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「すらすら解ける20手台」解答募集中

<「すらすら解ける20手台」解答募集中>
 創棋会の作品展「すらすら解ける20手台」は、詰パラ9月号ネット作品展の二本立てです。どちらも奮ってご解答ください。
 シルバーウイークは全国大会も中止となり、時間が出来たという方も多いのではないでしょうか。
 そういう方もそうでない方も、たくさん解けた方も1問だけ解けたという方も、解答くださいますようお願いします。

■新刊
 『青い鳥2020』を入手。
 僅か1年で続編が発行されるという驚異のスピード!
 内容も充実。看寿賞作家やプロ棋士の参加という豪華メンバー。
 読み物も満載で、「読む」詰将棋ファンにもお勧めです。特に久保さんと會場さんの対談は非常に面白かった!
 創棋会に縁のある方も多数登場され、創棋会作品展出題作(本誌もネットも!)も数作掲載されている。そのうえ上谷さんにはブログのPRまでしていただき、感謝申し上げます。
 注文は → https://shogi50.at.webry.info/202009/article_1.html
 つみき書店でも購入できるそうです → http://kazemidori.fool.jp/?p=9605

■花
 散歩途上で見かけた花。7月下旬に撮ったものです。

 0728→369
■「すらすら解ける20手台」解答募集中
 「すらすら解ける20手台」も今年で5回目となります。
 5回記念で、詰パラ9月号と当ブログのネット作品展とのダブル開催です。
 本誌では10作、ネット作品展には16作と、多数の作品が揃いました。
 投稿いただいた作家の皆様、ありがとうございました。

 今回ネット作品展に出題させていただいた作品は、次の15名の方々から投稿いただいたものです。
 あらためて感謝申し上げます。
   青木裕一、有吉弘敏、馬屋原剛、梶谷和宏、片山智之、北村憲一、
   信行寺持光、則内誠一郎、中出慶一、西村章、野々村禎彦、福原徹彦、
   安田恒雄、吉松智明、RINTARO
    (敬称略、作品順ではありません)。

 文字通り「すらすら解ける」作品が揃っていますので、多くの方からの解答をお待ちしています。
 1問でも解けた方、遠慮なさらずに解答をお願いします。
 短評は原則としてすべて掲載させていただきます。
 また解答者の中から若干名に呈賞の予定です。
 20手台の作品16作に全手順記載は大変かと思いますので、解答記載方法は簡単にしています。
 暗算で解けるもの、筋に入れば一気に詰ませることのできるもの、きれいな手順のものなど、解けば気持ちの良い作品が揃っていますので、多くの皆さんからの解答をお待ちしています。

◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切:9/30(水)
◇解答要領:
 ・「指定の一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです)
   ※「指定の一手」は問題ごとに設定しています。
 ・評価:ABC評価をお願いします。
   ※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
 ・短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、さまざまな角度からのコメントをお願いします。
    長くても結構ですので、たくさんの短評をお願いします。

★出題は以下のURLを参照下さい。
http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-369.html

★図面と解答用紙は次のサイトから取り出すことができます。
・図面: https://firestorage.jp/download/78b973258e6b55d8b6a6f8936228f6e8e7d5a346

・解答用紙: https://firestorage.jp/download/90c10b6e0a399a6701adf6d04c0cc719b5e5d819

*パスワードはいずれも「sura2020」です。

■創棋会の次回課題は 「ピン」
 創棋会の次回課題は「ピン」です。
 「ピン」というのはチェス用語で、駒が動けないように釘付けされた状態のことを言います。駒が縛られて身動きできない状態と言えます。
 ピンを巡る攻防が楽しめる作品をお待ちします。
 12月号作品展に出題しますので、10月例会(10月18日開催予定)で選考します。
 手数は29手以内。
 投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)


■例題紹介
 ピンを巡る攻防を楽しんでいただける作品をお届けします。
 例題紹介に当たっては『盤上のフロンティア』(若島正、河出書房新社、2019年6月)、「構想の最前線」(久保紀貴、『この詰将棋がすごい! 2019年度版』、2019年6月)、「歩詰手筋総まくり」(湯村光造、詰棋めいと13号/1992.7~19号/1995.11)などを参考にさせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

 さて今回も打歩詰に絡む「ピン」を巡る攻防を楽しんでいただける作品を紹介させていただきます。
 いずれも「短打」がテーマ。どうぞお楽しみください


山本善章作 近代将棋1993年11月
山本善章199311

 がんじがらめの玉ですが77歩は打歩詰。
 歩以外の駒を手に入れるため、98角と打って合駒を稼ぎたくなります。
 98角に香合のような受けでは、同角と取って、同歩不成とすれば77香まで。同歩成でも77歩、同と、65銀、同角、66金まで。
 頭に利く駒はダメなので、桂合はどうでしょうか。これも同角と取り、同歩不成と抵抗されても、今度は68桂、同歩成とすれば77歩が打てます。
 少しひねって87歩不成という受けがありますが、それには96飛と引く手があります。
 86合の一手ですが、何を合しても同飛、同飛と進みます。そこで入手した駒が頭に利けば77から打って詰み。桂なら68桂から77歩です。
 しかし玉方にはまだ受けが残っていました。
 平凡ですが87歩成とします。
 同角と取ると同飛成と応じられ、77歩と打てるのですが、同龍、65銀、同角、66金、同龍となって詰みません。77同龍のとき96飛としても86歩合、65銀、同角、66金、同龍、86飛、77玉となっては捕まりません。
 87歩成に96飛と引くのも86歩合で続きません。

<失敗図:86歩合>
山本善章199311失敗図

 折角87にと金が出来ても98角にピンされて動けないので77歩が打歩詰になってしまうのです。
 どうにも手が無いようですが、87角という短打の妙手がありました。

<1図:初手 87角>
山本善章199311_87角

 これを同歩成と取れば77歩と打てるので簡単。
 同桂なら74飛まで。
 あくまでも打歩詰に誘うには同歩不成と応じるしかありません。
 それには96飛が幸便。
 頭に利く駒は渡せません。しかし86桂では同飛から68桂の筋があります。
 ここは86角合が最善の受けです。
 しかし同飛、同飛となったとき94角が好手。
 角は品切れですから85桂合と応じるしかありません。
 これを奪って68桂で収束。

