FC2ブログ

【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台~寄せの主役は銀~」<1回目>

【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台~寄せの主役は銀~」<1回目>

■【結果発表】ネット作品展「教材に使える10手台~寄せの主役は銀~」<1回目>
 創棋会のネット作品展「教材に使える詰将棋~寄せの主役は銀~」には、14名の方から解答をいただきました。
 解答いただいたのは次の方々です(敬称略)。皆様ありがとうございました。
   池田俊哉、石田倫明、奥鳥羽生、金少桂、則内誠一郎、占魚亭、竹中健一、
   西村章、野曽原直之、福原徹彦、本間瑞生、松澤成俊、宮田敦史、RINTARO、
 多数の方に解答に取り組んでいただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。
 「寄せの主役は銀」というテーマに相応しい「銀」の妙技や活躍を堪能できる作品が揃っていたので、楽しんでいただけたのではないかと思います。
 出題は3月6日。次のURLからご覧いただけます。
   http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-414.html

それでは今日から出題順に結果発表を行ってまいります。

① 天月春霞作
2021教材01

【作意】34銀不成、同玉、45銀、43玉、34銀、54玉、43銀不成、55玉、
  54銀成(途中図)、同玉、24飛成、55玉、44龍まで13手

【評点】(Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、誤無解を除いて集計)
  平均点:2.92、A:11、B:1、C:0、誤解:1、無解:1、無評価:0

【作者のことば】
 攻め方銀のノンストップ一回転が狙いです。
 7手で行った先行作もありますが、使用駒10枚以内での作例は記憶にないので、作ってみました。
 YouTubeで詰将棋動画を配信していますので、ご視聴いただけると嬉しいです。
   https://www.youtube.com/channel/UCrNju5cl1XuI7dQwTjKge1Q

★天月さんは創棋会のネット作品展には初投稿。ありがとうございました!
 天月さんの詰将棋動画、何本か視聴させていただきましたが、古今の好作を明快に解説されたものが多く、わかりやすくて惹き込まれました。愛好家の皆さんにはお勧めです。

 さて本作、中段玉ですが、盤面10枚の好形。
 初手も23銀を動かしての開き王手が見えていて、解いてみようという気になります。
 それでは23銀をどこに動かすのが正解でしょうか。
 12や32に動くのは35玉と逃げられると捕まりません。
 14に動くと同玉と取られてダメです。
 正解は34銀不成。成ってしまうと15玉と逃げられ、33角成、16玉とどんどん上部に脱出されてしまい、詰みません。不成とすれば15玉には25飛成までです。
 34銀不成は取るしかありません。
 そこで45銀と引くのが好手。同桂と取られたら、74龍と行き35玉に24龍と回れば、36玉に27龍から駒余りの詰み。
 43玉と引くのが最善ですが、44銀は重い攻めで34玉と戻られて詰みません。
 34銀と捨てるのが良い手です。
 34同玉なら74龍の筋があるので、これは取れません。54玉とかわします。
 55角が取られそうですが、かまわず43銀不成と迫り、55玉に54銀成と捨てます。

<途中図 9手目:54銀成>
2021教材01_54銀成
 54銀成は同玉の一手。
 そこで24飛成とすれば55玉に44龍までの詰み。

 途中図の局面ですが、54の成銀は、初形の54銀が45→34→43→54と動いてきたものです。
 この銀の軌跡が作者狙いの『銀のノンストップ一回転』です。
 見事な銀の妙技でした。

 なお作者のことばにある『7手で行った先行作』は次の作品かと思います。

伊藤 正作 詰パラ1981年2月号(半期賞、「現代詰将棋短編名作選」第48番)

【作意】24銀、14玉、33銀不成、15玉、44銀不成、26玉、35銀まで7手
伊藤正_現短48

 以前当ブログでも紹介していますので興味のあるかたはご一読ください。
   →http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-336.html

【短評】
野曽原直之:銀1回転!

RINTARO:銀一回転が簡潔に表現されている。 

★作者の狙いが伝わりました。

則内誠一郎 :銀による技巧について、ルントラウフは必須科目です。

★ルントラウフルントラウフはチェスプロブレムの用語で、ある駒が複数地点(スイッチバックは一ヶ所)を経由して元の位置に戻ること。

金少桂 :こんなにあっさりと銀1回転するとは驚き。

★簡潔な表現に拍手!

奥鳥羽生:軽やかな フィギュアスケート 銀の舞い 

★奥鳥羽生さんは、今回短評をすべて五七五で書いてくださいました。ありがとうございます!

占魚亭:銀と玉のダンス。 

★スケートやダンスは美しい例え。

福原徹彦:銀の追跡が面白い。

★二枚飛車ならぬ銀に追われる夢を見そうですね。

本間瑞生:どこの地点で詰むのか難しかった 

★初見で詰め上がりを想定するのはちょっと難しかったでしょうか。

松澤成俊 :たしかに銀が大活躍。駒取り(7四龍)に気付けば簡単。

★76龍は作意では不動ですが、変化でも睨みが強力。

西村章: 解いた後説明を聞くまでは銀が一回転しているのに気がつきませんでした。すいません。 

★すらすらと気持ち良く解けると、回転に時間差で気づくことになります(笑)

池田俊哉:銀の一回転ルントラウフ。シンプルで良いが、かえって序の二手が蛇足に感じてしまう面も

★初手には若干の紛れもあり、不成の味もよく、何よりテーマに沿った銀を活用する手なので、入れたいところです。
 ただ「回転」にスポットをあてるなら思い切って11手にしてしまうという考え方もありそうですね。

竹中健一 :綺麗な一回転ですね! 

★銀の回転はみなさんから大好評。今回の作品展で評点トップとなりました。

■創棋会の今後の予定
★コロナ情勢により例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控えるなど、当日の運営にご理解をお願いします。


***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2021年4月18日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
 〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
 アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
  <最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
※当初ご案内の場所となります。事前の参加申込は不要です。
[会費] 無料
[課題] 詰パラ6月号作品展。課題「不利●●」。先打、逃避、交換、合駒など多彩な表現が考えられます。
  意欲作の投稿をお待ちしています。

***【次々回例会】************************************************* 
[日時] 2021年6月20日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 304号
 〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
 アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
  <最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[課題]  詰パラ9月号作品展。課題は追ってご案内させていただきます。
[会費]  無料
**************************************************
・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで 
⇒  blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい
                                      以上
スポンサーサイト



もうすぐです、創棋会例会は4月18日

<もうすぐです、創棋会例会は4月18日>

■創棋会例会は4月18日(日)
 関西のコロナ情勢、大阪は「宣言」解除後に、感染が再拡大し、「まん防」の適用となっています。
 そういう状況ですので、当日は参加される皆さんが「安心・安全」に楽しめるように、感染拡大防止に努めたいと思います。
  ・発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。
  ・参加される方は、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控えるということに、ご理解をお願いします。
 例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。

[日時] 2021年4月18日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
  〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
  アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
  <最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
    ※当初ご案内の場所となります。事前の参加申込は不要です。
[会費] 無料
[課題] 詰パラ6月号作品展。課題「不利●●」。先打、逃避、交換、合駒など多彩な表現が考えられます。
     意欲作の投稿をお待ちしています。

■花
 満開だったときに撮ったものです。
 咲くのも早ければ散るのも早い。
 コロナも蔓延したら、さっと収束してくれるといいのですが。
416.png

■「教材に使える10手台」partⅤ
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台~寄せの主役は銀~」には、たくさんの解答をいただきました。
 皆さま、ありがとうございました。
 結果発表は、4月中旬スタートの予定ですので、少しお待ちください。

■創棋会の次回課題は 「不利●●」
 創棋会の次回課題は「不利●●」。詰パラ6月号作品展の出題作となります。
 「●●」には、先打、逃避、交換、合駒などさまざまな文言が入ります。
 「不利●●」は多彩な表現が可能です。意欲作の投稿をお待ちしています。
 投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
   ※選考は4月18日(日)例会で行います。投稿は4/17(土)までにお願いします。

