細かな動きから最後は大駒を消しての収束。定番のシナリオかもしれませんが、解後感はいいですね。

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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<3回目>

【結果発表】<3回目>
 ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ


 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
   占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠

 22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
  ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html


 さて本日の結果発表の前に、既発表へのコメントが届いていますので紹介させていただきます。

nono_y:今年は解答では参加できなかったので、補足コメントで参加します。
 53銀~73銀の筋でまとめるのは簡単で、81飛→81金にするだけです。
 しかしそうしなかったのには、いくつかの理由があります:
  (1) 20手台でなくなり、手数を延ばそうとすると持駒趣向が崩れる
  (2) 飛角図式でなくなると、こんな大袈裟な配置にする理由がない
  (3) コメントで触れたジャイアン作は、実はこの筋でまとめている

★「飛角図式+持駒銀一色」が本作の大きな価値の一つですから、それが崩れるとなると見送らざるを得なかったというのは肯けます。

それでは結果発表の第三回目です。第4問は鳥本さんの作品です。

④鳥本敦史作
すらすら_4


【作意手順】
   63角、72歩、84香、83銀、72角成、同角、83香不成、同角、82銀、92玉、
   83と、同玉、94角、92玉、93歩、82玉、84龍、91玉、92歩成、同玉、
   83角成、81玉、82馬まで23手詰

【正解】
   4手目→83銀
   手数→23手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
   平均点:2.33、A:4、B:8、C:0、誤解:0、無解:3、無評価:0

作者のことば
 大道棋での参加を画策しました。角香問題でシンプルに出来上がっているのが売り。
 紛れはほぼなしに等しいのですらすらいけそうだと思います。

★大道棋教室を復活させた鳥本さんの作品です。
 駒数も少なく、詰みそうな筋が結構あって、手を出したくなる図です。
 たとえば84香と打つと83中合の一手です。そこで92角とすると、同玉なら83とがあり、91玉も41龍、81合、82とで詰みますが、71玉と寄って逃れます。
 83中合に先に41龍と入ると今度は71桂合とされ92角、同玉、83と、同桂とされて詰みません。
ということは初手41龍も続かないということですね。
 そこで63角に気がつくと、同角なら84龍と横に活用することが出来ます。63角に92玉なら42龍がありますから取るしかなさそうですが、72歩合が粘りのある好防です。
同となら92玉と逃げ、同角成なら同角で凌ごうということです。
 ここで攻方は84香と打ちます。対して83銀の中合が妙防です。
 銀合以外は41龍とし、71合、同龍、同玉、72とまでの詰みがあります。
 銀をすぐに取っては92玉から逃げられますので、72角成と歩を取ります。同角に83香不成とすれば44龍の横利きが通って、これも同角と取るしかありません。
 ここからは俗ですが82銀と打ち、83と と角も取ります。83同玉となったときに94角と打てば意外と玉は狭く龍を活用して収束となります。
 大道棋としては易しい部類の作品で、序盤の応酬を乗り越えればすらすら進んだのではないでしょうか。


占魚亭:大道棋角香問題。どこが「すらすら」なんですか!(笑)

福原徹彦:解いてみると意外に素直な手順でしたが、初形が大道棋風で「すらすら」感が無い…。

★「大道棋は難しい」「大道棋はややこしい」という気持ちがあると、抵抗感が生まれるのかもしれませんね。

金少桂:既知の詰筋なのに、この類型の創始者の私ですらパッと見ではどの詰筋かわからなかった(ある意味この類型を作った自分に対する自画自賛)。入り口さえわかれば後は難しいところはないので、まさに大道棋の客寄せ問題という感じ。すらすら度65点。

★大道棋といえば金少桂さんの評価を知りたいところでした。
 新手筋ではなくても入り口で迷うというのは大道棋として良い類型ということですね。
 本作はそこさえ抜ければ紛らわしいところは無いので、意外とすらすら進みます。

竹中健一:最近たまに見かける大道棋系の問題ですが、シンプルで考えやすかったです。

有吉弘敏:なんとなく大道棋風の手順です。

★大道棋とは言っても、本作の場合は複雑怪奇な内容ではありません。

則内誠一郎:合駒を苦にしない人はすらすら。

中出慶一: 大道棋を思わせる配置、手順ですね。序盤特に初手、2、4手目着手が難しい好手になっていて、「すらすら解ける・・・」と真逆を行く前半手順で、14手目からの収束でやっと本来の趣旨になる?

★易しいといっても72歩合、83銀合のあたりは、組み合わせの綾もあって、やや難しかったようです。

三輪勝昭:41龍~71同龍、同玉、72とを防ぐ83銀合がこの形の定跡なのかな?
知らないので、84香、83合に92角は71玉。41龍は71桂合などを読んで全然スラスラじゃなかった。
打った93歩を捨てるのが良い感じだけど、ここは変同なのが残念。

★大道棋はその類型のパターンを知っているかどうかが難度の分かれ目ですね。
この変同、気になる人には気になる。(管理人は気にしない派ですが…)

安田恒雄:中合の銀、スラスラの清涼詰で好感触の作品なのですが、個人的にはどうしても香打の非限定が気になります。

★清涼詰というのも好感度を上げる大きな要素の一つですね。
以遠打…。これも気になる人には気になる。(管理人は、すぐ消える場合などは、あまり気にしないのですが…)

山下誠:比較的読みやすい合駒の大道棋で、気持ちよく解ける。

kisy:41龍に備えた83銀合が面白かったです。72桂合の変化も難しくなく解きやすかったです。

★合駒読みを楽しめた方からは好評でした。
 なお、72桂合は作意通り進めて84桂があります。

奥鳥羽生:スッキリとした大道棋。大道棋としては紛れ小も今開催としてはスラスラ度60点。

★このあたりが妥当な評価でしょうか。


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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<2回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<2回目>

 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
  有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
  占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠

 22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
   ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html


 さて結果発表1回目について以下のようなコメントをいただきました。

三輪勝昭:スラスラ展①について
 同一手順作があったのは、あって当たり前って感じですが、ネット発表なら発表価値は十分あると思います。
 長谷川佳邦作は、僕は意味のない合駒させてブチ切る手順を凄く嫌っているので、形が同等だとしても大西智之作を支持します。
 好き嫌いは別にしてもかなり違う感じの作品になっていると思います。
 それと、EOGさんが、このような同一手順がないのかなと思う作品の類似作がないか、調べてくれるのはありがたいですね。
 最後に大西作の改作案は手順がありふれていて、僕はほとんど価値のない図だと思います。

