続・創棋会の次回課題は「持駒込みの七対子図式」です
<続・創棋会の次回課題は「持駒込みの七対子図式」です>
■創棋会の次回課題
さて創棋会の次回課題は「持駒込みの七対子図式」です。
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)。
※双玉は不可です。29手以内でお願いします。
6月例会(6/18)で選題を行い、詰パラ9月号に掲載の予定です。
作品の投稿はこちらにお願いします。
→ sokipara@yahoo.co.jp
恒例の例題紹介ですが、そのものズバリの作品が少ないということから、少しでも関連のありそうな切り口で紹介させていただこうということで、今回は「七色図式」です。
今回の課題が「七種(飛角金銀桂香歩)各2枚」ということなので、その半分が「七色図式」ということです。
「七色図式」について『古今趣向詰将棋名作選』から少し引用させていただきます。
『七種七枚の駒を使用して作られる七色図式は、使用駒趣向の代表的なものである。同じ初期条件駒種趣向の中でも、盤面趣向や持駒趣向と異り、一見してそれと目立つ派手さはないが、握り詰を基盤とする高度の創作技術が要求されるため、作者の手腕が大きく問われるジャンルである。』(古今趣向詰将棋名作選48Pより)
地味だが創作には力も必要ということですね。
創棋会では何度か「七色図式」が課題になっていますので、作品を紹介していきます。
まず一作目は柴田昭彦さんの作品です。
柴田昭彦作(詰パラ1972年11月、『古今趣向詰将棋名作選』第43番、『残照』第36番)

創棋会の第三回例会課題は「七色詰め」というもので、初形で飛角金銀桂香歩の七種の駒を一枚ずつ使用するという条件。
ハードルが高かったのか誌上で発表されたのは三作。最も評価が高かったのが本作。
盤面は端正な実戦型に攻め方15角一枚という美しい初形。
初手31銀から41飛という筋が見えますが、22玉、23歩、同玉、21飛成、34玉で捕まりません。
ここは31銀を含みに52飛と打つのが良い手です。
32に合するしかありませんが、23歩から24金とする手があるので24に利かす32桂合が正解とわかります。
桂合には31銀と攻めます。
同玉は42角成で簡単なので32桂の利きを頼りに23玉とあがりますが、そこで32飛成が英断の一手。
14玉は34龍、15玉、35龍、16玉、36龍以下19手駒余り。
同玉には42角成から24金と据え、13歩を利かして22銀成と捨て、33金と入れば12玉に24桂が打てて収束。
【作意】52飛、32桂、31銀、23玉、32飛成、同玉、42角成、23玉、24金、12玉、
13歩、同桂、22銀成、同玉、33金、12玉、24桂、21玉、32馬まで19手詰
『古今趣向詰将棋名作選』には柴田さんの作以外にも七色図式が三作収録されているのですが、その中から鳥越九郎さんの作品を紹介します。
鳥越九郎作(パラ1966年12月『古今趣向詰将棋名作選』第44番)

初形は逆くの字。
92歩から清算して83銀が妙手。
同玉と取らせて84金と拠点をつくり、93飛と据えてから82角成と切ります。
以下奪った香を93~92と成捨て84金を捌いて詰み。
詰み上がりも斜め一線になります。
また七色煙でもあります。
【作意】92歩、同飛、同桂成、同玉、83銀、同玉、84金、92玉、93飛、81玉、82角成、同玉、
73飛成、91玉、93香、81玉、92香成、同玉、83金、91玉、82金まで21手詰
続いて1987年6月の第88会例会では「配置駒七色作品」が課題となり、詰パラ8月号で5作品が発表されています。
ちなみにこの年は創棋会の15周年。89回例会では記念懇親会が開催されています。
そこから2作品を紹介します。
最初は宇佐見正さんの作品。
宇佐見正作(詰パラ1987年8月、『松煙』第52番)

実戦に出てきそうな初形。
手のつけ方に困りますが、32角成から12銀とするのが好手段。
同玉なら24桂があり23玉、32龍以下捕まっています。
12同香となったところで31金が渋い好手。
同銀なら33桂があり、22玉は21飛の一発。同金なら11飛です。
この変化があるので31金のところで飛打ちから入ると詰みません。
そこで31金には同金と応じます。今度33桂なら同銀とされ11飛は同玉で詰みません。
31同金には11飛と捨てるのが豪快な決め手。
同銀なら33桂まで。同玉と取るしかありませんが、そこで23桂と捨てます。
21玉と寄ってこらえますが、31桂成と金を奪って、再度11金と捨てます。
同玉に31龍と銀を取り収束。清涼詰となります。
11飛、11金と繰り返し捨てるのが、パズル性のある楽しい作品でした。
なお発表図は41の角が23にあり初手と3手目の手順前後が成立していました。
【作意】32角成、同金、12銀、同香、31金、同金、11飛、同玉、23桂、21玉、
31桂成、同銀、11金、同玉、31龍、21歩、22銀まで17手詰
次の作は川崎弘さんの作品。
川崎弘作(詰パラ1987年8月)