【作意】87角(1図)、同歩不成、96飛、86角合、同飛、同飛、94角、85桂合、
   同角、同飛、68桂、同歩成、77歩、67玉、57金まで15手詰


則内誠一郎作 詰パラ2013年12月
則内誠一郎201312

 筋のいい方なら43飛成が浮かぶのではないでしょうか。
 43飛成、同玉、53金、44玉までは一気に進みますが、打歩詰。
 36桂と打っても、普通に同銀成と取られてダメです。
 56桂と左から行くのも、同と と応じられて、打開できません。
 しかし手順中、36桂や56桂を歩や香で取らせることが出来れば打開できそうな雰囲気があります。
 それには47銀か65とを動かす必要があるのですが、47銀を動かすのは難しそうです。
 そこで64桂と と金にぶつけて桂を捨てます。
 63玉と大海に脱出されそうでいささか打ちにくい一手ですが、63玉なら52角で捕まります。
 62玉と寄る手には51角があります。以下、63玉、43飛成、74玉、73龍、85玉、84龍と大駒で追えば12馬の利きもあって逃走を阻止できます。
 64桂は同と と取るしかありません。
 そこで待望の43飛成。
 同玉に53金と決め、44玉となったところで打歩詰。
 そこでまず36桂と捨てます。
 詰将棋的に同銀不成では45歩が打てて早いので同銀成と応じます。
 今度は左から56桂。これは同歩の一手。初手桂捨てでと金を動かしておいた効果が現われました。
 45歩が打てる形になりましたが、すぐに打つのは55玉から逃げられます。
 ここは66角と打って脱出を防ぎたいところです。
 55に何を合しても、同角、同と(同玉は56馬から45香)に、45歩が打てるので、同とから、22馬、同飛、54金まで駒余り。
 しかしそうはいきません。
 66角には55との移動合が妙手。

<失敗図 55と>
則内誠一郎201312失敗図

 これで45歩が打歩詰。66角が55とをピンしています。
 55角と取っても、同玉、56馬、64玉で大海に脱出されてしまいます。
 55とは打歩詰誘致のセルフピンの受けの妙手。
 失敗図の局面になってはどうにもなりません。
 どこがおかしかったのでしょうか。
 56同香となったところで、いい手がありました。
 55角と短く打つのが奥の手です。

<2図 11手目:55角>
則内誠一郎201312_55角

 55角を同玉なら56馬と香を取ったとき64に逃げることが出来ません。
 離して打てば移動合で逃れるのですが、55角と短打すれば移動合ができません。
 おかしな例えですが「敵の打ちたいところに打つ」みたいな一手です。
 55角は55と という移動合の好防を許さない短打の妙手でした。
 55角は同と と応じるしかありませんが、失敗図とは違いと金をピンする駒がないので45歩が打てます。
 同とに22馬と金を奪って同飛に54金打まで。

 本作は「短打」という課題で、創棋会作品展に出題されたもので、紛れに受けの妙手を用意した55角の短打が光る一局。

【作意】64桂、同と、43飛成、同玉、53金、44玉、36桂、同銀成、56桂、同香、
   55角(2図)、同と、45歩、同と、22馬、同飛、54金打まで17手詰


 最後は、ピンの例題ではないのですが、短打といえばぜひ知っておいていただきたい作品があるので、紹介させていただきます。

二上達也作 「二上詰将棋代表作」1974年(「将棋魔法陣」第二部73番)
二上作二部73

 盤面が龍・と金・歩だけの美しい初形。
 まず39角と気持ちの良い捨駒からスタート。
 同となら18歩から28龍。
 28に合駒するしかないのですが、頭に利く駒は、同角、同とに18から取った駒を打って詰みます。
 8段目には桂が打てないので、28角合と受けるのが最善。
 同角、同とのとき同龍と取るのは、16玉、15と、同玉、24龍と調子よく手が進みますが、16玉と逃げられると続きません。
 17歩と打てればいいのですが二歩です。
 ということは19歩を消せばいいわけです。
 ここで18歩と突き出すのが味の良い一手です。
 同玉とは取れないので同と と応じます。
 そこでもう一度39角と打てば、28への合駒は角が最善というのは学習済み。
 以下、同角、同と、同龍、16玉、15と、同玉、24龍、16玉、17歩、同玉、28龍、16玉、17歩、15玉、24龍とすらすら手が進んで詰みますが、角が余りました。これではおかしいですね。
 実は玉方に絶妙の受けがありました。
 39角には28と と寄る手があるのです。

<紛れ図 28と>
二上作二部73紛れ図

 28とを同角と取るのは18玉と潜り込まれて続きませんから、同龍とするのですが、16玉、15と、同玉、24龍、16玉と進むと、打歩詰となってしまいます。

<失敗図>
二上作二部73失敗図

 こうなっては詰まないので、7手目39角のところで別の手を考えます。
 39角と打つと28との移動捨合により39角が盤上に残ってしまい、そのため打歩詰になってしまったわけです。
 そこで39角を盤上に残さず攻めるのが28角の短打。

<3図 7手目:28角>
二上作二部73_28角

 同と と取るしかありませんが、同龍とすれば先ほどとは違い39角が残りませんから打歩詰にはならないというわけです。
 以下は16玉、15と、同玉、24龍、16玉、17歩、同玉、28龍、16玉、17歩、15玉、24龍まで軽快な手順で詰みます。
 打歩詰をあらかじめ防ぐ28角の短打が素晴らしい一手でした。

【作意】39角、28角合、同角、同と、18歩、同と、28角(3図)、同と、
   同龍、16玉、15と、同玉、24龍、16玉、17歩、同玉、
   28龍、16玉、17歩、15玉、24龍まで21手詰


■創棋会の今後の予定
★感染者の発生が続いており、状況次第で例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控える(部屋入口は開放するので隣室への配慮もあります)など、当日の運営にご理解をお願いします。


***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2020年10月18日(日)13時~
[場所]  大阪市港区民センター 楓 
  〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
  アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
  <最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[課題] 「ピン」。本文参照ください。
[会費]  無料

***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年12月20日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
  〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
  アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
  <最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 詰パラ3月号作品展 近々ご案内させていただきます。
****************************************************** 

・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで 
⇒  blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
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続々創棋会の課題は「ピン」

<続々創棋会の課題は「ピン」>
 全国大会が中止になり、慌ただしさと縁遠い9月です。
 こんなときこそ詰将棋三昧の日々を過ごせればと思います。
 『現代詰将棋中編名作選Ⅱ』『青い鳥2020』『野村量の詰将棋560』など好著が目白押し。
 いっときの猛暑も少し落ち着いたようですので、秋の夜長を詰将棋で楽しむというのはいかがでしょうか。
 また創棋会の作品展「すらすら解ける20手台」は、詰パラ9月号とこのブログの二本立てです。こちらも奮ってご解答ください。

