創棋会の次回例会は12/18(課題作の例題:上段・中段・入玉)

■創棋会の次回例会は12/18(課題作の例題:上段・中段・入玉)

 創棋会の次回例会は、来月、12月18(日)、13時から、場所は関西将棋会館です。
 次回課題は「29の桂が跳ねる17手詰」です。
    29は平成29年、干支は「酉」→とり→鶏→桂、17は2017の下二ケタ
    「新年に大きく躍進する⇒干支が空を翔ぶ⇒桂が跳ねる」
 ということで来年にちなんだ作品を募集しようという意図です。
 12月例会で選題の予定です。

 それでは今回も「29の桂が跳ねる」例題を紹介していきましょう。
 今回は、上段・中段・入玉と、さまざまな桂跳ねの演出を見ていきます。


川崎弘作(詰パラ1988年5月、『金波銀波集』第63番)
川崎弘作詰パラ198805

 この形から29の桂が跳ねるのだろうかと心配になります。
 初手は33飛と横から押さえたいところ。
 23に合するしかないが、14金から15香を防いで桂合は当然の一手。
 そこで14歩では22玉とされるので、15香と打って合駒を訊きます。
 何を合されても、同香、同玉、15歩、同桂までは必然の応酬。
 14が歩合だと、ここで同銀、同玉、16歩と叩く手があります。
 同玉には27金の好手があるので、25玉としますが、37桂、16玉、36飛成、26金合、27金打、15玉、26金、14玉、25金以下駒余りの詰み。
 したがって14合は桂が正解です。
 14同香、同玉、15歩、同桂となったところで、25銀とすりこむのが好手です。
 同歩と取るのは26桂、同歩、34飛成で寄るので、同玉と応じます。
 ここで37桂と跳ねたいのですが、26玉とされると続きません。
 重いようでも36金打から26金と捨て、続いて、押さえに見える38金も、37~36~26と捨てます。
 二枚の金を捨てるのが好感触のリフレインです。
 実は38金は邪魔駒で、今度は38桂と打つことが出来ます。
 38桂、25玉に37桂と跳ねて、無事収束です。

【作意】33飛、23桂、16香、14桂、同香、同玉、15歩、同桂、25銀、同玉、
    36金、16玉、26金、同玉、37金、25玉、36金、16玉、26金、同玉、
    38桂、25玉、37桂、16玉、36飛成、17玉、26龍まで27手詰

 金波銀波集は創棋会の第4作品集で、1989年に将棋天国社から発行されました。


稲葉元孝作(将棋ジャーナル1992年11月、『さんらん』第24番)
稲葉元孝ジャーナル199211

 持駒に歩があれば打歩詰問題だと考える。
 24飛成、16玉と進むと、案の定、打歩詰の局面。
 ここで常道とはいえ13龍とソッポに移動して王手するのが詰将棋らしい一手。
 玉方も14に角を中合し、同龍なら15合として打歩詰で逃れようとします。
 そこで17歩と先に歩を打ちます。
 15玉なら24龍の一手詰ですから25玉と逃げます。
 ここで37桂と跳ねるのがいいタイミングです。
 15玉とギリギリの受けですが、24龍捨てから34馬と活用するのが継続の好手段。
 玉が15に戻ると16歩までの突き歩詰。
 仕方のない13玉には25桂と二段活用するのが気持ちの良い決め手です。

【作意】24飛成、16玉、13龍、14角合、17歩、25玉、37桂、15玉、24龍、同玉、
    34馬、13玉、25桂、同角、23馬まで15手詰

 稲葉さんは昭和12年生まれの大ベテラン。易しい趣向詰などを得意にされています。
 『さんらん』は、詰工房の第三作品集で、2006年に発刊されました。


岡本正貴作(詰パラ1983年5月、『昭和詰将棋秀局懐古録下巻』第119番、『竹馬』第93番)
岡本正貴パラ198305

 例の形ですね。
 初手は28銀しかありません。
 同玉に19金などとカッコよく攻めると駒不足。ここは37銀と活用します。
 19玉に17桂と跳ねます。
 早速合駒の読みです。
 29合は、金なら同飛以下、しかし金合以外は28銀から39金があります。
 そこで39中合が好防ですが、金は同飛以下ですから、角か銀になります。
 どちらも同飛から29合となりますが、銀合は、28銀打~19金があるので角しかありません(角なら19金のとき、27から逃げることが出来る)。
 39角合、同飛となったところで、もう一度29の合を訊きます。
 今度は持駒に角があるので、28銀から37角として27玉に46角と47飛を活用する開き王手の筋があります。このとき47飛を抜けるように29合は角が正解。
 47角成と飛を取られたところで29香が巧打。28香は18玉で続きませんが、離して打てば19金から押していけます。
 同馬には同飛と取ってしまうのが実戦的。
 38玉に、28飛、49玉、27角と普通に追いますが、38香合と捨合して抵抗します。
 入玉特有の詰めにくい局面ですが、38同角から飛角で追って48香の軽手を挟んで、二枚角の効きを活かした透かし詰で収束。

