今日から新画面に移りました
<今日から新画面です>
いつも創棋会のブログをご愛読いただきありがとうございます。
本日より新しいサイト「創棋会通信+αⅡ」で情報発信させていただきます。
新しいサイトのURLは以下の通りです。
http://sokikaitusin2.blog.fc2.com/
これまで同様、ご愛読いただきますよう、どうぞよろしくお願いします。 以上
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本日より新しいサイト「創棋会通信+αⅡ」で情報発信させていただきます。
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1/23にブログを新設します
<1/23にブログを新設します>
いつも創棋会のブログをご愛読いただきありがとうございます。
現在発信しているブログサイトはアルバムが満杯近くなってきたこともあり、新しいサイトを準備中です。
現在の画面での更新は今回が最後になります。
新しいサイト名は「創棋会通信+αⅡ」、公開予定は来週1月23日(日)です。
代わり映えしないタイトルですが引き続きよろしくお願いします。
■花
新年らしさの感じられる葉牡丹。

■創棋会の次回課題
創棋会の次回課題はネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」です。
「教材に使える10手台」も6回目となります。一桁台の詰将棋には良い入門書が沢山ありますが、10手台となると間口も限られ、少し敷居が高くなるようです。しかし10手台だからこそ味わえる詰将棋の醍醐味というものもあるので、そういうものを知っていただきたいという主旨で始めたものです。
今回のテーマは「桂が主役の作品」。桂が攻守に活躍する作品にはリズムがあり、その軽妙さを楽しんでいただける作品を揃えたいと思います。
作家の皆さまにはどうぞ初級から中級の方をイメージして、詰将棋の面白さや楽しさを体感していただける「教材」に使えるような作品を投稿いただければ幸いです。
ネット作品展は2月下旬に当ブログ「創棋会通信+α」で出題しますので、2月例会(2月20日開催予定)で選考します。
投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
※投稿は2/18までにお願いします。
◇例題紹介
「桂が主役」で思い浮かぶのは、桂で詰める作品。桂だけの詰上りになる四桂詰は古くから有名です。
今回は四桂詰を4作鑑賞したいと思います。
山名 厚作 新将棋天国1982年6月

一局目は四桂詰をシンプルに描いた作品です。
これは25桂と打つしか無い局面。
22玉と逃げる一手に、34桂と打ちます。14桂とひねって端から打つのは42への利きが無いので最後に逃げられてしまいます。
34桂には11玉と逃げるしかありません。
ここで21銀成と桂の入手を急ぐと、同玉、33桂、11玉で続きません。
12角成と捨てて24桂と跳ねるのが好手順。
32の銀が生きている間に桂を跳ねて拠点を作っておく必要があります。
24桂には11玉と引く一手ですが、そこで21銀成と桂を取ります。
同玉に33桂不成と跳ねれば、玉は34と24の2枚桂の威力で二段目に逃げることができません。
11玉とかわせば23桂と打って詰み。
<1図 詰上り 23桂>

詰上りは4枚の桂馬だけで玉を仕留めました。
何とも言えず気持ちの良い詰上りですね。
【詰手順】25桂、22玉、34桂、11玉、12角成、同玉、24桂、11玉、
21銀成、同玉、33桂不成、11玉、23桂まで13手詰
門脇芳雄作 「2001」 1984年6月

門脇さんが「2001」という雑誌に詰将棋の出題ページを獲得され、その際に発表された作品。
32龍と引く手が見えますが、22歩合、34角、11玉と進むと打歩詰でダメです。
34角から入っても、23歩合、32龍、11玉でダメです。
初手は21龍と桂を取るのが俗手の好手。
同玉に32角と拠点を築くと視界が開けた感じです。
11玉なら23桂と打つ手があり、12玉、13歩、22玉、31馬まで。
12玉も13歩が利くので、22玉、34(14)桂、11玉、33馬、同桂、23桂まできれいに詰みます。
危ないようですが32角には、22玉が最善の応手。
それには34桂と打ち、11玉と逃げたところで、33馬と桂を奪うのが好手順。
<2図 7手目 33馬>

同桂と取り返されますが、12歩と叩き、同玉に24桂と打てばみるみる玉が狭くなります。
11玉には21角成と捨てるのが決め手。
同玉には33桂不成と、質駒になっている桂を取りながら25の桂を活用し、11玉に23桂と打てば鮮やかな四桂詰。
大駒が全部消えて爽やかな一局。
【詰手順】21龍、同玉、32角、22玉、34桂、11玉、33馬(2図)、同桂、12歩、
同玉、24桂、11玉、21角成、同玉、33桂不成、11玉、23桂まで17手詰
山名さんと門脇さんの作品は風みどりさんからご提供いただいた情報にあったものです。
あらためて感謝申し上げます。
酒井博久作 詰パラ1998年7月(『現代詰将棋短編名作選』第237番)

今度の作品は飛角図式。しかも持駒は桂だけです。
14桂と打つのは11玉で次の手がありません。
34桂とこちらから打つのが正解です。
同龍ならば同角成と取り返して、32玉に44桂で簡単。
21玉は41角成と開き王手し、11玉(22合は31馬)、23桂、12玉、13合、24桂という筋で詰みます。
34桂には、11玉と逃げるのが最善です。
そこでぼんやり14龍と寄るのが好手。
13に合駒で受けるのですが、歩合なら同龍と取り、同角に12歩と打つ手があり、21玉に33桂から簡単。
頭に利く駒はダメなので13には桂合するしかありません。
同龍では同角で続きませんが、12角成と捨てるのが好手。
<3図 5手目 12角成>

12角成は同玉の一手。
そこで24桂と角から桂に打ち換えます。
21玉は23龍があるので、11玉と逃げますが、13龍と桂を取るのが決め手です。
同角に23桂と打ち、21玉に33桂まで、見事な四桂詰となりました。
4枚目の桂を合駒で入手するのがポイントでした。
【詰手順】34桂、11玉、14龍、13桂、12角成(3図)、同玉、24桂、11玉、
13龍、同角、23桂、21玉、33桂まで13手詰
鎌田 研作 将棋世界2000年9月(『将棋世界サロン名作選』第327番)

本作は飛角図式に持駒桂4枚。
初手34角成を急ぐと14玉でダメなので、17桂と捨てます。
同飛成なら34角成から17龍という手があり、15玉と寄るのも35龍があるので、24玉と引くしかありません。
34龍と入れば13玉の一手で、打ったばかりの桂を25桂と跳ね出すのが気持ちの良い活用。単に打つのと打った駒を捌くのでは、手の味の良さが随分違いますね。
25桂には22玉と引く一手。
ここで14桂と捨てるのが好手筋。同飛なら、33桂成、11玉、14龍と飛車を取る手があるので、11玉と逃げますが、12角成と捨て、同玉に24桂と打ち換えるのが好手順。
酒井さんの作品にも出てきた筋ですね。
11玉と戻りますが、そこで31龍が決め手。
<3図 13手目 31龍>

31龍は同馬と取るしかありませんが、これで馬筋がそれたので、23桂と打つことが出来ます。23に桂を打てたのは、23角を24桂に打ち換えた効果です。
21玉に33桂不成と跳ねて四桂詰の詰上り。この桂は初手17に打ったものが25から33に二段跳ねしたものです。
なお12手目に21玉と引くのは、13桂不成、11玉に、23桂、同馬、31龍でも、31龍、同馬、23桂のどちらでも詰み、同手数駒余らずとなってしまうのはちょっとした乱れですが、大きなキズでは無いと思います。
【詰手順】17桂、24玉、34龍、13玉、25桂、22玉、14桂、11玉、12角成、同玉、
24桂、11玉、31龍(4図)、同馬、23桂、21玉、33桂不成まで17手詰
【PR】創棋会作品集『百日紅』
・詰パラで販売中!
→ http://tsumepara.com/contents/11memo/memo.htm
・マイナビ出版は予定数量を完売されたとのこと、ありがとうございました!
・もちろん創棋会でもご注文をお受けします。
下記にお申込みいただければ手配させていただきます。
⇒ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
多くの方に手にとっていただければ、こんな嬉しいことはありません。
☆「百日紅」の正誤表
詰パラ10月号で「百日紅」のことを書かかせていただきましたが、誤記がたくさん発生してしまい、読者の方には大変申し訳ありませんでした。
詰パラに掲載したもの以外にも小さな誤りが指摘されており、11月初旬に正誤表を公開しましたが、その後追加連絡をいただきましたので、正誤表を更新させていただきました。
不備が多くて申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
以下のURLからアクセスできますのでご確認いただければ幸いです。
https://firestorage.jp/download/0248011547779b0d6c2b87f7c7f163b69fc94882
パスワードは「saruseigo2」です。
また風みどりさんのご協力でつみき書店の「詰棋書正誤表置場」にも置いていただきましたので、下記からも参照いただけます。
→ https://tsumeki.memo.wiki/d/%c9%b4%c6%fc%b9%c8
■創棋会の今後の予定
★コロナ情勢により例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控えるなど、当日の運営にご理解をお願いします。
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2022年2月20日(日)13時~
[場所] 大阪市立西区民センター 第3会議室
https://osaka-nishikumincenter.jp/
大阪市西区北堀江 4-2-7
アクセス:https://osaka-nishikumincenter.jp/%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%bb%e3%82%b9
◆大阪メトロ 千日前線「西長堀」駅 ⑦番出口 北へ100m
◆大阪メトロ 鶴見緑地線「西長堀」駅 ③番出口 南へ100m
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」。
[会費] 無料
***【次々回例会】*************************************************
[日時] 2022年4月17日(日)13時~
[場所]大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[課題] 追ってご案内させていただきます
[会費] 無料
***【新年会】*******************************************************
※例年1月に「例会」と「新年会」を開催していますが、昨今の新型コロナ肺炎情勢を勘案して、2022年度は開催を見送らせていただきます。
年に一度の催しを楽しみにされていた方には大変申し訳ございませんが、事情了解いただければ幸いです。
*********************************************************************
・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで
⇒ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
以上
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■花
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■創棋会の次回課題
創棋会の次回課題はネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」です。
「教材に使える10手台」も6回目となります。一桁台の詰将棋には良い入門書が沢山ありますが、10手台となると間口も限られ、少し敷居が高くなるようです。しかし10手台だからこそ味わえる詰将棋の醍醐味というものもあるので、そういうものを知っていただきたいという主旨で始めたものです。
今回のテーマは「桂が主役の作品」。桂が攻守に活躍する作品にはリズムがあり、その軽妙さを楽しんでいただける作品を揃えたいと思います。
作家の皆さまにはどうぞ初級から中級の方をイメージして、詰将棋の面白さや楽しさを体感していただける「教材」に使えるような作品を投稿いただければ幸いです。
ネット作品展は2月下旬に当ブログ「創棋会通信+α」で出題しますので、2月例会(2月20日開催予定)で選考します。
投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
※投稿は2/18までにお願いします。
◇例題紹介
「桂が主役」で思い浮かぶのは、桂で詰める作品。桂だけの詰上りになる四桂詰は古くから有名です。
今回は四桂詰を4作鑑賞したいと思います。
山名 厚作 新将棋天国1982年6月