★「違う感じの作品になっている」というのは管理人も同感です。同一手順作があったのは残念ですが、作者には発表図にまとめた感性を大事にしていただきたいと思います。

 それでは結果発表の第二回、今回は2作を紹介します。
 まず一作目は金少桂さんの作品です。

①金少桂作
すらすら_2


【作意】
  53角、42桂合、同角成、21玉、24香、23桂合、43馬、12玉、23香成、同玉、
  24銀打、12玉、22銀成、同玉、33馬、31玉、43桂、41玉、51桂成、31玉、
  23桂、21玉、11馬、32玉、33銀成 迄25手

【正解】
  13手目→22銀成
  手数→25手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
   平均点:1.92、A:1、B:9、C:2、誤解:0、無解:2、無評価:1

作者のことば
 不良在庫だが捨てるには惜しい味ありの作なのでここに投稿させてください。
 攻方の指し手は選択肢があまりなく、考えどころはほぼ2手目と6手目の中合選択のみです。
 作品の狙いとしては2手目と6手目ですが、前半すぎるので、便宜上、最後の捨駒になる13手目22銀成をキーとなる一手とします。


★大道棋作家としてすっかりおなじみとなった金少桂さんの作品です。
 53角と打って21玉と寄れば、何となく香歩問題の雰囲気が漂います。
 しかしそれには平凡に23香、12玉、22香成、13玉と追えば35角成があるので簡単に詰んでしまいます。
 53角には、35に成らせないよう42に捨合するのが好防です。
 といっても42同角成、21玉となったところでは、43銀も質駒になっているので、どうやってもすぐに詰みそうです。
 42の合駒を確認していきましょう。
 飛車と金は簡単。角なら43馬~21角~24銀、また歩(香)は43馬~13歩(香)~24銀という筋で詰みます。最善は42桂合です。
 今度は同角成、21玉と追ったときすぐに43馬と銀を取ると12玉で続きません。いったん24香と打ちます。
 12玉では22銀成~23香成があるので、23に中合で凌ぎます。
 23に歩合だと43馬、12玉、23香成、同玉、24銀打、12玉、13歩、11玉、23桂ときれいに詰みます。どうやら桂合が最善のようです。
 23桂にはいったん43馬と銀を取り、12玉に23香成と桂馬も取ってしまいます。
 24銀打と上部を押さえて12玉となったところで22銀成から33馬と寄るのが攻めをつなぐ好手順。
 21玉は13桂が利いて早く詰むので31玉と逃げますが、43桂から23桂と寄せの網を絞っていきます。
 捨駒で締めくくることが出来れば解後感はよかったのですが、盤面銀一色の好形作品に、序盤の捨合、中合と二度の桂合が飛び出すところは好防の連続で、楽しめたのではないでしょうか。


kisy:大道棋はごちゃごちゃしていて難しいイメージがあったのですが、スッキリした初形で、合駒を順番に読んでいくのがとても楽しかったです。

★ここまでシンプルだと考える気も湧いてきます。手をつければそれほど煩わしさはなかったと思います。
 合駒読みが楽しくなれば詰将棋の面白さは増加します。

福原徹彦:5手目43馬だと失敗。2度の桂合の意味づけが上手いと思います。

★42桂合は馬を作らせて43銀も質駒になるので、破綻なくまとめたのは作者の腕。

奥鳥羽生:5手目すぐに43馬は12玉、14香、同銀、34馬に23銀移動合で逃れ。ということで、24香と一呼吸置いてから43馬。スラスラ度70点。

★この紛れまで読んでいるのは流石です。

中村雅哉:手を出しやすい棋形だが、捨て合がからむのですらすら度は少し落ちる。

★二つの合駒は単発ならそれほど難しくないのですが、二度出てくると手が進まなくなりますかね。

則内誠一郎:「全」と「と」の違いを教えて。

占魚亭:四銀配置に拘らなくてもと思う一方、拘りたくなる気持ちも分かる。

★銀一色図式が狙いの一つと思われます。小駒の成駒には必然性を求めたいという気持ちも、形式美を重んじたいという心理もわかります。

中出慶一:9手目以降に「すらすら解ける・・・」が出てくるが、2手目、6手目の合、中合駒選択には、「すらすら解ける・・・」が相応しくなく難しい。全の駒配置を改良すれば、短大で通用する内容と見ます。

★短大で通用するにはもう一ひねり欲しい?

山下誠:銀成から3三馬がちょっと見えにくい寄せ方。

★一瞬ですが、銀と馬を入れ替えて桂二枚で詰むのかと思いますね。

三輪勝昭:「16手目21玉と31玉は同じようで31玉が2手長いのは面白い。もっとも、これが同手数ならボツ作だが。

★収束の落とし穴というほどではなかったのですが、注意は必要。

有吉弘敏:前半の攻防は面白かったです。

安田恒雄:2度の桂合があってもスラスラ度は良いのですが、詰上がりが少し残念です。

竹中健一:無理に4銀使用にする必要ないかなぁと思いました。捨合・中合いは良いけど、途中からの手順はいまいちな感じがしました。

★最後が最長手順探し的になってしまった感はあります。後半に捨駒が一つでもあれば印象は変わったと思いますが。


続いてnono_yさんの作品です。

③nono_y作
すらすら_3


【作意】
  22銀、同玉、24龍、32玉、33銀、41玉、44龍、52玉、54龍、62玉
  64龍、63金合、73銀、51玉、42銀打、52玉、63龍、同玉、64金、52玉
  53金まで21手詰

【正解】
  12手目→63金合
  手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.08、A:4、B:6、C:3、誤解:0、無解:2、無評価:0

作者のことば
 今年こそ本誌投稿名義で新作を…と思っていたのですが、 応募予定作は予想外の本誌入選、代替作も手順を詳しく調べてみると作意よりもはるかに難解な変化がいくつもあり、明らかに趣旨に合わないので却下。というわけで、今回もスマホ詰パラ用在庫から応募です。
 9手目から53銀~73銀~81龍と素直に追うと、最後の83飛が角の効きで打てず不詰。そこで、54龍~64龍と寄る破調が唯一の狙い。
 また6手目43玉は54銀以下早詰、14手目52玉は43銀以下早詰なのは、間違いやすい箇所。ただしこれらを「狙いの一手」に指定するのは、落とし穴の場所を教えることになるので、あえて12手目の合駒を尋ねた。
 なお、似た筋の図(No.6384ジャイアンさん作)が発表されたのでスマホ詰パラからは希望返送したが、類似作という程ではなく、「飛角図式&一種持駒」のダブル趣向でもあるので応募。


