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<もうすぐ例会~創棋会の次回例会は10月20日>

<もうすぐ例会~創棋会の次回例会は10月20日>
 本日は「すらすら解ける20手台」結果発表を休ませていただき、創棋会の次回課題についての例題紹介をさせていただきます

■「すらすら解ける20手台」PartⅣ
 *出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-287.html
 *結果稿(第一回) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-293.html

■創棋会の次回例会は10月20日です!
 次回例会は、2019年10月20日(日)。13時開始です。
 場所は大阪市港区民センター「楓」です。
 (いつもの福島区民センターではないのでご注意ください。)
 皆さまのご参加をお待ちしております。

■創棋会の次回課題
12月号掲載作品展の課題
・「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」。29手以内。
 打歩詰を巡る手筋は実に多彩です。
 思いつくままに挙げるだけでも、不成、打診、森田手筋、ブルータス手筋、不利逃避、不利合、不利先打等々、さまざまな手筋があります。
 12月号作品展は楽しめるものにしたいと考えておりますので、面白い狙い、ユニークな表現、組み合わせの妙を味わえる作品の投稿をお待ちしています。
 作家の皆さんの腕の見せ所です。奮って投稿ください。
 10月例会で選題します。
   投稿は→ blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)

◇例題紹介
 例題紹介のために、一昨年のブログでも参考にさせていただいた湯村光造さんの「歩詰手筋総まくり」という論考を読み直しています。
   ※この論考は「将棋めいと」13号(1992年7月)から19号(1995年11月)まで連載されました
 この論考で取り上げられている作品についても、自分なりに鑑賞しなおして、紹介させていただきます。
 それ以外にも、手元の詰棋書を眺めていて、面白いと思ったものは随時紹介させていただきます。
 なお湯村さんの論考が契機となり「打歩詰大賞」が創設されました。同大賞の作品群はブログ「借り猫かも」で詳細に紹介されています。
    http://torakamaneko.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-d497.html

 さて、それでは例題紹介です。管理人が面白いと感じた作品をご覧ください。

伊藤看寿作 宝暦5年(1755年) 『将棋図巧』第68番
図巧68

 1筋の龍と飛車を活用したいところ。
 俗だが、48銀、29玉、28金打、同馬、同金と19の馬を奪う。
 28同玉となったところで、18飛と一歩入手する手が見えますが、27玉となると、たちまち打歩詰。

<失敗図>27玉
図巧68_失敗図

 ここで17飛、同成銀、36馬としても28玉で逃れ。
 28地点を塞ぎたいのですが、どうすれば良いのでしょうか。
 素晴らしい手がありました。
 19角と打つのです。

<1図>7手目:19角
図巧68_19角

 19角を同玉なら、18飛、29玉、19飛、28玉に29歩と打って、27玉のとき17飛と捨てれば、同成銀に36馬には同玉の一手となり、25龍から収束に入れます。
 また19角に29玉は26龍と成銀を取れるので、19玉(27合は同飛以下)、28銀、29玉、39銀右と開き王手して詰みます。
 19角には同歩成が最善です。
 19にと金が出来ました。
 29歩と打ちます。同玉なら19飛があるので、同と と応じます。
 これで19飛と引き27玉となった局面が次図。

<2図>12手目:27玉
図巧68_27玉

 失敗図では28歩が打歩詰でしたが、今度は29にと金があります。
 これで28歩と打つことが出来ます。
 ただで取れる18歩を取らず、19角の妙手でと金を作らせて、そのと金を29まで運んできたわけです。
 28歩、同とで28を塞ぐことに成功。
 これで切り札の17飛が指せます。
 同成銀と取らせて、36馬と捨てます。
 同玉の一手に25龍と寄り、47歩、同桂成に55龍と切って、同玉に56金までの都詰。

 駒を成らせて取歩駒にし、打歩詰を打開する、というのは常套手段ですが、本作ではタダで取れる駒を成らせる、しかもそれを19角という妙手で実現したところが、素晴らしい作品です。

【詰手順】48銀、29玉、28金打、同馬、同金、同玉、19角(1図)、同歩成、
   29歩、同と、18飛、27玉(2図)、28歩、同と、17飛、同成銀、
   36馬、同玉、25龍、46玉、47歩、同桂成、55龍、同玉、56金まで25手
      ※この詰手順は門脇芳雄氏の「詰むや詰まざるや」から引用。
       同書によれば「文政版」では収束55龍に36玉の27手が採用されているとのこと。


髙橋和男作 詰パラ1979年3月 『現代詰将棋中編名作選』第10番
髙橋作現中10

 38龍の睨みがあるので17玉と潜り込まれても大丈夫そうです。
 まず35銀と行きます。25玉なら、36龍、15玉、24銀、同玉、35龍と龍を活用して簡単に詰みます。
 15玉とかわせば、24銀と押し売り。取れば35龍があるので、26玉と元の場所に戻ります。
 ここで36飛と打ちたくなります。
 25玉に17桂と打つのが狙いです。
 同香成なら、35飛、24玉、16桂、同成香、34銀成、14玉、15歩、同成香、24成銀、同玉、34飛、23玉、24飛、同玉、34龍と、きれいに詰みます。
 しかし17桂には24玉と逃げ、34銀成にも15玉と香の裏に潜り込まれると、どうしても詰みません。
 26玉には18桂と打つのが大事な一手です。

<1図>5手目:18桂
髙橋作現中10_18桂

 逃げるわけにはいかないので取る一手。
 ちょっと洒落て同香不成とすると、36飛、25玉、16桂と打たれ、同成香と取れません。
 同となら26飛から36龍で決まりますし、24玉なら34銀成、15玉(14玉なら16飛から24成銀~34龍)に16歩と打てるので、14玉、24成銀、同玉、34飛、23玉、24飛、同玉、34龍と気持ちよく詰みます。
 18桂には同香成と応じるしかない。
 36飛と打って、17玉なら29桂、同成香、18歩、同と、37飛と引けば詰む。
 しかし、25玉とされると、17桂、同成香、35飛、24玉、34銀成、14玉で打歩詰。
 実は、18同香成のとき、一間離して46飛と打つのが巧打。
 25玉には35龍があるので、36に捨合して龍飛の働きをダブらせておくのが好防。
 しかし頭に利く駒は後に16や15に打たれてしまうので、頭の丸い桂が絶対。
 36桂を同龍は17玉から脱出されるので、同飛と応じるしかありません。
 しかしこれで一枚桂を入手できました。
 36桂、同飛、25玉のとき、17桂が好手。

<2図>11手目:17桂
髙橋作現中10_17桂

 同とは26飛があるので、同成香。
 35飛、24玉でもう一度、16桂と打ちます。

<3図>15手目:16桂
髙橋作現中10_16桂

 23玉と逃げれば、25飛、同桂、34龍、22玉、32歩成、11玉、21との好変化がありますので、同成香と取ります。
 34銀成、14玉となった局面は、成香を移動させた効果で、15歩が打てます。
 同成香に24成銀と捨て、同玉に34飛、23玉、24飛と飛車を捌いて、同玉に34龍までの詰みとなりました。
 初形の16香を18桂で成らせた後、17、16と桂捨てで移動させて打歩詰を打開するのですが、楽しい手順で表現された好作です。