一局目は四桂詰をシンプルに描いた作品です。
これは25桂と打つしか無い局面。
22玉と逃げる一手に、34桂と打ちます。14桂とひねって端から打つのは42への利きが無いので最後に逃げられてしまいます。
34桂には11玉と逃げるしかありません。
ここで21銀成と桂の入手を急ぐと、同玉、33桂、11玉で続きません。
12角成と捨てて24桂と跳ねるのが好手順。
32の銀が生きている間に桂を跳ねて拠点を作っておく必要があります。
24桂には11玉と引く一手ですが、そこで21銀成と桂を取ります。
同玉に33桂不成と跳ねれば、玉は34と24の2枚桂の威力で二段目に逃げることができません。
11玉とかわせば23桂と打って詰み。
<1図 詰上り 23桂>

詰上りは4枚の桂馬だけで玉を仕留めました。
何とも言えず気持ちの良い詰上りですね。
【詰手順】25桂、22玉、34桂、11玉、12角成、同玉、24桂、11玉、
21銀成、同玉、33桂不成、11玉、23桂まで13手詰
門脇芳雄作 「2001」 1984年6月

門脇さんが「2001」という雑誌に詰将棋の出題ページを獲得され、その際に発表された作品。
32龍と引く手が見えますが、22歩合、34角、11玉と進むと打歩詰でダメです。
34角から入っても、23歩合、32龍、11玉でダメです。
初手は21龍と桂を取るのが俗手の好手。
同玉に32角と拠点を築くと視界が開けた感じです。
11玉なら23桂と打つ手があり、12玉、13歩、22玉、31馬まで。
12玉も13歩が利くので、22玉、34(14)桂、11玉、33馬、同桂、23桂まできれいに詰みます。
危ないようですが32角には、22玉が最善の応手。
それには34桂と打ち、11玉と逃げたところで、33馬と桂を奪うのが好手順。
<2図 7手目 33馬>

同桂と取り返されますが、12歩と叩き、同玉に24桂と打てばみるみる玉が狭くなります。
11玉には21角成と捨てるのが決め手。
同玉には33桂不成と、質駒になっている桂を取りながら25の桂を活用し、11玉に23桂と打てば鮮やかな四桂詰。
大駒が全部消えて爽やかな一局。
【詰手順】21龍、同玉、32角、22玉、34桂、11玉、33馬(2図)、同桂、12歩、
同玉、24桂、11玉、21角成、同玉、33桂不成、11玉、23桂まで17手詰
山名さんと門脇さんの作品は風みどりさんからご提供いただいた情報にあったものです。
あらためて感謝申し上げます。
酒井博久作 詰パラ1998年7月(『現代詰将棋短編名作選』第237番)

今度の作品は飛角図式。しかも持駒は桂だけです。
14桂と打つのは11玉で次の手がありません。
34桂とこちらから打つのが正解です。
同龍ならば同角成と取り返して、32玉に44桂で簡単。
21玉は41角成と開き王手し、11玉(22合は31馬)、23桂、12玉、13合、24桂という筋で詰みます。
34桂には、11玉と逃げるのが最善です。
そこでぼんやり14龍と寄るのが好手。
13に合駒で受けるのですが、歩合なら同龍と取り、同角に12歩と打つ手があり、21玉に33桂から簡単。
頭に利く駒はダメなので13には桂合するしかありません。
同龍では同角で続きませんが、12角成と捨てるのが好手。
<3図 5手目 12角成>

12角成は同玉の一手。
そこで24桂と角から桂に打ち換えます。
21玉は23龍があるので、11玉と逃げますが、13龍と桂を取るのが決め手です。
同角に23桂と打ち、21玉に33桂まで、見事な四桂詰となりました。
4枚目の桂を合駒で入手するのがポイントでした。
【詰手順】34桂、11玉、14龍、13桂、12角成(3図)、同玉、24桂、11玉、
13龍、同角、23桂、21玉、33桂まで13手詰
鎌田 研作 将棋世界2000年9月(『将棋世界サロン名作選』第327番)

本作は飛角図式に持駒桂4枚。
初手34角成を急ぐと14玉でダメなので、17桂と捨てます。
同飛成なら34角成から17龍という手があり、15玉と寄るのも35龍があるので、24玉と引くしかありません。
34龍と入れば13玉の一手で、打ったばかりの桂を25桂と跳ね出すのが気持ちの良い活用。単に打つのと打った駒を捌くのでは、手の味の良さが随分違いますね。
25桂には22玉と引く一手。
ここで14桂と捨てるのが好手筋。同飛なら、33桂成、11玉、14龍と飛車を取る手があるので、11玉と逃げますが、12角成と捨て、同玉に24桂と打ち換えるのが好手順。
酒井さんの作品にも出てきた筋ですね。
11玉と戻りますが、そこで31龍が決め手。
<3図 13手目 31龍>

31龍は同馬と取るしかありませんが、これで馬筋がそれたので、23桂と打つことが出来ます。23に桂を打てたのは、23角を24桂に打ち換えた効果です。
21玉に33桂不成と跳ねて四桂詰の詰上り。この桂は初手17に打ったものが25から33に二段跳ねしたものです。
なお12手目に21玉と引くのは、13桂不成、11玉に、23桂、同馬、31龍でも、31龍、同馬、23桂のどちらでも詰み、同手数駒余らずとなってしまうのはちょっとした乱れですが、大きなキズでは無いと思います。
【詰手順】17桂、24玉、34龍、13玉、25桂、22玉、14桂、11玉、12角成、同玉、
24桂、11玉、31龍(4図)、同馬、23桂、21玉、33桂不成まで17手詰
【PR】創棋会作品集『百日紅』
・詰パラで販売中!
→ http://tsumepara.com/contents/11memo/memo.htm
・マイナビ出版は予定数量を完売されたとのこと、ありがとうございました!
・もちろん創棋会でもご注文をお受けします。
下記にお申込みいただければ手配させていただきます。
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多くの方に手にとっていただければ、こんな嬉しいことはありません。
☆「百日紅」の正誤表
詰パラ10月号で「百日紅」のことを書かかせていただきましたが、誤記がたくさん発生してしまい、読者の方には大変申し訳ありませんでした。
詰パラに掲載したもの以外にも小さな誤りが指摘されており、11月初旬に正誤表を公開しましたが、その後追加連絡をいただきましたので、正誤表を更新させていただきました。
不備が多くて申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
以下のURLからアクセスできますのでご確認いただければ幸いです。
https://firestorage.jp/download/0248011547779b0d6c2b87f7c7f163b69fc94882
パスワードは「saruseigo2」です。
また風みどりさんのご協力でつみき書店の「詰棋書正誤表置場」にも置いていただきましたので、下記からも参照いただけます。
→ https://tsumeki.memo.wiki/d/%c9%b4%c6%fc%b9%c8
■創棋会の今後の予定
★コロナ情勢により例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控えるなど、当日の運営にご理解をお願いします。
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2022年2月20日(日)13時~
[場所] 大阪市立西区民センター 第3会議室
https://osaka-nishikumincenter.jp/
大阪市西区北堀江 4-2-7
アクセス:https://osaka-nishikumincenter.jp/%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%bb%e3%82%b9
◆大阪メトロ 千日前線「西長堀」駅 ⑦番出口 北へ100m
◆大阪メトロ 鶴見緑地線「西長堀」駅 ③番出口 南へ100m
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」。
[会費] 無料
***【次々回例会】*************************************************
[日時] 2022年4月17日(日)13時~
[場所]大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[課題] 追ってご案内させていただきます
[会費] 無料
***【新年会】*******************************************************
※例年1月に「例会」と「新年会」を開催していますが、昨今の新型コロナ肺炎情勢を勘案して、2022年度は開催を見送らせていただきます。
年に一度の催しを楽しみにされていた方には大変申し訳ございませんが、事情了解いただければ幸いです。
*********************************************************************
・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで
⇒ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
以上
<創棋会の次回課題「桂が主役の作品」>
創棋会の次回課題「桂が主役の作品」
穏やかな年末年始を過ごしたと思っていたら、ここにきてコロナの感染者数が大きく増加。オミクロンというのは感染力が強いのですね。
重症化しないという話もありますが、感染すれば自宅待機などを余儀なくされますから社会生活は大きく制約されます。家族や友人に感染させてしまうリスクもあります。
当分はマスク・手洗い・三密回避など、自衛に努めながら用心して過ごすしかなさそうです。
■花
昨秋に撮影したものですが、花なのか葉なのか?