★nono_yさんは昨年に続いての登場。
 作者のことばに尽きますが、簡単に手順を見ていきましょう。
 攻め方持駒は銀4枚と豊富ですが、攻めの拠点は54龍だけです。
 初手は22銀と捨てて龍の勢力圏に玉を呼びます。
 22同玉に33や23から銀を捨てるのは駒が足りなくなります。ここは24龍と回って一間龍の形にするのが正解。
 23合は33銀がありますし、31玉と引くのも33龍と入って簡単なので32玉と寄ります。
 調子に乗って34龍と追うのは61の角で取られて真っ青になります。
 平凡ですが33銀と押さえます。対して43玉は54銀と打てば早いので41玉と引きます。
 これには44龍と活用します。43合なら42銀打があるので52玉とかわします。
 53銀打から64龍と追いたいところですが、以下72玉、73銀、83玉、84龍から81飛を取っても61角と47角がよく利いていて詰みません。
 52玉には54龍とじっと寄るのが好手。53合は63銀があるので、62玉と逃げます。
 ここでも63銀打は73玉とされて大駒の守備力が強く手が出ません。もう一度64龍と寄ります。71玉なら73龍、72玉には73銀があるので玉を逃げる手はありません。63金合が53に利かした最善の受けです。
 7筋に逃がさないため73銀の一手ですが、52玉には43銀の好手がありますから51玉が正解。ここからは42銀打、52玉に63龍と切って64金からの詰みとなります。


山下誠:持駒銀4枚の飛角図式。龍の横追いで金駒を節約する。

★飛角図式に持駒銀一色。これだけでも解いてみようという気にさせる作品です。

金少桂:この初形と持駒で成立しているのがすごい。収束で龍が消えるのも良い。一見手広いようだけど素直に一間龍の形に持ち込む第一感の手が正解なので難しくはなく意外と手をつけやすい問題だった。すらすら度75点。

★大駒が消えるのは解後感に大きく影響しますね。

有吉弘敏:もう一味欲しい感じです。

則内誠一郎:銀は光る。飛角は泣いている。

安田恒雄:飛角図式に持駒銀4枚で解きたくなる図ですが、不動の大駒3枚が残念です。

★玉方の飛角が動かないのは印象を下げたようです。

占魚亭:ダブル趣向(飛角図式+持駒一色)に纏めたのは評価出来るが、手順がイマイチ。

三輪勝昭:9手目は53銀~73銀で趣向かと思ったら違った。

★こちらの筋でまとめることが出来ると捌けたかもしれません。

中村雅哉:局面が広くちょっと手を出しにくいが、それほど難しくない。

kisy:初形が広いので少し手が出しにくかったですが、角の利きに注意しながら進めていくと意外にすらすら解けました。

福原徹彦:3手目の24龍で意外と狭くなりますね。龍の横這いが面白かったです。

★金少桂さんの短評にもあるように一間龍の形にすると詰みそうだとわかれば意外とアッサリ解けたのではないでしょうか。

中出慶一: 飛角図式で4銀持駒の趣向詰、7手目4四龍に対する合駒選択(合駒はしないが・・・)、12手目の金合、等難解な飛角図式で、「すらすら解ける・・・」趣旨にあわないものの優れた内容の中編です。

★ちょっとした落とし穴があったりして、変化を一手一手確かめる必要があるので、そこに難解さを感じた方もいたと思います。

奥鳥羽生:四段目の龍這いが印象的。後から考えると他に有力な王手がないようにも見えるが、解いている時はそうでもなくスラスラ度60点。

★手がかりが無い状態での龍追い、解いているときは「これでいいのだろうか」と、なんとなく不安になる気持ち、よくわかります。

竹中健一:使用駒趣向で、銀を使わずに竜を2回寄るのはうまいですね。

★初形と龍追いには好評が集まりました。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
blogsokikaitusin@gmail.com

***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
    https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
       遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
          投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
          編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
   blogsokikaitusin@gmail.com
以上

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<1回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<1回目>

 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
   占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠

 22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
  ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html


 それでは今日から出題順に結果発表を行ってまいります。

①大西 智之作
すらすら_1

【作意】
  34角、22玉、23角成、11玉、33馬、22飛、23桂、12玉、13歩、同玉、
  25桂、12玉、11桂成、同玉、12歩、同玉 、13歩、11玉、22馬、同玉、
  12飛まで21手詰

【正解】
  13手目→11桂成
  手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.54、A:8、B:4、C:1、誤解:0、無解:1、無評価:1

作者のことば
 本作品は、打歩詰回避がテーマの「やさしい中編作」であり、「すらすら解ける20手台」の要件を満たしているのではないかと考えております。
 5手目の打歩詰局面での▼3三馬に対し、玉方応手は▽2二飛合が最善であり、13手目で再び打歩詰の局面を迎えます。ここで1一桂成が局面を打開する好手であり、以下、歩の連打を経ての馬切りで一気の収束となります。
 長い詰将棋に対して忌避感を示される方も多い中、ストレスフリーの作品として創作いたしました。
 もう一つのテーマは「簡単な合駒問題」です。すなわち、本作品では6手目の合駒が飛車であることが比較的平易に類推でき、合駒作品としては煩わしさがなくすらすら解ける内容になったのではないかと思っております。

★トップバッターは大西さんの好形作品です。
 大西さんは、創棋会作品展には、詰パラ誌上・WEBを通じて初めての登場ですが、すでにスマホ詰パラではペンネームで作品を発表されているとのことです。
 今回の投稿は7月の詰将棋全国大会に参加した際に、某氏から本作品展の話をお聞きになり投稿してくださったとのこと。詰将棋のネットワークが多様な広がりを見せていることを感じます。
 さて本作、盤上3枚、面積も3×3に収まり、申し分のない好形。持駒は6枚とやや多いのですが、3種類ですから抵抗感は少ないと思います。
 初手は角打ちしかありません。11玉は12歩で簡単。23歩の捨合もありそうですが、24桂、11玉、12歩で詰みます。22玉と寄って23角成とさせ11玉で打歩詰に誘導するのが最善です。
 なお34角は45以遠でもOKで、打ち場所は非限定ですが、すぐに23角成とするので、あまり気にならないと思います。
 11玉となったところで打歩詰を打開するため、じっと33馬と寄って応手をうかがいます。
 平凡に22歩合だと12歩、同玉、24桂と進めて詰みます。角金銀桂いずれも同様。香合でも24同香に23銀成があります。ということで最強の受けは22飛合です。
 同じ攻めでは24桂を飛車で取られて詰みませんから、23桂とします。12玉に13歩、同玉、25桂、12玉となると、またもや打歩詰。
 ここで打開の好手が11桂成です。同玉に、12歩、13歩と連打して拠点を築き、22馬と飛車を取って12飛と打つと詰んでいるではありませんか。

占魚亭:トップにぴったりの軽作ですね。

kisy:見た目通りの易しい作品でした。すらすらの1番にピッタリです。

有吉弘敏:超簡素形。すらすらでした。

★好形で手順もスッキリしており、幕開けの一局としてはうってつけだったと思います。

山下誠:打歩詰を避けながら、サラサラと「ラッキー7」に仕上げる。

★詰め上がり「7」になります。作者も言及されていないので偶然の産物でしょうね。

安田恒雄:簡素形で1番目からスラスラ詰められてラッキーな気分になれました。

福原徹彦:1問目に相応しい。合駒もあり、詰上げてみると曲詰なのも良いですね

★詰め上がりと合わせて鑑賞された方には好評でした。

中村雅哉:ほぼ既成手順で、だからこそすらすら解ける。課題にぴったり。

竹中建一:すらすら解けるというテーマに一番合っている気がしました。簡単だし紛れもほとんどないけど、それが却って高評価!