【詰手順】35銀、15玉、24銀、26玉、18桂(1図)、同香成、46飛、36桂
   同飛、25玉、17桂(2図)、同成香、35飛、24玉、16桂(3図)、同成香、
   34銀成、14玉、15歩、同成香、24成銀、同玉、34飛、23玉、
   24飛、同玉、34龍まで27手詰
     ※5手目と7手目、手順前後のキズがあります。


柏川悦夫作 近代将棋1992年6月(塚田賞、『現代詰将棋短編名作選』第181番)
柏川悦夫作_現短181

 例題紹介の最後は巨匠柏川さんの作品。
 23銀と捨てる筋が見えますが同馬と取られてしまいます。
 軽く26桂と捨て同銀と取らせます。
 24飛と捨て、同玉に33馬と入れば、14玉に17香と一歩入手。
 同桂成なら15歩で簡単ですから、26桂を防ぎながら同銀不成と応じるのが好手。
 そこで26桂と捨てて、同銀不成と呼び戻せば15歩と打てて、同銀に23馬までというのが一連の読み筋。
 ところが、最後の26桂を同銀成と取られて困りました(失敗図)。

<失敗図:26同銀成まで>
柏川作_現短181_失敗図

 こうなると打歩詰。
 18龍も同馬なら23銀で詰むのですが、取らずに17歩合で手が続きません。
 不成で打歩詰に誘致する筋はたくさんありますが、成って打歩詰に誘致するというのは珍しい手順。
 飛角桂香歩は成らせて打歩詰を打開することが出来たのですが、銀だけが成ることで打歩詰に誘致することが出来るという非常に珍しい手筋です。
 そこで攻め方も工夫します。
 初手から26桂、同銀、24飛、同玉と進めたとき、35龍とタダ捨てするのが妙手。

<1図>5手目:35龍
柏川作_現短181_35龍

 攻め方の利きが無く、玉方は馬と銀が利いているところに、飛び込むのは大変爽快。
 同馬なら馬の利き筋がそれるので、33馬から23銀不成があります。
 もちろん同玉は45馬から33角、23銀で詰み。
 35龍には同銀と応じるしかありません。
 そこで33馬と入り、14玉に17香と歩を入手。
 この辺までは失敗図に向かう手順と大きく変わらないように思います。
 しかし今度は26の銀が35にいますから、17香は同桂成と取るしかありません。
 先ほどと同じように、26桂と打ちます。

<2図>11手目:26桂
柏川作_現短181_26桂

 同銀と取る一手ですね。
 しかし銀は35にいますから成れません。
 失敗図では銀は17にいたので、同銀成と応じることが出来たのですが、今度はそれが出来ません。
 35龍の妙手で銀を35に呼んだ効果がここで現れました。
 35同銀に15歩が打てますから、同銀と取らせて、23馬までの詰み。

 玉方は「銀は成ることで打歩詰に誘致できる」という珍しい手筋で逃れ順を用意しますが、攻め方は、35龍という豪快な捨駒で、「銀を成・不成の選択が出来ない地点に移動させて打歩詰を回避する」という構想を実現した素晴らしい作品です。

【詰手順】26桂、同銀、24飛、同玉、35龍(1図)、同銀、33馬、14玉、
    17香、同桂成、26桂(2図)、同銀、15歩、同銀、23馬まで15手詰


■創棋会の今後の予定
 ※10月と11月は会場が異なりますのでご注意ください。
***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2019年10月20日(日)13時~
[場所]  大阪市港区民センター 楓
  〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
     アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
[会費]  無料
[課題] 12月号作品展「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」29手以内

***【次々回例会】*********************************************** 
[日時] 2019年12月15日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 304号
  〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
     アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費]  無料
[課題] 3月号作品展「捌きを楽しむ作品」29手以内
****************************************************** 

★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
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創棋会の次回課題は「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」

<創棋会の次回課題は「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」>
 本日は「すらすら解ける20手台」結果発表を休ませていただき、創棋会の次回課題についての例題紹介をさせていただきます

■「すらすら解ける20手台」PartⅣ
 *出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-287.html
 *結果稿(第一回) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-293.html

■創棋会の次回課題
☆12月号掲載作品展の課題
・「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」。29手以内。
 打歩詰を巡る手筋は実に多彩です。
 思いつくままに挙げるだけでも、不成、打診、森田手筋、ブルータス手筋、不利逃避、不利合、不利先打等々、さまざまな手筋があります。
 12月号作品展は楽しめるものにしたいと考えておりますので、面白い狙い、ユニークな表現、組み合わせの妙を味わえる作品の投稿をお待ちしています。
 作家の皆さんの腕の見せ所です。奮って投稿ください。
 10月例会で選題します。
   投稿は→ blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)

◇例題紹介
 例題紹介のために、一昨年のブログでも参考にさせていただいた湯村光造さんの「歩詰手筋総まくり」という論考を読み直しています。
  ※この論考は「将棋めいと」13号(1992年7月)から19号(1995年11月)まで連載されました
 この論考で取り上げられている作品についても、自分なりに鑑賞しなおして、紹介させていただきます。
 それ以外にも、手元の詰棋書を眺めていて、面白いと思ったものは随時紹介させていただきます。
 なお湯村さんの論考が契機となり「打歩詰大賞」が創設されました。同大賞の作品群はブログ「借り猫かも」で詳細に紹介されています。
    http://torakamaneko.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-d497.html

 さて、それでは例題紹介です。管理人が面白いと感じた作品をご覧ください。

OT松田作 近代将棋1975年6月、塚田賞
OT松田

 45においしい金が落ちています。
 45馬と取れば詰みそうな形です。
 53玉は63金まで、54合も61飛から64金です。
 74玉には71飛成と迫り、65玉(73合は同龍、同玉、64金以下)とかわせば、66歩、同玉、56金、67玉と追って62龍とすれば、66歩合、68歩、76玉、54馬まできれいに詰みます。
 しかし、手順中62龍に、65歩と中合する妙防がありました。

<失敗図:65歩>
OT松田_失敗図

 65同龍と取ると、そこで66歩合とされて打歩詰。
 ここまでは必然だったような気がするのですが…。
 実は導入部で65歩合を防ぐ好手順がありました。
 まず61飛成とします。
 62合の一手ですが、歩以外の駒は45馬以下の手順で62龍と取る手があるので、ここは62歩が最善です。

<1図>2手目:62歩
OT松田_62歩

 61飛成、62歩を入れてから、45馬と金を取ります。
 以下は、74玉、72龍、65玉、66歩、同玉、56金と追っていきます。
 67玉となったところで打歩詰。
 ここで62龍と歩を取ると、65歩と中合いされて詰みません。
 63龍と歩頭に捨てるのが強烈な一手です。

<2図>11手目:63龍
OT松田_63龍

 今度は62に歩があるので、65歩の中合が利きません。二歩禁を利用した巧妙な打歩詰打開です。
 65歩合が利かなければ同歩と取るしかありません。
 これで68歩が打てました。以下、76玉に54馬として詰みとなります。

 歩合をさせて二歩禁に誘導するだけでなく、歩頭に龍を捨てる妙手と組み合わせたところが、本局の価値を高めています。
 みごと塚田賞に輝きました。

【詰手順】61飛成、62歩(1図)、45馬、74玉、72龍、65玉、66歩、同玉、
   56金、67玉、63龍(2図)、同歩、68歩、76玉、54馬、75玉、65馬まで19手