◇例題紹介
 例題紹介も今回で最後です。
 「不利先打」「不利合駒」「不利逃避」「不利交換」「不利置換」と、さまざまな切り口で好作の数々を紹介してきました。
 最終回は特にジャンルを限定せずお楽しみいただければと思います。

若島 正作 詰パラ2016年3月(「盤上のフロンティア」第34番)
若島フロ34
 78龍と回って合駒を訊くのが有力です。
 76歩合と受けてくれれば、同龍、同角に75歩と打って、64玉(63玉なら73銀成以下)、73銀不成、同玉、83馬、63玉、64歩、同玉、74馬まできれいに詰みます。
 随分簡単に詰んでしまいましたが、実は玉方には上手い受けがありました。
 76には香を合するのです。

<1図 76香>
若島フロ34_76香
 今度は同龍、同角に75香と打つことになりますが、64玉、73銀不成、63玉となると、打歩詰の局面になりました。こうなっては詰みません。
 76香は香先香歩の不利合駒の好防でした。
 78龍がダメなら、俗ですが73銀成と歩を入手したくなります。
 同玉、83馬、63玉、64歩、同玉と進んで34龍がカッコイイ一手で、同角なら65成香から詰むのですが、平凡に44歩合と受けられ続きません。
 しかしいきなり34龍と捨てる手はありそうです。
 同角なら、そこで73銀成として64玉、65歩、73玉、83馬、63玉、64歩、同玉、65成香と進めて詰みます。
 同角と取れないとなると合駒をするしかありません。
 54桂合なら、73銀成、64玉、65歩、73玉、83馬、63玉に43龍と角を取って詰みます。64桂も、73銀成から43龍の筋で簡単。
 44歩合は同龍、同桂に75歩と打てば、64玉、73銀不成、同玉、83馬、63玉、64歩から詰み。
 44桂打は同龍、同桂に85桂と打てるので、64玉に73銀不成から歩合と同じように詰みます。
 受けが無さそうですが、ここでも44香合が好防です。

<2図 2手目:44香>
若島フロ34_44香
 44香合に同龍、同桂、75香と打つと、64玉、73銀不成、63玉となって、64歩が打歩詰になってしまいます。
 44香合は打歩詰に誘致する香先香歩の不利合駒の受けの好手でした。
 そこで攻め方は、同龍、同桂に77香と打って合駒を訊きます。
 76歩合と受けてくれれば、同香、同角に75歩と打ち、64玉、73銀不成、63玉のとき64歩が打てるので、73玉、83馬から詰めることができます。
 76桂と頭の丸い駒で受けても、同香、同角に86桂が打てるので、64玉、73銀不成から歩合と同じように進めて詰みます。
 75歩と捨合するのが油断のならない受けです。同香なら64玉、73銀不成、63玉で打歩詰に誘う狙いですが、黙って75同馬と取り、63玉、73銀成、同玉、74馬、72玉、83馬とすれば捕まります。
 76香合が出来れば良いのですが香は品切れ。
 初手34龍は、飛を捨て香を入手する不利交換だったのですが、それによって香を品切れにすることが狙いだったのです。
 さて受けが無さそうですが妙防がありました。
 76銀合です。

<3図 6手目:76銀>
若島フロ34_76銀
 76銀合を、同香、同角と取り、75銀と打てば、63玉、73銀成、同玉、83馬、63玉と進んで、打歩詰の局面になってしまいます。
 76銀合は銀先銀歩の不利合駒の妙防でした。
 76銀合に同香、同角、75銀はダメなので、角の利きですが85銀打とします。
 これなら64への利きはないので、64玉には73銀不成から詰みます。
 85銀打は同角と応じるしかありませんが、これで角のラインが変わりましたから、73銀成と と金を取り、64玉に65歩と打てます。
 以下は73玉に83馬と活用し、63玉に64歩から65成香、54成香と進めて詰み。

 初手いきなり78龍には香先香歩の76香合で逃れ、34龍と捨てればやはり香先香歩の44香合で応じ、飛香不利交換後の77香には銀先銀歩の76銀合と、攻防に複数の不利合駒が登場するのは妙味満点の応酬でした。

【詰手順】34龍、44香(2図)、同龍、同桂、77香、76銀(3図)、同香、同角、
   85銀打、同角、73銀成、64玉、65歩、73玉、83馬、63玉、64歩、同玉、
   65成香、63玉、54成香まで21手詰


久保紀貴作 詰パラ 2014年7月(「現代詰将棋中編名作選」第276番)
久保_現中276
 17角と遠打してみたくなります。同飛と取ってくれれば、36桂と捨て、同香に35角で詰むのですが、平凡に26歩合とされると詰みません。
 初手は55角と捨てるのが正解。
 これは同歩と取るしかありません。
 そこで35角と飛と香の焦点に捨てるのが好手。
 連続して角を短打で捨てるのは大駒を使い切ってしまうだけに好手順。
 35角を飛香いずれで取るか、それが問題ですが、取った駒は将来35桂と取り返されそうな形なので、飛車を渡さなくても済むように35同香と応じます。
 それには飛車の横利きがなくなったので、55金と歩を取り、43玉に35桂と質駒になっていた香を入手。
 35同飛と応じて次図の局面。

<4図 35同飛>
久保_現中276_変化
 44香と打ち、同銀と取らせて54金とすれば33玉の一手。
 そこで34歩と打てば同飛と取るしかなく、32銀成までの詰み。
 しかし駒が余りました。
 どこがおかしかったのでしょうか?
 実は4手目に飛車を渡さないために35同香と応じたのが間違い。
 ここは35同飛とするのが正解です。
 その理由は少し手順を進めると分かります。

<5図  4手目:35同飛>
久保_現中276_35飛
 このままでは55金とできないので、36桂と捨てます。
 43玉には35桂、同香、44飛、同銀、54金から詰むので、同飛と取るしかありません。
 これで55金と歩を取って、43玉のとき35桂打とします。
 同香と取れば、同桂、同飛、44香、同銀、54金、33玉、34歩と進めて詰み。
 この順は持駒は変わりましたが4図のあたりと同じです。
 これでは4手目に35同飛とした意味がありません。
 35桂打には同飛と応じるのが受けの妙手。

<6図 10手目:35同飛>
久保_現中276_35飛2
 香を渡しても詰むのに、わざわざ強力な飛車を差し出すというのは実に不思議な応手。
 これには当然同桂と取り、同香に44飛と打てば同銀の一手。
 44金、43玉までは順調に手は進みますが、なんとこの局面で34歩は打歩詰。
 香を渡せば35に残るのは飛車。飛車は後ろに利きがあるので34歩と打てたのですが、飛車を渡せば35に残るのは香ですから後ろに利きがなく34歩が打歩詰に誘致できるというわけです。飛車を取らせる35同飛は、飛先飛香の不利合駒のような不利応手でした。
 この順で詰まないかというと、44飛が急ぎすぎでした。
 44飛では45飛と離して打つのが正解。
 43玉なら35飛があるので44合の一手です。
 金銀は同飛、同銀に34から打って詰み。
 角も離して打てば簡単。
 飛香は、同飛、同銀、54金、33玉に44から打って詰み。
 最善は桂合です。44桂合も同飛と取り、同銀に54金、33玉と進めます。
 打歩詰になっていますが、45桂と捨て同銀と取らせて打開できます。
 34歩、同銀に32銀成までの詰み。

 10手目の35同飛が、後ろへの利きの有無にスポットを当てて、香より先に飛車を渡すという飛先飛香の不利応手。ちょっとユニークな構想を表現した一作でした。

【詰手順】55角、同歩、35角、同飛(5図)、36桂、同飛、55金、43玉、
   35桂打、同飛(6図)、同桂、同香、45飛、44桂、同飛、同銀、
   54金、33玉、45桂、同銀、34歩、同銀、32銀成まで23手詰