■創棋会の次回課題
創棋会の次回課題はネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」です。
「教材に使える10手台」も6回目となります。一桁台の詰将棋には良い入門書が沢山ありますが、10手台となると間口も限られ、少し敷居が高くなるようです。しかし10手台だからこそ味わえる詰将棋の醍醐味というものもあるので、そういうものを知っていただきたいという主旨で始めたものです。
今回のテーマは「桂が主役の作品」。桂が攻守に活躍する作品にはリズムがあり、その軽妙さを楽しんでいただける作品を揃えたいと思います。
作家の皆さまにはどうぞ初級から中級の方をイメージして、詰将棋の面白さや楽しさを体感していただける「教材」に使えるような作品を投稿いただければ幸いです。
◇例題紹介
「桂が主役」の作品で思い浮かぶのは、桂の持駒が沢山あり、それを軽快に捨ててゆくものです。前回紹介した柏川さんの作品もそういう雰囲気の作品でした。
今回はそういった軽快さを楽しめる10手台の作品を3作鑑賞したいと思います。
川西直哉作 将棋世界2017年9月号(『将棋世界サロン名作選』第532番)

桂の持駒が沢山あるということは、当然「持駒桂一色」というものが考えられますが、まさに本作がそれに当たります。
まずは33桂と打って応手を問います。
11玉と逃げたいところですが、23桂と捨てるのが好手。同馬と取れば21桂成、同玉、31龍までですから22玉とかわす一手ですが、34桂と打つ手があって、どこに逃げても一手詰。
23桂には22玉とかわすのが最善。
24龍は23合で切れてしまうので重いようですが34桂と打ちます。
23玉は24龍、33玉なら24銀と一手で詰むので、11玉と逃げますが、ここから気持ちの良い桂の連続技が飛び出します。
まず23桂と打って同馬と呼びます。
そこで22桂成と34に打った桂を成捨てるのが鮮やかな一手。
<1図 7手目 22桂成>

22桂成を同玉なら、21桂成、同玉、31龍まで駒余りの詰みとなるので、同馬と応じます。
そこで23桂と軽く捨てるのが決め手です。
同馬と取らせれば、そこで21桂成と捨て、同玉に31龍までの詰み。
12手目21同玉の形は初形から41の馬が23に動いただけ。
初形に41馬の利きが無ければ31龍の一手詰だったのですが、4桂を巧みに捨ててその形を実現することに成功しました。
【詰手順】33桂、22玉、34桂、11玉、23桂、同馬、22桂成(1図)、同馬、
23桂、同馬、21桂成、同玉、31龍、まで13手詰
金子哲哉作 将棋世界2006年3月(『将棋世界サロン名作選』第377番)

本作の持駒は桂4枚に金。前作よりさらに豊富です。
逃げ道は32から23のルートがあるので、そこには注意が必要です。
龍の威力も強いので、まずは包囲網を築きます。
初手は33桂。
馬道を止めてしまいますが、11玉なら21金、同龍、同桂成、同玉と清算し、11飛、32玉、12飛成で詰みます。
33桂には32玉と桂頭に逃げますが、43銀不成が好手。
不成なら23玉に34馬と出来ます。
13玉や14玉は金打ちがあるので、22玉と引きますが、そこで14桂と捨てるのが好手。
11玉と逃げれば、21金から清算して簡単なので、同龍と応じるしかありません。
龍の利きが弱くなったところで21桂成と捨てるのが巧みな捌き。
<2図 9手目 21桂成>

21桂成は同玉の一手。
そこで、13桂と捨て、同龍と取らせてから、33桂と捨てるのが、鮮やかな連打。
同龍と取るしかありませんが、12金までの詰み。
43銀・34馬の形を作ってから、14桂~21桂成~13桂~33桂と4桂を連続で捨てるのは実に気持ちの良い手順。
【詰手順】33桂、32玉、43銀不成、23玉、34馬、22玉、14桂、同龍、
21桂成(2図)、同玉、13桂、同龍、33桂、同龍、12金まで15手詰
竹村孔明・高谷仲達作 詰パラ2009年8月(『現代詰将棋短編名作選』第327番)

本作も「持駒桂一色」です。
33桂は同飛、22角成、同玉、33と と飛車を奪えますが、33同玉となると捕まりません。
正解は飛車道を止めて打ちにくいのですが13桂です。
今度は同飛なら22角成から13龍と飛を取って簡単ですから、窮屈ですが12玉と逃げます。
この局面をよく見ると24のと金が邪魔ですね。この駒がいなければ24桂まで。
そこで23と と捨てて消去を図ります。
同銀ならば、24桂と打って同銀と取らせ、21桂成と捨てれば、同玉に24龍と銀を取ることが出来ますから、22銀や13桂といった手で簡単に詰みます。
23とは同飛と取るのが最善です。
同じように24桂から攻めるのは、同飛、21桂成のとき14馬と龍を取られてしまうのでダメです。
23同飛には21桂成と捨てるのが好手順。
13合は同龍、同飛、22角成があるので、21同玉と取るしかありません。
急いで23龍と飛車を取るのは同馬でダメなので、桂を使った巧妙な手を繰り出します。
まず33桂と捨てて同飛と取らせます。
続いて13桂と捨てるのが鮮やかな連続技。
<3図 9手目 13桂>

13桂に12玉は24桂まで。
24のと金を消去した効果です。
また23に飛車がいたのでは24桂と打てないので、21桂成から33桂で飛車を3筋に動かしておいたというわけです。
13桂も同飛と取るしかありません。
そこで24龍とジッと寄るのが味のある一手。
23合なら33桂から13角成と飛車を取って詰みますから、23飛と移動合で凌ぎます。
それでも33桂と打ち、12玉に13角成が決め手。
同飛と取られますが21龍までの詰み。
21桂成、33桂、13桂と連続して桂を捨てるのが軽妙。
収束の24龍や23飛も味のある応酬で、楽しめる一作です。
【詰手順】13桂、12玉、23と、同飛、21桂成、同玉、33桂、同飛、13桂(3図)、
同飛、24龍、23飛、33桂、12玉、13角成、同飛、21龍まで17手詰
【PR】創棋会作品集『百日紅』
・詰パラで販売中!
→ http://tsumepara.com/contents/11memo/memo.htm
・マイナビ出版は予定数量を完売されたとのこと、ありがとうございました!
・もちろん創棋会でもご注文をお受けします。
下記にお申込みいただければ手配させていただきます。
⇒ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
多くの方に手にとっていただければ、こんな嬉しいことはありません。
☆「百日紅」の正誤表
詰パラ10月号で「百日紅」のことを書かかせていただきましたが、誤記がたくさん発生してしまい、読者の方には大変申し訳ありませんでした。
詰パラに掲載したもの以外にも小さな誤りが指摘されており、11月初旬に正誤表を公開しましたが、その後追加連絡をいただきましたので、正誤表を更新させていただきました。
不備が多くて申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
以下のURLからアクセスできますのでご確認いただければ幸いです。
https://firestorage.jp/download/0248011547779b0d6c2b87f7c7f163b69fc94882
パスワードは「saruseigo2」です。
また風みどりさんのご協力でつみき書店の「詰棋書正誤表置場」にも置いていただきましたので、下記からも参照いただけます。
→ https://tsumeki.memo.wiki/d/%c9%b4%c6%fc%b9%c8
■創棋会の今後の予定
★コロナ情勢により例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控えるなど、当日の運営にご理解をお願いします。
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2022年2月20日(日)13時~
[場所] 大阪市立西区民センター 第3会議室
https://osaka-nishikumincenter.jp/
大阪市西区北堀江 4-2-7
アクセス:https://osaka-nishikumincenter.jp/%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%bb%e3%82%b9
◆大阪メトロ 千日前線「西長堀」駅 ⑦番出口 北へ100m
◆大阪メトロ 鶴見緑地線「西長堀」駅 ③番出口 南へ100m
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」。
[会費] 無料
***【次々回例会】*************************************************
[日時] 2022年4月17日(日)13時~
[場所]大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[課題] 追ってご案内させていただきます
[会費] 無料
***【新年会】*******************************************************
※例年1月に「例会」と「新年会」を開催していますが、昨今の新型コロナ肺炎情勢を勘案して、2022年度は開催を見送らせていただきます。
年に一度の催しを楽しみにされていた方には大変申し訳ございませんが、事情了解いただければ幸いです。
*********************************************************************
・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで
⇒ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
以上
穏やかな年末年始を過ごしたと思っていたら、ここにきてコロナの感染者数が大きく増加。オミクロンというのは感染力が強いのですね。
重症化しないという話もありますが、感染すれば自宅待機などを余儀なくされますから社会生活は大きく制約されます。家族や友人に感染させてしまうリスクもあります。
当分はマスク・手洗い・三密回避など、自衛に努めながら用心して過ごすしかなさそうです。
■花
昨秋に撮影したものですが、花なのか葉なのか?