★紛れが無いということは迷わずに手が進むということですね。これもすらすらの要件の一つです。

中出慶一: 軽快手順の中に、6手目の飛合で変化を付け、2桂と3歩使って詰形に仕上げられている。

★易しいとは言いながら、一本道ではなく、飛合が良いアクセントになっています。

奥鳥羽生:桂歩の細かい使い分け。後戻りせずに進められたのでスラスラ度90点。

★奥鳥羽生さんは全作品に「すらすら度」の点数をつけてくださいました。「後戻りせずに」一気に解けた感じでしょうか。

金少桂:シンプルな形で紛れが少なく、今回の作品展随一の手をつけやすい問題。手順に纏りもあり、解いて気持ちの良いすらすら。すらすら度80点。

★金少桂さんも全作品に「すらすら度」の点数をつけてくださいました。手がつけやすいというのもすらすらの要素としては大事ですね。

則内誠一郎:見つけ物で趣旨に適っている。

★よくこの形が残っていたものと思います。

三輪勝昭:詰上り格好いい。これ今までなかったのって感じ。

★さて本作にはネット上で類作の指摘がありました。
 その指摘を知った作者からは以下のようなコメントが届きました。

「EOG様のツイッターにおいて拙作の作意が、詰パラ1964年8月号に掲載された長谷川 佳邦氏作(31手詰、図と作意は後記参照)の11手以降と類似である旨、指摘がございました。小生にとりましても青天の霹靂でございましたが、リサーチ/勉強不足は否めず、ご迷惑をおかけしたことをお詫び致します。
作者バレで作品展の興を削ぐのを避けるため、EOG様からのツイッター上の指摘に対し、当方からは現在までレスポンスできておりません。結果稿紹介の折、作者がご指摘に感謝している旨、申し添えいただけますと幸いです。
結果論にはなりますが、改作案(23手詰、図と作意は後記参照)で出題するべきだったかと後悔しております。」

長谷川佳邦作(詰パラ1964年8月号)
長谷川佳邦作

【作意】11桂成、13玉、12成桂、同玉、15飛、14桂打、45角、34桂打、14飛、同桂、
  34角、22玉、23角成、11玉、33馬、22飛、23桂、12玉、13歩、同玉、
  25桂、12玉、11桂成、同玉、12歩、同玉、13歩、11玉、22馬、同玉、
  12飛まで31手詰

大西改作案
大西改作案

【作意】34角、22玉、23角成、11玉、33馬、22飛、23桂、12玉、13歩、同玉、
  25桂、12玉、22馬、同玉、21飛、32玉、31飛成、23玉、33龍、12玉、
  13桂成、21玉、22龍まで23手詰

 EOGさんには、ネット作品展にも目配りされ、的確な指摘をいただいています。
 今回の指摘にもあらためて感謝申し上げます。結果発表との兼ね合いで作者コメントをお伝えするのが遅くなってしまいましたことはご容赦ください。
 なお選題を行ったのは当方ですので、調査が行き届かなかったことについては、あらためてお詫び申し上げます。
 長谷川作を鑑賞すれば桂合が二回入って素晴らしいまとまりです。このような先行作があったことには敬意を払いたいと思います。
 ただ本作の「創意」については尊重したいと思います。
 類似を避ければ改作案のような形に落ち着くのかもしれませんが、作品の価値は発表図の方が上回ると思われます。
 解答者の多くが作品展の主旨に適った作品と好評であったことからも、発表図の形にまとめたことは評価させていただきたいと思います。
 作者には引き続き好作を発表されることを期待しています。

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 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
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***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
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       遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
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[日時] 2017年12月17日(日)13時~
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創棋会の次回課題は「遠打や遠開き、3回以上」です

創棋会の次回課題は「遠打や遠開き、3回以上」です

■詰パラ9月号
・創棋会作品展(37P~)
 今回の課題は「持駒込みの七対子図式」。バラエティに富んだ作品群です。
 一題でも解けたら解答をお願いします。


■「すらすら解ける20手台」PartⅡ
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡには、多くの方から解答いただきました。
 解答者の皆さん、ありがとうございました。
  ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
 明日から結果発表の予定です。
 どうぞ楽しみにして下さい。

*昨年の「すらすら解ける20手台」は以下を参照ください。
  8.24出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-43.html
  9.22(結果稿第一回) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-48.html
  10.13(まとめ) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-67.html


■創棋会45周年記念作品
 45周年記念の会合の様子については、先日例会報告をさせていただきました。
  (→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-127.html

 記念作品が多数集まりましたので、何回かに分けて紹介させていただきます。
 解答募集という形はとりませんが、作品への感想などございましたら、コメントをお願いします。
 三回目は柴田さんの盤寿祝いです。

中村雅哉作 「81」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
81(中村)


中村雅哉作 推理将棋「81」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
 81歳の盤寿をむかえてますます元気なS田さん。
 今日の将棋も、早くも8手目が指された時点で相手玉を81に追い込んでおり、次の9手目では一転自陣に駒を打つ緩急自在の指し回し。
 相手も12手目駒を打って必死に抵抗しましたが、一度も駒を成ることなく13手目で詰まして勝ちました。
 さて、どんな将棋だったのでしょうか?



 両作品の解答は次回にお伝えします。
 またこれまで紹介してきたもの以外の記念作は、次回以降に紹介させていただきます。


■創棋会の次回課題
 創棋会の次回例会は10月15日です。
 課題は遠打や遠開き、3回以上です。遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内。
 例会で選題のうえ、12月号作品展に掲載されます。
 投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

 さて課題作の例題紹介。
 まず前回紹介した山中龍雄作に一件の指摘をいただきました。
  「山中作が潰れているのは結構知れ渡っていると思っていましたが。パラ2013.3編集室」
 早速確認したところ、次図から余詰があります。

<12手目:63玉>
山中龍雄作余詰

 作意はここから73角成以下ですが、ここで53飛成があります。
 以下、74玉、73龍、65玉、74角、55玉、53龍、54銀合(歩合は73角成、45玉、43龍)、73角成、45玉、54龍、同玉、63角成、65玉、74馬右、54玉、64馬寄、44玉、53銀、43玉、33香成と進めて詰みます。また持駒に銀がありますから初手は17香でも詰みます。
 ご指摘感謝申し上げます。
 調査が行き届かず失礼しました。

