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【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<16回目>

【結果発表】ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅢ<16回目>

■パラ9月号創棋会作品展パスワードクイズは受付中です!
 詰パラ9月号(21P)の創棋会作品展
 今回は合作による「あぶり出し」が課題、組曲で詰上りが想像しやすい作品展だったと思いますが、ご解答いただけたでしょうか。
 連動企画の「パスワードクイズ」は引き続き受付中です。
 詰上り4文字(手順解答は不要)を下記に送ってください。こちらの賞品にはレア品を用意しています。よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com

■「すらすら解ける20手台」part結果発表<16回目>
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」には、13名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   有吉弘敏、奥鳥羽生、則内誠一郎、鷲見慎吾、中出慶一、野々村禎彦、himasume、
   福原徹彦、三輪勝昭、RINTARO、安田恒雄、柳原裕司、山下誠
 昨年より「すらすら度」は上がったと思いますが、23問と言う大量出題!
 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 PartⅠ・Ⅱ以上に、楽しんでいただける作品も多かったのではないかと思います。
   ※出題 →  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-202.html

 それでは今日は藤原さんの作品です。

㉑藤原俊雅作
21.png

【作意】
 11桂成、同玉、12銀、同玉、34角、21玉、43角成、同歩、22歩、12玉、
 34馬、23角、24桂、22玉、33金、11玉、12桂成、同角、同馬、同玉、
 24桂、21玉、32角、11玉、12桂成、同玉、23角成、21玉、22金まで29手詰

【正解】
 3手目→12銀
 手数→29手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
 平均点:2.27、A:4、B:6、C:1、誤解:0、無解:2、無評価:0

★「すらすら解ける20手台」初参加の藤原さん。
 藤原さんは詰パラ本誌にも作品を発表していますが、スマホ詰パラにもペンネームで発表中とのこと。
 またkisyさんとは詰キスト仲間で、創棋会の例会にも一緒に参加されました。
 そこで見せていただいたのが本作です。
 初形は右上隅4×4の好形で、11桂成から12歩のような筋も見えていて、詰めてみようと思わせます。
 32からの逃路は23桂を消しておけば23角があるので大丈夫。
 ということで初手は11桂成とします。
 同玉となったところで12歩と打ちたいのですが21玉と寄られて後続がありません。
 33角と打っても取ってくれません。22歩合くらいでダメ。
 初手に戻って22歩なんかを考えるのですが詰みそうな筋がみえません。
 11同玉には12銀と捨てるのが好手。

<3手目:12銀>
21_22銀

 唯一の金気を捨てるのでちょっと指しにくい手ですね。
 12同玉に34角とぶつけるのが継続の好手順。
 同金なら同馬で23銀合、24桂、22玉、12金、同銀、同桂成、32玉、44桂で詰み。23銀合のところで21玉と引いても22歩と叩けば32玉に44桂があります。
 34角は取れませんが、11玉と引くのは12歩、21玉に33桂が好打で、同金と取らせて11歩成、22玉とかわす一手に、12と、32玉、44桂の好手順で詰み。
 最善は21玉ですが、それには43角成と金を取り、同歩に22歩と叩くのが好調子。
 22同玉は34桂がありますし、11玉なら21金から34馬ですから、12玉とかわします。
 34馬と寄って24桂を見せます。
 23合は24桂から12金を防いで角か銀になります。
 銀合では24桂、22玉、33金、11玉、12桂成、同銀、同馬、同玉、23銀で駒余りの詰み。よって角合が最善です。
 23角合にも同じように、24桂、22玉、33金、11玉と攻め、12桂成が気持ちの良い一手。
 同角、同馬、同玉、24桂、21玉のとき、歩頭に32角と打つのが決め手。
 11玉には12桂成と捨て、同玉に、23角成から22金までの清涼詰。


則内誠一郎:4×4内で楽しく手が進む。

★すらすら解けた方はこういう感想になると思ったのですが。

福原徹彦:角桂中心の攻め。手が限られているので解きやすいはずだが妙に解きにくかった印象。

★手が限られているのに解きにくい…。

安田恒雄:銀先銀歩?、3手目で12歩とすると詰みそうで詰まない。苦労させられました。

★3手目12歩で迷われた方が結構いらっしゃったようです。

鷲見慎吾:3手目12歩で迷路にはまりました。よく考えたら歩ではキーとなる一手にはならなさそうですね。

★キーになる一手というのは、ヒントになっている場合もあるんです。

三輪勝昭:右片隅の好形で狭く読み易いスラスラ展向きの作品?だと思うけど僕は全然スラスラ解けなかった。
 12銀が大英断で次34角で詰み型になるのに気付くのに時間がかかってしまったからだが、他の手は分かり易く詰まない形になっているのに何か見落しがないか考えてしまう。
 これはスラスラ解けなくてもスラスラ展向きと言えよう。」