■花
 ご近所で見かけたきれいな花。
 暑い日が続いても元気に咲いています。

0811→368

■「すらすら解ける20手台」解答募集中
 「すらすら解ける20手台」も今年で5回目となります。
 5回記念で、詰パラ9月号と当ブログのネット作品展とのダブル開催です。
 本誌では10作、ネット作品展には16作と、多数の作品が揃いました。
 投稿いただいた作家の皆様、ありがとうございました。

 今回ネット作品展に出題させていただいた作品は、次の15名の方々から投稿いただいたものです。
 あらためて感謝申し上げます。
   青木裕一、有吉弘敏、馬屋原剛、梶谷和宏、片山智之、北村憲一、
   信行寺持光、則内誠一郎、中出慶一、西村章、野々村禎彦、福原徹彦、
   安田恒雄、吉松智明、RINTARO
    (敬称略、作品順ではありません)。

 文字通り「すらすら解ける」作品が揃っていますので、多くの方からの解答をお待ちしています。
 1問でも解けた方、遠慮なさらずに解答をお願いします。
 短評は原則としてすべて掲載させていただきます。
 また解答者の中から若干名に呈賞の予定です。
 20手台の作品16作に全手順記載は大変かと思いますので、解答記載方法は簡単にしています。
 暗算で解けるもの、筋に入れば一気に詰ませることのできるもの、きれいな手順のものなど、解けば気持ちの良い作品が揃っていますので、多くの皆さんからの解答をお待ちしています。

◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切:9/30(水)
◇解答要領:
 ・「指定の一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです)
    ※「指定の一手」は問題ごとに設定しています。
 ・評価:ABC評価をお願いします。
    ※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
 ・短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、さまざまな角度からのコメントをお願いします。
    長くても結構ですので、たくさんの短評をお願いします。

★出題は以下のURLを参照下さい。
   http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-369.html
★図面と解答用紙は次のサイトから取り出すことができます。
・図面: https://firestorage.jp/download/78b973258e6b55d8b6a6f8936228f6e8e7d5a346
・解答用紙: https://firestorage.jp/download/90c10b6e0a399a6701adf6d04c0cc719b5e5d819
  *パスワードはいずれも「sura2020」です。

■創棋会の次回課題は 「ピン」
 創棋会の次回課題は「ピン」です。
 「ピン」というのはチェス用語で、駒が動けないように釘付けされた状態のことを言います。駒が縛られて身動きできない状態と言えます。
 ピンを巡る攻防が楽しめる作品をお待ちします。
 12月号作品展に出題しますので、10月例会(10月18日開催予定)で選考します。
 手数は29手以内。
 投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)


■例題紹介
 ピンを巡る攻防を楽しんでいただける作品をお届けします。
 例題紹介に当たっては『盤上のフロンティア』(若島正、河出書房新社、2019年6月)、「構想の最前線」(久保紀貴、『この詰将棋がすごい! 2019年度版』、2019年6月)、「歩詰手筋総まくり」(湯村光造、詰棋めいと13号/1992.7~19号/1995.11)などを参考にさせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

 さて今回は打歩詰に絡む「ピン」を巡る攻防を楽しんでいただける作品を紹介させていただきます。どうぞお楽しみください

山田康平作 解答選手権2004年チャンピオン戦第4問
山田康_解200404

 第一回解答選手権で出題された作品。
 52角成や43飛成は35玉で捕まりませんから、初手は56馬しかありません。
 33玉と引けば、43飛成と捨てて、同玉に、52角成から34馬で詰むので45に捨合して凌ぐ一手です。
 頭に利く駒は45同馬、33玉に34から打って簡単ですから、45の捨合は桂に決まりました。
 同馬と取って、33玉に23馬と切り、同玉に43飛成と調子よく手が進みますが、そこで33角合と逆王手されて困りました。
 24歩と打つのは打歩詰の禁手。
 32桂が41角でピンされていて動けません。

<失敗図 33角>
山田康_解200404_失敗図

 41角をどこかで消去できればいいのですが、そのタイミングはどこなのでしょうか。
 正解は45桂合の瞬間に52角成から34馬と捨てるのです。
 52角成に43合なら、45馬、33玉に36飛と捨てるきれいな手があって詰みます。

<1図:5手目 34馬>
山田康_解200404_34馬

 34馬に42玉は45飛と桂を取り、31玉に41飛成と捨て、同玉、52馬、31玉、43桂とピッタリの詰み。
 34馬は同玉と応じるしかありません。そこで45馬と桂を取ります。
 45馬に43玉と逃げるのは、35桂と打ち、42玉、34馬から詰むので33玉と引くしかありません。
 そこで狙いの23馬から43飛成を決行します。
 玉方も33角合と逆王手で必死の抵抗です。

<2図:12手目 33角合>
山田康_解200404_33角

 逆王手に動揺してはいけません。
 先ほどの失敗図と比べると違いがあります。
 今度は41角が消えているので24歩と打つことが出来ます。
 同桂に、45で入手した桂を35に打って吊るし詰。

 41角を原形消去してピンを解除するという高度な狙いを簡潔に表現した好作。

【作意】56馬、45桂合、52角成、33玉、34馬(1図)、同玉、45馬、33玉、
   23馬、同玉、43飛成、33角合(2図)、24歩、同桂、35桂まで15手詰


井上徹也・久保紀貴合作 詰パラ2016年7月
井上久保_201607

 いきなり打歩詰の局面からスタートします。
 まず74飛成で玉方の応手を問います。
 54香合は同龍、同飛、45香まで。頭に利く駒は同様。桂なら36桂があるので54角合と受けるのが最善。
 この局面、45歩と打ちたいのですが、54角が74龍でピンされているので、相変わらず打歩詰。
 そこで74龍によるピンを解除すべく、35金から75龍と行きます。
 65歩合のような受けでは26金、44玉に45歩が打てます。以下、同角に43銀成まで。
 65角打はどうでしょうか。最後の43銀成を防いでいます。
 それには同龍、同角、26金、44玉のとき62角と打って合駒請求すれば、角が品切れなので、何を合しても同角と取って詰みます。
 受けがないように見えますが好防がありました。
 65角と移動合するのです。

<3図:6手目 65角>
井上久保_201607_65角

 65角を同龍と取るのは毒饅頭。
 それには55銀の移動合があり、46からの脱出が防げません。
 もう一度26金から44玉と押し戻して64龍と迫ります。
 54に合駒を打つのは取って詰ます筋があります。
 54角打なら、43銀成、45玉、65龍、同角、34角まで駒余りの詰み。
 受けがなさそうですが、もう一度54角と引くのが巧い受け。