市島啓樹作 詰パラ1997年11月(半期賞、「現代詰将棋中編名作選」第151番)
市島_現中151
 いかにも邪魔駒と思われる25金を捌き、玉を45に呼んでから14金に狙いをつけて23角と打つ。こういう想定で進めていきましょう。
 まず34金、45玉、44金と、25金を消去。
 44同歩なら27角から34角で簡単なので同玉と応じます。
 ここで持駒が角2枚なので、45に玉を呼ぶには何か別の駒が必要です。
 うまい具合に71角と打てば合駒を手に入れることができます。
 53歩合とすれば、同角成と取って一歩入手。
 同銀に待望の45歩が打てます。
 同玉と取らせて、23角と打てば、36玉には14角成と金を取られて簡単ですから、34歩と捨合の妙手で延命を図ります。

<7図 34歩>
市島_現中151変化
 これも同角成と取り、36玉に37歩、26玉と追って、15銀で一歩補充して、同金に27歩がピッタリです。同玉の一手に45馬と引けば詰み。
 持駒も余らずキレイに詰みましたが、実はこれは変化手順。
 34歩合のところで飛合をされると、37に打つ駒が飛車になるので、37飛、26玉、15銀、同金まで進むと、27歩は打歩詰になってしまうのです。
 しかし、34飛合をしたくても、盤上に63龍、47龍がいるので飛車は品切れです。
 それでは打歩詰に誘致するため、玉方の最善の応手は何だったのでしょうか。
 まず71角のとき、53龍と移動合するのが、歩で間に合いそうなところに飛を渡す不利合駒の好防。

<8図 6手目:53龍>
市島_現中151_53龍
 これは同角成と取ります。
 同銀と応じて、45に玉を呼んで23角を狙うには、45飛と捨てるしかありません。
 45同玉、23角のとき、34歩は7図以下詰むので、玉方は34飛と捨合の妙手で応えます。歩でも良さそうなところに強力な飛を渡す不利合駒の妙防。
 7図では玉方の持駒に飛車はなかったのですが、62龍を53龍と移動して攻方に渡し、45飛と捨てさせて取り返したわけです。これを回収手筋と呼びます。
 先に谷口均さんの作品(http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-415.html )を紹介していますが、本作は飛車という大駒で表現したのが派手な演出。

<9図 12手目:34飛合>
市島_現中151_34飛
 34飛合は取るしかありません。
 36玉には37飛と打つしかなく、26玉、15銀、同金まで進むと、27歩が打歩詰になってしまいました。

<10図 18手目:15同金>
市島_現中151_15金
 10図で困ったようですが、36飛と軽く捨て、同玉に37歩と打ち換えるのが打開の好手順。
 もう一歩あればというところで、66に落ちている歩を66龍と取ります。
 同とに27歩が打てて、同玉に45馬から36馬までの詰み。

 打歩詰に誘致するために、回収手筋を利用して、53龍、34飛と二つの不利合駒を繰り返すのは素晴らしい構想です。

【詰手順】34金、45玉、44金、同玉、71角、53龍(8図)、同角成、同銀、
   45飛、同玉、23角、34飛(9図)、同角成、36玉、37飛、26玉、
   15銀、同金(10図)、36飛、同玉、37歩、26玉、66龍、同と、
   27歩、同玉、45馬、26玉、36馬まで29手詰


 好作の数々、ご鑑賞いただけたでしょうか。
 「不利●●」は、多様な表現が可能です。
 作家の皆さまからの意欲作の投稿をお待ちしています。

■創棋会の今後の予定
★コロナ情勢により例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控えるなど、当日の運営にご理解をお願いします。

***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2021年4月18日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
<最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
※当初ご案内の場所となります。事前の参加申込は不要です。
[会費] 無料
[課題] 詰パラ6月号作品展。課題「不利●●」。先打、逃避、交換、合駒など多彩な表現が考えられます。
  意欲作の投稿をお待ちしています。

***【次々回例会】************************************************* 
[日時] 2021年6月20日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 304号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[課題]  詰パラ9月号作品展。課題は追ってご案内させていただきます。
[会費]  無料
**************************************************
・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで 
⇒  blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
以上

ネット作品展解答締切迫る! 詰パラ4月号到着

<ネット作品展解答締切迫る! 詰パラ4月号到着>
★本日の主なお知らせ
・解答選手権~オンライン競技は4月10日~
・「教材に使える10手台」partⅤ~解答締切は4月9日(金)~
・詰パラ4月号到着
・創棋会の次回課題「不利●●」
 例題紹介は「置き駒の不利変換」

■花
 春になるときれいな花が満開。
 花見に行ったわけではありません(笑)
 買い物ついでに店先の花を撮ったものです。
415.png

■解答選手権~オンライン競技は4月10日~
 今年の解答選手権は残念ながら中止となりましたが、初級一般戦についてはオンライン開催で開催されます。
   → https://blog.goo.ne.jp/shogi-problem
 オンライン会場の詳細は以下からご確認下さい。
   → https://shogi-problem.org/2021/join2021CyberStage.html
 ルールや操作方法などが詳細に説明されています。
 参加を希望される方は、特に操作方法の確認を事前に済まされることをお勧めします。
 操作方法のお試し画面も用意されていますので、操作に慣れておくと当日スムーズに解答できると思います。

■「教材に使える10手台」partⅤ~解答締切は4月9日(金)
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台~寄せの主役は銀~」には、たくさんの投稿をいただきました。作家の皆さま、ありがとうございました。
 創棋会例会で選考の結果、11題を当ブログで出題させていただきました。
  ★出題はこちらから → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-414.html
  ★出題図の一覧は次のサイトから取り出すことができます。
     https://firestorage.jp/download/d4e4c9bea81bdabeea3eed121329c41f7c5c7336
     ダウンロードパスワード kyozai5
 出題作の作者は次の10名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
  (敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
    天月春霞、浦野真彦、岸本裕真、金少桂、則内誠一郎、冨永晴彦、
    中出慶一、西村章、RINTARO、吉松智明

 銀が攻防に活躍する作品、銀の活用に妙味のある作品など、解けば楽しんでいただける作品が揃っています。
 最初の9題は13~17手、「力試し」の2題は10手台です。
 一ケタ手数の詰将棋から二ケタのものに挑戦するのに相応しい難易度の作品もありますので、1問でも解ければ解答下さい。

◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
解答締切4月9日(金)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※呈賞:2名