★12歩は11玉で詰まない形、という見切りが出来れば、12銀しかないのですが…。

山下誠:金を質にする3四角が読み難い手。3四馬からはすらすらと手が進む。

★34角とぶつけるところまで読めるかどうかがポイント。

野々村禎彦:12銀から34角のぶつけ打ちは見応えがあるが、その後は常套手順。

★12銀から34角という3手一組の手順が思い浮かべば、後は気持ちの良い手順だったのではないでしょうか。

有吉弘敏:この手順はあまり見ない。新鮮でした。

★手筋の組み合わせ、表現次第で新鮮に映る好見本と言えるのではないでしょうか。

中出慶一:簡潔図、5手目の角打位置限定、12手目の限定角合、清涼詰、等の長所を有する軽快中編ですが、芯になる一手がないので印象は薄い。

★34角以降は、きれいな流れで収束へ。

奥鳥羽生:狭い所でよく手が続く。

★収束も32角と歩頭に打つ手や12桂成など好感触の手が続きます。

☆結果発表へのご意見や感想などがあれば、下記宛にご一報ください。
 随時紹介させていただきますので、よろしくお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2018年10月21日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「よくわかる作家の個性
   投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年12月16日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 多目的ルーム
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「未定」決定しましたら案内させていただきます。
*************************************************************** 
以上
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第272回例会報告

第272回例会報告

日時:2月18日(日)13:00~17:30
場所:関西将棋会館 4F多目的ルーム
参加者:kisy、小池正浩、小林徹、則内誠一郎、谷本治男、中出慶一、中村雅哉、中村宜幹、西村章、野曽原直之、 山路大輔、吉松智明(以上12名)

 遠方より参加は、小池さんと山路さん。

 今回の課題はネット作品展「教材に使える10手台~実戦に役立つ詰将棋~」。10人以上の方から投稿をいただきました。当日持参の方もいらっしゃいましたので、参加者全員で多くの作品に取り組みました。
 16時過ぎから作者のコメントも交えながら一作ずつ鑑賞。
 昨年の「教材に使える10手台」は、やや解答が少なかったので、今回は出題数を絞ろうという声もあり、参加者から意見をもらいました。「非限定は避けたい」「変化の難しいものはいかがなものか」という声もあり、また「こうすれば良い手が入る」という即興のアイデアも出され、選題の方向性が決まりました。
 ネット作品展は2月22日に一斉出題の予定です。

 その後、作品展担当の則内さんから、次回以降の課題の紹介がありました。
 次回の「ダブル不成」は4月例会で選考し詰パラ6月号で出題。
 また次々回の課題は非公開とし6月例会で選考し、詰パラ9月号で出題しますので、発表をお楽しみにしてください。

 最後に事務担当から3月25日と4月7日に開催される解答選手権のスタッフ募集の案内が行われました。

 例会終了後は、二次会で歓談。にぎやかで楽しいひと時を過ごしました。

【例会風景】(氏名略)
例会風景1

例会風景2

集合写真


■創棋会の今後の予定
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年4月15日(日)13時~
[場所]  関西将棋会館 4F 和室
        https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費]  千円(学生無料)
[課題] 「ダブル不成」
       投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年6月17日(日)13時~
[場所] 大阪市立福島市民センター
      大阪市福島区吉野3‐17‐23
        地下鉄千日前線野田阪神駅、阪神電車野田駅、JR東西線海老江駅から徒歩5分。
        JR環状線野田駅から徒歩8分
           https://www.osakacommunity.jp/fukusima/
[会費] 無料
[課題] 非公開
***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
      blogsokikaitusin@gmail.com
以上

詰パラ10月号到着

<詰パラ10月号到着>

■「すらすら解ける20手台」PartⅡ
 本日は結果発表を休ませていただきます。
  *8.23出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
  *9.23(結果稿第一回) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-133.html