伊藤看寿作 宝暦5年(1755年) 『将棋図巧』第52番
図巧52

 46銀から龍を交換して42飛とする手が見えています。
 しかしいきなりでは、46銀、同龍、同龍のとき同桂と取られて詰みません。
 38の地点を塞いでおかないといけないのです。
 38X、同と としたいわけです。
 うまい具合に28にと金があります。これを奪うと一歩入手できます。
 28馬、同歩成、38歩、同と と進むと順調なのですが、28馬には同歩不成と応じられて打歩詰です。

<失敗図>28同歩不成
図巧52失敗図

 そこで攻め方も一工夫。
 まず29桂と打ちます。
 これは同との一手。
 そこで19馬と引くのです。

<3手目:19馬>
図巧52_19馬

 19馬を同と と取るのは、36金と捨てるのが巧い手で、同龍と取らせて39龍とすれば38合に49桂までの詰み。
 ということで19馬は取れないので28合の一手です。
 金銀は簡単。桂は打てません。
 香合は、同馬、同歩不成と応じても、38香と打てます。同歩成なら作意同様に38香、同と として詰みます。
 28と と引くのも、同馬なら同歩不成という意味ですが、29桂の一発。
 28に歩が打てれば、というのは無理な話なので、28歩成とします。
 同馬と取れば同との一手。
 これで28にと金を残せたので、ようやく38歩と打つことが出来ました。
 初形から28馬と一歩入手するのは同歩不成で打歩詰になるので、わざわざ29桂、同とと と金を移動させてから19馬と捨て、28歩成とさせて、同馬、同と と、一歩入手して初形の28とを残すというのは、絶妙の手順です。

 ここからあとは収束ですが、きれいに捌いていきます。
 まず46銀と捨てます。
 同龍、同龍と交換して、42飛と打ちます。
 56玉に67金と活用し、55玉には47桂と捌き、54玉に46桂と捨てます。
 同桂と取らせて、45飛成が気持ちの良い決め手。
 同玉に、35金から44金と、26金と17角が働いて詰み。

 46銀が5手目でも7手目でもよい手順前後のキズがありますが、取れる駒を取らずに29桂から19馬とするのは、絶妙の手順でした。

【詰手順】29桂、同と、19馬(図)、28歩成、同馬、同と、38歩、同と、
   46銀、同龍、同龍、同玉、42飛、56玉、67金、55玉、
   47桂、54玉、46桂、同桂、45飛成、同玉、35金、54玉、44金まで25手詰


山田修司作 「不利逃避」 近代将棋1963年2月
(塚田賞、『夢の華』第40番、『古今中編詰将棋名作選』第84番)
山田「不利逃避」

 55桂が見えています。同銀なら53馬がありますが、42玉とされると、41桂成、33玉、34銀打、24玉で脱出モード。
 初手は34銀と打って同飛と取らせておくのが上手い手です。
 もちろん同飛、同銀のような手は54玉でダメですから、同飛に55桂と打ちます。
 42玉と逃げる一手に41桂成とすれば33玉と逃げるしかなく、狙い通りに34銀と飛車を入手することに成功。
 24玉に25飛と打てば14玉と寄る一手。
 しかし追い込んでみたものの、14玉(失敗図)となった局面は打歩詰。

<失敗図:14玉まで>
山田「不利逃避」失敗図

 そこで攻め方は少し工夫します。
 34銀打、同飛、55桂、42玉の局面で、51馬と捨てます。
 同角と取らせておいて、41桂成、33玉、34銀、24玉、25飛、14玉(変化図)と進めると、遠く51の角が15に利いているので、今度は15歩が打歩詰にならないというわけです。
 51馬が取歩駒を移動させる好手筋でした。

<変化図:14玉まで>
山田「不利逃避」変化図14玉

 14玉(変化図)となれば、15歩、同角、23飛成、同桂(金)、25銀まで、邪魔な飛車を捨ててキレイに詰みます。
 しかし本作は、それで終わりではありませんでした。
 34銀打、同飛、55桂、42玉、51馬、同角、41桂成のとき、52玉と寄る手があるのです。

<1図>8手目:52玉
山田「不利逃避」8t52玉

 52玉には51成桂と角をタダで取られてしまうので、まったく意味がないように思えますが、42玉、41成桂、33玉、34銀、24玉、25飛、14玉(2図)まで進むと、ようやくその意味が分かりました。

<2図>16手目:14玉
山田「不利逃避」16t14玉

 2図では変化図に存在した51角がありません。
 そのため2図は打歩詰になっています。
 52玉は、角を取らせることによって、打歩詰に誘導しようという、非常に高級な手筋です。
 駒を一枚損してしまうのが不利に見えることから、この手筋は「不利逃避」と呼ばれています。
 2図は打歩詰で15歩と打てませんが、持駒に角があります。
 まず23角と打ちます。
 同金は、同飛成から25金ですから、同桂と取るしかありませんが、これで15歩と打つことが出来ます。
 15歩、同桂に23飛成が決め手。
 同金に25銀までの詰み。

 不利逃避の一号局で、塚田賞を受賞されました。

【詰手順】34銀打、同飛、55桂、42玉、51馬、同角、41桂成、52玉(1図)、
   51成桂、42玉、41成桂、33玉、34銀、24玉、25飛、14玉(2図)、
   23角、同桂、15歩、同桂、23飛成、同金、25銀まで23手詰


■創棋会の今後の予定
 ※10月と11月は会場が異なりますのでご注意ください
***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2019年10月20日(日)13時~
[場所]  大阪市港区民センター 楓
  〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
     アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
[会費]  無料
[課題] 12月号作品展「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」29手以内

***【次々回例会】*********************************************** 
[日時] 2019年12月15日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 304号
  〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
     アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費]  無料
[課題] 3月号作品展「捌きを楽しむ作品」29手以内
****************************************************** 

★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
以上

詰パラ10月号到着

<詰パラ10月号到着>
 本日は「すらすら解ける20手台」結果発表を休ませていただき、詰パラ10月号の紹介と、創棋会の次回課題についての例題紹介をさせていただきます

■「すらすら解ける20手台」PartⅣ
  *出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-287.html
  *結果稿(第一回) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-293.html