 「遠打や遠開き、3回以上」を実現した作品は類例が少ないと思われます。それだけ難度の高いテーマではないかと思います。
 課題に少しでも近いものを紹介したいということで、前回に続いて「限定打の連打」を紹介します。いずれも短編作です。


安達康二作(詰パラ1968年8月、『夢の車輪』第45番、『続々七手詰傑作集』第87番)
安達康二196808

 11と22の飛車が見合っています。
 68銀と打てば89玉と寄る一手ですが、81飛成には82合、19飛成には29合とされ詰みません。
 22飛の守備力を減らすにはどうすればよいか?
 まず24角と限定遠打。

<初手:24角>
安達康二24角

 24角は22飛の縦利きを遮断する手です。
 69玉なら68金と寄り、59玉には19飛成から48銀打まで。
 また68歩合と捨合で延命を図るのは、19飛成、69銀合、68角、89玉、69龍まで。
 玉方は、やむなく24同飛と応じますが、68銀、89玉と追ったときに、34角が決め手です。

<5手目:34角>
安達康二34角

 45~78に合駒するのは、今度は飛車の横利きが止まったので81飛成があります。
 34同飛と取れば19飛成まで。

 7月8日にも安達さんの作品を紹介させていただきました。
  (→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-121.html
 そちらは飛車の限定遠打でしたが、今回は角の限定遠打が二発という、いずれも7手詰の好作です。

【作意】24角、同飛、68銀、89玉、34角、同飛、19飛成まで7手詰


谷本治男作(詰パラ1966年9月、『続々七手詰傑作集』第36番)
谷本治男196609

 24銀成から26金という詰み筋が見えています。
 すぐに24銀成では36玉とされ、上部に脱出されてしまいます。
 47角と打って逃走路を塞ぐ手がありそうですが、同龍とされ24銀成に36玉と進むと二枚の龍が強力で手がありません。
 58角も同とで続きません。
 ここで妙手が出ます。
 69角の遠打!

<初手:69角>
谷本治男196609_69角

 合駒を調べてみましょう。
 36合は24銀成で簡単。47合も24銀成、36玉に46金と打てます。
 58合はどうでしょうか。歩と桂は打てませんから香合をしてみますと、同角、同と、35金打、16玉、17香までです。頭に利く駒は同じですから、69角は取るしかありません。
 69同と となった局面で第二弾の妙着があります。
 58角です。

<3手目:58角>
谷本治男196609_58角

 36合も47合も利きませんから同龍と取る一手。
 48龍の守りが弱くなったので24銀成が決め手となります。

 二枚角の連続遠打で半期賞を受賞された好作です。

【作意】69角、同と、58角、同龍、24銀成、同龍、26金まで7手詰

 谷本さんは本作を『四百人一局集』にも取り上げておられます。そちらは45がと金になっているのですが、今回は詰パラ発表図で紹介させていただきました。


田原宏作(詰パラ1986年8月、『限打の舞』第41番、『80年代ショート詰将棋ベスト200』第124番)
田原宏198608

71と61の二枚の香が意味ありげな配置。
これがなければ11龍や99龍という筋がある。
それを実現するには、やはり遠打です。
まず72角と打ちます。

<初手:72角>
田原宏198608_72角

 27桂合は有力な受けですが、同銀と取ってしまえば簡単です。ただし同銀、同歩成、同角成と進めないといけないので、54角などと成れない地点から角を打つと27桂合で詰みません。また72角に54中合などは同角成とされて詰んでしまいます。
 63合はどうでしょうか。歩と桂以外なら取って19から打てます。歩や桂合の場合には29角から清算する手があります。二枚香の利きがなくなっているので、29角、同桂成、同金、同玉、99龍と引けます。この変化があるので81角と打っては、最後の99龍に79銀合とされて詰みません。
 玉方も72同香と応じるしかありません。
 継続手段は当然ながら63角の遠打。

<3手目:63角>
田原宏198608_63角

 72角の変化で触れたように27合は同銀で詰みます。
 63同香と取らせれば、28の銀を19に捨てて17の銀を28に引けば、18玉に11龍が実現しました。
 最初に紹介した安達作のように一枚の飛を二枚角で動かす作品は今では定番ですが、本作のように二枚の香を動かすのは珍しいと思います。

【作意】72角、同香、63角、同香、19銀、同玉、28銀、18玉、11龍、まで9手詰

 田原さんは初入選が1968年で、1986年には18人目の同人作家。作品集には「舞シリーズ」10巻1000局があり、その創作エネルギーには敬意を表します。
 本作が収録されている『限打の舞』はシリーズ第七集にあたります。
 なお田原さんの作品は「詰将棋 駒の舞」というブログに紹介されています。
   http://www008.upp.so-net.ne.jp/koma_mai/


***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
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[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
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       編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2016年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

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締切迫る!9月20日です!「すらすら解ける20手台」PartⅡの解答締切日

締切迫る!9月20日です! 
 「すらすら解ける20手台」PartⅡの解答締切日

■「すらすら解ける20手台」PartⅡ出題中
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡを出題中です。
  (→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html 
 解答締切は9月20日(水です。

 一目で筋の見える作品、思わず解いてみようという作品、形は悪いが手をつけてみると一気に最後まで進む作品、解けたとき流れの気持ち良さに心和む作品、一手の妙手に納得する作品、等々、解いていただければ納得いただける作品が揃っています。
 昨年を超える解答数を期待しているのですが、今のところ一桁。このままでは結果発表も盛り上がりません。
 一題でも解ければどうぞ解答を送ってください
 解答者の中から若干名に呈賞させていただきます。

◇解答送り先: blogsokikaitusin@gmail.com
◇解答締切:9/20(水
◇解答要領:
・「キーとなる一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです)
   ※キーとなる一手は問題ごとに設定しています。
・評価:ABC評価をお願いします。
   ※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
・短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、色々な角度からのコメントをお願いします。
    長くても結構ですので、たくさんの短評をお願いします。

★図面と解答用紙は次のサイトから取り出すことができます。
図面: http://firestorage.jp/download/ae0611a8ec56f9e065e06a19d8dcf4deacfaed58
解答用紙: http://firestorage.jp/download/71b0cd628d38a3d263d8ddc477c82c4c8abc8745
パスワードはいずれも「sura2017」です。

*昨年の「すらすら解ける20手台」は以下を参照ください。
  8.24出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-43.html
  9.22(結果稿第一回) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-48.html
  10.13(まとめ) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-67.html


■創棋会45周年記念作品
 45周年記念の会合の様子については、先日例会報告をさせていただきました。
  (→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-127.html 

