【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<総評>
【結果発表】<総評>
ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ
今年も創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」を開催することができました。
投稿いただいた作家の皆さま、暑いなか解答に取り組んでいただいた皆さまに、あらためて感謝申し上げます。
※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
投稿いただいた作家の皆様は次の19名の方々です。ありがとうございました。
(敬称略、複数作投稿された方は投稿数を記載させていただきました)。
有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、Kisy②、金少桂、柴田昭彦、高縄山ろく、鳥本敦史、
中出慶一②、中村雅哉、野曽原直之、nono_y②、 福原徹彦、三輪勝昭、宗時宏、
安田恒雄、山路大輔、山本勝士、吉松智明
今年あらたに投稿いただいたのは次の8名の方々。作品展を盛り上げていただき感謝申し上げます。
有吉弘敏、大西智之、Kisy、高縄山ろく、鳥本敦史、福原徹彦、宗時宏、山路大輔
また解答は次の15名の方から頂戴しました(敬称略)。22問と言う大量出題にもかかわらず、解答に取り組んでいただきありがとうございました。
有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠
解答の新顔は次の6名の方々。新たな切り口でコメントをいただき感謝申し上げます。
大西智之、kisy、竹中健一、占魚亭、福原徹彦、安田恒雄
全作品の結果発表を終え、解答者の短評もすべて掲載させていただきました。拙文にお付き合いいただきありがとうございました。また短評を通して、多様な詰棋観と出会えたことには感謝の気持ちで一杯です。
コンクールではないのですが、評点の高かった作品は以下のとおりです。
⑬山路大輔作(2.86)、⑯奥鳥羽生作・㉑高縄山ろく作・㉒中出慶一作(2.83)、⑤有吉弘敏作(2.80)。
Aが最多は⑬山路大輔(12)、その次が㉑高縄山ろく作(11)。
C評価ゼロは昨年の4作に対して10作もありました。
全作品の平均点は2.37と昨年(2.15)を上回りました。
このように素晴らしい作品が揃い、十分に楽しんでいただけたのではないかと思う一方で、多くの方から「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題があったことについては色々と考えさせられました。解説で「難解作でした」と書き出してしまった作もあり汗顔の至りです。
次回開催の際には、作品展の主旨に合わない作品はご遠慮いただくということも視野に入れ、募集の際にどのような作品が望ましいかということをキチンとお示ししたいと考えています。
【総評】
小池正浩:
この作品展のために作られた作品もあれば、他には出せないので投稿という作品もあったことと思います。
本企画が、「易しい中編」の発表場所として、意義のあるものであったと思うとの感想は、昨年と変わりません。
もっとも、今回の作品が「すらすら」かどうかの判断は、諸氏の感想を待ちたいと思いますが…。
解説を読んで、鑑賞するとともに、勉強したいと思います。
★小池さんには企画を好意的受け止めていただき、感謝申し上げます。引き続き応援をお願いします。
大西 智之:
解図できたものについて連絡させていただきます。個別の問題に対する講評・コメントは差し控えさせて頂きますが、これらの問題は他に比べ、今回の作品展の趣旨により合致していると感じました。評価は、すらすら解けることを主な評価ポイントにしておりますが、変同等の作品のキズがないことも重視しています。
★解けたものだけ送っていただけるというのは大変ありがたいことです。
作品へのコメントは作家の気づきにつながるものですので、次回からは是非とも率直なご感想をお聞かせください。
中出慶一:
評価・短評方針は、今回の課題・テーマ「すらすら解ける20手台」の趣旨から、
1) やさしく、楽しくすらすら解けること。
2) すがすがしい解後感や好ましい印象が残ること。
3) 単なる手筋物でなく、新手・狙い・構想・趣向を内蔵していること。
以上3条件が備えているのがベストと思い、その観点から鑑賞して評価しています。
ベスト5を選定してみました。
テーマの趣旨から、ベスト5(順位不同)は、5番、7番、16番、21番、22番 を推します。
(自作22番を入れて失礼ですが、今回の趣旨には適合していると考えますので。)
テーマの趣旨と関係なく作品内容として、上記に追加して、4番、20番、もベストとして選定します。
★方針1~3は異存ありません。ただ1と2は主観によるところが大きく、少しでも多くの方に納得いただけるような条件整備が必要かと考えているところです。
ベスト5ですが、16、21、22は同率2位、5は5位、7は9位。多くの方から好評を得た作品ばかりです。
有吉弘敏:
すらすらのつもりで取り組んだせいもありますが、約半数はすらすらいきませんでした。
★易しいと思ったらそうでもなかった、というのは逆なら拍子抜けですが、暑い中、汗をかいていただくことになり失礼しました。
占魚亭:
すらすら解けるものは殆ど無かった気がします。
★「すらすら解ける」ということの基準を考えさせられるご意見です。
中村雅哉:
解答した作品以外はどれも課題「すらすら解ける」に全くマッチしておらず残念です。その中には自作も含まれており、反省しています。
★中村さんには次回、作品展の主旨に適った作品の投稿をお願いします。
竹中健一:
すらすら解けると聞いて解図に取り掛かったんですが、結構難しい問題がありました。
テーマ(すらすら解ける)に合うものを高めに評価しました。
★竹中さんと同じ観点で評価された方が多かったと思います。
「すらすら解けない」作品は軒並み低評価でした。
三輪勝昭:
前回はスラスラとは真逆の作品があったが、今回は⑲と⑳は採用してはダメ。
採用する方も採用する方だが、投稿する作家にも問題あり。
★作家が主観で「すらすら」と判断されたものを担当者の一存で没にするのは忍びなかったというのが言い訳ですが、結果として低評価になった作品については、発表場所を再考するように促すのが選題側のあるべき姿だったと反省しています。
福原徹彦:
「すらすら」ですが、レベルは高かったです。合駒のある作も多かったです(数えてみたら13作でした)。
評価点は作品展の主旨通りすらすら解けるかどうかを基準にしました。特にすらすら度が高かったのは、1,13,16,21,22です。
軽趣向とこの作品展は相性が良いのかな、と思います。
今回はこのような作品発表の場を設けてくださり、ありがとうございました。
★13は第一位、16、21、22は同率2位でした。1も8位ですから、皆さんの感覚はおおむね一致。
kisy:
創棋会で半分くらい解答を聞いてしまったので聞いてしまったぶんについてはほとんど手順を忘れてから解き直しました。
解くのにかなり苦戦した作品もありましたが、普段は挑戦しない20手台を解く良い機会になりました。
今回は参加させていただきありがとうございました。また次回があることを楽しみにしています!
★真摯に解答に取り組んでいただきありがとうございました。また例会にも顔を出してくださいね。
山下誠:
バラエティに富んだ個性ある作品を十分に楽しみました。すらすら解けず、何度か一旦停車しましたが。
★爽快なスピードと景色を楽しみつつ渋滞のないドライブのような作品展にしたいと思います。
☆解答募集の際、「解答者の中から若干名に呈賞の予定」としていました。
抽選の結果、有吉弘敏さんと山下誠さんのお二人に詰棋書を贈呈させていただくこととしました。
お二人にはあらためて連絡させていただきます。
☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
blogsokikaitusin@gmail.com
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ
今年も創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」を開催することができました。
投稿いただいた作家の皆さま、暑いなか解答に取り組んでいただいた皆さまに、あらためて感謝申し上げます。
※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
投稿いただいた作家の皆様は次の19名の方々です。ありがとうございました。
(敬称略、複数作投稿された方は投稿数を記載させていただきました)。
有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、Kisy②、金少桂、柴田昭彦、高縄山ろく、鳥本敦史、
中出慶一②、中村雅哉、野曽原直之、nono_y②、 福原徹彦、三輪勝昭、宗時宏、
安田恒雄、山路大輔、山本勝士、吉松智明
今年あらたに投稿いただいたのは次の8名の方々。作品展を盛り上げていただき感謝申し上げます。
有吉弘敏、大西智之、Kisy、高縄山ろく、鳥本敦史、福原徹彦、宗時宏、山路大輔
また解答は次の15名の方から頂戴しました(敬称略)。22問と言う大量出題にもかかわらず、解答に取り組んでいただきありがとうございました。
有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠
解答の新顔は次の6名の方々。新たな切り口でコメントをいただき感謝申し上げます。
大西智之、kisy、竹中健一、占魚亭、福原徹彦、安田恒雄
全作品の結果発表を終え、解答者の短評もすべて掲載させていただきました。拙文にお付き合いいただきありがとうございました。また短評を通して、多様な詰棋観と出会えたことには感謝の気持ちで一杯です。
コンクールではないのですが、評点の高かった作品は以下のとおりです。
⑬山路大輔作(2.86)、⑯奥鳥羽生作・㉑高縄山ろく作・㉒中出慶一作(2.83)、⑤有吉弘敏作(2.80)。
Aが最多は⑬山路大輔(12)、その次が㉑高縄山ろく作(11)。
C評価ゼロは昨年の4作に対して10作もありました。
全作品の平均点は2.37と昨年(2.15)を上回りました。
このように素晴らしい作品が揃い、十分に楽しんでいただけたのではないかと思う一方で、多くの方から「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題があったことについては色々と考えさせられました。解説で「難解作でした」と書き出してしまった作もあり汗顔の至りです。
次回開催の際には、作品展の主旨に合わない作品はご遠慮いただくということも視野に入れ、募集の際にどのような作品が望ましいかということをキチンとお示ししたいと考えています。
【総評】
小池正浩:
この作品展のために作られた作品もあれば、他には出せないので投稿という作品もあったことと思います。
本企画が、「易しい中編」の発表場所として、意義のあるものであったと思うとの感想は、昨年と変わりません。
もっとも、今回の作品が「すらすら」かどうかの判断は、諸氏の感想を待ちたいと思いますが…。
解説を読んで、鑑賞するとともに、勉強したいと思います。
★小池さんには企画を好意的受け止めていただき、感謝申し上げます。引き続き応援をお願いします。
大西 智之:
解図できたものについて連絡させていただきます。個別の問題に対する講評・コメントは差し控えさせて頂きますが、これらの問題は他に比べ、今回の作品展の趣旨により合致していると感じました。評価は、すらすら解けることを主な評価ポイントにしておりますが、変同等の作品のキズがないことも重視しています。
★解けたものだけ送っていただけるというのは大変ありがたいことです。
作品へのコメントは作家の気づきにつながるものですので、次回からは是非とも率直なご感想をお聞かせください。
中出慶一:
評価・短評方針は、今回の課題・テーマ「すらすら解ける20手台」の趣旨から、
1) やさしく、楽しくすらすら解けること。
2) すがすがしい解後感や好ましい印象が残ること。
3) 単なる手筋物でなく、新手・狙い・構想・趣向を内蔵していること。
以上3条件が備えているのがベストと思い、その観点から鑑賞して評価しています。
ベスト5を選定してみました。
テーマの趣旨から、ベスト5(順位不同)は、5番、7番、16番、21番、22番 を推します。
(自作22番を入れて失礼ですが、今回の趣旨には適合していると考えますので。)
テーマの趣旨と関係なく作品内容として、上記に追加して、4番、20番、もベストとして選定します。
★方針1~3は異存ありません。ただ1と2は主観によるところが大きく、少しでも多くの方に納得いただけるような条件整備が必要かと考えているところです。
ベスト5ですが、16、21、22は同率2位、5は5位、7は9位。多くの方から好評を得た作品ばかりです。
有吉弘敏:
すらすらのつもりで取り組んだせいもありますが、約半数はすらすらいきませんでした。
★易しいと思ったらそうでもなかった、というのは逆なら拍子抜けですが、暑い中、汗をかいていただくことになり失礼しました。
占魚亭:
すらすら解けるものは殆ど無かった気がします。
★「すらすら解ける」ということの基準を考えさせられるご意見です。
中村雅哉:
解答した作品以外はどれも課題「すらすら解ける」に全くマッチしておらず残念です。その中には自作も含まれており、反省しています。
★中村さんには次回、作品展の主旨に適った作品の投稿をお願いします。
竹中健一:
すらすら解けると聞いて解図に取り掛かったんですが、結構難しい問題がありました。
テーマ(すらすら解ける)に合うものを高めに評価しました。
★竹中さんと同じ観点で評価された方が多かったと思います。
「すらすら解けない」作品は軒並み低評価でした。
三輪勝昭:
前回はスラスラとは真逆の作品があったが、今回は⑲と⑳は採用してはダメ。
採用する方も採用する方だが、投稿する作家にも問題あり。
★作家が主観で「すらすら」と判断されたものを担当者の一存で没にするのは忍びなかったというのが言い訳ですが、結果として低評価になった作品については、発表場所を再考するように促すのが選題側のあるべき姿だったと反省しています。
福原徹彦:
「すらすら」ですが、レベルは高かったです。合駒のある作も多かったです(数えてみたら13作でした)。
評価点は作品展の主旨通りすらすら解けるかどうかを基準にしました。特にすらすら度が高かったのは、1,13,16,21,22です。
軽趣向とこの作品展は相性が良いのかな、と思います。
今回はこのような作品発表の場を設けてくださり、ありがとうございました。
★13は第一位、16、21、22は同率2位でした。1も8位ですから、皆さんの感覚はおおむね一致。
kisy:
創棋会で半分くらい解答を聞いてしまったので聞いてしまったぶんについてはほとんど手順を忘れてから解き直しました。
解くのにかなり苦戦した作品もありましたが、普段は挑戦しない20手台を解く良い機会になりました。
今回は参加させていただきありがとうございました。また次回があることを楽しみにしています!
★真摯に解答に取り組んでいただきありがとうございました。また例会にも顔を出してくださいね。
山下誠:
バラエティに富んだ個性ある作品を十分に楽しみました。すらすら解けず、何度か一旦停車しましたが。
★爽快なスピードと景色を楽しみつつ渋滞のないドライブのような作品展にしたいと思います。
☆解答募集の際、「解答者の中から若干名に呈賞の予定」としていました。
抽選の結果、有吉弘敏さんと山下誠さんのお二人に詰棋書を贈呈させていただくこととしました。
お二人にはあらためて連絡させていただきます。
☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
blogsokikaitusin@gmail.com
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<16回目>
【結果発表】<16回目>
ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ
創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠
22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
それでは結果発表の第16回、本日は最終回。二作を紹介させていただきます。
一作目は高縄山ろくさんの作品です。
⑳ 高縄山ろく作