■「看寿賞作品集」
 遂に完成。立派な出来上がりにため息が出ます。
 世紀の労作に拍手!
 中味についての感想はあらためて。


■詰パラ10月号が到着
・今月はなぜか10月になってからの到着。このところずっと月末だったので、この1~2日がとても遅いと感じてしまう。特にネットで10月号ネタが飛び交うと到着がものすごく待ち遠しくなって、思わず連盟に足を運ぼうかと考えたりします。
・表紙は北原さん。キッズルーム~幼稚園で好形作を発表されていますが、創作再開が60の手習いとは驚き。ミステリー執筆にも挑戦とは、創作意欲に敬意を表します。
・詰棋校(12P~)。
小学校:その昔「東西対抗詰将棋競作展」というイベントがありました。そのとき愛知は西軍でしたね。もちろん西軍=関西という意味ではありません。
中学校:月に20冊とはすごい読書量ですね。私は図書館ときどき本屋派です。
高校:リアルの盤駒で作品を解くのは会合の時くらいになってしまいました。もっぱら柿木で誘惑と闘いながら楽しんでいます。
短大:今月は顔ぶれと選題のことばに誘われて解いてみようかという気になっています。
大学:久保さんの続投宣言!引き続き頑張ってくださいね。
大学院:やさしい大学院、いいですね。
・会合作品展(20~22P)。北海道、四国、九州。いずれも盛会で結構なことです。
・新人コンクール(23P)。関西の方がお二人。岸本さんは創棋会にも参加されましたね。小川さんも是非創棋会に来てください。
・全詰連の頁(24P~)。
「看寿賞作品賞」執筆の舞台裏。柳田さん、本当にお疲れ様でした。
・半期賞(26P~)。素晴らしい作品の数々。あらためて並べ直しているところです。
・ちえのわ雑文集(32P~)。
創棋会」。45周年にちなんで歴史や運営体制、例会、課題作、作品集などさまざまな角度からまとめられています。大きく運営方法を変えずによく45年間も続いたもの。これも熱心な詰キストと運営を支えてきたスタッフのご尽力の賜物と、あらためて感謝します。
・短コン募集(32P~)。今年は予想通り11手詰です。しかしネット界では予想に反しては「5手詰、使用駒15枚以上」(今年の裏短コン)という募集要項が発表されています。
・サロン(32P~)。
創棋会の45周年記念行事の紹介。当日は、課題作の評価、作品鑑賞、解答、自作解説と、詰将棋三昧の一日でした。
・会合案内(49P~)。
創棋会の45周年記念行事の報告。久方ぶりで20名を超える参加者。おかげさまでおおいに盛り上がりました。
・編集室(100P~)。柴田さんに喜んでいただき、記念作創作や各種の準備を行ったスタッフ一同、やって良かったという思いでいっぱいです。


■創棋会45周年記念作品
 45周年記念の会合の様子については、先日例会報告をさせていただきました。
  → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-127.html
 記念作品が多数集まりましたので、何回かに分けて紹介させていただいています。
 今回は9.22に紹介した二作の作意手順を発表します。
 いずれも柴田さんの盤寿祝いです。

中村雅哉作 「81」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
81(中村)


 盤面曲詰「81」です。柴田さんの盤寿祝いに創作いただきました。
 包囲網はしっかりしていますが、53銀がブラです。
 そこで初手は55飛と金を奪います。
 これは同と と応じる一手です。
 ここで64金と打ち、62龍を盤上から消しにかかります。

<3手目:64金>
81(中村)→91

 3手目の局面は、あら不思議「91」になっていますね。
 同龍、同銀成と清算します。
 53玉とされると62にも脱出ルートがあるので75角と活用。
 54玉と戻ったときに53飛と打てば詰みです。

<詰上り:53飛>
81(中村)→101

 詰上りは「111」。
 本作は驚くことに、何と「81」→「91」→「111」の立体曲詰だったのです!
 盤寿(81才)の柴田さんには91才どころか111才まで活躍してほしいという思いを込めた一作でした。

【作意】55飛、同と、64金、同龍、同銀成、同玉、75角、54玉、53飛まで5手詰


中村雅哉作 推理将棋「81」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
 81歳の盤寿をむかえてますます元気なS田さん。
 今日の将棋も、早くも8手目が指された時点で相手玉を81に追い込んでおり、次の9手目では一転自陣に駒を打つ緩急自在の指し回し。
 相手も12手目駒を打って必死に抵抗しましたが、一度も駒を成ることなく13手目で詰まして勝ちました。さて、どんな将棋だったのでしょうか?


【解答】76歩、34歩、22角不成、62玉、92角、72玉、81角不成、同玉、
   77桂打、72金、85桂、92角、93桂不成まで13手

<最終図:93桂不成まで>
推理将棋「81」


 後手81玉にするには、最初に考えるのが81桂を跳ねてそこに移動させる手ではなかったでしょうか。
 単純に後手が動くと62玉→72玉→74歩→73桂→81玉で10手目になります。
 少しひねって、先手に73歩を取らせると74歩を省略できます。たとえば76歩、62玉、55角、72玉、73角生、同桂、X、81玉までは進めることが出来ます。しかし9手目に打つ駒がありません。
 もう一つ81玉とする方法があります。81X、同玉と攻め方の駒で81桂を取る手です。それでは81桂を取る駒はどこにあるかと言えば、82飛を狙うのはこれを奪っても不成で81桂を取るのは至難の業。正解は最短で入手できる角です。
 22角を取って92角と打つのですが、一手玉方にも34歩と協力してもらわないと5手目92角、7手目81角とは出来ません。
 桂を入手した先手は9手目に77桂打と自陣に打ちます。ここの時間差攻撃がとぼけた味です。
 最後は92角打の自陣角(?)に93桂不成までです。


