【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<8回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<8回目>

本日は出題10番目。ベテランの中出慶一さんの作品です。
中出さんは初入選が詰パラ1968年9月号。
同人作家として活躍中で入選回数は400回をはるかに超えています。
作品集「想春譜」を1994年に発行されています。

⑩中出慶一作
⑩_2 中出慶一作②

【作意】
Ⓐ73角、㋑62香合、同角成、同歩、71飛、㋺61香合、52香、41玉、61飛成、32玉、
44桂、同歩、31龍、同玉、43桂、㋩同香、32香、同玉、24桂、同歩、
41角、22玉、23金、31玉、32金まで25手詰

【変化・紛れ】
㋑41玉は、51飛、32玉、31飛成、同玉、42と、同玉、64角成、53合、54桂、32玉
 24桂、同歩、41角、22玉、23金、31玉、32金まで。
㋺61角合は、52香、41玉、61飛成、32玉、44桂、同歩、31龍、同玉、43桂、同香
 42角、32玉、24桂(41角~31角成もある)、同歩、41角、同玉、31金まで。
㋩32玉は、24桂、同歩、41角、同玉、31金まで。
Ⓐ84角(95角)は、2手目の変化(6四と を取る)が成立しない。73角は限定打。

【正解】
15手目→43桂
手数→25手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:1.81、A:4、B:5、C:7、誤解:0、無解:1、無評価:0

【作者のことば】
実戦型で、2回の香合、香の吊り上げによる金の打ち場所作りの歩頭・香頭の桂打による3桂捨てを実現してすいすい解ける中編です。収束の既成が弱いでしょうか。

★前題に続いて実戦型です。右半分は端正ですが、左側はそうでもありません。
 持駒は豊富ですが、3筋方面に逃げられても詰む形を考えながら攻める必要があります。
 初手は73角と打ちます。
 まず41玉と逃げる変化を詰まさなければいけません。
 41玉には、少々強引ですが、51飛から31飛成~42と と金香を取って64角成とする手があります。
 以下53に何を合しても、54桂、32玉、24桂、同歩、41角という筋で詰みます。64角成とするために73は限定でした。
 そうなると62合ですが、金銀は取って52に打てます。飛車も52飛~51飛打~31飛成があります。角桂は品切れなので香合が最善。
 同角成、同歩となったところで、71飛ともう一度合駒を訊きます。
 何を合駒しても52香から61飛成と只で取られる運命ですから、安い駒にしたいところ。
 2手目の変化読みで学習効果がありますから第一感は香合(角合は変化㋺を参照)。
 52香から61飛成として32玉となったところから手筋連発で気持ちの良い手順となります。
 まず44桂として歩を吊り上げます。31龍と金を取る前に、44同歩と取らせておくのが大切なところ。
 31同玉には43桂と香頭に捨てます。
 43同香と取らせて、32香と捨てて玉を32に呼びます。
 そこで24桂から41角が習いある手筋です。
 序盤は変化が多くて大変ですが、そこを抜ければ軽快な手順で楽しめる作です。


金少桂
 桂合がないのに気づけば序の面倒くさそうな合駒読みは自動で決まる。
 2枚の桂捨てのアクセントがよく利いている。
 収束は実戦形の定番だが、角が消えないのは惜しい。すらすら度60点。

★2手目の変化がクリアー出来れば、後はすらすらだったという方が多かったと思います。

河童生
 2手目の変化の長いこと。猛暑の夏には不向きな作品。

野曽原直之
 2手目41玉の変化に難渋。

★2手目41玉は19手もかかりますが、64角成の局面が詰み形というのは少し読みが必要で、42で清算するのもやや破調の手順なので、手こずった方が多かったと思います。

山本勝士
 かなり難解にてテーマにそぐわない

★指し難い手があるというのではありませんが、序盤は読まされますね。

濱田博
 いやー参った。最初の6手が見えない

★6手目角合の変化も23手かかりますから…。

鳥本敦史
 序盤の変化紛れが厄介。収束の連続捨てが気持ちいい。 A

奥鳥羽生
 いかに24桂~41角の形に持ち込むか。

久保紀貴
 こじ開ける44桂〜43桂が好手。
 最後41角に同玉で纏まっていればというところ。

★44桂・43桂・32香・24桂・41角の5連続捨ては気持ちの良い手順。

名無し名人
 この収束は定型だがスッキリしない印象。

三輪勝昭
 24桂~41角はよくあるコンビネーションだけど、同玉で決まらないのが難点。

★3手収束になってしまったのが痛かったですね。

則内誠一郎
 初めの数手以外は課題にぴったり。

nono_y
 基本手筋を強引に逆算して20手台に。
 △64と金を取る変化で▲73角に限定しているのも微妙だが、△81歩で▲71飛に限定しているのはさらに痛い。

★視界が開けるまでの導入部分と後半の手筋連発の局面が分断された感じですね。
 逆算の構成に作風が出た?

山下誠
 何となく実戦的初形。手順も3桂を使って実戦風に攻める。

中村雅哉
 持駒は多いが、割と攻撃手段は限られる。解いてみれば素朴な手筋物。

★紛れが多いわけではありません。
 また変化は長くてもパターンは限られているので、それほど煩わしさはなかったかと思います。

有吉弘敏
 いかにもベテランの手すさびといった感じですらすらいきました。
 今回のテーマには合っていて、しっくりきてます

★序盤はやや読みが必要ですが、後半の桂の連打は楽しい手順で、中出さんらしい作品だったと思います。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年10月16日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[課題] 「合のつく手筋、3通り以上」(移動合・打診合など。造語も可。)(29手以内)
作品の投稿先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
*********************************************************************
以上
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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<7回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<7回目>

結果発表の7回目です。

その前に、前回発表のh160seさんの結果発表に対してコメントをいただきましたので紹介させていただきます。

三輪勝昭
 nono_yさんの短評を見て人それぞれだなと思いました。
 その手順に出来るかどうか知らないが、34歩合から馬鋸で桂を取る作品になったとします。
 で、そのどちらを採択するか?
 僕は馬鋸の作品には絶対しません。
 まあ、僕が馬鋸嫌いと言うのがあるのですが、馬鋸にすると詰上り45角が馬になってしまう。
 僕はこれが決定的に差があると思う。
 僕に賛同する作家も多いと思いますが、これは性格なんだと思う。
 そして、性格が作風になって行く。
 だから詰将棋は面白い。

★詰棋観は人それぞれ。だから創作も解答も鑑賞も面白いと言えるのではないでしょうか。

さて本日は9題目。ベテラン山本さん、④番に続く登場です。

⑨山本勝士作
⑨_2 山本勝士_12玉

【作意】
11銀成、同玉、33馬、同銀、21と、同玉、32角、㋑31玉、22歩成、同玉、
23香、12玉、24桂、同銀、21角成、23玉、32馬、12玉、23銀、11玉、
22銀成まで21手詰
㋑ 11玉は、22銀、同銀、12香、同玉、24桂以下

【正解】
8手目→31玉
手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:1.54、A:0、B:7、C:6、誤解:0、無解:3、無評価:1

★実戦型。
 23から14の逃走ルートが見えているので、それを防ぐ手を考えなければいけない。
 22銀を動かすしか手はないが、21銀生は23玉でダメ。
 となると11銀成と香を取る手になるが、33角が利いていてちょっとやりにくい。
 23玉なら34馬、14玉に16香で詰むので、同角か同玉か。
 同角なら同馬、同玉に21と と寄れば、同玉、32角、11玉、22銀、12玉、21銀生、11玉、12香と俗に追って詰む。
 同玉と取るのが最善だが、今度21とでは、同玉、32銀打、12玉、22歩成、同玉、33馬、同玉、55角、44歩、45桂、22玉、44角、12玉と手は続くが捕まらない。
 平凡に33馬と角を取るのが正解。
 玉方も同桂は22銀~21角があるので同銀と頑張る。
 21と と桂を取れば、12玉には22歩成から34角とする手があるので、同玉と応じる。
 32角と打ったところで、玉は31に逃げるか、11に逃げるか。
 どちらに逃げても同じようですが、11玉だと22銀と捨ててから12香と打つ手があり、24桂から21角成と角捨ての好手があって早く詰む。
 31玉には軽く22歩成と捨てて23香と打換えます。
 今度は12玉と寄るしかないのですが、24桂の打ち捨てが退路封鎖の手筋。
 同銀と取らせれば、32角を馬に変えてから23銀打で幕です。