【作意】
35龍、54玉、45角、55玉、46龍、44玉、35龍、55玉、56歩、同桂、
46龍、44玉、56角、54玉、45角、44玉、56桂、同香、同角、54玉、
45角、44玉、35龍、55玉、56香、同金、同角、同玉、57金迄29手。
【正解】
21手目→45角
手数→29手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.83、A:11、B:0、C:1、誤解:0、無解:2、無評価:1
【作者のことば】
初手33歩成は45玉(55玉も可)で上部へ逃げ込まれる。
あとは必然手順に近い・・・はず。
しつこい所が嫌われるかも。
★やや広がった初形に恐れをなした方がいらっしゃったかもしれませんが、解けば楽しい趣向作です。
初手35龍と引き、54玉に45角と据えれば舞台装置が整います。
55玉に46龍と歩を取ります。
44玉に35龍と戻して、55玉に56歩と打ちます。
同桂と取らせて46龍と引き、44玉に56角と桂を取ります。
54玉に45角と戻して、44玉に56桂と打ちます。
同香と取らせて同角と香を入手します。
54玉に45角、44玉に35龍と戻し、55玉に56香と打てば同金の一手。
アッサリ同角と金を取って同玉に57金まで。
もう少し回転を楽しみたいところで終了します。
龍角コンビで開き王手しながら駒を剥がしていく趣向です。効率的な配置で軽趣向を実現していると思います。
剥がし方がやや不規則な印象はありますが、難解ではありません。
有吉弘敏:すらすらで駒繰りが楽しい。収束にもう一手好手があればさらに良かったと思います。
★あっけない幕切れ?
三輪勝昭:21手目は絶対手だけど、数え間違えてないと思うけど。 練り不足。
★暗算で解くと回転数が怪しくなってきたりします。
占魚亭:心地よいリフレイン。いい。
★龍は35と46を、角は45と56を行ったり来たり。
竹中健一:趣向的な手順でしかもすらすら解けるので良かったです!
★解いて楽しい軽趣向。
山下誠:金を入手するまでの龍と角の往復運動が楽しめる。
★9手目に56歩、17手目に56桂と金の入手を図りますが、桂香を犠牲に抵抗。
25手目56香でようやく金を奪うことに成功。
kisy:角と龍を細かく動かして、少しずつ駒を剥がしていく軽趣向。すらすら解けました。
★角と龍は一マスずつしか動きません。こういうのを「こまネズミのように動く」というのでしょうか。
奥鳥羽生:教材に使える趣向詰Ⅰ。56地点で駒を剥がし最後に金を入手。スラスラ度95点。
★本作は評点2.83、同率で第二位となる高評価でした。
中出慶一:快適な手順で、縦横でハガシのミニ趣向を実現させている、今回の趣旨の3条件が揃った快作です。
★中出さんの挙げた三条件は「やさしい」「解後感が良い」「手順にプラスアルファがある」ということで、本作も「やさしく」「気持ちよく」「軽趣向入り」と三拍子揃いました。
中村雅哉:これも課題に忠実な易しい剥がし趣向作。すらすら解けて嬉しい。
★本作品展の主旨に適った作品でした。
金少桂:ミニパズル要素の入ったハガシ趣向。すらすら度85点。
★64桂→51香→57金の順に剥がしていきます。
福原徹彦:知恵の輪風のはがしで楽しく解けました。
★剥がし趣向に気がついたときには収束に向かっていたのではないでしょうか。
安田恒雄:35龍と46龍の繰り返しでスラスラと持駒を角→歩→桂→香→金と変える「とりかえばや物語」、解いて楽しかったです。
★局面が少しずつ変化してゆくのを楽しんでいただける作品でした。
続いて二作目は中出慶一さんの作品です。
㉒ 中出慶一作

