次回課題は「繰り返しのある短編」

<次回課題は「繰り返しのある短編」>

■創棋会の次回課題は「繰り返しのある短編」
 創棋会の次回課題は「繰り返しを含む短編(17手以内)」です。
 12月の例会で選考、3月号作品展に掲載の予定です。
 「繰り返し」についての定義はありません。
 これまでの例題紹介では「駒の繰替え」「同種駒の打捨て」「同一地点への捨駒」「翻弄」「対称形で左右での捨駒の繰り返し」などを紹介してきましたが、まだまだ「繰り返し」の表現はたくさんあるとおもいます。
 自由な発想で「繰り返し」を表現していただければ幸いです。
 創棋会作品展には、特に応募資格はありませんので、皆さまからの投稿をお待ちしています。
 投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp


 それでは早速例題を紹介させていただきます。

鳥越九郎作 詰パラ1956年3月号(『凌雲』第40番)
鳥越九郎作

 まず一作目は鳥越九郎さんの作品です。
 68金の一手詰? いや68には35の馬が利いています。
 角や銀を78(76)から打つのは57玉とされると続きません。
 となると57玉を防ぐためには58から金銀を打つしかありません。
 58銀なら玉方は同龍の一手です。
 76角とすると57玉、58金と手は続きますが46玉とされて捕まりません。
 58同龍には78角と打って57玉には56金打を用意するのが正解。

<3手目:78角>
鳥越九郎作_78角

 78角と打たれれば同龍と応じるしかありません。
 そこで継続手段が76銀打です。

<5手目:76銀打>
鳥越九郎作_76銀打

 57玉には47金打までですから、これも同龍と取ります。
 八段目から龍の利きが消えましたので58金打までで詰みました

 攻め方の捨駒を同龍と取る手が繰り返されます
 終わってみれば、56→58→78→76と玉方の龍が一回転。
 龍の回転をキレイに表現した作品です。

 前々回のブログで山中龍雄氏の角の回転を紹介しましたが、本作は龍の回転でした。

【作意】58銀、同龍、78角、同龍、76銀打、同龍、58金打まで7手詰


田原宏作 『風花の舞』第79番(2003年7月発行)
田原宏作№79_

 田原さんの作品も前々回紹介しましたが『風花の舞』からもう一局。

 23玉とされると攻めの継続が難しそうなので22飛成とします。
 23合は25金の一発ですから34玉とします。
 ここでじっと32龍と寄ります。33合には35金を見ています。44玉なら45銀から56銀で脱出阻止できます。
 危ないようですが、32龍には24玉と戻って耐えます。22龍なら34玉で千日手。
 ここで25銀と捨てるのが打開の好手。

<5手目:25銀>
田原宏作№79_25銀

 これは同玉と取る一手ですが、23龍と一間龍の形で迫ります。
 24合は26金があるので35玉とかわします。
 対して33龍と寄れば25玉と、先ほどと同じように受けますが、今度も26銀と捨てるのが好手です。

<11手目:26銀>
田原宏作№79_26銀

 これも同玉と取るしかありません。
 24龍と迫ります。
 36玉と寄ったところで、37金が決め手です。
 同玉と取らせて27龍までの詰み。

 龍がせり上がるように32→23→33→24とノコギリ状に移動し、その間に25銀、26銀の捨駒が繰り返されます
 ミニ趣向の雰囲気を感じさせてくれる一作です。

【作意】22飛成、34玉、32龍、24玉、25銀、同玉、23龍、35玉、33龍、25玉、
   26銀、同玉、24龍、36玉、37金、同玉、27龍、まで17手詰


三輪勝昭作 詰パラ1977年6月(『幻の城』第40番)
三輪勝昭作№40

 団子状態の飛車と金が目立つ初形です。
 何となく33馬と金を奪って22金までといった収束もちらつきます。
 その筋を目指して11飛と捨てます。
 同玉には13香と捨てて穴塞ぎ。
 同金にあわてて33馬は同馬と取られてしまうので12歩と叩くのが好手筋。
 11飛、13香、12歩の三連捨ては三手一組の気持ちよい手順です。

<5手目:12歩>
三輪勝昭作№40_12歩

 12歩を同金は21金までですから、これは同玉の一手です。
 これで34馬と飛を取ることが出来ます。
 同金なら22飛があるので23金左と寄るのが上手い受け。
 ここで14香は同馬と取られ、11飛、同玉、33馬としても12玉とかわされて続かない。
 単に11飛と捨てるのが正解。
 同玉に、33馬と急ぐのは同馬があるので、13香とします。

<11手目:13香>
三輪勝昭作№40_13香

 同金に12歩
 11飛、13香、12歩、この手順、どこかで見た運びですね。
 そうです。前半34の飛車を奪うまでの手順がここで再現されました。
 手順が進んでも、良く似た舞台が現れて、同じ手順が繰り返されるのは、何となく不思議な感じがします。
 同金と取らせれば33馬と金を取って、同馬に21金までの詰みとなります。

 11飛、13香、12歩という三連打が二度繰り返される のは、とても楽しめる構成です。
 必要最小限の配置でその手順が実現されていることも素晴らしいです。

【作意】11飛、同玉、13香、同金、12歩、同玉、34馬、23金左、
     11飛、同玉、13香、同金、12歩、同金、33馬、同馬、21金打まで17手詰

 『幻の城』は三輪さんの作品集で2014年に発行されました。
 収録作品が粒ぞろいなのは当然ですが、配列が詰パラ形式になっているのがユニークで、何よりも解説陣が著名メンバー12名という、豪華な内容です。