■詰パラ4月号到着
・表紙は石川和彦さん。昨年は門脇賞の受賞おめでとうございました。九州での全国大会、今年こそ開催が望まれますね。
・詰将棋学校(12P~)。
 小学校:今月は全て7手詰。昔なら当たり前だったのですが(笑)。
   初入選の長谷川さんはお隣のページにも登場。
 中学校:担当者も遠慮されずに自作を発表されて良いのでは?
 高校:宣言解除の次はまんえん防止法と、コロナ収束は先が見えません。自衛に努めつつプラス思考で乗り切るというのは同感。
 短大:投稿作の採用、競争率は3~4倍とのこと。20手台の中編は採用の場が限られるので、たまには臨時短大などもいかがでしょうか。
   (広告:やさしいものは創棋会のネット作品展「す らすら解ける20手台」でお受けします)。
 大学:そういえば世間は新年度。リモート続きで季節感覚も……。
 大院:同じく新年度ネタ。リアルの入社式や新人研修が懐かしい。
 大道棋教室:銀問題に11の類型?二つはすぐわかりますが、残りは?
・九州G作品展(18P)。「初手=最終手」。解図するうえで大きなヒントですね。
・全詰連の頁(19P)。解答選手権オンライン会場のご案内。
・半期賞(20P~)。受賞者の皆さんおめでとうございます!
 小学の藤原さん、高校の太刀岡さん・kisy一族さんは初受賞。
 宮原さんの受賞のことば。創棋会のネット作品展などは、かなり敷居の低い部分があると思うのですが、認知度がイマイチですかね。
・詰将棋の眺め方(28P~)。有吉弘敏さんによる「塩見倫生氏が魅せる超短編の世界」。多数の作品が紹介され、思わず見入ってしまいました。
 塩見(片山)さんと言えば、YYZ、行き詰まり、呉一郎など多くの名義で超短編の好作を多数発表され、確か3つの名義で入選100回を達成されていたと思います。好著「80年代ショートショート傑作選」でも10作が採用されています。
・持駒のある風景(34P~)。「始終同一図式」。九州G作品展の課題もそうですね。玉位置、形などさまざまなバリエーションがありそうです。どこかの会合で取り上げられるか?
・おもちゃ箱だより(36P~)。年賀詰。橋本孝治さんが優勝。4年連続、12回目というのはすごいことですね。
 全作品の内容、投票結果などは下記からご覧いただけます。
   http://www.ne.jp/asahi/tetsu/toybox/kinen/kinen028.htm
・ちえのわ雑文集(38P~)。大崎壮太郎さんによる「たったふたつの冴えたやりかた」。7手詰で一つの合駒をペレとシフマンで2度動かすことは可能かというお話。
 9手では2019裏短コンのほっと作や創棋会202012野曽原作がありますが、7手詰でも見事に実現されているのは素晴らしいですね。
・会合案合(46P~)。今月号で開催予告されているのは、4/18香龍会・創棋会、4/24詰工房、5/4詰備会、7/上旬彩棋会。
 昨年4月はコロナの影響で会合が軒並み中止となったのですが、それぞれに工夫や対策がありオンラインも含めて開催されているのは結構なことです。
 こういうときこそ、同好の方が一堂に会して楽しく過ごせれば、絶好の気分転換になります。もちろん感染防止に努め、用心しながらやるわけですが。
 創棋会は4月18日の開催です。課題作「不利●●」、皆さまの投稿をお待ちしています
・結果稿(48P~)。
 小学5大崎作が中合動かしで2.89の高得点。短大は2.7超が4作とハイレベルな争いで5藤沢作が2.82でトップ。大学は曲詰特集で3作とも高得点、首位の新ヶ江作と2位の三輪作が2.8超、詰め上がり図があるともっと楽しめたかも。院は菅野&若島の4段馬鋸が2.88で首位。
 段位認定は全題正解10名と厳しい結果。6~8の3作は難解ならざる好作と感じました。
 馬屋原さんの同人記念作は3作とも面白い構想作ですね。
 デパートは新担当岸本さんの初結果稿、好作揃いのスタートだったのでは?
・編集室(104P)。須藤さんの「条件が厳しいほど燃えるのは作家の習性」という言葉に自分は作家ではなくなってしまったのかと落ち込みました(涙)
・デパート(表紙3)。「詰めチャレ」ですか。香川愛生さんのYouTubeで「3人がかりでフラッシュ詰将棋」というのが面白そうです。イントロクイズ風でした(笑)。

■創棋会の次回課題は 「不利●●」
 創棋会の次回課題は「不利●●」。詰パラ6月号作品展の出題作となります。
 「●●」には、先打、逃避、交換、合駒などさまざまな文言が入ります。
 「不利●●」は多彩な表現が可能です。意欲作の投稿をお待ちしています。
 投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
  ※選考は4月18日(日)例会で行います。投稿は4/17(土)までにお願いします。

◇例題紹介
 それでは恒例の例題紹介です。
 これまで「不利先打」「不利合駒」「不利逃避」「不利交換」を紹介してきました。
 今回は「置駒不利変換」について紹介させていただきます。
 「置駒不利変換」というのは、ある置き駒をそれより利きの少ない駒に変換する手筋です。聞き慣れない言葉ですが、詰パラ1998年5月号で阿部健治さんが詳しく解説されており、その内容を参考にさせていただきました。

谷口 均作 詰パラ1998年2月
谷口199802
 初手は46飛に惹かれます。
 46飛、35玉、37龍、24玉、15馬、同玉、26龍、14玉と調子よく進みますが、ここで15歩は二歩で打てず、23銀不成は13玉、また23龍は15玉でいずれも続きません。
 正解は27龍。
 35玉と引く一手で一気に玉が狭くなります。
 しかしこの局面で36歩は打歩詰です。

<1図 2手目:35玉>
谷口199802_35玉
 39飛と回れば45玉、46銀と引けば44玉、なかなか捕まりません。
 4筋には逃がしたくないのですが、37龍では24玉と2筋に逃げられます。
 ここで巧い手があります。44銀と捨てるのです。
 同金と取らせて、24龍と捨てれば同玉に44飛と手順に金が取れます。
 同香なら、34金、14玉、23銀不成、13玉、24金、同玉、34馬以下きれいに詰みます。
 しかし44飛と金を取ったとき、35玉とされると、これがつかまらない…。
 44銀、同香には、ぼんやり37龍とするのが正解。
 これに24玉なら今度こそ44飛と金を入手して詰みます。
 また37龍に36歩のような合駒では、46龍、24玉、44龍、同香、同飛と追って寄りです。
 46龍を防ぐには金合しかありません。
 36金合には、他に手もないので同龍と切ります。
 36同玉に37歩と打ちたくなりますが、同玉に27金は38玉でだめですから、38金と打つしかないのですが、それなら36同玉に27金と打った方が一歩温存できるというものです。
 27金と打って35玉と引いて2図の局面。

<2図 10手目:35玉>
谷口199802_35玉2
 1図とよく似た局面ですが、1図の27龍が27金に変わりました。
 これなら36歩は打歩詰ではありません。
 36歩には24玉と引くしかなく、手順に44飛と金を入手。
 同香に34馬のダイブが気持ちの良い決め手です。
 同玉に35金までの詰み。

 龍を金にすり替えて打歩詰を打開するというマジックのような手順を明快に表現された好局でした。

【詰手順】27龍、35玉(1図)、44銀、同金、37龍、36金合、同龍、同玉、27金、
  35玉(2図)、36歩、24玉、44飛、同香、34馬、同玉、35金まで17手詰

宮原航作 詰パラ2013年5月(「現代詰将棋中編名作選」第249番)
宮原_現中249
 27馬と捨て、同玉に25龍と回るのが有力そうです。
 26合と受けるしかありませんが、横に利く駒でなければ16龍まで。
 飛車はありませんから26金合の一手です。
 同龍と取って同玉に28龍とすれば、25金から17龍を防いで27飛合が絶対。
 二度の合駒が限定でいかにも作意に入った感じです。
 飛合には25金と打てば16玉と寄るしかなく、うまい具合に19に金も落ちているので手順に19龍と取って好調子です。
 しかしそこでじっと17歩と合駒をされると、はたと手が止まります。

<3図 17歩>
宮原_現中249逃れ
 26金打は同桂と取られますし、25金を動かして開き王手をするのは34金と角を抜かれてしまいます。
 3図となっては詰みません。
 必然の手順だったと思いますが、どこがおかしかったのでしょうか。
 初手に戻って、27馬がダメなら38龍と合駒を訊いてみましょう。
 これには27龍を防いで28金合が最善の受け。こう受けられると同龍と取るしかありません。
 28同玉に25龍では26歩合で続かないので、39金と桂の利きに打つのが好手。
 同桂成には48龍がありますから18玉とかわします。

<4図 6手目:18玉>
宮原_現中249_18玉
 4図となって初形の39龍が金に変わりました。
 強力な龍を弱い金に変えたわけですが、その効果はなんでしょうか。
 ここで27馬と捨てます。
 同玉に25龍と活用するところまでは3図に至る手順と同じ運びです。
 25龍には確か26金合と受けられて詰みませんでした。
 ところが今回はその金が出払っていて品切れです。
 16龍を防ぐには26飛合と受けるしかありません。

<5図 10手目:26飛合>
宮原_現中249_26飛
 飛車合なら同龍と取り、同玉に25飛と打って、16玉に23飛成と金を取りながら開き王手が出来ます。
 34金と角を抜かれますが、そこで27龍と捨てるのが爽快な決め手。
 同玉に17金までの詰み。