■創棋会の次回課題
創棋会の次回課題はネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」です。
「教材に使える10手台」も6回目となります。一桁台の詰将棋には良い入門書が沢山ありますが、10手台となると間口も限られ、少し敷居が高くなるようです。しかし10手台だからこそ味わえる詰将棋の醍醐味というものもあるので、そういうものを知っていただきたいという主旨で始めたものです。
今回のテーマは「桂が主役の作品」。桂が攻守に活躍する作品にはリズムがあり、その軽妙さを楽しんでいただける作品を揃えたいと思います。
作家の皆さまにはどうぞ初級から中級の方をイメージして、詰将棋の面白さや楽しさを体感していただける「教材」に使えるような作品を投稿いただければ幸いです。
◇例題紹介
「桂が主役」の作品で思い浮かぶのは、桂の持駒が沢山あり、それを軽快に捨ててゆくものです。前回紹介した柏川さんの作品もそういう雰囲気の作品でした。
今回はそういった軽快さを楽しめる10手台の作品を3作鑑賞したいと思います。
川西直哉作 将棋世界2017年9月号(『将棋世界サロン名作選』第532番)

桂の持駒が沢山あるということは、当然「持駒桂一色」というものが考えられますが、まさに本作がそれに当たります。
まずは33桂と打って応手を問います。
11玉と逃げたいところですが、23桂と捨てるのが好手。同馬と取れば21桂成、同玉、31龍までですから22玉とかわす一手ですが、34桂と打つ手があって、どこに逃げても一手詰。
23桂には22玉とかわすのが最善。
24龍は23合で切れてしまうので重いようですが34桂と打ちます。
23玉は24龍、33玉なら24銀と一手で詰むので、11玉と逃げますが、ここから気持ちの良い桂の連続技が飛び出します。
まず23桂と打って同馬と呼びます。
そこで22桂成と34に打った桂を成捨てるのが鮮やかな一手。
<1図 7手目 22桂成>

22桂成を同玉なら、21桂成、同玉、31龍まで駒余りの詰みとなるので、同馬と応じます。
そこで23桂と軽く捨てるのが決め手です。
同馬と取らせれば、そこで21桂成と捨て、同玉に31龍までの詰み。
12手目21同玉の形は初形から41の馬が23に動いただけ。
初形に41馬の利きが無ければ31龍の一手詰だったのですが、4桂を巧みに捨ててその形を実現することに成功しました。
【詰手順】33桂、22玉、34桂、11玉、23桂、同馬、22桂成(1図)、同馬、
23桂、同馬、21桂成、同玉、31龍、まで13手詰
金子哲哉作 将棋世界2006年3月(『将棋世界サロン名作選』第377番)

本作の持駒は桂4枚に金。前作よりさらに豊富です。
逃げ道は32から23のルートがあるので、そこには注意が必要です。
龍の威力も強いので、まずは包囲網を築きます。
初手は33桂。
馬道を止めてしまいますが、11玉なら21金、同龍、同桂成、同玉と清算し、11飛、32玉、12飛成で詰みます。
33桂には32玉と桂頭に逃げますが、43銀不成が好手。
不成なら23玉に34馬と出来ます。
13玉や14玉は金打ちがあるので、22玉と引きますが、そこで14桂と捨てるのが好手。
11玉と逃げれば、21金から清算して簡単なので、同龍と応じるしかありません。
龍の利きが弱くなったところで21桂成と捨てるのが巧みな捌き。
<2図 9手目 21桂成>

21桂成は同玉の一手。
そこで、13桂と捨て、同龍と取らせてから、33桂と捨てるのが、鮮やかな連打。
同龍と取るしかありませんが、12金までの詰み。
43銀・34馬の形を作ってから、14桂~21桂成~13桂~33桂と4桂を連続で捨てるのは実に気持ちの良い手順。
【詰手順】33桂、32玉、43銀不成、23玉、34馬、22玉、14桂、同龍、
21桂成(2図)、同玉、13桂、同龍、33桂、同龍、12金まで15手詰
竹村孔明・高谷仲達作 詰パラ2009年8月(『現代詰将棋短編名作選』第327番)

本作も「持駒桂一色」です。
33桂は同飛、22角成、同玉、33と と飛車を奪えますが、33同玉となると捕まりません。
正解は飛車道を止めて打ちにくいのですが13桂です。
今度は同飛なら22角成から13龍と飛を取って簡単ですから、窮屈ですが12玉と逃げます。
この局面をよく見ると24のと金が邪魔ですね。この駒がいなければ24桂まで。
そこで23と と捨てて消去を図ります。
同銀ならば、24桂と打って同銀と取らせ、21桂成と捨てれば、同玉に24龍と銀を取ることが出来ますから、22銀や13桂といった手で簡単に詰みます。
23とは同飛と取るのが最善です。
同じように24桂から攻めるのは、同飛、21桂成のとき14馬と龍を取られてしまうのでダメです。
23同飛には21桂成と捨てるのが好手順。
13合は同龍、同飛、22角成があるので、21同玉と取るしかありません。
急いで23龍と飛車を取るのは同馬でダメなので、桂を使った巧妙な手を繰り出します。
まず33桂と捨てて同飛と取らせます。
続いて13桂と捨てるのが鮮やかな連続技。
<3図 9手目 13桂>

13桂に12玉は24桂まで。
24のと金を消去した効果です。
また23に飛車がいたのでは24桂と打てないので、21桂成から33桂で飛車を3筋に動かしておいたというわけです。
13桂も同飛と取るしかありません。
そこで24龍とジッと寄るのが味のある一手。
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【詰手順】13桂、12玉、23と、同飛、21桂成、同玉、33桂、同飛、13桂(3図)、
同飛、24龍、23飛、33桂、12玉、13角成、同飛、21龍まで17手詰
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[場所] 大阪市立西区民センター 第3会議室
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大阪市西区北堀江 4-2-7
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[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」。
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[日時] 2022年4月17日(日)13時~
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謹賀新年! 詰パラ1月号到着
<謹賀新年! 詰パラ1月号到着>
あけましておめでとうございます。
2021年も引き続きコロナに翻弄された1年でした。
今年は少しでものびのびと過ごせるようになってほしいものです。
解答選手権は今年もリアル会場は中止が決まっていますが、全国大会や各地の会合などは、何とかリアル開催で楽しみたいと思います。
さて本年も創棋会のブログ「創棋会通信+α」をご愛読くださいますようお願いします。
なおブログは近々画面を更新する予定です。引き続きよろしくお願いします。
また創棋会の活動へのご支援も、これまで同様よろしくお願いします。

■詰パラ1月号が到着
年末31日に詰パラが到着! 年内到着で、正月休みにたっぷりと楽しめます。
・表紙。前田裕昭さん。同世代の方の登場には親近感を覚えます。
2007年の全国大会は神戸開催でしたが、そのときお世話になったことが懐かしい。
・詰将棋学校(12P~)。
小学校:小学校は200名近い解答数ですから担当業務も大変かと思います。
中学校:太刀岡さんは担当期間中に同人入り。
高校:小林さんは2期目。ますます調子を上げてこられることでしょう。
短大:斎藤さんの名人挑戦を期待!
大学:曲詰特集。同人のお二人は名人芸を見せてくれそうですが、中村さんはオールラウンドの活躍ですね。
大院:解答を10手毎に改行するというのは、手数長めのコーナーでは親切ですね。
・大道棋教室(16P~)。中村さんの担当で半年ぶりの復活。
・段級位認定(18P~)。毎年のことですがすごい顔ぶれ…。入選回数の合計が1579回と昨年の1389回を上回りました!
・谷川浩司の光速流双玉ルーム(20P~)。谷川さんも還暦ですか。
・新人コンクール(21P~)。武田さんはつみき書店さんの創作課題でよくおみかけします。坪倉さんは初見ですが中学生強豪。
渕ノ上さんや早川さん、もう少し入選されていると思っていました。皆さんの活躍を期待。
・詰備会作品展(22P~)。この2年間は4回連続のオンライン例会。中国地方は詰キストが増えているのに残念ですね。
・全詰連の頁(23P~)。本年のイベント予定。参加者の健康や安全を第一と考えれば、主催者としてはコロナ沈静化まで急がず焦らずという判断になるのもやむなし。全国大会ももう少し様子を見ないと何とも言えない状況です。
・詰将棋の眺め方(24P~)。有吉弘敏さんによる「短編の名手『谷口均』」。谷口さんと言えば角使いの名手という印象ですが、緊張感のある密度の高い手順が繰り広げられる作品ばかりでため息が出ます。
この連載も今回で終了。当初は1年だったのが2年続いたのですが、もう終わってしまうのかと思うと大変残念です。創る・解くだけでなく読む・鑑賞するというページはぜひ今後も続けていって欲しいと思います。
・持駒のある風景(30P~)。草創期の詰将棋についての考察。実戦の終盤から派生したものならば、駒数、広がり、手数などは肯ける話ですね。
・おもちゃ箱だより(32P~)。年賀詰に関する記事。おもちゃ箱の年賀詰展示室や12年前の年賀詰など。柳田さんの「2→2」は今年も使えそうですね。
・ちえのわ雑文集(34P~)。森美憲さんの「伝説を解読する」。なるほどと思える内容です。でもそっとしておいても良いと思わないでもない伝説ではあります。
・「象戯秘曲集」の考察(38P~)。こちらも森美憲さんの研究発表一回目。
・サロン(44P)。創棋会ネット作品展の結果発表。夏の出題を今頃紹介するのも気が引けますが、高評価を得た作品を広く知っていただきたいということで、ぜひ鑑賞下さい。
・会合案合(47P)。11月は二ヶ所で会合開催。1月は詰工房・たま研・香龍会・詰四会と4ヶ所開催。創棋会は残念ですが、今年も新年会の開催は見送りです。
・結果稿(48P~)。
小中高では2.8超の作品なし。小17山田康平作の金の動きに魅せられる。中18原作は2種類の合駒を動かす高難度の技。高校20武石作は楽しい繰り返し趣向。
短19武作は重厚さと爽快さを感じる手順で2.89の高得点。
大学は軽趣向特集で68名の解答!12石本作が2.8超の高得点。
院は9月号結果稿で添川さんの個展だったが2題とも煙で2.8超の高評価。
たま研は曲詰特集で詰上りを見るだけでも楽しめます。
詰四会では橋本孝治さんの作品が!
デパートは構想作や趣向作で楽しませてもらいました。
・編集室(100P)。長谷繁蔵さんの訃報。当ブログでも先日追悼記事を書きました。
・デパート(表紙3)。「今年こそは」の思い、多くの方の願いでしょうね。
■創棋会の次回課題
創棋会の次回課題はネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」です。
「教材に使える10手台」も6回目となります。一桁台の詰将棋には良い入門書が沢山ありますが、10手台となると間口も限られ、少し敷居が高くなるようです。しかし10手台だからこそ味わえる詰将棋の醍醐味というものもあるので、そういうものを知っていただきたいという主旨で始めたものです。
今回のテーマは「桂が主役の作品」。桂が攻守に活躍する作品にはリズムがあり、その軽妙さを楽しんでいただける作品を揃えたいと思います。
作家の皆さまにはどうぞ初級から中級の方をイメージして、詰将棋の面白さや楽しさを体感していただける「教材」に使えるような作品を投稿いただければ幸いです。
ネット作品展は2月下旬に当ブログ「創棋会通信+α」で出題しますので、2月例会(2月20日開催予定)で選考します。
投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
※投稿は2/18までにお願いします。
◇例題紹介
それでは恒例の例題紹介です。
今回は桂の特性を知るために短めの手数の作品も鑑賞したいと思います。
原亜津夫作 詰パラ2001年8月 (半期賞、『現代詰将棋短編名作選』第264番)