■詰パラ10月号到着
・表紙は角建逸さん。好形作の多い同氏が、26年ぶり2回目の登場というのはちょっと意外ですが、専門フィールドが中編だからなのでしょうか。
 夕刊フジの連載はさぞかし大変なことと思います。
・詰棋校(12P~)。
 小学校:消費税は学生の懐も直撃…。
   期末ではないのですが、骨のある作品とのこと。
 中学校:臨時中学とのダブル開催!
   作家にとっては発表の場が増えるのはありがたいことです。
   難解作は他の月に回したとのことで、配慮が行き届いてますね。
 高校:小と同じく『詰将棋の秋』で力作揃いとのこと。
 短大:何やら持駒の多い作品が2作…。
   太刀岡さんを担当に推挙されたのは石黒さんでしたか。社団戦に看寿賞にと多方面のご活躍に敬意を表します。
 大学:9月末ともなると結構過ごしやすいですね。
   問題が比較的易しめというのは嬉しい?
 大学院:秋の夜長に相応しい長手数の問題!
   院7は簡単だが見たことのない趣向とのこと、何が飛び出すのでしょうか。
 臨時中学校:結構な顔ぶれですね。解いてみようと思わせる図が揃ってます!
・会合作品展(19~21P)。たま研に、四国、九州。いずれも盛会で結構なことです。
  たま研のテーマはスイッチバック。それにしても錚々たるメンバーが参加されたものですね。
  詰四会は最近ご無沙汰です…。
  九州Gは選題の言葉も要チェックです(笑)。
・全詰連の頁(22P~)。書籍部から消費税関連の情報。送料にも影響が出ます。
  新刊紹介は山田渉太編『岳麓』。“編”というのが良心的な内容を表しています。
  タイトルから「たどりきて、未だ山麓」という言葉を思い出しました。升田九段のセリフでしたか。
・半期賞(24P~)。山路さんが中学・高校・大学の3校で受賞。昨年上半期に続く3部門受賞の快挙!
  大学院は相馬康幸さん。まだ4回目なのかと思いました。
  水谷さんは最後の選考。お疲れ様でした。
・短コン募集(31P~)。今年は予想通り9手詰です。年に一度、創作意欲の高まるイベントです(笑)。
  ところでこの時期には例年ネット界で裏短コンが開催されるのですが今年は?
・持駒のある風景(32P~)。将棋ソフト「励棋」の話。
  柿木が普及するまではこのソフトしかなかったのでしたか。
  PCを初購入した頃にカタログを取り寄せた記憶があります…。
・おもちゃ箱だより(34P~)。並べて楽しい軌跡曲詰。これは楽しい趣向作!
・ちえのわ雑文集(36P~)。「長編の普及を願って」。進藤伐斗さんとはどなたのペンネームなのでしょうか?
 「長編は答えを見るだけでも良さが分かる」「長編創作の近道は“はがし趣向”の理解」など肯けるフレーズに溢れた一文でした。
・名局ライブラリー(38P~)。昨年10月号では平成26年の作品が、そして1年経った今月号では平成27年の作品が紹介されています(笑)。時の流れがこのコーナーだけゆっくりと進んでいるような…。
・象棊手引草(38P~)。金子さんの労作。古図式の調査研究には常人の想像を超える根気や情熱が必要だと思います。
・社団戦3日目(46P~)。10勝2敗の好成績で首位をキープ。
  東大いりえのメンバー、管理人が関西の大学将棋部に在籍していた頃の懐かしの顔ぶれ。今でも皆さんお強いのですね。
・サロン(52P~)。沖縄の詰将棋イベント!近ければ参加したいのですが…。
  新ケ江さんの結果報告を楽しみにしています。
・会合案内(53P~)。 8月は会合があちらこちらで。詰工房、香龍会、詰四会、九州Gに創棋会
  今月の創棋会は10月20日(日)の開催です。多くの方のご参加をお待ちしています。
・編集室(104P~)。須藤さんの40肩に関する記載。管理人も、50肩(笑)を左右を一度ずつ経験。いや不便なものです。
  短コンの案内は31Pです(重箱の隅)。
  今月号から本体価格が648円→636円に変わりました。これも消費税の影響ですが、値下げは粋なはからい。


■創棋会の次回課題
☆12月号掲載作品展の課題
・「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」。29手以内。
 打歩詰を巡る手筋は実に多彩です。
 思いつくままに挙げるだけでも、不成、打診、森田手筋、ブルータス手筋、不利逃避、不利合、不利先打等々、さまざまな手筋があります。
 12月号作品展は楽しめるものにしたいと考えておりますので、面白い狙い、ユニークな表現、組み合わせの妙を味わえる作品の投稿をお待ちしています。
 作家の皆さんの腕の見せ所です。奮って投稿ください。
 10月例会で選題します。
 投稿は→ blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)

◇例題紹介
 例題紹介のために、一昨年のブログでも参考にさせていただいた湯村光造さんの「歩詰手筋総まくり」という論考を読み直しています。
  ※この論考は「将棋めいと」13号(1992年7月)から19号(1995年11月)まで連載されました
 この論考で取り上げられている作品についても、自分なりに鑑賞しなおして、紹介させていただきます。
 それ以外にも、手元の詰棋書を眺めていて、面白いと思ったものは随時紹介させていただきます。
 なお湯村さんの論考が契機となり「打歩詰大賞」が創設されました。同大賞の作品群はブログ「借り猫かも」で詳細に紹介されています。
    http://torakamaneko.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-d497.html

 さて、それでは例題紹介です。管理人が面白いと感じた作品をご覧ください。

伊藤看寿作 宝暦5年(1755年) 『将棋図巧』第38番
図巧38

 56から47に脱出路が見えているので23角と打ちます。
 55玉と寄られていきなり打歩詰の局面です。
 取歩駒を発生させるか、攻め方の勢力を弱めるか、方針を決めないといけません。
 35龍と銀を取るのが、攻め方の勢力減少と手駒の補充を図って有力そうですが、それは同角成とされ、56歩、44玉で困ります。
 ここは46銀と捨てるのが好手。

<3手目:46銀>
図巧38_46銀

 同角成と取れば、56歩が打てます。同馬に35龍と銀を取り、45歩合、46銀、同馬、同龍、同歩(44玉には34角成から35角)、66角ときれいに詰みます。
 また同角不成なら、35龍、同角、56歩、44玉に、今度は34角成があります。
 46銀は、まるで57角の成生を打診するような一手ですが、角で取るのはいずれも簡単なので最善は同銀。
 そこで35龍と捨てるのが妙手。

<5手目:35龍>
図巧38_35竜

 取れる駒を取らずに、その駒を動かした跡にタダ捨てをするとは、何と素晴らしい一手でしょう。
 45合は同角成から65飛成があるので同銀の一手。
 これで2手目の局面から、原形のまま24龍が消えました。
 攻め方の勢力が減ったので56歩と打つことが出来ます。
 56歩以下は、44玉に34角成、53玉、52馬で香を1枚入手。
 44玉には取った香を45に捨てるのが絶好の一手。
 同玉は34馬があるので、同と と取るしかありません。
 玉の横っ腹が開いたので、64飛成と攻めの継続を図ります。
 54合は34馬までなので、33玉と逃げる一手ですが、34龍、22玉と追ったとき、23龍と捨てるのが好手。
 同玉に、34馬と引けば、22玉に14桂の跳ね出しが気持ちの良い一手。
 以下、11歩成から33馬と入って詰み。

 46銀から35龍という妙手順で24龍を原形消去して打歩詰を打開する好作。

【詰手順】23角、55玉、46銀、同銀、35龍、同銀、56歩、44玉、
   34角成、53玉、52馬、44玉、45香、同と、64飛成、33玉、
   34龍、22玉、23龍、同玉、34馬、22玉、14桂、21玉、
   11歩成、同玉、33馬、12玉、22馬まで29手詰


小峯秀夫作 近代将棋1962年11月(「古今中編詰将棋名作選」第82番)
小峯秀夫196211

 初手は筋良く12銀としたい形。
 31玉なら、32歩、同玉、23銀成、同桂、22金、42玉、45飛、同桂、43歩、33玉、44角成と手数はかかるが平凡に追って詰むので、同玉と取ります。
 23角成と金を取って、同玉に22金と決め、14玉に74飛で合駒を訊けば、玉は風前の灯火。
 頭に利く駒は同飛から15に打って簡単。桂も26桂があります。
 しかし44角合とされると、同飛、同と となった局面は、打歩詰。
 32角と打っても23歩合、同角、同桂、15歩、同桂と打歩詰は打開できますが、これ以上続きません。