金少桂
 変化読みが極めてメンドクサイ実戦的な作。
序の駒取がやや露骨すぎる。すらすら度35点。

河童生
 これはスラスラ。いいえ、ゴジャゴジャで詰みました。

★一手一手に変化があって手が止まります。すらすら度が落ちました。

奥鳥羽生
 11玉の変化は(の方がw)好手順。

★確かに作意よりも詰将棋らしい手順ですね。

三輪勝昭
 32角に11玉は22銀、同銀、12香、同玉、24桂、11玉、21角成があるのか。
 良い変化だけど、変別限定なんで……。
 その32角~24桂のところだけ詰将棋らしいが、序盤と収束は頂けない。

★変別限定というのは「作意と同じ手順でも詰むが、変化別詰があるから誤解、作意は限定されている」という意味でしょうか。
 変化は割り切れているので問題はないわけですが、親切設計ではないということですね。

有吉弘敏
 詰将棋らしい手が少ない・・ですね。

★気持ちの良い大駒捨でもあれば、また印象は変わるのですが…。

山下誠
 序の駒取りが露骨すぎて、印象が悪い。

久保紀貴
 駒取りだらけで好手がない。

中出慶一
 序盤の3連続駒取り手順を解消した作りを期待します

★ダイレクトな駒取りが続いたのが不評でした。
 駒を取る手は演出次第では俗手の妙手になったりするのですが、本局は駒取の前後に工夫が欲しかったですね。

名無し名人
 いきなり駒取り三連続とは。ここまでして実戦型にするのがベテランの味?

★ベテランの味を発揮した好作を見せていただけるのを期待しましょう。

nono_y
 3連続駒取りで始まる、実戦形らしい詰む将棋。
 誤解であってほしいが…

鳥本敦史
 一本道。 

★お二人には一目だったのでしょうか。
 それほど易しくはなかったと思いますが。

濱田博
 かなり難しかったです。

某氏(無解): 
 多分11銀成の筋だが、紛れが多く例会では時間切れ。5分くらいでサクっと解けないと課題不適合です。

★直感で追える展開ではないので、「5分でサクッと」はちょっときびしかったかもしれません。

則内誠一郎
 将棋の力をつける20手台なら合格。

★「実戦型」ですが、読みの力が要求される「実戦的」な作品でした。
 味のある変化もあって上手くまとめられていますが、駒取りを忘れさせてくれるような好手が盛り込まれていれば、もっと評価は上がったと思います。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
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***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年10月16日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<6回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<6回目>

結果発表6回目です。
出題8番目は h160se さんの作品。
h160se は看寿賞受賞実績もある某若手作家のペンネームです。

⑧h160se作
⑧_2 h160se作

【作意】
12歩、㋑同玉、45角、㋺11玉、12歩、21玉、54角、㋩12玉、45角、㋥11玉、
23桂打、㋭12玉、31桂成、11玉、21成桂、同玉、22歩、11玉、31龍、同馬、
12歩、22玉、23桂成、21玉、11歩成、同玉、12成桂まで27手詰

㋑21玉は、22歩、12玉、*13歩、11玉(同とは21角~13龍)、23桂、同馬、31龍。
  *13歩では34角、11玉、31龍とする手や21角、11玉、23桂とする手もある。
㋺21玉は、22歩、11玉、31龍以下
 34桂は作意に短絡し23手駒余り
㋩32桂香合は、22歩、12玉、23龍以下
 銀合は、同角成、同馬、11歩成、同玉、12銀、同玉、32龍以下
㋥21玉は、22歩、11玉、31龍以下
㋭21玉は、22歩、12玉、31桂成以下

【正解】
11手目→23桂打
手数→27手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.53、A:9、B:5、C:1、誤解:1、無解:1、無評価:1

【作者のことば】
とにかく易しい作品。
流れるだけなので特にこれといった自慢の一手はないですが…
強いて言うなら23桂打~31桂成~21成桂のさばきが気持ちいい、くらいでしょうか。

★作者がいうほど簡単な作品ではありませんでした。
 初手は12歩しかなさそうです。
 21玉は22歩と打てば変化㋑のようにいくつかの詰み筋がありますが、ちょっと面倒な感じがして、「12同玉と取る一手」と読み飛ばしたくなるところです。
 12同玉には54桂の質駒に狙いをつけて45角と打ちます。
 ここでも21玉と逃げる手が気になるのですが、先ほどの学習効果で22歩と打てば簡単。
 そこで11玉と引いて12歩と打たせ、21玉と逃げたところが打歩詰の形です。
 当然54角と桂を取ります。
 32合がちょっと手強い受けですが、変化㋩のとおり詰みます。
 12玉とかわされて、45角と戻れば、3手目の局面に戻ったような感じですが、持駒に桂が手に入りました。
 21玉は22歩打があるので(この変化、何度も出てきます)、11玉と引きます。
 12歩と打つと21玉で打歩詰。そうなってから45角と出ても12玉とされれば歩を一枚損しただけに終わります。
 21玉には23桂打と重ね打ちするのが面白い手。45角の利きも止めてしまうので、ちょっと打ちにくい味があります。
 21玉は22歩打があるので(また出ました)開き王手が見えていますが、12玉とします。
 予定通り31桂成として11玉となったところが打歩詰。
 ここで31に成ったばかりですが、21桂成と寄るのがうまい手です。
 作者もお気に入りの捌きです。
 21同玉と取らせてやっと22歩が実現します。
 11玉の局面が打歩詰ですが、そこで決め手の31龍が出ます。
 同馬と取るしかなく、12歩から最後は15桂も捌けて清涼詰。


名無し名人
 綺麗に捌けて良い。中でも打歩詰回避の31龍が光る。

山本勝士
 31龍の絶妙手、すこぶる快い。

則内誠一郎
 お見事。普通は19手目を出題する。

★31龍に好評集中!
 「キーとなる一手」は作者のことばを尊重(?)して、「23桂打」にしたのですが、19手目(31龍)にするべきでしたね。

有吉弘敏
 非常に難解でした。
 途中で変化で31龍の強手を見つけて、まさか作意かと思ったらそうでした。
 簡潔な構図にも感嘆。佳作。

★31龍が変化にも出てくるのは、作意の印象を弱めたかもしれません。
 それでも多くの方が31龍を絶賛されたのは、この簡潔な初形から強力な攻駒が消える詰め上がりを予想しなかったからだと思います。
 31龍は切れ味抜群の強手でした。

中村雅哉
 玉方の応手に一手一手悩まされ、全然すらすら進まないんですが。

金少桂
 玉方は22歩を極力打たせないように逃げる、そこで攻方が工夫して22歩を据えるのがテーマだったのだと最後にようやくわかった。
 これはテーマが何かわかりづらく変化の迷路をかなり彷徨う羽目になった。すらすら度25点。

★12歩や45角などに対して、21玉か11玉かを考えなければいけない。
 いずれも21玉には22歩と打てば詰み形になるのだが、よく似た形で堂々巡りするようなところもあって、そこがすらすら感を損なっているという面はあります。
 それだけに31龍以下の収束には渋滞を抜けた後のような爽快感があったのではないでしょうか?