 記念作品はここまで6作品を紹介させていただきました。
 10月号にはこれ以外にも4作品を掲載させていただきましたので、それらの解説は近々本ブログで紹介させていただきます。


■創棋会の次回課題
 創棋会の次回例会は10月15日です。
 課題は「遠打や遠開き、3回以上」です。遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内。
 例会で選題のうえ、12月号作品展に掲載されます。
 投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

 さて課題作の例題紹介、今回は「遠打」「遠開き」のミックスされたもの二作、課題を実現したもの一作、合計三作品を紹介します。いずれも超短編の好作です。

佐々木浩之作(詰パラ1986年8月、『80年代ショート詰将棋ベスト200』第125番)
佐々木浩之198608

 55玉とされると絶望。脱出阻止で66角と打てば55合には43角成まで。
 しかし35玉とされると、45角成の開き王手には36玉と逃げられ、45飛がよく利いて詰みません。47角と引くと今度は26玉です。これも45飛の守りが強くダメです。
 初手は77角。詰みまで見通さないと指せない手です。

<初手:77角>
佐々木浩之198608_77角

 55合がダメなのは先述のとおり。66合も43角成~54馬まで。
 しかし35玉とされると66角と同じく詰まないように見えますが、どこが違うのでしょうか?
 58角と引く手があるのです。

<5手目:58角>
佐々木浩之198608_58角

 34や24に引くのは33角成までですから26玉と脱出を図ります。
 ここで59角と引けばなんと詰んでいるではありませんか。
 ピンと糸を張ったような緊張感のある詰め上がりですね。
 59角と引けるのが77角の効果であり、それを可能にしたのが香筋を止める58角の限定移動だったわけです。
 わずか5手の超短編に遠打と遠開きの入った好作!

【作意】77角、36玉、58角、26玉、59角まで5手詰


長谷川哲久作(詰パラ1982年9月、『80年代ショート詰将棋ベスト200』第55番)
長谷川哲久198209


一目74龍の両王手。しかし35に逃げ道があります。
ならば逃路封鎖と26角と打てば、今度こそ74龍があるので合駒は出来ません。
33玉と引く一手です。
待ってましたと37龍の両王手。しかし23玉と銀を取られてしまいます。
角打がだめなら27龍はどうか。88となら24龍まで。しかし54玉と寄られると24龍に65玉とどんどん逃げられてしまいます。
初手はやはり角を打つしかなさそうです。
17角が絶好の一打です。

<初手:17角>
長谷川哲久198209_17角

35合は74龍まで。26中合でも74龍から34龍まで。33玉と引くしかありません。
26角と違い17角の効果はここでわかります。
27龍と23銀に紐をつけて開き王手が出来るのです。

<3手目:27龍>
長谷川哲久198209_27龍

44合は同角で無効なので88と と角を取ります。
ここで44角と飛び出すのが気持ちの良い決め手です。
同玉に24龍の詰上りも締まっています。
角の遠打と龍の遠開きを超短編で表現した好作です。

【作意】17角、33玉、27龍、88と、44角、同玉、24龍まで7手詰


谷沢保平作(詰パラ1979年1月)
谷沢保平197901


25飛と45馬のバッテリーから両王手や開き王手が飛び出すことが期待されます。
しかしすぐに67馬の両王手では96玉と逃げられます。
96玉とされても詰む形はちょっと見当たりませんので、96玉を防ぐしかありません。
79香の利きを止めてしまいますが78馬の開き王手が96玉を防ぐ好手。

<初手:78馬>
谷沢保平197901_78馬

「大駒は近づけて受けよ」と45~65へ中合する受けもありそうですが75金までです。
75玉も77馬までですから74玉と金を取って逃げます。
ここで56馬の両王手が見えますが、64玉と銀も取られると捕まらなくなります。
45馬と開き王手で飛び出すのが好手。

<3手目:45馬>
谷沢保平197901_45馬

今度は64玉には63馬があります。
76に捨合しても63馬まで。
再度85玉と上部脱出を図りますが、63馬の両王手が決め手で見事なフィニッシュです。
初形と詰上りを比べて74金が邪魔だったことに気づきます。
74金が邪魔駒に見えない初形から、フェアリーっぽい手順が飛び出し、遠開き3回を5手詰で実現した好作です。