【作意】
34角、同桂、15馬、同玉、17飛、25玉、16龍、35玉、37飛、45玉、
36龍、55玉、57飛、65玉、56龍、75玉、77飛、85玉、76龍、95玉、
96龍、同玉、87銀、85玉、75飛、同玉、76金まで27手詰。
【正解狙いの一手】
3手目→15馬
手数→27手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.83、A:10、B:2、C:0、誤解:1、無解:2、無評価:0
【作者のことば】
飛・龍による4回に渡るミニ追い趣向、大駒4枚捨ておよび清涼詰を組み合わせた解いて楽しい作品です。
本作は全体として流れる手順と、清涼詰になるのが狙いですが、キーとなる一手は、あえて言えば3手目15馬捨。龍と飛の組み合わせ追い手順を準備する捨て駒です。
★最後を飾るのは中出さんの作品。前回作品展に続いて二作の投稿をいただきありがとうございました。
本作手順の説明は必要ないでしょう。
初形の駒数の多さに驚かれた方がいたかもしれませんが、角と馬を捨てて17飛と回ると、楽しい飛龍の追い趣向が始まります。
最後も飛龍を捨てての清涼詰。
すらすら度ナンバーワンの一作でした。
中出慶一:単純すぎる手順ながら、攻めの大駒4枚を捨てる、途中ミニ趣向的追い手順、清涼詰になる、等趣旨の3条件が揃った軽快作です。
★単純ですが実に気持ちのよい手順です。
出題の順序を間違えたかもしれません。
則内誠一郎:正にすらすら。ユーモア大賞。
★評点は2.83。本作も同率で第二位となる高得点でした。
奥鳥羽生:教材に使える趣向詰Ⅱ。龍飛追いの前後に捨駒を配し、最後は香に注意の清涼詰。スラスラ度98点。
★今回最高のスラスラ度評価をいただきました。
金少桂:シンプルに楽しめる趣向詰だが、序と収束で大駒を全部消してしまうところはさすがの纏め。すらすら度95点。
★金少桂さんからも最高評価をいただきました。
安田恒雄:期待通り大駒が全て消える爽快、これがミソですね。
★大駒が全部消えるというのは解後感がよくなるポイントです。
kisy:見た目と易しさのギャップは間違いなくNo.1です!そして清涼詰だとは予想していませんでした。
★清涼詰も好感度アップのポイントですね。
三輪勝昭:解く気にならない形だが、何だスラスラ解けるじゃんかヨー。最後、飛捨てで大駒4枚消えてスッキリ。下らないのにAを付けちゃったじゃんかヨー。
★三輪さんに高評価をいただければ作者もさぞお喜びになることでしょう。
占魚亭:爽やかな、くるくる作品。
★誰にでも楽しんでいただける作品かと思います。
竹中健一:最後は文字?手順はすらすらで大駒全部消えるのも良いですね!
★詰上り「J」と言った方がいらっしゃいました(笑)。
有吉弘敏:まさにすらすらですが、大駒をすべて捨てるところや、玉の軌跡が15から95まで全てを通るところなど細かい所まで配慮を感じます。
★シンプルな表現ですが、玉の軌跡、大駒捨て、清涼詰と要所は押さえられています。
福原徹彦:飛龍で追う趣向で、清涼詰。手数を感じない快適な作品でした。
★もっと続けたい楽しい手順。
中村雅哉:最後を飾るにふさわしい、正真正銘のすらすら作品。飛龍ともに消える収束が美しい。
★本作品展をすらすらで締めくくっていただきました。
☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
blogsokikaitusin@gmail.com
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ
創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠
22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
それでは結果発表の第16回、本日は最終回。二作を紹介させていただきます。
一作目は高縄山ろくさんの作品です。
⑳ 高縄山ろく作

【作意】
35龍、54玉、45角、55玉、46龍、44玉、35龍、55玉、56歩、同桂、
46龍、44玉、56角、54玉、45角、44玉、56桂、同香、同角、54玉、
45角、44玉、35龍、55玉、56香、同金、同角、同玉、57金迄29手。
【正解】
21手目→45角
手数→29手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.83、A:11、B:0、C:1、誤解:0、無解:2、無評価:1
【作者のことば】
初手33歩成は45玉(55玉も可)で上部へ逃げ込まれる。
あとは必然手順に近い・・・はず。
しつこい所が嫌われるかも。
★やや広がった初形に恐れをなした方がいらっしゃったかもしれませんが、解けば楽しい趣向作です。
初手35龍と引き、54玉に45角と据えれば舞台装置が整います。
55玉に46龍と歩を取ります。
44玉に35龍と戻して、55玉に56歩と打ちます。
同桂と取らせて46龍と引き、44玉に56角と桂を取ります。
54玉に45角と戻して、44玉に56桂と打ちます。
同香と取らせて同角と香を入手します。
54玉に45角、44玉に35龍と戻し、55玉に56香と打てば同金の一手。
アッサリ同角と金を取って同玉に57金まで。
もう少し回転を楽しみたいところで終了します。
龍角コンビで開き王手しながら駒を剥がしていく趣向です。効率的な配置で軽趣向を実現していると思います。
剥がし方がやや不規則な印象はありますが、難解ではありません。
有吉弘敏:すらすらで駒繰りが楽しい。収束にもう一手好手があればさらに良かったと思います。
★あっけない幕切れ?
三輪勝昭:21手目は絶対手だけど、数え間違えてないと思うけど。 練り不足。
★暗算で解くと回転数が怪しくなってきたりします。
占魚亭:心地よいリフレイン。いい。
★龍は35と46を、角は45と56を行ったり来たり。
竹中健一:趣向的な手順でしかもすらすら解けるので良かったです!
★解いて楽しい軽趣向。
山下誠:金を入手するまでの龍と角の往復運動が楽しめる。
★9手目に56歩、17手目に56桂と金の入手を図りますが、桂香を犠牲に抵抗。
25手目56香でようやく金を奪うことに成功。
kisy:角と龍を細かく動かして、少しずつ駒を剥がしていく軽趣向。すらすら解けました。
★角と龍は一マスずつしか動きません。こういうのを「こまネズミのように動く」というのでしょうか。
奥鳥羽生:教材に使える趣向詰Ⅰ。56地点で駒を剥がし最後に金を入手。スラスラ度95点。
★本作は評点2.83、同率で第二位となる高評価でした。
中出慶一:快適な手順で、縦横でハガシのミニ趣向を実現させている、今回の趣旨の3条件が揃った快作です。
★中出さんの挙げた三条件は「やさしい」「解後感が良い」「手順にプラスアルファがある」ということで、本作も「やさしく」「気持ちよく」「軽趣向入り」と三拍子揃いました。
中村雅哉:これも課題に忠実な易しい剥がし趣向作。すらすら解けて嬉しい。
★本作品展の主旨に適った作品でした。
金少桂:ミニパズル要素の入ったハガシ趣向。すらすら度85点。
★64桂→51香→57金の順に剥がしていきます。
福原徹彦:知恵の輪風のはがしで楽しく解けました。
★剥がし趣向に気がついたときには収束に向かっていたのではないでしょうか。
安田恒雄:35龍と46龍の繰り返しでスラスラと持駒を角→歩→桂→香→金と変える「とりかえばや物語」、解いて楽しかったです。
★局面が少しずつ変化してゆくのを楽しんでいただける作品でした。
続いて二作目は中出慶一さんの作品です。
㉒ 中出慶一作