 記念作品が多数集まりましたので、何回かに分けて紹介させていただきます。
 解答募集という形はとりませんが、作品への感想などございましたら、コメントをお願いします。
 今回は前回紹介した二作の作意手順を発表します。

中出慶一作 「還元玉45」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
45の還元玉

 初手は俗手ですが56金と と金を取ります。
 同玉なら74馬があります。以下45玉には46歩から35銀として19の飛車を活用して詰みます。
 同香には63馬とします。54歩合も同馬と切ってします。
 もったいないようですが、ここで一歩稼いでおかないと駒が足りなくなります。
 54同玉には87馬ともう一枚の馬を活用。
 45玉に46歩と叩き、同玉と取らせて37銀と引きます。
 35玉には36銀、34玉、33と、同玉、32馬、同玉、12飛成として詰みます。
 そこで47玉と打歩詰で逃れようとします。
 攻方は69馬から49飛の連続大駒捨てで打歩詰を打開しようとします。
 これには玉方も69同飛不成、49同飛不成と、連続不成の妙手で応じます。
 48歩と打って銀歩送りの筋に入りました。それでも玉方は48、47、46と三連続の飛不成
 飛不成の意味は34銀、54玉となったところでわかります。ここで打歩詰に持ち込もうということだったのです。
 攻方もここで53と としてようやく45歩と打つことが出来ました。
 以下は奪った飛車で止めを刺します。
 詰み上がりは45と還元玉になりました。
 手順は軽やか、大駒捨てや玉方飛の連続不成もあり、楽しめる作品でした。

【作意】56金、同香、63馬、54歩、同馬、同玉、87馬、45玉、46歩、同玉、
  37銀、47玉、69馬同飛不成49飛同飛不成、48歩、同飛不成、36銀、46玉、
  47歩、同飛不成、35銀、45玉、46歩、同飛不成、34銀、54玉、53と、44玉、
  45歩、同飛、同銀、同玉、35飛、44玉、54と、同玉、55飛、44玉、53飛成、
  45玉、55龍まで43手詰


中村雅哉作 推理将棋「45」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
 創棋会45周年記念例会での席上対局はわずか10手で先手が詰まされたそうです。
 先手は45周年に思い入れがあったせいか45の地点に2回着手したそうです。
 さてどんな将棋だったのでしょうか?


【解答】36歩、34歩、37桂、33桂、45桂、同桂、46歩、57桂成、45歩、47桂まで10手。
<10手目:47桂まで>
推理将棋45

 10手で先手が詰む形にはどういうものがあるか?
 しかも45地点が争点になるということは角を活用するのは難しそうです。
 42飛から48飛不成という筋がありそうですね。
 たとえば46歩、42飛、45歩、44歩、同歩、同飛、48飛とやると10手で詰む形は出来るのですが、先手が45に二回着手というのは無理です。
 49金を取らせる手などもあるのですが「先手が45に二回着手」がクリアできません。
 もう一つ有力な筋があります。
 初心のときに好きだった手筋です。
 57に成り駒をつくって桂馬の吊るし詰を狙うのです。
 後手の桂馬は3回で57までジャンプできます。
 もう一枚の桂は29にあります。
 これをどうやって自爆させるかと考えれば、45桂と跳ねて後手にタダで取らせる手はすぐに浮かぶと思います。
 最後に時間差のような45歩突きが入って「先手が45に二回着手」もクリアです。
 やさしい推理将棋で記念作にうってつけの一題でした。

 記念作品の続編については、次回以降に引き続き紹介させていただきます。


■創棋会の次回課題
 創棋会の次回例会は10月15日です。
 課題は「遠打や遠開き、3回以上」です。遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内。
 例会で選題のうえ、12月号作品展に掲載されます。
 投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

 さて課題作の例題紹介ですが、「遠打や遠開き、3回以上」を実現したものはほとんど紹介できていません。7月29日に紹介した長谷さんの作品くらいです。
  (→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-123.html 

 それだけ難度の高いテーマではないかと思います。
 単発の遠打や開き王手を紹介してきたのは、「3回以上」の組み合わせのパーツとしては意味があると考えてのことですが、今回は課題に少しでも近いものを紹介したいということで「限定打の連打」を三作紹介します。連打は課題を表現する一つの方法かと思います。


秋元龍司作(近代将棋1976年9月、『現代詰将棋短編名作選』第5番)
秋元龍司作197609

 持駒香四枚といえばすぐに思い浮かんだのが本作でした。
 まずは作意を鑑賞しましょう。
 95香、84香、76香、67香と香を連打します。

<7手目:67香>
秋元龍司作67香

 67香を取らなければ(たとえば54合など)36馬までですから、67同角成と取りますが96馬までの詰みとなります。
 この詰上りの局面を見れば、一つひとつの香の打ち場所がすべて限定されていることがおわかりいただけるでしょう。
 初手94から打つと3手目84香に94玉とされてしまいます。
 また初手95香に94桂の捨合は同香、83玉、85香、73玉、74香、63玉、55桂まで9手駒余り。
 3手目86香とすると85歩合とされて最終手の96馬が出来ません。
 5手目の76香も67馬の利きを止めています。他の場所では最終手に67馬の利きで85歩合とされると詰みません。
 7手目67香もそれ以外の場所では54歩合とされ、36馬には45歩合で78角の利きがあって詰みません。
 本当にうまくできていますね。
 『現代詰将棋短編名作選』では有吉弘敏さんが「論理性と美を兼ね備えた逸品」と称賛されていますが同感です。

【作意】95香、83玉、84香、73玉、76香、63玉、67香、同角成、96馬まで9手詰


須藤大輔作(詰パラホームページ2008年8月、『撫子』第57番)
須藤大輔作200808

 本作も四香連打です。今度は7筋への連打。
 73を塞いで52銀不成から81飛成とする筋が有力ですが、いきなり73香では82玉とされ、72銀成~81飛成は83玉から74玉と大海に脱出されます。
 75や74に香を打っても73歩と中合されると、52銀不成に72玉と立たれて続きません。
 初手は76香が正解です。

<初手:76香>
須藤大輔作76香

 76香でも73歩合とされると同じように見えますが、ここで26角と飛び出す手があります。以下、82玉、72銀成、同玉(83玉は81飛成)、62角成で詰みです。
 76香の効果で86飛の横利きがなくなったので26角が可能になったのです。
 となれば76香は取る一手。
 続いて75香と第二弾の限定打。
 単に82玉だと72銀成、83玉、81飛成です。74から香を打つと、このとき74玉と脱出されます。
 また73合なら52銀不成です。今度は玉方86飛が76に移動したので、72玉には81飛成の詰みがあります。
 ちょっとひねって74合としても73香と打てば、74が埋まっているので、82玉、72銀成、83玉、81飛成の詰みです。
 やむを得ない75同飛に74香と追撃です。
 73合は52銀不成、また82玉は72銀成があります。
 これも74同飛と応じるしかなく、最後の決め手が73香です。
 同飛と取らせて、ようやく73地点が塞がり、52銀不成で収束です。
 本作は週刊将棋の「新詰将棋探検隊が行く」でも取り上げられた四香連打の好作です。