 序盤で盤上の39龍を金に変えるマジック。作者は「不利打ち換え」と呼んでいます。
 玉方の金を品切れにすることが目的という面白い構想を表現した一作でした。

【詰手順】38龍、28金合、同龍、同玉、39金、18玉(4図)、27馬、同玉、
  25龍、26飛合(5図)、同龍、同玉、25飛、16玉、23飛成、34金、
  27龍、同玉、17金まで19手詰

三代 伊藤宗看 「将棋無双」第61番 享保19年(1734年)
無双61
 57金と開き王手しながら一歩取るのが良さそうだが54玉と引かれるとダメです。
 初手は76角と捨てます、同銀に66金と出て54玉に55金が気持ちの良い捌き。
 同玉なら64角成があるので同金と取りますが、64龍、45玉、55龍と手順に金を取って玉を追うことができます。
 36玉には、46龍、27玉、37龍、18玉まで追ったとき、19金が好手。
 同玉と取らせて39龍と引けば両王手。18玉と逃げる一手に19龍と回れば、27玉に28龍として、以下37龍、46龍と楽しい龍追いです。
 55龍、64龍と追って52玉となったところで51と と一歩入手し同金と応じて6図となります。

<6図 51同金>
無双61失敗図
 19金の好手で龍追いが実現し、ここまで追い込んできましたが、6図の局面は53歩が打歩詰の禁手で、これは詰みません。
 64龍の威力が強過ぎるのですが、何かいい手があったのでしょうか?
 実は当然と思われた龍追いが落とし穴。
 7手目64龍として45玉に55龍と金を取り36玉と追い込むところまでは正解ですが、ここで46龍が当然の手に見えて間違いでした。
 36玉に45龍と歩頭に龍をタダ捨てするのが強烈な一手。

<7図 11手目:45龍>
無双61_45龍
 45龍は、同歩と取れば37金まで、また27玉も28金までなので、同玉と取る一手。
 そこで46金と打てば54玉と押し戻すことができ55金と金追いが出来ます。
 さきほどは強力な龍で追って詰まなかったのですが、わざわざ龍より弱い金に換えるメリットがあるのでしょうか。
 55金、63玉、64金、52玉と順調に金追いで手が進みます。
 ここで51と と一歩補充し、同金と応じて8図となります。

<8図 20手目:51同金>
無双61_51金
 6図とよく似た局面になりましたが、一ヶ所違いがありますね。
 そうです6図では64の駒が龍でしたが8図では金になっています。
 今度は53歩が打歩詰の禁手ではありません。
これが45龍の妙手で龍と金をすり替えた効果です。
53歩と打てば61玉の一手に51角成と金を取ります。
71玉と逃げるしかありませんが、62金から清算し74桂と跳ねれば寄りです。

 一ヶ所紛れに触れておきますと、11手目45龍に代えて、46龍、27玉に36龍と捨てる手がありそうです。
 同玉なら37金から本手順に合流しますが、取らずに17玉とかわされ、37龍、18玉となると、19金と打つしかなく、同玉、39龍から紛れ潤に入ってしまいます。

 「龍追い」で詰むと思えば、それでは打歩詰になるので、それを回避するため、龍と金をすり替え、「金追い」が出現するという面白い作品でした。

【詰手順】76角、同銀、66金、54玉、55金、同金、64龍、45玉、55龍、36玉、
  45龍(7図)、同玉、46金、54玉、55金、63玉、64金、52玉、51と、同金(8図)、
  53歩、61玉、51角成、71玉、62金、同金、同馬、同玉、74桂、71玉、
  72歩、同玉、73金打、71玉、82桂成、61玉、72成桂、51玉、62成桂まで39手詰

■創棋会の今後の予定
★コロナ情勢により例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控えるなど、当日の運営にご理解をお願いします。

***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2021年4月18日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
 〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
 アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
<最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
※当初ご案内の場所となります。事前の参加申込は不要です。
[会費] 無料
[課題] 詰パラ6月号作品展。課題「不利●●」。先打、逃避、交換、合駒など多彩な表現が考えられます。
  意欲作の投稿をお待ちしています。
***【次々回例会】************************************************* 
[日時] 2021年6月20日(日)13時~
[場所] ※下記会場を予約していますが、ワクチン接種会場となる可能性もあります。
その場合は会場が変更になりますので、あらためて案内させていただきます。
大阪市福島区民センター 304号
〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
<最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[課題]  詰パラ9月号作品展。課題は追ってご案内させていただきます。
[会費]  無料
**************************************************
・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで 
⇒  blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
    以上

ネット作品展、解答締切は4月9日

<ネット作品展、解答締切は4月9日>

■本
・「詰将棋の世界」(齋藤夏雄、日本評論社、2021年3月)
 「数学セミナー」での2年間にわたる連載が本になったもの。最初は掲載雑誌が不可解だったのですが、齋藤さんの本業は数学の先生だったのですね。
 入門書と銘打たれていますが、ルールの解説にもなかなか深いものがあり、引用された作品もハイレベルのものが幅広いジャンルから取り上げられており、読み物としても飽きさせません。
 初心者向けとは言い切れない、内容豊富な一冊と感じました。

■花
 毎年この時期に咲く真っ白な木蓮の花。
414.png

■解答選手権
 今年の解答選手権は残念ながら中止となりましたが、初級一般戦についてはオンラインで開催されます。
   https://twitter.com/shogi_problem/status/1369483149969883144
 オンライン会場のページがオープンされていますので、ご一読ください。
   https://shogi-problem.org/
 参加を希望される方は、操作方法などを事前に確認されることをお勧めします。

■「教材に使える10手台」partⅤ~解答締切は4月9日~
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台~寄せの主役は銀~」には、たくさんの投稿をいただきました。作家の皆さま、ありがとうございました。
 創棋会例会で選考の結果、11題を当ブログで出題させていただきました。
  ★出題はこちらから → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-414.html
  ★出題図の一覧は次のサイトから取り出すことができます。
    https://firestorage.jp/download/d4e4c9bea81bdabeea3eed121329c41f7c5c7336
    ダウンロードパスワード kyozai5
 出題作の作者は次の10名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
  (敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
    天月春霞、浦野真彦、岸本裕真、金少桂、則内誠一郎、冨永晴彦、
    中出慶一、西村章、RINTARO、吉松智明

 銀が攻防に活躍する作品、銀の活用に妙味のある作品など、解けば楽しんでいただける作品が揃っています。
 最初の9題は13~17手、「力試し」の2題は10手台です。
 一ケタ手数の詰将棋から二ケタのものに挑戦するのに相応しい難易度の作品もありますので、1問でも解ければ解答下さい。

◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 4月9日(金)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※呈賞:2名

■創棋会の次回課題は 「不利●●」
 創棋会の次回課題は「不利●●」。詰パラ6月号作品展の出題作となります。
 「●●」には、先打、逃避、交換、合駒などさまざまな文言が入ります。
 「不利●●」は多彩な表現が可能です。意欲作の投稿をお待ちしています。
 投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
  ※選考は4月18日(日)例会で行います。投稿は4/17(土)までにお願いします。

◇例題紹介
 それでは恒例の例題紹介です。
 今回は「不利交換」を紹介させていただきます。
 能力の高い強い駒を能力の低い弱い駒に交換する手筋です。
 その主な目的は持ち駒の飛車や香を歩に換えて打歩詰を打開するというものです。
 これまでもこのブログでいくつか作品を紹介していますので、良かったら参照下さい。
   無双15番 http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-10.html
   図巧78番 http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-250.html

九代 大橋宗桂 「将棋舞玉」第43番 天明6年(1786年)
舞玉43

 一作目は古典から。
 16角が意味ありげな配置ですが、目につく手順を進めていきます。
 83銀と捨て、同玉に82金と桂を入手。
 同玉に83銀と捨て、75桂打と数の攻め。
 94玉と逃げれば、さらに83銀と追います。
 95玉と角を取られますが、そこで96飛と押さえ、85玉に74銀右不成と歩を入手。
 同歩と応じて次図の局面となりますが、これは典型的な打歩詰の状態。
 不利先打の例題でも良く出てきた場面です。