まず一局目は7手詰。
無防備玉。どこから攻めても良さそうに見えますが、そう簡単ではありません。
68桂と打つのは、65玉なら66歩までですが、67玉、45馬、58玉でダメです。
55金と捨て同玉に28角も有力ですが65玉と寄られると、これ以上手が続きません。
57歩と突き出すのが67玉に45馬を見て上手そうな手ですが、65玉とかわされ、55金、同玉、28角、65玉、47馬、54玉となると詰みません。
なかなか捕まえづらい玉です。
正解は48桂。
68から打っても詰まないのに、39角の利きを自ら止める48桂は実に打ちにくい一手です。
67玉は45馬があるので65玉と逃げます。
今度は角道が止まっているので66歩は同玉でダメ。
47馬も54玉と金を取られて脱出が止まりません。
手がなさそうですが、55金と捨てるのが妙手。
54金は脱出を防ぐ大事な駒に見えるので、捨てるのは抵抗感があります。
同玉となったところで28角と行きたくなるのですが、65玉と戻られると手がありません。
55同玉には75飛と飛車を活用するのが好手。
65合なら今度こそ28角で詰んでいます。
75飛には64玉とかわして綱渡りのような受け。
そこで56桂と跳ねるのが絶妙の決め手。
何ともアクロバティックな詰上りです。
<1図 詰上り:56桂まで>

角道を止める桂打ちからスタートし、最後はその桂を跳ねて仕留めるという素晴らしいストーリー。まさに桂が主役の作品でした。
【詰手順】48桂、65玉、55金、同玉、75飛、64玉、56桂まで7手詰
柏川悦夫作 将棋世界1994年6月(『将棋世界サロン名作選』第269番)

持駒に桂馬が沢山あり、桂捨ての妙技が期待されます。
43龍の守りが強力なので何とかしたいところです。
まず53桂と捨てます。これは同龍の一手。
ここで32角を急ぐと52玉から脱出されるので、52角と捨てて逃路を塞ぎます。
同歩なら32角と打って、42玉、34桂、51玉、41龍でピッタリ詰みますから、52角には同龍と応じるしかありません。
23角は32合で受かるので、33桂と捨てます。33桂のタイミングはここしかありません。
<2図 5手目:33桂>

33桂は同桂と取る一手。
そこで53桂と捨てるのが好手順。
これも同龍の一手ですが、初形では打てなかった23角が打てて詰み。
初形で33桂は同龍と取られてしまいますが、53桂~52角で龍を動かしておくことで33桂、同桂の交換を入れることが出来ました。
リズミカルな桂捨てが好感度を上げた楽しい一局。
【詰手順】53桂、同龍、52角、同龍、33桂(2図)、同桂、53桂、同龍、23角まで9手詰
山田康平作 詰パラ1984年7月(『現代詰将棋短編名作選』第96番)

3局目は10手台。
いかにも桂が活躍しそうな初形ですね。
初手は23に桂が跳ねるしかありませんが、どちらから行くのでしょうか。
まずは23桂右不成と15の桂を跳ねてみましょう。
気持ちの良い両王手です。
しかし22玉と上がられると、13香成としても、32玉とかわされて4筋方面からの脱出が止まりません。
それでは23桂右成と開き王手するのはどうでしょうか。
今度は21玉と寄る一手ですが、12香成も33桂不成も、いずれも31玉と寄られると、やはり4筋方面からの逃走を防ぐことが出来ません。
残るは23桂左不成と35の桂を跳ねる手です。
21玉と寄れば、11桂成と捨てる好手があり、同玉なら23桂成で詰み、また22玉なら33桂成として、11玉に23桂の要領で詰みます。
22玉と逃げるのが最善ですが、今度は33香成と行きます。
12玉は11桂成、同玉、23桂不成で早いので、21玉と逃げますが、それでも13桂不成と跳ねて、12玉に11桂成と捨てるのが気持ちの良い捌き。
<3図 7手目:11桂成>

11桂成に13玉なら23桂成の両王手です。
同玉と取るしかありませんが、そこで23桂不成と最後の桂の跳躍です。
6手目12玉の局面では最初に35から跳ねた23の桂が邪魔で15の桂が動けなかったので、11に成捨てて消去したわけです。その効果で15の桂が跳べることになりました。
12玉とかわす一手に、今度は21桂成と13の桂を跳ねます。
同玉に11香成と成込んで詰み。
本作は山田康平さんの初入選作。
3枚の桂が並んだ初形から3枚とも跳躍し、そのうちの2枚は二段跳ねになるという実に気持ちの良い手順。主役の桂が存分に活躍する一作でした。
【詰手順】23桂左不成、22玉、33香成、21玉、13桂不成、12玉、11桂成(3図)、
同玉、23桂不成、12玉、21桂成、同玉、11香成、まで13手詰
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■創棋会の今後の予定
★コロナ情勢により例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控えるなど、当日の運営にご理解をお願いします。
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2022年2月20日(日)13時~
[場所] 大阪市立西区民センター 第3会議室
https://osaka-nishikumincenter.jp/
大阪市西区北堀江 4-2-7
アクセス:https://osaka-nishikumincenter.jp/%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%bb%e3%82%b9
◆大阪メトロ 千日前線「西長堀」駅 ⑦番出口 北へ100m
◆大阪メトロ 鶴見緑地線「西長堀」駅 ③番出口 南へ100m
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」。
[会費] 無料
***【次々回例会】*************************************************
[日時] 2022年4月17日(日)13時~
[場所]大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[課題] 追ってご案内させていただきます
[会費] 無料
***【新年会】*******************************************************
※例年1月に「例会」と「新年会」を開催していますが、昨今の新型コロナ肺炎情勢を勘案して、2022年度は開催を見送らせていただきます。
年に一度の催しを楽しみにされていた方には大変申し訳ございませんが、事情了解いただければ幸いです。
*********************************************************************
・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで
⇒ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
以上
あけましておめでとうございます。
2021年も引き続きコロナに翻弄された1年でした。
今年は少しでものびのびと過ごせるようになってほしいものです。
解答選手権は今年もリアル会場は中止が決まっていますが、全国大会や各地の会合などは、何とかリアル開催で楽しみたいと思います。
さて本年も創棋会のブログ「創棋会通信+α」をご愛読くださいますようお願いします。
なおブログは近々画面を更新する予定です。引き続きよろしくお願いします。
また創棋会の活動へのご支援も、これまで同様よろしくお願いします。

■詰パラ1月号が到着
年末31日に詰パラが到着! 年内到着で、正月休みにたっぷりと楽しめます。
・表紙。前田裕昭さん。同世代の方の登場には親近感を覚えます。
2007年の全国大会は神戸開催でしたが、そのときお世話になったことが懐かしい。
・詰将棋学校(12P~)。
小学校:小学校は200名近い解答数ですから担当業務も大変かと思います。
中学校:太刀岡さんは担当期間中に同人入り。
高校:小林さんは2期目。ますます調子を上げてこられることでしょう。
短大:斎藤さんの名人挑戦を期待!
大学:曲詰特集。同人のお二人は名人芸を見せてくれそうですが、中村さんはオールラウンドの活躍ですね。
大院:解答を10手毎に改行するというのは、手数長めのコーナーでは親切ですね。
・大道棋教室(16P~)。中村さんの担当で半年ぶりの復活。
・段級位認定(18P~)。毎年のことですがすごい顔ぶれ…。入選回数の合計が1579回と昨年の1389回を上回りました!
・谷川浩司の光速流双玉ルーム(20P~)。谷川さんも還暦ですか。
・新人コンクール(21P~)。武田さんはつみき書店さんの創作課題でよくおみかけします。坪倉さんは初見ですが中学生強豪。
渕ノ上さんや早川さん、もう少し入選されていると思っていました。皆さんの活躍を期待。
・詰備会作品展(22P~)。この2年間は4回連続のオンライン例会。中国地方は詰キストが増えているのに残念ですね。
・全詰連の頁(23P~)。本年のイベント予定。参加者の健康や安全を第一と考えれば、主催者としてはコロナ沈静化まで急がず焦らずという判断になるのもやむなし。全国大会ももう少し様子を見ないと何とも言えない状況です。
・詰将棋の眺め方(24P~)。有吉弘敏さんによる「短編の名手『谷口均』」。谷口さんと言えば角使いの名手という印象ですが、緊張感のある密度の高い手順が繰り広げられる作品ばかりでため息が出ます。
この連載も今回で終了。当初は1年だったのが2年続いたのですが、もう終わってしまうのかと思うと大変残念です。創る・解くだけでなく読む・鑑賞するというページはぜひ今後も続けていって欲しいと思います。
・持駒のある風景(30P~)。草創期の詰将棋についての考察。実戦の終盤から派生したものならば、駒数、広がり、手数などは肯ける話ですね。
・おもちゃ箱だより(32P~)。年賀詰に関する記事。おもちゃ箱の年賀詰展示室や12年前の年賀詰など。柳田さんの「2→2」は今年も使えそうですね。
・ちえのわ雑文集(34P~)。森美憲さんの「伝説を解読する」。なるほどと思える内容です。でもそっとしておいても良いと思わないでもない伝説ではあります。
・「象戯秘曲集」の考察(38P~)。こちらも森美憲さんの研究発表一回目。
・サロン(44P)。創棋会ネット作品展の結果発表。夏の出題を今頃紹介するのも気が引けますが、高評価を得た作品を広く知っていただきたいということで、ぜひ鑑賞下さい。
・会合案合(47P)。11月は二ヶ所で会合開催。1月は詰工房・たま研・香龍会・詰四会と4ヶ所開催。創棋会は残念ですが、今年も新年会の開催は見送りです。
・結果稿(48P~)。
小中高では2.8超の作品なし。小17山田康平作の金の動きに魅せられる。中18原作は2種類の合駒を動かす高難度の技。高校20武石作は楽しい繰り返し趣向。
短19武作は重厚さと爽快さを感じる手順で2.89の高得点。
大学は軽趣向特集で68名の解答!12石本作が2.8超の高得点。
院は9月号結果稿で添川さんの個展だったが2題とも煙で2.8超の高評価。
たま研は曲詰特集で詰上りを見るだけでも楽しめます。
詰四会では橋本孝治さんの作品が!
デパートは構想作や趣向作で楽しませてもらいました。
・編集室(100P)。長谷繁蔵さんの訃報。当ブログでも先日追悼記事を書きました。
・デパート(表紙3)。「今年こそは」の思い、多くの方の願いでしょうね。
■創棋会の次回課題
創棋会の次回課題はネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」です。
「教材に使える10手台」も6回目となります。一桁台の詰将棋には良い入門書が沢山ありますが、10手台となると間口も限られ、少し敷居が高くなるようです。しかし10手台だからこそ味わえる詰将棋の醍醐味というものもあるので、そういうものを知っていただきたいという主旨で始めたものです。
今回のテーマは「桂が主役の作品」。桂が攻守に活躍する作品にはリズムがあり、その軽妙さを楽しんでいただける作品を揃えたいと思います。
作家の皆さまにはどうぞ初級から中級の方をイメージして、詰将棋の面白さや楽しさを体感していただける「教材」に使えるような作品を投稿いただければ幸いです。
ネット作品展は2月下旬に当ブログ「創棋会通信+α」で出題しますので、2月例会(2月20日開催予定)で選考します。
投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
※投稿は2/18までにお願いします。
◇例題紹介
それでは恒例の例題紹介です。
今回は桂の特性を知るために短めの手数の作品も鑑賞したいと思います。
原亜津夫作 詰パラ2001年8月 (半期賞、『現代詰将棋短編名作選』第264番)