入玉作ですが守備駒が37銀、26金と離れているので攻めやすそうです。
まず59金から39金と捨てて56飛の活用を図ります。
59飛と成香を奪えば28玉と逃げるしかありませんが、29飛から19香と追撃。
歩と桂は打てません。
香と飛は取って19に打てばお終い。
銀と角は18同香、同玉に27銀(角)と打ち、同金と取らせて19飛と捨てる好手があります。
ここは不思議なようでも18金合が最善です。
これも18同香、同玉に19飛と捨てます。
27玉とかわす一手に28歩と軽く打診。
同銀成に37金と捨てて収束です。
18金合が異色の受け。無難にまとまった作品で、課題発表作中、得票率はトップでした。
【作意】59金、同香成、39金、同玉、59飛、28玉、29飛、17玉、19香、18金合、
同香、同玉、19飛、27玉、28歩、同銀成、37金、同金、17金まで19手詰
さて今回の課題「持駒込みの七対子図式」、作例が少ないということですので、作家の皆様にはぜひともチャレンジください。
また例題は今回の課題に関連のありそうな切り口で、引き続き紹介させていただきます。
******************************************************************
★次回例会
[日時] 2017年6月18日(日)、13時~
[場所] 福島区民センター
大阪市福島区吉野3‐17‐23
千日前線野田阪神駅、阪神野田駅、JR東西線海老江駅から徒歩5分。
JR環状線野田駅から徒歩8分
https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[課題] 「持駒込みの七対子図式」
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)。29手以内。
※双玉は不可。
・詰パラ9月号掲載予定。
・投稿先 → sokipara@yahoo.co.jp
・6月例会(6/18)で選題を行う予定。
******************************************************************
★次々回例会
[日時] 2017年8月20(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 昨年好評だったネット企画開催の予定。
※終了後「45周年記念懇親会」を開催します。
開始時刻と場所についてはあらためて案内いたします。
*********************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
■創棋会の次回課題
さて創棋会の次回課題は「持駒込みの七対子図式」です。
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)。
※双玉は不可です。29手以内でお願いします。
6月例会(6/18)で選題を行い、詰パラ9月号に掲載の予定です。
作品の投稿はこちらにお願いします。
→ sokipara@yahoo.co.jp
恒例の例題紹介ですが、そのものズバリの作品が少ないということから、少しでも関連のありそうな切り口で紹介させていただこうということで、今回は「七色図式」です。
今回の課題が「七種(飛角金銀桂香歩)各2枚」ということなので、その半分が「七色図式」ということです。
「七色図式」について『古今趣向詰将棋名作選』から少し引用させていただきます。
『七種七枚の駒を使用して作られる七色図式は、使用駒趣向の代表的なものである。同じ初期条件駒種趣向の中でも、盤面趣向や持駒趣向と異り、一見してそれと目立つ派手さはないが、握り詰を基盤とする高度の創作技術が要求されるため、作者の手腕が大きく問われるジャンルである。』(古今趣向詰将棋名作選48Pより)
地味だが創作には力も必要ということですね。
創棋会では何度か「七色図式」が課題になっていますので、作品を紹介していきます。
まず一作目は柴田昭彦さんの作品です。
柴田昭彦作(詰パラ1972年11月、『古今趣向詰将棋名作選』第43番、『残照』第36番)

創棋会の第三回例会課題は「七色詰め」というもので、初形で飛角金銀桂香歩の七種の駒を一枚ずつ使用するという条件。
ハードルが高かったのか誌上で発表されたのは三作。最も評価が高かったのが本作。
盤面は端正な実戦型に攻め方15角一枚という美しい初形。
初手31銀から41飛という筋が見えますが、22玉、23歩、同玉、21飛成、34玉で捕まりません。
ここは31銀を含みに52飛と打つのが良い手です。
32に合するしかありませんが、23歩から24金とする手があるので24に利かす32桂合が正解とわかります。
桂合には31銀と攻めます。
同玉は42角成で簡単なので32桂の利きを頼りに23玉とあがりますが、そこで32飛成が英断の一手。
14玉は34龍、15玉、35龍、16玉、36龍以下19手駒余り。
同玉には42角成から24金と据え、13歩を利かして22銀成と捨て、33金と入れば12玉に24桂が打てて収束。
【作意】52飛、32桂、31銀、23玉、32飛成、同玉、42角成、23玉、24金、12玉、
13歩、同桂、22銀成、同玉、33金、12玉、24桂、21玉、32馬まで19手詰
『古今趣向詰将棋名作選』には柴田さんの作以外にも七色図式が三作収録されているのですが、その中から鳥越九郎さんの作品を紹介します。
鳥越九郎作(パラ1966年12月『古今趣向詰将棋名作選』第44番)

初形は逆くの字。
92歩から清算して83銀が妙手。
同玉と取らせて84金と拠点をつくり、93飛と据えてから82角成と切ります。
以下奪った香を93~92と成捨て84金を捌いて詰み。
詰み上がりも斜め一線になります。
また七色煙でもあります。
【作意】92歩、同飛、同桂成、同玉、83銀、同玉、84金、92玉、93飛、81玉、82角成、同玉、
73飛成、91玉、93香、81玉、92香成、同玉、83金、91玉、82金まで21手詰
続いて1987年6月の第88会例会では「配置駒七色作品」が課題となり、詰パラ8月号で5作品が発表されています。
ちなみにこの年は創棋会の15周年。89回例会では記念懇親会が開催されています。
そこから2作品を紹介します。
最初は宇佐見正さんの作品。
宇佐見正作(詰パラ1987年8月、『松煙』第52番)

実戦に出てきそうな初形。
手のつけ方に困りますが、32角成から12銀とするのが好手段。
同玉なら24桂があり23玉、32龍以下捕まっています。
12同香となったところで31金が渋い好手。
同銀なら33桂があり、22玉は21飛の一発。同金なら11飛です。
この変化があるので31金のところで飛打ちから入ると詰みません。
そこで31金には同金と応じます。今度33桂なら同銀とされ11飛は同玉で詰みません。
31同金には11飛と捨てるのが豪快な決め手。
同銀なら33桂まで。同玉と取るしかありませんが、そこで23桂と捨てます。
21玉と寄ってこらえますが、31桂成と金を奪って、再度11金と捨てます。
同玉に31龍と銀を取り収束。清涼詰となります。
11飛、11金と繰り返し捨てるのが、パズル性のある楽しい作品でした。
なお発表図は41の角が23にあり初手と3手目の手順前後が成立していました。
【作意】32角成、同金、12銀、同香、31金、同金、11飛、同玉、23桂、21玉、
31桂成、同銀、11金、同玉、31龍、21歩、22銀まで17手詰
次の作は川崎弘さんの作品。
川崎弘作(詰パラ1987年8月)