三輪勝昭
 4手目21玉に桂を取って銀合で大苦戦。
 素晴らしく良く出来た作品です。

★4手目21玉は22歩で詰むのですが、54角とすると詰まないのが不思議なところ。
 作意は12歩を利かせてから54角と取るので32銀合でも変化㋩のように詰みます。
 この辺は巧く出来ていると思います。

久保紀貴
 中合が出そうで出ない。23桂打はそれほどの不利感はないが、一風変わった味がする。

★4手目の中合で手数伸ばしが利きそうですが、それは変化㋺のとおりで駒余りの早詰。
 23桂打は重複感があってちょっと打ちにくいですね。

河童生
 最後まで読んで45角打。35歩の配置が上手ね。

nono_y
 地味な貧乏図式と見せての竜捨ては印象的だが、それだけに△34歩中合防止のためだけの△35歩配置が惜しい。
 むしろ中合させて桂は馬鋸で取りに行く構成にできればAだった(この収束のままでは20手台に収まらないが)。

★作者の腕ならそういうことも可能だったかもしれませんが、作品展の主旨に合うようにシンプルな構成を選択されたものと思います。

山下誠
 桂馬の使い方に味があって、最後まで飽きさせない。

★23に打った桂を、31桂成から21成桂と捌くのはとても味の良い手順ですね。

鳥本敦史
 香歩問題でありそうな筋。 

★9筋で角角合が出て54の質駒を取って詰める類型ですね。

野曽原直之
 変化調べに少し苦労したものの、打った桂や龍が捌ける理想的な収束。

中出慶一
 質桂奪取、趣向的手順、収束での龍捨て、清涼詰、等課題にふさわしい内容です。

★龍捨てから清涼詰。気持ちの良い収束でした。
 「終わりよければ好評価」ということですね。

奥鳥羽生
 一見して龍が消えるとは思わなかった!
 詰方桂・玉方馬を合わせた構図で実現。経験少の私には新鮮。34桂合も回避。

★簡素な形から、謎解きの面白さあり、豪快な一手ありということで、大変好評でした。


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[日時]2016年10月16日(日)13時~
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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<5回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<5回目>

本日は7番目に出題された野曽原直之さんの作品です。
野曽原さんは、昨年の短編コンクールが詰パラ初入選。
それも50人中9位の好成績でデビューされました。
創棋会作品展でも好作を発表されています。

⑦野曽原直之作
⑦_2 野曽原直之作

【作意】
34金、㋑12玉、23金、㋺同玉、Ⓐ34銀、㋩12玉、Ⓑ23銀成、同玉、35桂、㋥22玉
Ⓒ24飛、㋭33玉、34銀、42玉、22飛成、㋬同と、Ⓓ43銀成、31玉、23桂生、同と
32金迄21手詰

<変化>
㋑22玉も同様。
㋺11玉は14飛、12合、同飛成、同と、21金、同玉、32歩成、11玉、22銀、同と、同と迄。
㋩22玉も同様。
㋥12玉は13銀、同玉、23金迄。
33玉は23金、42玉、43銀、51玉、53飛成、61玉、52龍、71玉、82銀迄。
㋭31玉は21飛成、同玉、32銀、11玉、21金、12玉、23桂成迄。
㋬32飛合は43桂成、51玉、52金、同飛、同龍迄同手数駒余り。

<紛れ>
Ⓐ24銀は14玉、15銀、25玉で逃れ。
Ⓑ23銀生も可。非限定。
Ⓒ23銀は11玉、14飛、12歩合、同銀成、同と、同飛成、同玉、23金、11玉。
Ⓓ43銀生も可。非限定。

【正解】
正解:15手目→22飛成
手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均:2.00、A:1、B:11、C:1、誤解:2、無解:1、無評価:1

【作者のことば】
狙いの一手:15手目22飛成。
二度の邪魔駒消去から桂二段跳ねによる金頭桂という手順。

★投稿図には上記の通り詳細に変化紛れが記載されていて、助かりました。
 手順は、44金と35銀の2枚が邪魔駒で、まずこれを消去します。
 44金消去は飛車の横利きをつくるためなのでわかりやすいのですが、35銀を消す目的が35桂と跳ねるためというのは、すぐには気づきにくいところです。
 5手目は飛車を動かしたくなるところだし、35銀は上部を押さえる強力な存在のように見えますから。
 銀を消去して35桂と跳ねたところで作意は22玉。
 わざわざ24飛と回らせる不思議な受けですが、33玉には23金~43銀~53飛成があります。また12玉なら13銀という気持ちの良い決め手があります(4手目と変化のつくりが異なるのはいいところです)。
 22玉に24飛と回り33玉となったとき34銀とするのが、飛車がブラになるのでハッとするところ。
 もちろん飛車は取れないので42玉と逃げたとき、42飛成と狙いの決め手が出ます。
 同と と取らせて収束は23桂と金頭桂の手筋で仕上げます。

金少桂
 一目で金銀が邪魔駒。捨てるのだが、5手目24銀でなく34銀経由なところに渋みがある。
 収束が豪快に決まってすっきりするが、すらすら度はダウン。すらすら度40点。

★44金を消すのは一目ですが、35銀が邪魔というのはすぐには気づかないところ。
 その消し方も24銀から入ると14玉で詰まないので、34銀からというのが巧いつくりです。

中村雅哉
 22飛成の切れ味抜群だが、この課題にはそぐわない。

★前半は小さな変化が多く、ややすらすら度が足りなかったようです。

河童生
 邪魔駒は除け。遠い昔、「Odd man out」という映画がありました。

★「Odd man out」は、ネットで調べたら「第三の男」で有名なキャロル・リード監督の映画。
 日本では『邪魔者は殺せ(じゃまものはけせ)』というタイトルで1951年に公開されています。

鳥本敦史
 飛捨てが爽快。 

名無し名人
 自陣と金は気になるが22飛成は気持ち良い。

★22飛成には好評が集中しました。

中出慶一
 盤上の金・銀の奇妙な捌きと2二での飛捨てが、この作品の見どころ。
 願わくば、2一とでなく、2一金で実現できていればなお良かった。

nono_y
 連続邪魔駒消去に始まり、追い詰め模様から大鉈一閃。
 △21金配置ならA。

★21を純金にすると、5手目に24飛と回り、33玉、34銀、42玉、43銀打、31玉、32金から清算して、33金と打つ手があるので、やむを得ない配置です。

山本勝士
 型の大きさと21と配置が珠にキズ

★48馬が残ることに言及された方はいませんでしたが、21とよりもこちらが残念な配置かもしれません。

則内誠一郎
 解答を通じて逆算の苦労が伝わる。

★後半の11手詰か13手詰あたりから逆算されたのでしょうか?
 48馬や21とは逆算の苦労の表れでしょうね。

山下誠
 2三に利かすべき駒は桂馬だった。飛車捨てが入って、手順が引き締まった。

★上部を押さえるのは銀ではなく桂だったというわけです。

三輪勝昭
 序盤は面白くない。
 10手目22玉と24飛を呼ぶのはちょっと面白い。
 終盤分かっていても気持ち良い。

★最後は金頭桂ですが、27桂を二段跳ねするのは味のいい手順です。

久保紀貴
 序は変化読み飛ばしの術で。
 銀の出る位置が限定されていたりと芸が細かい。
 そして22飛成にハッとする。

★残念ながら変化・紛れに落ちた方が2名。
 11手目24飛に31玉は21飛成、同玉、32銀、11玉、21金、12玉、23桂成迄19手で詰むのだが、手順中32銀で22歩以下25手の変別を解答された方。
 もうお一人は15手目43金として29手とされた方。推測するに、43金、31玉、21飛成~32銀~12歩~23桂成~21銀成の筋を読まれたのだと思いますが、12歩は二歩で打てません。

奥鳥羽生
 主役の強烈な22飛成、脇役の2回の34銀も良い味。

★21と金が減点材料だったのか、あるいはすらすら度にやや難があったのか、評点は少し伸び悩みましたが、邪魔駒消去、桂の二段跳ね、豪快な飛車捨てと内容は豊富で、手順もよく練られた好作だと思います。


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***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年10月16日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[課題] 「合のつく手筋、3通り以上」(移動合・打診合など。造語も可。)(29手以内)
作品の投稿先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
*********************************************************************
以上