【作意】
34角、同桂、15馬、同玉、17飛、25玉、16龍、35玉、37飛、45玉、
36龍、55玉、57飛、65玉、56龍、75玉、77飛、85玉、76龍、95玉、
96龍、同玉、87銀、85玉、75飛、同玉、76金まで27手詰。
【正解狙いの一手】
3手目→15馬
手数→27手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.83、A:10、B:2、C:0、誤解:1、無解:2、無評価:0
【作者のことば】
飛・龍による4回に渡るミニ追い趣向、大駒4枚捨ておよび清涼詰を組み合わせた解いて楽しい作品です。
本作は全体として流れる手順と、清涼詰になるのが狙いですが、キーとなる一手は、あえて言えば3手目15馬捨。龍と飛の組み合わせ追い手順を準備する捨て駒です。
★最後を飾るのは中出さんの作品。前回作品展に続いて二作の投稿をいただきありがとうございました。
本作手順の説明は必要ないでしょう。
初形の駒数の多さに驚かれた方がいたかもしれませんが、角と馬を捨てて17飛と回ると、楽しい飛龍の追い趣向が始まります。
最後も飛龍を捨てての清涼詰。
すらすら度ナンバーワンの一作でした。
中出慶一:単純すぎる手順ながら、攻めの大駒4枚を捨てる、途中ミニ趣向的追い手順、清涼詰になる、等趣旨の3条件が揃った軽快作です。
★単純ですが実に気持ちのよい手順です。
出題の順序を間違えたかもしれません。
則内誠一郎:正にすらすら。ユーモア大賞。
★評点は2.83。本作も同率で第二位となる高得点でした。
奥鳥羽生:教材に使える趣向詰Ⅱ。龍飛追いの前後に捨駒を配し、最後は香に注意の清涼詰。スラスラ度98点。
★今回最高のスラスラ度評価をいただきました。
金少桂:シンプルに楽しめる趣向詰だが、序と収束で大駒を全部消してしまうところはさすがの纏め。すらすら度95点。
★金少桂さんからも最高評価をいただきました。
安田恒雄:期待通り大駒が全て消える爽快、これがミソですね。
★大駒が全部消えるというのは解後感がよくなるポイントです。
kisy:見た目と易しさのギャップは間違いなくNo.1です!そして清涼詰だとは予想していませんでした。
★清涼詰も好感度アップのポイントですね。
三輪勝昭:解く気にならない形だが、何だスラスラ解けるじゃんかヨー。最後、飛捨てで大駒4枚消えてスッキリ。下らないのにAを付けちゃったじゃんかヨー。
★三輪さんに高評価をいただければ作者もさぞお喜びになることでしょう。
占魚亭:爽やかな、くるくる作品。
★誰にでも楽しんでいただける作品かと思います。
竹中健一:最後は文字?手順はすらすらで大駒全部消えるのも良いですね!
★詰上り「J」と言った方がいらっしゃいました(笑)。
有吉弘敏:まさにすらすらですが、大駒をすべて捨てるところや、玉の軌跡が15から95まで全てを通るところなど細かい所まで配慮を感じます。
★シンプルな表現ですが、玉の軌跡、大駒捨て、清涼詰と要所は押さえられています。
福原徹彦:飛龍で追う趣向で、清涼詰。手数を感じない快適な作品でした。
★もっと続けたい楽しい手順。
中村雅哉:最後を飾るにふさわしい、正真正銘のすらすら作品。飛龍ともに消える収束が美しい。
★本作品展をすらすらで締めくくっていただきました。
☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
blogsokikaitusin@gmail.com
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<15回目>
【結果発表】<15回目>
ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ
創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠
22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
さて結果発表の前に、⑯奥鳥羽生作について、EOGさんがネットで類似作を紹介されていますので、関連作品もあわせて触れておきます。
今村修作(詰パラ1999年9月号)

【作意】58歩、47玉、57歩、同玉、59香、58香、同香、47玉、54香、57玉、
59香、58香、同香、47玉、55香、57玉、59香、58香、同香、47玉、
56香、57玉、59香、58銀、同香、47玉、57香、同玉、68銀打まで29手詰
本作は全国大会の握詰として創作されたものだそうです。
収束の合駒は非限定ですが、左右対称にして59歩消去を盛り込んでいます。
また当時の結果発表では先行作として次図が紹介されています。
枝川真也作(詰パラ1993年1月号)

【作意】87香、86香、同香、95玉、82香成、85玉、87香、86香、同香、95玉、
83香成、85玉、87香、86香、同香、95玉、84香、85玉、87香、86角、
同香、95玉、85香、同玉、74角、同金、86銀まで27手詰
こちらは角合から角捨で収束です。
奥鳥羽生さんの作品は収束を飛車合から17飛捨という好手(紛れを包含)でまとめています。一つひとつの作品、表現方法が異なっていて面白いですね。
それでは結果発表の第15回、山本勝士さんの作品です。
⑳ 山本勝士作

【作意】
35桂、同香、44銀、32玉、31角成、同玉、35龍、32角、同龍、同玉、
54角、43桂、同角成、23玉、32馬、同玉、33金、31玉、43桂、21玉、
23香、12玉、22香成まで23手詰
【正解】
5手目→31角成
手数→23手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.09、A:4、B:4、C:3、誤解:0、無解:4、無評価:0
【作者のことば】
本作は5手目31角成を省略して35龍の方が捕まえやすいように思えるのですが、角筋を変える工夫がミソです。
★ベテランの山本さん、昨年に続いての登場。
44銀や54銀は32玉と落ちられて継続が無い。ここは35桂と跳ねて香を吊り上げ35龍と回る手を作るのが正解。
35桂に32玉なら72龍、42桂合、同角成、同歩、44桂で詰みますから、35同香と応じます。
44銀に34玉と上がれば、35銀、23玉、24銀、同玉、35龍と追って詰むので32玉と引きます。
ここで読み筋とばかり35龍と回ると、不思議なことに23玉と上がられて詰みません。
31角成と捨てて35龍と回るのが正解なのです。
わざわざ角を捨てて、それも35龍からは遠い場所に玉を呼ぶのですから、かなり指しにくい一手です。
31角成に23玉とかわすのは33金と打ち14玉に32馬、25玉、35龍~36龍と追って詰むのですが、少し読むのが面倒な変化です。
31玉に35龍と回ったところで32合を読む必要があります。飛金銀は同龍~33金で簡単、桂は同龍~33金~43桂があり、歩も同龍~33金~32歩で詰みます。
最善は32角合ですが、同龍と切って54角と打ち換えるのが好手順。
23玉なら33金から36角と銀を取る手を見た限定打です。
ここで角筋をそらす43桂の捨合が好防。
同角成に23玉と逃げますが、32馬と捨てるのが最後の決め手。
このあたりの攻防は息もつかせぬ展開です。
そして32同玉となった局面は8手目桂合の変化と同じではないですか!
不思議な手順で角を桂馬に交換することに成功。
以下は33金と押さえて収束です。
奥鳥羽生:31角成~35龍~32角合が見所。最後は限定打から持駒変換で収束。しかしスラスラ度は55点。
★31角成と捨ててから35龍と回るところが最大の難所。角合の後も限定打に捨合と見事な応酬です。
則内誠一郎:54角~捨合~32馬が力強い。
★「力強い」というのは本局にピッタリの形容詞ですね。
占魚亭:大駒3枚を同じ筋で消す統一感がいい感じです。
★31角成、32龍、32馬と切って捨てる。言われてみればなるほどです。
福原徹彦:角合を取り、角桂変換するのが良い手順ですね。
★角桂変換というのは後からわかります。
山下誠:角合と桂合を経て、不思議なことに最初に桂合をした局面に戻る。
★8手目桂合の変化と同じ局面になります。桂なら詰むが角なら詰まないので、角を桂に換えるのが54角から43桂の捨合でした。
kisy :キーとなる一手が5手目だったので、それっぽい手を探し続けました。盤上の4香配置は途中の桂合で香合を防ぐための配置なんですね。
★4香配置の意味は聞きそびれました。12手目香合でも作意と同様に詰みますので変同を嫌われたものなのか、真意は不明です。
竹中健一:31角成とは面白い手がありますね!結構難しかったです。香の配置が残念な気がしました。
★31角成は先まで読まないとなかなか指せない一手ですね。
金少桂:直感的でない手が多くかなり詰めにくかった。8手目32角合、12手目43桂合が最善なのが驚き。すらすら度40点。
★直感は35龍です。35龍に23玉が詰まないと思うと、31角成も同じように思えて指しにくくなります。
三輪勝昭:腹が立つほどスラスラ展向きじゃない。C以下。これをスラスラ展に投稿してはいけないヨ。
★31角成が難手でしたね。煩雑な変化があるわけではないのですが、すらすら行かないと言われればその通りでした。
有吉弘敏:かなり難解。前半の追い方に戸惑った。収束が決まれば・・。
★むしろ収束の切れ味を問う声がもっと多いのではないかと思っていました。
中出慶一: 「すらすら解ける・・・」とは真逆で、ギクシャクと思考して、変化への読みが必要です。作品は短大で十分通用する内容に仕上がっています。
★本作も前半の素晴らしい攻防は短大でも十分通用する内容かと思います。
☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
blogsokikaitusin@gmail.com
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」
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※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
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以上
ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ
創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠
22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
さて結果発表の前に、⑯奥鳥羽生作について、EOGさんがネットで類似作を紹介されていますので、関連作品もあわせて触れておきます。
今村修作(詰パラ1999年9月号)

【作意】58歩、47玉、57歩、同玉、59香、58香、同香、47玉、54香、57玉、
59香、58香、同香、47玉、55香、57玉、59香、58香、同香、47玉、
56香、57玉、59香、58銀、同香、47玉、57香、同玉、68銀打まで29手詰
本作は全国大会の握詰として創作されたものだそうです。
収束の合駒は非限定ですが、左右対称にして59歩消去を盛り込んでいます。
また当時の結果発表では先行作として次図が紹介されています。
枝川真也作(詰パラ1993年1月号)