<失敗図 74同歩>
舞玉43紛れ
 失敗図では96飛が強過ぎるので、どこかで飛車を先に使って歩を残しておけば96歩と打てたのですが、この局面で持駒になっている歩は直前に74銀として手に入れたばかりです。
 どこかに上手い手があったのでしょうか。
 83銀、同玉のときに、61角成と捨てるのが好手。
 72に何か合駒しても、82金、同玉、83銀から75桂の筋がありますので、同飛と応じます。
 そこで82金と桂を取り、同玉に62の飛車を角捨てで61に動かしたことを活かして、52飛と打つのが、地味ながら好手。

<1図 7手目:52飛>
舞玉43_52飛

 72への合駒は角金銀しかありません。
 角合ならば、同飛、同香に83銀、同玉、75桂打、94玉、83角から詰みます。金銀の合も同様の手順で寄ります。
 そこで62歩と受けます。
 これを同飛成と取って、同飛と進んだところで、持駒の飛車が歩に変わりました。
 そこで83銀、同玉、75桂打と先ほどと同じように攻めます。
 94玉に83銀と打ち、95玉となったところで、今度は持駒が歩なので96歩と打つことができます。
 85玉と寄れば、74銀右不成と歩を入手して、同歩となったところで2図の局面。

<2図 20手目:74同歩>
舞玉43_74歩
 2図は失敗図の96飛が96歩に変わりましたから、86歩が打てて、同玉に77金から76金までの詰み。
 飛車という強力な持駒をあえて弱い歩と交換しておく「不利交換」の一局でした。

【詰手順】83銀、同玉、61角成、同飛、82金、同玉、52飛(1図)、62歩合、
  同飛成、同飛、83銀、同玉、75桂打、94玉、83銀、95玉、96歩、85玉、
  74銀右不成、同歩(2図)、86歩、同玉、77金、75玉、76金まで25手詰

※残念ながら本局には初手61角成とする余詰があるようです。
 61角成、㋑83金、同馬、同玉、72銀打、㋺同飛、同銀不成、㋩同香、75桂、同と、
 82金、同玉、71銀、同玉、51飛、61金、63桂、82玉、71銀、同金、同飛成、83玉、
 82飛、74玉、84飛成、63玉、62金、53玉、51龍、44玉、54龍引、35玉、24龍、
 46玉、44龍左、45合、35龍右、56玉、57歩、65玉、56金まで
  手数はかかりますが詰んでいます。
 ㋑72金は、同馬、同飛、83銀、同玉、72銀、同飛、同銀不成以下
 ㋺同香は、75桂、同と、82金、同玉、71銀、同玉、83桂、82玉、71銀、83玉、82飛以下
 ㋩同玉は、42飛、62合、82金以下


北川邦男作 近代将棋1968年4月 修正図(「渓流」第69番)
北川渓流69

 24角が目につきますが、23玉、33と、同馬、同角成、同玉となると、ちょっと切れ模様です。
 初手は香打が正解です。
 ただし14香と打つと23玉で打歩詰。67角の遠打も56歩合で歩しか入手できないので打歩詰は打開できません。
 16香と離して打つのが良く、23玉なら14銀、24玉、13角までピッタリの詰み。
 14の捨合も同銀で無効ですから、15に中合するのが好防です。
 15の中合は頭の丸い桂が筋のようですが、同香、23玉に13香成、同玉、24角と打ち換えて、12玉に31とで銀を入手し、52銀と飛車を抜かれても、13銀、23玉、15桂の詰みです。
 ということで最善は15歩です。

<3図 2手目:15歩>
北川渓流69_15歩
 15歩は同香と取るしかありません。
 23玉となって打歩詰。ここであわてて67角は56歩合で詰みません(失敗図)。

<失敗図>
北川渓流69紛れ
 ここは15の香が強過ぎるので弱い駒に変えるのが打開の好手筋。
 13香成と捨て、同玉に14歩と打ち換えます。

<4図 7手目:14歩>
北川渓流69_14歩
 14歩に23玉なら、今度こそ67角で決まります。
 56歩合なら、同角と取り、同龍に24歩と打てます。12玉と逃げますが31と と銀を入手して詰みます。56桂合も同角から15桂があるので同じです。
 14歩には12玉と逃げるのが最善ですが、手順に31と と銀を入手。
 52龍と飛車を抜かれますが、13銀、23玉、24銀引成と攻めます。
 22玉と粘りますが、13角で31のと金に紐をつけ、12玉は23成銀と捨てて、同玉に24角成と馬を作り、22玉には13馬までの詰み。

 持駒香では打歩詰になるので、香を歩に不利交換して打歩詰を打開する。
 香の離し打ちで初形になかった歩を中合で出現させ、歩を入手した後は、香と歩を打ち換えるという巧妙なストーリーを簡潔に表現された作品。

【詰手順】16香、15歩(4図)同香、23玉、13香成、同玉、14歩(5図)、12玉、
  31と、52龍、13銀、23玉、24銀引成、22玉、13角、12玉、23成銀、同玉、
  24角成、22玉、13馬まで21手詰


山本民雄作 詰パラ1987年11月(「現代詰将棋中編名作選」第78番)
山本_現中78

 山本民雄氏の遺作として知られる難解構想作。
 初手は67角の限定打。
 その意味はもう少し手順が進むと明らかになりますが、その前に67角に対して45や56に捨合して角を近づける変化を調べておきます。
 まず56桂は、同角、43玉、53銀成、同歩、44銀、同玉、45飛、34玉、42飛成、25玉、26飛、15玉、12龍、14合、27桂まで。これは後述する失敗図に至る手順が参考になると思います。
 次に45桂ですが、同角、43玉、53銀成、同歩、32銀打、同銀、同銀不成、同玉にもらった桂を44桂と打てば、43玉、52銀、44玉、74飛、64桂、43飛から詰みます。
 67角に対して捨合は利きません。
 25玉と逃げるのは、26飛、14玉、16飛打、15金、同飛、同玉、16金、14玉、24飛、同玉、26香、13玉、12銀成、同玉、22香成の両王手。15金のところで15桂なら同飛、同玉、27桂があります。
 67角には、43玉と逃げますが、53銀成と銀を入手。
 53銀成に同玉は、73飛、63歩(銀合は43飛、同玉63飛成、53合、54銀以下)、54歩、42玉(同玉は45角、43玉、63飛成、53合54銀以下)、43銀、同玉、63飛成、53桂、同歩成、同歩、55桂以下の詰み。
 53銀成は同歩と応じます。
 そこで45飛からの攻めを見て44銀と捨てます。
 52玉と逃げるのが難しい変化ですが、53銀成、同玉に51飛と打てば、52合は54飛、また64玉には54飛成で、いずれも二枚飛の威力で詰みます。
 44銀は同玉と取るしかありません。
 それには45飛と打つのが、34玉に41飛成と駒を取りながら開き王手で攻めることが出来るので、良さそうに見えます。
 しかし41飛成、25玉、26飛、15玉で息切れ。
 41飛成は欲張りで、42飛成の空成りが二段目に利かす好手。25玉、26飛、15玉のときに12龍と出来ます。
 しかし12龍に14歩合とされると、打歩詰の局面。
 26飛が強すぎるのですね。

<失敗図>
山本_現中78紛れ
 26飛を弱い駒に変えるにはどうすれば良いのか、それが本作を解く鍵です。
 45飛から42飛成では持駒に飛車が残るので26飛と打つしかない。
 そこで42飛と歩の頭にタダ捨てするのが絶妙の一手。

<5図 7手目:42飛>
山本_現中78_42飛
 42飛に55玉なら56金、64玉、65飛、74玉、72飛成、73合、63飛成で詰み。
 43桂合も45飛、34玉、35飛、45玉、45飛、34玉、36香から詰む。
 42飛は取るしかありませんが、同歩、45飛、34玉のとき42飛成と歩を入手できます。42飛と捨てて歩を吊り上げておいた効果です。
 25玉には歩が手に入ったので、26歩と打てます。
 14玉と逃げれば、12龍、13歩、15歩合、同玉、13龍、14歩合まですすんだとき、16歩と打てるのが、わざわざ飛車を42に捨て歩と交換した効果。
 42飛のタダ捨ては、飛車を歩と換える「不利交換」の妙手筋でした。
 同玉、14龍、15合に49角までの詰みですが、この49角と引けるのが初手67角の効果です。
 でもこの手順では駒が余ります。どこがおかしかったのでしょうか。
 実は玉方には受けの鬼手がありました。
 42飛を同銀と取るのです。