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<4回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<4回目>

結果発表の4回目は柴田昭彦さん。
大ベテランの登場です。
詰将棋の初入選が1953年3月の「詰棋界」ですから、作家として60年以上も活躍中!
1980年には作品集「詰将棋三十年」を発行されています。

⑥柴田昭彦作
⑥_2 柴田昭彦作

【作意】
14飛、㋑13桂合、同飛成、同玉、24角、12玉、13飛、21玉、33桂、同歩
12角、31玉、33飛成、㋺32飛合、同龍、同玉、42飛、31玉、41飛成、同玉
51角成、31玉、32歩、同玉、33香まで25手詰
㋑ 香合は、同飛成、同玉、24角、12玉、14香以下
  銀(金)合は、同飛成、同玉、24角、12玉、13飛、21玉、12角、31玉、42銀(金)まで
㋺ 金合は、同龍、同玉、42金まで

【正解】
14手目→32飛合
手数→25手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:1.94、A:3、B:9、C:4、誤解:0、無解:1、無評価:0

★柴田さんもペーパーでの投稿。
 前題に続いて持駒趣向で、作者得意の清貧図式です。
 金気がないので手がかりのつけ方が難しそうですが、玉を13に引っ張り出して24角と据えるしかありません。
 初手は合駒を稼ぐ14飛(15飛も可で、非限定)。
 2手目の合駒選び、金銀桂香の4択だが、金銀香は比較的簡単に詰むので、桂合に決定。
 24角から13飛と下段に追って、21玉にすぐ12角では31玉で手が続かない。
 いったん33桂と捨て、同歩と取らせておけば、31玉には33飛成が可能になる。
 ここでもう一度合駒を考えさせられるが、42龍の一手詰を防ぐのは飛車か金しかない。
 金は同龍~42金で簡単なので、32飛合と抵抗。
 今度は同龍~42飛~41飛成と取った飛を捨てて51角成と香を取れば、32歩から33香までのきれいな収束です。

nono_y
 持駒趣向の清貧図式で限定合も清貧。初手非限定は惜しいが、文句なくA

★最初から最後まで清貧でまとめられているんですね。

河童生
 2手目が決まれば、あとはスラスラ? そうは問屋は卸さない。

鳥本敦史
 合駒読みが面倒。 

★煩雑な変化ではないのですが、少し読む必要があります。

中村雅哉
 持駒に身構えるが、自然に追えば確かにそう難しくない。

久保紀貴
 使用駒趣向。手順の方は今ひとつ。

★攻め方の手は自然な手が多く、妙手感のある手は少なかったかもしれません。
 それが物足りなさにつながったのでしょうね。

山本勝士
 これはすらすらではない。ベテランの味。

名無し名人
 合駒メインの手順やまとめ方がいかにも柴田氏という感じ。

★作風が出た一局と言えそうです。

金少桂
 初形が洒落ている。手順は持駒大駒4枚の力技だけあって大味。すらすら度55点。

★金銀を使わないと粘りのある手順を創りにくい。大味とはピッタリの表現。

則内誠一郎
 美人だけど好みの分かれるタイプ。

★則内さんの好みには合ったのでしょうか?

濱田博
 初手の非限定はどうかな?B

★合駒を取ってすぐに消えるので、それほど気にはなりませんでしたが。

山下誠
 全体を通して、手順がやや安易。

三輪勝昭
 余り面白い手順ではないが、まあまあの作。

有吉弘敏
 収束が今一つ。

★33香までの詰め上がりはいい感じだと思うのですが。

野曽原直之
 収束の飛合や飛捨てが意外。

奥鳥羽生
 詰上り、何とか飛2枚は残らなかった。

中出慶一
 大駒4枚持駒で、2枚飛を消去する意欲作?
 合駒選択に苦慮するので、課題「すらすら解ける20手台」に忠実とは行きません。

★欲を言えば12角にはもう一働きさせたかったのですが、合駒もふくめて飛車をすべて消したのは作者の腕ですね。


☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<3回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<3回目>

3回目の結果発表です。
今回も2作品を紹介させていただきます。

その前に、前回発表の修正連絡です。
金少桂さんの作品について、短評の修正です。下記内容に変更となります。
確認不足で失礼しました。

奥鳥羽生
 4手目以外は玉の上下運動(途中の25も上)というリズム感。


それでは結果発表です。
最初の作品は、出題4作目。ベテラン山本勝士さんの作品です。
山本さんの初入選は「四百人一局集」によると1962年10月将棋世界とのこと。
作品の投稿はペーパーで頂戴しました。

④山本勝士作
④_2 山本勝士_23玉

【作意】
12角成、同玉、13角成、同玉、25桂、㋑22玉、33と、㋺11玉、23桂、21玉
13桂不成、12玉、11桂成、同玉、21桂成、同玉、Ⓐ23香、12玉、22香成、13玉、23とまで21手詰

㋑ 12玉は14香、21玉、33桂打、22玉、13桂成、31玉、41桂成以下
㋺ 31玉は43桂、21玉、23香以下
Ⓐ 24香でも詰む。(キズ)。

【正解】
正解:6手目→22玉
手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:1.93、A:2、B:9、C:3、誤解:1、無解:1、無評価:1

★本作も前2作と同様、手を出してみようと思わせる簡素な初形です。
 34から上部脱出されそうなので、12角成は絶対の一手。
 12同玉の局面で、24桂や14香としても23から上に逃げられるので、13角成と捨てて25桂と打ち直し、上部脱出を防ぐしかありません。
 25桂に対して23玉は33とから13桂成という気持ちの良い手があります。
 と金から遠ざかろうと、12に逃げたくなりますが、変化㋑のように14香と打たれる手があって早く詰みます。
 危ないようでも22玉が最善。当然33と と追撃します。
 21玉は23香、31玉も43桂から23香があるので、11玉とかわします。
 そこから23桂打~13桂不成と追い、続いて11桂成~21桂成と連続捨てがうまい手作りでした。
 25桂が二段活用されるのはいい感じです。
 持駒に金気がないので、ちょっと詰めにくい味があったかもしれませんが、角二枚を捨てる導入から、桂を上手く捌いての収束に持ち込むあたり、ベテランの巧さを見せてくれました。

河童生
 6手目は22王。勿論、12王の変化も読みましたよ。

濱田博
 6手目より8手目の方が間違いやすそう。

★「キーとなる一手」を6手目にしたのは管理人の独断。
 このあたり、変化読みが少し煩わしかったかもしれません。

有吉弘敏
 既成手筋ですね。

鳥本敦史
 変化手順?と思わせるような手順。 

名無し名人
 前半は派手だが後半緩んだ感じ。

nono_y
 連続角捨ての序に気付けばあとは手なりですらすら進むが、あまりに型通り

★前半の派手さだけでなく、後半の捌きのすらすら感も味わっていただければ…。

久保紀貴
 序は落ち着いて考えてみるとこれ以外上部脱出を防げない。
 あとは細かい変化さえ読めれば、類型的な収束。

★細かい変化読みが「すらすら感」を若干損なったのかもしれませんね。

三輪勝昭
 6手目の変化12玉の14香、21玉、33桂打~41桂と銀を取る変化で考えた。
 最後、24香だと23の中合は無駄合?僕は有効合だと思う。収束スッキリしない。
 13桂成、同玉、14香の収束を期待したのだが。

★14香までの収束は6手目23玉の変化で出てきますが、味がいいですね。

中村雅哉
 17手目24香と打てば12玉に複数の詰め方があり、厳密には余詰と思う。

★24香、12玉には、23香成・23と・22香成・22と などいくつか詰め方があります。
 管理人はキズと判断しましたが、中村さんのご意見もごもっともです。
 三輪さんのご意見のように、「収束スッキリしない」と言われれば、その通り…。