なお本作はペンギンさんのツイッター( https://twitter.com/ueeeee22 )で9月18日に紹介されていたものです。ペンギンさん、ありがとうございました。

【作意】78馬、74玉、45馬、85玉、63馬まで5手詰


***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
    https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
      遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
       投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
       編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上

創棋会の次回課題は「遠打や遠開き、3回以上」です

創棋会の次回課題は「遠打や遠開き、3回以上」です

■詰パラ9月号
・創棋会作品展(37P~)
 今回の課題は「持駒込みの七対子図式」。バラエティに富んだ作品群です。
 一題でも解けたら解答をお願いします。


■「すらすら解ける20手台」PartⅡ
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡには、多くの方から解答いただきました。
 解答者の皆さん、ありがとうございました。
  ※出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
 明日から結果発表の予定です。
 どうぞ楽しみにして下さい。

*昨年の「すらすら解ける20手台」は以下を参照ください。
  8.24出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-43.html
  9.22(結果稿第一回) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-48.html
  10.13(まとめ) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-67.html


■創棋会45周年記念作品
 45周年記念の会合の様子については、先日例会報告をさせていただきました。
  (→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-127.html

 記念作品が多数集まりましたので、何回かに分けて紹介させていただきます。
 解答募集という形はとりませんが、作品への感想などございましたら、コメントをお願いします。
 三回目は柴田さんの盤寿祝いです。

中村雅哉作 「81」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
81(中村)


中村雅哉作 推理将棋「81」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
 81歳の盤寿をむかえてますます元気なS田さん。
 今日の将棋も、早くも8手目が指された時点で相手玉を81に追い込んでおり、次の9手目では一転自陣に駒を打つ緩急自在の指し回し。
 相手も12手目駒を打って必死に抵抗しましたが、一度も駒を成ることなく13手目で詰まして勝ちました。
 さて、どんな将棋だったのでしょうか?



 両作品の解答は次回にお伝えします。
 またこれまで紹介してきたもの以外の記念作は、次回以降に紹介させていただきます。


■創棋会の次回課題
 創棋会の次回例会は10月15日です。
 課題は遠打や遠開き、3回以上です。遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内。
 例会で選題のうえ、12月号作品展に掲載されます。
 投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

 さて課題作の例題紹介。
 まず前回紹介した山中龍雄作に一件の指摘をいただきました。
  「山中作が潰れているのは結構知れ渡っていると思っていましたが。パラ2013.3編集室」
 早速確認したところ、次図から余詰があります。

<12手目:63玉>
山中龍雄作余詰

 作意はここから73角成以下ですが、ここで53飛成があります。
 以下、74玉、73龍、65玉、74角、55玉、53龍、54銀合(歩合は73角成、45玉、43龍)、73角成、45玉、54龍、同玉、63角成、65玉、74馬右、54玉、64馬寄、44玉、53銀、43玉、33香成と進めて詰みます。また持駒に銀がありますから初手は17香でも詰みます。
 ご指摘感謝申し上げます。
 調査が行き届かず失礼しました。

 「遠打や遠開き、3回以上」を実現した作品は類例が少ないと思われます。それだけ難度の高いテーマではないかと思います。
 課題に少しでも近いものを紹介したいということで、前回に続いて「限定打の連打」を紹介します。いずれも短編作です。


安達康二作(詰パラ1968年8月、『夢の車輪』第45番、『続々七手詰傑作集』第87番)
安達康二196808

 11と22の飛車が見合っています。
 68銀と打てば89玉と寄る一手ですが、81飛成には82合、19飛成には29合とされ詰みません。
 22飛の守備力を減らすにはどうすればよいか?
 まず24角と限定遠打。

<初手:24角>
安達康二24角

 24角は22飛の縦利きを遮断する手です。
 69玉なら68金と寄り、59玉には19飛成から48銀打まで。
 また68歩合と捨合で延命を図るのは、19飛成、69銀合、68角、89玉、69龍まで。
 玉方は、やむなく24同飛と応じますが、68銀、89玉と追ったときに、34角が決め手です。

<5手目:34角>
安達康二34角

 45~78に合駒するのは、今度は飛車の横利きが止まったので81飛成があります。
 34同飛と取れば19飛成まで。

 7月8日にも安達さんの作品を紹介させていただきました。
  (→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-121.html
 そちらは飛車の限定遠打でしたが、今回は角の限定遠打が二発という、いずれも7手詰の好作です。

【作意】24角、同飛、68銀、89玉、34角、同飛、19飛成まで7手詰


谷本治男作(詰パラ1966年9月、『続々七手詰傑作集』第36番)
谷本治男196609

 24銀成から26金という詰み筋が見えています。
 すぐに24銀成では36玉とされ、上部に脱出されてしまいます。
 47角と打って逃走路を塞ぐ手がありそうですが、同龍とされ24銀成に36玉と進むと二枚の龍が強力で手がありません。
 58角も同とで続きません。
 ここで妙手が出ます。
 69角の遠打!