<失敗図:44角合>
小峯秀夫196211_失敗図

この打歩詰を打開するために巧妙な事前工作を行います。
まず22歩と打ちます。
同金なら、同桂成、同玉、23歩、同桂、同角成と清算して15桂で詰み。
32玉も、23角成、同玉、34金、32玉、33金、同玉、34銀打以下の詰み。
31玉と寄るのが最善ですが、53角成と捨て、同歩と取らせておくのが妙手順。
21歩成、同玉に狙いの12銀ですが、同玉のときに72飛成と出来るのが、53角捨ての効果。
42香合のような受けでは、同龍と取られ、以下23角成、同玉、22金、14玉のとき15香と打たれて詰むので、42角合(1図)の一手。

<1図>10手目:42角合
小峯秀夫196211_42角

 42角合を取っても詰まないので、23角成から22金、14玉まで進めて、74飛成と合駒を訊きます。
 これには54角合と受けて、打歩詰に逃れるのが最善の受け。
 何やら失敗図とよく似た雰囲気です。
 失敗図と違うのは42に玉方の角があることです。
 よく見ると42角は遠く15にも利きそうですが、33桂が邪魔しています。
 それに気づけば、もう一息で解けます。
 54同龍と角を取り、同とに25角と捨てるのが好手。
 25同桂と取らせた局面(2図)は42角の利きが15まで通りました

<2図>20手目:25同桂
小峯秀夫196211_25桂

 ここまでくれば簡単です。
 15歩、同角、同銀と清算して、33角から24角成の詰み。

 本作は取歩駒42角を発生させ、その利きを遮断している駒33桂を動かすという、複数の手筋を組み合わせた構想作。

【詰手順】22歩、31玉、53角成、同歩、21歩成、同玉、12銀、同玉、
   72飛成、42角(1図)、23角成、同玉、22金、14玉、74龍、54角
   同龍、同歩、25角、同桂(2図)、15歩、同角、同銀、同玉、
   33角、14玉、24角成まで27手詰


岡本真一郎作 近代将棋1992年5月(塚田賞、『競馬式』第85番)
岡本真一郎85番

 17歩、27玉となると打歩詰。
 そこで26金、17玉、25金と、金を繰り替えます。
 27玉なら63角不成、54歩合、28歩、37玉、67飛、46玉、47歩以下。
 26歩の捨合には18歩、27玉、26金、37玉、67飛、46玉、47歩、45玉、63角成以下。
 16玉が最善ですが、17歩と打って、27玉と逃げます。

<1図>6手目:27玉
岡本真一郎85番_27玉

 ここで63角成とすれば簡単そうに見えます。
 37玉と寄れば、67飛と引き、57歩の捨合の好防にも、38金、46玉と追って、打歩詰になりますが、35角と捨てるのが好手で、同歩に47歩で詰みます。
 しかし、63角成には54歩と捨合するのが受けの妙手。54同馬と取らされてしまうと、37玉、67飛から38金、46玉(失敗図)まで進んで、これは打歩詰。

<失敗図>46玉
岡本真一郎85番失敗図

 54歩合という好防に対応するために1図では63角不成とするのが好手。
 これなら54歩合も同角不成と取れます。
 37玉、67飛、57歩、38金、46玉まで進めると、失敗図の54馬が角になっていますから、今度は35角捨てが利いて、同歩に47歩が打てます。
 しかしこれでは終わりません。
 54歩、同角不成のとき、45桂と跳ねる妙手があるのです。
 同角とタダで取れますが、37玉、67飛、57歩、38金、46玉と進み、47歩が打てるものの、45玉と角を取られ、37桂、44玉、54金と追えるのですが、桂跳ねの効果で33玉と脱出されてしまいます。
 そこで取らずに、28歩、37玉、67飛と追いますが、平凡な57歩合は38金、46玉、47歩、36玉、26金まで。
 67飛には57桂不成と移動合するのが、アクロバティックな受けの妙手。

<2図>14手目:57桂不成
岡本真一郎85番_57桂

 同飛とは取れないので38金、46玉と進めますが、45の桂が動いたので47歩は打歩詰。
 もちろん57桂成なら47歩と打てますから不成が絶対。
 57桂不成は、47への利きを無くすとともに、54角の利きを通して、打歩詰に誘致するという一石二鳥の妙手防でした。
 しかしここからは学習済みの好手筋があります。
 35角とすてれば同歩に47歩が打てます。
 55玉には65飛と活用して、44玉に43角成までの詰み。

 54歩の打診中合と、桂馬の移動合、移動不成中合という妙技が飛び出す、素晴らしい作品で、塚田賞を獲得されました。

【詰手順】26金、17玉、25金、16玉、17歩、27玉(1図)、63角不成、54歩
   同角不成、45桂、28歩、37玉、67飛、57桂不成(2図)、38金、46玉、
   35角、同歩、47歩、55玉、65飛、44玉、43角成まで23手詰


■創棋会の今後の予定
 ※10月と11月は会場が異なりますのでご注意ください
***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2019年10月20日(日)13時~
[場所]  大阪市港区民センター 楓
  〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
    アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
[会費]  無料
[課題] 12月号作品展「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」29手以内

***【次々回例会】*********************************************** 
[日時] 2019年12月15日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 304号
  〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
    アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費]  無料
[課題] 3月号作品展「捌きを楽しむ作品」29手以内
****************************************************** 

★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
以上


締切迫る!ネット作品展「すらすら解ける20手台partⅣ」解答締切は9月19日

締切迫る!ネット作品展「すらすら解ける20手台partⅣ」
 解答締切は9月19日


★☆★ネット作品展解答募集中★☆★
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅣ、おかげさまで20作と多数の作品が揃いました。
 投稿下さった作家の皆様、ありがとうございました。
 今回出題させていただいた作品は、次の20名の方々から投稿いただいたものです。
 あらためて感謝申し上げます。
   有吉弘敏、有山隆、石川和彦、片山智之、kisy一族、則内誠一郎、中出慶一、金少桂、
   西村章、ぬ、野曽原直之、野々村禎彦、廣瀬崇幹、松田圭市、松本浩一、三輪勝昭、
   RINTARO、山路大輔、山本勝士、吉松智明
    (敬称略、作品順ではありません)。

 文字通り「すらすら解ける」作品が揃っていますので、多くの方からの解答をお待ちしています。
 短評は原則としてすべて掲載させていただく予定です。
 また解答者の中から若干名に呈賞の予定です。
 1問でも解けた方、遠慮なさらずに解答をお願いします。
 20手台の作品20作に全手順記載は大変かと思いますので、解答記載方法は簡単にしています。
 暗算で解けるもの、筋に入れば一気に詰ませることのできるもの、きれいな手順のものなど、解けば気持ちの良い作品が揃っていますので、多くの皆さんからの解答をお待ちしています。

◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
解答締切:9/19(木)
◇解答要領:
・「キーとなる一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです)
  ※キーとなる一手は問題ごとに設定しています。
・評価:ABC評価をお願いします。
  ※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
・短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、さまざまな角度からのコメントをお願いします。
   長くても結構ですので、たくさんの短評をお願いします。

★出題は以下のURLを参照下さい。
  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-287.html

★図面と解答用紙は次のサイトから取り出すことができます。
図面: http://firestorage.jp/download/bf454d36ef822e9b5a1dc12ef3dfaa47b5bcf9fc