<6図 8手目:42同銀>
山本_現中78_42銀
 42同銀に対して45飛から42飛成として25玉に26銀と打つと、14玉、12龍、13歩となり、26銀が強すぎて打歩詰。
 42同歩と応じると、その歩を取り返されて26に打たれてしまうので、同銀とすることで強い駒を渡して打歩詰に誘致しようという高難度の受けの妙手です。
 これには攻め方も工夫が必要です。
 45飛、34玉に42飛不成と不成で銀を取ります。
 25玉に、26銀、14玉、12飛不成とするのは、13合とされ、67角が利いているので15歩は打歩詰。
 25玉には36金左と捨て同香と取らせてから、34角と捨てるのが好手。
 同香なら、26銀、14玉、12飛不成が好手順で、13合なら15歩から32飛成の詰み。
 34角は、同玉と取るしかありませんが、そこで35銀が気持ちの良い一手。この銀が打てるのは36金捨ての効果です。
 35銀には25玉と逃げる一手ですが、今度は26金と活用し、14玉に12飛不成で収束は間近です。
 23玉が最善ですが、32飛成、14玉、15歩、13玉、12龍までの詰み。

 打歩詰打開のために歩頭への飛車のタダ捨てで飛車と歩の「不利交換」を目指せば、玉方は歩の代わりに銀を差し出す「銀先銀歩」で応じるという虚々実々の応酬が見応えのある一局。

【詰手順】67角、43玉、53銀成、同歩、44銀、同玉、42飛(5図)、同銀(6図)、
  45飛、34玉、42飛不成、25玉、36金左、同香、34角、同玉、35銀、25玉、
  26金、14玉、12飛不成、23玉、32飛成、14玉、15歩、13玉、12龍まで27手詰

■創棋会の今後の予定
★コロナ情勢により例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控えるなど、当日の運営にご理解をお願いします。


***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2021年4月18日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
 〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
 アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
 <最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
  ※当初ご案内の場所となります。事前の参加申込は不要です。
[会費] 無料
[課題] 詰パラ6月号作品展。課題「不利●●」。先打、逃避、交換、合駒など多彩な表現が考えられます。意欲作の投稿をお待ちしています。

***【次々回例会】************************************************* 
[日時] 2021年6月20日(日)13時~
[場所] ※下記会場を予約していますが、ワクチン接種会場となる可能性が高く、その場合は会場が変更になりますので、あらためて場所を確保して案内させていただきます。
 大阪市福島区民センター 304号
  〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
  アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
  <最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[課題]  詰パラ9月号作品展。課題は追ってご案内させていただきます。
[会費]  無料

**************************************************
・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで 
⇒  blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)  以上

ネット作品展解答募集中

<ネット作品展解答募集中>
 首都圏の緊急事態宣言も解除されることになりました。
 とはいうものの、感染者の発生は下げ止まりで、引き続き用心が必要な状況に変わりありません。
 自粛疲れもありますが、感染拡大の防止のため、正しく恐れ、適切な行動で、自衛に努めたいと思います。

■最近読んだ本
・「証言 羽生世代」(大川慎太郎、講談社現代新書、2020.12)
 16人の棋士が「羽生世代」を語るという内容。
 棋士の日常と彼らの行動や考え方については故・河口俊彦氏が「対局日誌」などの読み物で紹介されていましたが、本書では古き良き時代の話はあまり出てきませんでした。
 それでも登場する棋士の皆さんの話が面白く、グイグイ引き込まれていきました。

■花
 2月下旬に撮影した梅の花。
 最近では同じ場所で桜の開花が近づいています。
413.png

■「教材に使える10手台」partⅤ~解答募集中~
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台~寄せの主役は銀~」には、たくさんの投稿をいただきました。作家の皆さま、ありがとうございました。
 創棋会例会で選考の結果、11題を当ブログで出題させていただきました。
  ★出題はこちらから → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-414.html
  ★出題図の一覧は次のサイトから取り出すことができます。
   https://firestorage.jp/download/d4e4c9bea81bdabeea3eed121329c41f7c5c7336
   ダウンロードパスワード kyozai5
 出題作の作者は次の10名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
  (敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
    天月春霞、浦野真彦、岸本裕真、金少桂、則内誠一郎、冨永晴彦、
    中出慶一、西村章、RINTARO、吉松智明

 銀が攻防に活躍する作品、銀の活用に妙味のある作品など、解けば楽しんでいただける作品が揃っています。
 最初の9題は13~17手、「力試し」の2題は10手台です。
 一ケタ手数の詰将棋から二ケタのものに挑戦するのに相応しい難易度の作品もありますので、1問でも解ければ解答下さい。

◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
◇解答締切 : 4月9日(金)
◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
※呈賞:2名

■創棋会の次回課題は 「不利●●」
 創棋会の次回課題は「不利●●」。詰パラ6月号作品展の出題作となります。
 「●●」には、先打、逃避、交換、合駒などさまざまな文言が入ります。
 「不利●●」は多彩な表現が可能です。意欲作の投稿をお待ちしています。
 投稿先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)
  ※選考は4月18日(日)例会で行います。投稿は4/17(土)までにお願いします。

◇例題紹介
 それでは恒例の例題紹介です。
 これまで「不利先打」「不利合駒」を紹介してきましたが、今回は「不利逃避」を紹介させていただきます。
 不利逃避にもいくつかバージョンがあるようですが、わざと守備駒を取らせて(攻め方は持駒が強力になる)打歩詰に誘致する、攻め方の駒が成れるところに逃げて(攻め方の勢力が強くなる)打歩詰に誘致する、といった打歩詰関連のものが多いようです。
 代表的な作品には山田修司さんの塚田賞受賞作があり、本ブログでも紹介していますので、下記からご参照いただけます。
   → http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-306.html

山腰雅人作 近代将棋1998年6月(塚田賞、「現代詰将棋中編名作選Ⅱ」234)
山腰_現短234

 攻め駒が遠いのですが、33桂と打つと意外と狭いことがわかります。
 32玉なら52飛と離して打てば42合は同銀成、22玉、32成銀、13玉、31角まで。42合に代えて31玉も42銀成から同様の詰み。
 また22玉なら、21飛と打って、13玉に57角と46地点での合駒を訊けば、歩は二歩で打てませんし、頭に利く駒は取って14から打って簡単。桂合が最善ですが、同角、同香、25桂、同香、24飛成で詰みます。
 随分簡単に詰んでしまったのですが、実は玉方には巧妙な受けがありました。
 21飛と打たれたとき、いったん32玉と寄るのが巧い手です。
 これには41飛成と歩を取って、22玉に21龍とすれば、単に21飛と打った局面よりも持駒が増えて龍も出来、攻め方は得をしたように見えます。
 13玉と逃げたとき57角と引くところまでは同じ攻め方になります。
 しかし今度は46歩と受けることができます。
 先ほどの変化では歩は二歩で打てませんでした。
 攻め方が41飛成と41の歩を取ったため、玉方は46歩と打つことができたわけです。
 32玉は、わざと41歩を取らせるように逃げた手です。このような手を「不利逃避」と呼んでいます。
 失敗図となっては手がありません。

<失敗図 46歩>
山腰_現短234逃れ

 32玉に41飛成と41歩を取ると詰まないので、別の攻め方が必要です。
 42銀成と捨てるのが好手。

<1図 5手目:42銀成>
山腰_現短234_42銀

 同歩と取らせて、41飛成とすれば、4筋の歩を残したまま攻めることができます。
 42銀成から41飛成は、取れる駒を取らない巧妙な手順でした。
 以下は先ほどの変化と同じように、22玉に21龍、13玉に57角と応手を問い、46桂合を同角と取って、その桂を25桂と捨てて軽やかに収束。