<初手:69角>
谷本治男196609_69角

 合駒を調べてみましょう。
 36合は24銀成で簡単。47合も24銀成、36玉に46金と打てます。
 58合はどうでしょうか。歩と桂は打てませんから香合をしてみますと、同角、同と、35金打、16玉、17香までです。頭に利く駒は同じですから、69角は取るしかありません。
 69同と となった局面で第二弾の妙着があります。
 58角です。

<3手目:58角>
谷本治男196609_58角

 36合も47合も利きませんから同龍と取る一手。
 48龍の守りが弱くなったので24銀成が決め手となります。

 二枚角の連続遠打で半期賞を受賞された好作です。

【作意】69角、同と、58角、同龍、24銀成、同龍、26金まで7手詰

 谷本さんは本作を『四百人一局集』にも取り上げておられます。そちらは45がと金になっているのですが、今回は詰パラ発表図で紹介させていただきました。


田原宏作(詰パラ1986年8月、『限打の舞』第41番、『80年代ショート詰将棋ベスト200』第124番)
田原宏198608

71と61の二枚の香が意味ありげな配置。
これがなければ11龍や99龍という筋がある。
それを実現するには、やはり遠打です。
まず72角と打ちます。

<初手:72角>
田原宏198608_72角

 27桂合は有力な受けですが、同銀と取ってしまえば簡単です。ただし同銀、同歩成、同角成と進めないといけないので、54角などと成れない地点から角を打つと27桂合で詰みません。また72角に54中合などは同角成とされて詰んでしまいます。
 63合はどうでしょうか。歩と桂以外なら取って19から打てます。歩や桂合の場合には29角から清算する手があります。二枚香の利きがなくなっているので、29角、同桂成、同金、同玉、99龍と引けます。この変化があるので81角と打っては、最後の99龍に79銀合とされて詰みません。
 玉方も72同香と応じるしかありません。
 継続手段は当然ながら63角の遠打。

<3手目:63角>
田原宏198608_63角

 72角の変化で触れたように27合は同銀で詰みます。
 63同香と取らせれば、28の銀を19に捨てて17の銀を28に引けば、18玉に11龍が実現しました。
 最初に紹介した安達作のように一枚の飛を二枚角で動かす作品は今では定番ですが、本作のように二枚の香を動かすのは珍しいと思います。

【作意】72角、同香、63角、同香、19銀、同玉、28銀、18玉、11龍、まで9手詰

 田原さんは初入選が1968年で、1986年には18人目の同人作家。作品集には「舞シリーズ」10巻1000局があり、その創作エネルギーには敬意を表します。
 本作が収録されている『限打の舞』はシリーズ第七集にあたります。
 なお田原さんの作品は「詰将棋 駒の舞」というブログに紹介されています。
   http://www008.upp.so-net.ne.jp/koma_mai/


***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
     遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
       投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
       編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2016年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

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※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
blogsokikaitusin@gmail.com
以上

締切迫る!9月20日です!「すらすら解ける20手台」PartⅡの解答締切日

締切迫る!9月20日です! 
 「すらすら解ける20手台」PartⅡの解答締切日

■「すらすら解ける20手台」PartⅡ出題中
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡを出題中です。
  (→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-126.html 
 解答締切は9月20日(水です。

 一目で筋の見える作品、思わず解いてみようという作品、形は悪いが手をつけてみると一気に最後まで進む作品、解けたとき流れの気持ち良さに心和む作品、一手の妙手に納得する作品、等々、解いていただければ納得いただける作品が揃っています。
 昨年を超える解答数を期待しているのですが、今のところ一桁。このままでは結果発表も盛り上がりません。
 一題でも解ければどうぞ解答を送ってください
 解答者の中から若干名に呈賞させていただきます。

◇解答送り先: blogsokikaitusin@gmail.com
◇解答締切:9/20(水
◇解答要領:
・「キーとなる一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです)
   ※キーとなる一手は問題ごとに設定しています。
・評価:ABC評価をお願いします。
   ※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
・短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、色々な角度からのコメントをお願いします。
    長くても結構ですので、たくさんの短評をお願いします。

★図面と解答用紙は次のサイトから取り出すことができます。
図面: http://firestorage.jp/download/ae0611a8ec56f9e065e06a19d8dcf4deacfaed58
解答用紙: http://firestorage.jp/download/71b0cd628d38a3d263d8ddc477c82c4c8abc8745
パスワードはいずれも「sura2017」です。