【作意】28銀、同玉、37銀、19玉、17桂39角合、同飛、29角合、28銀、同玉、
    37角、27玉、46角、47角成、29香、同馬、同飛、38玉、28飛、49玉、
    27角、38香合、同角、59玉、29飛、58玉、49角、47玉、48香、同玉、
    38金、59玉、67角まで33手詰

 『竹馬』は岡本正貴さんと高木秀雄さんの二人の作品集で2013年に発行されました。
 また『昭和詰将棋秀局懐古録下巻』は、田邉重信氏がまとめられた大著で、詰パラに発表された名作が640局収録されており、1987年に発行されました。


 次回は曲詰を紹介したいと思います。

***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年12月18(日)13時~
[場所] 関西将棋会館
[課題] 「29の桂が跳ねる17手詰
作品の投稿先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。

***【来年の予定】*****************************************************
新年会
 1月21日(土)開催。
 18時開始。
 場所は海心丸(JR福島駅前

 (昼間の例会はありません。)
 詳細はあらためて案内させていただきます。

★2月以降は偶数月に例会を開催します。
 偶数月の第三日曜日開催。
 毎月、何か課題作を持ち寄って楽しく過ごせるようにしたいと考えています。

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以上
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創棋会の次回課題(例題は続・中段玉)など

<創棋会の次回課題作(続・中段玉)など>

■棋士とコンピューター(続)
 叡王戦で羽生三冠が敗れました。
 残念ながら羽生さんとコンピューターとの対戦はお預け。
 しかし叡王戦は佐藤名人と千田五段が決勝を争うことになったので、いずれが勝者となってもコンピューターとの対決は面白くなりそうです。

 少し前ですが、ビジネス雑誌に第一期電王戦でポナンザに敗れた山崎八段がソフトとの対戦について、語っています。
 日経ビジネスの11月7日号で「電王戦で将棋ソフトに完敗」というタイトルでした。
 電王戦が行われたのは4~5月、このタイミングの記事には違和感を覚えました。
 そもそも、こういう固い雑誌に将棋のことが載ることが珍しいのですが、案の定コラム的に例の件が紹介されていました。
 記事自体は、インタビューをもとに構成されたもののようで「打つ」という言葉が何度も出てきますし(笑)、果たして真意が十分反映されたものなのかと感じました。
 印象に残ったフレーズは、「相手がコンピューターなので感情も駆け引きもない」「将棋ソフトに頼ると、将棋は広い世界なのに、少ない手順に収れんされて、効率的かもしれないが息苦しい世界になってしまう」など。

 ちなみに山崎八段は「不屈の棋士」(講談社現代新書、2016.7刊、大川慎太郎)では、「ソフトの力で強くなるのはドーピングのようなもの」と評したり、「ソフトの出現で将棋の枠組みが広がってタブーが減った」と語ったりされ、自らの苦悩を語りつつ、「棋士は自分一人で考えなければいけない」という強い信念も示されています。

 チェスの世界における人間とコンピューターとの戦いは、将棋よりは歴史もありますし、チェスそのものがグローバルということもあるからでしょうか、多様な形で共存が図られているという話を聞いたことがあります。
 将棋は今が過渡期なのかもしれません。


■創棋会の次回課題
 創棋会の次回課題は「29の桂が跳ねる17手詰」です。
   29は平成29年、干支は「酉」→とり→鶏→桂、17は2017の下二ケタ
   「新年に大きく躍進する⇒干支が空を翔ぶ⇒桂が跳ねる」
 ということで来年にちなんだ作品を募集しようという意図です。
 12月例会で選題の予定です。

 それでは今回も課題の例題を紹介させていただきます。
 今回も中段玉の作品です。


中田章道作(「駒の詩」第3番)
中田章道作「駒の詩」3番

 「29の桂」ではないのですが、左右反転しても同じなのでご容赦ください。
 角の効きにハッシと打つ76飛。
 同角と取らせて退路を塞ぎ、97馬から77桂の吊るし詰。
 なお初手56飛では、66歩合、同飛、85玉、77桂、75玉で失敗。76飛は限定です。
 超短編ですが「桂が跳ねる」作品ということで紹介させていただきました。