<4図:10手目 54角>
井上久保_201607_54角

 またまた54角が龍にピンされて打歩詰という状態。
 2手目の局面に戻ったようですが、よく見ると龍の位置が違います。
 2手目の局面は74にいた龍が74→75→64と龍ノコ風に接近してきました。
 ここで打歩詰打開の定番とも言える好手順があります。
 55龍と捨てます。
 同銀と取る一手ですが、これで54角をピンしていた龍を消去できたので、45歩と打つことが出来ます。
 同角と取らせて43銀成までの詰み。

 森田手筋を発展させた構想作ですが、角の移動合が二度出てくるところや、龍のミニ鋸的な動きなど、趣向的に仕上げられたユニークな作品。

【作意】74飛成、54角合、35金、同玉、75龍65角(3図)、26金、44玉、
   64龍、54角(3図)、55龍、同銀、45歩、同角、43銀成まで15手詰


大崎壮太郎作 詰パラ2015年11月(「現代詰将棋短編名作選」第399番)
大崎201511

 本作もいきなり打歩詰の局面からスタート。
 どのようにして打開するのか、その妙技をご覧ください。
 まず63馬と寄って合駒を訊きます。
 45に桂以外の合駒をすると同馬と取って簡単。
 45桂合の局面は63馬が45桂をピンしているので37歩が打歩詰。
 典型的な森田手筋の局面です。
 となれば63馬の利きを消すのが常道。
 54香と開き王手すれば63馬の利きを止めることが出来ます。
 76銀と飛車を抜かれますが、37歩と打てます。
 同桂成と取らせて25龍までの詰み。
 随分簡単に詰んでしまいました。これではおかしいので玉方の受けを考えます。
 すると妙防がありました。
 63馬には54桂合と捨合するのが妙手。

<5図:2手目 54桂合>
大崎201511_54桂

 54桂合の意味は同馬と取れば45桂合と受け、先ほどの変化手順中の54香の開き王手による馬筋遮断を防ぐことにあります。
 成生を問う打診中合では良く出てくる筋ですが森田手筋と絡めたところが斬新。
 同馬は45桂合とされて54馬が消せないので打歩詰を打開できません。
 54桂合は同香と取ります。
 これには76銀不成と不成で飛車を取るのが先を見た受けの好手。
 そこで53香成と54の香が短く動いて開き王手。
 これには学習済みの45桂合で打歩詰に誘致。

<6図:6手目 45桂合>
大崎201511_45桂

 45桂合の局面でやりたいことは、63馬を移動させピンを解除して37歩を実現することです。
 香筋を止めて打ちにくいのですが48桂と打ちます。
 46玉なら26龍があるので47玉と逃げます。
 そこで74馬が63馬を移動させる待望の一手。
 65に合する一手です。先ほど76銀不成としたのはここで65に利かすためでした。
 65合には56桂と跳ねるのが好手。同玉なら26龍から46龍まで。54玉と逃げる変化に備えて5手目の香移動が53香成限定だったことがわかります。
 56桂と跳ねたときに36玉と逃げれば、今度は63馬が移動したので37歩が打て、同桂成に25龍まで。
 65の合は、この25龍を防いで65飛合が最善となります。
 飛合にも56桂と跳ね、36玉に37歩、同桂成として、63馬と突っ込むのが決め手。
 これは同飛と取るしかなく25龍で詰み。

森田手筋に54桂合という中合の妙手が飛び出し、以下も飛車合、馬捨と好手連発で仕上げた好局。

【作意】63馬、54桂合(5図)、同香、76銀不成、53香成、45桂合(5図)、48桂、
   47玉、74馬、65飛合、56桂、36玉、37歩、同桂成、63馬、同飛、25龍まで17手詰


■創棋会の今後の予定
★感染者の発生が続いており、状況次第で例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控える(部屋入口は開放するので隣室への配慮もあります)など、当日の運営にご理解をお願いします。


***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2020年10月18日(日)13時~
[場所]  大阪市港区民センター 楓 
  〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
  アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
  <最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[課題] 「ピン」。本文参照ください。
[会費]  無料

***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年12月20日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
  〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
  アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
  <最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 詰パラ3月号作品展 近々ご案内させていただきます。
****************************************************** 

・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで 
⇒  blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)

詰パラ9月号到着

<詰パラ9月号到着>
 今回の記事は以下の通りです
  ・ネット作品展「すらすら解ける20手台」解答募集
  ・詰パラ9月号の紹介
  ・創棋会の次回課題「ピン」
  ・「ピン」例題紹介
  ・例会の予定

■花
 今回も夏らしい花の写真ということで夾竹桃です。
 猛暑の中で咲き誇っているという雰囲気です。

0815→367

■「すらすら解ける20手台」解答募集中
 「すらすら解ける20手台」も今年で5回目となります。
 5回記念で、詰パラ9月号と当ブログのネット作品展とのダブル開催です。
 本誌では10作、ネット作品展には16作と、多数の作品が揃いました。
 投稿いただいた作家の皆様、ありがとうございました。

 今回ネット作品展に出題させていただいた作品は、次の15名の方々から投稿いただいたものです。
 あらためて感謝申し上げます。
   青木裕一、有吉弘敏、馬屋原剛、梶谷和宏、片山智之、北村憲一、
   信行寺持光、則内誠一郎、中出慶一、西村章、野々村禎彦、福原徹彦、
   安田恒雄、吉松智明、RINTARO
    (敬称略、作品順ではありません)。

 文字通り「すらすら解ける」作品が揃っていますので、多くの方からの解答をお待ちしています。
 1問でも解けた方、遠慮なさらずに解答をお願いします。
 短評は原則としてすべて掲載させていただきます。
 また解答者の中から若干名に呈賞の予定です。
 20手台の作品16作に全手順記載は大変かと思いますので、解答記載方法は簡単にしています。
 暗算で解けるもの、筋に入れば一気に詰ませることのできるもの、きれいな手順のものなど、解けば気持ちの良い作品が揃っていますので、多くの皆さんからの解答をお待ちしています。

◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切:9/30(水)
◇解答要領:
 ・「指定の一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです)
   ※「指定の一手」は問題ごとに設定しています。
 ・評価:ABC評価をお願いします。
   ※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
 ・短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、さまざまな角度からのコメントをお願いします。
     長くても結構ですので、たくさんの短評をお願いします。

★出題は以下のURLを参照下さい。
  http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-369.html

★図面と解答用紙は次のサイトから取り出すことができます。
・図面: https://firestorage.jp/download/78b973258e6b55d8b6a6f8936228f6e8e7d5a346
・解答用紙: https://firestorage.jp/download/90c10b6e0a399a6701adf6d04c0cc719b5e5d819
*パスワードはいずれも「sura2020」です。