*昨年の「すらすら解ける20手台」は以下を参照ください。
  8.24出題 → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-43.html
  9.22(結果稿第一回) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-48.html
  10.13(まとめ) → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-67.html


■創棋会45周年記念作品
 45周年記念の会合の様子については、先日例会報告をさせていただきました。
  (→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-127.html 

 記念作品が多数集まりましたので、何回かに分けて紹介させていただきます。
 解答募集という形はとりませんが、作品への感想などございましたら、コメントをお願いします。
 今回は前回紹介した二作の作意手順を発表します。

中出慶一作 「還元玉45」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
45の還元玉

 初手は俗手ですが56金と と金を取ります。
 同玉なら74馬があります。以下45玉には46歩から35銀として19の飛車を活用して詰みます。
 同香には63馬とします。54歩合も同馬と切ってします。
 もったいないようですが、ここで一歩稼いでおかないと駒が足りなくなります。
 54同玉には87馬ともう一枚の馬を活用。
 45玉に46歩と叩き、同玉と取らせて37銀と引きます。
 35玉には36銀、34玉、33と、同玉、32馬、同玉、12飛成として詰みます。
 そこで47玉と打歩詰で逃れようとします。
 攻方は69馬から49飛の連続大駒捨てで打歩詰を打開しようとします。
 これには玉方も69同飛不成、49同飛不成と、連続不成の妙手で応じます。
 48歩と打って銀歩送りの筋に入りました。それでも玉方は48、47、46と三連続の飛不成
 飛不成の意味は34銀、54玉となったところでわかります。ここで打歩詰に持ち込もうということだったのです。
 攻方もここで53と としてようやく45歩と打つことが出来ました。
 以下は奪った飛車で止めを刺します。
 詰み上がりは45と還元玉になりました。
 手順は軽やか、大駒捨てや玉方飛の連続不成もあり、楽しめる作品でした。

【作意】56金、同香、63馬、54歩、同馬、同玉、87馬、45玉、46歩、同玉、
  37銀、47玉、69馬同飛不成49飛同飛不成、48歩、同飛不成、36銀、46玉、
  47歩、同飛不成、35銀、45玉、46歩、同飛不成、34銀、54玉、53と、44玉、
  45歩、同飛、同銀、同玉、35飛、44玉、54と、同玉、55飛、44玉、53飛成、
  45玉、55龍まで43手詰


中村雅哉作 推理将棋「45」(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会)
 創棋会45周年記念例会での席上対局はわずか10手で先手が詰まされたそうです。
 先手は45周年に思い入れがあったせいか45の地点に2回着手したそうです。
 さてどんな将棋だったのでしょうか?


【解答】36歩、34歩、37桂、33桂、45桂、同桂、46歩、57桂成、45歩、47桂まで10手。
<10手目:47桂まで>
推理将棋45

 10手で先手が詰む形にはどういうものがあるか?
 しかも45地点が争点になるということは角を活用するのは難しそうです。
 42飛から48飛不成という筋がありそうですね。
 たとえば46歩、42飛、45歩、44歩、同歩、同飛、48飛とやると10手で詰む形は出来るのですが、先手が45に二回着手というのは無理です。
 49金を取らせる手などもあるのですが「先手が45に二回着手」がクリアできません。
 もう一つ有力な筋があります。
 初心のときに好きだった手筋です。
 57に成り駒をつくって桂馬の吊るし詰を狙うのです。
 後手の桂馬は3回で57までジャンプできます。
 もう一枚の桂は29にあります。
 これをどうやって自爆させるかと考えれば、45桂と跳ねて後手にタダで取らせる手はすぐに浮かぶと思います。
 最後に時間差のような45歩突きが入って「先手が45に二回着手」もクリアです。
 やさしい推理将棋で記念作にうってつけの一題でした。

 記念作品の続編については、次回以降に引き続き紹介させていただきます。


■創棋会の次回課題
 創棋会の次回例会は10月15日です。
 課題は「遠打や遠開き、3回以上」です。遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内。
 例会で選題のうえ、12月号作品展に掲載されます。
 投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

 さて課題作の例題紹介ですが、「遠打や遠開き、3回以上」を実現したものはほとんど紹介できていません。7月29日に紹介した長谷さんの作品くらいです。
  (→ http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-123.html 

 それだけ難度の高いテーマではないかと思います。
 単発の遠打や開き王手を紹介してきたのは、「3回以上」の組み合わせのパーツとしては意味があると考えてのことですが、今回は課題に少しでも近いものを紹介したいということで「限定打の連打」を三作紹介します。連打は課題を表現する一つの方法かと思います。