則内誠一郎
 課題に忠実なので収束を大目に見る。

★という意見もありますので、大目に見させていただくこととします。

奥鳥羽生
 大駒を早々に使い切る。

中出慶一
 いきなり連続角捨てはびっくりで、これが本作の好手。
 5手目の桂打ちで、玉の行動範囲を3×3の枠内に制限して仕留める構図ですね。 

★これしかないのですが、12角成~13角成の連続捨ては気持ちの良い手段。

野曽原直之
 桂の連続成捨てが気持ち良い。

★打った桂が2枚とも消えるのは爽快ですね。

金少桂
 6,8手目の変化読みに一苦労。
 強引な角2枚成捨てと、桂2枚の軽快な捌き捨ての対比が印象的。すらすら度60点。

★評点は惜しくも2点超えならずでしたが、二枚角の連続捨てと二枚桂の捌きが印象的な作品でした。


続いて、結果発表の5作目は、北海道の北村憲一さんです。
北村さんは同人作家ですが、詰パラでは「持駒のある風景」で健筆をふるっておられます。
それ以外にも全詰連の副会長を務められるなど、創作だけでなく幅広くご活躍。
北村さんもペーパーで投稿いただきました。

⑤北村憲一作
⑤_2 北村憲一作

【作意】
14銀、同玉、15銀、23玉、14銀打、同香、同銀、同玉、15香、23玉
14銀、12玉、13銀成、同馬、同香成、同玉、11飛成、12飛合、31角、23玉
12龍、同玉、13飛、21玉、23飛成、11玉、22角成まで27手詰

【正解】
正解:18手目→12飛合
手数→27手詰

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:1.44、A:0、B:7、C:9、誤解:0、無解:1、無評価:0

★食欲をそそる初形です。
 上部は歩が押さえ、下段には飛車が控え、持駒も銀4枚。
 どうやっても詰みそうな感じです。
 14銀から捨てていくしかないのですが、11香と22馬がよく利いていて、そう簡単には詰みません。
 しかし豊富な持駒に物を言わせて、14から強引に銀を打ち込んで、香を入手。
 次には15から香を打ち、14銀から13銀成として、今度は角を入手。
 そこでようやく巨砲を動かして11飛成とすれば、12飛合が常道の受け。
 以下、31角から12龍と合駒の飛を奪っての収束となりました。

金少桂
 実戦的な駒交換のごり押しだけど、どことなく趣向風味を感じる。すらすら度70点。

中出慶一
 前半の1四へ銀を3回打ち込むのが趣向気味を感じさせて良い味です。
 大駒2枚での収束が今一歩で残念ですね。

★打って打ってまた打って、テンポよく手が進むところに趣向的な味わいがあります。

nono_y
 この収束の間延びは印象が良くない。持駒銀4趣向なので滑り込みBだが。

★持駒趣向はセールスポイントの一つです。

河童生
 持駒趣向で、その4銀がすべて消える。最後の飛合はオマケの好防。

★大駒合が出て詰将棋らしくなりました。

奥鳥羽生
 銀4枚を使い切り飛の王手を作る。

★銀4枚、残さず使い切ってしまうのは良いところ。

有吉弘敏:
 捨駒が少なく、駒取りも避けたい。

★捨駒の好手があれば印象も随分変わったでしょうね。

野曽原直之
 銀を使って香、馬を取って詰ます。

鳥本敦史
 露骨に攻めてほぼ一本道。 

★駒を取る手がやや多かった…。

三輪勝昭
 手順に全く面白いとこがない上に、収束が決まらない。

中村雅哉
 確かに易しい。やや収束が重い感じ。

★収束に捨駒が入ると解後感がグッと上がるのですが。

則内誠一郎
 持駒に好感を持つけれど手順が弱い。

山下誠
 持駒趣向だが、銀の使い方が単調で興趣が湧かない。

★打って捌くとか、不成で動かすとか、頭からだけでなく下からも攻めるとか、もう少し銀の使い方にバリエーションがあればよかったでしょうね。

濱田博
 配置に工夫がほしい。

★本図に至るまで、持駒を変えたり、32歩を置いたりと、着手限定には気を配られたとのこと。

久保紀貴
 確かにスラスラなんだけど、詰将棋というより実戦の感覚。

山本勝士
 実戦的並べ詰めで追ってるだけ。

★詰将棋において「実戦型」と「実戦的」というフレーズには大きな違いがあります。

名無し名人
 作者お得意のゆる詰。もはや伝統芸能の域。

★残念ながら評点は伸びませんでしたが、作者らしさは出ていたと思います。


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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<2回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<2回目>

結果発表の二回目です。
毎日更新の予定が早くも頓挫(汗)。これでは先が思いやられます。
ということで、今回は2題まとめての結果発表です。

その前に、前回発表への追加事項です。
解答者に山本勝士さんを追加。合計17名となりました。
山本さんからは郵便で解答いただいていたのですが、集計をうっかり。
大変失礼しました。

①中村さんの評点は、次のとおり修正させていただきます。
 平均点:2.73、A:11、B:4、C:0、誤解:1、無解:0、無評価:1
 短評も以下のとおり追加です。
山本勝士
 表曲詰Bに阿波踊をさせている感じで楽しい。

それでは本日の結果発表です。
スマホ詰パラで作品を発表されている nono_y さんの作品です。
8/24一斉出題の際、投稿者のお名前を紹介するところで、誤って「nono_Y」と記載しておりました。
謹んでお詫び申し上げます。
この場を借りて訂正させていただきます。

②nono_y作
②_2 nono_y作b

【作意】
33銀、12玉、13歩、同玉、24金、12玉、22銀成、同玉、33香成、31玉
23桂、21玉、11桂成、31玉、21成桂、同玉、12角成、同玉、23金、11玉、22成香まで21手詰

【正解】
17手目:12角成
手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.00、A:3、B:10、C:3、誤解:0、無解:1、無評価:0

【作者のことば】
七色図式の清涼詰というだけです。狙いの一手はありません(苦笑)。
1人1作なら外して頂いて全く構いません。21手の客寄せ作ですね…

★『狙いの一手はありません』ということでしたので「キーとなる一手」は決め手の
 12角成とさせていただきました。

★盤面は4枚。4×4に収まった簡素図式。よく見ると七色図式です。
 34香を動かして角道を通す手が見えています。
 持駒も「金銀桂歩」と揃っています。
 一目手を出してみようと思える形です。
 初手は重いようでも33銀と打つ一手。他の手では上部脱出が防げません。
 12玉と寄って13歩と使わせるのが細かいところ。
 13同玉に24金と押さえ、ようやく22銀成から33香成と角道を通すことができました。
 11や21に逃げると決め手の12角成があるので31玉とします。
 23桂から11桂成と捨て、いったんかわす31玉に21成桂と押し売りすれば、同玉と応じるしかなく、12角成と気持ちの良い捨駒で、23金からの清涼詰。

nono_y
 七色図式清涼詰で手数も滑り込み20手台。滑り込みB評価は甘い?(自作)

★解答者の6割がB評価で平均も2点ですから、甘い評価ではないと思いますよ。

金少桂: 
 先は見えずともとりあえず動かしてみれば自然と詰み上がる印象。すらすら度90点。

★金少桂さんのすらすら度の採点は、
  80点=文句なしにすらすら
  70点=かなりすらすら
  60点=割とすらすら
  50点=まあまあすらすら
  40点=すらすらかどうか微妙
  20点=全然すらすらじゃない
 ということですが、本作には90点という最高得点をつけられました。

則内誠一郎: 
 七色図式や簡素図式にも応募できる。

山下誠: 
 七色図式の初形から、重く打った駒を捌き捨ててきれいな清涼詰。

★七色図式はアピールポイントになりました。

山本勝士 
 駒数少ないのが食欲をそそる。

河童生: 
 初形に好感。すらすら解けて、清涼詰。涼風を感じる作品。

★清涼詰は無駄がなくて気持ちの良い詰め上がりですね。

中出慶一: 
 簡潔図が魅力的。手順は既成で、既視感あるのが残念です。

三輪勝昭: 
 捌きの手順としてよくあるパターン。

有吉弘敏: 
 既成手順すぎる気が・・。

久保紀貴: 
 看板に偽りなしで、スラスラ解ける。ただ、収束ユニットそのままという印象が強い。

★“既視感”、“よくあるパターン”、“既成手順”という感想が続きました。
 『収束ユニットそのまま』と言われれば、その通りかもしれませんが…。
 作者も『客寄せ』と自認されていますので、「すらすら」を感じていただければと思います。
 