■詰パラ9月号
・表紙は北原さん。登場3回目は素晴らしい。
・キッズルーム(2P~)。酒井さんの全国大会中止のコメント。
  準備を進めてこられた現地の皆さんには残念なお気持ちで一杯だと思います。無事「順延」開催となることを祈念します。
・詰棋校(12P~)。
 小学校:実現したいテーマに取り組むことが何より大切な気がします。
 中学校:構想作の定義は参考になります。新味があるかどうか。
 高校:藤井さんは終盤だけでなく中盤にも華のある手を見せてくれます。
 短大:懐かしい名前に新しい名前。初入選の上田さんはデパートにも登場。
 大学:野村さんの大学は珍しい?野村さんと言えば「野村量の詰将棋560」がつみき書店で予約発売中です。詳細は下記まで
  → http://kazemidori.fool.jp/?p=9337
 大学院:「青い鳥2020」の内容紹介。ボリュームのある作品集!
  「青い鳥2020」は竹中健一さんのブログに注文方法が出ています。
  → https://shogi50.at.webry.info/202008/article_2.html
・祝! 藤井聡太棋聖誕生(19P~)。藤井さんの戴冠後初の新作発表。記念祝賀詰も錚々たるメンバー!
・内藤國雄の小ルーム(22P~)。駒落ちを嫌がるのは平手とはゲーム感覚が違ってしまうからなのでしょうか?
 ゴルフもハンディではなく、駒落ちのようにあるクラブ(たとえばドライバー)抜きでやったりしたらどのくらいスコアに影響するのでしょうか?
創棋会作品展(24P~)
 今回の課題は「すらすら解ける20手台」。ネットでは5年前から作品展を開催してきましたが本誌では初開催。暗算級の作品もあれば、解いてなるほどという謎解きの面白さも味わえる作品まで、バラエティに富んだ作品揃いです。気持ちよく解けて楽しめる作品ばかりですので、奮ってご解答をお願いします。
 馬屋原さんが本作品展でめでたく入選100回、同人作家となられました。おめでとうございます!記念作は馬ノコ?
・全詰連の頁(26P~)。全国大会中止のお知らせ。まさに苦渋の決断でしたが、何とか来年に「順延」して無事開催と行きたいものです。そういうなかでの藤井聡太さんのタイトル獲得は明るいニュース。
・詰将棋の眺め方(27P~)。有吉弘敏さんの「長谷川哲久の世界」。飛び道具の活躍する好作を発表されていたイメージですが、その通りでした。ずらりと並んだ好短編に圧倒されます。
・持駒のある風景(32P~)。桂香図式のタネが尽きない理由が少しわかったような気がします。
・おもちゃ箱だより(34P~)。「鑑賞詰」のご提案。妄想力に欠ける当方には思いもよらない世界。
・ちえのわ雑文集(36P~)。角さんによる「中編名作選Ⅱ」のお話。40年の歴史を刻んでいるわけですが、ずらり並んだ作家を拝見していると、今も活躍中の方が多く、意外と物故者が少ないような気がしました。
・会合案内(46P)。7月は東京・名古屋・大阪で会合の開催。微妙な時期でしたが無事開催出来て良かったですね。
・結果稿
順位戦(58P~)。A級は有吉さんが優勝で入選100回に華を添えました。B級は2位以下が大接戦。C級は則内さんの作品が変長で失格とパラHPに出ていました。余詰で入選取消は出題時に明記されていますが、変長はそういうことが記載されていませんでした。前例はあるようですが(2012年C級)、順位戦はきびしい!
同人室(71P~)。今回のお題は「対比」。解釈が多様で、テーマについて語る作者の言葉が面白い(笑)のですが、「自由が過ぎて」という近藤さんの言葉もごもっとも。
 課題が創造を縛るのはよろしくないのですが、ある程度の範囲の中で表現されてこそ「課題作」が展示される意味もあり、解答者や鑑賞者も作者の表現力や技術力を楽しめるというものではないでしょうか。
 実は創棋会も毎回の課題にはそれなりの苦労があります。前担当の則内さんがそのあたりの事情をパラ2018年11月号の「ちえのわ雑文集」で語られています。タスクに偏らず、作家にとって創作意欲の湧く面白いテーマを選ぶというのは大変なことです。
 実は創棋会でも昨年6月号の作品展は「局面の対比」でした。流行のテーマというと語弊があるかもしれませんが、今年の看寿賞受賞作の短編山路作や中編小林作などにも、そういう評がありました。ですが、課題発表時には某ベテランから「課題の意味がわからない」と苦言を呈されました。「課題」を考えるというのは難しいものです。
 今回の課題提供者の上谷さんが思いをブログで語っているとのこと。ぜひご一読ください。
   http://fairypara.blog.fc2.com/blog-entry-140.html
 次回は「打ち換え」。これは明快な課題ですから、12月号を楽しみにしています。
創棋会作品展(88P~)。課題は「駒の軌跡」でした。オンライン例会は盛況で当日好評を博した作品が揃ったので、厳選5題を出題しましたがいずれも、多彩な「軌跡」を楽しんでいただけたようです。解いていない方はぜひ盤に並べて鑑賞下さい。
・編集室(104P~)。初入選の新人、原田さんと片山さんは創棋会でも活躍中です。
・デパート。「いい詰将棋」の条件というのは人によって異なりそうです。当然個人の好みも人それぞれ。誌上の評価は主観がぶつかりあうところに面白さがありますね。ところで今月は入選回数の少ない新人作家特集の予定だったのでしょうか?


■創棋会の次回課題は 「ピン」
 創棋会の次回課題は「ピン」です。
 「ピン」というのはチェス用語で、駒が動けないように釘付けされた状態のことを言います。駒が縛られて身動きできない状態と言えます。
 ピンを巡る攻防が楽しめる作品をお待ちします。
 12月号作品展に出題しますので、10月例会(10月18日開催予定)で選考します。
 手数は29手以内。
 投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)


■例題紹介
 ピンを巡る攻防を楽しんでいただける作品をお届けします。
 例題紹介に当たっては『盤上のフロンティア』(若島正、河出書房新社、2019年6月)、「構想の最前線」(久保紀貴、『この詰将棋がすごい! 2019年度版』、2019年6月)、「歩詰手筋総まくり」(湯村光造、詰棋めいと13号/1992.7~19号/1995.11)などを参考にさせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