【作意】76飛、同角、97馬、85玉、77桂 まで5手詰

 「駒の詩」は中田章道七段の作品集で、1983年に将棋天国社から発行されました。
 中田七段は将棋世界で「実戦に役立つ5手7手詰」を連載中。毎回楽しませていただいています。
 詰パラ入選は1970年(昭和45年)4月号の短大で、初登場ながら首位を獲得されています。当時は奨励会在籍中で、1976年に四段に昇段されました。

 「駒の詩」から作者が自信作として選ばれた作品群から一作紹介させていただきます。

中田章道作(「駒の詩」第87番)
中田章道作「駒の詩」87番

 持駒は多いのですが、難しい作品ではありません。
 85~86玉の脱出を防ぐ86香から楽しい手順が始まります。
 86香、同馬に83飛。
 94玉となったところで打った飛が邪魔になったので85飛成と捨てます。
 85同玉なら86香の効果で74銀、84玉(94玉は83銀生~74馬)96桂打以下です。
 85同馬と取らせて、83銀打と拠点を築きます。
 84玉となったところから気持ちの良い捨駒の連発です。
 まず96桂打。同馬と取らせて85香。同馬なら74馬があります。
 同銀に85銀が焦点に捨てる強烈な一手です。同馬には76桂が決め手です。
 玉方の馬を翻弄する軽快な作品でした。

【作意】86香、同馬、83飛、94玉、85飛成、同馬、83銀、84玉、96桂打、同馬
    86香、同銀、85銀、同馬、76桂、同馬、74馬まで17手詰


北村憲一作(詰パラ2008年6月)
北村憲一作詰パラ200806

 こちらも「29の桂」ではないのですが、左右反転ということでご理解ください。
 手の広い局面ですが、二枚角の効きを活かして包囲網を絞っていきたいところ。
 初手67金と押さえると、75玉とする一手で、急に狭くなったような気がするから不思議。
 75玉にも64銀打と迫れば85玉の一手で、63角成であと一息。
 ここで74金上が不思議な受け。
 74歩合などは、77桂、86玉に75銀が好手で、同玉(同歩なら96馬)に64馬まで詰んでしまう。
 ならばと、横に効かす74飛(金)打合は、同馬とされ、同金、77桂で簡単。
 74金上と移動合するのは同馬なら83から逃げようというもの。
 今度は攻め方も、黙って77桂と跳ねて75銀とします。先の変化でも出てきましたが打った銀の活用は気持ちの良い手段。
 同玉に64角成が継続の好手で、同金に85馬までとなります。

 北村さんは詰パラ誌上で「持駒のある風景」を連載されているほか、全詰連の副会長・門脇賞選考委員長としても活躍されています。

【作意】67金、75玉、64銀、85玉、63角成、74金、77桂、86玉、75銀、同玉、
    64角成、同金、85馬まで13手詰


海老原辰夫作(詰パラ1968年11月号、半期賞、『星河』第4番、『古今詰将棋短編名作選』第146番)
海老原辰夫196811

 初手、非常に手広い局面だが、15銀や47とが良く効いているし、36方面の逃走路も気になるところ。
 27銀は、次の18角が見えないと指せない好手。
 18角を同玉は17馬から詰むので16玉とかわす。
 36の逃路が消えたので、17馬と活用する。
 25玉となったところで、不思議なことに17の馬が邪魔駒になっている。
 これがなければ17桂と跳ねて詰む形。
 そこで35馬と只捨ての妙手が出る。
 39馬が、17から35へ連続ジャンプするところが見事な手順です。

【作意】27銀、同玉、18角、16玉、17馬、25玉、35馬、同歩、17桂、34玉、33金まで11手詰

 海老原さんは近代将棋1958年11月号初入選。同人作家で半期賞2回受賞の実力作家。
 『星河』は海老原さんの作品集で2016年に角建逸さんの編集で発行されました。


 次回はいろいろなタイプの「29桂が跳ねる」作品を紹介します。

***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年12月18(日)13時~
[場所] 関西将棋会館
[課題] 「29の桂が跳ねる17手詰
作品の投稿先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。