まず一局目は7手詰。
無防備玉。どこから攻めても良さそうに見えますが、そう簡単ではありません。
68桂と打つのは、65玉なら66歩までですが、67玉、45馬、58玉でダメです。
55金と捨て同玉に28角も有力ですが65玉と寄られると、これ以上手が続きません。
57歩と突き出すのが67玉に45馬を見て上手そうな手ですが、65玉とかわされ、55金、同玉、28角、65玉、47馬、54玉となると詰みません。
なかなか捕まえづらい玉です。
正解は48桂。
68から打っても詰まないのに、39角の利きを自ら止める48桂は実に打ちにくい一手です。
67玉は45馬があるので65玉と逃げます。
今度は角道が止まっているので66歩は同玉でダメ。
47馬も54玉と金を取られて脱出が止まりません。
手がなさそうですが、55金と捨てるのが妙手。
54金は脱出を防ぐ大事な駒に見えるので、捨てるのは抵抗感があります。
同玉となったところで28角と行きたくなるのですが、65玉と戻られると手がありません。
55同玉には75飛と飛車を活用するのが好手。
65合なら今度こそ28角で詰んでいます。
75飛には64玉とかわして綱渡りのような受け。
そこで56桂と跳ねるのが絶妙の決め手。
何ともアクロバティックな詰上りです。
<1図 詰上り:56桂まで>

角道を止める桂打ちからスタートし、最後はその桂を跳ねて仕留めるという素晴らしいストーリー。まさに桂が主役の作品でした。
【詰手順】48桂、65玉、55金、同玉、75飛、64玉、56桂まで7手詰
柏川悦夫作 将棋世界1994年6月(『将棋世界サロン名作選』第269番)

持駒に桂馬が沢山あり、桂捨ての妙技が期待されます。
43龍の守りが強力なので何とかしたいところです。
まず53桂と捨てます。これは同龍の一手。
ここで32角を急ぐと52玉から脱出されるので、52角と捨てて逃路を塞ぎます。
同歩なら32角と打って、42玉、34桂、51玉、41龍でピッタリ詰みますから、52角には同龍と応じるしかありません。
23角は32合で受かるので、33桂と捨てます。33桂のタイミングはここしかありません。
<2図 5手目:33桂>

33桂は同桂と取る一手。
そこで53桂と捨てるのが好手順。
これも同龍の一手ですが、初形では打てなかった23角が打てて詰み。
初形で33桂は同龍と取られてしまいますが、53桂~52角で龍を動かしておくことで33桂、同桂の交換を入れることが出来ました。
リズミカルな桂捨てが好感度を上げた楽しい一局。
【詰手順】53桂、同龍、52角、同龍、33桂(2図)、同桂、53桂、同龍、23角まで9手詰
山田康平作 詰パラ1984年7月(『現代詰将棋短編名作選』第96番)

3局目は10手台。
いかにも桂が活躍しそうな初形ですね。
初手は23に桂が跳ねるしかありませんが、どちらから行くのでしょうか。
まずは23桂右不成と15の桂を跳ねてみましょう。
気持ちの良い両王手です。
しかし22玉と上がられると、13香成としても、32玉とかわされて4筋方面からの脱出が止まりません。
それでは23桂右成と開き王手するのはどうでしょうか。
今度は21玉と寄る一手ですが、12香成も33桂不成も、いずれも31玉と寄られると、やはり4筋方面からの逃走を防ぐことが出来ません。
残るは23桂左不成と35の桂を跳ねる手です。
21玉と寄れば、11桂成と捨てる好手があり、同玉なら23桂成で詰み、また22玉なら33桂成として、11玉に23桂の要領で詰みます。
22玉と逃げるのが最善ですが、今度は33香成と行きます。
12玉は11桂成、同玉、23桂不成で早いので、21玉と逃げますが、それでも13桂不成と跳ねて、12玉に11桂成と捨てるのが気持ちの良い捌き。
<3図 7手目:11桂成>

11桂成に13玉なら23桂成の両王手です。
同玉と取るしかありませんが、そこで23桂不成と最後の桂の跳躍です。
6手目12玉の局面では最初に35から跳ねた23の桂が邪魔で15の桂が動けなかったので、11に成捨てて消去したわけです。その効果で15の桂が跳べることになりました。
12玉とかわす一手に、今度は21桂成と13の桂を跳ねます。
同玉に11香成と成込んで詰み。
本作は山田康平さんの初入選作。
3枚の桂が並んだ初形から3枚とも跳躍し、そのうちの2枚は二段跳ねになるという実に気持ちの良い手順。主役の桂が存分に活躍する一作でした。
【詰手順】23桂左不成、22玉、33香成、21玉、13桂不成、12玉、11桂成(3図)、
同玉、23桂不成、12玉、21桂成、同玉、11香成、まで13手詰
【PR】創棋会作品集『百日紅』
・詰パラで販売中!
→ http://tsumepara.com/contents/11memo/memo.htm
・マイナビ出版は予定数量を完売されたとのこと、ありがとうございました!
・もちろん創棋会でもご注文をお受けします。
下記にお申込みいただければ手配させていただきます。
⇒ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
多くの方に手にとっていただければ、こんな嬉しいことはありません。
☆「百日紅」の正誤表
詰パラ10月号で「百日紅」のことを書かかせていただきましたが、誤記がたくさん発生してしまい、読者の方には大変申し訳ありませんでした。
詰パラに掲載したもの以外にも小さな誤りが指摘されており、11月初旬に正誤表を公開しましたが、その後追加連絡をいただきましたので、正誤表を更新させていただきました。
不備が多くて申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
以下のURLからアクセスできますのでご確認いただければ幸いです。
https://firestorage.jp/download/0248011547779b0d6c2b87f7c7f163b69fc94882
パスワードは「saruseigo2」です。
また風みどりさんのご協力でつみき書店の「詰棋書正誤表置場」にも置いていただきましたので、下記からも参照いただけます。
→ https://tsumeki.memo.wiki/d/%c9%b4%c6%fc%b9%c8
■創棋会の今後の予定
★コロナ情勢により例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控えるなど、当日の運営にご理解をお願いします。
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2022年2月20日(日)13時~
[場所] 大阪市立西区民センター 第3会議室
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[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」。
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***【次々回例会】*************************************************
[日時] 2022年4月17日(日)13時~
[場所]大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
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※例年1月に「例会」と「新年会」を開催していますが、昨今の新型コロナ肺炎情勢を勘案して、2022年度は開催を見送らせていただきます。
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以上
長谷繁蔵さんを偲んで
<長谷繁蔵さんを偲んで>
今年も残すところ数日となりました。
残念ながら今年もコロナの影響は大きく、解答選手権や全国大会は中止。
各地の会合もオンライン開催となることがたびたびでした。
それでも秋以降はやや沈静。オミクロン株の登場で不透明さはあるものの、昨年とは違う雰囲気で新年を迎えることが出来そうです。
創棋会も今年は作品集「百日紅」を発行することが出来ました。ご協力くださった皆さまのおかげです。あらためて感謝申し上げます。
ブログの更新も年内最後となりそうです。皆さまどうぞ良い年をお迎えください。
来年もよろしくお願いします。
・花
ご近所で盆栽のような花の鉢植えが飾ってあるのを見つけました。