入玉作ですが守備駒が37銀、26金と離れているので攻めやすそうです。
まず59金から39金と捨てて56飛の活用を図ります。
59飛と成香を奪えば28玉と逃げるしかありませんが、29飛から19香と追撃。
歩と桂は打てません。
香と飛は取って19に打てばお終い。
銀と角は18同香、同玉に27銀(角)と打ち、同金と取らせて19飛と捨てる好手があります。
ここは不思議なようでも18金合が最善です。
これも18同香、同玉に19飛と捨てます。
27玉とかわす一手に28歩と軽く打診。
同銀成に37金と捨てて収束です。
18金合が異色の受け。無難にまとまった作品で、課題発表作中、得票率はトップでした。
【作意】59金、同香成、39金、同玉、59飛、28玉、29飛、17玉、19香、18金合、
同香、同玉、19飛、27玉、28歩、同銀成、37金、同金、17金まで19手詰
さて今回の課題「持駒込みの七対子図式」、作例が少ないということですので、作家の皆様にはぜひともチャレンジください。
また例題は今回の課題に関連のありそうな切り口で、引き続き紹介させていただきます。
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★次回例会
[日時] 2017年6月18日(日)、13時~
[場所] 福島区民センター
大阪市福島区吉野3‐17‐23
千日前線野田阪神駅、阪神野田駅、JR東西線海老江駅から徒歩5分。
JR環状線野田駅から徒歩8分
https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[課題] 「持駒込みの七対子図式」
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)。29手以内。
※双玉は不可。
・詰パラ9月号掲載予定。
・投稿先 → sokipara@yahoo.co.jp
・6月例会(6/18)で選題を行う予定。
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★次々回例会
[日時] 2017年8月20(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 昨年好評だったネット企画開催の予定。
※終了後「45周年記念懇親会」を開催します。
開始時刻と場所についてはあらためて案内いたします。
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※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
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創棋会の次回課題は「持駒込みの七対子図式」です
<創棋会の次回課題は「持駒込みの七対子図式」です>
好天が続いています。夏がそこまで来ている感じです。
散歩していたら、近所の公園ではつつじがきれいに咲いていました。

■創棋会の次回課題
さて創棋会の次回課題は「持駒込みの七対子図式」です。
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)。双玉は不可です。
6月例会(6/18)で選題を行い、詰パラ9月号に掲載の予定です。
作品の投稿はこちらにお願いします。
→ sokipara@yahoo.co.jp
恒例の例題紹介ですが、そのものズバリの作品が少ないということから、少しでも関連のありそうな切り口で紹介させていただこうということで、前回に引き続き今回も「対子図式」です。
今回は創棋会の作品集『月下美人』から2局、もう一局は岡田敏さんの作品を一局、あわせて三作を紹介します。
『月下美人』は創棋会の第5作品集で「○○図式特集」という構成。女流棋士のエッセーが掲載されているのも特徴。1994年発行。
まず一作目は谷口昇一さんの作品です。
谷口昇一作(詰パラ1983年4月、『月下美人』その他図式第5番)

盤面5枚で3×3に収まった素晴らしい好形作品。
飛銀香歩各2枚の対子図式ですが、盤面・持駒とも対子というのが、好感が持てます。
初手は24銀しかないところですが、14玉には軽く15銀と捨てます。
これも取れば17香から簡単なので13玉と落ちますが、23香から飛を奪って再度23香と攻めます。
飛車を取る前に13香と打つと12桂合で詰みません。細かいところですが注意が必要。
23香には頭の丸い桂合が最善。
これも同香と取って14桂と据え、11玉に13飛と打てば、今度は22桂成から23銀成を防いで角合の一手。
同飛から34角と打ちます。先ほどの14桂はこの角打ちに備えた限定でした。
以下は22桂成から23銀成の詰み。
簡素な形から二度の合駒、手順前後のアヤなどもあり、易しい好作だと思います。
【作意】24銀、14玉、15銀、13玉、24銀打、22玉、23香、11玉、21香成、同玉、
23香、22桂、同香成、同玉、14桂、11玉、13飛、12角、同飛成、同玉、
34角、11玉、22桂成、同玉、23銀成、11玉、12成銀まで27手詰
谷口昇一さんは『四百人一局集』によれば1949年生で1997年に逝去されています。
発表作は40作程度と寡作ですが、簡素図式や軽趣向を得意にされていたようで、『月下美人』の「一色図式」の部には次の作品が収録されています。
谷口昇一作(詰パラ1983年1月、『月下美人』一色図式第4番)

初形から正算で創作されたとのことです。
【作意】12銀、同玉、34角、21玉、43角打、32歩、33桂、31玉、42銀、同玉、
52角成、33玉、43角成、23玉、34馬、14玉、25馬、23玉、34馬引まで19手詰
次の作品は太田慎一さんです。
太田慎一作(詰パラ1988年9月、『月下美人』その他図式第5番)

飛角金桂各2枚の対子図式。
前作同様、盤面・持駒とも対子というのは、好感が持てます。
カナ駒がないので詰めにくそうな感じですが、14角が気持ちの良い一手。
同金は23角、同飛は52角です。
23合しかありませんが、歩合はどうでしょうか。
これは取って52角が決め手です。
同飛、42歩、同飛とすれば21飛成から51龍まで気持ちの良い詰め上がり。
ということは頭に利く駒は同じ変化になるので23は桂合が最善。
今度も同角と取って52角と捨てます。
そこで53桂と退路封鎖の捨駒が決め手になります。
同飛と取らせて21飛成から収束です。
作者によれば、駒配置の絶対性が結構高いことがお気に入り、そのうえで対子図式という条件を満たしているのは多少なりとも意義のあることだと思っているとのこと。
表紙に登場し好評を博しました。
【作意】14角、23桂、同角成、同金、52角、同飛、53桂、同飛、21飛成、42玉、
31龍、52玉、51龍まで13手詰
最後の一作は岡田敏さんの作品です。
岡田敏作(近将1957年9月、『薫紅』第100番)