鳥本敦史: 
 これは手なり。

中村雅哉: 
 とっつき易く手順も容易。課題に忠実な仕上がり。

★第一感の手、それも自然な手を重ねれば詰むというのが、「すらすら解ける」につながりました。

名無し名人: 
 どことなく漂うスマホ詰パラ感。

★作者はスマホ詰パラにも多くの作品を発表されているとのことです。

濱田博: 
 スラスラでしたが、2手伸ばしに注意

奥鳥羽生: 
 11桂成に手拍子に同玉はだめ。標題の20手台があるので大丈夫。w

★手数非表示で出題したらうっかりする人が出たかもしれません。

野曽原直之: 
 すらすら度ではナンバーワン。桂の動きや角捨てが好感触。使用駒七色にもなっている。

★本作、今回の出題作品のなかでは、「すらすら度」№1だったと思います。


続いて、三作目は金少桂さん。
おもちゃ箱などネット上で好作を連発されています。

③金少桂作
③_2 金少桂作

【作意】
24飛、15玉、26銀、同角、14飛、同玉、24金、15玉、14金、同玉
25銀、15玉、24銀、14玉、23角成、25玉、34馬、14玉、23銀生、15玉
14銀成、同玉、24馬迄23手詰

【正解】
正解:19手目→23銀生
手数→23手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.20、A:5、B:8、C:2、誤解:0、無解:1、無評価:1

【作者のことば】
特にこの一手がという手はないですが、便宜上19手目23銀生。
初形→①6手かけて44角を26に
 →②4手かけて23金消去
 →③4手かけて24銀設置
 →④4手かけて34角を馬に
 →⑤4手かけて24銀消去→24馬で詰み
という流れで、元と1ヶ所だけ違う局面を順次作っていって詰みに至るという作。
特に、③で4手かけてわざわざ設置した銀を⑤で消すあたりに面白みを感じてもらえればと思います。
変化は皆無、紛れもほとんどありません。客寄せ問題に丁度良いのではないかと思います。

★作品のストーリーは作者のことばで語りつくされています。
 手順は紛れるところがなくすらすら進みますが、
 24に打った飛車を26銀捨で一仕事してから14に捨てるところ、
 23金を24、14とノコギリ状に動いて捨てるところ、
 25に打った銀を25→24→23→14と回り道しながら捨てるところ、
 それぞれ駒が良く活用され、いい感じです。

山下誠
 前題と違って、こちらは置駒の軽い捌きに趣がある。

★24飛や25銀などが打った後に捌けるのも、好感が持てます。

野曽原直之
 14のマスに駒を3回捨てる、すらすら解ける趣向的な手順に好感。

★リズムを感じる駒捌きですね。

三輪勝昭
 箱庭で駒取りなしの中編は楽しい。変化が全くなしはスラスラ解けて気持ちいい。

中村雅哉
 課題に忠実な易しさの中に、パズル的駒繰りが楽しめる。

★狭いところで微妙に局面が変化していくところ、派手な手はないのですが、面白いですね。

奥鳥羽生: 
 大駒を早々に使い切る。

河童生
 打った駒は総て消えます。駒捌き良し、解後感も良し、ですね。

★「打った駒を捨てる」というのが、好印象につながります。

中出慶一
 角と桂を結び付ける手順運びを楽しむ。後半の手順は見事で、これぞ課題に最適と思います。

★初形から詰め上がりは想定しにくかったのですが、後半の駒繰りは気持ちいいです。

濱田博
 23金は邪魔駒なんですね

鳥本敦史
 金の捨て忘れに注意。

★23金が邪魔駒というのは、詰めてから気のついた方が多かったと思います。

久保紀貴
 これもスラスラだが、金消去で待った一回。22銀、13歩が苦しい配置。

名無し名人
 13歩・22銀配置が重い。

★変化や紛れに働けばそうでもなかったのでしょうが。

nono_y
 狭い場所できれいな捌き。
 序に▲26銀で退路封鎖が手順の肝で、あとは捨駒できる駒を捨てていけばすらすら詰む。
 それだけに、▲22銀配置が惜しい。

山本勝士
 手筋の面白さを初心者に教える模範作。

★気持ちの良い手順ですし、駒の活用や捨て方などはいい教材かもしれませんね。

有吉弘敏
 纏まりはあります。

則内誠一郎
 すらすらと指が勝手に動く癒し系。

★駒捌きを楽しんでいただけたことと思います。評点も2点を超え、好評でした。


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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<1回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」<1回目>

創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、16名の方から解答をいただきました。
解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
 有吉弘敏、奥鳥羽生、河童生、金少桂、久保紀貴、小池正浩、則内誠一郎、鳥本敦史
 中出慶一、中村雅哉、名無し名人、野曽原直之、nono_y、濱田博、三輪勝昭、山下誠
20問と言う大量出題にもかかわらず、酷暑の中、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、おおむね楽しんでいただけたのではないかと思います。

それでは今日から出題順に結果発表を行ってまいります。

①中村 雅哉作
①_2 中村雅哉作

【作意】
35飛、44玉、34飛、45玉、46歩、同馬、37桂、同馬、35飛、44玉
56桂、同香、34飛、45玉、54銀、同金、35飛、44玉、45歩、同金、34飛まで21手詰

【正解】
5手目→46歩
手数→21手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.71、A:10、B:4、C:0、誤解:1、無解:0、無評価:1

作者のことば
●初形がBalloon(風船)の「B」。ただそれがやりたかっただけです。
 9月号課題用に作った作品ですが易しすぎるため、ネット作品展で再投稿します。
 変化ゼロ!紛れも皆無に等しく、「すらすら解ける」の看板に偽りなしの自信があります(笑)。
●狙いの1手は実はないのですが(笑)、強いて挙げるなら二歩禁を避ける 「5手目46歩」です。

★作者のことばに尽きます。
 初手35飛と据えれば、楽しい飛の上下運動が始まります。
 飛車の上下運動の合間に軽い捨駒が入って少しずつ局面が変化していきます。
 37桂捨で55馬を動かし、今度は56桂捨で63香を吊り上げ、54銀捨を64金に取らせて打歩詰を打開すれば、それで幕です。
 調子に乗ると45歩が二歩禁になるので、考えるところは5手目46歩として二歩禁を避けるところ。
 なお、作者のことばにある「9月号課題」というのは創棋会作品展「5×5内の風船図式」(詰パラ9月号33P)のことです。

金少桂
手が限られた易しいミニパズルを初形曲詰に入れ込むとはすごい!すらすら度75点。

★金少桂さんは全作品に「すらすら度」の点数をつけてくださいました。

野曽原直之
初形曲詰「B」から34飛と35飛を繰り返す趣向的な手順。

有吉弘敏
初形曲詰と飛の上下移動の組み合わせは面白い。

中出慶一
易しいですが、何といっても初形曲詰に、趣向手順を絡ませた手腕に脱帽。

★初形曲詰と、趣向的な飛車の上下運動が好評でした。

山下誠
最終目標の4五歩を飛車の往復で軽快に実現。初形曲詰に趣向的手順で言うことなし。

小池正浩
飛車の上下と捨駒にリズムがあり、二歩禁回避もしゃれています。
確かにすらすら解けますし、初形のみにあらずの好作だと思います。

鳥本敦史
先に歩を突き捨てておくところがうまい。A

★5手目46歩の突き捨てが、19手目45歩を可能にする二歩禁解消の好手筋で、味の良い一手でした。

久保紀貴
初形象形だけかと思いきや、パズルチックで面白い手順。最後遊ぶ角は惜しいが、好作と思う。

★67角は不動ですが、働いている駒ですので、それほど気にはなりませんでした。

名無し名人
詰上り角が遊ぶのが気になるが正にすらすら解ける軽趣向。
中村雅哉氏の初形曲詰は珍しい?