***【来年の予定】*****************************************************
★新年会
1月21日(土)開催。
18時開始。
場所は海心丸(JR福島駅前)

(昼間の例会はありません。)
場所の詳細や会費など、あらためて案内させていただきます。

★2月以降は偶数月に例会を開催します。
偶数月の第三日曜日開催。
毎月、何か課題作を持ち寄って楽しく過ごせるようにしたいと考えています。

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以上

創棋会の次回課題など

■棋士とコンピューター
 将棋界では、プロ棋士とコンピューターは2013年~2015年の電王戦において、団体戦で3度にわたる激戦を繰り返し、コンピューターの実力が社会に知られるようになりました。
 一方囲碁界では、つい最近までコンピューターはまだまだ人間の敵ではないとみなされてきました。
 ところがこの春、世界最強棋士の一人と言われるイ・セドル九段がコンピューターに敗れるという出来事があり、大きなニュースになりました。
 その囲碁ソフトは「アルファ碁」というもので、Googleが開発したものです。
 アルファ碁のことは、後日AIを扱ったNHKのドキュメンタリー(羽生さんが出ていたのでご覧になった方も多かったのでは?)でも紹介されていました。
 ディープラーニングという言葉もすっかり有名になりました。
 日本でもそれに刺激を受けて開発された「Deep Zen Go」が趙治勲名誉名人と対戦することになったそうです。どんな結果になるのか興味があります。

 イ・セドル九段とアルファ碁の五番勝負は書籍になっています。
     「人工知能は碁盤の夢を見るか?」東京創元社2016年7月刊
 著者はホン・ミンビョン氏とキム・ジノ氏、訳者はホン・ミンファ氏。
 アルファ碁は、最初はヨーロッパのアマトップレベルの棋譜を学習させ、それをもとに、人間なら数千年かかる約3千万回の対局を機械学習。
 さらにアジアのトップレベルの棋譜を入力し約3週間の学習を行ったそうです。
 本の中では解説者がアルファ碁のことを次のように表しています。
  ・徹底的な学習と計算によって手を選択する
  ・恐怖という感情がないので50%以上の確率があればどんな手でも決行する
  ・アルファ碁には疲れがない、心が揺らぐこともない
 第3局までアルファ碁の3連勝、第4局ではバグが出て人間が勝利します。
 ここまでの対局からアルファ碁は白番で一層強みを発揮すると言われてきたのですが、最終局、イ・セドル九段はあえて黒番を選択。好勝負を展開するのですがあえなく敗退。
 私は、囲碁は素人で実戦譜の解説はほとんど理解できないのですが、それでもイ・セドル九段の当惑や意気込みのようなものが随所に書かれていて、なかなか面白い一冊でした。

■創棋会の次回課題
 創棋会の次回課題は「29の桂が跳ねる17手詰」。
  29は平成29年、干支は「酉」→とり→鶏→桂、17は2017の下二ケタ
  「新年に大きく躍進する⇒干支が空を翔ぶ⇒桂が跳ねる」
 ということで来年にちなんだ作品を募集しようという意図です。
 12月例会で選題の予定です。

 課題の例題、今回は中段玉の作品を紹介します。
 前回は吉田健さんの作品を3作紹介しましたが、今回は清水一男さんの作品です。
 水さんは1934年(昭和9年)生まれ。1998年(平成10年)に逝去されました。
 同人作家として活躍され、長く詰パラ中学を担当されました。
 清水さんの作品集は『詰将棋エトワール』で、1998年に詰将棋研究会から発行されました。

清水一男作(詰パラ1985年3月、『月下美人』小駒図式第1番)
清水一男作詰パラ198503

 清水さんは「自作の特徴は、角筋への桂打ち・金の捌き・突き歩、合駒は移動合、大駒は短く使い…」と述べられている。(『詰将棋エトワール』119P)
 今回紹介する3作にもその特徴が良く出ています。

 まず一作目。小駒図式です。
 駒の効率を考えると66金とか77金と打ちたくなるところです。
 しかし、66金も77金も85玉とされると続きません。
 67金とするのが正解。今度85玉には77桂があります。
 65玉と桂を取られたところで、開き王手したくなるのをグッとこらえて77桂と跳ねます。
 74玉とかわせば64金と追撃です。
 64同玉と取らせて、68香の効きに玉を誘い出すことに成功。
 ようやく待望の開き王手。67に打った金をグイッと76に出ます。
 74玉とかわしたところに、さらに85金と出てとどめです。
 67→76→85という金の活用に味のある一作でした。