本作は、飛角金桂各2枚の盤面対子図式。
今回の3作品に共通しているのは初形に成駒が無いことです。この点も好感が持てます。
また太田さんの作品もそうですが本局は「歩無し図式」でもあります。
65飛をどう活用するかがポイントですが、横に使うしかなさそうなので、25角と34金を捌く手を考えましょう。
まず24金とします。12玉は34角があるので32玉。
44桂と拠点を築き、21玉に43角成と捨てます。これで65飛の横利きが通りました。
そこで11角成と捨て15飛と待望の飛の活用です。
ここで12に何を合するか、ちょっと考え処です。
何を合しても23桂、22玉、32桂成、同玉、12飛成と進みます。
この局面で手駒が角金銀なら22に何を合しても、21角(銀)や31金の一手詰。
桂は品切れですから、12は歩(または香)が正解です。
今度は22合が何かを考えるわけですが、31桂成から32歩(香)とする手があり、同玉に23金から駒余りの詰み。
となると22合は32に利かす金が正解となります。
同じ攻め方ではだめなので、31桂成、同玉に、22龍と切ります。
以下は23から歩(香)を打って収束です。
【作意】24金、32玉、44桂、21玉、43角成、同金、11角成、同玉、15飛、12歩合、
23桂、22玉、32桂成、同玉、12飛成、22金合、31桂成、同玉、22龍、同玉、
23歩、32玉、22金まで23手詰
『薫紅』は岡田さんの第一作品集で1963年刊行。作品は120局収録されており、解説者が41名、メンバーを見ると内藤九段はじめ黒川一郎、北原義治、山田修司、田中至など錚々たる顔ぶれです。
さて今回の課題、作例が少ないということですので、作家の皆様にはぜひともチャレンジください。
また例題は今回の課題に関連のありそうな切り口で、引き続き紹介させていただきます。
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★次回例会
[日時] 2017年6月18日(日)、13時~
[場所] 福島区民センター
大阪市福島区吉野3 ‐17‐23
千日前線野田阪神駅、阪神野田駅、JR東西線海老江駅から徒歩5分。
JR環状線野田駅から徒歩8分
https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[課題] 「持駒込みの七対子図式」
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)。29手以内。
※双玉は不可。
・詰パラ9月号掲載予定。
・投稿先 → sokipara@yahoo.co.jp
・6月例会(6/18)で選題を行う予定。
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★次々回例会
[日時] 2017年8月20(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 昨年好評だったネット企画開催の予定。
※終了後「45周年記念懇親会」を開催します。
開始時刻と場所についてはあらためて案内いたします。
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※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
好天が続いています。夏がそこまで来ている感じです。
散歩していたら、近所の公園ではつつじがきれいに咲いていました。

■創棋会の次回課題
さて創棋会の次回課題は「持駒込みの七対子図式」です。
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)。双玉は不可です。
6月例会(6/18)で選題を行い、詰パラ9月号に掲載の予定です。
作品の投稿はこちらにお願いします。
→ sokipara@yahoo.co.jp
恒例の例題紹介ですが、そのものズバリの作品が少ないということから、少しでも関連のありそうな切り口で紹介させていただこうということで、前回に引き続き今回も「対子図式」です。
今回は創棋会の作品集『月下美人』から2局、もう一局は岡田敏さんの作品を一局、あわせて三作を紹介します。
『月下美人』は創棋会の第5作品集で「○○図式特集」という構成。女流棋士のエッセーが掲載されているのも特徴。1994年発行。
まず一作目は谷口昇一さんの作品です。
谷口昇一作(詰パラ1983年4月、『月下美人』その他図式第5番)

盤面5枚で3×3に収まった素晴らしい好形作品。
飛銀香歩各2枚の対子図式ですが、盤面・持駒とも対子というのが、好感が持てます。
初手は24銀しかないところですが、14玉には軽く15銀と捨てます。
これも取れば17香から簡単なので13玉と落ちますが、23香から飛を奪って再度23香と攻めます。
飛車を取る前に13香と打つと12桂合で詰みません。細かいところですが注意が必要。
23香には頭の丸い桂合が最善。
これも同香と取って14桂と据え、11玉に13飛と打てば、今度は22桂成から23銀成を防いで角合の一手。
同飛から34角と打ちます。先ほどの14桂はこの角打ちに備えた限定でした。
以下は22桂成から23銀成の詰み。
簡素な形から二度の合駒、手順前後のアヤなどもあり、易しい好作だと思います。
【作意】24銀、14玉、15銀、13玉、24銀打、22玉、23香、11玉、21香成、同玉、
23香、22桂、同香成、同玉、14桂、11玉、13飛、12角、同飛成、同玉、
34角、11玉、22桂成、同玉、23銀成、11玉、12成銀まで27手詰
谷口昇一さんは『四百人一局集』によれば1949年生で1997年に逝去されています。
発表作は40作程度と寡作ですが、簡素図式や軽趣向を得意にされていたようで、『月下美人』の「一色図式」の部には次の作品が収録されています。
谷口昇一作(詰パラ1983年1月、『月下美人』一色図式第4番)

初形から正算で創作されたとのことです。
【作意】12銀、同玉、34角、21玉、43角打、32歩、33桂、31玉、42銀、同玉、
52角成、33玉、43角成、23玉、34馬、14玉、25馬、23玉、34馬引まで19手詰
次の作品は太田慎一さんです。
太田慎一作(詰パラ1988年9月、『月下美人』その他図式第5番)