【作意】76香、同飛、75香、同飛、74香、同飛、73香、同飛、52銀不成、72玉、
   81飛成まで11手詰


山中龍雄作(近代将棋1966年3月、塚田賞、『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』第106番)
山中龍雄196603

 最後は中編作。
 清潔な初形から趣向的な手順が展開されます。
 「香は下段に打て」と言いますが、73角が良く利いていますから18香とします。
 22玉の変化がかなり難しいのですが、32歩成、同玉、36香、33歩、同香成、同玉、35香、43玉、44香、53玉、65桂、52玉、53歩、62玉、73桂成、同玉、82角として詰みます。
 23玉と寄れば27香。以下36香、45香と最遠地点から香の連打です。

<7手目:45香>
山中龍雄45香

 53玉に対して65桂と跳ねれば52玉と落ちるしかなく、寄せが見えてきた感じです。
 なお香の連打に対して歩の中合をすると、52玉の局面で53歩と打って早く詰みます。
 52玉には54飛と回ります。
 63玉と上がって角を犠牲に何とか逃げようとしますが、攻め方も飛を見捨てて二枚角で迫ります。
 二枚の角を成って64馬と寄ればキレイな収束が待っています。

<17手目:64馬寄>
山中龍雄64馬

 45から18まで香の階段を下りるようにして詰みます。

【作意】18香、23玉、27香、33玉、36香、43玉、45香、53玉、65桂、52玉、
   54飛、63玉、73角成、54玉、63角、65玉、74角成、54玉、64馬寄、45玉、
   55馬、36玉、46馬、27玉、37馬、18玉、28馬まで27手詰


***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
      編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2016年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上

「すらすら解ける20手台」PartⅡの解答締切は9月20日です

「すらすら解ける20手台」PartⅡの解答締切は9月20日です

■「すらすら解ける20手台」PartⅡ出題中
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡを出題中です。
  (→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html )
 解答締切は9月20日(水)です
 キラリと光る一手や気持ちの良い捨駒に思わず膝を打つ作品、楽しい手順や流れの心地よさに納得いただける作品などが揃っています。
 一題でも「すらすら」解ければ解答を送ってください。
 解答者の中から若干名に呈賞させていただきます。

◇解答送り先: blogsokikaitusin@gmail.com
解答締切:9/20(水
◇解答要領:
・「キーとなる一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです)
  ※キーとなる一手は問題ごとに設定しています。
・評価:ABC評価をお願いします。
  ※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
・短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、色々な角度からのコメントをお願いします。長くても結構ですので、たくさんの短評をお願いします。

★図面と解答用紙は次のサイトから取り出すことができます。
 図面 : http://firestorage.jp/download/ae0611a8ec56f9e065e06a19d8dcf4deacfaed58
 解答用紙 : http://firestorage.jp/download/71b0cd628d38a3d263d8ddc477c82c4c8abc8745
  パスワードはいずれも「sura2017」です。

*昨年の「すらすら解ける20手台」は以下を参照ください。
  8.24出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-43.html
  9.22(結果稿第一回) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-48.html
  10.13(まとめ) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-67.html


■創棋会45周年記念作品
 45周年記念の会合の様子については、先日例会報告をさせていただきました。
  (→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-127.html 
 記念作品が多数集まりましたので、何回かに分けて紹介させていただきます。
 解答募集という形はとりませんが、作品への感想などございましたら、コメントをお願いします。
 まずは前回紹介した二作の作意手順を発表します。

則内誠一郎作 「45」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
45_則内v2

 創棋会45周年記念作品、第一作目に紹介するのは則内さんの「盤面45」です。
 初手は76銀と出ます。
 66玉に67馬と捨てます。同金なら64龍があるので55玉とかわします。
 そこで45馬と連続ダイブが気持ちの良い手です。
 これは取るしかありません。55同玉には36馬と切って戦力を補充します。
 36同玉に27龍と引き45に逃げる玉に55金が決め手。同玉には57龍を見ています。
 玉はいったん46と逃げますが、龍の威力で網を絞れば力尽きます。
 短編の得意な作者らしい捨駒が気持ちの良い作品でした。

【作意】76銀、66玉、67馬、55玉、45馬、同玉、36馬、同玉、27龍、45玉、
  55金、46玉、37龍、55玉、57龍、45玉、56龍、35玉、45金まで19手詰
   *16手目45玉の処、44玉なら34金、45玉、56龍迄19手。


谷本治男作 「45」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
45_谷本

 次の作品は谷本さんの「盤面45」です。
 いかにも35角が邪魔という初形ですが、いきなり13角成では同玉でダメです。
 ここは15桂と捨てるのが大切な事前工作。
 同香と取らせておけば13角成、同玉には14香があります。
 玉方も13角成には同桂と応じますが、これで狙いの35桂が打てます。
 12玉に24桂と打って32飛を奪うことに成功。
 32玉となったところで狙いの一手が出ます。
 62飛が限定遠打!この意味は手順を進めると分かります。
 31玉には23桂と右方向に跳ねます。43桂では41玉で詰まないのですが芸の細かいところです。
 玉方も21玉と寄るのが最善。
 11桂成から12歩と打って21玉となったところで23香と打ちます。
 ここから成香で玉を追います。
 51玉となったとき42飛成と攻め、61玉に72龍と切ります。
 ここでようやく62飛と遠くに打つ必要があったことがわかります。
 たとえば52飛と打つと、41玉に32飛成とするしかなく、51玉と寄られると手が続かなくなります。
 72同玉にはスパッと82龍と捨てます。
 同玉に73銀不成とし、93玉に95香から82銀で詰み。
 収束は別のつくり方があったかもしれませんが、アッサリと短くまとめたので62飛の遠打や成香追いが引き立つことになったと思います。

【作意】15桂、同香、13角成、同桂、35桂、12玉、24桂、21玉、32桂成、同玉、
  62飛、31玉、23桂不成、21玉、11桂成、同玉、12歩、21玉、23香、31玉、
  22香成、41玉、32成香、51玉、42飛成、61玉、72龍、同玉、82龍、同玉、
  73銀不成、93玉、95香、94歩、82銀打まで35手詰


 記念作品の続編ですが、本日は還元玉「45」と、推理将棋を紹介します。

中出慶一作 「還元玉45」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
45の還元玉


中村雅哉作 推理将棋「45」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
  創棋会45周年記念例会での席上対局はわずか10手で先手が詰まされたそうです。
  先手は45周年に思い入れがあったせいか45の地点に2回着手したそうです。
  さてどんな将棋だったのでしょうか?