 打歩詰に誘致しようとする不利逃避の妙防に対して、取れる駒を取らず二歩禁を利用して打歩詰を回避するという見事な応酬を簡潔に表現した作品でした。

【詰手順】33桂、22玉、21飛、32玉、42銀成(1図)、同歩、41飛成、22玉、
   21龍、13玉、57角、46桂、同角、同香、25桂、同香、24馬まで17手詰


市島啓樹作 近代将棋1993年1月
市島199301

 33銀成で詰みと思ったら55馬が利いていました(笑)
 他に手もないので26桂と捨てます。
 同と と取らせて35歩、同馬と取らせても、相変わらず55馬が睨みを利かせています。
 そこで45銀と捨てて55馬の利きをそらせることを考えます。
 45銀に43玉なら、54銀、34玉に、35歩、同馬とさせてから、43銀不成と捨てるのがうまい手で、同歩に32飛成と裏から攻めれば数の攻めで詰んでいます。
 45銀は同馬と応じるしかありません。
 ここで銀のいた場所に54飛成とするのが気持ちの良い一手に見えます。
 同馬と取ってくれれば、35歩、同馬、33銀成まで。
 しかし受け方には妙手があります。
 44馬と引くのです。これで35歩は打歩詰。
 同龍と取っても同馬と取り返され、35歩には43玉で、これは逃れです。
 44馬引は打歩詰誘致のセルフピンの妙防でした。
 攻め方も工夫が必要です。
 54飛不成とします。

<2図 5手目:54飛不成>
市島199301_54飛
 飛不成としておけば、44馬引にも35歩が打てるので、43玉、52飛成までです。
 44合も、35歩、43玉(同馬は33銀成)、52飛成まで。
 54同馬も35歩があります。
 受けがないかのように見えますが、43玉と引くのが巧妙な受け。
 52飛成と龍を作られますが、34玉と戻れば、54龍と引くしかなく、そこで44馬引とすれば35歩は打歩詰。
 43玉はわざと龍を作らせる不利逃避の好防でした。

<3図 10手目:44馬引>
市島199301_44馬引
 44馬と引かれると、同龍と取るしかありませんが、同馬と取り返されます。
 いきなり54飛成としたときの変化では手がありませんでしたが、54飛不成、43玉の応酬で43歩が消えたので、今度は52角と打つことができます。
 ただちに54飛成では43歩を消せないのですが、54飛不成とすれば43玉の不利逃避を誘発するものの、玉で取らせることによって43歩を消すことができました。
 このあたりは含みの多い応酬です。
 52角と打てば、単に43合では35歩、同馬、33銀成があるので、もう一度43馬と移動合して打歩詰で逃れようとします。
 しかし今度は同角成と取って、その角を25角と捨てれば、同とに35歩が打てて収束です。

 不成、邪魔駒消去、二度のセルフピンに不利逃避と、打歩詰を巡る攻防を存分に楽しめる作品でした。

【詰手順】26桂、同と、45銀、同馬、54飛不成(2図)、43玉、52飛成、34玉、
  54龍、44馬引(3図)、同龍、同馬、52角、43馬、同角成、同歩、
  25角、同と、35歩、同と、33銀成まで21手詰

明石六郎作 年月(「現代詰将棋中編名作選Ⅱ」第105番)
明石_現中105

 13銀と捨てる手が龍馬を働かせて気持ちよさそうですね。
 同玉なら23龍までですが、11玉とかわされて打歩詰。
 23銀成、11玉、12成銀と捨てるのも、同玉、23馬、11玉、14龍と手は続きますが、13歩と受けられて、切れてしまいます。
 初手は33銀不成と左から攻めるのが正解です。
 11玉に12歩、同玉、23龍、11玉、14龍とするのは13歩で続きません。
 11玉には21龍と切るのが思い切った手です。
 同玉の一手に32銀不成と連続して不成で活用するのが好手順。
 11玉とかわせば、12歩と叩いて同玉に23銀不成と三連続不成で迫るのが味の良い運びです。
 13玉では14銀と桂を取られてしまいますし、11玉なら12歩から32馬があるので、21玉と引きます。
 それには32馬ですが、11玉となって打歩詰。
 困ったようですが打開の好手があります。
 33馬(変化図)と捨てるのです。

<変化図 33馬>
明石_現中105_変化
 33馬にはいったん21玉とかわし、32馬なら11玉で千日手を狙うというのもありそうですが、21玉には32銀不成があります。初手から33→32→23と三連続不成で活用した効果です。これには12玉と逃げるしかありませんが、34馬と金を取れますから簡単。
 結局33馬は同銀と取るしかなく、12歩、21玉に33桂不成で銀を入手。同金に11歩成と捨てて、同玉に12銀打までの詰みです。
 順調に進んだようですが、どこかに見落としはなかったでしょうか?
 実は受け方には延命の妙手が残されていたのです。
 それは12歩、同玉、23銀不成に対して13玉と逃げる手です。

<4図 10手目:13玉>
明石_現中105_13玉
 13玉では14銀成と桂を取られ、12玉、23成銀と進めば、4手前と比べて攻め方に桂を一枚余計に持たせただけのように見えます。
 しかし23成銀に21玉と引き、32馬、11玉、33馬と進めば、先ほどの変化図とは微妙に局面が変化していますね。

<5図 17手目:33馬>
明石_現中105_33馬
 変化図では23には銀がいたので、33馬に21玉とすれば32銀不成とできたのですが、5図では23にいるのは成銀ですから21玉、32成銀、12玉、34馬、23合で詰みません。
 10手目13玉は、桂を取られるだけの損な手のようでしたが、銀を成らせるのが目的の「不利逃避」の妙防だったのです。
 21玉に32馬では11玉で千日手ですから、スパッと11馬と捨て、同玉に12歩と打ち直し、21玉に33桂打と桂の重ね打ちで、同銀、同桂不成、同金と銀を入手。
 同金には11歩成から12銀打までの詰み。

 本局の「不利逃避」は打歩詰誘致ではなく銀を成らせることが目的というもので、ちょっと珍しいものでした。

【詰手順】33銀不成、11玉、21龍、同玉、32銀不成、11玉、12歩、同玉、
  23銀不成、13玉(4図)、14銀成、22玉、23成銀、21玉、32馬、11玉、
  33馬(5図)、21玉、11馬、同玉、12歩、21玉、33桂打、同銀、
  同桂不成、同金、11歩成、同玉、12銀まで29手詰

■創棋会の今後の予定
★コロナ情勢により例会が急遽開催中止になる可能性もあります。中止となった場合は、当ブログで告知させていただきます。
 なお当日は、感染拡大防止のため、発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。参加される方も、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、大声での会話を控えるなど、当日の運営にご理解をお願いします。


***【次回例会】************************************************* 
[日時] 2021年4月18日(日)13時~
[場所] 大阪市港区民センター 楓
 〒552-0007 大阪市港区弁天2-1-5
 アクセス → https://www.osakacommunity.jp/minato/access.html
 <最寄駅>地下鉄中央線・JR環状線「弁天町」徒歩7分
  ※当初ご案内の場所となります。事前の参加申込は不要です。
[会費] 無料
[課題] 詰パラ6月号作品展。課題「不利●●」。先打、逃避、交換、合駒など多彩な表現が考えられます。
  意欲作の投稿をお待ちしています。

***【次々回例会】************************************************* 
[日時] 2021年6月20日(日)13時~
[場所] ※下記会場を予約していますが、ワクチン接種会場となる可能性が高く、その場合は会場が変更になりますので、あらためて場所を確保して案内させていただきます。
 大阪市福島区民センター 304号
 〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
 アクセス → https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
 <最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神から 徒歩数分
[課題]  詰パラ9月号作品展。課題は追ってご案内させていただきます。
[会費]  無料

**************************************************
・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで 
⇒  blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)  以上