上田吉一作 将棋天国1979年3月(『極光21』第41番)
上田吉一№41

 最後は中編作です。
 前回対称型から左右で繰り返し風の手順が現れる大塚さんの作品を紹介させていただいたのですが、雰囲気の良く似た作品が上田さんの作品集にありました。

 初形73龍以外は左右対称です。
 まず43桂打とします。52玉なら62龍と切って金打までですから同金と取ります。
 そこで41と と捨てれば、同玉に43龍と一間龍の形になります。
 さて何を合するのが正解でしょうか?
 31歩成、同玉、32金の筋があるので、横に利く飛車か金しかありません。
 飛車合は、33桂、同角、31金、51玉、63桂打、同金に42龍があります。同玉なら41飛、また同角には61飛と打てるので、63の金を奪って駒余りの詰みとなります。
 最善は42金合です。

<6手目:42金合>
上田吉一№41_42金

 ここで31金、51玉、63桂打、同金、61と、同玉、63龍と同じ手順を繰り返したくなりますが、62金合とされると持駒が減っただけで何もメリットがありません。
 この局面で33桂打がパズルを解決する鍵です。
 33桂に51玉なら63桂から61金がありますから、これは同角の一手です。
 これで44角を33に移動させることができました。
 33同角とさせてから、31金と打ち、63桂打~61と~63龍と進めます。
 ここで62金合は直ちに同龍と切って金二枚の並べ詰み。44に角がいると62龍は同角で逃れるのですが33桂の効果でそれを防いでいます。
 71歩成を防ぐには62飛合しかありません。

<16手目:62飛合>
上田吉一№41_62飛

 71金から43桂~43龍の筋は42金合とされて詰みません。
 ここは同龍とします。同玉に63金と押さえ、51玉に43桂不成と活用すれば、同金に41飛までの詰み。
 左右で桂と と金を捨てる趣向的な手順が繰り返され、謎解きのパズルの面白さも併せ持った作品です。

【作意】43桂打、同金、41と、同玉、43龍、42金合33桂、同角、31金、51玉、
   63桂打、同金、61と、同玉、63龍、62飛合、同龍、同玉、63金、51玉、
   43桂不成、同金、41飛まで23手詰


 例題は管理人の感性で「繰り返し」が表現されたと思われるもの選んでいます。
 今回はいかがでしたか。
 皆さまからも、楽しい作品の投稿をお待ちしています。


***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」。17手以内
       投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
       編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし
  ※終了後新年会開催!
   場所は決定次第連絡させていただきます。

***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
   blogsokikaitusin@gmail.com
以上
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詰備会に行ってきました

<詰備会に行ってきました>
※11/9訂正:写真のお名前を間違えていました。大変失礼しました。

■詰備会に行ってきました
 11月4日は詰備会に参加。
 新幹線でアクシデント(酔っ払いが線路に降りてトンネルに入った!)があり、岡山到着は30分遅れ。
 それでも早めについたので今回は吉備津彦神社に参詣。
 由緒正しい神社ですが、前回訪れた吉備津神社よりも規模は小さく、あっという間に観光終了。

吉備津彦神社

 岡山市内をブラブラして、駅前のビルにある岡山シティミュージアムの「池田光政 絵図展」を見学。池田公は岡山城主になる前に鳥取城主だったというのを初めて知りました。

 少し天気が心配な空模様になってきたので、開場予定時刻前でしたが会場へ。
 赤畠さんが設営を終えられており、小林さんや竹村さんが早速盤駒を広げておられます。
 少しずつ参加メンバーも増え、作品展候補作の検討などが始まります。
 名古屋から堀内さんが初参加。
 今回の参加目的は「裏短コン」の作品募集だったようです。
 5手詰というのはなかなか難しく、超短編の雄である片山さんに話をうかがいながら、こういう筋はどうかと適当に駒を並べていると、中村さんも入って次第に熱を帯びてきました。当初の思いつきレベルのアイデアが原形をとどめないほど駒数も増え、条件の一つである「11枚以上」は楽々クリアー(笑)。
 最後に上谷さんに柿木で検討してもらうと、危ない筋がどんどん出てきて、修正に次ぐ修正。詰将棋の創作は着想と実現に至る根性、ネバーギブアップの精神だということをあらためて再確認できました。
例会風景
(左から、片山さん、中村さん、堀内さん、上谷さん。
 写真を撮っている人は、ついていけずあきらめモード…笑)

 最後は恒例の集合写真です。
集合写真
(前列左から:山路さん、平井さん、小林さん、堀内さん、赤畠さん、
後列左から:岩本さん、上谷さん、片山さん、川崎さん、中村さん、利波さん、竹村さん)
※上谷さん、お名前の誤記、大変失礼しました。謹んでお詫び申し上げます。

 例会終了後は懇親会。中華料理に舌鼓。アルコールも入って楽しいひとときを過ごしました。
 さらに懇親会終了後も若干名が三次会。
 本当に楽しい一日でした。ご一緒いただいたみなさん、お世話になり、ありがとうございました。


■創棋会の次回課題
 創棋会の次回課題は「繰り返しを含む短編(17手以内)」です。
 12月の例会で選考、3月号作品展に掲載の予定です。
 「繰り返し」について特別な定義はありません。
 自由な発想で「繰り返し」を表現していただければ結構です。
 創棋会作品展には、応募資格のようなものはありませんので、皆さまからの投稿をお待ちしています。
 投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