 以上の二題、作意は次回のブログで発表します。


■創棋会の次回課題
 創棋会の次回例会は10月15日です。
 題は「遠打や遠開き、3回以上」です。遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内。
 例会で選題のうえ、12月号作品展に掲載されます。
 投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

 さて課題作の例題紹介、今回は「開き王手」を三作紹介します。
 いずれも素晴らしい作品ばかりです。


岩城克彦作(詰パラ1971年9月、『古今短編詰将棋名作選』117番)
岩城克彦

 中段玉でやや広がっていますが、盤上9枚ですから悪形というわけではありません。
 左の方に逃げられそうな形なので注意して攻める必要があります。
 25銀から24龍のような手も見えますが、ここは詰将棋らしく開き王手で攻めましょう。
 初手はカッコよく59角と遠開き。

<初手:59角>
岩城克彦59角

 これは25玉とする一手。
 そこで34銀と橋頭保を築きます。
 35玉なら47桂、36玉、25銀の好手順がありますので36玉と逃げますが、28桂がうまい継続手段。47玉なら48金まで。この変化のために59角と遠く引いておく必要があったのです。
 28同馬なら26金から48金まで。
 36玉とかわして凌ごうとしますが、26角と活用するのが決め手。
 同馬は45金の一発なので同玉と取るしかありませんが15龍が止めの一手。
 59角と遠開きして再度26角と飛び出す味が素晴らしい一作でした。

【作意】59角、25玉、34銀、36玉、28桂、35玉、26角、同玉、15龍、同玉、25金まで11手詰


若島正作(近代将棋1986年11月、看寿賞・塚田賞、『盤上のファンタジア』第60番)
若島正

 初手は開き王手しかない。しかも有名な金中合が出てくる筋が見えています。
 それでは44角成とやってみましょう。
 42玉では41角成~31飛で簡単ですから、33に中合して頑張るしかありません。
 歩や桂では32角成、同玉、33角成があるので、33中合は飛車か金しかありません。
 まず飛合はどうでしょう。32角成は同飛とされ、同香成、同玉の局面は飛車一枚では戦力不足なので同香不成とします。22玉、32香成、13玉までは絶対ですが、ここで23角成と捨てるのが好手で、同香とさせてから35馬とすれば、24合には15飛から25桂とする手があって詰みます。
 最善は金合です。同じように同香、22玉のとき、今度は23金とします(飛車合と同じように攻めると、32香成、13玉、23角成、同香、35馬、24合で詰みません)。11玉しかありませんが、そこで32香成では44飛と馬を抜かれてしまいます。
最初に戻って24角成や41角成を考えてみるのですが、詰みそうにありません。
 正解は何と55角成なのです!

<初手:55角成>
若島正55角成

 44角成でも詰まなかったのに、なぜ55角成なら詰むのでしょうか?
 まず42玉ならどうするか。それには41角成、同玉、31飛、42玉、64馬、53合、32香成以下ピッタリと詰みます。
 33金合はどうでしょうか。33同香、22玉(42玉は41角成、同玉、31飛、42玉、32香成、53玉、45桂以下)、23金、11玉、32香成となったとき、44角成だと44飛と馬を抜かれてしまいましたが、今度は44に合駒をするしかありません。何を合しても同馬と切ります。たとえば歩合なら44同馬、同飛、21成香、同玉に22歩と打って詰みます。他合も同じ攻め方で大丈夫です。
 そうなると最善は33飛合です。今度は44角成とした変化と異なり35馬の筋が無いので工夫が必要です。
 33飛合には、同香不成と取り、22玉、32香成、13玉のとき、23角成と捨てます。
 同玉は33馬があるので同香ですが、そこで15飛と上部を押さえます。
 14歩合では22馬~25飛があります。
 金銀合は22馬~33馬から14飛と切って15から打つ筋があります。
 最善は14角合です。これには22馬から33馬としておくのが用心深く、そこで25桂と37桂を活用するのが気持ちの良い手です。
 同香以下は、14飛と切って、角を23から打ってすぐに12に捨ててキレイに収束。
 55角成は非常に不利感のある好手。この少ない駒数でよくこんな素晴らしい手順が表現できたものです。

【作意】55角成33飛合、同香不成、22玉、32香成、13玉、23角成、同香、
  15飛、14角合、22馬、24玉、33馬、13玉、25桂、同香、14飛、同玉、
  23角、13玉、12角成、同玉、22馬まで23手詰


山田修司作(近代将棋1964年5月、塚田賞、『夢の華』第44番
山田修司「飛燕」

 95角をうまく捌いて93飛成の筋を実現したいところです。
 86金、同飛から97金と捨て86角と76飛を奪ってしまうのが明快な手段。
 86同玉に76飛と打てば一気に玉は狭くなります。
 93飛成があるので85玉としますが、そこで16飛が狙いの開き王手です。

<9手目:16飛>
山田修司「飛燕」16飛

 なぜ16まで開かないといけないのか、その答えは手順を追うと明らかになります。
 この局面で84玉は86飛、75玉、76飛、64玉、63桂成、55玉、56飛、45玉(44玉は46飛以下)、42飛成、35玉、32龍、34合、37香以下手数は長いのですが詰みます。
 そこで76歩合と捨合で延命を図ります。
 同馬と取って、84玉には93飛成と銀を奪い、同玉に94銀と上から押さえます。
 92玉となったときに第二段の妙手が出ます。
 12飛不成と入るのです。
 まるで遠打のような妙着ではないでしょうか。

<17手目:12飛不成>
山田修司「飛燕」12飛

 もし12飛成と入れば72歩合という中合の好防があり、どうやっても打歩詰が打開できません。
 12飛不成に対して22歩合なら、同飛不成として91玉、92歩、81玉、82歩、92玉に65馬と歩を入手すれば同香、93歩、91玉、81歩成とキレイに詰みます。
 作意は91玉と応じ、以下71とから63桂と香を入手し、成香で追っていきます。この手順では12よりも近くに飛車がいたのでは詰みません。16飛はこの12飛不成以下の巧妙な手段が見えていなければ指せない手です。
 最後は76馬がもう一働き。合駒を入手して収束です。

【作意】86金、同飛、97金、同玉、86角、同玉、76飛、85玉、16飛、76歩合、
  同馬、84玉、93飛成、同玉、94銀、92玉、12飛不成、91玉、92歩、81玉、
  71と、同玉、63桂不成、61玉、71桂成、同玉、74香、61玉、72香成、51玉、
  62成香、41玉、52成香、31玉、42成香、21玉、32飛成、11玉、77馬、66桂、
  同馬、同歩、23桂まで43手詰


***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
    https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
       遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
          投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
          編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2016年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

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以上