★名人の透視能力が、作者名を見破った?

名無し名人
作者予想をしようと思ったのに、図面をクリックしたら作者名が書いてありました(笑)

★管理人の処理がお粗末でした。作者予想の楽しみがなくなって失礼いたしました。

nono_y
玉は上下に往復するだけの、ザ・すらすら手順。二歩回避の狙いも明快だ。
立体曲詰仕上げが可能な素材だったはずなので、評価は初形の要請通りで。

★立体仕上げですか…。

河童生
飛の上がり下がりに趣向性あり。盤面Bで評価もB点、少しカライかな。

三輪勝昭
34飛35飛の繰り返しをよく曲詰で出来るものだと感心。難点はBしか付けられない事です(笑)。

★盤面「B」は評価上、少し損をされたかもしれません。

則内誠一郎
色々な角度からみてポイントが高い。

奥鳥羽生
リズミカルな趣向的手順にアクセント(46歩)もある軽快作。今回のテーマに最も合致した一局。

★本作は、C評価無し、2.71という高得点でした。
 初形曲詰に趣向的手順、二歩禁消去の謎解きの要素も入り、内容豊富な一局であることは確かですが、何よりも課題に忠実な「すらすら解ける」作品だったところが、高評価の要因だったと思います。
 本局だけ解答された方もいらっしゃいましたので、幕開けの一局としてはうってつけだったと思います。

***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年10月16日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F和室
[課題] 「合のつく手筋、3通り以上」(移動合・打診合など。造語も可。)(29手以内)
作品の投稿先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
*********************************************************************

解答締切迫る!!~ネット作品展「すらすら解ける20手台」~

<<解答締切迫る!!~ネット作品展「すらすら解ける20手台」~>>

■「すらすら解ける20手台」の解答締切は9月20日(火です!
創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」、8月24日に投稿された20作を一斉出題しました。
文字通り「すらすら解ける」作品が揃っています。
解けた方、1問でも結構ですから、解答をお願いします。
作品を発表された作家の皆さんも、自作を語る絶好の機会です。どうぞ解答をお願いします。
20手台の作品20作に全手順記載は大変かと思いますので、解答記載方法は簡単にしています。

◇解答送り先: blogsokikaitusin@gmail.com
解答締切:9/20(火
◇解答要領:
・「キーとなる一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです)
※キーとなる一手は問題ごとに設定しています。
・評価:ABC評価をお願いします。
※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、色々な角度からのコメントをお願いします。
長くても結構ですので、たくさんの短評をお願いします。


■次回課題作
12月号掲載予定の作品展の課題です。
「合のつく手筋、3通り以上」 (移動合・打診合など。造語も可。)(29手以内)

それでは今回も「合のつく手筋」を含む過去の名作を紹介していきます。
最初は遠角の連発と受けの妙技をご覧ください。

岩城克彦作(詰パラ1972年11月、半期賞、『古今短編詰将棋名作選』第184番)
岩城克彦197211

初手、どこから角を打つか。
37角と直に打つと、取ってくれれば同金までですが、47玉とされると、と金の包囲網が強力で手が出ません。
13角と打つのは、47玉なら57角成まで。また24合も歩以外なら取って37角から詰むので、有力そうですが、24歩合と受けられると同角、同銀、37角、47玉と進めても打歩詰となって続きません。
13角、24歩合とさせたところで、19角としても47玉とされてしまうし、24同角成、同銀としてから19角と打つと今度は渡した角を37に合され、同角、47玉となると、これ以上の手段がありません。
正解は19角です。
今度は37に合する適当な駒がありません。
何を合されても、同角、47玉となったときに59桂とか48香といった手があります。
かといって47玉とすると、持駒に角があるので、38角という好手があります。同との一手に28金と引いて17飛で開き王手をすると38金の筋があって詰んでしまいます。
この変化の28金を封じるために、玉方は28歩と中合の妙防を放ちます。

<図:28歩合>
岩城克彦2手28歩

同角としては47玉で詰まないので、2筋に歩が打てない瞬間をついて13角とします。
歩以外は何でも取って28角とすれば簡単に詰みます。
そこで玉方は再度受けの好手を出してきます。
歩以外は渡さないという24との移動合です。

<図:24と>
岩城克彦4手24と

これで切れたように見えますが、同角成から47歩と叩いて玉を引っ張り出し、28金と引くと、今度は19角の利きが消えた状態で48歩と拠点をつくることが出来るので、38金から47歩として詰みます。

遠角2連発に、中合と移動合が織り込まれ、19角と13角の手順前後が成立しないところも37角合という捨合でうまく処理されており、攻防の綾に見応えのある好作です。

作意:19角28歩合13角24と、同角成、同銀、47歩、同玉、28金、17香生
48歩、46玉、38金、19香成、47歩まで15手詰


続く一作も打歩詰を巡る素晴らしい攻防を見せてくれます。
柴田昭彦(近将1967年8月、『詰将棋三十年』第73番、『古今中編詰将棋名作選Ⅱ』第77番)
柴田昭彦_近将196708

33歩成と気持ちよく両王手をしたくなるが、14玉となると打歩詰となってしまいます。
やはり詰将棋らしく33歩不成といきましょう。
14玉なら36馬として簡単ですから、34桂合の捨合(変則合が好防です。

<図:34桂合>
柴田昭彦_2手目34桂

同馬、14玉となったところで打歩詰の局面。
ここから打歩詰打開を巡って攻防の妙手が連発されます。
打診の26桂には同飛不成と応じます。もちろん成れば15歩から簡単。
そこで25馬と捨てるのが好手。同飛なら15歩から26桂があります。
26桂の前に25馬とすると同飛成で詰まないので、当然ながら手順前後はありません。
25同歩と取らせれば打歩詰の局面ではなくなっていますが、すぐに15歩では24玉と寄られ、12馬の利きが強いため詰みません。
54飛成とすれば簡単そうに見えますが、34馬の移動合という受けの鬼手がありました。

<図:34馬>
柴田昭彦_紛れ34馬
これを同龍と取ってしまうと24角合で打歩詰。
(桂合は23角~25龍~15歩という筋で詰みます)
しかし15歩では23玉とされて馬が居た12に潜られてしまいます。
ここは54飛不成とするのが打歩詰を避ける妙手。
34馬とされても同飛とすれば、24合に15歩が打てて打歩詰にはなりません。
15歩以下は、23玉に24飛と取れるので簡単。
34同飛に23玉としても32角~21角成~32歩成から22香を取って32飛成があります。
そこで玉方は24香と移動合して延命を図ります。

<図:24香>
柴田昭彦_10手目24香
ここからは15歩から24飛と捌いて23桂合を強要し、32銀不成から、21飛成と大駒捨ても入ってきれいな収束となります。

双方不成に捨合、移動合と、打歩詰を巡る攻防の妙手が盛り込まれた柴田さんの代表作の一つです。

作意:33歩生34桂合、同馬、14玉、26桂、同飛生25馬、同歩、54飛生24香
15歩、23玉、32銀不成、22玉、24飛、23桂合、同銀成、同馬、32歩成、11玉
12香、同馬、21飛成、同馬、23桂、12玉、24桂、23玉、33と、24玉、34とまで31手詰


課題作「合のつく手筋、3通り以上」への投稿もお待ちしています

***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年10月16日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館
[課題] 「合のつく手筋、3通り以上」(移動合・打診合など。造語も可。)(29手以内)
作品の投稿先 ⇒ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
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以上

ネット作品展、解答締切は来週9/20です

ネット作品展、解答締切は来週です!