解答用紙: http://firestorage.jp/download/82b5e1c81412be0499c3e71cc737a0a0852e8dac

パスワードはいずれも「sura2019」です。

■創棋会の次回課題
☆12月号掲載作品展の課題
・「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」。29手以内。
 打歩詰を巡る手筋は実に多彩です。
 思いつくままに挙げるだけでも、不成、打診、森田手筋、ブルータス手筋、不利逃避、不利合、不利先打等々、さまざまな手筋があります。
 12月号作品展は楽しめるものにしたいと考えておりますので、面白い狙い、ユニークな表現、組み合わせの妙を味わえる作品の投稿をお待ちしています。
 作家の皆さんの腕の見せ所です。奮って投稿ください。
・10月例会で選題します。
  投稿は→ blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)

例題紹介
 例題紹介のために、一昨年のブログでも参考にさせていただいた湯村光造さんの「歩詰手筋総まくり」という論考を読み直しています。
  ※この論考は「将棋めいと」13号(1992年7月)から19号(1995年11月)まで連載されました。
 この論考で取り上げられている作品についても、自分なりに鑑賞しなおして、紹介させていただきます。
 それ以外にも、手元の詰棋書を眺めていて、面白いと思ったものは随時紹介させていただきます。
 なお湯村さんの論考が契機となり「打歩詰大賞」が創設されました。同大賞の作品群はブログ「借り猫かも」で詳細に紹介されています。
   http://torakamaneko.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-d497.html

 さて、それでは例題紹介です。管理人が面白いと感じた作品をご覧ください。


三代伊藤宗看作 享保19年(1734年) 「無双」第44番
無双44

 手広い局面ですが、初手は桂を打つのが良さそうです。
 47桂と打てば、66玉には、96飛の好手があり、同銀に76角成から58龍まで。
 64玉と引く一手に、67龍とすれば、75玉には65角成がありますから、53玉と応じます。
 53歩が消えたので、31角成と金を取るのが絶好の一手。
 43玉と逃げるしかありませんが、63龍、34玉に35金がうまい手で、同と、33龍、25玉、35龍、14玉と追い込んでいきます。
 しかし26桂、同香まで進めてみると、35龍が強すぎて打歩詰。(失敗図)

<失敗図:26同香>
無双44_失敗図

 ここまで進めると打開は困難。
 序盤に戻って、5手目に絶妙の一手がありました。
 64龍と捨てるのです。

<1図>5手目:64龍
無双44_64竜

 67龍から53玉と進めたばかりなのに、いきなり歩頭に龍をタダで捨てるのは、絶妙の一手。
 同玉と取られると、意味がないようですが、今度は31角成と金を取る手があります。
 53香合のような受けなら、65金、73玉、93飛成、62玉に、61角成から63龍があります。
 53金合なら、同馬、同玉、54金、42玉に、32金から91飛成です。
 また64龍に43玉と逃げるのは、33角成、52玉に54龍から43馬で詰みます。
 64同歩と応じるのが最善ですが、そこで93飛不成が狙いの一手。

<2図>7手目:93飛不成
無双44_93飛生

 今度は龍ではなく生飛車で玉を追います。
 34玉には、35金、同と と取らせて、33飛不成
 25玉にも、35飛不成と、連続不成で迫ります。
 45玉がちょっと心配ですが、35飛成とし、54玉、46桂、63玉、33龍で詰みます。
 14玉に、26桂、同香と進めると、失敗図とは違って35が龍ではなく生飛車ですから、15歩が打てるというわけです。
 24玉には、42馬と引き、13玉に軽く14歩と突き出せば、同玉に15飛までの詰み。

 打歩詰を打開するために龍を飛車に置き換える(勢力を弱める)のですが、そのために龍を歩頭に捨てるという豪快な一手が飛び出す、実に素晴らしい作品です。

【詰手順】47桂、64玉、67龍、53玉、64龍(1図)、同歩、31角成、43玉、
   93飛不成(2図)、34玉、35金、同と、33飛不成、25玉、35飛不成、14玉、
   26桂、同香、15歩、24玉、42馬、13玉、14歩、同玉、15飛まで25手詰


若島正作 近代将棋1986年3月(「盤上のファンタジア」第70番)
若島ファンタ70

 1筋に玉を呼んで13龍と攻めたい形。
 たとえば26歩、14玉、15歩、同玉、13龍となれば詰みます。しかし26歩には36玉で詰みません。
 そこで55飛成としてみます。
 35歩合なら、26歩、14玉(36玉には45龍)、15歩以下簡単なので、単に14玉と逃げますが、15飛と捨て、同玉に37馬と迫ります。
 25玉とかわす一手に、26歩、14玉、36馬、15玉、13龍、14歩合(次図)となっては、打歩詰となって失敗。

<失敗図:14歩合まで>
若島ファンタ70_失敗図

 この図で13龍が生飛車だったら25馬の妙手があり、同歩、16歩、24玉、33飛成という詰み筋があるのですが、変化や紛れのある中で、そう簡単にその順には思い至ることができません。
 作意はその順を実現するため、初手55飛不成とし、14玉のとき、23龍と捨て、同玉に53飛不成とします。
 こうしておけば失敗図の13龍を生飛車に出来るわけです。
 龍を飛に入れ替えるというのは、かなり高級なマジックですね。
 55飛不成とすると、35歩合の変化が気になりますが、それには、26歩、36玉のとき、35飛と切って、同玉に45とから46とがあるので大丈夫です。

<1図>5手目:53飛不成
若島ファンタ70_53飛生

 53飛不成には14玉と逃げますが、そこで15歩と叩き、同玉に48馬とするのが好手。
 37馬と近づくのは25玉と寄られると、26銀には16玉、また26馬なら14玉で打歩詰となってしまいます。
 48馬なら、25玉には、26銀、16玉、17歩、27玉、37馬、18玉、58飛成で詰み。
 そこで玉方も37歩の捨合で凌ぎます。

<2図>10手目:37歩
若島ファンタ70_37歩

 37歩を同馬と取らせてから25玉とすれば、26銀には16玉と打歩詰で逃れようというわけです。
 そこで、37同馬、25玉のとき、打ちにくいのですが、26歩と打ちます。
 15玉なら、16歩と打ってから36馬と合駒を訊きます。
 頭に利く駒は、同馬から15に打って簡単。角も23に打って容易です。25桂なら、15歩から13飛成を入れて25馬とすれば27桂があります。
 よって26歩には14玉とします。
 15歩から13飛成は打歩詰ですから、36馬と合駒を訊きます。
 15玉は55飛成があるので25合の一手。
 頭に利く駒は、15歩、同玉、13飛成とすれば、25馬から16に打って簡単。桂合も27桂があるので同様です。
 最善は25角合
 これには15歩、同玉から、13飛不成とします。
 14に何を合しても25馬があるので、14角と引くのが最善。
 それでも25馬と捨てるのが決め手。
 同歩と取らせて、16歩が可能となり、24玉に33飛成までの詰みです。

 攻め方の勢力を減少させるため、龍と飛車を入れ替えるのですが、それを飛車不成で演出し、後半にも遠ざかる馬の王手に捨合で打歩詰に誘致する好防が出るなど、実に盛り沢山の内容で楽しめる一局です。

【作意】55飛不成、14玉、23龍、同玉、53飛不成(1図)、14玉、
  15歩、同玉、48馬、37歩(2図)、同馬、25玉、26歩、14玉、
  36馬、25角、15歩、同玉、13飛不成、14角、25馬、同歩、
  16歩、24玉、33飛成まで25手詰


■創棋会の今後の予定
 ※10月と11月は会場が異なりますのでご注意ください。
***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2019年10月20日(日)13時~
[場所]  大阪市港区民センター 楓
    〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
    アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
[会費]  無料
[課題] 12月号作品展「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」29手以内