■長谷繁蔵さんを偲んで
例会報告でもお伝えしましたが、長谷繁蔵さんが11月に逝去されました。享年85歳。
長谷さんは1936年12月生まれで、創棋会発足時のメンバーのお一人。
同人作家で、入選200回を超える実力者でした。
初入選は詰パラ1957年11月号。途中休眠されていた時期もあったようですが1998年9月号で入選100回となり同人入り。その後はハイペースで作品を発表され2006年6月には入選200回を達成。
解答強豪でもあり「天津包子(あまつかねこ)」のペンネームで活躍されていました。
さらに晩年はフェアリーも手がけられていたとのことで、あらためて幅広い活動に敬意を表します。フェアリーについては、Web Fairy Paradiseで追悼記事が紹介されています。
→ http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/WFP162.pdf
それでは長谷さんの発表作から、数作を紹介させていただきます。
長谷繁蔵作 詰パラ1960年11月(『凌雲』第64番、『古今趣向詰将棋名作選』第31番、『古今中編詰将棋名作選』補遺13番)

本作は『四百人一局集』にも自選されている、作者お気に入りの一局。
そこでは角建逸さんの『詰将棋探検隊』に掲載されたことにも触れられています。
持駒なし、成駒なしの純正飛角図式ですが、見事な手順が繰り広げられます。
初手は65飛を使うか23飛を使うかですが、盤面を広く見渡すと、12に玉を呼べば47角を56に活用する手が見込めることに気がつきます。
そこで初手は13飛成とします。12桂合なら取って24桂がありますから歩合ですが、これも同龍と取ります。
ここで急いで56角は45歩と中合の好防があり、同角、11玉、21玉、22歩(45歩合としなければ25飛がある)、31玉で逃れ。
62飛不成と行くのが妙手。
<1図:5手目 62飛不成>

62飛不成に22合なら今度は56角があるので32に歩の中合で逃れようとしますが、同飛不成と取ります。23玉が気になりますが56角から詰みます。
32同飛不成に11玉となって連続不成の意味がわかります。成ればここで打歩詰。不成なら12歩が打てるというわけです。
12歩、21玉に22歩と連打して、12玉の局面で待望の56角。
23桂合なら同角成から35飛成として最後23桂まで。よって23歩合としますが、今度は21歩成から22飛成と捨てるのが決め手。
この美しい初形から飛不成2回に中合が入って手順も申し分ありません。
【作意】13飛成、12歩合、同龍、同玉、62飛不成(1図)、32歩合、同飛不成、11玉、
12歩、21玉、22歩、12玉、56角、23歩合、21歩成、同玉、22飛成、同玉、
23角上成、11玉、12歩、21玉、32角成まで23手詰
長谷繁蔵作 詰パラ1962年9月(『凌雲』第63番、『古今短編詰将棋名作選』第103番)

58龍が見えますが29玉で詰みません。
27銀、29玉、18銀、38玉と銀の位置を変えてから、58龍とするのが手順の妙。
ここで玉方の受けが本局のテーマです。
48歩合が普通の受けですが、それには49龍(!)の強手があり、同歩成に39歩と打てば、同との一手で27馬まで。48香合としても同じです。
最善の受けは48銀合。
<2図:6手目 48銀合>
48銀合に49龍は同銀不成と応じるのが妙防で、39歩が打歩詰となってしまいます。
48銀合は9段目でも不成を選択できる唯一の受けだったのです。
そこで攻め方も少し手を変えます。
もう一度銀を27に繰り替えて、29玉のとき69龍とソッポに捨てるのが絶妙の一手。
39合なら18馬まで。49銀不成と移動合で受けても同龍から38銀打があります。
同香成と取るしかありませんが、18銀、38玉に今度は39歩が打てて同銀成に27馬までの詰み。
48銀合のロジックは今見ても新鮮です。
作意の69龍に加えて、48歩合には49龍と、合駒によって対称的な龍捨てが用意されているのも見逃せません。
銀の動きも良いリズムを生んでいます。
【作意】27銀、29玉、18銀、38玉、58龍、48銀合(2図)、27銀、29玉、
69龍、同香成、18銀、38玉、39歩、同銀成、27馬まで15手詰
長谷繁蔵作 詰パラ1998年11月(『蒲公英』第7番)

『蒲公英』では出題ページの言葉で「96年12月定年退職後、再び詰将棋の世界にカムバックしました」と書かれています。カムバック後は創作に解答に大活躍。同人入りだけでなく、入選200回も達成されました。
本作は同人記念作として出題されたものです。
玉は狭いのですが、持駒に金気がないので詰み形がちょっと浮かびません。
43飛を取られないようにしながら攻めていく必要があるので、21とのような手は32玉で捕まらなくなってしまいます。
となると初手は22香成しかありません。
同玉となったところで14桂と捨てるのが大事な手です。すぐに効果は現われませんが14を塞いでおくのが大切なのです。
14桂に31玉なら23桂、32玉、31角でピッタリなので、14桂は同飛と取るしかありません。
そこで12と と捨てるのが好手。
<3図:5手目 12と>

唯一の成駒を捨てるのは抵抗があるのですが、12同玉に34角と打つのが狙いです。
これで一気に視界が開けました。
11玉と逃げますが、41飛成、22玉と追ったところで、12角成と捨てるのが決め手です。
同玉に21龍、13玉、25桂で桂の吊し詰。
ここまできてようやく14桂の効果がわかりました。
長谷さんは難解派と見られることも多いのですが、本局は軽快な作品でした。
【作意】22香成、同玉、14桂、同飛、12と(3図)、同玉、34角、11玉、41飛成、22玉、
12角成、同玉、21龍、13玉、25桂まで15手詰
長谷繁蔵作 詰パラ2012年7月(『撫子』第63番)

長谷さんはたびたび表紙に登場されています。
本作の表紙の言葉でも「表紙、00年、04年、08年に続いてのオリンピックイヤーの登場です。」と記されています。
短評には「4年後はリオですね」というものもありましたが、本作が最後の表紙登場作となりました。
盤面歩一色と表紙に相応しい好形。
持駒は豊富ですが、拠点は24歩と35歩だけです。
25金と捨てて35歩を活かしたい形ですが、同玉、35金、14玉となると、これ以上手がありません。
13金と背後から攻めるのが正解です。
同玉と取らせて、15香と打てば、14合は23金まで、24玉も14飛、33玉、34金、22玉、11飛成で簡単。
22玉と引いて31と33の2方向からの脱出を見せますが、23歩成と成捨てるのが好手順です。
31玉なら21飛と捨てる好手筋があるので、同玉と応じるしかありませんが、13飛と巨砲を据えます。
34玉なら35金までですから、22玉と逃げますが、21金と捨てるのが決め手です。
同玉に11飛成までの詰み。
盤面歩一色の初形から、13金、21金と2度の尻金で攻めるのが面白い一局でした。
【作意】13金、同玉、15香、22玉、23歩成、同玉、13飛、22玉、
21金、同玉、11飛成まで11手詰
長谷さんのことは近いうちに詰パラでも追悼記事が出ると思いますので、そこでも好作を鑑賞することができると期待しています。
長谷さんのご冥福を祈ります。
■創棋会の次回課題
創棋会の次回課題はネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」です。
「教材に使える10手台」も6回目となります。一桁台の詰将棋には良い入門書が沢山ありますが、10手台となると間口も限られ、少し敷居が高くなるようです。しかし10手台だからこそ味わえる詰将棋の醍醐味というものもあるので、そういうものを知っていただきたいという主旨で始めたものです。
今回のテーマは「桂が主役の作品」。桂が攻守に活躍する作品にはリズムがあり、その軽妙さを楽しんでいただける作品を揃えたいと思います。
作家の皆さまにはどうぞ初級から中級の方をイメージして、詰将棋の面白さや楽しさを体感していただける「教材」に使えるような作品を投稿いただければ幸いです。
【PR】創棋会作品集『百日紅』
・詰パラで販売中!
→ http://tsumepara.com/contents/11memo/memo.htm
・マイナビ出版は予定数量を完売されたとのこと、ありがとうございました!
・もちろん創棋会でもご注文をお受けします。
下記にお申込みいただければ手配させていただきます。
⇒ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
多くの方に手にとっていただければ、こんな嬉しいことはありません。
☆「百日紅」の正誤表
詰パラ10月号で「百日紅」のことを書かかせていただきましたが、誤記がたくさん発生してしまい、読者の方には大変申し訳ありませんでした。
詰パラに掲載したもの以外にも小さな誤りが指摘されており、11月初旬に正誤表を公開しましたが、その後追加連絡をいただきましたので、正誤表を更新させていただきました。
以下のURLからアクセスできますのでご確認いただければ幸いです。
https://firestorage.jp/download/0248011547779b0d6c2b87f7c7f163b69fc94882
パスワードは「saruseigo2」です。
不備が多くて申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
12/27追記
風みどりさんのご協力でつみき書店の「詰棋書正誤表置場」にも置いていただきましたので、下記からも参照いただけます。
→ https://tsumeki.memo.wiki/d/%c9%b4%c6%fc%b9%c8
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***【新年会】*******************************************************
※例年1月に「例会」と「新年会」を開催していますが、昨今の新型コロナ肺炎情勢を勘案して、2022年度は開催を見送らせていただきます。
年に一度の催しを楽しみにされていた方には大変申し訳ございませんが、事情了解いただければ幸いです。
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・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで
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以上
今年も残すところ数日となりました。
残念ながら今年もコロナの影響は大きく、解答選手権や全国大会は中止。
各地の会合もオンライン開催となることがたびたびでした。
それでも秋以降はやや沈静。オミクロン株の登場で不透明さはあるものの、昨年とは違う雰囲気で新年を迎えることが出来そうです。
創棋会も今年は作品集「百日紅」を発行することが出来ました。ご協力くださった皆さまのおかげです。あらためて感謝申し上げます。
ブログの更新も年内最後となりそうです。皆さまどうぞ良い年をお迎えください。
来年もよろしくお願いします。
・花
ご近所で盆栽のような花の鉢植えが飾ってあるのを見つけました。