■香龍会に行ってきました。
9/11(日)香龍会に初参加。
管理人は、昭和50年代は三重県に住んでいたので、名古屋はなじみのある場所です。
香龍会も第一回(?)作品展に顔を出させていただき、一度は顔を出したいと思っていました。
今日は12名の方が参加。大変賑やかな会合でした。
すでに会合報告も出されているので、詳しくはそちらを参照いただければ幸いです。
http://blog.goo.ne.jp/tumesyougikaigou-kouryuukai
作品は、服部さんや三輪さんの新作、鳥本さんからは大道棋の紹介などがあり、楽しませていただきました。
また地元ということもあって、藤井聡太 新四段誕生に関する話題も盛り上がりました。

…折角参加しながら、創棋会のPRを忘れてしまいました…
香龍会の皆さん、このブログを読んで、ネット作品展への解答をお願いします!

■「すらすら解ける20手台」の解答締切は9月20日(火です!
創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」、8月24日に投稿された20作を一斉出題しました。
文字通り「すらすら解ける」作品が揃っています。
解けた方、1問でも結構ですから、解答をお願いします。
作品を発表された作家の皆さんも、自作を語る絶好の機会です。どうぞ解答をお願いします。
20手台の作品20作に全手順記載は大変かと思いますので、解答記載方法は簡単にしています。

◇解答送り先: blogsokikaitusin@gmail.com
解答締切:9/20(火)
◇解答要領:
・「キーとなる一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです)
※キーとなる一手は問題ごとに設定しています。
・評価:ABC評価をお願いします。
※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
・短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、色々な角度からのコメントをお願いします。
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■次回課題作
12月号掲載予定の作品展の課題です。
「合のつく手筋、3通り以上 (移動合・打診合など。造語も可。)(29手以内)

それでは今回も「合のつく手筋」を含む過去の名作を紹介していきます。

今回は森田手筋を紹介します。
森田手筋というのは、打歩詰を回避するために玉方に歩を取る駒合駒として発生させるもの。
森田正司氏が第一号局を発表されたので森田手筋と呼ばれています。

<森田手筋 第一号局>
森田正司作(詰パラ1959年9月、『春霞』第27番、『古今中編詰将棋名作選』第70番)
森田手筋1号局

初手は軽く16桂。目的は同飛と取らせて逃路封鎖です。
玉方も同飛不成と応じて、27への利きを無くします。
25香、15玉、33馬、26玉と追った局面は打歩詰。
ここで44角と銀の利きに打つのが好手。
同銀は同馬以下。35に合するしかないのですが、頭に利く駒は同角から27に打てるので35桂合とするしかありません。

<図:35桂合>
森田35桂

この局面で44角がなければ27歩と打つことが出来ます。
そこで15馬と捨てます。同飛は、35角~27歩~28桂があります。
同玉に33角成とし、26玉と戻ったところが次図。

<図:26玉>
森田26玉

不思議なことに前図から原形のまま44角が消えました。
この局面なら打歩詰ではないので27歩と打つことが出来ます。
同桂成と取らせて35銀とすれば24馬までのきれいな詰みです。
35桂と歩を取る駒を合駒で発生させ、合駒を発生させた駒を移動させて打歩詰を解消するという新手筋の一号局でした。

作意:16桂、同飛生、25香、15玉、33馬、26玉、44角、35桂合、15馬、同玉
33角成、26玉、27歩、同桂成、35銀、同玉、24馬まで17手詰


次の一局は森田手筋を銀合で表現した一局です。

北川邦男作(詰パラ1960年12月、『渓流』第21番、『古今中編詰将棋名作選』第79番)
北川邦男196012

初手35歩とすると、同玉、25飛、34玉で打歩詰です。
まず54飛成と打診します。香は品切れ。角桂なら45龍まで。
44金は35歩、同玉として44龍と取れば、同歩に25金まで。
最善の受けは44銀合です。

<図:44銀合>
北川邦男44銀

ここで35歩、同玉と取らせて、25飛としたのでは、34玉で打歩詰です。
その前に65龍とソッポに捨てるのが豪快な一手。
同銀と取らせれば、今度は54龍が消えているので、25飛から35歩が打てるという仕組みです。
1号局が打歩詰の局面になってから44角を消して打開したのに対して、本局は事前に54龍を消しておくという点が異なりますが、65龍捨ては強烈な一手でした。

作意:54飛成、44銀合、35歩、同玉、65龍、同銀、25飛、34玉、35歩、同銀
23飛成、同金、25銀まで13手詰


続いては飛合の一局。
山田修司(近将1962年11月、塚田賞、『夢の華』第21番、『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』第83番)
山田修司196211

55銀から攻めていくしかないところですが、43玉、44銀上、34玉となったところで、33桂成とすると、45玉、46歩、54玉で打歩詰となってしまう。
そこで25銀~26歩~14龍とすると、24合以下33銀成~44銀成~24龍とする手があるので、24飛合しかない。

<図:24飛合>
山田修司24飛

この辺までは手なりで進むかもしれませんが、ここから素晴らしい手が出てきます。
まず25龍と捨てます。これは同飛の一手。
33桂成、45玉、46歩、54玉となったときに36馬と捨てるのが継続の妙手。
同歩となった局面は、なんと25飛が55に利いているではありませんか。
これで打歩詰が打開出来、55歩から詰むのです。
歩を取る駒を発生させ、その駒を龍捨てで移動させ、さらに36馬の妙手で取歩駒の利きを通すという素晴らしい構想作でした。

作意:55銀、43玉、44銀上、34玉、25銀、同玉、26歩、34玉、14龍、24飛合
25龍、同飛、33桂成、45玉、46歩、54玉、36馬、同歩、55歩、同飛
43銀不成、53玉、63歩成、44玉、34成桂まで25手詰


最後は森田手筋に移動合の攻防を絡ませた一局です。

若島正作(詰パラ1973年11月、半期賞、『盤上のファンタジア』第51番、『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』補遺40番)
若島正_パラ197311

いささかすごい初形ですが、59歩から48銀、桂を跳んで94馬で開き王手などの手が見えます。
59から48銀は打歩詰になるので、開き王手を考えるのですが、詰将棋らしく(?)ソッポに84桂と跳ねてみましょう。
ここで作意は85との移動合です。
その意味は後でわかります。

<図:85と>
若島正_パラ197311_85と

ここで76馬とするのが好手。
玉方もじっと67桂合と受けます。
頭の丸い駒以外は59歩~48銀~67馬と取って詰みます。
初手64桂では67歩合とされて詰みません。

<図:67桂合>
若島正_パラ197311_67桂

これで59歩~48銀からの打歩詰を取る駒が発生したのですが、76馬を消さなければなりません。
59歩から77馬と捨てる手が見えます。しかし同龍とされると、48銀、59歩、同桂成の局面で77龍の横利きがあって続きません。
それでは86馬はどうでしょうか?
これは同ととされると、何と94馬の利きが復活して59歩が打歩詰となってしまうのです。
2手目の85とは、この86馬と捨てる手を防ぐ巧妙な受けだったのです。
正解はここで95馬と捨て、同ととしてから86馬とするのです。
今度は94馬が消えたので、同とと取れば打歩詰が解消できるというわけです。
そこで玉方は最後の抵抗で77飛合とします。
67桂が動いたときに飛の横利きを活かそうという狙いです。
しかし48銀、58玉、59歩、同桂成となったとき、76馬と捨てる手があり飛の利きをずらすことに成功。

2手目の85と移動合の妙防に対して、95馬、86馬の連続捨で打歩詰を打開するという構想で、森田手筋に一ひねり加えた秀作です。

作意:84桂、85と、76馬、67桂合、59歩、同玉、95馬、同と、86馬77飛合
48銀、58玉、59歩、同桂成、76馬、同飛成、47銀、57玉、48金まで19手詰


「合のつく手筋」には色々なものがあり、組み合わせも様々な手段があると思います。
課題作「合のつく手筋、3通り以上」への投稿、お待ちしています。


***【次回例会】*****************************************************
[日時]2016年10月16日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館
[課題] 「合のつく手筋、3通り以上」(移動合・打診合など。造語も可。)(29手以内)
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以上