【作意】87香、86香、同香、95玉、82香成、85玉、87香、86香、同香、95玉、
83香成、85玉、87香、86香、同香、95玉、84香、85玉、87香、86角、
同香、95玉、85香、同玉、74角、同金、86銀まで27手詰
こちらは角合から角捨で収束です。
奥鳥羽生さんの作品は収束を飛車合から17飛捨という好手(紛れを包含)でまとめています。一つひとつの作品、表現方法が異なっていて面白いですね。
それでは結果発表の第15回、山本勝士さんの作品です。
⑳ 山本勝士作

【作意】
35桂、同香、44銀、32玉、31角成、同玉、35龍、32角、同龍、同玉、
54角、43桂、同角成、23玉、32馬、同玉、33金、31玉、43桂、21玉、
23香、12玉、22香成まで23手詰
【正解】
5手目→31角成
手数→23手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.09、A:4、B:4、C:3、誤解:0、無解:4、無評価:0
【作者のことば】
本作は5手目31角成を省略して35龍の方が捕まえやすいように思えるのですが、角筋を変える工夫がミソです。
★ベテランの山本さん、昨年に続いての登場。
44銀や54銀は32玉と落ちられて継続が無い。ここは35桂と跳ねて香を吊り上げ35龍と回る手を作るのが正解。
35桂に32玉なら72龍、42桂合、同角成、同歩、44桂で詰みますから、35同香と応じます。
44銀に34玉と上がれば、35銀、23玉、24銀、同玉、35龍と追って詰むので32玉と引きます。
ここで読み筋とばかり35龍と回ると、不思議なことに23玉と上がられて詰みません。
31角成と捨てて35龍と回るのが正解なのです。
わざわざ角を捨てて、それも35龍からは遠い場所に玉を呼ぶのですから、かなり指しにくい一手です。
31角成に23玉とかわすのは33金と打ち14玉に32馬、25玉、35龍~36龍と追って詰むのですが、少し読むのが面倒な変化です。
31玉に35龍と回ったところで32合を読む必要があります。飛金銀は同龍~33金で簡単、桂は同龍~33金~43桂があり、歩も同龍~33金~32歩で詰みます。
最善は32角合ですが、同龍と切って54角と打ち換えるのが好手順。
23玉なら33金から36角と銀を取る手を見た限定打です。
ここで角筋をそらす43桂の捨合が好防。
同角成に23玉と逃げますが、32馬と捨てるのが最後の決め手。
このあたりの攻防は息もつかせぬ展開です。
そして32同玉となった局面は8手目桂合の変化と同じではないですか!
不思議な手順で角を桂馬に交換することに成功。
以下は33金と押さえて収束です。
奥鳥羽生:31角成~35龍~32角合が見所。最後は限定打から持駒変換で収束。しかしスラスラ度は55点。
★31角成と捨ててから35龍と回るところが最大の難所。角合の後も限定打に捨合と見事な応酬です。
則内誠一郎:54角~捨合~32馬が力強い。
★「力強い」というのは本局にピッタリの形容詞ですね。
占魚亭:大駒3枚を同じ筋で消す統一感がいい感じです。
★31角成、32龍、32馬と切って捨てる。言われてみればなるほどです。
福原徹彦:角合を取り、角桂変換するのが良い手順ですね。
★角桂変換というのは後からわかります。
山下誠:角合と桂合を経て、不思議なことに最初に桂合をした局面に戻る。
★8手目桂合の変化と同じ局面になります。桂なら詰むが角なら詰まないので、角を桂に換えるのが54角から43桂の捨合でした。
kisy :キーとなる一手が5手目だったので、それっぽい手を探し続けました。盤上の4香配置は途中の桂合で香合を防ぐための配置なんですね。
★4香配置の意味は聞きそびれました。12手目香合でも作意と同様に詰みますので変同を嫌われたものなのか、真意は不明です。
竹中健一:31角成とは面白い手がありますね!結構難しかったです。香の配置が残念な気がしました。
★31角成は先まで読まないとなかなか指せない一手ですね。
金少桂:直感的でない手が多くかなり詰めにくかった。8手目32角合、12手目43桂合が最善なのが驚き。すらすら度40点。
★直感は35龍です。35龍に23玉が詰まないと思うと、31角成も同じように思えて指しにくくなります。
三輪勝昭:腹が立つほどスラスラ展向きじゃない。C以下。これをスラスラ展に投稿してはいけないヨ。
★31角成が難手でしたね。煩雑な変化があるわけではないのですが、すらすら行かないと言われればその通りでした。
有吉弘敏:かなり難解。前半の追い方に戸惑った。収束が決まれば・・。
★むしろ収束の切れ味を問う声がもっと多いのではないかと思っていました。
中出慶一: 「すらすら解ける・・・」とは真逆で、ギクシャクと思考して、変化への読みが必要です。作品は短大で十分通用する内容に仕上がっています。
★本作も前半の素晴らしい攻防は短大でも十分通用する内容かと思います。
☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
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***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
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***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」
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※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<14回目>
【結果発表】<14回目>
ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ
創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠
22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
本日の結果発表の前に、前回結果発表へのコメントをいただいていますので紹介させていただきます。
三輪勝昭:
⑱中村雅哉作で51飛か61龍かの配置の意見を皆さんに聞きたいところと言うのに応えます。
僕は61龍です。
まず、51飛は配置として双方当たり駒になるのが嫌。
61龍なら41金は51飛に当たらない。これがまず一つ。
もう一つは、僕は余詰筋的な紛れが大嫌い。
紛れは味の良い紛れでなければ価値はない。
なので余詰筋的紛れはなしにしたい。
僕なら44桂のようなクソ紛れはいらない。
……これが僕の意見です。
★当り駒の有無というのは好形かどうかの評価ポイントの一つですね。
発表図は5×5に収まった成駒なしの図、それと当り駒なし図のどちらを選ぶか、悩ましいところですね。
☆また⑯奥鳥羽生作について、EOGさんがネットで類似作を紹介されています。
これは次回の結果発表であらためて触れることとします。
それでは結果発表の第12回、中出慶一さんの作品です。
⑲ 中出慶一作