■長谷繁蔵さんを偲んで
例会報告でもお伝えしましたが、長谷繁蔵さんが11月に逝去されました。享年85歳。
長谷さんは1936年12月生まれで、創棋会発足時のメンバーのお一人。
同人作家で、入選200回を超える実力者でした。
初入選は詰パラ1957年11月号。途中休眠されていた時期もあったようですが1998年9月号で入選100回となり同人入り。その後はハイペースで作品を発表され2006年6月には入選200回を達成。
解答強豪でもあり「天津包子(あまつかねこ)」のペンネームで活躍されていました。
さらに晩年はフェアリーも手がけられていたとのことで、あらためて幅広い活動に敬意を表します。フェアリーについては、Web Fairy Paradiseで追悼記事が紹介されています。
→ http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/WFP162.pdf
それでは長谷さんの発表作から、数作を紹介させていただきます。
長谷繁蔵作 詰パラ1960年11月(『凌雲』第64番、『古今趣向詰将棋名作選』第31番、『古今中編詰将棋名作選』補遺13番)

本作は『四百人一局集』にも自選されている、作者お気に入りの一局。
そこでは角建逸さんの『詰将棋探検隊』に掲載されたことにも触れられています。
持駒なし、成駒なしの純正飛角図式ですが、見事な手順が繰り広げられます。
初手は65飛を使うか23飛を使うかですが、盤面を広く見渡すと、12に玉を呼べば47角を56に活用する手が見込めることに気がつきます。
そこで初手は13飛成とします。12桂合なら取って24桂がありますから歩合ですが、これも同龍と取ります。
ここで急いで56角は45歩と中合の好防があり、同角、11玉、21玉、22歩(45歩合としなければ25飛がある)、31玉で逃れ。
62飛不成と行くのが妙手。
<1図:5手目 62飛不成>

62飛不成に22合なら今度は56角があるので32に歩の中合で逃れようとしますが、同飛不成と取ります。23玉が気になりますが56角から詰みます。
32同飛不成に11玉となって連続不成の意味がわかります。成ればここで打歩詰。不成なら12歩が打てるというわけです。
12歩、21玉に22歩と連打して、12玉の局面で待望の56角。
23桂合なら同角成から35飛成として最後23桂まで。よって23歩合としますが、今度は21歩成から22飛成と捨てるのが決め手。
この美しい初形から飛不成2回に中合が入って手順も申し分ありません。
【作意】13飛成、12歩合、同龍、同玉、62飛不成(1図)、32歩合、同飛不成、11玉、
12歩、21玉、22歩、12玉、56角、23歩合、21歩成、同玉、22飛成、同玉、
23角上成、11玉、12歩、21玉、32角成まで23手詰
長谷繁蔵作 詰パラ1962年9月(『凌雲』第63番、『古今短編詰将棋名作選』第103番)

58龍が見えますが29玉で詰みません。
27銀、29玉、18銀、38玉と銀の位置を変えてから、58龍とするのが手順の妙。
ここで玉方の受けが本局のテーマです。
48歩合が普通の受けですが、それには49龍(!)の強手があり、同歩成に39歩と打てば、同との一手で27馬まで。48香合としても同じです。
最善の受けは48銀合。
<2図:6手目 48銀合>

48銀合に49龍は同銀不成と応じるのが妙防で、39歩が打歩詰となってしまいます。
48銀合は9段目でも不成を選択できる唯一の受けだったのです。
そこで攻め方も少し手を変えます。
もう一度銀を27に繰り替えて、29玉のとき69龍とソッポに捨てるのが絶妙の一手。
39合なら18馬まで。49銀不成と移動合で受けても同龍から38銀打があります。
同香成と取るしかありませんが、18銀、38玉に今度は39歩が打てて同銀成に27馬までの詰み。
48銀合のロジックは今見ても新鮮です。
作意の69龍に加えて、48歩合には49龍と、合駒によって対称的な龍捨てが用意されているのも見逃せません。
銀の動きも良いリズムを生んでいます。
【作意】27銀、29玉、18銀、38玉、58龍、48銀合(2図)、27銀、29玉、
69龍、同香成、18銀、38玉、39歩、同銀成、27馬まで15手詰
長谷繁蔵作 詰パラ1998年11月(『蒲公英』第7番)

『蒲公英』では出題ページの言葉で「96年12月定年退職後、再び詰将棋の世界にカムバックしました」と書かれています。カムバック後は創作に解答に大活躍。同人入りだけでなく、入選200回も達成されました。
本作は同人記念作として出題されたものです。
玉は狭いのですが、持駒に金気がないので詰み形がちょっと浮かびません。
43飛を取られないようにしながら攻めていく必要があるので、21とのような手は32玉で捕まらなくなってしまいます。
となると初手は22香成しかありません。
同玉となったところで14桂と捨てるのが大事な手です。すぐに効果は現われませんが14を塞いでおくのが大切なのです。
14桂に31玉なら23桂、32玉、31角でピッタリなので、14桂は同飛と取るしかありません。
そこで12と と捨てるのが好手。
<3図:5手目 12と>

唯一の成駒を捨てるのは抵抗があるのですが、12同玉に34角と打つのが狙いです。
これで一気に視界が開けました。
11玉と逃げますが、41飛成、22玉と追ったところで、12角成と捨てるのが決め手です。
同玉に21龍、13玉、25桂で桂の吊し詰。
ここまできてようやく14桂の効果がわかりました。
長谷さんは難解派と見られることも多いのですが、本局は軽快な作品でした。
【作意】22香成、同玉、14桂、同飛、12と(3図)、同玉、34角、11玉、41飛成、22玉、
12角成、同玉、21龍、13玉、25桂まで15手詰
長谷繁蔵作 詰パラ2012年7月(『撫子』第63番)

長谷さんはたびたび表紙に登場されています。
本作の表紙の言葉でも「表紙、00年、04年、08年に続いてのオリンピックイヤーの登場です。」と記されています。
短評には「4年後はリオですね」というものもありましたが、本作が最後の表紙登場作となりました。
盤面歩一色と表紙に相応しい好形。
持駒は豊富ですが、拠点は24歩と35歩だけです。
25金と捨てて35歩を活かしたい形ですが、同玉、35金、14玉となると、これ以上手がありません。
13金と背後から攻めるのが正解です。
同玉と取らせて、15香と打てば、14合は23金まで、24玉も14飛、33玉、34金、22玉、11飛成で簡単。
22玉と引いて31と33の2方向からの脱出を見せますが、23歩成と成捨てるのが好手順です。
31玉なら21飛と捨てる好手筋があるので、同玉と応じるしかありませんが、13飛と巨砲を据えます。
34玉なら35金までですから、22玉と逃げますが、21金と捨てるのが決め手です。
同玉に11飛成までの詰み。
盤面歩一色の初形から、13金、21金と2度の尻金で攻めるのが面白い一局でした。
【作意】13金、同玉、15香、22玉、23歩成、同玉、13飛、22玉、
21金、同玉、11飛成まで11手詰
長谷さんのことは近いうちに詰パラでも追悼記事が出ると思いますので、そこでも好作を鑑賞することができると期待しています。
長谷さんのご冥福を祈ります。
■創棋会の次回課題
創棋会の次回課題はネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」です。
「教材に使える10手台」も6回目となります。一桁台の詰将棋には良い入門書が沢山ありますが、10手台となると間口も限られ、少し敷居が高くなるようです。しかし10手台だからこそ味わえる詰将棋の醍醐味というものもあるので、そういうものを知っていただきたいという主旨で始めたものです。
今回のテーマは「桂が主役の作品」。桂が攻守に活躍する作品にはリズムがあり、その軽妙さを楽しんでいただける作品を揃えたいと思います。
作家の皆さまにはどうぞ初級から中級の方をイメージして、詰将棋の面白さや楽しさを体感していただける「教材」に使えるような作品を投稿いただければ幸いです。
【PR】創棋会作品集『百日紅』
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・マイナビ出版は予定数量を完売されたとのこと、ありがとうございました!
・もちろん創棋会でもご注文をお受けします。
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多くの方に手にとっていただければ、こんな嬉しいことはありません。
☆「百日紅」の正誤表
詰パラ10月号で「百日紅」のことを書かかせていただきましたが、誤記がたくさん発生してしまい、読者の方には大変申し訳ありませんでした。
詰パラに掲載したもの以外にも小さな誤りが指摘されており、11月初旬に正誤表を公開しましたが、その後追加連絡をいただきましたので、正誤表を更新させていただきました。
以下のURLからアクセスできますのでご確認いただければ幸いです。
https://firestorage.jp/download/0248011547779b0d6c2b87f7c7f163b69fc94882
パスワードは「saruseigo2」です。
不備が多くて申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
12/27追記
風みどりさんのご協力でつみき書店の「詰棋書正誤表置場」にも置いていただきましたので、下記からも参照いただけます。
→ https://tsumeki.memo.wiki/d/%c9%b4%c6%fc%b9%c8
■創棋会の今後の予定
★コロナ情勢により例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控えるなど、当日の運営にご理解をお願いします。
***【次回例会】*************************************************
[日時] 2022年2月20日(日)13時~
[場所] 大阪市立西区民センター 第3会議室
https://osaka-nishikumincenter.jp/
大阪市西区北堀江 4-2-7
アクセス:https://osaka-nishikumincenter.jp/%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%bb%e3%82%b9
◆大阪メトロ 千日前線「西長堀」駅 ⑦番出口 北へ100m
◆大阪メトロ 鶴見緑地線「西長堀」駅 ③番出口 南へ100m
[課題] ネット作品展「教材に使える10手台~桂が主役の作品~」。
[会費] 無料
***【次々回例会】*************************************************
[日時] 2022年4月17日(日)13時~
[場所]大阪市福島区民センター 303号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[課題] 追ってご案内させていただきます
[会費] 無料
***【新年会】*******************************************************
※例年1月に「例会」と「新年会」を開催していますが、昨今の新型コロナ肺炎情勢を勘案して、2022年度は開催を見送らせていただきます。
年に一度の催しを楽しみにされていた方には大変申し訳ございませんが、事情了解いただければ幸いです。
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