飛角金桂各2枚の対子図式。
前作同様、盤面・持駒とも対子というのは、好感が持てます。
カナ駒がないので詰めにくそうな感じですが、14角が気持ちの良い一手。
同金は23角、同飛は52角です。
23合しかありませんが、歩合はどうでしょうか。
これは取って52角が決め手です。
同飛、42歩、同飛とすれば21飛成から51龍まで気持ちの良い詰め上がり。
ということは頭に利く駒は同じ変化になるので23は桂合が最善。
今度も同角と取って52角と捨てます。
そこで53桂と退路封鎖の捨駒が決め手になります。
同飛と取らせて21飛成から収束です。
作者によれば、駒配置の絶対性が結構高いことがお気に入り、そのうえで対子図式という条件を満たしているのは多少なりとも意義のあることだと思っているとのこと。
表紙に登場し好評を博しました。
【作意】14角、23桂、同角成、同金、52角、同飛、53桂、同飛、21飛成、42玉、
31龍、52玉、51龍まで13手詰
最後の一作は岡田敏さんの作品です。
岡田敏作(近将1957年9月、『薫紅』第100番)

本作は、飛角金桂各2枚の盤面対子図式。
今回の3作品に共通しているのは初形に成駒が無いことです。この点も好感が持てます。
また太田さんの作品もそうですが本局は「歩無し図式」でもあります。
65飛をどう活用するかがポイントですが、横に使うしかなさそうなので、25角と34金を捌く手を考えましょう。
まず24金とします。12玉は34角があるので32玉。
44桂と拠点を築き、21玉に43角成と捨てます。これで65飛の横利きが通りました。
そこで11角成と捨て15飛と待望の飛の活用です。
ここで12に何を合するか、ちょっと考え処です。
何を合しても23桂、22玉、32桂成、同玉、12飛成と進みます。
この局面で手駒が角金銀なら22に何を合しても、21角(銀)や31金の一手詰。
桂は品切れですから、12は歩(または香)が正解です。
今度は22合が何かを考えるわけですが、31桂成から32歩(香)とする手があり、同玉に23金から駒余りの詰み。
となると22合は32に利かす金が正解となります。
同じ攻め方ではだめなので、31桂成、同玉に、22龍と切ります。
以下は23から歩(香)を打って収束です。
【作意】24金、32玉、44桂、21玉、43角成、同金、11角成、同玉、15飛、12歩合、
23桂、22玉、32桂成、同玉、12飛成、22金合、31桂成、同玉、22龍、同玉、
23歩、32玉、22金まで23手詰
『薫紅』は岡田さんの第一作品集で1963年刊行。作品は120局収録されており、解説者が41名、メンバーを見ると内藤九段はじめ黒川一郎、北原義治、山田修司、田中至など錚々たる顔ぶれです。
さて今回の課題、作例が少ないということですので、作家の皆様にはぜひともチャレンジください。
また例題は今回の課題に関連のありそうな切り口で、引き続き紹介させていただきます。
******************************************************************
★次回例会
[日時] 2017年6月18日(日)、13時~
[場所] 福島区民センター
大阪市福島区吉野3 ‐17‐23
千日前線野田阪神駅、阪神野田駅、JR東西線海老江駅から徒歩5分。
JR環状線野田駅から徒歩8分
https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[課題] 「持駒込みの七対子図式」
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)。29手以内。
※双玉は不可。
・詰パラ9月号掲載予定。
・投稿先 → sokipara@yahoo.co.jp
・6月例会(6/18)で選題を行う予定。
******************************************************************
★次々回例会
[日時] 2017年8月20(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 昨年好評だったネット企画開催の予定。
※終了後「45周年記念懇親会」を開催します。
開始時刻と場所についてはあらためて案内いたします。
*********************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
創棋会の次回課題など
<創棋会の次回課題など>
■あれこれ
・藤井聡太四段の活躍
5月12日の王将戦予選で勝利して17連勝。凄いですね。
藤井さんが活躍するたびに解答選手権のことをとりあげてもらえるのもありがたい。
ただ藤井さんも詰将棋は一人の詰将棋愛好家として楽しみたいという気持ちがあると思うので、過熱取材は控えていただきたいという思いもある。
・3月のライオン
4月22日から後編の公開が始まった。
連休の混雑を避けて劇場に足を運んだが、結構な観客数。
途中で詰パラが映像に!青い表紙で20〷年7月号だったように見えたが、もしかすると映画用の作り物だったかも。
エンドロールも目を凝らしていると、「詰将棋パラダイス」と「叶 雅生」の文字が!!
・創棋会の45周年記念行事
色々考えているところですが、現在決まっているのは懇親会の開催です。
8月20日の例会終了後開催予定です。
詳しい場所や時間が決まればあらためて案内しますので、参加をお考えの方はぜひともご一報ください。
■創棋会の次回課題
さて創棋会の次回課題は「持駒込みの七対子図式」です。
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)。双玉は不可です。
6月例会(6/18)で選題を行い、詰パラ9月号に掲載の予定です。
作品の投稿はこちらにお願いします。
→ sokipara@yahoo.co.jp
さて例題紹介ですが、そのものズバリの作品が少ないということもあり、少しでも関連のありそうな切り口で紹介させていただきます。
今回と次回は「対子図式」です。
今回は古い話ですが1983年6月の創棋会の課題が「対子図式」でしたので、その中から三作を紹介します。
前回紹介した宇佐見さんの作品もこのときの課題に投稿されたものです。詰パラ掲載は1983年8月でしたので、訂正させていただきます。
ちなみにこのときの例会が第64回、参加者には柳田さん、飯尾さん、角さん、塩野入さん、柳原さんのお名前もあります。
まず一作目は谷口均さんの作品です。
谷口均作(詰パラ1983年8月、『残照』第3番)

使用駒が飛角金桂各2枚ずつの対子図式。盤面は僅か5枚で対象形というのも好印象。
16角が有力そうですが48玉とされると馬と桂の守りが強く続きません。
手のつけ方に迷うところですが、47角が巧打。
49玉には39金、59玉、69飛の好手順があります。
同馬と取らせて28飛と拠点をつくることに成功。
47馬が質駒になっているので39玉と落ちますが、49金と捨て、同桂成に37龍が決め手です。
【作意】47角、同馬、28飛、39玉、49金、同桂成、37龍、同馬、29金まで9手
『残照』は創棋会創立三十周年を記念して例会課題作を精選して編集されたもの。
81局が収載され2002年に発刊されました。
次の作品は岡田敏さんの作品です。
岡田敏作(詰パラ1983年8月、『詰の花束』第241番)