【作意】
26銀、同玉、36金、17玉、14飛、16歩、同飛、同玉、26金、同玉、
35角、37玉、38銀打、28玉、29歩、39玉、17角、48玉、26角、57玉、
35角、48玉、49歩、59玉、68銀、69玉、58銀、同玉、36角まで29手詰。
【正解】
9手目→26金
手数→29手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:1.83、A:3、B:4、C:5、誤解:0、無解:3、無評価:0
【作者のことば】
中段玉を入玉形に追い込み、軽趣向的角追いで玉位置を決め、2角利き筋を生かして詰めを決めます。
★本作は難解作でした。
詰形が見えず上段に追う手が想定外なことや、持駒に金がなく角銀だけでは妙に捕まえにくいといったところが主な要因。
序盤の変化を乗り越えれば後はすらすらかと思ったのですがそうでもなかったようです。
初手は14飛や16銀も有力そうですが、14飛は同玉、25銀、15玉で捕まりませんし、16銀も同玉、14飛、15歩合で逃れます。
ここは26銀と捨てて、3~4筋の攻め駒が凝り形なのでこれをほぐしにかかります。16玉には17銀打から36角で詰んでいます。
26同玉に36金と歩を取ります。27玉と逃げられそうですが38角、28玉、29歩と進めると58飛や14飛の筋があって詰みます。15玉は26銀から38角で簡単。16玉と寄るのは38角で脱出口を塞いでから14飛と取れば、15合も同飛と切り26銀、24玉、25金とすれば37香の利きが通るので、14歩~23銀から詰みます。
17玉と逃げる一手に14飛と取ります。このあたり、余詰筋を追いかけているような感じがします。28玉と潜られそうですが、17角と打てば意外と狭く、29玉、38銀打で捕まっています。
16合しかないのですが、作意は歩合。桂合だと同飛、同玉、26金、同玉に18桂と打てます。以下17玉、39角、16玉に、27銀~26銀~15歩と下段に落として詰みます。
16歩合を同飛と切って、16同玉に26金と待望の捌きです。
16金に17玉が悩ましいのですが、16金と捨て、同玉なら27銀~26銀打~25歩~14歩~31角~12角成として詰みますし、28玉なら17角、37玉、38銀打以下作意と同様に詰みます。
ここまで随分変化が多かったのですが、26同玉に35角と打てば、一転して軽快な手順が始まります。
37玉に38銀打と拠点を築きます。
35と45の二枚角が強力で、玉の逃げ道は限られます。48玉なら49歩、39玉、48銀、28玉、29歩、19玉、46角までですから、28玉と逃げます。
29歩と打ち39玉、17角、48玉、26角、57玉、35角と角の連続活用で包囲網を絞ってゆきます。
48玉と戻ったときに49歩と打てば59玉とギリギリの凌ぎです。
68銀に69玉と逃げて攻めが切れたかに見えますが、そこで58銀と捨て同玉に36角と引けばあっと驚く詰め上がり。
中出慶一:序盤は難しいが、中盤以降は「すらすら解ける・・・」に恥じない軽快手順になります。収束は面白い詰上がり(銀、角利きで銀捨、角引)と思います。
★序盤が難しかったですね。
収束は角で追いまわすのがユーモラス。詰上りも決まっています。
安田恒雄:スラスラの角移動が大変気持ちいい作品なので、序を省いて21手詰にする案(盤面もスッキリします)もありかなと思うのですが、どうでしょうか。皆様のご評価を見て今後の勉強とさせていただきます
★43と53との二枚は減価事項という声もあり、そのようにまとめられた方が本作品展の主旨にあったものが出来たような気がします。
有吉弘敏:難解。下段に追って詰むとは思えなかった。ただ3手目と7手目の駒取りや2枚の自陣成駒はなんとも・・。
★わざわざ難解な序をつける必要があったのかどうか…。
占魚亭:詰み形が見えづらい。舞台が完成してからが楽しかったです。
★意表の詰上り。これを察知するのは至難の業。
山下誠:すらすら解ける作品とはとても言い難い。正解の自信なし。
★前半は一手一手に読みが必要で、なかなかすらすらとはいかなかったようです。
福原徹彦:(難解作ではないのかもしれないが)これはすらすら解けない。
★前半が難解でしたね。
三輪勝昭:これが正解なら9手目は絶対手だが。腹が立つほどスラスラ展向きじゃない。C以下。
★お気持ちはよくわかります。
kisy :上に逃すような手順が多く勇気がいりました。そして16桂合の変化が難しく、本当に正解しているのか自信がありません・・・。
★わざと入玉させるかのような手順は抵抗がありますね。
奥鳥羽生:たまに見られる角銀連携の下段玉詰め。不利感のある手順は良も、テーマ違反でスラスラ度50点。
★変化処理が煩雑な印象を与え、不利感の演出にプラスにならなかったようです。
金少桂:入玉させて角銀で斜め後ろから追い回す手順は見えにくく読みづらい。これで捕まっているのが不思議な感じ。すらすら度25点。
★角銀は詰みには非効率。
則内誠一郎:投稿先が違う。普通に悩ましい。
★選題を誤ったかもしれません…。
竹中健一:これは序が難しいです。今回のテーマのすらすら解ける、には全く該当しない。作品としては素晴らしいと思うのですが…短大に出せば上位になると思うけどなぁ。。。
★短大でも通用するというコメントは作者も嬉しいと思います。
☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
blogsokikaitusin@gmail.com
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上
ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ
創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠
22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
本日の結果発表の前に、前回結果発表へのコメントをいただいていますので紹介させていただきます。
三輪勝昭:
⑱中村雅哉作で51飛か61龍かの配置の意見を皆さんに聞きたいところと言うのに応えます。
僕は61龍です。
まず、51飛は配置として双方当たり駒になるのが嫌。
61龍なら41金は51飛に当たらない。これがまず一つ。
もう一つは、僕は余詰筋的な紛れが大嫌い。
紛れは味の良い紛れでなければ価値はない。
なので余詰筋的紛れはなしにしたい。
僕なら44桂のようなクソ紛れはいらない。
……これが僕の意見です。
★当り駒の有無というのは好形かどうかの評価ポイントの一つですね。
発表図は5×5に収まった成駒なしの図、それと当り駒なし図のどちらを選ぶか、悩ましいところですね。
☆また⑯奥鳥羽生作について、EOGさんがネットで類似作を紹介されています。
これは次回の結果発表であらためて触れることとします。
それでは結果発表の第12回、中出慶一さんの作品です。
⑲ 中出慶一作

【作意】
26銀、同玉、36金、17玉、14飛、16歩、同飛、同玉、26金、同玉、
35角、37玉、38銀打、28玉、29歩、39玉、17角、48玉、26角、57玉、
35角、48玉、49歩、59玉、68銀、69玉、58銀、同玉、36角まで29手詰。
【正解】
9手目→26金
手数→29手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:1.83、A:3、B:4、C:5、誤解:0、無解:3、無評価:0
【作者のことば】
中段玉を入玉形に追い込み、軽趣向的角追いで玉位置を決め、2角利き筋を生かして詰めを決めます。
★本作は難解作でした。
詰形が見えず上段に追う手が想定外なことや、持駒に金がなく角銀だけでは妙に捕まえにくいといったところが主な要因。
序盤の変化を乗り越えれば後はすらすらかと思ったのですがそうでもなかったようです。
初手は14飛や16銀も有力そうですが、14飛は同玉、25銀、15玉で捕まりませんし、16銀も同玉、14飛、15歩合で逃れます。
ここは26銀と捨てて、3~4筋の攻め駒が凝り形なのでこれをほぐしにかかります。16玉には17銀打から36角で詰んでいます。
26同玉に36金と歩を取ります。27玉と逃げられそうですが38角、28玉、29歩と進めると58飛や14飛の筋があって詰みます。15玉は26銀から38角で簡単。16玉と寄るのは38角で脱出口を塞いでから14飛と取れば、15合も同飛と切り26銀、24玉、25金とすれば37香の利きが通るので、14歩~23銀から詰みます。
17玉と逃げる一手に14飛と取ります。このあたり、余詰筋を追いかけているような感じがします。28玉と潜られそうですが、17角と打てば意外と狭く、29玉、38銀打で捕まっています。
16合しかないのですが、作意は歩合。桂合だと同飛、同玉、26金、同玉に18桂と打てます。以下17玉、39角、16玉に、27銀~26銀~15歩と下段に落として詰みます。
16歩合を同飛と切って、16同玉に26金と待望の捌きです。
16金に17玉が悩ましいのですが、16金と捨て、同玉なら27銀~26銀打~25歩~14歩~31角~12角成として詰みますし、28玉なら17角、37玉、38銀打以下作意と同様に詰みます。
ここまで随分変化が多かったのですが、26同玉に35角と打てば、一転して軽快な手順が始まります。
37玉に38銀打と拠点を築きます。
35と45の二枚角が強力で、玉の逃げ道は限られます。48玉なら49歩、39玉、48銀、28玉、29歩、19玉、46角までですから、28玉と逃げます。
29歩と打ち39玉、17角、48玉、26角、57玉、35角と角の連続活用で包囲網を絞ってゆきます。
48玉と戻ったときに49歩と打てば59玉とギリギリの凌ぎです。
68銀に69玉と逃げて攻めが切れたかに見えますが、そこで58銀と捨て同玉に36角と引けばあっと驚く詰め上がり。
中出慶一:序盤は難しいが、中盤以降は「すらすら解ける・・・」に恥じない軽快手順になります。収束は面白い詰上がり(銀、角利きで銀捨、角引)と思います。
★序盤が難しかったですね。
収束は角で追いまわすのがユーモラス。詰上りも決まっています。
安田恒雄:スラスラの角移動が大変気持ちいい作品なので、序を省いて21手詰にする案(盤面もスッキリします)もありかなと思うのですが、どうでしょうか。皆様のご評価を見て今後の勉強とさせていただきます
★43と53との二枚は減価事項という声もあり、そのようにまとめられた方が本作品展の主旨にあったものが出来たような気がします。
有吉弘敏:難解。下段に追って詰むとは思えなかった。ただ3手目と7手目の駒取りや2枚の自陣成駒はなんとも・・。
★わざわざ難解な序をつける必要があったのかどうか…。
占魚亭:詰み形が見えづらい。舞台が完成してからが楽しかったです。
★意表の詰上り。これを察知するのは至難の業。
山下誠:すらすら解ける作品とはとても言い難い。正解の自信なし。
★前半は一手一手に読みが必要で、なかなかすらすらとはいかなかったようです。
福原徹彦:(難解作ではないのかもしれないが)これはすらすら解けない。
★前半が難解でしたね。
三輪勝昭:これが正解なら9手目は絶対手だが。腹が立つほどスラスラ展向きじゃない。C以下。
★お気持ちはよくわかります。
kisy :上に逃すような手順が多く勇気がいりました。そして16桂合の変化が難しく、本当に正解しているのか自信がありません・・・。
★わざと入玉させるかのような手順は抵抗がありますね。
奥鳥羽生:たまに見られる角銀連携の下段玉詰め。不利感のある手順は良も、テーマ違反でスラスラ度50点。
★変化処理が煩雑な印象を与え、不利感の演出にプラスにならなかったようです。
金少桂:入玉させて角銀で斜め後ろから追い回す手順は見えにくく読みづらい。これで捕まっているのが不思議な感じ。すらすら度25点。
★角銀は詰みには非効率。
則内誠一郎:投稿先が違う。普通に悩ましい。
★選題を誤ったかもしれません…。
竹中健一:これは序が難しいです。今回のテーマのすらすら解ける、には全く該当しない。作品としては素晴らしいと思うのですが…短大に出せば上位になると思うけどなぁ。。。
★短大でも通用するというコメントは作者も嬉しいと思います。
☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
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***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
編集部に郵送いただいても結構です。
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」
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※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
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以上
【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ<13回目>
【結果発表】<13回目>
ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ
創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠
22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
それでは結果発表の第13回、本日は二作発表。
一作目は柴田昭彦さんの作品です。
⑰ 柴田昭彦作