 さて今回も「ピン」を巡る攻防を楽しんでいただける作品、超短編から中編まで3作を紹介させていただきます。どうぞお楽しみください

廣瀬崇貴作 詰パラ2013年9月(「現代詰将棋中編名作選」第362番)
廣瀬_現短362

 87飛77角のバッテリー
 77角をどこに動かすのが正解か?
 下手に動かすと87龍と飛車を取られてしまう。
 46とを狙う55角が有力そう。
 57合なら46角まで
 47歩合には同飛、同龍、38歩、同龍、46角まで。
 しかし47桂合をされると、取っても38に打てない。
 46角、同玉、47馬という手はあるが、55玉から大海に脱出されて捕まらない。
 59角と引くのが好手。
 47合なら同香と取ってしまおうというわけです。
 57合も47香で詰んでいます。
 87龍も47香まで。
 何かうまい受けはないかと思えば、57と という離れ技がありました。

<1図:2手目 57と>
廣瀬_現短362_57と

 同飛は同龍。そこで47香としても59龍と角を抜かれて打歩詰。
 57とに47香では48歩合が利きます。同角、同と となると詰みません。
 57とで困ったようですが、それを上回る好手がありました。
 46香とするのが妙手。

<2図:3手目 46香>
廣瀬_現短362_46香

 これなら57とが87飛にピンされて動けないので48歩なら同角があります。
 やむなく46玉としますが56馬が素晴らしい決め手。
 同とに37角で見事な詰め上がり。

【作意】59角、57と、46香、同玉、56馬、同と、37角まで7手詰


若島 正作 解答選手権2013年チャンピオン戦第2問
若島_解201302

 31銀成、同玉、33香と打てば簡単そうです。
 ところが41玉に32飛成は51香で先手の王様が取られてしまいます。
 52飛は51香でピンされているので5筋から動けません。
 初手54角と打つのがアンピン風です。
 同と と取ってくれれば31銀成から33香があります。
 32合なら31銀成から32飛成で詰みます。
 しかし54角には32に利かす43銀合が強防で逃れ。31銀成、同玉、33香と迫っても41玉、32飛成、同銀、同歩成、52玉で詰みません。
 正解は31銀成と捨て53角とこちらに1枚駒を挟みます。
 同銀は33香があるので21玉とかわしますが、そこで54角が狙いの一手。

<3図:5手目 54角>
若島_解201302_54角

 これを同となら51香の利き筋が止まるので31角成から33香で詰みます。
 43歩合も同様ですから最善は32に利かす銀合です。
 これなら31角成、同玉、33香には41玉、32飛成、同銀と出来るので逃れです。
 しかし銀合は、同角と取り、同と、22香、同銀と進めて、焦点に31角成と捨てるのがきれいな決め手。何で取っても銀打までの詰み。

 ところで53角の処で64角でも同じように詰むのではないかと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 その場合は、54角のとき、43と という絶妙の受けがあります。

<紛れ図:43と>
若島_解201302_失敗

 同角成、32歩合となると32飛成とはできません。
 31角成も12玉と逃げられると、やはり32飛成とできず逃れです。

【作意】31銀成、同玉、53角、21玉、54角(3図)、43銀、同角成、同と、
   22香、同銀、31角成、同玉、32銀まで13手詰


宮浦 忍作 解答選手権2016年チャンピオン戦第9問
宮浦_解201609

 王様同士がにらみ合う双玉らしい初形。
 先手の35王を動かして36香で仕留める形を狙いたい。
 しかしいきなり46王では43玉から脱走されますので、まず93龍と引いて応手を問います。
 43歩合と受けてくれれば46玉と引き、24玉(34合でも同馬)、34馬まで。
 そこで玉方も46玉を防いで43香打と受けます。これなら46玉、24玉のとき、43香がピンしているので45の馬は動けません。
 34歩、23玉を決めて43龍と香を取ります。
 43龍のところで22とから12歩成を急ぐと後で困ることになります。
 香を入手したので、33歩成から34香と打ち換えます。
 そして23玉には22とから32香成(4図)と打ったばかりの香を成捨て、同歩と取らせておくのがポイント。

<4図:13手目 32香成>
宮浦_解201609_32香成

 5手目の43龍のところで22とから12歩成を急ぐと、32香成の局面に持ち込むにはもう一度22と と捨てないといけないので、拠点を築けないということになります。
 32同歩には12桂成と、桂を成るのが大事なところ。
 24桂を移動させたので、33玉には15馬が絶好の一手となります。

<5図:17手目 15馬>
宮浦_解201609_15馬

 15同銀で25玉と右に開いて開き王手。
 これで詰んだかに見えますが、34香がしぶとい抵抗。
 45馬が65龍にピンされているので34同馬とは出来ません。
 34同香から、33香成と捨て同玉に35香と打ち直せば、今度は65龍のピンが解除できたので詰みとなります。

 32香成がポイントと申し上げましたが、22と、同玉のとき32香成を省いて、12桂成としてしまうと、以下23玉、33香成、同玉、15馬、同銀、25玉と作意同様に進め、最後35香と打ち直したとき34香合で困ります(失敗図)。
 32が埋まってないので34同馬は32玉と引かれて詰みませんし、34同香なら23玉で千日手。

<失敗図:34香合>
宮浦_解201609_失敗


【作意】93龍、43香打、34歩、23玉、43龍、同香、33歩成、同玉、34香、
   23玉、22と、同玉、32香成(4図)、同歩、12桂成、33玉、15馬(5図)、
   同銀、25玉、34香合、同香、23玉、33香成、同玉、35香まで25手詰


■創棋会の今後の予定
★感染者の発生が続いており、状況次第で例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控える(部屋入口は開放するので隣室への配慮もあります)など、当日の運営にご理解をお願いします。


***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2020年10月18日(日)13時~
[場所]  大阪市港区民センター 楓 
  〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
  アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
  <最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[課題] 「ピン」。本文参照ください。
[会費]  無料

***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年12月20日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 詰パラ3月号作品展 近々ご案内させていただきます。
****************************************************** 

・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで 
⇒  blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
以上

「すらすら解ける20手台」PartⅤ 出題

<「すらすら解ける20手台」PartⅤ 出題>

■「すらすら解ける20手台」の一斉出題
 「すらすら解ける20手台」も今年で5回目となります。
 5回記念で、詰パラ9月号と当ブログのネット作品展とのダブル開催です。
 本誌では10作、ネット作品展には16作と、多数の作品が集まりました。
 投稿いただいた作家の皆様、ありがとうございました。

 今回ネット作品展に出題させていただいた作品は、次の15名の方々から投稿いただいたものです。
 あらためて感謝申し上げます。
   青木裕一、有吉弘敏、馬屋原剛、梶谷和宏、片山智之、北村憲一、
   信行寺持光、則内誠一郎、中出慶一、西村章、野々村禎彦、福原徹彦、
   安田恒雄、吉松智明、RINTARO
    (敬称略、作品順ではありません)。