使用駒が飛角金銀歩各2枚ずつの対子図式。
無条件で32玉と逃げられては捕まらない形なので初手14角はこの一手。
22玉、23飛、32玉となったところで、13飛成に誘われるが21玉と落ちられると不思議なことに続きません。
ここは24飛成と縦に移動して開き王手するのが正解。
玉方は23に捨合いして抵抗します。
金銀合は同角成、31玉、21飛以下簡単。
桂合も同角成、31玉に43桂があります。
歩合をされるとどうなるでしょうか。そのときは攻め方には巧い手があります。
同角成、31玉に21飛と捨て、さらに12馬と捨てるのです。
おっと打歩詰になりました。そうです。5手目は24飛成ではなく24飛不成としておくのです。
そうすれば12玉に13歩と叩けるので25金を活用しての詰みとなります。
自然な初形から打歩詰の局面が出てくるのはちょっと意外な軽作でした。
【作意】14角、22玉、23飛、32玉、24飛不成、23歩、同角成、31玉、21飛、同玉、
12馬、同玉、13歩、同玉、14金、12玉、23飛成まで17手。
最後の一局は藤井孝一さんの作品。
藤井孝一作(詰パラ1983年8月)

使用駒が飛角金桂香歩各2枚ずつの対子図式。
66角と34桂が22金に当たっているので、これを活かしたい。
初手は拠点を築く35金。
13玉は22角成で論外ですが、14玉も13飛!の強手があり同金に15飛とすれば作意同様に進めて早く詰みます。この13手を解答された方が若干名おられたそうです。
15玉が最善だが、それでも13飛と捨てます。
同金なら33角不成、14玉、25馬があるので、14合の一手。
桂合は、同飛、同玉、26桂で簡単。
金(銀)合は、同飛、同玉、25金、同香、15歩、同玉、26金(銀)以下早い。
ということで香合に決まりますが、同飛、同玉に決め手の13飛が出ます。
同金と取らせて、さらに15香と連続して捨てれば、最後の決め手が33角不成。
初形から打歩詰の局面が出るとは思わせないところは岡田さんの作品同様ベテランの腕でしょうか。
【作意】35金、15玉、13飛、14香、同飛成、同玉、13飛、同金、15香、同玉、
33角不成、14玉、25馬、同香、15歩、23玉、22角成まで17手
今回の課題「持駒込みの七対子図式」は作例が少ないということですので、作家の皆様には腕の見せどころではないでしょうか。
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★次回例会
[日時] 2017年6月18日(日)、13時~
[場所] 福島区民センター
大阪市福島区吉野3‐17‐23
千日前線野田阪神駅、阪神野田駅、JR東西線海老江駅から徒歩5分。
JR環状線野田駅から徒歩8分
https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[課題] 「持駒込みの七対子図式」
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)
※双玉は不可。
・詰パラ9月号掲載予定。
・投稿先 → sokipara@yahoo.co.jp
・6月例会(6/18)で選題を行う予定。
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★次々回例会
[日時] 2017年8月20(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 昨年好評だったネット企画開催の予定。
※終了後「45周年記念懇親会」を開催します。
開始時刻と場所についてはあらためて案内いたします。
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blogsokikaitusin@gmail.com
以上
■あれこれ
・藤井聡太四段の活躍
5月12日の王将戦予選で勝利して17連勝。凄いですね。
藤井さんが活躍するたびに解答選手権のことをとりあげてもらえるのもありがたい。
ただ藤井さんも詰将棋は一人の詰将棋愛好家として楽しみたいという気持ちがあると思うので、過熱取材は控えていただきたいという思いもある。
・3月のライオン
4月22日から後編の公開が始まった。
連休の混雑を避けて劇場に足を運んだが、結構な観客数。
途中で詰パラが映像に!青い表紙で20〷年7月号だったように見えたが、もしかすると映画用の作り物だったかも。
エンドロールも目を凝らしていると、「詰将棋パラダイス」と「叶 雅生」の文字が!!
・創棋会の45周年記念行事
色々考えているところですが、現在決まっているのは懇親会の開催です。
8月20日の例会終了後開催予定です。
詳しい場所や時間が決まればあらためて案内しますので、参加をお考えの方はぜひともご一報ください。
■創棋会の次回課題
さて創棋会の次回課題は「持駒込みの七対子図式」です。
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)。双玉は不可です。
6月例会(6/18)で選題を行い、詰パラ9月号に掲載の予定です。
作品の投稿はこちらにお願いします。
→ sokipara@yahoo.co.jp
さて例題紹介ですが、そのものズバリの作品が少ないということもあり、少しでも関連のありそうな切り口で紹介させていただきます。
今回と次回は「対子図式」です。
今回は古い話ですが1983年6月の創棋会の課題が「対子図式」でしたので、その中から三作を紹介します。
前回紹介した宇佐見さんの作品もこのときの課題に投稿されたものです。詰パラ掲載は1983年8月でしたので、訂正させていただきます。
ちなみにこのときの例会が第64回、参加者には柳田さん、飯尾さん、角さん、塩野入さん、柳原さんのお名前もあります。
まず一作目は谷口均さんの作品です。
谷口均作(詰パラ1983年8月、『残照』第3番)

使用駒が飛角金桂各2枚ずつの対子図式。盤面は僅か5枚で対象形というのも好印象。
16角が有力そうですが48玉とされると馬と桂の守りが強く続きません。
手のつけ方に迷うところですが、47角が巧打。
49玉には39金、59玉、69飛の好手順があります。
同馬と取らせて28飛と拠点をつくることに成功。
47馬が質駒になっているので39玉と落ちますが、49金と捨て、同桂成に37龍が決め手です。
【作意】47角、同馬、28飛、39玉、49金、同桂成、37龍、同馬、29金まで9手
『残照』は創棋会創立三十周年を記念して例会課題作を精選して編集されたもの。
81局が収載され2002年に発刊されました。
次の作品は岡田敏さんの作品です。
岡田敏作(詰パラ1983年8月、『詰の花束』第241番)