 それではいつものように課題作の例題を紹介させていただきます。

中出慶一作 詰パラ2008年10月号(『撫子』第22番)
中出慶一200810

 小駒図式です。
 上部脱出を防ぎながら攻める必要があります。
 23銀は取ってくれれば14金と上から押さえて33玉なら45桂、また32玉なら44桂と打てば詰みますが、23銀に33玉とかわされると24からの脱出ルートを止められません。
 ここで13桂がなければ13銀と打てるということに気づけば、桂の打換えが見えます。
 21桂成、同玉、33桂と進めます。

<3手目:33桂>
中出慶一200810_33桂

 33桂を同香では33の地点が埋まるので13桂と打ち直して32玉に43銀で簡単です。
 22玉なら今度こそ13銀から14金の筋で詰みますから32玉と凌ぎます。
 33から脱出させるわけにはいかないので43金と打ちますが、じっと22玉と寄って耐えます。
 そこで軽く21桂成と成り捨てるのが好手。
 同玉と取らせて、もう一度13桂と打ち直します。

<9手目:35金>
中出慶一200810_13桂

 初形に戻ったようですが43金と拠点を築いたのが大きい。
 22玉と逃げるしかありませんが、33桂がいなくなったので33銀と打つことが出来ます。
 同香と取らせて香の守備を弱めたところで、もう一度21桂成と捨てると同玉に32金打までの詰み。

 桂の打換え織り込んで21桂成と捨てる手が何度も繰り返されます
 リズム良く手が進みミニ趣向が楽しめる好短編です。

【作意】21桂成、同玉、33桂、32玉、43金、22玉、21桂成、同玉、13桂、22玉、
   33銀、同香、21桂成、同玉、32金打まで15手詰


上田吉一作 詰パラ1979年4月(『極光21』第72番)
上田吉一197904№72

 初手は44飛が有力そうだが、32玉、33歩、同龍とされて詰まない。ここは55桂と打つのが正解。
 32玉とかわしたら33歩と叩きます。33同玉なら22銀打があり、同龍、同銀と飛車を奪えば12飛打から簡単な詰み。31玉と引いても32銀から清算して33歩と打てば同玉は34飛打から、また42玉も54桂打があって詰みます。
 33歩には同龍が最善ですが、龍が動いたので12飛成と突っ込みます。
 22合なら同銀成、同龍、23銀、42玉、54桂と追って簡単ですから、31玉と銀を取ります。
 ここで43桂不成だと同香とされて詰みません。また43桂打も同香、同桂不成、41玉で逃れます。
 まず23桂と捨てます。

<7手目:23桂>
上田吉一197904№72_23桂

 これは同龍と取る一手。
 続いて43桂不成と初手に打った桂を活用するのが気持ちの良い手です。
 23桂から43桂不成が手順の妙です。
 23同龍と取らせてから43桂不成とすれば同香は42銀の一発ですから同龍と応じるしかありません。
 龍を43に動かしてから、決め手の13角成です。

<11手目:13角成>
上田吉一197904№72_13角成

 これも同龍の一手です。
 最後は42銀と捨て、同香に32歩と打ち、41玉に41龍までの気持ちの良い詰め上がりです。

 同龍とする手が四回繰り返されます。龍を翻弄する好短編です。

【作意】55桂、32玉、33歩、同龍、12飛成、31玉、23桂同龍43桂不成同龍
   13角成同龍、42銀、同香、32歩、41玉、21龍まで17手詰


大塚敏男作 近代将棋1952年6月(『漫陀楽』第一巻・第37番、『あさぎり』第93番)
大塚敏男195206

 三作目は長編趣向作家として有名な大塚さんの短篇。
 美しい対称型です。
 “左右同形中央に手あり”という格言通り、51飛から53香と捨てて53に逃げ道を塞ぎます。
 53香を同金では、と金を寄ってつみますから同飛と取ります。
 このままでは金の守備が強力なので、41と と寄って52玉に44桂と捨てて守りを崩します。

<7手目:44桂>
大塚敏男195206_44桂

 同金は42との一発なので同馬と応じます。
 そこで51と と捨てて、同玉に61と寄と体を入れ替えて左から攻めるのが上手い切り替えです。
 52玉に64桂と捨てます

<13手目:64桂>
大塚敏男195206_64桂

 これは同金と取るしかなく62と とすれば詰みです。
 念のため補足ですが、7手目に64桂は同金とされると63に逃げ道が出来るので詰みません。
 対称型から、左右で桂捨が繰り返され、と金の動きがリレーのようで楽しめます。

【作意】51飛、同玉、53香、同飛、41と寄、52玉、44桂、同馬、51と、同玉、
   61と寄、52玉、64桂、同金、62と引まで15手詰

 『漫陀楽』(全三巻)は大塚播州全書としてまとめられたもので、2012年に創棋会から発行されました。
 自作作品集、論考集、趣向作総覧とボリュームたっぷりの労作です。
 在庫はありますのでお問い合わせは下記までお願いします。
   blogsokikaitusin@gmail.com


 例題は管理人の感性で「繰り返し」が表現されたと思われるもの選んでいますが、今回はいかがでしたか。
 皆さまからも、楽しい作品の投稿をお待ちしています。

***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」。17手以内
        投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
        編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし
   ※終了後新年会開催!
    場所は決定次第連絡させていただきます。