【作意】
57飛、37桂打、同飛、同桂不成、38角、17玉、18歩、同玉、19歩、17玉、
29桂、同桂成、18歩、同玉、29金、17玉、18金、同玉、29龍、17玉、
19龍、18合、29桂、まで23手詰
【正解】
4手目→37同桂不成
手数→23手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.30、A:4、B:5、C:1、誤解:1、無解:4、無評価:0
【作者のことば】
どうも詰む将棋みたいですね。
★大ベテラン柴田さんの作品。
昨年盤寿を迎えられた柴田さん、コンスタントに作品を発表される創作意欲には、あらためて敬意を表します。
さて本作、作者のことばに反して誤無解が今回最多の5名を数える結果になりました。
初手38角と打ってしまうと17玉と寄られ、18歩~29金や28金~29龍のような筋はいずれも17玉で打歩詰となります。
57飛と引くのがうまい手です。同桂と取ってくれれば、同龍、37合、同龍~46角で簡単です。
37に合駒するしかありませんが、38角、17玉、18歩、同玉、19歩、17玉に28金と捨て、同玉に29龍とする好手順がありますから、最後の29龍を防ぐため37に桂を打つのが最善です。
37桂打には、同飛と直ちに切って捨てるのが英断の一手。38角と打ちたくなりますが、17玉に37飛としたとき取らずに27歩成の移動合が妙防で詰みません。
37同飛を同玉では46角がありますから45の桂で取るしかないのですが同桂不成と応じるのが好手です。同桂成では、16角、17玉、18歩、同玉、19歩、17玉、29桂まで。29に利かせるための不成です。
そこで攻め方も少しひねって攻める必要があります。
まず38角と打ち、17玉に、単に29桂では18玉で詰まないので、18歩から歩を連打して19歩の拠点をつくってから、17玉に29桂と捨てます。これは同桂成と取る一手。質駒をつくっておいて18歩と突き捨て、39の金を29金から18金と捌きます。これで待望の29龍が実現します。17玉には19龍と回って18合に29桂までの詰み。
福原徹彦:紛れと分かっていても、初手38角から打歩詰の順に誘われます。57飛に気づけば、桂がよく働く好手順でした。
★打歩詰の局面が現れると思わず打開を考えてしまうのが詰キストの性(さが)…。
山下誠:トドメの2九桂を打つまでによく桂馬が飛び交う。
★45桂が二段跳びするのは好印象。
奥鳥羽生:桂合~桂生と歩の連打は手練れの手遊び。微妙なスラスラ度70点。
★歩の連打は、最後に18歩と突いて捨てる手が入ったので味が良い手順になっていますね。
竹中健一:これもすらすら解ける。予想通りの手順でした!
★流石に解答王にはすらすらでした。
kisy:難解作。創棋会で聞いた手順を必死に思い出して、苦戦しながらもなんとか解けました。4手目成ると16角から早く詰むんですね。
★変化にも18~19歩の連打の順が出てきます。
則内誠一郎:桂成の後の収束は好みが分かれる。
★桂を質にするところまでは軽快ですが、取ってからの処理がやや流れました。
三輪勝昭:収束がこれではダメ。
★最後の3手はやや間延びした感があります。
占魚亭:序はいい感じ。収束で失速したかなぁ、という印象。
★もう一枚大駒を捨てることが出来れば良かったのですが。
中出慶一:ながれる手順に、玉方桂不成を組み込んだ軽快作。収束も軽快と言えるも当然の手順であるのが少し弱いでしょうか。
★23手詰で頭4手にウェイトがかかりすぎ、以降は長い収束という印象になってしまいました。
金少桂:29地点が急所で何が何でも利かせる桂打合~桂生が一番の考えどころ。29で普通に清算しようとしても取ってくれないので、それを実現するためのやりくりが面白い。すらすら度50点
★前半の攻防は手ごたえのある応酬、後半は細かい捌きが続く作品でしたが、すらすら度はやや落ちました。
それでは二作目は中村雅哉さんの作品です。
⑱ 中村雅哉作

【作意】
31飛、22玉、14桂、同香、13角、同桂、33飛成、同金、31角、11玉、
12歩、21玉、33桂生、32玉、42角成、22玉、21桂成、同玉、31馬、12玉、
22金まで21手
【正解】
7手目→33飛成
手数→21手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.15、A:4、B:7、C:2、誤解:0、無解:1、無評価:1
【作者のことば】
●およそ40年前、高校2年生の頃に作った作品(未発表)の修正図。
原図は51飛→61龍、41金→とで、15歩がなく3手目34桂以下余詰でした。
実戦ぽい形と手順が取り柄だが、手順が弱すぎて使えないまま塩漬けしていた作品です。
筋に入ればすらすら解けるはずです。
気になるのは初手44桂や3手目34桂の紛れ。ここに引っ掛ると「すらすら」とは言えないかも。
原図のように61龍型なら初手44桂の筋は緩和できるが、構図的には51飛型が好ましい。この点は皆さんの意見を聞きたいところ。
狙いの1手は33飛成。歩を取る俗手でやや指しにくいかも。
★今回の出題は駒数順だったのですが、本作は盤面10枚、持駒4枚ということで18番目の出題となりました。しかし21桂・11香があり成駒のない端正な実戦型である本作は、好形作であることに変わりありません。
金気が無いので詰み形が浮かびませんが、31飛と打ち、22玉に14桂から13角が筋らしい運びです。
13角に11玉は22角打~21飛成で詰みますから同桂の一手。
ここで持駒に歩があれば11角から32飛不成のような手もありそうですが(51飛が利いているのでその筋は詰まないのですが 笑)、それは無いものねだり。33桂成としても同金で続きません。
ここで狙いの一手33飛成が出ます。ここで歩をパクるのは、かなりやりにくい一手です。
しかし同金に31角と打つと俄かに視界が開けます。
11玉に12歩と叩き、21玉にちょっと指しにくい味がありますが33桂生と金を取ります。
最後に21桂成と捌くところはいい感じの収束です。
中出慶一:好形の実戦型で、3、7手目の好手を絡めて手順もきれいに纏まっています。
★すんなり解けた方には好評でした。
kisy:44桂が詰まないとは驚きました。41玉63角には52香合があるんですね。
作意はもちろん紛れも含めて楽しめる作品でした。
★紛れも楽しんでいただければ作者も本望。
金少桂:初手44桂で詰まないのが一番の驚き。第一感を裏切る手が多く、実戦ではとても詰められなさそう。すらすら度30点。
★初手は31飛の一手と思ったのですが筋が悪かった?
44桂は投稿図一杯に詳細な逃れ手順が記されていました。
有吉弘敏:簡素な実戦形ですが難解。3手目34桂などの紛れにかなり魅かれました。
31角は相当不詰感が漂いやりにくかった。
★34桂は同金なら33飛成があるのですが(以下同金、31角から42角成がある)、同歩とされ44角にも33香と受けられると詰みません。
31角はこれしかないのですが、13歩から33桂生と俗に追う筋がパッと見えないと、不安になります。
奥鳥羽生:33飛成が英断、32飛生の筋ではなかった。スラスラ度65点。
★32飛生の筋は考えてみたくなるところ。
安田恒雄:じゃま駒消去の33飛成に続く25桂の2段活用が気持ちいいです。
★25桂が33→21と活用されるのは気持ちの良い捌きです。
三輪勝昭:33飛成は筋と見えてる手だけど、詰将棋の決め手の収束になっていない。手を読む楽しさはあるタイプの作品なので、スラスラ展向きじゃない。
★もう一手捨駒があればというところでしょうか。
竹中健一:33飛成とはなかなか見ない手ですね。初手もちょっと考えてしまいました…
★33飛成は意表をつく一手。
占魚亭:実戦的。
★駒を取る手が入ると、急に実戦らしくなりますね。
則内誠一郎:有段者の実力強化に大変役立つ。
★△分以内に詰んだら▼段。
福原徹彦:実戦型を手筋で詰ませる。狙いの33飛成が指しにくかったです。
★33飛成は14桂、13角という常用手筋の後だけに破調の一手と言えそうです。
山下誠:3三飛成からの実戦的な寄せが印象に残る。
★「寄せ」という言葉がピッタリ。
評価も33飛成に集中しました。
☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
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[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
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[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
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***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」
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以上
ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ
創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、15名の方から解答をいただきました。
解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
有吉弘敏、大西智之、奥鳥羽生、kisy、金少桂、小池正浩、則内誠一郎、竹中健一、
占魚亭、中出慶一、中村雅哉、福原徹彦、三輪勝昭、安田恒雄、山下誠
22問と言う大量出題にもかかわらず、多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
「すらすら解けない!」というお叱りを受ける問題もあったようですが、楽しんでいただける作品も 多かったのではないかと思います。
※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
それでは結果発表の第13回、本日は二作発表。
一作目は柴田昭彦さんの作品です。
⑰ 柴田昭彦作