使用駒が飛角金銀歩各2枚ずつの対子図式。
無条件で32玉と逃げられては捕まらない形なので初手14角はこの一手。
22玉、23飛、32玉となったところで、13飛成に誘われるが21玉と落ちられると不思議なことに続きません。
ここは24飛成と縦に移動して開き王手するのが正解。
玉方は23に捨合いして抵抗します。
金銀合は同角成、31玉、21飛以下簡単。
桂合も同角成、31玉に43桂があります。
歩合をされるとどうなるでしょうか。そのときは攻め方には巧い手があります。
同角成、31玉に21飛と捨て、さらに12馬と捨てるのです。
おっと打歩詰になりました。そうです。5手目は24飛成ではなく24飛不成としておくのです。
そうすれば12玉に13歩と叩けるので25金を活用しての詰みとなります。
自然な初形から打歩詰の局面が出てくるのはちょっと意外な軽作でした。
【作意】14角、22玉、23飛、32玉、24飛不成、23歩、同角成、31玉、21飛、同玉、
12馬、同玉、13歩、同玉、14金、12玉、23飛成まで17手。
最後の一局は藤井孝一さんの作品。
藤井孝一作(詰パラ1983年8月)

使用駒が飛角金桂香歩各2枚ずつの対子図式。
66角と34桂が22金に当たっているので、これを活かしたい。
初手は拠点を築く35金。
13玉は22角成で論外ですが、14玉も13飛!の強手があり同金に15飛とすれば作意同様に進めて早く詰みます。この13手を解答された方が若干名おられたそうです。
15玉が最善だが、それでも13飛と捨てます。
同金なら33角不成、14玉、25馬があるので、14合の一手。
桂合は、同飛、同玉、26桂で簡単。
金(銀)合は、同飛、同玉、25金、同香、15歩、同玉、26金(銀)以下早い。
ということで香合に決まりますが、同飛、同玉に決め手の13飛が出ます。
同金と取らせて、さらに15香と連続して捨てれば、最後の決め手が33角不成。
初形から打歩詰の局面が出るとは思わせないところは岡田さんの作品同様ベテランの腕でしょうか。
【作意】35金、15玉、13飛、14香、同飛成、同玉、13飛、同金、15香、同玉、
33角不成、14玉、25馬、同香、15歩、23玉、22角成まで17手
今回の課題「持駒込みの七対子図式」は作例が少ないということですので、作家の皆様には腕の見せどころではないでしょうか。
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★次回例会
[日時] 2017年6月18日(日)、13時~
[場所] 福島区民センター
大阪市福島区吉野3‐17‐23
千日前線野田阪神駅、阪神野田駅、JR東西線海老江駅から徒歩5分。
JR環状線野田駅から徒歩8分
https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[課題] 「持駒込みの七対子図式」
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)
※双玉は不可。
・詰パラ9月号掲載予定。
・投稿先 → sokipara@yahoo.co.jp
・6月例会(6/18)で選題を行う予定。
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★次々回例会
[日時] 2017年8月20(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 昨年好評だったネット企画開催の予定。
※終了後「45周年記念懇親会」を開催します。
開始時刻と場所についてはあらためて案内いたします。
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※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
詰備会に行ってきました
■詰備会に行ってきました
5月3日(水)は岡山に足を運び詰備会に参加しました。
少し早めに着いたので「桃太郎電車」に揺られて吉備津神社に参詣。

ボタンがきれいに咲いていました。

13時過ぎに会場に着くと、すでに10人以上の方が盤を囲んでワイワイガヤガヤと。
皆さんにご挨拶して、早速見せてもらった作品に取り組みます。

詰パラ5月号やネットの話題作、フェアリーにパズル、「数学セミナー」の話など話は尽きません。

二次会も、昔のパラの話から解答選手権の運営苦労談など、大いに盛り上がりました。
リアルの会合は本当に楽しいですね。
ご一緒いただいた皆さんありがとうございました!
■ネット作品展「教材に使える10手台」
解答募集の際、「優秀解答者1名に呈賞」としていました。
発表が遅くなりましたが、当選は小池正浩さん。後日詰棋書をお届けします。
■創棋会の次回課題
さて創棋会の次回課題は「持駒込みの七対子図式」です。
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)。双玉は不可です。
6月例会(6/18)で選題を行い、詰パラ9月号に掲載の予定です。
作品の投稿はこちらにお願いします。
→ sokipara@yahoo.co.jp
今回の例題紹介は二作。
数少ない「持駒込みの七対子図式」です。
まず一作目は本間晨一さんの七対子煙です。
本間晨一作(おもちゃ箱2010年1月 記録展 №64)

この初形をご覧ください。
7種の駒を2枚ずつ使用した「七対子図式」の無防備玉。
そして手順は軽やかな趣向、気持ちの良い煙詰です。
初形15枚から詰め上がり3枚にするには12枚を消す必要があるのですが、それには最短で25手かかります。
すなわち本作は七対子煙の最短手数作となります。
【作意】88龍、67玉、66角成、同玉、77龍、65玉、55金、同玉、66龍、54玉、
53桂成、同玉、44金、同玉、55龍、43玉、33銀成、同玉、44龍、23玉、
22桂成、同玉、33龍、11玉、22龍まで25手詰
本間さんは易しい趣向作を多数発表されていますが、本作のような記録作も続々と発表されています。
※詰将棋おもちゃ箱~記録に挑戦
→ http://www.ne.jp/asahi/tetsu/toybox/challenge/index2.htm#kiroku2a
さてもう一作は宇佐見正さんの作品です。
宇佐見正作(詰パラ1983年6月)