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以上

詰パラ11月号到着

<詰パラ11月号到着>

■詰パラ11月号が到着
・表紙は馬屋原さん。初登場は驚き。氏の腕をもってしても表紙の条件だったのですね。
・詰棋校(12P~)。
 小学校:今月も東西ネタですね。中国地方3名は珍しい?各校眺めた範囲では、北海道・東北・四国が0名でした。
 中学校:解答選手権年鑑で担当者の雄姿を拝見しました。私なんかは解答競争も交流の場のように思うのですが? また公平性云々は素晴らしいポリシーで敬意を表しますが、それと人付き合いの良さはまた別ものかと思います。
 高校:同人作家に看寿賞作家の揃い踏み。
 短大:こちらも豪華メンバーですね。23の持駒の多いこと。全部打っても21手かかりますが作意は?
 大学:大学も豪華メンバー。武島さんは高・短・大に登場。同人入りおめでとうございます。
 大学院:趣向的な初形の作品と難解ですという作品が並ぶと、食指が動くのは解いてみようという気にさせる作品の方ですね。やさしい大学院が待たれます。
・内藤国雄の小ルーム(18P)。“ふたりっ子”の話は面白い。立場変われば、という話はどこにでもありそうですね。必至問題も手数が長くなると、妙手が見えるかどうかだけでなく読みの力が問われるのを痛感。
・たま研作品展(20P)。40名参加はすごいですね。その場で作品を集めたら素晴らしいアンソロジーが出来そうな豪華メンバー。
・大道棋教室(22P)。野曽原さんが大道棋デビュー!
・全詰連の頁(24P~)。「看寿賞作品賞」の正誤表。真摯な対応に頭が下がりますが、歴史に残る一冊となれば、重版では万全を期したいとの想いには同感。
・持駒のある風景(24P~)。詰将棋一番星は興味深い内容。調べるのは大変ですが読み物としては面白い。
・大道棋よもやま話(28P)。創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」から2題が紹介されています。
・ちえのわ雑文集(30P~)。「ツイッターでの煙詰の共同創作」の話。昔なら郵便将棋風に創作したというところですが、電子通信機器を使えばネットワークの広がりもスピードもアナログの時代とは比較になりませんね。
・読者感想文(46P~)。第一号は田口さん。ご自身が解説した作品が短編名作選や看寿賞作品集に収録されているのを探すというのは極上の楽しみ。
・サロン(48P~)。
 谷川幸永さんの半期賞〔解答の部〕受賞の言葉は面白い内容。無評価の位置づけはユニークな視点。ライバルには微苦笑。他の人のも読んでみたくなりました。
 創棋会のネット作品展「すらすら解ける20手台」PartⅡ についても紹介させていただきました。


■創棋会の次回課題
 創棋会の次回課題は「繰り返しを含む短編(17手以内)」です。
 12月の例会で選考、3月号作品展に掲載の予定です。
 「繰り返し」についての定義はありません。
 自由な発想で「繰り返し」を表現していただければ幸いです。
 創棋会作品展には、特に応募資格はありませんので、皆さまからの投稿をお待ちしています。
 投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp


 課題の例題紹介の前に前回紹介させていただいた長谷繁蔵さんの作品に関連したことを少し書かせていただきます。

長谷繁蔵作 詰パラ1962年9月号(『古今短編詰将棋名作選』第103番、『凌雲』第63番)
長谷繁蔵196209

【作意】27銀、29玉、18銀、38玉、58龍、48銀合、27銀、29玉、69龍、同香成、
  18銀、38玉、39歩、同銀成、27馬まで15手詰

 最近ネットで取り上げられていたのが話題の新人 岸本祐真さんと看寿賞作家 上谷さんの作品。ここでは代表して上谷さんの作品を紹介させていただきます。

上谷直希作
上谷直希作

【作意】26金打、18玉、29角、同歩成、38龍、28銀合、19歩、同と、28龍、同と、
  27銀、17玉、19飛、同と、18歩、同と、16金、27玉、26金引まで19手詰
(上谷作の詳しい解説は下記URLを参照ください
https://www.akatsuki-shogi.com/blog-1/kan-shou-shang-zuo-jia-gakao-eteirukoto

 上谷作の6手目28銀合は後で取られる駒なのにわざわざ価値の高い駒を合駒する不思議な手ですが、歩合では7手目いきなり29龍とすれば同歩成と応じるしかなく、直ちに19歩と打つことが出来るのですが、銀ならば29同銀不成として打歩詰に誘致できるというわけです。歩桂香は9段目に不成が出来ないことを逆用した高級手筋と言えます。

 先に紹介した長谷作も6手目48銀合は、同じ手筋を実現した作品です。『凌雲』を読み直すと、川崎弘さんから駒が9段目に行くと成らなければならないのを利用した作品が過去にないと教えられて作ったということが創作の経緯として書かれていました。前回紹介時にその点に言及できず失礼しました。


 それではいつものように課題作の例題を紹介させていただきます。
 まず一作目はベテラン山中龍雄さんの作品です。

山中龍雄作 詰パラ1962年4月号(『古今短編詰将棋名作選』補遺22番)
山中龍雄196204

 持駒は豊富。さてどこから手がかりをつけるか。
 初手は24金が、上部脱出を防いで、44角の勢力圏に玉を呼ぶ一石二鳥の好手です。
 同玉は33角成から23銀、また15玉は25金から26金打があるので同角と応じます。
 ここで15金と打つのが妙手。

<3手目:15金>
山中龍雄196204_15金

 同玉なら26金、同歩、25金で詰むので、同角と応じます。
 そこで26桂が軽手。これも同角と取るしかありません。
 角の利きがずれたので、もう一度24金と捨てれば同玉の一手です。
 あわてて33角成では35から脱出されますので35金と捨てて穴塞ぎ。