***【次々回例会】*********************************************** 
[日時] 2019年12月15日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 304号
    〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
    アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費]  無料
[課題] 3月号作品展「捌きを楽しむ作品」29手以内
****************************************************** 

★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
以上

ネット作品展「すらすら解ける20手台partⅣ」解答締切は9月19日

<ネット作品展「すらすら解ける20手台partⅣ」解答締切は9月19日>
 9月初めは連日ゲリラ豪雨が発生する読めない天候が続きましたが、安定すると暑さが戻ってきたような雰囲気。
 ちょっと夏を感じる花。
夏の花190901

★☆★ネット作品展解答募集中★☆★
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅣ、おかげさまで20作と多数の作品が揃いました。
 投稿下さった作家の皆様、ありがとうございました。
 今回出題させていただいた作品は、次の20名の方々から投稿いただいたものです。
 あらためて感謝申し上げます。
   有吉弘敏、有山隆、石川和彦、片山智之、kisy一族、則内誠一郎、中出慶一、金少桂、
   西村章、ぬ、野曽原直之、野々村禎彦、廣瀬崇幹、松田圭市、松本浩一、三輪勝昭、
   RINTARO、山路大輔、山本勝士、吉松智明
    (敬称略、作品順ではありません)。

 文字通り「すらすら解ける」作品が揃っていますので、多くの方からの解答をお待ちしています。
 短評は原則としてすべて掲載させていただく予定です。
 また解答者の中から若干名に呈賞の予定です。
 1問でも解けた方、遠慮なさらずに解答をお願いします。
 20手台の作品20作に全手順記載は大変かと思いますので、解答記載方法は簡単にしています。
 暗算で解けるもの、筋に入れば一気に詰ませることのできるもの、きれいな手順のものなど、解けば気持ちの良い作品が揃っていますので、多くの皆さんからの解答をお待ちしています。

◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切:9/19(木)
◇解答要領:
・「キーとなる一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです)
※キーとなる一手は問題ごとに設定しています。
・評価:ABC評価をお願いします。
  ※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
・短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、さまざまな角度からのコメントをお願いします。
  長くても結構ですので、たくさんの短評をお願いします。

★出題は以下のURLを参照下さい。
  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-287.html

★図面と解答用紙は次のサイトから取り出すことができます。
  図面: http://firestorage.jp/download/bf454d36ef822e9b5a1dc12ef3dfaa47b5bcf9fc

  解答用紙: http://firestorage.jp/download/82b5e1c81412be0499c3e71cc737a0a0852e8dac

 パスワードはいずれも「sura2019」です。

■創棋会の次回課題
☆12月号掲載作品展の課題
・「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」。29手以内。
 打歩詰を巡る手筋は実に多彩です。
 思いつくままに挙げるだけでも、不成、打診、森田手筋、ブルータス手筋、不利逃避、不利合、不利先打等々、さまざまな手筋があります。
 12月号作品展は楽しめるものにしたいと考えておりますので、面白い狙い、ユニークな表現、組み合わせの妙を味わえる作品の投稿をお待ちしています。
 作家の皆さんの腕の見せ所です。奮って投稿ください。
・10月例会で選題します。
 投稿は→ blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)

◇例題紹介
 例題紹介のために、一昨年のブログでも参考にさせていただいた湯村光造さんの「歩詰手筋総まくり」という論考を読み直しています。
  ※この論考は「将棋めいと」13号(1992年7月)から19号(1995年11月)まで連載されました。
 この論考で取り上げられている作品についても、自分なりに鑑賞しなおして、紹介させていただきます。
 それ以外にも、手元の詰棋書を眺めていて、面白いと思ったものは随時紹介させていただきます。
 なお湯村さんの論考が契機となり「打歩詰大賞」が創設されました。同大賞の作品群はブログ「借り猫かも」で詳細に紹介されています。
  http://torakamaneko.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-d497.html

 さて、それでは例題紹介です。管理人が面白いと感じた作品をご覧ください。


北村憲一作 詰パラ1976年10月
(「現代詰将棋短編名作選」第6番)
北村憲一_現短6


 貧乏図式。金気がないので詰めにくそうな初形ですが、36桂と打つと意外に狭いことがわかります。
 36桂に34玉なら44馬があり、23玉には24飛、また33玉は43飛、15玉の脱出には16飛から26馬といずれも簡単。
 ここは13玉と逃げる一手で、手順に22桂成と香を入手。
 22同玉となったところが、考えどころです。
 普通に24香と打てば23歩合と受けます。
 同香成、同玉、24飛、33玉(変化図)と進むと、打歩詰。

<変化図:33玉>
北村憲一_現短6_紛れ

 この局面まで進めてしまうと24飛が強力で打歩詰を打開するのは困難。
 34飛と捨ててみても、同玉、44馬、23玉で詰みません。
 たとえば24の飛車が横に利かない香だったら34歩と打てるのですが。
 そこで元に戻って、5手目は24飛と打って持駒に香を残すのが正解です。

<5手目:24飛>
北村憲一_現短6_24飛

 24飛に23歩合なら、同飛成、同玉、24香、33玉と進めて、変化図の24飛が香になるので、今度は34歩が打てるというわけです。

 持駒に飛と香があり、どちらを使っても取られるだけなら、価値の高い駒を残したくなります。
 5手目は24飛でも24香でも、合駒と刺し違えるだけですから、香を打って飛を残したいのですが、それでは詰まないのが不思議なところ。
 飛車から打つのは不利な感じです。そこでこのような手筋を不利先打と呼びます。
 不利先打でもっとも有名なものは香先香歩です。本局の場合は、飛先飛香
 利きの弱い駒を残すことで、玉方の退路を作り、打歩詰を打開するわけです。

 そこで24飛には玉方も変化球を用意します。
 23桂と応じます。
 これは同飛成の一手ですが、同玉となって持駒に歩はありませんから24香と打っても詰みません。
 23同玉には35桂とします。
 22玉には23香があるので33玉と寄る一手。
 34香が筋ですが22玉で続かないので、平凡に43馬と迫ります。
 22玉とかわせば打ったばかりの桂を捌く、23桂成が決め手。
 同玉に24香までの詰み。

 飛先飛香の高級手筋ですが、打歩詰の順が直接作意に現れないのは効果的な演出。
 同年度の表紙コンクールで1位に輝いた好作。

【詰手順】36桂、13玉、22桂成、同玉、24飛(図)、23桂、同飛成、同玉、
    35桂、33玉、43馬、22玉、23桂成、同玉、24香まで15手詰


小林 譲作 詰パラ1979年5月号(『現代詰将棋中編名作選』第12番)
小林譲_現中12

 58玉と潜り込まれると手も足も出ないので、初手は25角の一手。
 桂は品切れなので、最も安い香を合してみましょう。
 36香は同角と取り、同玉に25角と打てば、35玉の一手に、36香、24玉、34金と自然な手を指せば15玉(変化図)となります。

<変化図:15玉>
小林譲_現中12_変化

 ここまで変化の余地はありませんが、図では16歩、26玉、27香、同玉、28香という詰みがあります。
 これでは簡単過ぎます。
 実は2手目に玉方の受けの妙手があります。
 36に飛車を合駒するのです。