本作は、創棋会の課題「対子図式」に出品されたものです。
銀を使った送り趣向からスタートしますが、27飛、26飛とぜいたくに飛車を捨てます。
28の金を奪ってからは一転して一筋で金の追撃です。
軽い趣向の一幕モノでした。
宇佐見さんは創作では同人作家として活躍されていましたが、朝日新聞社では観戦記執筆でも有名な方でした。残念ながら阪神大震災で被災され64歳で逝去されました。作品集に『松煙』があります。
【作意】27飛、同金、15銀、25玉、26飛、同金、同銀、同玉、17金、15玉、
16金、14玉、15金、23玉、14金、12玉、13金、11玉、12金、同馬、
23桂、21玉、31香成まで23手詰
今回の課題、作例が少ないということですので、作家の皆様にはぜひともチャレンジください。
また例題は「対子図式」「七色図式」「握り詰」など、今回の課題に関連のありそうな切り口で紹介させていただこうかと考えています。
******************************************************************
★次回例会
[日時] 2017年6月18日(日)、13時~
[場所] 福島区民センター
大阪市福島区吉野3‐17‐23
千日前線野田阪神駅、阪神野田駅、JR東西線海老江駅から徒歩5分。
JR環状線野田駅から徒歩8分
https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[課題] 「持駒込みの七対子図式」
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)
※双玉は不可。
・詰パラ9月号掲載予定。
・投稿先 → sokipara@yahoo.co.jp
・6月例会(6/18)で選題を行う予定。
******************************************************************
★次々回例会
[日時] 2017年8月20(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 昨年好評だったネット企画開催の予定。
※終了後「45周年記念懇親会」を開催します。
開始時刻と場所についてはあらためて案内いたします。
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※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
5月3日(水)は岡山に足を運び詰備会に参加しました。
少し早めに着いたので「桃太郎電車」に揺られて吉備津神社に参詣。

ボタンがきれいに咲いていました。

13時過ぎに会場に着くと、すでに10人以上の方が盤を囲んでワイワイガヤガヤと。
皆さんにご挨拶して、早速見せてもらった作品に取り組みます。

詰パラ5月号やネットの話題作、フェアリーにパズル、「数学セミナー」の話など話は尽きません。

二次会も、昔のパラの話から解答選手権の運営苦労談など、大いに盛り上がりました。
リアルの会合は本当に楽しいですね。
ご一緒いただいた皆さんありがとうございました!
■ネット作品展「教材に使える10手台」
解答募集の際、「優秀解答者1名に呈賞」としていました。
発表が遅くなりましたが、当選は小池正浩さん。後日詰棋書をお届けします。
■創棋会の次回課題
さて創棋会の次回課題は「持駒込みの七対子図式」です。
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)。双玉は不可です。
6月例会(6/18)で選題を行い、詰パラ9月号に掲載の予定です。
作品の投稿はこちらにお願いします。
→ sokipara@yahoo.co.jp
今回の例題紹介は二作。
数少ない「持駒込みの七対子図式」です。
まず一作目は本間晨一さんの七対子煙です。
本間晨一作(おもちゃ箱2010年1月 記録展 №64)

この初形をご覧ください。
7種の駒を2枚ずつ使用した「七対子図式」の無防備玉。
そして手順は軽やかな趣向、気持ちの良い煙詰です。
初形15枚から詰め上がり3枚にするには12枚を消す必要があるのですが、それには最短で25手かかります。
すなわち本作は七対子煙の最短手数作となります。
【作意】88龍、67玉、66角成、同玉、77龍、65玉、55金、同玉、66龍、54玉、
53桂成、同玉、44金、同玉、55龍、43玉、33銀成、同玉、44龍、23玉、
22桂成、同玉、33龍、11玉、22龍まで25手詰
本間さんは易しい趣向作を多数発表されていますが、本作のような記録作も続々と発表されています。
※詰将棋おもちゃ箱~記録に挑戦
→ http://www.ne.jp/asahi/tetsu/toybox/challenge/index2.htm#kiroku2a
さてもう一作は宇佐見正さんの作品です。
宇佐見正作(詰パラ1983年6月)

本作は、創棋会の課題「対子図式」に出品されたものです。
銀を使った送り趣向からスタートしますが、27飛、26飛とぜいたくに飛車を捨てます。
28の金を奪ってからは一転して一筋で金の追撃です。
軽い趣向の一幕モノでした。
宇佐見さんは創作では同人作家として活躍されていましたが、朝日新聞社では観戦記執筆でも有名な方でした。残念ながら阪神大震災で被災され64歳で逝去されました。作品集に『松煙』があります。
【作意】27飛、同金、15銀、25玉、26飛、同金、同銀、同玉、17金、15玉、
16金、14玉、15金、23玉、14金、12玉、13金、11玉、12金、同馬、
23桂、21玉、31香成まで23手詰
今回の課題、作例が少ないということですので、作家の皆様にはぜひともチャレンジください。
また例題は「対子図式」「七色図式」「握り詰」など、今回の課題に関連のありそうな切り口で紹介させていただこうかと考えています。
******************************************************************
★次回例会
[日時] 2017年6月18日(日)、13時~
[場所] 福島区民センター
大阪市福島区吉野3‐17‐23
千日前線野田阪神駅、阪神野田駅、JR東西線海老江駅から徒歩5分。
JR環状線野田駅から徒歩8分
https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[課題] 「持駒込みの七対子図式」
七種(飛角金銀桂香歩)各2枚と玉の初形15枚(成駒可)
※双玉は不可。
・詰パラ9月号掲載予定。
・投稿先 → sokipara@yahoo.co.jp
・6月例会(6/18)で選題を行う予定。
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★次々回例会
[日時] 2017年8月20(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 昨年好評だったネット企画開催の予定。
※終了後「45周年記念懇親会」を開催します。
開始時刻と場所についてはあらためて案内いたします。
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