<9手目:35金>
山中龍雄196204_35金

 15玉と逃げても25金から駒余りの詰み。同角と取ります。
 以下、33角成から23銀までの詰みとなります

 金の打捨てを同角と取らせる手が何度も繰り返されます
 終わってみれば、24→15→26→35と玉方の角が一回転。
 角の回転をキレイに表現した好短編です。

【作意】24金、同角、15金、同角、26桂、同角、24金、同玉、35金、同角
  33角成、14玉、23銀不成まで13手詰


若島正作 詰パラ1982年6月(『盤上のファンタジア』第19番)
若島正№19

 金気も成駒もないサッパリした初形。
 それもそのはず本作は創棋会の課題作「清貧図式」に投稿されたもの。
 実戦なら23歩成から13香と攻めたいところだが、12合、同と、同飛と応じられると41角が23地点に利いてくるので、続きません。
 23桂不成と跳ねる手を含みに11飛と捨てて13香と迫るのが正解です。
 平凡な12合では23桂不成で詰んでしまいます。
 しかし玉方には巧い受けがありました。
 12飛と移動合するのです。

<4手目:12飛>
若島正№19_12飛

 12飛は41角の利きを活かして23桂不成を防ぐ好防でした。
 これは同香と取るしかありません。
 12同玉となって飛香の持駒では手が無さそうですが、23歩成が軽手。

<9手目:23歩成>
若島正№19_23歩成

 これは同角の一手ですが、そこで13飛と捨てて13香と打てば、23角が質駒になっているので12合なら23桂不成まで。
 玉方も最後の抵抗で12角と引く移動合で凌ぎますが、それでも23桂不成で詰んでいます。

 11飛と捨てて13香と打つ、これが二回繰り返されます
 その間に、12飛の移動合や23歩成の軽手を挟んで、やさしいながらも楽しめる作品です。

【作意】11飛、同玉、13香12飛、同香成、同玉、23歩成、同角、
   11飛、同玉、13香12角、23桂不成まで13手詰


田原宏作 『風花の舞』第42番(2003年7月発行)
田原宏№42

 22馬としたくなりますが24玉とかわされると、33馬と戻っても16桂と打っても、25玉とされて続きません。
 ここは25桂と捨てて逃げ道を塞ぐのが手筋です。
 25同と寄なら、22馬、24玉に34銀成の好手がありますから、25同と引と応じます。
 それでも22馬と入り24玉となったところで、16桂と捨てれば、今度は取るしかありません。

<5手目:16桂>
田原宏№42_16桂

 16同とに33馬と戻せば、25玉には37桂があるので、13玉と引きます。
 そこでもう一度25桂と捨てます。

<9手目:25桂>
田原宏№42_25桂

 これは同と とするしかありません。
 もう一度22馬とすれば24玉の一手に、学習済みですが34銀成と捨てるのが味の良い手で同玉に33馬までの詰みとなります。

 22馬、33馬を繰り返し ながら、3度の桂捨てを絡ませて微妙に局面を変化させていく、パズル的な作品でした。

【作意】25桂、同と引、22馬、24玉、16桂、同と、33馬、13玉、25桂、同と、
   22馬、24玉、34銀成、同玉、33馬まで15手詰

 本作は紙誌には未発表で『風花の舞』に収録されたものです。
 『風花の舞』は2003年に発行され、田原氏にとっては10冊目の作品集となります。驚くのは1998年に『小駒の舞』を出版されてから僅か5年間で10冊の作品集を刊行されたことです。全部で1000作が収録されているのですが、未発表作も多数含まれていて、その創作エネルギーには圧倒されます。


廣瀬崇幹作 詰パラ2009年5月(『撫子』第122番)
廣瀬崇幹200905

 最後は中編作ですが、銀の繰り替えパズルを一つ紹介させていただきます。
 攻め方の包囲網は強力ですから逃げられる心配はありません。
 詰み形がちょっと見えないのですが、54龍と行きます。
 35玉に重いようですが、44銀と打ちます。
 これが大きな拠点で玉は一気に狭くなります。
 34玉の一手ですが、44銀を動かして開き王手すれば簡単に詰みそうです。
 しかし55銀と引いても53銀不成としても35玉とされると、44銀とするしかなく、34玉とされると元に戻ってしまいます。
 ここで46桂と捨てるのが局面を動かす好手。
 同と と取らせて55銀と引くのが46桂捨てとセットの好手順。

<7手目:55銀>
廣瀬崇幹200905_55銀

 46桂捨の効果で35玉とは出来ませんから33玉とする一手。
 これで33歩が消えましたが、この段階ではその意味はわかりません。
 33玉に44銀と攻め34玉に今度は53銀不成とします。

<11手目:53銀不成>
廣瀬崇幹200905_53銀

 33玉には42銀不成があるので35玉と上がります。
 そこで47桂と捨てるのがと金を翻弄するような味の良い一手。
 同と と取らせる意味は後でわかります。
 44銀不成と引き、34玉に、43龍、45玉、54龍、34玉と進むと45歩も消去できました。
 ここまで進めてやっと33歩消去と45歩消去の意味が分かります。
 ここからあわてて33銀成と両王手では34玉で詰みません。33銀不成が芸の細かいところです。
 同玉と取らせて45桂まで。
 この詰上りを実現するために二つの駒は邪魔だったわけです。
 初形から33歩と45歩が邪魔駒とはなかなか気づきません。
 また銀の運動の中で46とを翻弄するような2回の桂捨が絶妙のアクセントになっています。
長さを感じさせないリズム感と謎解きのパズルの面白さを併せ持った好作!