<1図>2手目:36飛
小林譲_現中12_36飛

 36に香を合しても詰むのに、強力な飛車を渡したのでは、もっと簡単に詰むのではないかと思いますが、どうでしょうか。
 香合のときと同じように進めてみます。
 36飛、同角、同玉、25角、35玉まで進めて、ここで36飛と打つことになります。
 24玉、34金、15玉まで進むと、変化図の36香が飛車になっているので、16歩は打歩詰です。
 36飛合は、利きの強い駒を渡すことで打歩詰に誘致しようとする高級手筋です。
 北村作の飛先飛香は攻め方の勢力を減少させて打歩詰を打開する妙手筋でしたが、本作の36飛合は玉方が攻め方の勢力を強くするために、わざと価値の高い駒を攻め方に渡すという、玉方飛先飛香の受けの妙手。
 攻め方の不利先打に対して、玉方のこのような受けを不利合駒と呼びます。
 受け方にとって価値の高い方の駒を先に渡すのは「不利」だからという意味です。

 少し変化を確かめておきますと、36銀合は取った銀を36に打っても26への利きが無いので変化図で16歩が打てます。
 また36金合は、同角、同玉、25角、35玉のとき、46金から、同飛成、同銀と清算して詰みます。

 36飛合は取るしかありませんが、同角、同玉、25角、35玉まで進めたところで、好手があります。
 85飛の遠打が絶好の一手。
 24玉なら、34金から16歩が打てます。
 また55歩と安い合駒では、同飛と切って歩を入手し、同金のとき36歩と打ちます。以下、24玉、34金、15玉に16歩が打てます。
 85飛は価値の低い駒を入手して打歩詰を打開しようという狙いでした。
 そこで玉方も工夫します。
 85飛には55金打とします。

<2図>8手目:55金打
小林譲_現中12_55金

 これは同飛と取るしかありませんが、同金の局面が問題です。
 平凡に36金と打つと、24玉、34金、15玉となって、先ほどの変化図の36香が金になっていますから、これは打歩詰。
 8手目の金合は、歩で済みそうなところを価値の高い金を攻め方に渡すことで、打歩詰に誘致しようという玉方金先金歩の妙手筋。

 そこで攻め方も、この金を何とか安い駒に変えようとします。
 まず34金と寄り、45玉とかわされたとき、44金打から、同歩、同金と進めて、持駒の金を歩に交換します。
 35玉と戻ったところで待望の36歩を打つことが出来ました。
 以下は、24玉、34金、15玉に16歩が打てますから、26玉、27香、同玉、28香までの詰み。

 一局のなかに、2手目の飛合、8手目の金合と、2種類の不利合駒の妙防が現れ、攻め方も85飛の遠打や金歩交換の手筋を繰り出すなど、打歩詰の誘致と打開の手筋がふんだんに盛り込まれた好局。

【詰手順】25角、36飛(1図)、同角、同玉、25角、35玉、85飛、55金打(2図)、
   同飛、同金、34金、45玉、44金打、同歩、同金、35玉、36歩、24玉、
   34金、15玉、16歩、26玉、27香、同玉、28香まで25手詰

金子義隆作 詰パラ1995年11月号(『現代詰将棋中編名作選』第135番)
金子義隆_現中135

 最初に考えるのは36香ではないでしょうか。
 同となら、45銀、同香(35玉は71馬、44合、同銀)、44飛、35玉(同玉は54馬)、45飛、34玉、46桂打以下。
 また35合には、26桂打、同銀、同桂、44玉、54馬まで。
 ということで、同銀と応じるのが最善のようです。
 46桂打で同と と取らせてから35飛と捨てるのが好手。
 同金なら23銀から14とがあるので、同玉と応じますが、そこで71馬と寄って合駒を訊きます。
 それには46に利かす必要があるので、44香打とします。
 26銀、34玉、46桂、同香、35飛、43玉と進んで図の局面となります。

<紛れ図:43玉>
金子義隆_現中135_紛れ

 この局面は打歩詰!
 61馬と寄っても44玉で続きません。
 45飛も同銀、44歩、34玉、61馬、43桂で詰みません。

 本作を解くには、少々発想の飛躍が必要です。
紛れ図で46香が飛車なら44歩と打つことが出来、収束に向かいます。
では図の46香はどこから来たのかといえば、数手前の44香合。
これは46に利かすために打ったのですが、初手に36香と捨てて渡した駒です。
縦に利かす駒として香が無ければ、飛を合するしかありません。

そういうことに気づけば、玉方に香を渡さずに攻めれば良いことが分かります。
そこで初手は36飛と打ちます。

<1図>初手:36飛
金子義隆_現中135_36飛

 変化は先ほど確かめた通りです。
 同銀と応じれば、46桂打で同と と取らせておいて、35飛が連続の妙手。
 ここでも35香と捨てたくなりますが、玉方に香を渡すと詰みません。
 35飛に44玉なら、54馬、35玉に53馬と入るのが巧い手で、44合に26銀から46桂と跳ねる筋があって詰みます。
 35飛には同玉と取り71馬と寄ります。
 このとき玉方には縦に利く駒は飛車しかありませんので44飛合と受けます。

<2図>8手目:44飛合
金子義隆_現中135_44飛

 26銀、34玉、46桂、同飛、35香、43玉と進んで、紛れ図との大きな違いは、46の駒が飛車になっていることです。
44歩と打って、同飛と取らせることが出来ます。
 以下61馬から詰みとなります。

 本作は玉方に香を渡すと打歩詰になるので、それを避けるために飛先飛香を二度繰り返すというものですが、その意味付けが香は後ろに利かないが、飛車は後ろに利くということを利用したもので、大変ユニークな構想です。
 本作は第一回打歩詰大賞の佳作に選ばれました。

【詰手順】36飛、同銀、46桂打、同と、35飛、同玉、71馬、44飛
   26銀、34玉、46桂、同飛、35香、43玉、44歩、同飛、
   61馬、53玉、52馬まで19手詰

 なお本作は、作者によれば次の作品に着想を得たそうです。
 図面と作意を紹介しておきます。

山田修司作「新・飛先飛香」 近代将棋1994年5月号(塚田賞、『夢の華』第83番)
山田修司9405

【詰手順】24飛、13玉、12と、同金、14飛打、同と、同飛、同玉、26桂、23玉、
   24香、13玉、21香成、24角、14歩、23玉、24歩、同銀、15桂、同銀、
   13歩成、同金、14角、同金、22成香、同玉、14桂、23玉、13金、33玉、
   45桂、42玉、43歩成、同玉、53馬まで35手詰

 5手目の14飛打が妙手。ここは香でも良さそうだが、作意同様進めると、14同と、同飛、同玉、26桂、23玉のとき、24飛と打つことになり、13玉、21飛成、35歩と進んだ次図は21龍の利きが強く打歩詰。

<失敗図>
山田修司9405_失敗図

 21に残す駒を成香にしておけば失敗図で14歩が打てるというわけです。
 飛車は前にも後ろにも利くが、香は後ろには利きが無いことを利用した作品です。


■創棋会の今後の予定
  ※10月と11月は会場が異なりますのでご注意ください。
***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2019年10月20日(日)13時~
[場所]  大阪市港区民センター 楓
   〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
      アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
[会費]  無料
[課題] 12月号作品展「複数の打歩詰関連手筋を含む作品」29手以内

***【次々回例会】*********************************************** 
[日時] 2019年12月15日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 304号
   〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
      アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
[会費]  無料
[課題] 3月号作品展「捌きを楽しむ作品」29手以内
****************************************************** 

★課題作の投稿などはこちらまで → blogsokikaitusin■gmail.com(■を@に変えてください)
以上