 文字通り「すらすら解ける」作品が揃っていますので、多くの方からの解答をお待ちしています。
 短評は原則としてすべて掲載させていただく予定です。
 また解答者の中から若干名に呈賞の予定です。
 1問でも解けた方、遠慮なさらずに解答をお願いします。
 20手台の作品16作に全手順記載は大変かと思いますので、解答記載方法は簡単にしています。
 暗算で解けるもの、筋に入れば一気に詰ませることのできるもの、きれいな手順のものなど、解けば気持ちの良い作品が揃っていますので、多くの皆さんからの解答をお待ちしています。

◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切:9/30(水)
◇解答要領:
・「指定の一手」と「手数」を記入してください。(もちろん全手順記入もOKです)
   ※「指定の一手」は問題ごとに設定しています。
・評価:ABC評価をお願いします。
   ※Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて、集計いたします。
・短評:「すらすら度」「好感度」「表現力」「技術力」等々、さまざまな角度からのコメントをお願いします。
   長くても結構ですので、たくさんの短評をお願いします。

★図面と解答用紙は次のサイトから取り出すことができます。
  図面: https://firestorage.jp/download/78b973258e6b55d8b6a6f8936228f6e8e7d5a346

  解答用紙: https://firestorage.jp/download/90c10b6e0a399a6701adf6d04c0cc719b5e5d819

  パスワードはいずれも「sura2020」です。

① 「13手目」と「手数」
01sura5.png

② 「11手目」と「手数」
02sura5.png

③ 「7手目」と「手数」
03sura5.png

④ 「8手目」と「手数」
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⑤ 「5手目」と「手数」
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⑥ 「9手目」と「手数」
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⑦ 「3手目」と「手数」
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⑧ 「13手目」と「手数」
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⑨ 「11手目」と「手数」
09sura5.png

⑩ 「14手目」と「手数」
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⑪ 「2手目」と「手数」
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⑫ 「5手目」と「手数」
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⑬ 「19手目」と「手数」
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⑭ 「5手目」と「手数」
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⑮ 「9手目」と「手数」
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⑯ 「13手目」と「手数」
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*過去の「すらすら解ける20手台」はブログのカテゴリーから参照ください。


■創棋会の次回課題は 「ピン」
 創棋会の次回課題は「ピン」です。
 「ピン」というのはチェス用語で、駒が動けないように釘付けされた状態のことを言います。駒が縛られて身動きできない状態と言えます。
 ピンを巡る攻防が楽しめる作品をお待ちします。
 12月号作品展に出題しますので、10月例会(10月18日開催予定)で選考します。
 手数は29手以内。
 投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)

■創棋会の今後の予定
★感染者の発生が続いており、状況次第で例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控える(部屋入口は開放するので隣室への配慮もあります)など、当日の運営にご理解をお願いします。


***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2020年10月18日(日)13時~
[場所]  大阪市港区民センター 楓 
  〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
   アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
   <最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[課題] 「ピン」。本文参照ください。
[会費]  無料

***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年12月20日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
  〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
   アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
   <最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 詰パラ3月号作品展 近々ご案内させていただきます。
****************************************************** 

・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで 
⇒  blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
以上

続・創棋会の次回課題は「ピン」

<続・創棋会の次回課題は「ピン」>
 連日の猛暑もようやく落ち着いてきた今日この頃。とは言っても30度を超える暑さに変わりはないのですが(汗)。コロナも恐いが熱中症も要注意。
 ネット作品展「すらすら解ける20手台」partⅤは月末に一斉出題の予定です。
 詰パラ9月号とのコラボ開催となりますので、どうぞお楽しみにしてください。

■花
 夏と言えばひまわり。
 ひまわりといえば「盤上の向日葵」(柚月裕子、中央公論新社、2017刊)という推理小説は将棋がテーマでした。この作者のものでは「検事の本懐」などの佐方検事シリーズが面白かったです。

0815→365


■創棋会の次回課題は 「ピン」
 創棋会の次回課題は「ピン」です。
 「ピン」というのはチェス用語で、駒が動けないように釘付けされた状態のことを言います。駒が縛られて身動きできない状態と言えます。
 ピンを巡る攻防が楽しめる作品をお待ちします。
 12月号作品展に出題しますので、10月例会(10月18日開催予定)で選考します。
 手数は29手以内。
 投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)


■例題紹介
 ピンを巡る攻防を楽しんでいただける作品をお届けします。
 例題紹介に当たっては『盤上のフロンティア』(若島正、河出書房新社、2019年6月)、「構想の最前線」(久保紀貴、『この詰将棋がすごい! 2019年度版』、2019年6月)、「歩詰手筋総まくり」(湯村光造、詰棋めいと13号/1992.7~19号/1995.11)などを参考にさせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

 さて「ピン」は双玉特有の手筋のようですが、「駒の動きを縛る」ということでは単玉にもさまざまな表現があります。今回は多彩な表現をお楽しみください

原亜津夫作 詰パラ1988年10月(「現代詰将棋短編名作選」第145番)
原_現短145

 原さんと言えば回収手筋の看寿賞受賞作(詰パラ1998年5月)が有名ですが、本作も面白い手順。
 46龍と回れば55龍を防いで45金合の一手。
 そこで36桂と打てば詰みかと思ったら58に馬がいました。
 馬の利きをずらす上手い手があります。
 48飛とぶつけます。
 同馬では46龍で詰んでしまいます。
 普通に45合では同飛、同玉、37桂から駒余り。
 47合も46龍から36桂があります。
 46龍を防いで47金合では同飛、同馬に35金と打って駒余り。
 そうなると36桂を防ぐしかないのですが、47角合は同飛、同馬、33角から、やはり駒余り。
 最善は47銀合です。

<1図:2手目 47銀合>
原_現短145_47銀

 それでも46龍と回ります。
 45金合の一手に36桂と打ちます。
 同銀不成と取って45金に紐をつけます。
 そこで55龍とすると不思議なことに詰んでいます。

<2図:詰上り 55龍>
原_現短145_55龍

 36桂、同銀不成の応酬で48飛の利きが通ったため、45金がピンされてしまったのです。
 このような詰め上がりはピンメイトと呼ばれます。

【作意】48飛、47銀、46龍、45金、36桂、同銀不成、55龍まで7手詰


谷口 均作 近代将棋1976年2月(「孤愁の譜」第69番)
谷口_197602

 上部脱出は許せないので15香と打ちます。
 23玉は45角から35桂でピッタリ。
 14に合駒するしかありません。
 35角と打ち23玉に24銀成という手があるので、14合は横に利く駒、金か飛車しかありません。
 金合には25桂と打ちます。23玉と寄るしかありませんが、45角と打ちます。
 34合の一手ですが、24歩、同金、22銀成、同玉、12とから駒が余って詰みます。
 14飛合が最善の受けです。