【作意】54龍、35玉、44銀、34玉、46桂、同と、55銀33玉44銀、34玉、
   53銀不成、35玉、47桂、同と、44銀不成、34玉、43龍、45玉、54龍、34玉、
   33銀不成、同玉、45桂まで23手詰


 例題は管理人の感性で「繰り返し」が表現されたと思われるもの選んでいます。
 二回目はいかがでしたか。
 皆さまからも、楽しい作品の投稿をお待ちしています。


***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」。17手以内
        投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
        編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし
  ※終了後新年会開催!
   場所は決定次第連絡させていただきます。

***************************************************************
※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
  blogsokikaitusin@gmail.com
以上

創棋会の次回課題「繰り返しのある短編」

<創棋会の次回課題「繰り返しのある短編」>

■「中学生棋士」(角川新書)
 全国大会の来賓挨拶で谷川九段が「名古屋では他にも仕事があり、その成果は2ケ月後くらいにはわかる」とおっしゃっていましたが、それがこの本だったというわけですね。
 藤井四段に関する記述をはじめ随所に詰将棋の話が出てくるのは嬉しい。また羽生・加藤・渡辺の三氏についての考察は、対戦相手としての想いなども書かれていて興味深く読みました。谷川さんは名人になる前から注目の的で、近代将棋や将棋世界では十代から自戦記を連載されていて、当時書かれていたことも思い出しながら、あっという間に読んでしまいました。

■創棋会の次回課題
 創棋会の次回課題は「繰り返しを含む短編(17手以内)」です。
 12月の例会で選考、3月号作品展に掲載の予定です。
 「繰り返し」についての定義はありません。
 自由な発想で「繰り返し」を表現していただければ幸いです。

 10月15日に開催された創棋会例会の模様は小池さんにも紹介いただきました。小池さんありがとうございました。
 そこにも『創棋会作品展は、関西にゆかりのある方以外の投稿も募集しているそうです。』と記載いただいていますが、応募資格のようなものはありませんので、どなたでも投稿歓迎です。
 皆さまからの投稿をお待ちしています。
 投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp

 それではいつものように課題作の例題を紹介させていただきます。
 まず一作目はベテラン長谷繁蔵さんの作品。

長谷繁蔵作 詰パラ1962年9月号(『古今短編詰将棋名作選』第103番、『凌雲』第63番)
長谷繁蔵196209

 パッと目につくのは58龍。
 48歩合なら、27銀、29玉、18銀、38玉に49龍が好手で、同歩成と取らせると、39歩が打てるので、同と、27馬まで。
 しかし58龍には29玉と潜り込まれると詰まない。
 まず銀の繰り替えを行うのが正解。27銀、29玉、18銀、38玉と28銀を18に移動させます。これで29の逃げ道は塞げました。
 そこで待望の58龍です。
 48歩合なら学習済みの49龍があります。
 受け方も工夫して48銀合とします。

<6手目:48銀合>
長谷繁蔵196209_48銀

 なぜ銀合なのでしょうか?
 打歩詰を打開しようと、歩合と同様に49龍と捨ててみましょう。
 歩合は同歩成と応じるしかなかったのですが、銀合は同銀不成と応じることが出来ます。
 同銀不成の局面は打歩詰です。
 なんとかして打歩詰を打開したいのですが、ここで上手い手段がありました。
 27銀、29玉としてから、69龍と捨てるのです。

<9手目:69龍>
長谷繁蔵196209_69龍

 39の利きを消そうとして49銀不成としても同龍か18銀打があります。
 69同香成と取るしかありません。
 ここでもう一度18銀、38玉とすると、今度は39歩が打てるというわけです。
 取歩駒(48銀)を発生させて縛り駒(58龍)を消去するという森田手筋を入玉で表現した好短編。
 69龍の好手が鮮やかなのは言うまでもありませんが、初形の28銀が、27と18を行ったり来たりするところがユーモラスで、繰り返しのある短編に相応しい作品と思いましたので紹介させていただきました。

【作意】27銀、29玉、18銀、38玉、58龍、48銀合27銀、29玉、69龍、同香成、
   18銀、38玉、39歩、同銀成、27馬まで15手詰


中出慶一作 詰パラ1987年7月(『想春譜』第83番)
中出慶一198707

 持駒桂4枚とくれば、もう4桂の打捨しかありません。
 一見して、53龍を動かして62歩成や62飛成を実現したい。そのためには43桂と打ちたいが、43角が邪魔。
 となれば初手は61角成と捨てる一手です。41玉なら33桂、同龍に52馬まで。
 同玉と取らせて73桂と打ち換えます。
 51玉となって初形から43角が消えたので、待望の43桂です。

<5手目:43桂>
中出慶一198707_43桂

 41玉は33桂の一発ですから同龍と取ります。
 龍が43に動いたので62歩成としたくなりますが、74角の利きが通ってくるので詰まなくなってしまいます。
 ここは手筋で61桂成と73の桂を成捨てます。
 取れば62飛成があるので41玉と寄るしかないのですが、そこで33桂が気持ちの良い一手です。

<9手目:33桂>
中出慶一198707_33桂

 龍と取らせて、51成桂と捨てるのが気持ちの良い再活用。
 同玉にようやく62飛成です。
 41玉に53桂が決め手。
 31玉なら41龍まで合利かずの詰み。作意は同龍と取って32銀成まで。
 期待通りに4枚の桂は全部消えて、大変楽しい作品でした。
 本作は同人室に発表されたものです。中出さんが同人作家になられたのは1986年。それからの30年間もコンスタントに作品を発表し続けて、直近では入選473回。衰えない創作意欲にあらためて敬意を表します。