秋元龍司作(近代将棋1976年9月、『現代詰将棋短編名作選』第5番)
秋元龍司作197609

 持駒香四枚といえばすぐに思い浮かんだのが本作でした。
 まずは作意を鑑賞しましょう。
 95香、84香、76香、67香と香を連打します。

<7手目:67香>
秋元龍司作67香

 67香を取らなければ(たとえば54合など)36馬までですから、67同角成と取りますが96馬までの詰みとなります。
 この詰上りの局面を見れば、一つひとつの香の打ち場所がすべて限定されていることがおわかりいただけるでしょう。
 初手94から打つと3手目84香に94玉とされてしまいます。
 また初手95香に94桂の捨合は同香、83玉、85香、73玉、74香、63玉、55桂まで9手駒余り。
 3手目86香とすると85歩合とされて最終手の96馬が出来ません。
 5手目の76香も67馬の利きを止めています。他の場所では最終手に67馬の利きで85歩合とされると詰みません。
 7手目67香もそれ以外の場所では54歩合とされ、36馬には45歩合で78角の利きがあって詰みません。
 本当にうまくできていますね。
 『現代詰将棋短編名作選』では有吉弘敏さんが「論理性と美を兼ね備えた逸品」と称賛されていますが同感です。

【作意】95香、83玉、84香、73玉、76香、63玉、67香、同角成、96馬まで9手詰


須藤大輔作(詰パラホームページ2008年8月、『撫子』第57番)
須藤大輔作200808

 本作も四香連打です。今度は7筋への連打。
 73を塞いで52銀不成から81飛成とする筋が有力ですが、いきなり73香では82玉とされ、72銀成~81飛成は83玉から74玉と大海に脱出されます。
 75や74に香を打っても73歩と中合されると、52銀不成に72玉と立たれて続きません。
 初手は76香が正解です。

<初手:76香>
須藤大輔作76香

 76香でも73歩合とされると同じように見えますが、ここで26角と飛び出す手があります。以下、82玉、72銀成、同玉(83玉は81飛成)、62角成で詰みです。
 76香の効果で86飛の横利きがなくなったので26角が可能になったのです。
 となれば76香は取る一手。
 続いて75香と第二弾の限定打。
 単に82玉だと72銀成、83玉、81飛成です。74から香を打つと、このとき74玉と脱出されます。
 また73合なら52銀不成です。今度は玉方86飛が76に移動したので、72玉には81飛成の詰みがあります。
 ちょっとひねって74合としても73香と打てば、74が埋まっているので、82玉、72銀成、83玉、81飛成の詰みです。
 やむを得ない75同飛に74香と追撃です。
 73合は52銀不成、また82玉は72銀成があります。
 これも74同飛と応じるしかなく、最後の決め手が73香です。
 同飛と取らせて、ようやく73地点が塞がり、52銀不成で収束です。
 本作は週刊将棋の「新詰将棋探検隊が行く」でも取り上げられた四香連打の好作です。

【作意】76香、同飛、75香、同飛、74香、同飛、73香、同飛、52銀不成、72玉、
   81飛成まで11手詰


山中龍雄作(近代将棋1966年3月、塚田賞、『古今中編詰将棋名作選Ⅰ』第106番)
山中龍雄196603

 最後は中編作。
 清潔な初形から趣向的な手順が展開されます。
 「香は下段に打て」と言いますが、73角が良く利いていますから18香とします。
 22玉の変化がかなり難しいのですが、32歩成、同玉、36香、33歩、同香成、同玉、35香、43玉、44香、53玉、65桂、52玉、53歩、62玉、73桂成、同玉、82角として詰みます。
 23玉と寄れば27香。以下36香、45香と最遠地点から香の連打です。

<7手目:45香>
山中龍雄45香

 53玉に対して65桂と跳ねれば52玉と落ちるしかなく、寄せが見えてきた感じです。
 なお香の連打に対して歩の中合をすると、52玉の局面で53歩と打って早く詰みます。
 52玉には54飛と回ります。
 63玉と上がって角を犠牲に何とか逃げようとしますが、攻め方も飛を見捨てて二枚角で迫ります。
 二枚の角を成って64馬と寄ればキレイな収束が待っています。

<17手目:64馬寄>
山中龍雄64馬

 45から18まで香の階段を下りるようにして詰みます。

【作意】18香、23玉、27香、33玉、36香、43玉、45香、53玉、65桂、52玉、
   54飛、63玉、73角成、54玉、63角、65玉、74角成、54玉、64馬寄、45玉、
   55馬、36玉、46馬、27玉、37馬、18玉、28馬まで27手詰


***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年10月15日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[課題] 12月号掲載作品展「遠打や遠開き3回以上」。
遠打のみ・遠開きのみ・両者の合計、いずれも可。29手以内
投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
      編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2016年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編

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