<3図:2手目 14飛合>
谷口_197602_14飛

 同じように、25桂から45角とします。
 34に何を合しても24歩と打てば金合のときと同様に詰みます。
 どうやっても詰みそうですが、うまい受けがありました。
 45角には34飛と移動合が妙防。

<4図:6手目 34飛>
谷口_197602_34飛

 これで34飛が45角からピンされた形になり、24歩が打歩詰となってしまうのです。
 実に巧妙な受けです。
 自らピンされた状態になるということでセルフピンと呼ばれます。
 22銀成では24から抜けられてしまうので、ここからは打歩詰打開。
 まず13桂成と捨てます。
 同金と取らせて24歩が打てる形になりました。
 24歩で上部を塞いでから、22銀成と捨てれば、12とから詰み。

 本作は湯村氏の論考では取歩駒の移動合によって取歩駒を縛らせて打歩詰に誘致する手筋の1号局ということです。

【作意】15香、14飛合(3図)、25桂、23玉、45角、34飛(4図)、13桂成、同金、
   24歩、同金、22銀成、同玉、12と、23玉、13香成まで15手詰


森田正司作 詰パラ1959年9月(『春霞』第27番、『古今中編詰将棋名作選』第70番)
森田手筋1号

 本局は一度当ブログでも紹介しています。
 記事はこちらからどうぞ → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-46.html

 初手は軽く16桂。
 15玉には33馬と角を取る手があって簡単ですので、飛車で取るしかありませんが、同飛不成と応じます。その意味は数手後に分かります。
 25香、15玉、33馬、26玉と追った局面は打歩詰。
 2手目に飛車が成っていれば、ここで27歩が打てるので、同龍に35銀と捨てて、同玉、24馬まできれいに詰みます。
 途中25香に同龍も同銀、同玉、26歩でどこに逃げても飛車打ちまで。
 さて26玉の局面ですが、ここで44角と銀の利きに打つのが好手。
 同銀は同馬以下ですから、35に合するしかないのですが、頭に利く駒は同角から27に打てるので35桂合が最善です。

<5図:8手目 35桂合>
森田手筋1号_35桂

 35桂を同銀と取るのは27玉と潜り込まれてダメです。
 35同角も同香と応じられると、相変わらず27歩が打歩詰。
 27歩が打てればいいのですが、44角の利きで35桂がピンされていて動けないので、27歩は打歩詰の禁手。
 それではどうすれば27歩が打てるようになるのか。
 35桂をピンしている44角を消してしまえばよいというのがその答えです。
 44角がいなくなれば27歩と打つことが出来ます。
 まず15馬と捨てます。
 同飛なら、35角~27歩~28桂と取った桂を使って詰みます。
 同玉に33角成とし、26玉と戻ったところが次図。

<6図:12手目 26玉>
森田手筋1号_26玉

 不思議なことに前図から原形のまま44角が消えました。
 この局面なら打歩詰ではないので27歩と打つことが出来ます。
 同桂成と取らせて35銀とすれば24馬までのきれいな詰みです。
 35桂と歩を取る駒を合駒で発生させ、合駒を発生させた駒を移動させて打歩詰を解消するという新手筋の一号局でした。
 ピンという言葉を使えば、取歩駒を発生させ、その取歩駒をピンしている駒を消去してピンを解除し、打歩詰を打開する手筋ということになります。

【作意】16桂、同飛生、25香、15玉、33馬、26玉、44角、35桂合(5図)、15馬
   同玉、33角成、26玉(6図)、27歩、同桂成、35銀、同玉、24馬まで17手詰


柳田 明作 近代将棋1982年5月
(塚田賞、『現代詰将棋短編名作選』第70番、『饗宴』第61番)
柳田_現短70

 本局も一度当ブログでも紹介しています。
 記事はこちらからどうぞ → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-288.html

 本作も短編です。
 55飛と退路を封鎖したくなります。
 24玉なら、21飛と打ち、23合には35角と打ち込む手があります。
 23金と寄っても、35角、33玉、31飛成で詰み。
 55飛に45香合なら同飛、同銀、27飛、26歩合、同飛、35玉と追って、24角と捨て、同金と取らせて退路をなくし、36歩、同銀に25 飛と捨てる好手があり、同玉に26馬までピッタリ詰みます。
 しかし駒が余りますから、これではおかしい…。
 55飛には45銀という移動捨合の妙手がありました(紛れ図)。

<紛れ図:45銀>
柳田_現短70_紛れ

 45銀は同飛なら36玉から脱出を図ろうという捨て身の受けです。
 27飛と打てば26歩と捨合し、同飛、35玉となると打歩詰!(失敗図)

<失敗図:35玉>
柳田_現短70_失敗

 この局面で55飛がいなければ、36歩が打てるのですが、45銀が55飛によってピンされているので36歩は打歩詰の禁手。
 正解は初手に45飛と打つのが絶妙の一手。

<7図:初手 45飛>
柳田_現短70_45飛

 45飛は取る一手です。(35合は26飛から15馬)
 これで36銀が動いたので、27飛と打ち、26歩と捨合で抵抗しますが、同飛と取り、35玉に24角と捨てて退路を塞ぎます。
 36歩が打てるので、同銀と取らせて25飛と捨てるきれいな収束。

 45飛は「取らせ短打」と呼ばれる手筋。
 離して打つと縛り駒が残って打歩詰になるので、縛り駒を残さないように、近くから打つというものです。
 打歩詰を予め回避しておく妙手筋です。
 森田手筋では、飛び道具で取歩駒を発生させた後、その飛び道具が縛り駒になるので別のところで消去して、取歩駒を生かすわけですが、本作ではそれを一手で表現したことになります。
 素晴らしい構想で、見事塚田賞に輝きました。

【作意】45飛(7図)、同銀、27飛、26歩合、同飛、35玉、24角、同金、
  36歩、同銀、25飛、同玉、26馬まで13手詰


■創棋会の今後の予定
★感染者の発生が続いており、状況次第で例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控える(部屋入口は開放するので隣室への配慮もあります)など、当日の運営にご理解をお願いします。


***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2020年10月18日(日)13時~
[場所]  大阪市港区民センター 楓 
  〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
  アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
   <最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
[課題] 「ピン」。本文参照ください。
[会費]  無料

***【次々回例会】***********************************************
[日時] 2020年12月20日(日)13時~
[場所]  大阪市福島区民センター 302号(広い部屋です)
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[会費] 無料
[課題] 詰パラ3月号作品展 近々ご案内させていただきます。
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