【作意】67金、65玉、77桂、74玉、64金、同玉、76金、74玉、85金まで9手詰

『月下美人』は創棋会の第五作品集。1994年に将棋天国社より発行。


清水一男作(詰パラ1966年11月、『詰将棋エトワール』第27番)
清水一男作詰パラ196611

 実戦型です。
 25銀が筋良く見えますが、同玉で続きません。
 ここは19香の活用を見て15から銀を捨てるのが正しい。
 25玉なら26銀と引く手があるので、素直に同玉と応じます。
 16歩と突き出せば25玉と綱渡りのようにかわします。
 そこで、17桂と跳ねるのですが、16玉とされると「桂頭の玉、寄せにくし」。
 しかし25桂と連続して跳ねると、不思議なことに玉は捕まっています。
 18合と最後の抵抗ですが、26金とベタッと打って、17玉に28銀まで詰みとなります。
 桂の二段跳ねが意外な感じですが、全体にちょっと実戦的な印象でした。

【作意】15銀、同玉、16歩、25玉、17桂、16玉、25桂、18歩合、26金、17玉、28銀まで11手詰


清水一男作(詰パラ1989年5月、『詰将棋エトワール』第76番)
清水一男作詰パラ198905

 双玉です。
 45や44に逃げ道があるので、初手は53角成とするところ。
 25玉は35金打で簡単なので44合だが、逆王手の飛合が飛び出す。
 逆王手しないと36金、同龍、同銀、34玉、31飛、33合、26桂の順で詰む。
 44飛合には、返す刀で45金が好手。同玉なら37桂から45金まで。
 25玉と銀を取ったところで、さきほどの44合が同じ逆王手でも香だと43馬があって早いことに気づく。
 ここで52馬と追っては43桂合とされ、同馬、同飛、37桂打、14玉のとき13金が打てないので詰まない。
 38玉とすっと引くのが気のつかない手。
 これにも36香合の逆王手が飛び出すが、37桂と跳ねて移動合するのが気持ちの良い一手。
 以下、16玉に17金と捨て、同玉に44馬と質駒の飛車を取り、38玉の効果で28銀と活用すれば飛車打ちまでの詰みとなります。
 清水さんにしてはやや異色の作品。

【作意】53角成、44飛合、45金、25玉、38玉、36香合37桂、16玉、17金、同玉、
   44馬、同銀、28銀、18玉、19飛まで15手詰

 次回も中段玉を紹介する予定です。

***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年12月18(日)13時~
[場所] 関西将棋会館
[課題] 「29の桂が跳ねる17手詰
作品の投稿先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。

***【来年の予定】***************************************************
 ★新年会
1月21日(土)開催。
18時開始。
場所は海心丸(JR福島駅前)
 

(昼間の例会はありません。)
場所の詳細や会費など、あらためて案内させていただきます。

★2月以降は偶数月に例会を開催します。
偶数月の第三日曜日開催。
毎月、何か課題作を持ち寄って楽しく過ごせるようにしたいと考えています。
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以上

詰備会に行ってきました&創棋会の次回課題

■詰備会に行ってきました
 11月3日(木)。岡山で開催される詰備会に行ってきました。
 行楽日和の晴天、少し早めに着いたので観光。
 後楽園は前回訪問したので、岡山城を見学。
 NHKの「真田丸」に出てきた宇喜多秀家の居城だったそうです。
 天守閣からは市内が一望。隣の後楽園も見ることが出来ます。

岡山城

 会合は13時スタート。
 ちょっと遅れて(10分か15分くらい?)会場に到着したら、すでに大勢の方が問題に取り組まれているではないですか。
 会合は、最終的に16名の方が参加!
 私も竹村さんや岩本さんと、見るからに難問の無仕掛け図式に挑戦しましたが、正解は中村さん到着まで得られませんでした。
 そうこうしている間に、創棋会員の方や作品展に登場された方に、創棋会の年賀詰連作への投稿を依頼。
 参加者の新作、詰パラ11月号や世界12月号の発表作などにチャレンジし、詰将棋談議に花が咲き、あっという間に17時となり、記念撮影の後、懇親会の会場へと移動。
 懇親会でも引き続き楽しいひとときを過ごさせていただきました。

詰備会1103
左から:則内・中村。前の席:岩本・冨永・片山・竹村。
後の席:山路・小林・利波・平井・藤井・沖田・長谷川。(敬称略)

当日の模様、詳しくは「詰将棋劇場blog」をご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/yakkun610/e/0cd8be64bf1760e04b9f297c27a78224