【作意】61角成、同玉、73桂、51玉、43桂、同龍、61桂成、41玉、33桂、同龍、
   51成桂、同玉、62飛成、41玉、53桂、同龍、32銀成まで17手詰


稲富豊作 詰パラ1961年6月(『古今短編詰将棋名作選』補遺18番)
稲富豊196106

 どうやって詰めるのかという形ですが、初手は35飛と俗に打ち込みます。
 同歩なら同馬から24馬と24飛を取ることが出来ます。
 26玉と潜り込もうとする玉に、17金から15飛と回って開き王手するのが好手段です。

<5手目:15飛>
稲富豊196106_15飛

 15飛で25飛と寄るのは44歩と馬を取られて続きません。
 桂馬の裏に回る15飛は、44歩なら24桂と飛車を取りながら開き王手する手を見ているのです。
18玉と潜り込むのも24桂がありますから飛車筋を避けて27玉と寄りますが、17馬と捨てて飛車の利き筋に玉を呼び戻すのが継続の好手。

<7手目:17馬>
稲富豊196106_17馬

 これは同玉と取るしかなく、待望の24桂が実現しました。
 26玉とすると16飛と引いて25玉でも27玉でも26飛打までですから、27玉と寄ります。
 ここで17飛と捨てるのが最後の決め手です。
 同玉と取らせて13飛と可成地点に打ち直せば、27玉に16飛成までの詰みとなります。
 15飛の開き王手を中心に、17金、17馬、17飛と、同一地点にしつこく捨駒が繰り返されるところに、リズム感のある好短編です。

【作意】35飛、26玉、17金、同玉、15飛、27玉、17馬、同玉、24桂、27玉、
  17飛、同玉、13飛、27玉、16飛成まで15手詰

 稲富豊氏は昭和30年代に活躍された方。
 ブログ「借り猫かも」では、今年7月に『稲富豊好作集』と題して10作が紹介されていますので、興味ある方は下記URLを参照ください。
   http://torakamaneko.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/index.html


 「繰り返し」が表現された作品、一回目の三作品いかがでしたか。
 皆さまからも、楽しい作品の投稿をお待ちしています。


***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
    https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」。17手以内
        投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
        編集部に郵送いただいても結構です。

***【次々回例会】**********************************************
[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし
   ※終了後新年会開催!
    場所は決定次第連絡させていただきます。

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※当ブログのコメントは管理者承認制になっていますが、下記アドレスに直接ご意見をいただければ、必要に応じて、返信させていただくとともに、内容をブログに反映するようにいたします。
    blogsokikaitusin@gmail.com
以上

第268回例会報告(2017年10月15日)

<第268回例会報告(2017年10月15日)>

■例会報告
<第268回創棋会例会>
日時:10月15日(日)13:00~17:30
場所:関西将棋会館 4F多目的ルーム
参加者:小池正浩、則内誠一郎、谷本治男、鳥本敦史、中出慶一、中村雅哉、中村宜幹、
    西村章、古川剛士、柳原裕司、吉松智明(以上11名)

 小池さんと鳥本さんには遠方より参加いただきありがとうございました。
 また西村さんが初参加。西村さんは8月号の表紙で初入選されたばかりで詰将棋に熱中されているとのことで、「柿木将棋」の入手方法や、変同の判断などについてご質問がありました。こういうときすぐに参加者から色々なコメントが出されるのが会合のいいところです。柿木は、早速帰宅してからネット購入をされたとのこと。うまくいってよかったですね。
 今回の例会は課題作が揃うかどうかが最大の懸案でしたが、例会の席上で創作完成に向けて取り組む強者もいて複数作品がラインアップ。則内さんが大盤で解説され、何を選ぶかの目安を示されました。今から12月号が楽しみです。
 課題作検討に続いて参加者の近況報告では、鳥本さんから大道棋教室のPRがあり、また柳原さんからは明石六郎さんの囲碁将棋サロンに遊びに来てくださいというお話がありました。
 最後に事務担当から、以下の3点について報告がありました。
  ・今回の「すらすら解ける20手台」は反省の残る内容となった。
   次回は応募条件の明示や選題の工夫を行いたい。
  ・1月は恒例の新年会に加えて昼間の例会を行う。
   課題はないので皆さんから話したいことがあればお願いしたい。
  ・2月例会の課題は、昨年に続いてネット作品展「教材に使える10手台」PartⅡを開催。
   今回のテーマは「実戦に役立つ」こととしたい。
 終了後は新年会会場の下見を兼ね、有志で福島駅前の居酒屋に行き、楽しい詰将棋談議に時を忘れました。

【例会風景】(敬称略)
例会1015_2
(左から):小池、中出、柳原、西村、古川、谷本

例会1015_4
(左から):中村(宜)、鳥本

例会1015_3
(左から):中村(雅)、則内

例会1015_1
(左から):古川、鳥本、中村(雅)、中村(宜)、谷本、中出、小池、則内、西村

■創棋会45周年記念作品(最終回)
 45周年記念の会合の様子については、先日例会報告をさせていただきました。
  → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-127.html
 記念作品が多数集まりましたので、何回かに分けて紹介させていただきましたが、今回が最終回。
 今回はパラ10月号に掲載された作品について簡単に解説させていただきます。


中村雅哉作 「45」
(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会、パラ2017年10月号「ちえのわ雑文集」)
45.png