【作意】
57飛、37桂打、同飛、同桂不成、38角、17玉、18歩、同玉、19歩、17玉、
29桂、同桂成、18歩、同玉、29金、17玉、18金、同玉、29龍、17玉、
19龍、18合、29桂、まで23手詰
【正解】
4手目→37同桂不成
手数→23手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.30、A:4、B:5、C:1、誤解:1、無解:4、無評価:0
【作者のことば】
どうも詰む将棋みたいですね。
★大ベテラン柴田さんの作品。
昨年盤寿を迎えられた柴田さん、コンスタントに作品を発表される創作意欲には、あらためて敬意を表します。
さて本作、作者のことばに反して誤無解が今回最多の5名を数える結果になりました。
初手38角と打ってしまうと17玉と寄られ、18歩~29金や28金~29龍のような筋はいずれも17玉で打歩詰となります。
57飛と引くのがうまい手です。同桂と取ってくれれば、同龍、37合、同龍~46角で簡単です。
37に合駒するしかありませんが、38角、17玉、18歩、同玉、19歩、17玉に28金と捨て、同玉に29龍とする好手順がありますから、最後の29龍を防ぐため37に桂を打つのが最善です。
37桂打には、同飛と直ちに切って捨てるのが英断の一手。38角と打ちたくなりますが、17玉に37飛としたとき取らずに27歩成の移動合が妙防で詰みません。
37同飛を同玉では46角がありますから45の桂で取るしかないのですが同桂不成と応じるのが好手です。同桂成では、16角、17玉、18歩、同玉、19歩、17玉、29桂まで。29に利かせるための不成です。
そこで攻め方も少しひねって攻める必要があります。
まず38角と打ち、17玉に、単に29桂では18玉で詰まないので、18歩から歩を連打して19歩の拠点をつくってから、17玉に29桂と捨てます。これは同桂成と取る一手。質駒をつくっておいて18歩と突き捨て、39の金を29金から18金と捌きます。これで待望の29龍が実現します。17玉には19龍と回って18合に29桂までの詰み。
福原徹彦:紛れと分かっていても、初手38角から打歩詰の順に誘われます。57飛に気づけば、桂がよく働く好手順でした。
★打歩詰の局面が現れると思わず打開を考えてしまうのが詰キストの性(さが)…。
山下誠:トドメの2九桂を打つまでによく桂馬が飛び交う。
★45桂が二段跳びするのは好印象。
奥鳥羽生:桂合~桂生と歩の連打は手練れの手遊び。微妙なスラスラ度70点。
★歩の連打は、最後に18歩と突いて捨てる手が入ったので味が良い手順になっていますね。
竹中健一:これもすらすら解ける。予想通りの手順でした!
★流石に解答王にはすらすらでした。
kisy:難解作。創棋会で聞いた手順を必死に思い出して、苦戦しながらもなんとか解けました。4手目成ると16角から早く詰むんですね。
★変化にも18~19歩の連打の順が出てきます。
則内誠一郎:桂成の後の収束は好みが分かれる。
★桂を質にするところまでは軽快ですが、取ってからの処理がやや流れました。
三輪勝昭:収束がこれではダメ。
★最後の3手はやや間延びした感があります。
占魚亭:序はいい感じ。収束で失速したかなぁ、という印象。
★もう一枚大駒を捨てることが出来れば良かったのですが。
中出慶一:ながれる手順に、玉方桂不成を組み込んだ軽快作。収束も軽快と言えるも当然の手順であるのが少し弱いでしょうか。
★23手詰で頭4手にウェイトがかかりすぎ、以降は長い収束という印象になってしまいました。
金少桂:29地点が急所で何が何でも利かせる桂打合~桂生が一番の考えどころ。29で普通に清算しようとしても取ってくれないので、それを実現するためのやりくりが面白い。すらすら度50点
★前半の攻防は手ごたえのある応酬、後半は細かい捌きが続く作品でしたが、すらすら度はやや落ちました。
それでは二作目は中村雅哉さんの作品です。
⑱ 中村雅哉作

【作意】
31飛、22玉、14桂、同香、13角、同桂、33飛成、同金、31角、11玉、
12歩、21玉、33桂生、32玉、42角成、22玉、21桂成、同玉、31馬、12玉、
22金まで21手
【正解】
7手目→33飛成
手数→21手
【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
平均点:2.15、A:4、B:7、C:2、誤解:0、無解:1、無評価:1
【作者のことば】
●およそ40年前、高校2年生の頃に作った作品(未発表)の修正図。
原図は51飛→61龍、41金→とで、15歩がなく3手目34桂以下余詰でした。
実戦ぽい形と手順が取り柄だが、手順が弱すぎて使えないまま塩漬けしていた作品です。
筋に入ればすらすら解けるはずです。
気になるのは初手44桂や3手目34桂の紛れ。ここに引っ掛ると「すらすら」とは言えないかも。
原図のように61龍型なら初手44桂の筋は緩和できるが、構図的には51飛型が好ましい。この点は皆さんの意見を聞きたいところ。
狙いの1手は33飛成。歩を取る俗手でやや指しにくいかも。
★今回の出題は駒数順だったのですが、本作は盤面10枚、持駒4枚ということで18番目の出題となりました。しかし21桂・11香があり成駒のない端正な実戦型である本作は、好形作であることに変わりありません。
金気が無いので詰み形が浮かびませんが、31飛と打ち、22玉に14桂から13角が筋らしい運びです。
13角に11玉は22角打~21飛成で詰みますから同桂の一手。
ここで持駒に歩があれば11角から32飛不成のような手もありそうですが(51飛が利いているのでその筋は詰まないのですが 笑)、それは無いものねだり。33桂成としても同金で続きません。
ここで狙いの一手33飛成が出ます。ここで歩をパクるのは、かなりやりにくい一手です。
しかし同金に31角と打つと俄かに視界が開けます。
11玉に12歩と叩き、21玉にちょっと指しにくい味がありますが33桂生と金を取ります。
最後に21桂成と捌くところはいい感じの収束です。
中出慶一:好形の実戦型で、3、7手目の好手を絡めて手順もきれいに纏まっています。
★すんなり解けた方には好評でした。
kisy:44桂が詰まないとは驚きました。41玉63角には52香合があるんですね。
作意はもちろん紛れも含めて楽しめる作品でした。
★紛れも楽しんでいただければ作者も本望。
金少桂:初手44桂で詰まないのが一番の驚き。第一感を裏切る手が多く、実戦ではとても詰められなさそう。すらすら度30点。
★初手は31飛の一手と思ったのですが筋が悪かった?
44桂は投稿図一杯に詳細な逃れ手順が記されていました。
有吉弘敏:簡素な実戦形ですが難解。3手目34桂などの紛れにかなり魅かれました。
31角は相当不詰感が漂いやりにくかった。
★34桂は同金なら33飛成があるのですが(以下同金、31角から42角成がある)、同歩とされ44角にも33香と受けられると詰みません。
31角はこれしかないのですが、13歩から33桂生と俗に追う筋がパッと見えないと、不安になります。
奥鳥羽生:33飛成が英断、32飛生の筋ではなかった。スラスラ度65点。
★32飛生の筋は考えてみたくなるところ。
安田恒雄:じゃま駒消去の33飛成に続く25桂の2段活用が気持ちいいです。
★25桂が33→21と活用されるのは気持ちの良い捌きです。
三輪勝昭:33飛成は筋と見えてる手だけど、詰将棋の決め手の収束になっていない。手を読む楽しさはあるタイプの作品なので、スラスラ展向きじゃない。
★もう一手捨駒があればというところでしょうか。
竹中健一:33飛成とはなかなか見ない手ですね。初手もちょっと考えてしまいました…
★33飛成は意表をつく一手。
占魚亭:実戦的。
★駒を取る手が入ると、急に実戦らしくなりますね。
則内誠一郎:有段者の実力強化に大変役立つ。
★△分以内に詰んだら▼段。
福原徹彦:実戦型を手筋で詰ませる。狙いの33飛成が指しにくかったです。
★33飛成は14桂、13角という常用手筋の後だけに破調の一手と言えそうです。
山下誠:3三飛成からの実戦的な寄せが印象に残る。
★「寄せ」という言葉がピッタリ。
評価も33飛成に集中しました。
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***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
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編集部に郵送いただいても結構です。
***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」
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