■創棋会の次回課題
 さて、創棋会の次回課題は「29の桂が跳ねる17手」です。
 29は平成29年、干支は「酉」→とり→鶏→桂、17は2017の下二ケタ
 「新年に大きく躍進する⇒干支が空を翔ぶ⇒桂が跳ねる」
 ということで来年にちなんだ作品を募集しようという意図です。
 12月例会で選題の予定です。


 それでは早速「29の桂を跳ねる」例題を紹介しましょう。
 29の桂を跳ねるパターンは色々ありますが、私が最初に連想したのは前回紹介した桂を跳ねて飛車で開き王手して19玉を狙うもの。
 そうなると入玉作品ですから、吉田健さんの作品集にはきっと良い例題があるに違いないと探し出したのが、今回の3作です。

吉田健作(詰パラ1976年7月、『小夜曲』作品41)
吉田健作詰パラ197607

 初手、38飛では29で詰まない。1筋の香は苦しい配置だがこの紛れに備えたもの。
 正解はじっと59飛。49合なら38金を見ている。
 28玉には逃路に先着の19銀が巧打。
 同玉と取らせて17桂が本局の狙い。
 37に跳ねると29合とされて18金が打てないという仕掛け。
 あっさりとした仕上げだが作者の解説には
 「お茶漬けの味がわかりかけてきた年代に作った」 とあり、妙に納得。

【作意】59飛、28玉、19銀、同玉、17桂、28玉、38金、17玉、19飛まで9手詰


吉田健作(詰パラ1971年1月、『嬉遊曲』第二楽章 第36局、『もぐらうち』第78番)

吉田健作詰パラ197101

 左右反転していただければ29の桂が跳ねる作品になります。
 本作も56馬、59龍、89桂の3枚が手順を暗示している。
 玉を99に誘いこむため、88金から99金は第一感だが、香の効きに放つ99金は鋭い。
 同香成は68龍があるので99同玉とさせることに成功。
 さて桂をどちらに跳ねるかだが、前の例題からわかるように、95香の効きを止める97桂が正解。
 かわす玉に99龍、78馬の連続パンチでダウンさせます。
 収束の大駒連続捨てで解後感は爽快!

【作意】88金、同玉、99金、同玉、97桂、88玉、99龍、87玉、78馬、同玉、
  88金まで11手詰


吉田健作(詰パラ1973年2月、『小夜曲』作品71、『もぐらうち』第90番)

吉田健作詰パラ197302

 端正な入玉実戦型。
 初手は36銀と引きます。逃がすようでやりにくい手です。
 同玉なら37飛、25玉、45飛、24玉、34金、13玉、16香以下13手駒余り。
 28玉に38金が狙いの一手。26桂の効きでもあり打ちにくいところ。
 19玉と逃げたところで例の局面です。
 どこに桂を跳ねても29合の一手。それも角金銀しかありません。
 金銀は同飛、同玉、39飛とすれば簡単なので角合が正解。
 となれば離し角の筋が見えてきますから、桂は17に跳ねるのが正解とわかります。
 17桂、29角合を同飛ととり、打ちなおした39飛を19に捨て73角として収束です。
 吉田さんには珍しい手数ですが38金のあたりに吉田流を感じます。

【作意】36銀、28玉、38金、19玉、17桂、29角、同飛、同玉、39飛、18玉、
   19飛、同玉、73角、29玉、28角成まで15手詰

 私が詰パラを読み始めた頃、毎月どこかの頁に吉田さんの作品が載っていました。
 また名文家としても知られ詰パラ誌上で随筆を書かれていました。
 作品集も次の三冊を出されています。
   『嬉遊曲』1979年 将棋天国社発行
   『小夜曲』1980年 将棋天国社発行
   『もぐらうち』2002年 創棋会発行
 『小夜曲』と『もぐらうち』には作品だけでなく随筆がたくさん収録されています。
 また『もぐらうち』は入玉百番の作品集でもあります。

 次回は中段玉の作品を紹介する予定です。

***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年12月18(日)13時~
[場所] 関西将棋会館
[課題] 「29の桂が跳ねる17手詰」(29手以内)
作品の投稿先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。

***【来年の予定】****************************************************
★新年会
1月21日(土)開催。
18時開始。
場所は海心丸(JR福島駅前)

(昼間の例会はありません。)
場所の詳細や会費など、あらためて案内させていただきます。

★2月以降は偶数月に例会を開催します。
偶数月の第三日曜日開催。
毎月、何か課題作を持ち寄って楽しく過ごせるようにしたいと考えています。
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以上