 盤面曲詰「45」。なんと小駒図式です!
 初手34銀と引く手が有力です。55玉、56歩、同桂、54銀成、同玉、53桂成と捌けば66香の利きが通っていかにも筋に見えます。しかし55玉とされると、54成桂と捨てるしかなく、同玉に、44と としても、65銀と打っても、明らかに戦力が足りません。
 俗ですが35金と と金を取って歩を補充しておくのが正解。これは同金と取る一手。
 そこで34銀と引き55玉に、56歩と打ちたいのを我慢して、54銀成から53桂成と捌きます。そしてあっさり54成桂と捨てて65銀と打つのが意表を突く打ち換え。63玉と落ちられると捕まりそうに思えますから、なかなか指しにくいところです。
 そして63玉に64銀と桂を取って清算してしまうのも指しにくい手順。
 64同玉に53銀と打てば詰形ということに気がつかないと、なかなか指せません。
 83歩成と金を取って75桂と打ってようやく収束が見えてきました。
 72玉に歩の連打、83金から81歩成と細かく捌いて91玉の雪隠詰です。
 大きな初形を小駒図式でまとめ、手順も小駒特有の細かな綾があり、よく出来ていると思います。

【作意】35金、同金、34銀生、55玉、54銀成、同玉、53桂成、55玉、54成桂、同玉、
  65銀、63玉、64銀、同銀、同香、同玉、53銀、73玉、83歩成、同玉、
  75桂、72玉、73歩、81玉、82歩、91玉、92歩、同玉、83金、91玉、
  81歩成、同玉、72歩成、91玉、82とまで35手詰


中村雅哉作 「4」
(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会、パラ2017年10月号「サロン」)
4→5

 続いて中村さんの初形「4」です。
 47飛がブラですから56金捨てから57金と拠点を築きます。
 続いて凝り形の53金と44金の二枚を捌きます。
 54金から42桂を奪います。
 最後は53角成と活用し、55玉に67桂までの詰み。
 詰上りは「5」になりました!
 本局は「4」→「5」への立体曲詰でした。

<詰上り:67桂>
4→5詰上り

【作意】56金、同玉、57金、55玉、54金、同桂、同金、同玉、53角成、55玉、67桂まで11手


吉松智明作 「81」
(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会、パラ2017年10月号「ちえのわ雑文集」)
81.png

 盤面曲詰「81」です。柴田さんの盤寿祝いに創作されたものです。
 初手は一目13角成。ここで35捨合が利けば面白いが、桂香が品切れなので飛角金銀しかなく、たとえば銀合なら同香、43玉、44銀という筋で47龍があって詰む。ここは43玉と引く一手。 
 53桂成から31馬と活用するのが継続手段。
 54玉と上部脱出には63龍と切ってしまうのが好判断。銀を入手して玉を下段に戻す。
 63同玉には64銀と活用。
 ここで54玉なら55銀打ちから32馬で捕まっている。
 また52玉なら53馬と引き、41玉に、42銀、32玉、33銀成、21玉、31馬というきれいな変化がある。41玉のところで61玉なら62銀と打って同様の変化がある。
 危ないようでも72玉と引くしかない。
 平凡に73銀成とするが、81玉に82銀と打っては打歩詰なので72成銀と突っ込む。
 玉方も、92玉、93歩、同玉、82銀、83玉、73香成、92玉としぶとく逃げて打歩詰に誘う。
 ここで作意は91銀成から92成銀と捌くのだが、81銀生から92銀成でも詰むのは大きなキズ。
 82銀を消去すれば打歩詰が打開でき、82成銀から94歩と打って詰み。

【作意】13角成、43玉、53桂成、同玉、31馬、54玉、63龍、同玉、64銀、72玉、
  73銀成、81玉、72成銀、92玉、93歩、同玉、82銀、83玉、73香成、92玉、
  91銀成、93玉、92成銀、同玉、82成銀、93玉、94歩、同成香、83成香まで29手詰


則内誠一郎作 「八一」
(創棋会45周年記念 2017.8.20 例会、パラ2017年10月号「サロン」)
八一v2_則内

 本作も柴田さんの盤寿祝いに創作いただいたものです。
 前作が数字なら本作は漢字の盤面「八一」です。
 53角成が見えていますが32玉とされると、25飛の利きもあって詰みません。
 中段に追うようですが、42角成とします。
 44玉と逃げたときに狙いの53馬です。
 取れば54金の一発なので5段目に逃げますが、一見広そうな55玉は54馬がピッタリで66玉に76金までなので、35と55の二つの逃げ道を用意する45玉が正解。
 今度54馬なら35玉で脱出されますから、54銀生と活用します。これは55玉の一手。
 そこで44馬が決め手です。同玉に54金まで。
 短編らしくきびきびした手順の盤面曲詰でした。

【作意】42角成、44玉、53馬、45玉、54銀生、55玉、44馬、同玉、45金迄9手


 記念作品10作品をすべて紹介させていただきました。


■創棋会の今後の予定

***【次回例会】*************************************************
[日時] 2017年12月17日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
   https://www.shogi.or.jp/about/base/kansai/
[会費] 千円(学生無料)
[課題] 3月号掲載作品展「繰り返しを含む短編」。17手以内
       投稿は→ sokipara@yahoo.co.jp
       編集部に郵送いただいても結構です。

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[日時] 2018年1月21日(日)13時~
[場所] 関西将棋会館 4F多目的ルーム
[課題] なし
  ※終了後新年会開催!
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